JP3207537B2 - 成形品のパレット積み装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は射出成形機等において、
成形された長尺物成形品を安定した姿勢で積込む成形品
のパレット積み装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】成形品の自動積込み装置の従来技術とし
て、トランスファプレスによりプレス成形後の成形品を
自動積込みする装置が特公昭６１−２１８９０号公報に
おいて提案されている。これを図６〜図１２によって説
明すると、１はトランスファプレスで、このプレス１の
成形品排出側には、トランスファフィーダ２によりプレ
ス１より排出された成形品を搬送するコンベヤ３が設置
されている。このコンベヤ３でステーションＩよりステ
ーションＩＩＩに搬出された成形品Ａは、ステーション
ＩＩＩの下方に設置されたリフタ４によりコンベヤ３上
面より上昇する。前記リフタ４は図１０に示すように、
コンベヤ３の下方にリフトシリンダ４ａにより昇降自在
なリフトテーブル４ｂを有している。リフトテーブル４
ｂ上には、コンベヤ３の各ベルト３ａ間に位置するよう
に複数個の支持部材４ｃが立設されていて、前記リフト
シリンダ４ａにより前記リフトテーブル４ｂを上昇させ
ることにより、リフトテーブル４ｂ上の支持部材４ｃが
各ベルト３ａ間からベルトコンベヤ３の上方に突出し
て、ベルトコンベヤ３上の成形品Ａを上昇させるように
構成されている。また前記リフタ４の上方には図８に示
すような積込みキャリヤ５が設置されており、同リフタ
４によって上昇した成形品Ａをバキュームカップ６で吸
着するようになっている。

【０００３】前記積込みキャリヤ５は、コンベヤ３の搬
送方向に沿って移動自在なキャリヤ本体５ａを有し、こ
のキャリヤ本体５ａの下部に成形品Ａを吸着するバキュ
ームカップ６が設けられており、同バキュームカップ６
に吸着された成形品Ａは、キャリヤ本体５ａの移動によ
りステーションＩＶへ搬送される。ステーションＩＶに
は平積み手段７が設置されている。この平積み手段７は
図９に示すように走行基台８上に成形品Ａの長さに対応
して離間する２組のラッチチェーン９が立設されてお
り、同ラッチチェーン９には互いに対向する面に成形品
Ａの端部を載置する多数のラッチ９ａが突設されてい
て、前記積込みキャリヤ５のバキュームカップ６より開
放された成形品Ａの端部を１枚ずつ載置できるようにな
っており、かつ前記各ラッチチェーン９は走行基台８内
に設置された間欠送りモータ１０により回転し、成形品
Ａの積込み毎に１ピッチずつ前記ラッチ９ａを下降させ
るようになっている。

【０００４】また前記平積み手段７のラッチチェーン９
に所定数の成形品Ａの積込みが完了すると、平積み手段
７の下方に設けられたリフタ４０上に載置された図１１
に示すようなパレット１２のパレットフック１２ａが成
形品Ａ側へ移動し、パレットフック１２ａに突設された
フック１２ｂが各成形品Ａの間に図１２に示すように挿
入される。次にこの状態で各走行台車８が互いに離間す
る方向へ移動するため、ラッチチェーン９の各ラッチ９
ａに保持されていた成形品Ａは、パレット１２の各フッ
ク１２ｂ側へ移し替えられて保持される。その後リフタ
４０がパレット１２と共に成形品Ａをレベル２ＦＬから
レベル１ＦＬまで降下されると共に、降下後再び走行台
車８は元の位置に復帰し、この間にステーションＩＶへ
搬送されてきた成形品Ａは連続供給用ラッチチェーン１
１に、次の空パレット１２がリフタ４０により上昇され
るまでの間一時的にプールされる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の成形品積込
み装置では、射出成形機で成形された自動車部品のバン
パ、計器パネル等の長尺の成形品の積込みは難しい。即
ち、細長くて端部が丸みをもつ成形品の場合、平積みパ
レットフックで端部を受けると成形品が転倒するので積
込みができない。また平積みパレットに直ちに積上げる
と、積み重ねた成形品が変形する。更に連続無人運転に
必要なパレットのストックヤードがない。即ち、パレッ
トのストックヤードがなければ連続無人運転ができない
と言う問題があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、射出
成形機から成形品を取出してパレット積み装置へ供給す
る取出機と、往復動可能で、パレット１台分の成形品を
前記取出機より受入れる水平アームを有するとともに、
成形品を前記取出機より受入れる度に成形品の幅寸法だ
け移動する積み込み台車と、同台車と直行する方向に移
動でき、前記成形品を置く一対の水平平行な支持棒を上
下に複数段備えたパレット群とよりなり、同パレットが
成形品で一杯になったら、前記パレット積み装置と平行
に置かれたパレットコンベヤに順次送り込むようにして
なるもので、これを課題解決のための手段とするもので
ある。また本発明は、射出成形機から取出された成形品
が置かれたパレットを載せて昇降し、積み込み台車の走
行方向に対し直角方向に往復移動可能で、且つ前記パレ
ットを前述の往復移動方向と直角方向に移動させる駆動
ローラを備えてなるリフタ台車と、同リフタ台車からパ
レットを受取る度に１パレットピッチだけ間欠移動して
多数のパレットを収容するパレットコンベヤを上下２段
に備えた２階建パレットストッカと、同ストッカの前記
リフタ台車の位置と反対端に置かれ、前記パレットコン
ベヤと同方向にパレットを送ることができる駆動ローラ
を備えてなるパレットリフタとにより構成されてなるも
ので、これを課題解決のための手段とするものである。

【０００７】

【作用】取出機が射出成形機より成形品を取出すと共
に、安定した姿勢にして積込み台車の水平アーム上に置
く。積込み台車は成形品の幅寸法だけ移動して次に取出
された成形品を水平アーム上に受入れる。また前記積込
み台車の水平アーム上にパレット１段分の成形品が置か
れた後、積込み台車は成形品を載せたまま走行し、リフ
タ台車に載せてあるパレットの一対の水平平行な支持棒
上に成形品を置く。積込み台車は取出機の取出し位置と
リフタ台車の間を往復し、成形品を運んで１段目が済ん
だらリフタ台車のリフタによりパレットを上昇させ、下
の段の支持棒上に纏めて成形品を置く。パレットが成形
品で満杯になったら、リフタ台車はパレットストッカの
端部に移動して高さを合わせ、リフタ台車のローラとパ
レットストッカのパレットコンベヤが同時に駆動され
て、成形品を積んだパレットはパレットストッカに収容
される。パレットストッカが満杯になったら、次のパレ
ット移動時に先頭のパレットをパレットリフタが受取
り、同パレットを上昇させて上段のパレットコンベヤに
送り込む。また上段のパレットコンベヤは下段のパレッ
トコンベヤと反対方向に駆動される。このようにパレッ
トストッカは成形品生産ラインの下流の工程が一時的に
停止する状態において、射出成形機の無人運転を続けさ
せることができる。また予めパレットストッカに空のパ
レットを収容して置き、上段のパレットコンベヤから空
パレットをリフタ台車に補給することもできる。なお、
リフタ台車の駆動ローラもパレットリフタの駆動ローラ
も正逆駆動可能である。

【０００８】

【実施例】以下本発明を図面の実施例について説明する
と、図１〜図５は本発明の実施例を示し、射出成形機で
成形された長尺物成形品を、取出し積込むパレット積み
装置に本発明を適用した場合である。先ず図１はパレッ
ト積込み装置全体の構成斜視図で、図示していないが、
取出機５２のチャックが射出成形機５０の金型より成形
品５１を取出し、矢印Ｂ１，Ｂ２，Ｂ３のように運んで
一定の位置に置く。図２は長尺物成形品の１例を示す。
さて積込み台車５７に固着してあるアーム５３（図３）
は、取出機５２により運ばれて来た成形品５１を受取
る。積込み台車５７は図３に示したように、これに取付
けられたモータ５６に駆動される歯車７１が床に敷設さ
れたラック５５と噛み合って、レール５４の上を図１の
矢印Ｃ１，Ｃ２で示された方向に駆動走行しているの
で、モータ５６の回転数をコントロールすることにより
正確な位置決めができる。

【０００９】また図５にパレット６１の側面図を示す。
パレット６１は棒材又は管材で作られたフレーム６１ａ
と、このフレーム６１ａに２段に取付けられた成形品５
１を支える各一対の水平平行な支持棒上６２及び支持棒
下６３と、下面が平らな一対の台板６１ｂとで構成され
ている。またパレット６１はその台板６１ｂの凹部６１
ｃに、別のパレットのフレームの先端６１ｄが嵌まり込
むようにして上に積上げることができる。図４にリフタ
台車６０を斜視図で示す。リフタ台車６０はパレット６
１を載せ、これをアクチュエータ７８で駆動されるリフ
タ７７によって図１の矢印Ｄ１，Ｄ２方向に昇降し、積
込み台車５７の走行方向に対し直角方向に敷設してある
レール５８上を、モータ５９、同モータ５９の出力軸に
取付けられた歯車７２と、これに噛み合う床に敷設され
たラック６９により、図１の矢印Ｅ１，Ｅ２で示した方
向に往復移動可能であり、またパレット６１を前述の往
復移動方向と直角方向である図１で示す矢印Ｆ１方向に
移動させる駆動ローラ６８（モータ７３、スプロケット
７５，７６、チェーン７４により駆動される）を備えて
いる。パレットストッカ６４は、リフタ台車６０からパ
レット６１を受取る度に１パレットピッチだけ矢印Ｆ１
方向に間欠移動し、多数のパレット６１を収容するパレ
ットコンベヤ下６６と、同コンベヤ下６６と逆方向の矢
印Ｆ２方向にパレット６１を受取る度に１パレットピッ
チだけ間欠移動するパレットコンベヤ上６５と、上下２
段のストックコンベヤを備えた２階建パレットストッカ
である。パレットストッカ６４のリフタ台車６０の位置
と反対端に、リフタ台車６０と同様なリフタ機構（矢印
Ｇ方向に上昇し下降する）と、パレット駆動ローラを備
えているパレットリフタ６７が置かれる。

【００１０】次に以上の如く構成された実施例について
作用を説明すると、図１はパレット積み装置の斜視図
と、射出成形機と成形品を分り易く拡大図で示すもので
ある。図１の拡大図に示す如く、取出機５２が射出成形
機５０より成形品５１を取出し、矢印Ｂ１、Ｂ２、Ｂ３
の経路を経て、安定した姿勢にして積込み台車５７の水
平アーム５３上に置く。積込み台車５７は矢印Ｃ１方向
に成形品５１の幅寸法だけ移動し、次に取出された成形
品５１を水平アーム５３上に受入れる。次いで積込み台
車５７の水平アーム５３上に図５の如くパレット６１の
１段分の成形品５１が置かれた後、積込み台車５７は成
形品５１を載せたまま矢印Ｃ２方向に走行し、リフタ台
車６０に載せてあるパレット６１の一対の水平平行な支
持棒上６２の上側に図５の如く成形品を入れる。図５は
パレット６１の側面で、図１のパレット６１は斜視図で
示してある。次に図４に示すリフタ７７によってパレッ
ト６１を若干上昇させ（矢印Ｄ１方向）、成形品５１を
アーム５３から支持棒上６２に受取る。積込み台車５７
は取出機５２の取出し位置とリフタ台車６０の間を矢印
Ｃ１、Ｃ２方向に往復し、成形品５１を運んで、１段目
の積込が済んだら、リフタ台車６０のリフタ７７により
パレット６１を上昇させ、次の段の支持棒上６３上に纏
めて成形品５１を置く。

【００１１】次にパレット６１が成形品５１で満杯にな
ったら、リフタ台車６０は矢印Ｅ１方向に走行し、パレ
ットストッカ６４の端部位置に停止し、リフタ台車６０
のローラ６８とパレットストッカ６４のパレットコンベ
ヤ下６６の走行レベルを合わせた後、両者が同時にＦ１
方向に駆動されて、成形品５１を積んだパレット６１は
パレットストッカ６４に収容される。パレットストッカ
６４が満杯になったら、次のパレット移動時に先頭のパ
レット６１をパレットリフタ６７が受取って、パレット
６１を矢印Ｇ方向に上昇させ、上段のパレットコンベヤ
上６５に送り込む。パレットコンベヤ上６５は、パレッ
トコンベヤ下６６と反対方向の矢印Ｆ２方向に駆動され
る。このようにパレットストッカ６４は生産ライン下流
の工程が一時的に停止する状態において、射出成形機５
０の無人運転を続けさせることができる。また予めパレ
ットストッカ６４に空のパレット６１を収容して置き、
上段のパレットコンベヤ上６５から空パレット６１をリ
フタ台車６０に補給することもできる。なお、リフタ台
車６０の駆動ローラ６８も、パレットリフタ６７の駆動
ローラも正逆駆動可能である。

【００１２】

【発明の効果】以上説明した如く本発明では、取出機が
射出成形機より成形品を取出すと共に、安定した姿勢に
して積込み台車の水平アーム上に置き、積込み台車は成
形品の幅寸法だけ移動して次に取出された成形品を水平
アーム上に受け入れることができる。また前記積込み台
車の水平アーム上にパレット１段分の成形品が置かれた
後、積込み台車は成形品を載せたまま走行し、リフタ台
車に載せてあるパレットの一対の水平平行な支持棒上に
成形品を置くことができる。 積込み台車は取出機の取出
し位置とリフタ台車の間を往復し、成形品を運んで１段
目が済んだらリフタ台車のリフタによりパレットを上昇
させ、下の段の支持棒上に纏めて成形品を置き、パレッ
トが成形品で満杯になったら、リフタ台車はパレットス
トッカの端部に移動して高さを合せ、リフタ台車のロー
ラとパレットストッカのパレットコンベヤが同時に駆動
されて、成形品を積んだパレットはパレットストッカに
収容される。 従ってパレットストッカが満杯になった
ら、次のパレット移動時に先頭のパレットをパレットリ
フタが受け取り、同パレットを上昇させて上段のパレッ
トコンベヤに送り込むことができ、また上段のパレット
コンベヤは下段のパレットコンベヤと反対方向に駆動さ
れ、このようにパレットストッカは成形品生産ラインの
下流の工程が一時的に停止する状態において、射出成形
機の無人運転を続けさせることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る成形品パレット積み装置
の斜視図である。

【図２】本発明装置により成形された長尺成形品の斜視
図である。

【図３】図１の実施例に係る積込み台車の斜視図であ
る。

【図４】図１の実施例に係るリフタ台車の斜視図であ
る。

【図５】図１の実施例に係る成形品パレットの側面図で
ある。

【図６】従来の成形品自動積込み装置の平面図である。

【図７】図６のＡ矢視図である。

【図８】図６における積込みキャリヤの斜視図である。

【図９】図６における平積み手段の説明図である。

【図１０】図６におけるリフタの側面図である。

【図１１】図６における平積み用パレットの斜視図であ
る。

【図１２】図１１の平積み用パレットの使用状態説明図
である。

【符号の説明】

５０ 射出成形機 ５１ 成形品 ５２ 取出機 ５７ 積込み台車 ６０ リフタ台車 ６１ パレット ６２，６３ 支持棒上、下 ６４ パレットストッカ ６５，６６ パレットコンベヤ ６７ パレットリフタ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 射出成形機から成形品を取出してパレッ
   ト積み装置へ供給する取出機と、 往復動可能で、パレット１台分の成形品を前記取出機よ
   り受入れる水平アームを有するとともに、成形品を前記
   取出機より受入れる度に成形品の幅寸法だけ移動する積
   み込み台車と、 同台車と直行する方向に移動でき、前記成形品を置く一
   対の水平平行な支持棒を上下に複数段備えたパレット群
   とよりなり、 同パレットが成形品で一杯になったら、前記パレット積
   み装置と平行に置かれたパレットコンベヤに順次送り込
   むことを特徴とする成形品のパレット積み装置。
2. 【請求項２】 射出成形機から取出された成形品が置か
   れたパレットを載せて昇降し、積み込み台車の走行方向
   に対し直角方向に往復移動可能で、且つ前記パレットを
   前述の往復移動方向と直角方向に移動させる駆動ローラ
   を備えてなるリフタ台車と、 同リフタ台車からパレットを受取る度に１パレットピッ
   チだけ間欠移動して多数のパレットを収容するパレット
   コンベヤを上下２段に備えた２階建パレットストッカ
   と、 同ストッカの前記リフタ台車の位置と反対端に置かれ、
   前記パレットコンベヤと同方向にパレットを送ることが
   できる駆動ローラを備えてなるパレットリフタとにより
   構成されてなることを特徴とする成形品のパレット積み
   装置。