JP3207091B2 - 自動伴奏装置 - Google Patents

自動伴奏装置

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JP3207091B2
JP3207091B2 JP27678195A JP27678195A JP3207091B2 JP 3207091 B2 JP3207091 B2 JP 3207091B2 JP 27678195 A JP27678195 A JP 27678195A JP 27678195 A JP27678195 A JP 27678195A JP 3207091 B2 JP3207091 B2 JP 3207091B2
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    • G10H1/00Details of electrophonic musical instruments
    • G10H1/36Accompaniment arrangements
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
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  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子楽器の分野に
属し、特にユーザが作製した自動伴奏パターンに基づき
自動伴奏を行う自動伴奏装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子キーボード、電子オルガン、
電子ピアノ等といった電子楽器には、自動伴奏装置が組
み込まれている。この自動伴奏装置を用いることによ
り、演奏者は、自動的に発生される伴奏音をバックに例
えばメロディ等を弾いて演奏を楽しむことができる。
【0003】このような自動伴奏装置は、例えばROM
で構成される自動伴奏パターンデータメモリ(以下、単
に「パターンメモリ」という。)を備えている。このパ
ターンメモリには、1〜数小節程度の自動伴奏を行うた
めの自動伴奏パターンデータ(以下、単に「パターンデ
ータ」という。)がリズムの種類毎に記憶されている。
そして、ユーザがリズムを選択し、自動伴奏の開始を指
示すると、自動伴奏装置の制御部は、選択されたリズム
のパターンデータをパターンメモリから繰り返し読み出
し、この読み出されたパターンデータに基づいて発音す
る。これにより、選択されたリズムの自動伴奏音が発生
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の自動
伴奏装置においては、通常、パターンデータはパターン
メモリに記憶されてメーカーから提供されている。従っ
て、ユーザは、メーカーから提供された伴奏パターンで
しか自動伴奏を行わせることができなかった。
【0005】ところが、ユーザの中には、既成の自動伴
奏パターンでは満足できない人も多く、自分の好みの自
動伴奏パターンを作製したいという要望があった。しか
し、パターンデータを作製するためには、ある程度の演
奏能力や音楽知識が必要である。従って、一般のユーザ
がパターンデータを作製することは簡単ではなかった。
特に初心者にとっては、思い通りのパターンデータを作
製することは困難を極め、パターンデータの作製は諦め
ざるをえないのが現状であった。
【0006】また、例えば、自動伴奏をバックに所定曲
のメロディを演奏するような場合は、この所定曲のコー
ド進行に合わせて自動伴奏のコード進行を変更する必要
がある。かかる機能を実現するために、従来、鍵盤装置
の一部、例えばロワー鍵でコード指定できるようにした
電子楽器が知られている。この電子楽器では、ロワー鍵
でコードを指定して自動伴奏音を発生させながら、アッ
パー鍵でメロディを弾くことができる。しかし、初心者
にとって、コード指定とメロディ演奏とを同時に行うこ
とは困難であるという問題があった。
【0007】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたもので、その目的は、初心者であっても簡単に自
分の好みの自動伴奏パターンを作製することができ、し
かも所定のコード進行に従って自動伴奏を行わせること
のできる自動伴奏装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の自動伴奏装置
は、上記目的を達成するために、リズム毎に複数パート
のパターンデータを記憶したパターンメモリと、所望の
パートを選択するパート選択手段と、該パート選択手段
で選択されたパートに割り当てるリズムを選択するリズ
ム選択手段と、該リズム選択手段で選択されたリズムの
リズム番号を、該パート選択手段で選択されたパートに
関連付けて記憶するリズム番号記憶手段と、コード進行
を制御するためのコード進行データをリズム毎に記憶し
たコード進行データ記憶手段と、該リズム番号記憶手段
に記憶されている各パートのリズム番号に基づいて該パ
ターンメモリから各パートのパターンデータを順次読み
出す読出手段と、該読出手段により特定パートのパター
ンデータが読み出されると、該特定パートのリズム番号
に対応するコード進行データを該コード進行データ記憶
手段から読み出し、該読み出されたコード進行データに
応じて該パターンデータをコード展開することにより得
られたデータに基づき楽音を発生し、該特定パート以外
のパターンデータが読み出されると、該読み出されたパ
ターンデータに基づき楽音を発生する楽音発生手段、と
を備えている。
【0009】上記パターンメモリとしては、例えばリー
ドオンリメモリ(以下「ROM」という。)又はランダ
ムアクセスメモリ(以下「RAM」という。)を用いる
ことができる。このパターンメモリには、複数パート、
例えばコードパート、ベースパート、ドラムパート等の
パターンデータがリズム毎に記憶されている。上記の各
パートは更に複数のパートで構成することができる。例
えばコードパートは、第1コードパート〜第nコードパ
ート等といった複数のパートで構成することができる。
また、ドラムパートは、例えばバスドラム、スネアドラ
ム、ハイハット、タムタム等といった楽器毎のパートで
構成することができる。
【0010】また、上記パート選択手段は、例えば操作
パネルに設けられたスイッチで構成することができる。
また、リズム選択手段は、例えば操作パネルに設けられ
たスイッチで構成することができる。具体的には、リズ
ム選択手段は、例えばリズムスイッチとセレクトスイッ
チとで構成することができる。リズムスイッチは、本自
動伴奏装置をリズム選択モードにし、セレクトスイッチ
は、リズム選択モードにおいてリズム番号を選択するよ
うに構成できる。また、リズム番号記憶手段としては、
例えばRAMを用いることができる。また、コード進行
データ記憶手段としては、例えばROM又はRAMを用
いることができる。また、読出手段は、例えば中央処理
装置(以下「CPU」という。)で構成することができ
る。更に、楽音発生手段は、例えばCPU、楽音発生装
置、増幅器及びスピーカ等で構成することができる。
【0011】本発明の自動伴奏装置においては、1つの
リズムを形成する複数パートのそれぞれに任意のリズム
番号が関連付けられる。この関連付けに関する情報は、
リズム番号記憶手段に記憶される。リズム番号記憶手段
としては、1つのリズムを形成する複数パートのそれぞ
れに対応した記憶領域を有するテーブルを用いることが
できる。このリズム番号記憶手段の各記憶領域にはリズ
ム番号が記憶される。ユーザは、次の手順で好みのパタ
ーンデータを作製することができる。先ず、ユーザは、
パート選択手段を用いて、所望のパートを選択する。次
いで、リズム選択手段を用いて、選択されたパートに使
用するリズムを選択する。これにより、選択されたパー
トに対応する上記リズム番号記憶手段の記憶領域に、リ
ズム選択手段で選択されたリズム番号が記憶される。こ
のような操作を、1つのリズムを形成する複数パートの
全てについて行うことにより1つのパターンデータが作
製される。
【0012】従って、ユーザは、予めリズム毎に作製さ
れてパターンメモリに記憶されているパターンデータの
何れかをリズム番号で特定して、各パート毎にリズム番
号記憶手段に記憶するだけで新たなパターンデータを作
製することができる。従って、最初からパターンデータ
を作製する必要はなく、簡単にユーザ独自の自動伴奏パ
ターンを作製できる。
【0013】自動伴奏時は、先ずリズム番号記憶手段に
記憶された所定パートのリズム番号が取り出される。そ
して、このリズム番号に対応するパターンデータがパタ
ーンメモリから読み出される。この際、その所定パート
が特定パートであれば、読み出されたパターンデータ
は、その特定パートのリズム番号に対応するコード進行
データに応じてコード展開される。そして、このコード
展開されたデータに基づいて伴奏音が発生される。一
方、上記所定パートが特定パートでなければ、読み出さ
れたパターンデータが、直接、伴奏音を発生するために
使用される。このような動作が全パートについて、順次
行われることにより所定のリズムを有する自動伴奏音
が、所定のコード進行に従って発生される。
【0014】これにより、コード進行データ記憶手段に
予め記憶されているコード進行データに従った自動伴奏
が行われる。従って、ユーザは、コードを指定する必要
がなく、例えばメロディ演奏に専念できる。このよう
に、本自動伴奏装置によれば、初心者であっても、ユー
ザ独自の伴奏パターンで、しかも所定のコード進行に従
った自動伴奏を行うことができる。なお、コード進行デ
ータ記憶手段に記憶すべきコード進行データを、ユーザ
が設定できるように構成することもできる。この場合
は、ユーザ独自の伴奏パターンで、しかもユーザ独自の
コード進行に従った自動伴奏を行うことができる。
【0015】また、本発明の自動伴奏装置は、コード進
行指示手段を更に有し、前記楽音発生手段は、該コード
進行指示手段による指示がある場合は、前記読出手段に
より特定パートのパターンデータが読み出されると、該
特定パートのリズム番号に対応するコード進行データを
前記コード進行データ記憶手段から読み出し、該読み出
されたコード進行データに応じて該パターンデータをコ
ード展開することにより得られたデータに基づき楽音を
発生し、該特定パート以外のパターンデータが読み出さ
れると、該読み出されたパターンデータに基づき楽音を
発生し、該コード進行指示手段による指示がない場合
は、前記読出手段により読み出された各パートのパター
ンデータに基づき楽音を発生するように構成できる。
【0016】この構成によれば、コード進行指示手段に
よる指示があれば、上記と同様に、コード進行データ記
憶手段に記憶されたコード進行データであって、特定パ
ートのリズム番号に対応するものに従って自動伴奏が進
行するが、コード進行指示手段による指示がなければ単
にパターンデータに基づく自動伴奏が行われるのみであ
る。従って、従来の自動伴奏装置と同様に、ユーザがコ
ード指定を行いながら自動伴奏を行いたい場合は、コー
ド進行指示手段による指示を解除すればよい。
【0017】また、本発明の自動伴奏装置は、前記リズ
ム番号記憶手段に、各パートのリズム番号に加えて各パ
ートの音色を指定する音色番号を更に記憶し、前記楽音
発生手段は、各パートの楽音を、記憶されている音色番
号に応じた音色で発生するように構成することができ
る。この構成によれば、ユーザが所望の音色を任意に決
定することができるので、各パートのリズムを所望の音
色で自動伴奏することができる。
【0018】更に、本発明の自動伴奏装置は、前記リズ
ム番号記憶手段に、テンポを指定するテンポデータを更
に記憶し、前記楽音発生手段は、記憶されているテンポ
データに応じたテンポで楽音を発生するように構成する
ことができる。この構成によれば、ユーザが所望のテン
ポを任意に決定することができるので、複数パートで形
成される所定のリズムを所望のテンポで自動伴奏させる
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の自動伴奏装置の一
実施の形態につき図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、本自動伴奏装置は、独立した自動伴奏装置として
構成することもできるが、ここでは電子楽器に組み込ま
れた自動伴奏装置について説明する。
【0020】図1は、本発明の自動伴奏装置が適用され
た電子楽器の概略的な構成を示すブロック図である。こ
の電子楽器においては、CPU10、プログラムメモリ
11、RAM12、パネルインタフェース回路13、鍵
盤インタフェース回路15、パターンメモリ17、波形
メモリ18及び楽音発生装置19がシステムバス30に
よって相互に接続されている。システムバス30は、例
えばアドレスバス、データバス及び制御信号バス等で構
成されており、上記各要素間のデータの送受を行うため
に使用される。
【0021】CPU10は、プログラムメモリ11に記
憶されている制御プログラムに従って動作することによ
り、本自動伴奏装置が組み込まれた電子楽器の各部を制
御する。このCPU10が行う処理の詳細については後
述する。
【0022】プログラムメモリ11は、例えばROMで
構成されている。このプログラムメモリ11には、上述
した制御プログラムの他に、CPU10が種々の処理に
使用する種々の固定データが記憶されている。また、こ
のプログラムメモリ11には、例えば楽器の種類及びそ
の音域毎に複数の音色パラメータが記憶されている。1
つの音色パラメータは、所定の楽器音の所定の音域の楽
音を発生させるために使用される。各音色パラメータ
は、例えば波形アドレス、周波数データ、エンベロープ
データ、フィルタ係数等で構成されている。なお、この
プログラムメモリ11はRAMで構成することもでき
る。この場合は、電源投入時に、例えばフロッピーディ
スク、光ディスク、CD−ROM等に記憶された制御プ
ログラム、音色パラメータ等を当該RAMにロードする
ように構成すればよい。
【0023】RAM12は、種々のデータを一時的に記
憶するために使用される。このRAM12には、例えば
バッファ、レジスタ、カウンタ、フラグ等が定義されて
いる。また、このRAM12には、ユーザが作製したリ
ズム(以下「ユーザリズム」という。)のパターンデー
タ(以下「ユーザパターンデータ」という。)を格納す
るためのユーザパターンデータエリアが設けられてい
る。このユーザパターンデータエリアは、本発明のリズ
ム番号記憶手段に対応する。このユーザパターンデータ
エリアには、ユーザパターンデータがユーザリズム毎に
記憶される。本実施の形態では、例えば図5又は図6に
示すように、100個のユーザリズムを定義できるよう
になっている。そして、各ユーザリズムには100〜1
99のリズム番号が付されている。なお、ユーザリズム
の数及びリズム番号は上記に限定されず任意に定めるこ
とができる。このユーザパターンデータの詳細について
は後述する。
【0024】パネルインタフェース回路13には、操作
パネル14が接続されている。この操作パネル14に
は、例えば図2に示すように、各種スイッチ、表示器等
が設けられている。この操作パネル14の詳細について
は後述する。
【0025】パネルインタフェース回路13は、操作パ
ネル14とCPU10との間のデータの送受を制御す
る。このデータの送受は、以下の手順で行われる。即
ち、パネルインタフェース回路13は、CPU10から
の指令に応じて、操作パネル14にスキャン信号を送出
する。操作パネル14は、このスキャン信号に応答して
各スイッチのオン/オフ状態を示す信号をパネルインタ
フェース回路13に返送する。パネルインタフェース回
路13は、操作パネル14から受け取った信号に基づき
パネルデータを生成する。このパネルデータは、各スイ
ッチのオン/オフ状態を示すビット列で構成されてい
る。このパネルインタフェース回路13で生成されたパ
ネルデータはCPU10に送られる。また、パネルイン
タフェース回路13は、CPU10から受け取った表示
データを操作パネル14に送り出す。これにより、操作
パネル14上の各種表示器の点灯/消灯が制御される。
【0026】鍵盤インタフェース回路15には鍵盤装置
16が接続されている。鍵盤装置16は、音高を指示す
るための複数の鍵を有している。この鍵盤装置16に
は、例えば2接点方式の鍵が用いられている。即ち、鍵
盤装置16の各鍵は、押鍵又は離鍵に連動して異なる押
圧深さで開閉する2個のキースイッチを有し、鍵タッチ
の検出が可能になっている。
【0027】鍵盤インタフェース回路15は、鍵盤装置
16とCPU10との間のデータの送受を制御する。こ
のデータの送受は、以下の手順で行われる。即ち、鍵盤
インタフェース回路15は、CPU10からの指令に応
じて、鍵盤装置16にスキャン信号を送出する。鍵盤装
置16は、このスキャン信号に応答して各キースイッチ
の開閉を示す信号を鍵盤インタフェース回路15に返送
する。鍵盤インタフェース回路15は、鍵盤装置16か
ら受け取った信号に基づき鍵盤データを生成する。この
鍵盤データは、各鍵のオン/オフを表すビット列で成る
キーデータ及び鍵タッチの強さ(速度)を表すタッチデ
ータで構成されている。この鍵盤インタフェース回路1
5で生成された鍵盤データはCPU10に送られる。
【0028】パターンメモリ17は、例えばROMで構
成されている。このパターンメモリ17は、自動伴奏に
使用される複数のパターンデータをリズム毎に記憶して
いる。本実施の形態では、例えば図3又は図4に示すよ
うに、100個のプリセットリズム(自動伴奏装置に予
め組み込まれてメーカから提供されているリズム)に対
応するパターンデータが記憶されている。各プリセット
リズムには0〜99のリズム番号が付されている。な
お、プリセットリズムの数及びリズム番号は上記に限定
されず任意に定めることができる。このパターンデータ
の詳細については後述する。
【0029】また、このパターンメモリ17は、各プリ
セットリズムに対応して、プリセットリズムデータ(図
示しない)を記憶している。ここでプリセットリズムデ
ータとは、プリセットリズムを構成する各パートの音色
や、当該プリセットリズムのテンポを指定するためのデ
ータである。
【0030】更に、このパターンメモリ17は、各プリ
セットリズムに対応して、例えば図7に示すようなコー
ド進行データを記憶している。コード進行データは、自
動伴奏のコードの遷移を指定するデータである。このコ
ード進行データの詳細については後述する。なお、この
パターンメモリ17は、RAMで構成することもでき
る。この場合は、電源投入時に、例えばフロッピーディ
スク、光ディスク、CD−ROM等に記憶されたパター
ンデータ、プリセットリズムデータ及びコード進行デー
タを当該RAMにロードするように構成すればよい。
【0031】波形メモリ18は、波形データを記憶す
る。この波形メモリ18は、例えばリードオンリメモリ
(ROM)で構成されている。この波形メモリ18に
は、複数の音色パラメータに対応する複数の波形データ
が記憶されている。波形データは、例えば、放音された
楽音を電気信号に変換し、これをパルスコード変調(P
CM)して作成することができる。この波形メモリ18
は、システムバス30を介して楽音発生装置19により
アクセスされる。
【0032】楽音発生装置19は複数の発音チャンネル
を有している。この楽音発生装置19は、CPU10か
ら指定され発音チャンネルを使用して、音色パラメータ
に応じた楽音信号を発生する。即ち、楽音発生装置19
は、CPU10から発音チャンネルの指定と音色パラメ
ータを受け取ると、指定された発音チャンネルの機能を
用いて、波形メモリ18から波形データを読み出し、こ
れにエンベロープを付加してデジタル楽音信号を生成す
る。このデジタル楽音信号は、D/A変換器20に供給
される。
【0033】D/A変換器20は、楽音発生装置19か
らのデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換して増
幅器21に送る。増幅器21は、入力されたアナログ楽
音信号を所定の利得で増幅してスピーカ22に送る。ス
ピーカ22は、増幅器21からのアナログ楽音信号を音
響信号に変換して出力する。これにより、スピーカ22
から楽音が発生される。
【0034】次に、本実施の形態で使用される操作パネ
ル14の詳細な構成について図2を参照しながら説明す
る。なお、図2には本発明の説明に必要な部分しか示し
ていないが、実際の電子楽器では上記以外の各種スイッ
チや表示器等が設けられている。操作パネル14は、6
つのスイッチブロック140〜145と表示器146と
により構成されている。
【0035】スイッチブロック140には、サウンドス
イッチSOUND及びリズムスイッチRHYTHMが含
まれている。そして、各スイッチに対応して表示器(図
中斜線を付した円で示す。)が設けられている。これら
両スイッチは、例えば押釦スイッチで構成することがで
きる。サウンドスイッチSOUNDは、電子楽器を音色
選択モードに移行するために使用される。リズムスイッ
チRHYTHMは、電子楽器をリズム選択モードに移行
するために使用される。これら両スイッチは、同時には
何れか一方のみが有効になるように制御される。現在何
れのモードにあるかは表示器の点灯によって示されると
共に、後述するサウンドフラグSNDFLGによって記
憶される。本発明のリズム選択手段は、このリズムスイ
ッチRHYTHMと後述するセレクトスイッチSELE
CTとで構成されている。
【0036】スイッチブロック141には、編集スイッ
チEDIT及び記憶スイッチSTOREが含まれてい
る。これら両スイッチは、例えば押釦スイッチで構成す
ることができる。編集スイッチEDITは、電子楽器を
編集モードに移行するために使用される。現在編集モー
ドにあるかどうかは、後述する編集フラグEDTFLG
によって記憶される。この編集スイッチEDITにより
編集モードにされた状態で、ユーザパターンデータの作
製が行われる。記憶スイッチSTOREは、作製された
ユーザパターンデータをユーザパターンデータエリアに
格納するために使用される。
【0037】スイッチブロック142はセレクトスイッ
チSELECTとして使用される。このセレクトスイッ
チSELECTは、音色番号やリズム番号を選択するた
めの数値を入力するために使用される。このスイッチブ
ロック142には、テンキー(「0」〜「9」キー)、
インクリメントキー(「+」キー)及びデクリメントキ
ー(「−」キー)が含まれている。テンキーは「0〜
9」の数値を入力するために使用される。このテンキー
で入力された数値は表示器146に表示される。また、
インクリメントキーは、表示器146に表示されている
現在値をインクリメントするために使用される。デクリ
メントキーは、表示器146に表示されている現在値を
デクリメントするために使用される。これら各キーは、
例えば押釦スイッチで構成することができる。
【0038】スイッチブロック143はパートスイッチ
PARTとして使用される。このパートスイッチPAR
Tは、パートを選択するために使用される。このスイッ
チブロック143には、コードスイッチCHORD、ベ
ーススイッチBASS及びドラムスイッチDRUMが含
まれている。そして、各スイッチに対応して表示器(図
中斜線を付した円で示す。)が設けられている。これら
各スイッチは、例えば押釦スイッチで構成することがで
きる。コードスイッチCHORDはコードパートを、ベ
ーススイッチBASSはベースパートを、ドラムスイッ
チDRUMはドラムパートを、それぞれ選択するために
使用される。これら各スイッチは、同時には何れか1つ
のみが有効になる。現在何れのパートが選択されている
かは表示器の点灯によって示されると共に、後述する編
集パートレジスタ(図8参照)に記憶される。このパー
トスイッチPARTは、パート選択手段に対応する。
【0039】スイッチブロック144は、伴奏制御スイ
ッチACC.CONTROLとして使用される。この伴
奏制御スイッチACC.CONTROLは、自動伴奏を
制御するために使用される。このスイッチブロック14
4にはスタート/ストップスイッチSTART/STO
Pが含まれている。このスタート/ストップスイッチS
TART/STOPは、例えば押釦スイッチで構成する
ことができる。スタート/ストップスイッチSTART
/STOPは、自動伴奏を開始させ、又は停止させるた
めに使用される。詳しくは、電子楽器が自動伴奏停止中
にスタート/ストップスイッチSTART/STOPが
押されると自動伴奏が開始される。一方、電子楽器が自
動伴奏中にスタート/ストップスイッチSTART/S
TOPが押されると自動伴奏が停止される。現在自動伴
奏中であるか自動伴奏停止中であるかは、後述するリズ
ムフラグRYMFLGによって記憶される。なお、伴奏
制御スイッチACC.CONTROLとしては、上記以
外にイントロスイッチ、フィルインスイッチ、エンディ
ングスイッチ等が設けられているが図示は省略してあ
る。
【0040】スイッチブロック145には、コード進行
指定スイッチCHORD−BOOKが含まれる。このコ
ード進行指定スイッチCHORD−BOOKは、電子楽
器をコード進行モードに移行するために使用される。こ
こでコード進行モードとは、自動伴奏を、コード進行デ
ータに従ってコード展開しながら進行させるモードをい
う。現在コード進行モードであるかどうかは、コード進
行指定フラグCBFLGに記憶される。このコード進行
指定スイッチCHORD−BOOKは、コード進行指示
手段に対応する。
【0041】表示器146は、3桁分の7セグメントの
LEDで構成されている。この表示器146には、例え
ば音色選択時には音色番号が、リズム選択時にはリズム
番号がそれぞれ表示される。更に、この表示器146に
は、その他の種々の情報が表示される。なお、この表示
器は7セグメントのLED表示器に限らず、LCD表示
器、CRT表示器、その他、数字や文字を表示できる各
種表示器を用いることができる。
【0042】次に、パターンメモリ17に記憶されるパ
ターンデータの詳細について説明する。パターンデータ
は、例えば図3の第1の例に示すように、プリセットリ
ズム毎に区分されてパターンメモリ17に記憶されてい
る。各プリセットリズムのパターンデータは、コード、
ベース及びドラムといった3個のパートに対応して構成
されている。コードはコードパートの伴奏音を、ベース
はベースパートの伴奏音を、ドラムはドラムパートの伴
奏音を、それぞれ発生するために用いられる。なお、コ
ードパートの伴奏音及びベースパートの伴奏音の初期音
色及び初期テンポは、パターンメモリ17に別途記憶さ
れているプリセットリズムデータ(図示しない)によっ
て指定される。
【0043】各パートのパターンデータは、図3に示す
ように、各々1バイトで成るキーナンバ、ステップタイ
ム、ゲートタイム及びベロシティ(合計4バイト)で構
成されるデータ(以下、これを「音符データ」とい
う。)が複数集まって構成されている。1つの音符デー
タは1つの音を発生するために使用される。
【0044】キーナンバは音高を指示するデータ、ステ
ップタイムは発音タイミング(時刻)を指定するデー
タ、ゲートタイムは発音の長さを指定するデータ、ベロ
シティは発音の強さを指定するデータである。また、特
殊なデータとして、エンドマークとステップタイムとの
2バイトで構成される音符データが定義されている。こ
れはパターンデータの終わりを表すために使用される。
なお、キーナンバとエンドマークは、何れも音符データ
の先頭の1バイト目にあるが、これらは、第1バイト目
のMSBが「0」であるか「1」であるかにより区別さ
れる。
【0045】また、各プリセットリズムのパターンデー
タは、図4の第2の例に示すように、更に多くのパート
で構成することもできる。この第2の例では、各プリセ
ットリズムのパターンデータは、コード1、コード2、
コード3、ベース、バスドラム、スネアドラム、ハイハ
ット、サブドラム1及びサブドラム2といった9個のパ
ートで構成されている。この場合、各パートを指定する
ために、操作パネル14のスイッチブロック143に
は、9個の全パートに対応したパートスイッチPART
が設けられる。
【0046】パターンデータの第2の例では、コード1
〜コード3はそれぞれコードパートの伴奏音を発生する
ために用いられる。これら各コードパートの伴奏音は、
例えば、それぞれ異なった音色やリズムで同時に発生さ
れ、全体として1つのコードパートの伴奏音が形成され
るようになっている。ベースは、上記と同様に、ベース
パートの伴奏音を発生するために用いられる。バスドラ
ム、スネアドラム及びハイハットは、これらが同時に発
音されることにより、ドラムセットの音色でドラムパー
トの伴奏音が形成されるようになっている。サブドラム
1及びサブドラム2は、例えばタムタム、シンバル、パ
ーカッション等の伴奏音を発生するために用いられる。
【0047】次に、RAM12のユーザパターンデータ
エリアに記憶されるユーザパターンデータの詳細につい
て説明する。ユーザパターンデータは、例えば図5の第
1の例に示すように、ユーザリズム毎に区分されてRA
M12のユーザパターンデータエリアに記憶される。こ
の図5に示したユーザパターンデータは、図3に示すフ
ォーマットのパターンデータが採用される自動伴奏装置
に適用される。各ユーザリズムのユーザパターンデータ
は、コードリズム番号、ベースリズム番号、ドラムリズ
ム番号、コード音色番号、ベース音色番号及びテンポデ
ータで構成されている。コードリズム番号、ベースリズ
ム番号及びドラムリズム番号は、それぞれ、プリセット
リズムのコード、ベース及びドラムの各パートに対応し
ている。
【0048】また、コード音色番号、ベース音色番号及
びテンポデータ(以下、これらを「ユーザリズムデータ
と呼ぶ。)は、それぞれ、コードリズム番号で指定され
たコードパートの音色、ベースリズム番号で指定された
ベースパートの音色及び当該ユーザリズムのテンポを指
定するために使用される。このユーザリズムデータとし
ては、記憶スイッチSTOREが押された時点において
設定されているコード音色番号、ベース音色番号及びテ
ンポデータが用いられる。このように、ユーザパターン
データは、音符データの集合ではなく、各パートのリズ
ム番号及びユーザリズムデータで構成されている点で、
上述したプリセットリズムのパターンデータと異なる。
【0049】自動伴奏に際してユーザリズムのリズム番
号が指定されると、各パートのリズム番号で指定された
プリセットリズムのパターンデータが読み出され、伴奏
音が発生される。例えば、所定のユーザリズムのリズム
番号が指定された場合に、そのユーザリズムのコードパ
ートにコードリズム番号として「1」が指定されると、
プリセットリズムの「リズム1」のコードパートのパタ
ーンデータが自動伴奏に使用される。
【0050】また、ユーザリズムのユーザパターンデー
タは、例えば図6の第2の例に示すように構成すること
もできる。この図6に示したユーザパターンデータは、
図4に示すフォーマットのパターンデータが採用される
自動伴奏装置に適用される。この第2の例では、各ユー
ザリズムのユーザパターンデータは、コード1リズム番
号、コード2リズム番号、コード3リズム番号、ベース
リズム番号、バスドラムリズム番号、スネアドラムリズ
ム番号、ハイハットリズム番号、サブドラム1リズム番
号、サブドラム2リズム番号、コード1音色番号、コー
ド2音色番号、コード3音色番号、ベース音色番号及び
テンポデータで構成されている。コード1リズム番号、
コード2リズム番号、コード3リズム番号、ベースリズ
ム番号、バスドラムリズム番号、スネアドラムリズム番
号、ハイハットリズム番号、サブドラム1リズム番号及
びサブドラム2リズム番号は、それぞれ、プリセットリ
ズムの、コード1、コード2、コード3、ベース、バス
ドラム、スネアドラム、ハイハット、サブドラム1及び
サブドラム2の各パートに対応している。
【0051】また、コード1音色番号、コード2音色番
号、コード3音色番号、ベース音色番号及びテンポデー
タ(この第2の例の場合は、これらがユーザリズムデー
タとなる。)は、それぞれ、コード1リズム番号で指定
されたコード1パートの音色、コード2リズム番号で指
定されたコード2パートの音色、コード3リズム番号で
指定されたコード3パートの音色、ベースリズム番号で
指定されたベースパートの音色及び当該ユーザリズムの
テンポを指定するために使用される。このユーザリズム
データとしては、記憶スイッチSTOREが押下された
時点において設定されているコード1音色番号、コード
2音色番号、コード3音色番号、ベース音色番号及びテ
ンポデータがそれぞれ使用される。
【0052】自動伴奏に際してユーザリズム番号が指定
されると、各パートのリズム番号で指定されたプリセッ
トリズムのパターンデータが読み出され、伴奏音が発生
される。例えば、所定のユーザリズムのリズム番号が指
定された場合に、そのユーザリズムのコード1パートに
コード1リズム番号として「2」が指定される場合は、
プリセットリズムの「リズム2」のコード1パートのパ
ターンデータが自動伴奏に使用される。
【0053】次に、パターンメモリ17に記憶されるコ
ード進行データの詳細について説明する。コード進行デ
ータは、例えば図7に示すように、各プリセットリズム
毎に記憶されている。各プリセットリズムのコード進行
データは、各々1バイトで成るコードネーム及びステッ
プタイム(合計2バイト)で構成されるデータ(以下、
これを「コード変更指示データ」という。)が複数集ま
って構成されている。1つのコード変更指示データは、
コードの種類とその変更タイミングを与えるために使用
される。
【0054】コードネームは、例えばコードタイプとコ
ードルートから構成されている。このコードネームは、
コードの種類を指定するために使用される。ステップタ
イムは、変更タイミング(時刻)を指定するために使用
される。また、特殊なデータとして、リピートマークと
ステップタイムとの2バイトで構成されたコード変更指
示データが定義されている。これはコード進行データの
終わりを表すために使用される。なお、コードネームと
リピートマークは、何れもコード変更指示データの先頭
の1バイト目にあるが、これらは、第1バイト目のMS
Bが「0」であるか「1」であるかにより区別される。
【0055】次に、RAM12に設けられている各種バ
ッファ、レジスタ、カウンタ、フラグ等のうち、本実施
の形態で使用する主なものについて図8を参照しながら
説明する。なお、下記以外については、必要に応じて随
時説明する。
【0056】(a)ユーザパターンデータエリア:ユー
ザが作製したユーザパターンデータを格納する領域であ
る。このユーザパターンデータエリアには、ユーザパタ
ーンデータが、例えば図5又は図6に示すように、ユー
ザリズム毎に記憶される。 (b)リズムフラグRYMFLG:自動伴奏中であるか
どうかを記憶するフラグである。このリズムフラグRY
MFLGは、スタート/ストップスイッチSTART/
STOPが押される度に反転される。このリズムフラグ
RYMFLGは、「0」で自動伴奏停止中、「1」で自
動伴奏中であることを示す。 (c)編集フラグEDTFLG:編集モードであるかど
うかを記憶するフラグであり、「1」は編集モードであ
ることを表し、「0」は編集モードではないことを表
す。 (d)サウンドフラグSNDFLG:音色選択モードで
あるかリズム選択モードであるかを記憶するフラグであ
り、「1」は音色選択モードであることを表し、「0」
はリズム選択モードであることを表す。 (e)コード進行指定フラグCBFLG:コード進行モ
ードであるかどうかを記憶するフラグであり、「1」で
コード進行モードであることを表し、「0」でコード進
行モードでないことを表す。 (f)リズム番号レジスタ:現在選択されているリズム
のリズム番号が記憶される。 (g)パートリズム番号レジスタ:各パートのリズム番
号として現在選択されているリズム番号が記憶される。
このパートリズム番号レジスタは、パート毎に設けられ
ている。 (h)音色番号レジスタ:現在選択されている音色番号
が記憶される。この音色番号レジスタは、ドラムパート
を除き、パート毎に設けられている。 (i)テンポレジスタ:現在設定されているテンポを表
すテンポデータが記憶される。 (j)自動伴奏用アドレスレジスタ:各パートのパター
ンデータが記憶されているアドレスが記憶される。各パ
ート毎に設けられている。 (k)自動伴奏用ステップタイムレジスタ:自動伴奏処
理用のステップタイムSTEPを記憶するレジスタであ
る。 (l)リズムカウンタCOUNT:テンポデータに応じ
た時間間隔でカウントアップされるカウンタである。音
符データの発音タイミングを検出するために使用され
る。 (m)編集パートレジスタ:現在どのパートを編集中で
あるかを記憶するレジスタである。 (n)コードネームレジスタ:パターンメモリ17から
読み出されたコード進行データが記憶される。 (o)コード進行用アドレスレジスタ:各リズムのコー
ド変更指示データが記憶されているアドレスが記憶され
る。 (p)コード進行用ステップタイムレジスタ:コード進
行処理用のステップタイムSTEPを記憶するレジスタ
である。 (q)コード進行カウンタCBCNT:テンポに応じた
時間間隔でカウントアップされるカウンタである。コー
ドを変更するタイミングを検出するために使用される。
【0057】次に、上記の構成において、本発明の自動
伴奏装置の一実施の形態の動作を、図9〜図16に示し
たフローチャートを参照しながら説明する。以下のフロ
ーチャートに示す処理は、何れもCPU10によって行
われる。
【0058】(1)メイン処理 図9は、本自動伴奏装置が適用された電子楽器のメイン
処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、
電源の投入により起動される。即ち、電源が投入される
と、先ず、初期化処理が行われる(ステップS10)。
この初期化処理では、CPU10の内部状態が初期状態
に設定されると共に、RAM12に定義されているバッ
ファ、レジスタ、カウンタ、フラグ等が初期状態に設定
される。また、この初期化処理では、楽音発生装置19
に所定のデータが送られることにより、電源投入時に不
要な音が発生されるのを防止する処理が行われる。
【0059】この初期化処理が終了すると、次いで、パ
ネル処理が行われる(ステップS11)。このパネル処
理では、操作パネル14上のスイッチの操作に応答した
処理や表示器にデータを表示する処理が行われる。この
パネル処理の詳細については後述する。
【0060】上記パネル処理が終了すると、次いで、鍵
盤処理が行われる(ステップS12)。この鍵盤処理で
は、押鍵に伴う発音処理、離鍵に伴う消音処理等が行わ
れる。より具体的に説明すると、鍵盤処理では、先ず鍵
イベントの有無が調べられる。即ち、CPU10は、鍵
盤インタフェース回路15からキーデータ(以下、これ
らを「新キーデータ」という。)を読み込み、前回の鍵
盤処理で読み込んで既にRAM12に記憶されているキ
ーデータ(以下「旧キーデータ」という。)との排他的
論理和をとってキーイベントマップを作成する。このよ
うにして作製されたキーイベントマップ中にオンになっ
ているビットが存在する場合に鍵イベントがあったこと
が判断される。
【0061】このキーイベントマップを参照することに
より、鍵イベントがあったことが判断されると、次い
で、その鍵イベントは押鍵イベントであるかどうかが調
べられる。これは、キーイベントマップ中のオンになっ
ているビットに対応する新キーデータ中のビットがオン
になっているかどうかを調べることにより行われる。
【0062】そして、押鍵イベントであることが判断さ
れると発音処理が行われる。この発音処理では、楽音発
生装置19中の所定の発音チャンネルに発音が割り当て
られる。そして、上記オンイベントのあった鍵のキーナ
ンバ及びその時点で選択されている音色等に基づいてプ
ログラムメモリ11から音色パラメータが読み出され
る。そして、この音色パラメータと鍵盤インタフェース
回路15から取り込まれたタッチデータとが楽音発生装
置19に送られる。これにより、楽音発生装置19の割
り当てられた発音チャンネルによって、上記音色パラメ
ータ及びタッチデータに基づいたデジタル楽音信号が生
成される。このデジタル楽音信号が、D/A変換器2
0、増幅器21及びスピーカ22へ順次送られることに
より発音が行われる。
【0063】一方、鍵イベントが押鍵イベントでないこ
とが判断されると、離鍵イベントであることが認識さ
れ、消音処理が行われる。消音処理では、離鍵イベント
があった鍵に割り当てられている楽音発生装置19中の
発音チャンネルが検索される。そして、検索された発音
チャンネルに所定のデータが送られることにより消音が
行われる。以上の発音又は消音処理が終了すると、新キ
ーデータが旧キーデータとしてRAM12に格納され、
鍵盤処理が終了する。
【0064】以上の鍵盤処理が終了すると、メイン処理
ルーチンでは、次いで、自動伴奏処理が行われる(ステ
ップS13)。この自動伴奏処理では、パターンメモリ
17からパターンデータが読み出されて発音が行われ
る。この自動伴奏処理の詳細については後述する。
【0065】この自動伴奏処理が終了すると、次いで、
「その他の処理」が行われる(ステップS14)。この
「その他の処理」では、例えば、図示しないMIDIイ
ンタフェース回路を介して外部機器との間でMIDIデ
ータを送受信する処理等が行われる。その後、ステップ
S11に戻り、以下同様の処理が繰り返される。
【0066】このように、メイン処理ルーチンの上記ス
テップS11〜S14の繰り返し実行の過程で、パネル
操作又は鍵盤操作に基づくイベントが発生すると、その
イベントに対応する処理が行われることにより電子楽器
としての各種機能、自動伴奏機能等が実現されている。
【0067】(2)パネル処理 次に、パネル処理の詳細について、図10〜図13に示
したフローチャートを参照しながら説明する。このパネ
ル処理ルーチンは、メイン処理ルーチンから一定周期で
コールされる。
【0068】パネル処理では、先ず、パネルスキャンが
行われる(ステップS20)。このパネルスキャンで
は、CPU10は、先ずパネルインタフェース回路13
にスキャン指令を送る。パネルインタフェース回路13
は、この指令に応答して操作パネル14をスキャンす
る。そして、操作パネル14上の各スイッチのオン/オ
フを示すパネルデータ(以下、これらを「新パネルデー
タ」という。)を読み込み、CPU10に送る。
【0069】CPU10は、上記と同様にして前回のパ
ネル処理で、操作パネル14から読み込んで既にRAM
12に記憶されているパネルデータ(以下「旧パネルデ
ータ」という。)と上記新パネルデータとの排他的論理
和をとってパネルイベントマップを作成する。その後、
新パネルデータは旧パネルデータとしてRAM12に格
納される。
【0070】次いで、スタート/ストップスイッチST
ART/STOPのオンイベントがあるかどうかが調べ
られる(ステップS21)。これは上記パネルイベント
マップ及び新パネルデータ中のスタート/ストップスイ
ッチSTART/STOPに対応する各ビットが双方と
もオンになっているかどうかを調べることにより行われ
る。
【0071】ここで、スタート/ストップスイッチST
ART/STOPのオンイベントがあることが判断され
ると、次いで、リズムフラグRYMFLGが「0」であ
るかどうかが調べられる(ステップS22)。ここで、
リズムフラグRYMFLGが「1」であることが判断さ
れると、自動伴奏中にスタート/ストップスイッチST
ART/STOPが押されたことが認識され、リズムフ
ラグRYMFLGが「0」にクリアされる(ステップS
23)。その後、このパネル処理ルーチンからリターン
してメイン処理ルーチンに戻る。これにより、自動伴奏
中にスタート/ストップスイッチSTART/STOP
が押されると自動伴奏が停止される機能が実現されてい
る。
【0072】一方、上記ステップS22において、リズ
ムフラグRYMFLGが「0」であることが判断される
と、自動伴奏停止中にスタート/ストップスイッチST
ART/STOPが押されたことが認識され、リズムス
タート処理が行われる(ステップS24)。これによ
り、その時点で設定されているプリセットリズム又はユ
ーザリズムに従って自動伴奏が開始される。なお、リズ
ムフラグRYMFLGのセットはリズムスタート処理の
中で行われる。このリズムスタート処理の詳細について
は後述する。その後、パネル処理ルーチンからリターン
してメイン処理ルーチンに戻る。
【0073】上記ステップS21でスタート/ストップ
スイッチSTART/STOPのオンイベントがないこ
とが判断されると、次いで、編集スイッチEDITのオ
ンイベントがあるかどうかが調べられる(ステップS2
5)。これはパネルイベントマップ及び新パネルデータ
中の編集スイッチEDITに対応する各ビットが双方と
もオンになっているかどうかを調べることにより行われ
る。ここで、編集スイッチEDITのオンイベントがあ
ることが判断されると、編集フラグEDTFLGが
「1」にセットされる(ステップS26)。これによ
り、電子楽器は編集モードに移行する。次いで、リズム
スタート処理が行われる(ステップS27)。これによ
り、編集したいリズムを選択した後に編集スイッチED
ITを押して編集モードに入ると、その時点で設定され
ている音色及びテンポに従って(プリセットリズムデー
タとは無関係に)、選択されたリズムの自動伴奏が開始
される。これにより、ユーザは、編集すべき伴奏音を確
認した後に編集作業を開始することができる。リズムス
タート処理の詳細については後述する。その後、パネル
処理ルーチンからリターンしてメイン処理ルーチンに戻
る。
【0074】上記ステップS25で編集スイッチEDI
Tのオンイベントがないことが判断されると、次いで、
記憶スイッチSTOREのオンイベントがあるかどうか
が調べられる(ステップS28)。これは上記パネルイ
ベントマップ及び新パネルデータ中の記憶スイッチST
OREに対応する各ビットが双方ともオンになっている
かどうかを調べることにより行われる。ここで、記憶ス
イッチSTOREのオンイベントがあることが判断され
ると、編集フラグEDTFLGが「1」であるかどうか
が調べられる(ステップS29)。そして、編集フラグ
EDTFLGが「0」であることが判断されると、編集
モードでない時に記憶スイッチSTOREが押されたこ
とが認識され、このパネル処理ルーチンからリターンし
てメイン処理ルーチンに戻る。即ち、編集モードでない
状態で記憶スイッチSTOREが押されても無視され
る。
【0075】一方、編集フラグEDTFLGが「1」で
あることが判断されると、ユーザパターンデータの記憶
が行われる(ステップS30)。例えば、図5の第1の
例に示したユーザパターンデータが適用される自動伴奏
装置では、記憶スイッチSTOREが押された時点にお
けるコード、ベース及びドラムの各パートのリズム番
号、及びその時点で設定されているユーザリズムデータ
(コード音色番号、ベース音色番号及びテンポデータ)
がRAM12のユーザパターンデータエリアに格納され
る。また、図6の第2の例に示したユーザパターンデー
タが適用される自動伴奏装置では、記憶スイッチSTO
REが押された時点におけるコード1〜コード3、ベー
ス、バスドラム、スネアドラム、ハイハット、サブドラ
ム1及びサブドラム2の各パートのリズム番号、及びそ
の時点で設定されているユーザリズムデータ(コード1
〜コード3の音色番号、ベース音色番号及びテンポデー
タ)がRAM12のユーザパターンデータエリアに格納
される。次いで、編集フラグEDTFLGが「0」にク
リアされ(ステップS31)、リズムフラグRYMFL
Gが「0」にクリアされる(ステップS32)。これに
より、電子楽器は編集モードを終了して通常のモードに
なると共に、自動伴奏を停止する。その後、パネル処理
ルーチンからリターンしてメイン処理ルーチンに戻る。
【0076】上記ステップS28で記憶スイッチSTO
REのオンイベントがないことが判断されると、次い
で、サウンドスイッチSOUNDのオンイベントがある
かどうかが調べられる(ステップS33)。これは上記
パネルイベントマップ及び新パネルデータ中のサウンド
スイッチSOUNDに対応する各ビットが双方ともオン
になっているかどうかを調べることにより行われる。こ
こで、サウンドスイッチSOUNDのオンイベントがあ
ることが判断されると、サウンドフラグSNDFLGを
「1」にセットし(ステップS34)、その後、パネル
処理ルーチンからリターンしてメイン処理ルーチンに戻
る。これにより、電子楽器は音色選択モードに移行され
る。
【0077】上記ステップS33でサウンドスイッチS
OUNDのオンイベントがないことが判断されると、次
いで、リズムスイッチRHYTHMのオンイベントがあ
るかどうかが調べられる(ステップS35)。これは上
記パネルイベントマップ及び新パネルデータ中のリズム
スイッチRHYTHMに対応する各ビットが双方ともオ
ンになっているかどうかを調べることにより行われる。
ここで、リズムスイッチRHYTHMのオンイベントが
あることが判断されると、サウンドフラグSNDFLG
を「0」にクリアし(ステップS36)、その後、パネ
ル処理ルーチンからリターンしてメイン処理ルーチンに
戻る。これにより、電子楽器はリズム選択モードに移行
される。
【0078】上記ステップS35でリズムスイッチRH
YTHMのオンイベントがないことが判断されると、次
いで、パートスイッチPARTのオンイベントがあるか
どうかが調べられる(ステップS37)。これはコード
スイッチCHORD、ベーススイッチBASS又はドラ
ムスイッチDRUMのうち、何れか1つのスイッチに対
応するイベントマップ及び新パネルデータ中の各ビット
が双方ともオンになっているかどうかを調べることによ
り行われる。ここで、パートスイッチPARTのオンイ
ベントがあることが判断されると、次いで、編集フラグ
EDTFLGが「1」であるかどうかが調べられる(ス
テップS38)。ここで、編集フラグEDTFLGが
「0」であることが判断されると、編集モードでない時
にパートスイッチPARTが押されたことが認識され、
このパネル処理ルーチンからリターンしてメイン処理ル
ーチンに戻る。即ち、編集モードでない状態でパートス
イッチPARTが押されても無視される。
【0079】一方、編集フラグEDTFLGが「1」で
あることが判断されると、編集パートのセットが行われ
る(ステップS39)。即ち、コード、ベース又はドラ
ムの何れのパートが選択されているかがRAM12の編
集パートレジスタに記憶される。次いで、選択されたパ
ートに現在設定されているリズム番号(パートリズム番
号レジスタの内容)が表示される(ステップS40)。
次いで、リズムスタート処理が行われる(ステップS4
1)。これにより自動伴奏が開始されるが、このリズム
番号は、リズムスイッチRHYTHM及びセレクトスイ
ッチSELECTを用いて任意の番号に変更することが
できる。リズムスタート処理の詳細については後述す
る。その後、パネル処理ルーチンからリターンしてメイ
ン処理ルーチンに戻る。
【0080】上記ステップS37でパートスイッチPA
RTのオンイベントがないことが判断されると、次い
で、セレクトスイッチSELECTのオンイベントがあ
るかどうかが調べられる(ステップS42)。これはテ
ンキー(0〜9)、インクリメントキー(+)又はデク
リメントキー(−)のうち、何れか1つのスイッチに対
応するイベントマップ及び新パネルデータ中の各ビット
が双方ともオンになっているかどうかを調べることによ
り行われる。ここで、セレクトスイッチSELECTの
オンイベントがあることが判断されると、次いで、サウ
ンドフラグSNDFLGが「1」であるかどうかが調べ
られる(ステップS43)。ここで、サウンドフラグS
NDFLGが「1」であることが判断されると、音色選
択モードであることが認識され、音色番号の設定が行わ
れる(ステップS44)。即ち、セレクトスイッチSE
LECTで設定された番号が、その時点で選択されてい
るパートの音色番号レジスタに記憶される。その後、こ
のパネル処理ルーチンからリターンしてメイン処理ルー
チンに戻る。これにより、以後の当該パートの自動伴奏
は、音色番号レジスタに設定された音色番号に対応する
音色で行われる。
【0081】上記ステップS43でサウンドフラグSN
DFLGが「0」であることが判断されると、リズム選
択モードであることが認識され、次いで、編集フラグE
DTFLGが「1」であるかどうかが調べられる(ステ
ップS45)。ここで、編集フラグEDTFLGが
「1」であることが判断されると、編集モードであるこ
とが認識され、パートリズム番号の設定が行われる(ス
テップS46)。即ち、セレクトスイッチSELECT
で設定された番号が、その時点で選択されているパート
のパートリズム番号レジスタに記憶される。次いで、リ
ズムスタート処理が行われる(ステップS41)。これ
により、以後の当該パートの自動伴奏は、パートリズム
番号レジスタに設定されたリズム番号に対応するリズム
で行われる。一方、編集フラグEDTFLGが「1」で
ないことが判断されると、リズム番号の設定が行われる
(ステップS47)。即ち、セレクトスイッチSELE
CTで設定された番号がリズム番号レジスタに記憶され
ると共にパートリズム番号レジスタに記憶される。リズ
ムスタート処理の詳細については後述する。以上の処理
により、編集モードの場合はパートに割り当てるリズム
番号が、編集モードでない場合は自動伴奏するプリセッ
トリズム又はユーザリズムのリズム番号がそれぞれ選択
される機能が実現されている。その後、このパネル処理
ルーチンからリターンしてメイン処理ルーチンに戻る。
【0082】上記ステップS42で、セレクトスイッチ
SELECTのオンイベントがないことが判断される
と、次いで、コード進行指定スイッチCHORD−BO
OKのオンイベントがあるかどうかが調べられる(ステ
ップS48)。これはパネルイベントマップ及び新パネ
ルデータ中のコード進行指定スイッチCHORD−BO
OKに対応する各ビットが双方ともオンになっているか
どうかを調べることにより行われる。ここで、コード進
行指定スイッチCHORD−BOOKのオンイベントが
あることが判断されると、次いで、コード進行指定フラ
グCBFLGが「0」であるかどうかが調べられる(ス
テップS49)。そして、コード進行指定フラグCBF
LGが「1」であることが判断されると、コード進行モ
ードでコード進行指定スイッチCHORD−BOOKが
押されたことが認識され、コード進行指定フラグCBF
LGが「0」にクリアされる(ステップS51)。その
後、このパネル処理ルーチンからリターンしてメイン処
理ルーチンに戻る。これにより、コード進行モード中に
コード進行指定スイッチCHORD−BOOKが押され
ると通常モードへ移行される機能が実現されている。
【0083】一方、コード進行指定フラグCBFLGが
「0」であることが判断されると、コード進行モードで
ない状態でコード進行指定スイッチCHORD−BOO
Kが押されたことが認識され、コード進行スタート処理
が行われる(ステップS50)。これにより、以後の自
動伴奏は、コード進行データに従って進行する。このコ
ード進行スタート処理の詳細については後述する。その
後、このパネル処理ルーチンからリターンしてメインル
ーチンに戻る。なお、上記ステップS48でコード進行
指定スイッチCHORD−BOOKのオンイベントがな
いことが判断されると、全スイッチのオンイベントがな
かったものと判断され、このパネル処理ルーチンからリ
ターンしてメイン処理ルーチンに戻る。
【0084】次に、リズムスタート処理の詳細につい
て、図13に示したフローチャートを参照しながら説明
する。リズムスタート処理では、先ず、編集フラグED
TFLGが「0」であるかどうかが調べられる(ステッ
プS60)。ここで編集フラグEDTFLGが「0」、
つまり編集モードでないことが判断されると、次いで、
現在指定されているリズム番号(以下「現リズム番号」
という。)はユーザリズムのリズム番号であるかどうか
が調べられる(ステップS61)。これは、リズム番号
レジスタの内容が「100」以上であるかどうかを調べ
ることにより行われる。そして、ユーザリズムでないこ
とが判断されると、プリセットリズムデータのセットが
行われる(ステップS62)。即ち、現リズム番号に対
応するプリセットリズムデータがパターンメモリ17か
ら読み出され、音色番号レジスタ、テンポレジスタにセ
ットされる。これにより、プリセットリズムを発音する
時の音色やテンポが決定される。次いで、各パートの先
頭アドレスが自動伴奏用アドレスレジスタにセットされ
る(ステップS63)。即ち、各パートリズム番号レジ
スタに記憶されている各リズム番号に対応するパターン
データの先頭アドレスが各パートに対応して設けられて
いる自動伴奏用アドレスレジスタにそれぞれセットされ
る。これにより、パターンメモリ17中のパターンデー
タの読み出し開始位置が決定される。
【0085】上記ステップS61でユーザリズムである
ことが判断されると、ユーザリズムデータのセットが行
われる(ステップS64)。即ち、現リズム番号に対応
するユーザリズムデータがRAM12のユーザパターン
データエリアから読み出され、音色番号レジスタ、テン
ポレジスタにセットされる。これにより、ユーザリズム
を発音する時の音色やテンポが決定される。次いで、現
リズム番号に対応するユーザパターンデータ中のリズム
番号で指定されている各パートの先頭アドレスが自動伴
奏用アドレスレジスタにセットされる(ステップS6
5)。これにより、パターンメモリ17中のパターンデ
ータの読み出し開始位置が決定される。その後、ステッ
プS66に分岐する。
【0086】上記ステップS60で、編集フラグEDT
FLGが「1」、つまり編集モードであることが判断さ
れた場合は、ステップS53へ分岐する。これは、編集
スイッチEDITが押されることによって編集モードに
入った場合の処理である。この場合は、プリセットリズ
ムデータのセットを行わずに、パートリズム番号レジス
タに記憶されているリズム番号に基づいて各パートの先
頭アドレスセット処理が行われる(ステップS63)。
このことは、リズム番号を選択して編集スイッチEDI
Tを押せば、その時点で設定されている音色及びテンポ
で自動伴奏が開始されることを意味する。従って、ユー
ザは、予め好みの音色・テンポに設定しておき、その
後、リズム番号を選択して編集スイッチEDITを押す
ことにより、好みの音色・テンポで自動伴奏を開始させ
ることができる。
【0087】ステップS66では、ステップタイムST
EPのセットが行われる。即ち、パターンメモリ17の
自動伴奏用アドレスレジスタで指定されている記憶位置
から1つの音符データが読み出され、その中に含まれる
ステップタイムSTEPが取り出されて自動伴奏用ステ
ップタイムレジスタにセットされる。
【0088】次いで、リズムフラグRYMFLGが
「1」にセットされる(ステップS67)。これにより
自動伴奏中であることが記憶される。次いで、リズムカ
ウンタCOUNTがゼロにクリアされる(ステップS6
8)。以後、このリズムカウンタCOUNTの内容は、
後述する自動伴奏処理ルーチンの中で、読出タイミング
(詳細後述)が到来する度にインクリメントされる。そ
の後、このリズムスタート処理ルーチンからリターンす
る。以降は、後述する自動伴奏処理ルーチンにおいて、
上記自動伴奏用アドレスレジスタを順次更新しながら自
動伴奏が進行する。
【0089】(3)自動伴奏処理 次に、自動伴奏処理の詳細について、図14に示したフ
ローチャートを参照しながら説明する。この自動伴奏処
理ルーチンは、メイン処理ルーチンから一定周期でコー
ルされる。
【0090】自動伴奏処理では、先ず、リズムフラグR
YMFLGが「1」であるかどうかが調べられる(ステ
ップS70)。ここでリズムフラグRYMFLGが
「1」でない、つまり自動伴奏停止中であることが判断
されると、以下の処理を行わずにこの自動伴奏処理ルー
チンからリターンしてメイン処理ルーチンに戻る。これ
により、自動伴奏の停止機能が実現されている。
【0091】一方、リズムフラグRYMFLGが「1」
であることが判断され、現在自動伴奏中であることが認
識されると、パターンデータの読出タイミングであるか
どうかが調べられる(ステップS71)。ここで、読出
タイミングとは、テンポに応じた一定周期で到来するパ
ターンデータを読み出すべきタイミングをいう。この読
出タイミングが到来したかどうかの判断は、例えば図示
しない時計機構で計時されている時刻を参照することに
より行われる。このステップS71で、読出タイミング
でないことが判断されると、以下の処理は行わずにこの
自動伴奏処理ルーチンからリターンしてメイン処理ルー
チンに戻る。
【0092】上記ステップS71で、読出タイミングで
あることが判断されると、次いで、コード進行処理が行
われる(ステップS72)。このコード進行処理では、
コードを変更すべきタイミングが到来した場合に、以下
のステップS77でコード展開に使用するコードを決定
する処理が行われる。このコード進行処理の詳細は後述
する。次いで、自動伴奏用ステップタイムレジスタにセ
ットされているステップタイムSTEPとリズムカウン
タCOUNTの内容とが比較される(ステップS7
3)。ここで、一致しないことが判断されると、当該パ
ターンデータ(自動伴奏用ステップタイムレジスタにセ
ットされているステップタイムSTEPを有するパター
ンデータ)は未だ発音タイミングに至っていないものと
判断され、リズムカウンタCOUNTの内容がインクリ
メントされる(ステップS74)。その後、この自動伴
奏処理ルーチンからリターンしてメイン処理ルーチンに
戻る。
【0093】一方、上記比較結果が一致したことが判断
されると、その時点で自動伴奏用アドレスレジスタにセ
ットされているアドレスで指定されるパターンメモリ1
7の記憶位置から1つの音符データ(4バイト)が読み
出される(ステップS75)。次いで、当該音符データ
がエンドマークを示しているかどうかが調べられる(ス
テップS76)。これは、音符データの第1バイト目の
MSBを調べることにより行われる。ここで、エンドマ
ークでないことが判断されると、次いでコード展開&発
音処理が行われる(ステップS77)。
【0094】コード展開処理では、例えば基本コードC
のコード構成音でパターンメモリ17に記憶されている
音符データを、発音すべきコードタイプ(コードネーム
レジスタに格納されている。)に応じたコード構成音に
変更する処理が行われる。例えば、コードネームレジス
タにコードタイプEmが記憶されている場合は、音名
「ミ」及び「ソ」は元のままであるが、音名「ド」は
「シ」に変更される。
【0095】発音処理では、先ず楽音発生装置19中の
所定の発音チャンネルに発音が割り当てられる。次い
で、音符データ中のキーナンバ、ベロシティ、及びその
時点で選択されている音色(音色番号レジスタに格納さ
れている)を表す音色番号等に基づきプログラムメモリ
11から音色パラメータが読み出され、これが楽音発生
装置19に送られる。これにより、楽音発生装置19の
割り当てられた発音チャンネルにおいて、上記音色パラ
メータに基づいたデジタル楽音信号が生成され、これが
D/A変換器20、増幅器21及びスピーカ22に順次
送られて発音が行われる。
【0096】なお、自動伴奏音の消音処理については詳
細は示されていないが、消音処理は、ゲートタイムがゼ
ロになった楽音発生装置19中の発音チャンネルを検索
し、この発音チャンネルに所定のデータを送ることによ
り実現されている。
【0097】次いで、次の音符データ中のステップタイ
ムSTEPを読み出し、これを自動伴奏用ステップタイ
ムレジスタにセットする(ステップS78)。その後、
ステップS73に戻り、以下同様の処理を繰り返す。以
上の繰り返しにより、音符データが次々にパターンメモ
リ17から読み出され、リズムカウンタCOUNTの内
容に同期して発音されることにより自動伴奏が行われ
る。
【0098】一方、上記ステップS76で、エンドマー
クであることが判断されると、自動伴奏を繰り返して行
うべく、リズムスタート処理が行われる(ステップS7
9)。このリズムスタート処理については、図13を参
照して既に説明した。その後、ステップS73に戻っ
て、以下同様の処理が繰り返される。
【0099】次に、コード進行スタート処理の詳細につ
いて、図15に示したフローチャートを参照しながら説
明する。コード進行スタート処理では、先ず、編集フラ
グEDTFLGが「0」であるかどうかが調べられる
(ステップS80)。ここで編集フラグEDTFLGが
「0」、つまり編集モードでないことが判断されると、
次いで、現リズム番号はユーザリズムのリズム番号であ
るかどうかが調べられる(ステップS81)。これは、
リズム番号レジスタの内容が「100」以上であるかど
うかを調べることにより行われる。そして、ユーザリズ
ムでないことが判断されると、そのリズム番号が、RA
M12に設けられた所定のワークレジスタに記憶される
(ステップS82)。
【0100】一方、上記ステップS80で編集フラグE
DTFLGが「1」、つまり編集モードであることが判
断された場合、又は上記ステップS81でユーザリズム
であることが判断された場合は、ユーザリズム番号から
コードパートのリズム番号が算出され、上記ワークレジ
スタにセットされる(ステップS83)。このコードパ
ートのリズム番号としては、図5に示したユーザパター
ンデータが用いられる自動伴奏装置ではコードリズム番
号が、図6に示したユーザパターンデータが用いられる
自動伴奏装置ではコード1リズム番号が用いられる。次
いで、コード進行データの先頭アドレスが、コード進行
用アドレスレジスタにセットされる(ステップS8
4)。即ち、上記ワークレジスタにセットされたリズム
番号に対応するコード進行データの先頭アドレスがコー
ド進行用アドレスレジスタにセットされる。これによ
り、パターンメモリ17中のコード進行データの読み出
し開始位置が決定される。
【0101】次いで、ステップタイムSTEPのセット
が行われる(ステップS85)。即ち、パターンメモリ
17のコード進行用アドレスレジスタで指定されている
記憶位置から1つのコード変更指示データが読み出さ
れ、その中に含まれるステップタイムSTEPが取り出
されてコード進行用ステップタイムレジスタにセットさ
れる。
【0102】次いで、コード進行カウンタCBCNTの
内容がゼロにクリアされ(ステップS86)、次いで、
コード進行指定フラグCBFLGが「1」にセットされ
る。これによりコード進行モードにされる。このコード
進行カウンタCBCNTの内容は、後述するコード進行
処理ルーチンの中で、読出タイミング(詳細後述)が到
来する度にインクリメントされる。その後、このリズム
スタート処理ルーチンからリターンする。以降は、後述
する自動伴奏処理ルーチンにおいて、上記コード進行用
アドレスレジスタを順次更新しながら自動伴奏の進行に
連れてコードが順次変更される。
【0103】次に、コード進行処理の詳細について、図
16に示したフローチャートを参照しながら説明する。
このコード進行処理ルーチンは、自動伴奏処理ルーチン
からコールされる。
【0104】コード進行処理では、先ず、コード進行指
定フラグCBFLGが「1」であるかどうかが調べられ
る(ステップS90)。ここでコード進行指定フラグC
BFLGが「0」、つまりコード進行モードでないこと
が判断されると、以下の処理を行わずにこのコード進行
処理ルーチンからリターンして自動伴奏処理ルーチンに
戻る。これにより、コード進行モードの停止機能が実現
されている。
【0105】一方、コード進行指定フラグCBFLGが
「1」であることが判断され、現在コード進行モードで
あることが認識されると、次いで、コード進行用ステッ
プタイムレジスタにセットされているステップタイムS
TEPとコード進行カウンタCBCNTの内容とが比較
される(ステップS91)。ここで、一致しないことが
判断されると、当該コード進行データ(コード進行用ス
テップタイムレジスタにセットされているステップタイ
ムSTEPを有するコード進行データ)は未だコード変
更タイミングに至っていないものと判断され、コード進
行カウンタCBCNTの内容がインクリメントされる
(ステップS92)。その後、このコード進行処理ルー
チンからリターンして自動伴奏処理ルーチンに戻る。こ
のコード進行処理ルーチンは、読出タイミングが到来し
た時点で自動伴奏処理ルーチンからコールされるので、
コード進行カウンタCBCNTのインクリメントは、読
出タイミングに同期して行われることになる。
【0106】一方、上記比較結果が一致したことが判断
されると、その時点でコード進行用アドレスレジスタに
セットされているアドレスで指定されるパターンメモリ
17の記憶位置から1つのコード変更指示データ(2バ
イト)が読み出される(ステップS93)。次いで、当
該コード変更指示データがリピートマークを示している
かどうかが調べられる(ステップS94)。これは、コ
ード変更指示データの第1バイト目のMSBを調べるこ
とにより行われる。ここで、リピートマークでないこと
が判断されると、次いでコードネームのセットが行われ
る(ステップS95)。ここでは、パターンメモリ17
から読み出されたコード変更指示データ中のコードネー
ムがコードネームレジスタにセットされる。このコード
ネームは、上述したように、自動伴奏処理のステップS
77において、コード展開に使用される。
【0107】次いで、次のコード変更指示データ中のス
テップタイムSTEPを読み出し、これをコード進行用
ステップタイムレジスタにセットし(ステップS9
6)、その後、ステップS91に戻り、以下同様の処理
を繰り返す。以上の繰り返しにより、コード変更指示デ
ータが次々にパターンメモリ17から読み出され、コー
ド進行カウンタCBCNTの内容に同期してコード変更
が行われる。
【0108】一方、上記ステップS94で、リピートマ
ークであることが判断されると、再度同一のコード進行
を実現するべく、コード進行スタート処理が行われる
(ステップS97)。このコード進行スタート処理につ
いては、図15を参照して既に説明した。その後、ステ
ップS91に戻って、以下同様の処理が繰り返される。
【0109】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
初心者であっても簡単に自分の好みの自動伴奏パターン
を作製することができ、しかも所定のコード進行に従っ
て自動伴奏を行わせることのできる自動伴奏装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動伴奏装置が適用された電子楽器の
一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の自動伴奏装置が適用された電子楽器の
操作パネルの一例を示す図である。
【図3】本発明の自動伴奏装置に用いられるパターンデ
ータのフォーマットの第1の例を示す図である。
【図4】本発明の自動伴奏装置に用いられるパターンデ
ータのフォーマットの第2の例を示す図である。
【図5】本発明の自動伴奏装置に用いられるユーザパタ
ーンデータのフォーマットの第1の例を示す図である。
【図6】本発明の自動伴奏装置に用いられるユーザパタ
ーンデータのフォーマットの第2の例を示す図である。
【図7】本発明の自動伴奏装置に用いられるコード進行
データのフォーマットの一例を示す図である。
【図8】本発明の自動伴奏装置で使用されるRAM12
の割り当ての一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態のメイン処理を示すフロ
ーチャートである。
【図10】本発明の一実施の形態のパネル処理(その
1)を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施の形態のパネル処理(その
2)を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施の形態のパネル処理(その
3)を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態のリズムスタート処理
を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施の形態の自動伴奏処理を示す
フローチャートである。
【図15】本発明の一実施の形態のコード進行スタート
処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施の形態のコード進行処理を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
10 CPU 11 プログラムメモリ 12 RAM 13 パネルインタフェース回路 14 操作パネル 140〜145 スイッチブロック 146 表示器 15 鍵盤インタフェース回路 16 鍵盤装置 17 パターンメモリ 18 波形メモリ 19 楽音発生装置 20 増幅器 21 スピーカ 30 システムバス

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リズム毎に複数パートのパターンデータ
    を記憶したパターンメモリと、 所望のパートを選択するパート選択手段と、 該パート選択手段で選択されたパートに割り当てるリズ
    ムを選択するリズム選択手段と、 該リズム選択手段で選択されたリズムのリズム番号を、
    該パート選択手段で選択されたパートに関連付けて記憶
    するリズム番号記憶手段と、 コード進行を制御するためのコード進行データをリズム
    毎に記憶したコード進行データ記憶手段と、 該リズム番号記憶手段に記憶されている各パートのリズ
    ム番号に基づいて該パターンメモリから各パートのパタ
    ーンデータを順次読み出す読出手段と、 該読出手段により特定パートのパターンデータが読み出
    されると、該特定パートのリズム番号に対応するコード
    進行データを該コード進行データ記憶手段から読み出
    し、該読み出されたコード進行データに応じて該パター
    ンデータをコード展開することにより得られたデータに
    基づき楽音を発生し、該特定パート以外のパターンデー
    タが読み出されると、該読み出されたパターンデータに
    基づき楽音を発生する楽音発生手段、とを備えたことを
    特徴とする自動伴奏装置。
  2. 【請求項2】 コード進行指示手段を更に有し、前記楽
    音発生手段は、 該コード進行指示手段による指示がある場合は、前記読
    出手段により特定パートのパターンデータが読み出され
    ると、該特定パートのリズム番号に対応するコード進行
    データを前記コード進行データ記憶手段から読み出し、
    該読み出されたコード進行データに応じて該パターンデ
    ータをコード展開することにより得られたデータに基づ
    き楽音を発生し、該特定パート以外のパターンデータが
    読み出されると、該読み出されたパターンデータに基づ
    き楽音を発生し、 該コード進行指示手段による指示がない場合は、前記読
    出手段により読み出された各パートのパターンデータに
    基づき楽音を発生することを特徴とする請求項1に記載
    の自動伴奏装置。
  3. 【請求項3】 前記特定パートは、コードパート又はベ
    ースパートであることを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の自動伴奏装置。
  4. 【請求項4】 前記リズム番号記憶手段には、各パート
    のリズム番号に加え、各パートの音色を指定する音色番
    号が更に記憶され、前記楽音発生手段は、各パートの楽
    音を、記憶されている音色番号に応じた音色で発生する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に
    記載の自動伴奏装置。
  5. 【請求項5】 前記リズム番号記憶手段には、テンポを
    指定するテンポデータが更に記憶され、前記楽音発生手
    段は、記憶されているテンポデータに応じたテンポで楽
    音を発生することを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    何れか1項に記載の自動伴奏装置。
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