JP3205676B2 - シートリクライニング装置 - Google Patents

シートリクライニング装置

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JP3205676B2
JP3205676B2 JP01361595A JP1361595A JP3205676B2 JP 3205676 B2 JP3205676 B2 JP 3205676B2 JP 01361595 A JP01361595 A JP 01361595A JP 1361595 A JP1361595 A JP 1361595A JP 3205676 B2 JP3205676 B2 JP 3205676B2
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文雄 石川
寛 松浦
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富士機工株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動車等のシートリク
ライニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シートリクライニング装置は、運転乗員
の安全運転姿勢の確保と安楽な着座を目的としてシート
バックの傾斜角度を所定の範囲内で所望に設定できるよ
うにした座席装置である。
【0003】ところで、出願人は本件出願と同時に新規
なシートリクライニング装置を提供すべく特許出願をし
た。このシートリクライニング装置は、ベースプレート
にセンターシャフトを突設し、該センターシャフトにツ
ースプレートを回動可能に嵌合し、該ツースプレートに
ベースプレート側で前記センターシャフトを中心とする
所定半径の円弧部を有する凹部を形成し、該凹部の円弧
部に内周歯部を形成し、該内周歯部に噛合するロック歯
部を有するツース部材を前記凹部及びこれと対面してベ
ースプレートに形成した案内部にスライド可能に収容す
るとともに、ツース部材をスライド移動させるカム部材
を操作レバーにて回動可能に前記凹部及び案内部に収容
してなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
シートリクライニング装置によれば、ツース部材はベー
スプレートに形成した案内部とツースプレートに形成し
た凹部間に挟持されるように前記ベースプレートよりも
肉厚を大きく形成してあり、かつ、前記内周歯部と噛合
する歯部は肉厚方向で全範囲に形成してある。したがっ
て、ツース部材の歯部はツースプレートの内周歯部と噛
合する部分と、ベースプレートの凹部側に位置して内周
歯部とは全く噛合しない部分を有するから、ツース部
材の肉厚が大きくて素材コストが上昇するとともに、使
用しない歯部を形成するために、ツース部材がコスト高
となる。
【0005】そこで、この発明は上記事情に鑑みて、ツ
ースプレートの内周歯部と噛合する歯部を有するツース
部材を改良したシートリクライニング装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるシート
リクライニング装置は、ベースプレートのセンターシャ
フトにツースプレートを回動可能に嵌合し、該ツースプ
レートにベースプレート側で前記センターシャフトを中
心とする所定半径の円弧部を有する凹部を形成し、該凹
部の円弧部に内周歯部を形成し、該内周歯部に噛合する
ロック歯部を有するツース部材を前記凹部とこれに対面
してベースプレートに形成した案内部にスライド可能に
収容し、該ツース部材をスライド移動させるカム部材を
操作レバーにて回動可能に前記凹部と案内部に収容して
なるシートリクライニング装置において、前記ツース部
材は前記内周歯部を形成した凹部の深さでのみ形成され
たロック歯部と、前記案内部の深さでのみ形成された無
歯部とを同一側に有することを特徴とする。
【0007】
【作用】 操作レバーを介してカム部材が回動すると、
ツース部材が上方へスライドしてロック歯部と内周歯部
の噛合が解除されるから、ツースプレートはベースプレ
ートに対して回動可能な状態になる。そして、リクライ
ニング調節をした後、操作レバーを放すと、カム部材が
逆方向へ回動してツース部材が下方へスライドしてロッ
ク歯部が内周歯部と噛合してロックする。
【0008】ロック歯部は内周歯部と対面する部位での
み、換言すると、ツース部材の肉厚の半分にのみ形成さ
れているので、ベースプレートの凹部に内接する余剰の
歯部をなくしたから、ツース部材のコスト低下をもたら
す。
【0009】
【実施例】以下この発明の実施例につき図に基づき説明
する。図1,2に示すように、ベースプレート1にかし
め部2bで固定するセンターシャフト2を介してツース
プレート3が回動可能に軸支されている。ツースプレー
ト3はセンターシャフト2を中心とする所定半径の円弧
部3aを有し、その円弧部3aの周縁部が摺接する軸部
を有する少なくとも2本の平頭ピン4が互いに離間して
ベースプレート1に植設されている。
【0010】センターシャフト2は段付き又は鍔2a付
きで、ツースプレート3はその鍔2aに当接するエンボ
ス凸部3bを有し、そのエンボス凸部3bの中心部に
ンターシャフト2を挿通する孔3cが穿設されている。
エンボス凸部3bの外周部に操作レバー5が鍔2aで抑
えられて回動可能に嵌合し、エンボス凸部3bの内周部
にベースプレート1のエンボス凸部1aが嵌合してい
る。エンボス凸部1aの中心部に小判型等の異径孔1b
が穿設され、その異径孔1bにセンターシャフト2の異
径断面部2cが嵌合している。エンボス凸部1aの裏面
はかしめ部2bでかしめ固定してある。
【0011】操作レバー5にはツースプレート3の面内
に存して傾斜した長孔6が形成されている。操作レバー
5と平頭ピン4との間には復帰ばね7が弾装されてい
る。また、センターシャフト2には渦巻きばね8の内端
部が掛止され、渦巻きばね8の外端部はツースプレート
3に形成したばね掛止部3dに掛止している。ばね掛止
部3dはシートバックフレーム9を連結するためのボル
ト挿通孔10を有する連結部10a間に形成されてい
る。
【0012】ツースプレート3にはセンターシャフト2
を中心とする所定半径の円周上に位置する長孔11が形
成され、この長孔11と操作レバー5の長孔6に係合す
る操作ピン12を介して回動且つ上下方向へ摺動可能に
カム部材13がベースプレート1とツースプレート3間
に挟持されている。このカム部材13と係脱して上下方
向へスライド可能にツース部材14がベースプレート1
とツースプレート3間に挟持されている。カム部材13
及びツース部材14は一対の離間した平頭ピン4,4と
センターシャフト2で囲まれた三角形の面内に位置して
いる。
【0013】カム部材13とツース部材14は操作レバ
ー5と共にロック機構部を形成するもので、図3に示す
ように、カム部材13とツース部材14とはベースプレ
ート1に形成したエンボス凹部15とツースプレート3
に形成したエンボス凹部16とに収容されている。
【0014】エンボス凹部15は略四角形とした部分に
側部15aを有し、ツース部材14がその側部15aに
摺接してセンターシャフト2の半径方向へ移動可能に嵌
合する案内部として作用する。さらに、エンボス凹部1
5には略円形とした部分に円弧部15bを有し、この円
弧部15bにカム部材13の略円形とした軸部21が回
動可能に嵌合している。
【0015】そして、エンボス凹部16はセンターシャ
フト2を中心とする所定半径の略扇形であり、その円弧
部の内周面に内周歯部17が所定範囲内で所定ピッチに
て形成されている。内周歯部17に噛合するロック歯部
18がツース部材14の下部端縁に形成されている。
【0016】ロック歯部18は、図4(A)に示すよう
に、エンボス凹部15,16間の間隔寸法よりも若干小
なる程度の肉厚の板体40に内周歯部17と対応する部
位にのみ、換言すると板体40の肉厚の約半分にロック
歯部18を形成したもの、図4(B)に示すように、エ
ンボス凹部15の深さに相当する肉厚の板体41にエン
ボス突起部42を形成し、そのエンボス突起部42にロ
ック歯部18を形成したもの、図4(C)に示すよう
に、エンボス凹部15の深さに相当する肉厚の板体43
に一体で突起部44を形成し、その突部44にロック歯
部を形成したもの、若しくは、図4(D)に示すよう
に、エンボス凹部15,16の深さに相当する肉厚で同
型の板体45,46をピン突起47,48とその挿通孔
49,50とで一体結合できるようにし、その一方の板
体45にのみロック歯部18を形成するようにしてもよ
い。従って、図4(A)〜(D)の上記箇所以外の同一
側にはロック歯部18が形成されておらず、無歯部とな
っている。
【0017】ツース部材14は、上部にフック部19が
一体形成され、このフック部19にカム部材13のレバ
ー部20が係脱する。すなわち、カム部材13はフック
部19に進入可能な形状を有するレバー部20と、エン
ボス凹部15の円弧部15bに嵌合する略円形の軸部2
1及び操作ピン12を突設する軸部22とを一体形成し
てなる。軸部22はエンボス凹部15の円弧部15bに
隣接して下位に形成された円弧部15cに遊嵌してい
る。
【0018】操作ピン12はカム部材13の両側へ所定
長さで延伸し、その延伸した操作ピン12はベースプレ
ート1に長孔23を形成してベースプレート1の裏側に
させる。長孔23はセンターシャフト2と操作ピン
12を結ぶ線と同一線上に所定長さで形成されている。
【0019】なお、操作ピン12は鍔付きピンとしてカ
ム部材13にかしめ結合すべく、図5に示すように、操
作ピン12を挿通する部分のカム部材13を肉薄に形成
して段部13aを形成し、その段部13aに鍔12aと
かしめ部12bが収まり、カム部材13の両側に鍔12
aとかしめ部12bがカム部材13の両側面から突出し
ないようにして、長孔11,23の径を小さくし、それ
らの穴開けによる強度低下を防止することができるよう
にしてある。
【0020】上記構成の組付けに際しては、センターシ
ャフト2に、初めに操作レバー5、ついでツースプレー
ト3、そして最後にカム部材13とツース部材14とを
エンボス凹部15に収容してベースプレート1を、それ
ぞれ嵌合した後、センターシャフト2の頭部2aをベー
スプレート1にかしめ結合するものである。
【0021】そして、前記センターシャフト2のかしめ
部2b側に、断面円形のシャフト部2dを形成し、この
シャフト部2dに連結パイプ24を回動可能に嵌合し、
連結パイプ24の一端部にリンクレバー25が一体に連
結されている。リンクレバー25の端部には操作ピン1
2を嵌合する孔26が穿設されている。連結パイプ24
は座席装置のインナー側に配設された他方のシートリク
ライニング装置に延伸してそれを連動させる。
【0022】次に上記実施例の作用につき説明する。リ
クライニング調節、すなわち、ツースプレート3を傾動
させるときは、操作レバー5をセンターシャフト2を中
心として時計方向へ回動させることにより、図6(B)
に示すように、傾斜した長孔6に係合する操作ピン12
が斜め上方へ押し上げられ、これによりカム部材13が
軸部21を中心として時計方向へ回動し、レバー部20
がフック部19に進入してツース部材14をエンボス凹
部15の側部15aに沿って上方へ押し上げるから、ロ
ック歯部18と内周歯部17の噛合が解除される。した
がって、ツースプレート3は渦巻きばね8の付勢力にて
センターシャフト2を中心として反時計方向へ回動す
る。
【0023】そこで、シートバックフレーム9を所望の
傾斜角度に設定して操作レバー5を放すと、操作レバー
5は復帰ばね7の力にて元の状態に復帰し、図6(A)
に示すように、長孔6を介して操作ピン12が押し下げ
られてカム部材13が軸部21を中心として反時計方向
へ回動し、レバー部20がフック部19を介してツース
部材14を押し下げ、したがって、ロック歯部18と内
周歯部17が噛合してリクライニング角度をロックす
る。ロック歯部18と内周歯部17が噛合すると、カム
部材13のレバー部20がツース部材14に当接した部
位と軸部21が円弧部15bと当接した部位とを結ぶ線
上において、ツース部材14の噛合を解除しようとする
力(ツース部材14を押し上げようとする力)に対抗す
る抗力が形成される。
【0024】かくして、ツース部材14に掛かる力はカ
ム部材13を介してベースプレート1のエンボス凹部1
5bにて受けられ、操作ピン12を介して操作レバー5
には直接負荷しない構造であるから、操作レバー5の操
作は軽くなる。また、ツースプレート3をベースプレー
ト1に植設した平頭ピン4で押える一方、カム部材13
及びツース部材14が一対の離間した平頭ピン4,4と
センターシャフト2で囲まれた三角形の面内に位置する
ようにしたから、ベースプレート1とツースプレート4
間に挟持するツース部材14とカム部材13の剥離運動
が生じることなく安全である。
【0025】なお、本実施例においては、ツース部材1
4とカム部材13とをベースプレート1に形成したエン
ボス凹部15収容しているが、ベースプレート1にエ
ンボス凸部を形成し、このエンボス凸部を案内部とし
て、ツース部材14をスライド可能に収容するととも
に、軸部21を回動可能に支持するようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】 以上説明したこの発明によれば、ツー
ス部材のロック歯部は前記内周歯部を形成した凹部の深
さと同じ高さに形成するから、ツース部材に不要な歯部
を形成することなく、ツース部材の加工が容易となり、
したがって、ツース部材のコスト低減を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すシートリクライニング
装置の正面図
【図2】図1の断面側面図
【図3】図1の要部平面図
【図4】(A)〜(D)はツース部材の構成例の詳細図
【図5】カム部材の側面図
【図6】(A),(B)はロック機構部の作用説明図
【符号の説明】
1…ベースプレート 2…センターシャフト 3…ツースプレート 4…平頭ピン 5…操作レバー 6…長孔 7…復帰ばね 8…渦巻きばね 11,23…長孔 12…操作ピン 13…カム部材 14…ツース部材 15,16…エンボス凹部 17…内周歯部 18…ロック歯部 19…フック部 20…レバー部 21…軸部 40,41,43,45…板体 42…エンボス突起 44…突起部 47,48…ピン突起 49,50…挿通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47C 1/025

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースプレートのセンターシャフトにツ
    ースプレートを回動可能に嵌合し、該ツースプレートに
    ベースプレート側で前記センターシャフトを中心とする
    所定半径の円弧部を有する凹部を形成し、該凹部の円弧
    部に内周歯部を形成し、該内周歯部に噛合するロック歯
    部を有するツース部材を前記凹部とこれに対面してベー
    スプレートに形成した案内部にスライド可能に収容し、
    該ツース部材をスライド移動させるカム部材を操作レバ
    ーにて回動可能に前記凹部と案内部に収容してなるシー
    トリクライニング装置において、前記ツース部材は前
    内周歯部を形成した凹部の深さでのみ形成されたロック
    歯部と、前記案内部の深さでのみ形成された無歯部とを
    同一側に有することを特徴とするシートリクライニング
    装置。
  2. 【請求項2】 ツース部材は前記ベースプレートの案内
    と前記ツースプレートの凹部の深さに相当する肉厚の
    板体に、前記ツースプレートの凹部の深さに相当する高
    さのロック歯部を形成してなることを特徴とする請求項
    1記載のシートリクライニング装置。
  3. 【請求項3】 ツース部材は前記ベースプレートの案内
    部の深さに相当する肉厚の板体に、前記ツースプレート
    の凹部の深さに相当する高さのエンボス突起部を形成
    し、そのエンボス突起部に前記内周歯部と噛合するロッ
    ク歯部を形成したことを特徴とする請求項1記載のシー
    トリクライニング装置。
  4. 【請求項4】 ツース部材は前記ベースプレートの案内
    部の深さに相当する肉厚の板体に、前記ツースプレート
    の凹部の深さに相当する高さの突起部を一体形成し、そ
    の突起部に前記内周歯部と噛合するロック歯部を形成し
    たことを特徴とする請求項1記載のシートリクライニン
    グ装置。
  5. 【請求項5】 ツース部材は前記ベースプレートの案内
    部の深さに相当する肉厚の第1の板体と、前記ツースプ
    レートの凹部の深さに相当する高さで、かつ、前記内周
    歯部と噛合するロック歯部を形成した第2の板体とを一
    体に結合してなることを特徴とする請求項1記載のシー
    トリクライニング装置。
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