JP4318194B2 - 電子楽器の自動伴奏装置及び自動伴奏方法 - Google Patents

電子楽器の自動伴奏装置及び自動伴奏方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器の自動伴奏装置及び自動伴奏方法に関し、特に変化に富んだ自動伴奏音を発生する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子キーボード、電子オルガン、電子ピアノといった電子楽器の多くには、自動伴奏装置が組み込まれている。この自動伴奏装置は、予め記憶された伴奏用のデータに従って自動的に伴奏音を発生する。
【0003】
このような自動伴奏装置は、例えばリードオンリメモリ(以下、「ROM」という)で構成される自動伴奏パターンデータメモリ(以下、単に「パターンメモリ」という)を備えている。このパターンメモリには、リズムの種類毎に、1小節〜数小節程度のフレーズで成る自動伴奏パターンデータ(以下、単に「パターンデータ」という)が記憶されている。そして、ユーザがリズムを選択して自動伴奏を開始させると、自動伴奏装置の制御部は、選択されたリズムのパターンデータをパターンメモリから繰り返して読み出し、このパターンデータに基づいて自動伴奏音を発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の自動伴奏装置は、選択されたリズムのパターンデータをパターンメモリから繰り返して読み出し、この読み出されたパターンデータに基づいて自動伴奏音を発生するだけである。従って、演奏に変化が乏しく、単調になるという問題があった。
【0005】
このような単調さを解消するために、従来、幾つかの技術が開発されている。例えば、第1の技術は、1つのリズムに対して複数のパターンデータを備えている。そして、ユーザがリズムを選択して自動伴奏を開始させると、自動伴奏装置の制御部は、上記複数のパターンデータの中からランダムに1つのパターンデータを選択し、選択されたパターンデータに基づいて自動伴奏音を発生する。
【0006】
また、第2の技術は、例えば特開平9−319372号公報に示されているように、曲想を表す第1のパターンデータと変化を表す第2のパターンデータとを記憶しておき、これら2種類のパターンデータをランダムに読み出して自動伴奏音を発生するようにしたものである。
【0007】
更に、第3の技術は、特許第2565152号に示されるように、リズム種類毎にノーマルパターンとバリエーションパターンとを持ち、バリエーションパターンの一部を操作によってランダムに選択するようにしたものである。
【0008】
しかしながら、上述した何れの技術も、パターンデータをランダムに選択することにより自動伴奏音を発生するので、自動伴奏にまとまりがないという印象を受けることが多い。例えば、リズムセクションであるベースパート及びドラムパートの各々が無関係なパターンで演奏される結果、全体としてのリズムが統一性のないものになってしまい、演奏者の意図した曲想を表現できないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、自動伴奏の単調さを解消すると共に演奏者の意図に沿った曲想の伴奏音を発生できる電子楽器の自動伴奏装置及び自動伴奏方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に係る電子楽器の自動伴奏装置は、上記目的を達成するために、複数の演奏パターンにそれぞれ対応する複数の演奏データと前記複数の演奏パターンの中の1つを指定するための指定データとから成るパターンデータを複数のトラックの各々に対応させて記憶する記憶手段と、前記複数のトラックの各パターンデータ中の前記指定データによって指定される演奏パターンを選択する選択手段と、前記選択手段で選択された前記複数のトラックの全ての演奏パターンに対応する演奏データを前記記憶手段から読み出し、該読み出された演奏データに基づいて自動伴奏音を発生する自動伴奏手段、とを備えている。
【0011】
この第1の態様に係る電子楽器の自動伴奏装置においては、前記複数のトラックの各パターンデータ中の前記指定データは、前記複数の演奏パターンの中から1つをランダムに選択すべきこと指定するデータ及び前記複数の演奏パターンの中から他のトラックの演奏パターンと同一の演奏パターンを選択すべきことを指定するデータの何れかとするように構成できる。
【0012】
また、本発明の第2の態様に係る電子楽器の自動伴奏装置は、上記と同様の目的で、複数の演奏パターンにそれぞれ対応する複数の演奏データから成るパターンデータであって、各演奏データは、前記複数の演奏パターンの中の1つを指定するための指定データを含むパターンデータを複数のトラックの各々に対応させて記憶する記憶手段と、前記複数のトラックの中の所定のトラックについては、前記複数の演奏パターンの中から1つをランダムに選択し、他のトラックについては、前記記憶手段から演奏データが読み出された時に該演奏データに含まれる指定データによって指定される演奏パターンを選択する選択手段と、前記選択手段で選択された前記複数のトラックの全ての演奏パターンに対応する演奏データを前記記憶手段から読み出し、該読み出された演奏データに基づいて自動伴奏音を発生する自動伴奏手段、とを備えている。
【0013】
上記第1及び第2の態様に係る電子楽器の自動伴奏装置においては、前記パターンデータは、曲の途中で演奏されるベーシック及びフィルインの少なくとも1つの演奏データから成り、曲の始まりで演奏されるイントロ及び曲の終わりで演奏されるエンディングの演奏データを含まないように構成できる。
【0014】
また、本発明の第3の態様に係る電子楽器の自動伴奏方法は、上記と同様の目的で、複数の演奏パターンにそれぞれ対応する複数の演奏データと前記複数の演奏パターンの中の1つを指定するための指定データとから成るパターンデータを複数のトラックの各々に対応させて記憶し、前記複数のトラックの各パターンデータ中の前記指定データによって指定される演奏パターンを選択し、前記選択された前記複数のトラックの全ての演奏パターンに対応する演奏データを読み出し、該読み出された演奏データに基づいて自動伴奏音を発生するように構成されている。
【0015】
この第3の態様に係る電子楽器の自動伴奏方法においては、前記複数のトラックの各パターンデータ中の前記指定データは、前記複数の演奏パターンの中から1つをランダムに選択すべきこと指定するデータ及び前記複数の演奏パターンの中から他のトラックの演奏パターンと同一の演奏パターンを選択すべきことを指定するデータの何れかとするように構成できる。
【0016】
また、本発明の第4の態様に係る電子楽器の自動伴奏方法は、上記と同様の目的で、複数の演奏パターンにそれぞれ対応する複数の演奏データから成るパターンデータであって、各演奏データは、前記複数の演奏パターンの中の1つを指定するための指定データを含むパターンデータを複数のトラックの各々に対応させて記憶し、前記複数のトラックの中の所定のトラックについては、前記複数の演奏パターンの中から1つをランダムに選択し、他のトラックについては、前記記憶手段から演奏データが読み出された時に該演奏データに含まれる指定データによって指定される演奏パターンを選択し、前記選択手段で選択された前記複数のトラックの全ての演奏パターンに対応する演奏データを前記記憶手段から読み出し、該読み出された演奏データに基づいて自動伴奏音を発生するように構成されている。
【0017】
これら第3及び第4の態様に係る電子楽器の自動伴奏方法においては、前記パターンデータは、曲の途中で演奏されるベーシック及びフィルインの少なくとも1つの演奏データから成り、曲の始まりで演奏されるイントロ及び曲の終わりで演奏されるエンディングの演奏データを含まないように構成できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る電子楽器の自動伴奏装置及び自動伴奏方法を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この自動伴奏装置は、独立した自動伴奏装置として構成できるが、以下では電子楽器に組み込まれた自動伴奏装置について説明する。
【0019】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の自動伴奏装置では、自動伴奏のランダム性を規定する指定データをトラック毎に備えている。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態1に係る自動伴奏装置が適用された電子楽器の構成を示すブロック図である。この電子楽器は、CPU10、プログラムメモリ11、RAM12、パネルインタフェース回路13、鍵盤インタフェース回路15、パターンメモリ17、波形メモリ18及び音源19を備えており、これらの各構成要素はシステムバス30によって相互に接続されている。システムバス30は、例えばアドレスバス、データバス、制御信号バス等で構成されており、上記各要素間のデータの送受を行うために使用される。
【0021】
CPU10は、プログラムメモリ11に記憶されている制御プログラムに従って動作する。このCPU10は、自動伴奏装置を含む電子楽器の各種機能を実現するための処理を行う。このCPU10の動作は、後にフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0022】
プログラムメモリ11は、例えばROMで構成できる。このプログラムメモリ11には、上述した制御プログラムの他に、CPU10が使用する種々の固定データが記憶されている。また、このプログラムメモリ11には、所定の音色の楽音(楽器音)を発生させるための音色パラメータが記憶されている。音色パラメータは、例えば音色及び鍵域毎に複数設けられており、各音色パラメータは、例えば波形アドレス、周波数データ、エンベロープデータ、フィルタ係数等から構成されている。
【0023】
RAM12は、CPU10が処理する種々のデータを一時的に記憶する。このRAM12には、例えばバッファ、レジスタ、カウンタ、フラグ等が設けられている。これらの詳細については、後述する。
【0024】
パネルインタフェース回路13には操作パネル14が接続されている。この操作パネル14には、各種スイッチ、表示器等が設けられている。各種スイッチには、スタート/ストップスイッチ、イントロ/エンディングスイッチ、リズム選択スイッチ、フィルインスイッチ、音色選択スイッチ等(何れも図示しない)が含まれる。
【0025】
スタート/ストップスイッチは、自動伴奏の開始及び停止を制御するために使用される。自動伴奏停止中にスタート/ストップスイッチが押されると自動伴奏が開始され、自動伴奏中にスタート/ストップスイッチが押されると自動伴奏が停止される。
【0026】
イントロ/エンディングスイッチは、イントロ演奏及びエンディング演奏を開始させるために使用される。自動伴奏停止中にイントロ/エンディングスイッチが押されるとイントロ演奏が開始され、自動伴奏中にイントロ/エンディングスイッチが押されるとエンディング演奏が開始される。
【0027】
リズム選択スイッチは自動伴奏のリズム(例えばロック、ワルツ、マンボ等)を選択するために使用される。このリズム選択スイッチで選択されたリズムの番号は、RAM12に設けられたリズム番号レジスタに記憶される。
【0028】
また、表示器には、個別表示器とキャラクタ表示器とが含まれる。個別表示器は、各スイッチに対応して設けられ、そのオン/オフを示すために使用される。キャラクタ表示器は、文字、記号、数字等を表示するために使用される。キャラクタ表示器は、例えば7セグメントのLED表示器、LCD表示器、CRT表示器、その他の各種表示器で構成できる。キャラクタ表示器には、例えば音色選択時には音色番号が、リズム選択時にはリズム番号がそれぞれ表示される。
【0029】
パネルインタフェース回路13は、操作パネル14とCPU10との間のデータの送受を制御する。即ち、パネルインタフェース回路13は、操作パネル14から受け取った信号に基づきパネルデータを生成し、CPU10に送る。このパネルデータは、各スイッチのオン/オフ状態を示すビット列で構成されている。CPU10は、このパネルデータに基づいてパネル操作に対応した各種処理を行う。また、パネルインタフェース回路13は、CPU10から受け取った表示データを操作パネル14に送り出す。これにより、操作パネル14の各種表示器の点灯/消灯等が制御される。
【0030】
鍵盤インタフェース回路15には鍵盤装置16が接続されている。鍵盤装置16は、音高を指示するための複数の鍵を備えている。この鍵盤装置16には、例えば2接点方式の鍵が用いられている。即ち、鍵盤装置16の各鍵は、押鍵又は離鍵に連動して開閉する2個のキースイッチを有し、鍵タッチを検出できる。
【0031】
鍵盤インタフェース回路15は、押鍵又は離鍵に伴う各鍵のオン/オフ状態及び鍵タッチの強さを検出する。即ち、鍵盤インタフェース15は、鍵盤インタフェース回路15から受け取った信号に基づき各鍵のオン/オフ状態を示すキーデータ及び鍵タッチの強さを示すタッチデータを生成し、CPU10に送る。CPU10は、このキーデータ及びタッチデータに基づいて、押鍵又は離鍵に応じた各種処理を行う。
【0032】
パターンメモリ17は、例えばROMで構成できる。このパターンメモリ17は、自動伴奏に使用されるパターンデータを記憶する。このパターンメモリ17に記憶されるパターンデータの詳細は後述する。
【0033】
波形メモリ18は、例えばROMで構成され、波形データを記憶する。この波形メモリ18には、複数の音色パラメータのそれぞれに対応した複数の波形データを記憶している。波形データは、例えば放音された楽音を電気信号に変換し、これをパルスコード変調(PCM)することにより作成できる。この波形メモリ18は、システムバス30を介して音源19によりアクセスされる。
【0034】
音源19は、複数の発音チャンネルを備えている。この音源19は、CPU10から指定された発音チャンネルを使用して、音色パラメータに応じた楽音信号を発生する。即ち、音源19は、CPU10から発音チャンネルの指定と音色パラメータを受け取ると、指定された発音チャンネルの機能を用いて、波形メモリ18から波形データを読み出し、これにエンベロープを付加してデジタル楽音信号を生成し、D/A変換器20に送出する。
【0035】
D/A変換器20は、音源19からのデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換して増幅器21に送る。増幅器21は、入力されたアナログ楽音信号を所定の増幅率で増幅してスピーカ22に送る。スピーカ22は、増幅器からのアナログ楽音信号を音響信号に変換して出力する。これにより、スピーカ22から楽音が発生される。
【0036】
次に、パターンメモリ17に格納されるパターンデータの詳細を、図2を参照しながら説明する。
【0037】
この実施の形態1に係る自動伴奏装置では、曲の途中で繰り返し演奏されるベーシック、曲の途中で単発的に演奏されるフィルイン、曲の始まりで演奏されるイントロ及び曲の終わりで演奏されるエンディングといった4種類のパターンデータがリズム毎にパターンメモリ17に記憶されている。
【0038】
また、各リズムは5つのトラックから構成されており、第1トラックにはメロディ、第2トラックには伴奏1、第3トラックには伴奏2、第4トラックにはベース、第5トラックにはドラムがそれぞれ割り当てられている。なお、この実施の形態1ではトラックの数を「5」としたが本発明ではトラックの数は「5」に限定されず任意である。また、各トラックに割り当てられる演奏の種類も任意である。
【0039】
上記パターンデータのうち、ベーシック及びフィルインのパターンデータは、8個の演奏データと演奏パターンを指定する指定データ(以下、「ランダムデータ」という)とから構成されている。8個の演奏データの各々には、パターンNo.0〜No.7という名前が付けられている。なお、イントロ及びエンディングの各パターンデータは、図示は省略しているが、1種類の演奏パターンで自動伴奏を行うための1個の演奏データから構成されており、ランダム演奏の対象外になっている。
【0040】
ランダムデータは、当該トラックに適用されるパターンNo.を指定することにより8個の演奏データの中から自動伴奏に使用する1つを選択するために使用される。このランダムデータは以下のように定義されている。
【0041】
「0」:乱数バッファ(後述)の値を当該トラックのパターンNo.としてパターンNo.レジスタ(後述)に記憶する。
「1」:第1トラックのパターンNo.を当該トラックのパターンNo.としてパターンNo.レジスタに格納する。
「2」:第2トラックのパターンNo.を当該トラックのパターンNo.としてパターンNo.レジスタに格納する。
「3」:第3トラックのパターンNo.を当該トラックのパターンNo.としてパターンNo.レジスタに格納する。
「4」:第4トラックのパターンNo.を当該トラックのパターンNo.としてパターンNo.レジスタに格納する。
「5」:第5トラックのパターンNo.を当該トラックのパターンNo.としてパターンNo.レジスタに格納する。
【0042】
各演奏データは、1個の音色データ、1小節分の音符データ及び1個のエンドデータから構成されている。音色データは例えば2バイトで構成され、各バイトには音色マーク及び音色番号が割り当てられている。音色マークは、当該データが音色データであることを表す。音色番号は、発生すべき音色の番号を指定するデータである。
【0043】
各音符データは例えば4バイトで構成され、各バイトには、キーナンバ、ステップタイム、ゲートタイム及びベロシティが割り当てられている。キーナンバは音高を指示し、ステップタイムは、発音時刻を指定し、ゲートタイムは発音の長さを指定し、ベロシティは発音の強さを指定するために使用される。
【0044】
また、エンドデータは例えば2バイトで構成され、各バイトにはエンドマーク及びステップタイムが割り当てられている。エンドマークは、1つのパターンNo.に対応する演奏データの終わりを表す。
【0045】
次に、RAM12に定義されたバッファ、レジスタ、カウンタ、フラグ等の主なものについて、図3を参照しながら説明する。
【0046】
先ず、各トラックで共通に使用されるシステム領域には、以下のレジスタ及びフラグが定義されている。
(a)ランダムレジスタ:パターンデータ中のランダムデータを記憶する。
(b)自動伴奏フラグ:自動伴奏中であるかどうかを記憶する。
(c)イントロフラグ:イントロ演奏中であるかどうかを記憶する。
(d)エンディングフラグ:エンディング演奏中であるかどうかを記憶する。
(e)リズム番号レジスタ:リズム選択スイッチによって選択されたリズムの番号を記憶する。
(f)乱数バッファ:生成された乱数を一時的に記憶するバッファである。
(g)ステップタイムカウンタ:小節先頭からのステップタイムCOUNTを計数する。1ステップの時間はテンポにより決定される。
(h)イントロカウンタ:イントロ演奏の回数をカウントする。
(i)エンディングカウンタ:エンディング演奏の回数をカウントする。
(j)トラックカウンタ:処理中のトラックの番号を記憶する。
(k)パターンNo.レジスタ:各トラックに割り当てられているパターンNo.を記憶する。パターンNo.レジスタは、第1〜第5トラックの各々に対応して設けられている。
【0047】
また、各トラックに対応して、以下のレジスタが定義されている。
(l)パターンアドレスレジスタ:現在処理中のパターンデータの中の音符データの記憶位置を指定する。
(m)パターンアドレス:8個の演奏データが記憶されているパターンメモリ17の先頭アドレスを記憶する。
【0048】
次に、上記の構成において、本発明の実施の形態1の自動伴奏装置の動作について、図4〜図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0049】
(1)メイン処理
図4は、この自動伴奏装置が適用された電子楽器のメイン処理を行うためのメイン処理ルーチンを示すフローチャートである。このメイン処理ルーチンは、電源の投入により起動される。即ち、電源が投入されると、先ず、初期化処理が行われる(ステップS10)。この初期化処理では、CPU10の内部がリセットされると共に、RAM12に定義されているバッファ、レジスタ、カウンタ、フラグ等に初期値が設定される。
【0050】
この初期化処理が終了すると、次いで、パネル処理が行われる(ステップS11)。このパネル処理では、操作パネル14上のスイッチの操作に対応する処理や、表示器にデータを表示する処理が行われる。このパネル処理の詳細については後述する。
【0051】
次いで、鍵盤処理が行われる(ステップS12)。この鍵盤処理では、発音処理、消音処理等が行われる。これらの処理によって、鍵盤装置16の操作に応じた楽音が発生される。
【0052】
次いで、自動伴奏処理が行われる(ステップS13)。この自動伴奏処理では、パターンメモリ17から読み出されたパターンデータに基づいて伴奏音が発生される。この自動伴奏処理の詳細については、後述する。
【0053】
次いで、「その他の処理」が行われる(ステップS13)。この「その他の処理」では、例えば図示しないMIDIインタフェース回路を介して外部機器との間でMIDIデータを送受信する処理等が行われる。その後、ステップS11に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0054】
このように、メイン処理ルーチンの上記ステップS11〜S14の繰り返し実行の過程でパネル操作又は鍵盤操作が行われると、その操作に対応する処理が行われる。これにより、電子楽器及び自動伴奏装置としての各種機能が実現されている。
【0055】
(2)パネル処理
次に、パネル処理の詳細を、図5に示したフローチャートを参照しながら説明する。パネル処理を行うためのパネル処理ルーチンは、メイン処理ルーチンから周期的にコールされる。
【0056】
パネル処理では、先ず、パネルスキャン処理が行われる(ステップS20)。このパネルスキャン処理では、操作パネル14からパネルインタフェース回路13を介してパネルデータ(以下、これを「新パネルデータ」という)が読み込まれる。そして、上記と同様にして前回のパネル処理で操作パネル14から読み込まれ、既にRAM12の所定領域に記憶されているパネルデータ(以下、「旧パネルデータ」という)と上記新パネルデータとの排他的論理和演算が行われる。この演算結果は、パネルイベントマップとして、RAM12の所定領域に格納される。その後、新パネルデータが旧パネルデータとしてRAM12の所定領域に格納される。
【0057】
次いで、スタート/ストップスイッチのオンイベントがあるかどうかが調べられる(ステップS21)。これは、上記イベントマップ中のスタート/ストップスイッチに対応するビット及び新パネルデータ中のスタート/ストップスイッチに対応するビットの双方がオンになっているかどうかを調べることにより行われる。スイッチのオンイベントの有無は、他のスイッチについても同様の方法で調べられる。
【0058】
ここで、スタート/ストップスイッチのオンイベントがあることが判断されると、次いで、自動伴奏フラグが「1」であるかどうかが調べられる(ステップS22)。そして、自動伴奏フラグが「1」であることが判断されると、自動伴奏中にスタート/ストップスイッチが押されたことが認識され、自動伴奏フラグが「0」にクリアされる(ステップS23)。その後、シーケンスはメイン処理ルーチンにリターンする。これにより、自動伴奏中にスタート/ストップスイッチが押されると自動伴奏が停止される。
【0059】
上記ステップS22において、自動伴奏フラグが「0」であることが判断されると、自動伴奏停止中にスタート/ストップスイッチが押されたことが認識され、自動伴奏フラグが「1」にセットされる(ステップS24)。以下、自動伴奏を開始させるための処理が行われる。即ち、ステップタイムカウンタの内容COUNTがゼロにクリアされる(ステップS25)。次いで、パターンデータ選択処理が行われる(ステップS26)。このパターンデータの選択処理では、複数の演奏パターンの中から1つを選択する処理(詳細は後述)が全てのトラックについて行われる。以下、全トラックの選択された演奏パターンに従って自動伴奏が行われる。その後、シーケンスはメイン処理ルーチンにリータンする。
【0060】
上記ステップS21でスタート/ストップスイッチのオンイベントがないことが判断されると、次いで、リズム選択スイッチのオンイベントがあったかどうかが調べられる(ステップS27)。そして、リズム選択スイッチのオンイベントがあることが判断されると、押されたスイッチに対応するリズムの番号がリズム番号レジスタにセットされる(ステップS28)。これにより、複数のリズムの中から1つのリズムが選択される。その後、シーケンスはメイン処理ルーチンにリターンする。
【0061】
一方、上記ステップS27で、リズム選択スイッチのオンイベントがないことが判断されると、次いで、イントロ/エンディングスイッチのオンイベントがあるかどうかが調べられる(ステップS29)。ここで、イントロ/エンディングスイッチのオンイベンがあることが判断されると、次いで、自動伴奏フラグが「1」であるかどうかが調べられる(ステップS30)。そして、自動伴奏フラグが「1」であることが判断されると、自動伴奏中にイントロ/エンディングスイッチが押されたことが認識され、エンディングフラグが「1」にセットされ(ステップS31)、エンディングカウンタがゼロにクリアされる(ステップS32)。その後、シーケンスはメイン処理ルーチンにリターンする。この処理により、自動伴奏中にイントロ/エンディングスイッチが押されるとエンディング演奏に移行する機能が実現されている。
【0062】
上記ステップS30で、自動伴奏フラグが「0」であることが判断されると、自動伴奏停止中にイントロ/エンディングスイッチが押されたことが認識され、イントロフラグが「1」にセットされる(ステップS33)。次いで、イントロカウンタがゼロにクリアされる(ステップS34)。その後、シーケンスはメイン処理ルーチンにリターンする。これにより、自動伴奏停止中にイントロ/エンディングスイッチが押されるとイントロの自動伴奏が開始される機能が実現されている。
【0063】
上記ステップS29で、イントロ/エンディングスイッチのイベントがないことが判断されると、次いで、「その他のスイッチ処理」が行われる(ステップS35)。この処理では、例えばフィルインスイッチが押された場合のフィルイン処理、音色選択スイッチが押された場合の音色選択処理、その他の各種スイッチのイベントに対する処理が行われる。その後、シーケンスはメイン処理ルーチンにリターンする。
【0064】
(3)パターンデータ選択処理
次に、自動伴奏に使用する演奏データを決定するためのパターンデータ選択処理を、図6及び図7に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0065】
パターンデータ選択処理では、先ず、イントロ及びエンディングの何れかの指定があるかどうかが調べられる(ステップS40)。これは、イントロフラグ及びエンディングフラグの何れかが「1」にセットされているかどうかを調べることにより行われる。ここで、イントロ及びエンディングの何れかの指定がないことが判断されると、トラックカウンタに「1」が初期設定される(ステップS41)。これにより、第1トラックから順番に演奏パターンを割り当てる処理が開始される。
【0066】
次いで、リズム番号レジスタの内容で指定されるリズムの中の、トラックカウンタの内容で指定されるトラックのランダムデータがランダムレジスタにロードされた後、このランダムレジスタの内容がゼロであるかどうかが調べられる(ステップS42)。ここで、ゼロであることが判断されると、乱数が発生されて乱数バッファに格納され、この格納された乱数バッファ内の値が当該トラックのパターンNo.として決定される(ステップS43)。なお、乱数の発生方法は、公知の種々の方法を用いることができる。
【0067】
一方、上記ステップS42でゼロでないことが判断されると、ランダムレジスタの値に対応するトラックのパターンNo.レジスタに格納されているパターンNo.が読み出される(ステップS44)。そして、ステップS43で決定されたパターンNo.及びステップS44で読み出されたパターンNo.は、当該トラックに対応するパターンNo.レジスタに設定される(ステップS45)。
【0068】
次いで、パターンNo.レジスタにセットされたパターンNo.に対応するパターンデータ、つまり演奏データの先頭アドレスがパターンアドレス0〜7の中から選択され、当該トラックのパターンアドレスレジスタにセットされる(ステップS46)。次いで、トラックカウンタの内容がインクリメント(+1)される(ステップS47)。次いで、全トラックに対する処理が終了したかどうかが調べられる(ステップS48)。ここで、終了していないことが判断されると、シーケンスはステップS42に戻り、上述したのと同様の処理が繰り返される。そして、終了したことが判断されると、ステップタイムカウンタの内容が「0」にクリアされる(ステップS49)。
【0069】
以上の処理により、全トラックで使用されるパターンNo.がパターンNo.レジスタに格納されると共に、各トラックのパターンアドレスレジスタには、当該トラックで使用する演奏データの先頭アドレスが格納され、自動伴奏開始の準備が完了する。
【0070】
上記ステップS40で、イントロ及びエンディングの何れかの指定があることが判断されると、イントロ/エンディングパターンデータ選択処理が実行される(ステップS50)。このイントロ/エンディングパターンデータ選択処理の詳細は、図7のフローチャートに示されている。
【0071】
このイントロ/エンディングパターンデータ選択処理では、先ず、トラックカウンタに「1」がセットされる(ステップS51)。そして、イントロ及びエンディングの何れが指定されているかが調べられる(ステップS52)。ここで、イントロが指定されていることが判断されると、イントロカウンタの内容がインクリメント(+1)される(ステップS53)。そして、イントロカウンタの内容が予め定められたイントロ演奏回数に等しくなったかどうかが調べられる(ステップS54)。ここで、イントロカウンタの内容がイントロ演奏回数に等しくなっていないことが判断されると、図示しないイントロパターンテーブルに基づいてイントロのパターンデータが決定される(ステップS55)。
【0072】
次いで、決定されたパターンデータの先頭アドレスがパターンアドレスレジスタにセットされる(ステップS56)。次いで、トラックカウンタの内容がインクリメント(+1)される(ステップS57)。次いで、全トラックに対する処理が終了したかどうかが調べられる(ステップS58)。ここで、終了していないことが判断されると、シーケンスはステップS55に戻り、上述したのと同様の処理が繰り返される。そして、終了したことが判断されると、このイントロ/エンディングパターンデータ選択処理ルーチンからリターンする。以上の処理により、イントロの自動伴奏の準備が完了する。このように、イントロの演奏パターンは1種類であるので、上述したベーシック又はフィルインの自動伴奏のように、演奏パターンを選択する処理は行われない。
【0073】
上記ステップS54でイントロカウンタの内容がイントロ演奏回数に等しくなったことが判断されると、イントロ演奏が終了したことが認識されれ、イントロフラグがゼロにクリアされる(ステップS59)。次いで、パターンデータ選択処理が実行される(ステップS60)。これにより、パターンデータ選択処理(図6参照)のステップS40では、イントロ/エンディングの指定がないことが判断されるので、ステップS41以下のベーシック又はフィルインの自動伴奏に対する処理が実行され、これらの自動伴奏が継続されることになる。
【0074】
上記ステップS52で、エンディングが指定されていることが判断されると、エンディングカウンタの内容がインクリメント(+1)される(ステップS61)。そして、エンディングカウンタの内容が予め定められたエンディング演奏回数に等しくなったかどうかが調べられる(ステップS62)。ここで、エンディングカウンタの内容がエンディング演奏回数に等しくなっていないことが判断されると、図示しないエンディングパターンテーブルに基づいてエンディングのパターンデータが決定される(ステップS63)。
【0075】
次いで、決定されたパターンデータの先頭アドレスがパターンアドレスレジスタにセットされる(ステップS64)。次いで、トラックカウンタの内容がインクリメント(+1)され(ステップS65)る。次いで、全トラックに対する処理が終了したかどうかが調べられる(ステップS66)。ここで、終了していないことが判断されると、シーケンスはステップS63に戻り、上述したのと同様の処理が繰り返される。そして、終了したことが判断されると、このイントロ/エンディングパターンデータ選択処理ルーチンからリターンする。以上の処理により、エンディングの自動伴奏の準備が完了する。このように、エンディングの演奏パターンは1種類であるので、上述したベーシック又はフィルインの自動伴奏のように、演奏パターンを選択する処理は行われない。
【0076】
上記ステップS62でエンディングカウンタの内容がエンディング演奏回数に等しくなったことが判断されると、エンディング演奏が終了したことが認識されれ、エンディングフラグがゼロにクリアされる(ステップS67)。次いで、自動伴奏フラグが「0」にクリアされる(ステップS68)。これにより、自動伴奏が終了する。
【0077】
(4)自動伴奏処理
次に、自動伴奏処理の詳細について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。この自動伴奏処理ルーチンは、メイン処理ルーチンから周期的にコールされる。
【0078】
自動伴奏処理では、先ず、自動伴奏フラグが「1」であるかどうかが調べられる(ステップS70)。ここで、自動伴奏フラグが「1」でない、つまり自動伴奏停止中であることがことが判断されると、シーケンスはメイン処理ルーチンにリターンする。これにより自動伴奏を停止する機能が実現されている。
【0079】
一方、自動伴奏フラグが「1」、つまり自動伴奏中であることが判断されると、パターンデータの読出タイミングであるかどうかが調べられる(ステップS71)。ここで、読出タイミングとは、1ステップタイムが経過する毎に到来するタイミングをいう。この読出タイミングが到来したかどうかは、例えば図示しない時計機構で計時されている時刻を参照することにより判断される。このステップS71で、読出タイミングでないことが判断されると、シーケンスはメイン処理ルーチンにリターンする。
【0080】
上記ステップS71で読出タイミングであることが判断されると、次いで、パターンアドレスレジスタで指定される音符データ中のステップタイムSTEPとステップタイムカウンタの内容COUNTとが比較される(ステップS72)。ここで、一致しないことが判断されると、当該音符データは、未だ発音タイミングに至っていないものと判断され、ステップタイムカウンタの内容COUNTがインクリメントされる(ステップS73)。その後、シーケンスはメイン処理ルーチンにリターンする。これにより、ステップタイムカウンタの内容を1ステップ毎にインクリメントする機能が実現されている。
【0081】
一方、上記比較結果が一致することが判断されると、その時点でパターンアドレスレジスタにセットされているパターンメモリ17のアドレス位置から4バイトのデータが読み出される。そして、そのデータは音色データ、音符データ及びエンドデータの何れであるかが調べられる。ここで、音符データであることが判断されると、発音処理が行われる(ステップS76)。
【0082】
発音処理は、音源19の所定の発音チャンネルに発音を割り当て、音符データ中のキーナンバ、ベロシティ、及びその時点で選択されている音色等に基づきプログラムメモリ11から音色パラメータを読み出し、これを音源19に送る処理である。これにより、音源19の割り当てられた発音チャンネルにおいて、上記音色パラメータに基づいたデジタル楽音信号が生成され、これがD/A変換器20、増幅器21及びスピーカ22に順次送られて伴奏音が発音される。なお、消音は、図示しない消音処理ルーチンでゲートタイムがゼロになった音源19中の発音チャンネルを検索し、この発音チャンネルに所定のデータを送ることにより行われる。
【0083】
次いで、パターンアドレスレジスタの内容をインクリメント(+4)し(ステップS77)、次の音符データの読み出しに備える。その後、シーケンスはステップS72に戻り、以下同様の処理を繰り返す。この繰り返し処理により、音符データを次々にパターンメモリ17から読み出し、読み出された音符データに基づいて発音することにより、自動伴奏が行われる。
【0084】
上記ステップS75で、音色データであることが判断されると、音色変更処理が行われる(ステップS78)。即ち、音色データに含まれる音色番号がRAM12に設けられた音色レジスタにセットされる。これにより、以下で発音される伴奏音は、変更された音色でなされる。
【0085】
上記ステップS75で、エンドデータであることが判断されると、次のパターンデータの選択を行うべく、パターンデータ選択処理が行われる(ステップS79)。このパターンデータ選択処理の内容は既に説明した。その後、ステップS72に戻って、以下同様の処理が繰り返される。従って、エンドデータが読み出される毎に新たな演奏パターンで演奏を開始できる。
【0086】
なお、以上では、説明の煩雑さを避けるために、1つのトラックに対する処理について説明したが、実際には、上記と同様の処理が第1〜第5トラックのそれぞれについて実行される。
【0087】
以上説明したように、この実施の形態1に係る自動伴奏装置によれば、ランダムデータの値を適宜設定することによってトラック毎にランダム又は他のトラックに依存させた演奏が可能になる。例えば、第1トラックのメロディ、第2トラックの伴奏1及び第4トラックのベースは、ランダムデータの値を「0」に設定し、第3トラックの伴奏2は「1」に設定し、第5トラックのドラムは「4」に設定することにより、伴奏1及び伴奏2は同一演奏パターンで演奏され、ベース及びドラムは同一演奏パターンで演奏される。従って、伴奏音及びリズム音の各々は統一性を持たせることができる。また、メロディ、伴奏1及び伴奏2の組、ベース及びドラムの組の各々は演奏パターンがランダムに変化するので、複雑な演奏パターンで自動伴奏を行うことができる。
【0088】
(実施の形態2)
この実施の形態2の自動伴奏装置では、自動伴奏のランダム性を規定するための指定データ(ランダムデータ)をトラック毎ではなく、演奏パターン毎に備えている。
【0089】
本実施の形態2の自動伴奏装置の構成は、上述した実施の形態1の電子楽器の構成(図1のブロック図)と同じである。この実施の形態2の自動伴奏装置で使用されるパターンデータでは、図9に示すように、ランダムデータは演奏データの先頭部分に配置されている。このランダムデータは、以下のように定義されている。
【0090】
「0」:他のパターンNo.レジスタには格納しない。
「1」:第1トラックのパターンNo.レジスタにも「当該トラックと同じパターンNo.+MSB」を格納する。
「2」:第2トラックのパターンNo.レジスタにも「当該トラックと同じパターンNo.+MSB」を格納する。
「3」:第3トラックのパターンNo.レジスタにも「当該トラックと同じパターンNo.+MSB」を格納する。
「4」:第4トラックのパターンNo.レジスタにも「当該トラックと同じパターンNo.+MSB」を格納する。
「5」:第5トラックのパターンNo.レジスタにも「当該トラックと同じパターンNo.+MSB」を格納する。
【0091】
RAM12に定義されたバッファ、レジスタ、カウンタ、フラグ等は、図3に示したものと同じである。
【0092】
次に、上記の構成において、本発明の実施の形態2の自動伴奏装置の動作を、図10に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0093】
この実施の形態2に係る自動伴奏装置の動作を制御する処理ルーチンは、パターンデータ選択処理ルーチン(図6)を除き、実施の形態1の処理ルーチンをそのまま用いることができる。この実施の形態2のパターンデータ選択処理ルーチンは、実施の形態1のパターンデータ選択処理ルーチン(図6)を図10のように変更することにより構成できる。以下、図10のフローチャートを参照しながら、この実施の形態2のパターンデータ選択処理について説明する。
【0094】
この実施の形態2に係るパターンデータ選択処理では、現在処理中のトラックが第1トラックであるかどうかが調べられ(ステップS80)、第1トラックである場合に、強制的に乱数が発生されて乱数バッファに格納され、この格納された乱数バッファ内の値が当該トラックのパターンNo.として決定される(ステップS81)。
【0095】
一方、第2〜第5トラックである場合は、他のトラックを関連付ける処理が行われる(ステップS82)。即ち、上記ステップS81で決定されたパターンNo.に対応する演奏データを読み出し、この読み出された演奏データの先頭部分に格納されているランダムデータの値を有するトラックのパターンNo.レジスタに、第1トラックと同じパターンNo.が記憶される。この際、記憶されるパターンNo.のMSBが「1」に設定される。このMSBの値は、後にそのトラックのランダム性を検査する際に、既に上位のトラックにて優先的に指定されたパターンNo.が格納されていることを知り、そのトラック単体でのランダム処理を抑止するために使用される。
【0096】
以下、ステップS82では、第3〜第5トラックについても、先に決定されたパターンNo.に対応する演奏データを読み出し、この読み出された演奏データの先頭部分に格納されているランダムデータの値を有するトラックのパターンNo.レジスタに、当該トラックと同じパターンNo.を格納する処理が順次行われる。この際、格納しようとするパターンNo.レジスタに既に記憶されているパターンNo.のMSBが「1」であれば、それを優先し、そのトラックのパターンNo.レジスタには新たなパターンNo.は書き込まれない。また、当該トラックのパターンNo.が未だ決定されていない場合は、強制的に乱数が発生されて乱数バッファに格納され、この格納された乱数バッファ内の値が当該トラックのパターンNo.として決定される。
【0097】
以上説明したように、この実施の形態2に係る自動伴奏装置によれば、演奏データ毎にランダムデータを有しているので、演奏データに基づいて自動伴奏音を発生する場合に、その演奏データと同じ演奏パターンで演奏したいトラックをランダムデータで指定することができる。従って、或る演奏データに基づく自動伴奏が行われる場合にのみ、同じ演奏パターンで自動伴奏を行うトラックを指定できるので、ランダムな演奏パターンで自動伴奏を行うか、他のトラックと同じ演奏パターンで自動伴奏を行うかの制御を細かく行うことができる。
【0098】
なお、この実施の形態2においては、上記ランダムデータは、以下に示すように、各トラックを1ビットに対応させたデータで構成することもできる。
【0099】
ビット0:不使用
ビット1:「1」の場合は第1トラックのパターンNo.レジスタにも当該トラックと同じパターンNo.を格納し、「0」の場合は無視する。
ビット2:「1」の場合は第2トラックのパターンNo.レジスタにも当該トラックと同じパターンNo.を格納し、「0」の場合は無視する。
ビット3:「1」の場合は第3トラックのパターンNo.レジスタにも当該トラックと同じパターンNo.を格納し、「0」の場合は無視する。
ビット4:「1」の場合は第4トラックのパターンNo.レジスタにも当該トラックと同じパターンNo.を格納し、「0」の場合は無視する。
ビット5:「1」の場合は第5トラックのパターンNo.レジスタにも当該トラックと同じパターンNo.を格納し、「0」の場合は無視する。
ビット6:不使用
ビット7:不使用
【0100】
この場合、全ビットが「0」の場合は、乱数バッファの値が当該トラックのパターンNo.レジスタのみに格納される。この構成によれば、或る演奏データの先頭部分に記憶された1つのランダムデータのみで、ランダムに選択された演奏パターンを全トラックで共通に使用することが可能になる。
【0101】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、自動伴奏の単調さを解消すると共に演奏者の意図に沿った曲想の伴奏音を発生できる電子楽器の自動伴奏装置及び自動伴奏方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る自動伴奏装置が適用された電子楽器の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る自動伴奏装置が適用された電子楽器で使用されるパターンデータの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る自動伴奏装置が適用された電子楽器で使用されるRAM12の割り当ての一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る自動伴奏装置が適用された電子楽器のメイン処理の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る自動伴奏装置が適用された電子楽器のパネル処理の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る自動伴奏装置が適用された電子楽器のパターンデータ選択処理の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る自動伴奏装置が適用された電子楽器のイントロ/エンディングパターンデータ選択処理の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る自動伴奏装置が適用された電子楽器の自動伴奏処理の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る自動伴奏装置が適用された電子楽器で使用されるパターンデータの一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る自動伴奏装置が適用された電子楽器のパターンデータ選択処理の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 CPU
11 プログラムメモリ
12 RAM
13 パネルインタフェース回路
14 操作パネル
15 鍵盤インタフェース回路
16 鍵盤装置
17 パターンメモリ
18 波形メモリ
19 音源
20 増幅器
21 スピーカ
30 システムバス

Claims (8)

  1. 複数のパターンデータを複数のトラックに対応させて記憶する記憶手段と、ここで、前記複数のパターンデータの各々は、複数の演奏データと前記複数の演奏データの中の1つを指定する指定データとから成り、前記複数の演奏データの各々は、演奏される一連の楽音の音色と音符とを示し、前記指定データは、ユーザにより設定され、
    前記複数のトラックの各パターンデータ中の前記指定データによって指定される演奏データを選択する選択手段と、
    前記選択手段で選択された前記複数のトラックの全ての演奏データを前記記憶手段から読み出し、該読み出された演奏データに基づいて自動伴奏音を発生する自動伴奏手段、
    とを備えた電子楽器の自動伴奏装置。
  2. 前記複数のトラックの各パターンデータ中の前記指定データは、前記複数の演奏データの中から1つをランダムに選択すべきこと指定するデータ及び前記複数の演奏データの中から他のトラックの演奏データと同一の演奏データを選択すべきことを指定するデータの何れかである、
    請求項1に記載の電子楽器の自動伴奏装置。
  3. 複数のパターンデータを複数のトラックに対応させて記憶する記憶手段と、ここで、前記複数のパターンデータの各々は、複数の演奏データから成り、前記複数の演奏データの各々は、演奏される一連の楽音の音色と音符と前記複数の演奏データの中の1つを指定するための指定データとを示し、前記指定データは、ユーザにより設定され、
    前記複数のトラックの中の所定のトラックについては、前記複数の演奏データの中から1つをランダムに選択し、他のトラックについては、前記記憶手段から演奏データが読み出された時に該演奏データに含まれる指定データによって指定される演奏データを選択する選択手段と、
    前記選択手段で選択された前記複数のトラックの全ての演奏データを前記記憶手段から読み出し、該読み出された演奏データに基づいて自動伴奏音を発生する自動伴奏手段、
    とを備えた電子楽器の自動伴奏装置。
  4. 前記演奏データは、曲の途中で演奏されるベーシック及びフィルインの少なくとも1つの演奏データから成り、曲の始まりで演奏されるイントロ及び曲の終わりで演奏されるエンディングの演奏データを含まない、
    請求項2又は3に記載の電子楽器の自動伴奏装置。
  5. 複数のパターンデータを複数のトラックに対応させて記憶し、ここで、前記複数のパターンデータの各々は、複数の演奏データと前記複数の演奏データの中の1つを指定する指定データとから成り、前記複数の演奏データの各々は、演奏される一連の楽音の音色と音符とを示し、前記指定データは、ユーザにより設定され、
    前記複数のトラックの各パターンデータ中の前記指定データによって指定される演奏データを選択し、
    前記選択された前記複数のトラックの全ての演奏データを読み出し、該読み出された演奏データに基づいて自動伴奏音を発生する、
    電子楽器の自動伴奏方法。
  6. 前記複数のトラックの各パターンデータ中の前記指定データは、前記複数の演奏データの中から1つをランダムに選択すべきこと指定するデータ及び前記複数の演奏データの中から他のトラックの演奏データと同一の演奏データを選択すべきことを指定するデータの何れかである、
    請求項5に記載の電子楽器の自動伴奏方法。
  7. 複数のパターンデータを複数のトラックに対応させて記憶し、ここで、前記複数のパターンデータの各々は、複数の演奏データから成り、前記複数の演奏データの各々は、演奏される一連の楽音の音色と音符と前記複数の演奏データの中の1つを指定するための指定データとを示し、前記指定データは、ユーザにより設定され、
    前記複数のトラックの中の所定のトラックについては、前記複数の演奏データの中から1つをランダムに選択し、他のトラックについては、前記記憶手段から演奏データが読み出された時に該演奏データに含まれる指定データによって指定される演奏データを選択し、
    前記選択手段で選択された前記複数のトラックの全ての演奏データを前記記憶手段から読み出し、該読み出された演奏データに基づいて自動伴奏音を発生する、
    電子楽器の自動伴奏方法。
  8. 前記演奏データは、曲の途中で演奏されるベーシック及びフィルインの少なくとも1つの演奏データから成り、曲の始まりで演奏されるイントロ及び曲の終わりで演奏されるエンディングの演奏データを含まない、
    請求項6又は7に記載の電子楽器の自動伴奏方法。
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