JP3205703B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線パターンが形
成された基板上にICチップがボンディングされ、上記
基板とICチップ間に封止樹脂が設けられて成る半導体
装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】図4に従来の半導体装置の構成を示す。
図に於いて41はプリント基板、42は該基板上に形成
された配線パターン、43はLSIチップ(ベアチッ
プ)、44はLSI電極、45はバンプ(半田等)、4
6は封止樹脂である。
【0003】かかる半導体装置の製造方法は以下の通り
である。
【0004】その電極上にバンプを形成したLSIチッ
プ43と、プリント基板41とを位置合わせし、加熱し
て両者を電気的、機械的に接続する。しかる後、封止樹
脂(熱硬化性樹脂)を両者の間隙部分に注入、硬化させ
る。これにより、図4に示す半導体装置が形成される。
【0005】なお、プリント基板を構成する絶縁基板と
しては、ガラスエポキシ基板、ガラスポリイミド基板、
セラミックス基板等が用いられ、該絶縁基板の表面の
み、或いは表裏両面に、導体を幾重にも重ね合わせた多
層導体から成る配線パターンが形成されてプリント基板
が構成される。
【0006】また、封止樹脂(熱硬化性樹脂)として
は、エポキシ又はポリイミド系樹脂が用いられる。この
樹脂は、プリント基板とLSIチップとの線膨張係数の
差による、LSIチップ電極上のバンプ部分のみに集中
する物理的ストレス(熱応力)を分散するために注入さ
れるものである。また、この樹脂がLSIチップの回路
面を覆うことにより、外部よりの水分等がチップ内部に
浸透し、回路不良等が生じることを防止するものであ
る。
【0007】かかる半導体装置によれば、ICチップを
パッケージングした後、基板に実装する場合と比較し
て、機器の小型化、コストダウンを図ることができるも
のである。
【0008】しかしながら、上記従来の半導体装置には
以下に示す問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、上記従来の
半導体装置に於いては、ICチップと基板間の間隙部分
に封止樹脂が一様に注入されず、未注入の部分(特に、
チップコーナー部分)が残ったり、或いは、逆に、注入
樹脂が間隙部分の外方にかなりの量、流出するという問
題点があった。
【0010】以下、図面により説明する。
【0011】図5はLSIチップ搭載前のプリント基板
の平面図であり、51は配線パターンである。図に於い
て、52で示す矩形領域がLSIチップ搭載部であり、
また、図で53として示す矩形領域以外の領域には、全
面にソルダレジスト54が塗布されている。
【0012】図6は上記プリント基板にLSIチップを
搭載し、両者の間隙部分に封止樹脂を注入した後の状態
を示す平面図であり、55はLSIチップ、56は封止
樹脂である。図に示すように、樹脂の未注入部分57が
存在すると共に、封止樹脂の一部がLSIチップの外方
にかなりの量、流出している。図6に於けるC−C′断
面の断面図を図7に示す。58は絶縁基板、54はソル
ダーレジスト、55はLSIチップ、56は封止樹脂、
57は樹脂の未注入部分、59は外方に流れ出した樹脂
部分である。
【0013】未注入の部分が残ることは、バンプの保護
が不充分となり、また、LSIチップ内部への水分等の
浸入も生じ、信頼性の面で問題となるため、樹脂の注入
量を多くして対応していたが、これによると、外側に流
れ出る無駄な樹脂量も増加し、樹脂コストの上昇を招い
ていた。
【0014】更に、樹脂の粘度等にも制約が生じ、樹脂
選択の範囲が限定されるという問題があった。
【0015】本発明は、上記問題点を解決した半導体装
置を提供するものである。
【0016】すなわち、本発明は、必要最小限の量の封
止樹脂で、ICチップと基板間の間隙部分及びチップ周
辺部を一様に、(未注入部分を残すこと無く)封止で
き、また、樹脂の選定にも特に制約を受けない構成とし
た半導体装置を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
配線パターンが形成された基板上にICチップがボンデ
ィングされ、上記基板とICチップ間に封止樹脂が設け
られて成る半導体装置に於いて、上記封止樹脂の注入部
となる部分を除く、ICチップ周辺部の基板上に、上記
ICチップの端面からの距離が、チップ厚みの40%か
ら100%までの値に設定された、上記配線パターンと
同一材料にて形成された樹脂止めパターンが設けられ
上記封止樹脂の注入部となる部分の基板上に、上記配線
パターンと同一材料にて形成された樹脂導入用パターン
が設けられて成ることを特徴とするものである。
【0018】また、本発明の半導体装置は、上記半導体
装置に於いて、上記樹脂止めパターンが、上記各配線パ
ターンと一体形成された第1の樹脂止めパターンと、I
Cチップ角部の基板上に上記各配線パターンとは別体形
成された第2の樹脂止めパターンとから成ることを特徴
とするものである。
【0019】上記樹脂止めパターンにより、封止樹脂が
外方に流出することが防止されると共に、必要量の樹脂
の注入により、樹脂を間隙部分に一様に浸透させること
ができるものである。これにより、必要最小限の樹脂量
で完全な封止を行うことができ、樹脂コストの低減を図
ることができるものである。また、比較的低粘度の樹脂
も使用可能となり、樹脂選択の範囲が拡大するものであ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0021】図1は本発明の一実施形態の半導体装置に
於いて用いられるプリント基板の平面図である。図に於
いて、10は配線パターン、11はLSIチップ搭載部
である。従来と同様、図に於いて、12として示す矩形
領域以外の領域には全面に(配線パターン上)ソルダー
レジスト13が塗布されている。配線パターンがソルダ
ーレジストより露出している部分101に於いて、配線
パターンとLSIチップ間の接続が行われる。なお、配
線パターンは銅箔に銅メッキが施された構成であり、銅
箔厚み:18μm、銅メッキ厚み:10μmで、全体の
厚みは28μmである。
【0022】従来と異なる点は、配線パターン10と同
一材料、同一工程で形成された樹脂止めパターンが形成
されている点である。すなわち、各配線パターンから横
方向に伸びる形で、各配線パターンと一体形成された第
1の樹脂止めパターン14と、コーナー部に各配線パタ
ーンとは別体形成されたL字状の第2の樹脂止めパター
ン15が形成されている点が特徴である。また、16
は、樹脂の注入部となる部分に設けられた、間隙部分へ
の樹脂導入用パターンである。このパターンも、配線パ
ターンと同一材料、同一工程で形成されている。
【0023】図2は、図1に示すプリント基板上にLS
Iチップを搭載し、両者の間隙部分に封止樹脂を注入・
硬化させて構成した本発明の一実施形態である半導体装
置の平面図である。図に於いて、17はLSIチップ、
18は封止樹脂である。
【0024】図に示すように、封止樹脂18は、LSI
チップ17とプリント基板との間の間隙部分、及びLS
Iチップ17の周辺部分の全体に一様に浸透している。
これにより、LSIチップとプリント基板との電気接続
部の保護が確実に行われると共に、LSIチップ内部へ
の水分等の浸入も防止され、回路不良の発生を防ぐこと
ができるため、信頼性の高い半導体装置の提供が可能と
なるものである。
【0025】図2に於けるA−A′断面及びB−B′断
面の断面図を、それぞれ、図3(a)及び(b)に示
す。両図に於いて、19は絶縁基板、15は第2の樹脂
止めパターン、10は配線パターン、13はソルダーレ
ジスト、17はLSIチップ、20はLSI電極、21
ははんだ、18は封止樹脂である。
【0026】本実施形態に於いて用いられる熱硬化性樹
脂(エポキシ又はポリイミド系樹脂)の粘度は25Pa
・Sである。また、樹脂止めパターン(配線パターン)
の高さ(厚さ)は28μmであり、チップの端面から各
樹脂止めパターンの樹脂止め位置までの距離d1,d2
3,d4は、それぞれLSIチップの厚みDの40%か
ら100%までの値に設定されている。
【0027】上記数値設定により、図3に示す樹脂カー
ブEを最適にすることができ、LSIチップの高さ方向
への樹脂が、フィレット状として形成され、LSIチッ
プ外周のすべてに浸透していることが目視にて確認でき
た。
【0028】例えば、LSIチップの厚みDが0.6m
mであれば、上記d1乃至d4は、0.24mm乃至0.
6mmに設定される。
【0029】本実施形態の半導体装置の製造方法は従来
と同様であり、プリント基板上にLSIチップをボンデ
ィングした後、上記樹脂導入用パターンが設けられてい
る注入部より熱硬化性樹脂を注入、硬化させる。
【0030】なお、本発明を利用して、例えば図8に示
すようなメモリカード或いはマルチ・チップ・モジュー
ルを作成する場合は、基板81上に必要数のLSIチッ
プ82を搭載し、テストを行い、不良が発生すれば不良
チップの交換を行い、良品判定がなされた後に、チップ
と基板間への封止樹脂(熱硬化性樹脂)の注入を行う。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、必要性最小限の量の樹脂により、極めて信頼性の
高い半導体装置を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の半導体装置に於いて用い
られるプリント基板の平面図である。
【図2】同半導体装置の平面図である。
【図3】(a)及び(b)は、それぞれ図2に於けるA
−A′断面及びB−B′断面を示す断面図である。
【図4】従来の半導体装置の構成図である。
【図5】従来の半導体装置に於いて用いられるプリント
基板の平面図である。
【図6】同半導体装置の平面図である。
【図7】図6に於けるC−C′断面を示す断面図であ
る。
【図8】メモリカードの斜視図である。
【符号の説明】
10 配線パターン 14 第1の樹脂止めパターン 15 第2の樹脂止めパターン 17 LSIチップ 18 封止樹脂 19 絶縁基板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線パターンが形成された基板上にIC
    チップがボンディングされ、上記基板とICチップ間に
    封止樹脂が設けられて成る半導体装置に於いて、 上記封止樹脂の注入部となる部分を除く、ICチップ周
    辺部の基板上に、上記ICチップの端面からの距離が、
    チップ厚みの40%から100%までの値に設定され
    た、上記配線パターンと同一材料にて形成された樹脂止
    めパターンが設けられ、上記封止樹脂の注入部となる部
    分の基板上に、上記配線パターンと同一材料にて形成さ
    れた樹脂導入用パターンが設けられて成ることを特徴と
    する半導体装置。
  2. 【請求項2】 上記樹脂止めパターンが、上記各配線パ
    ターンと一体形成された第1の樹脂止めパターンと、I
    Cチップ角部の基板上に上記各配線パターンとは別体形
    成された第2の樹脂止めパターンとから成ることを特徴
    とする、請求項1に記載の半導体装置。
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