JP3203396B2 - 舵角中点検出装置 - Google Patents

舵角中点検出装置

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JP3203396B2 JP20908292A JP20908292A JP3203396B2 JP 3203396 B2 JP3203396 B2 JP 3203396B2 JP 20908292 A JP20908292 A JP 20908292A JP 20908292 A JP20908292 A JP 20908292A JP 3203396 B2 JP3203396 B2 JP 3203396B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は操舵機構の舵角の中点を
検出する舵角中点検出装置に関し、特に、中点を利用す
る制御の運転開始当初の不安定期間を短縮すると共に爾
後の中点検出精度の向上を目的とする改良に関する。
【0002】
【従来技術】舵輪に加えられた操舵トルクの検出結果に
基づいて操舵力を補助する動力舵取装置においては操舵
条件の1つとして舵角が通常選ばれている。従来舵角を
検出する手段としては、舵輪軸又はラック軸にその動き
を検出するポテンショメータ等のセンサを用いたものが
知られている。このような舵角検出手段では、車両が直
進するときに、所定の出力値となるようにセンサの出力
を調整して定め、それにより舵角の中点を検出してい
る。
【0003】しかしながら従来の舵角検出手段では、舵
角の中点に対応するセンサの出力値を予め定めているの
で、キャンバ及びトーイン等の操舵機構の特性値の経年
変化並びに操舵機構の整備による変化等により、センサ
の予め定められた出力値と車両を直進させる舵角の中点
との間にずれが生じ、中点を精度良く検出できないとい
う問題があった。
【0004】従って前記ずれを解消し、中点を精度よく
検出するために、一定期間毎に又は整備する都度にセン
サの出力値を補正する必要が生じてくる。このような問
題点を解決するために車速に応じたトルク設定値より操
舵トルクが小さく、また車速に応じた角速度設定値より
角速度が小さいときに車両が直進していると判定し、そ
のときの舵角を検出し、それにより舵角の中点を検出
し、センサの出力値の補正を不要とし、中点の検出精度
を向上させた舵角中点検出装置が本願出願人によって提
案されている(例えば特開平2-197465号) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのようにし
て検出した中点を利用した制御の運転開始時における安
定性を高め、また定常時における精度を向上することを
課題又は目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る舵角中点検
出装置は、車輌の速度,車輌の舵輪に加えられる操舵ト
ルク及び舵輪の回動を舵取のための左右方向への運動へ
変換する操舵機構の操舵位置に基づき、操舵機構の舵角
の中点を演算して検出する装置において、中点の演算回
数を計数する手段と、中点の演算周期を決定する手段と
を備え、前記車輌の運転開始当初からの演算回数の計数
が所定値に達するまでの間の演算周期を、所定値に達
した後の演算周期より短くなしてあることを特徴とす
る。
【0007】
【作用】運転開始当初は検出中点は演算を重ねるごとに
精度が上がっていく。従って運転開始時には演算頻度を
上げることでより早く正しい中点を得ることができる。
一方ある程度の正確な中点が求められた後は、演算周期
を長周期とすることで一時的変動要因を取り込んで検出
中点がふらつくようなことがない。
【0008】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は本発明に係る舵角中点検出装置を用
いた動力舵取装置の一部破断正面図、図2は図1のII−
II線による拡大断面図、図3は操舵位置検出手段である
回転検出器の構造を示す図1の III−III 線による拡大
断面図である。図において1はラック軸であり、長手方
向を左右方向として車体の一部に固設され筒状をなすラ
ック軸ケース2にこれと同心をなして内挿されている。
また3はピニオン軸であり、ラック軸ケース2の一端部
近傍に連設したピニオン軸ケース4の内部にラック軸1
に対してその軸心を斜交させた状態に軸支されている。
【0009】該ピニオン軸3は、図2に示す如く、トー
ションバー5を介して同軸上に連結された上軸3aと下軸
3bとからなり、上軸3aは玉軸受40によりピニオン軸ケー
ス4内に支承され、その上端部を図示しないユニバーサ
ルジョイントを介して舵輪に連動連結してある。また下
軸3bは、ピニオン軸ケース4の下側開口部からその下部
を適長突出させた状態で、上端部近傍位置を4点接触玉
軸受41によりピニオン軸ケース4内に支承されている。
前記4点接触玉軸受41は、下部軸3bの下端部側からこれ
に外嵌され、下部軸3bの上端部近傍に形成した段部と、
下端部側から外嵌され外周面にかしめて固定されたカラ
ー42とにより、その内輪の両側を挾持されて下部軸3bの
外側に軸長方向に位置決めされた後、下部軸3bと共に前
記下側開口部からピニオン軸ケース4に内嵌され、該ケ
ース4の下部に形成された環状肩部と、前記開口部から
該ケース4に螺合されたロックナット43とにより、その
外輪の両側を挾持されてピニオン軸ケース4の内側に軸
長方向に位置決めされ、下部軸3bに作用するラジアル荷
重及び両方向のアキシャル荷重を負荷する。
【0010】ピニオン軸ケース4から突出された前記下
部軸3bの中途部には、その軸長方向に適宜の長さに亘る
ピニオン歯30が形成されており、該ピニオン歯30は、ピ
ニオン軸ケース4が前記ラック軸ケース2の上側に固定
ボルト44により固着された場合に、該ラック軸ケース2
の内部において、前記ラック軸1の一端部寄りの位置に
軸長方向に適長に亘って形成されたラック歯10に噛合
し、下部軸3bとラック軸1とを互いの軸心を斜交させた
状態で係合せしめている。前記下部軸3bは、ラック軸1
との係合位置よりも更に下方に延長され、その下端部に
は、これと同軸をなし、その歯形成面を下向きとして大
傘歯車31が嵌装されており、該大傘歯車31を囲繞する態
様にてラック軸ケース2の下側に連設された傘歯車ハウ
ジング20内に針状ころ軸受33により支承せしめてある。
従って下部軸3bは、前記4点接触玉軸受41と針状ころ軸
受33とによりラック歯10とピニオン歯30との噛合位置の
両側において支承されることになり、該噛合位置におい
て下部軸3bに生じる撓み量は所定の許容範囲内に保たれ
る。
【0011】更にラック歯10とピニオン歯30との噛合位
置には、これらが隙間なく噛合されるように、ピニオン
軸3に向かう押しばね11の付勢力によりラック軸1を押
圧するラックガイド12が設けてあり、ラック軸1は、前
記噛合位置においてラックガイド12と下部軸3bとにて半
径方向両側から挾持された状態で支承されると共に、ピ
ニオン軸ケース4との連設位置と逆側のラック軸ケース
2の端部に内嵌した軸受ブッシュ13により支承されてお
り、ラック軸ケース2の内部においてその軸長方向に移
動自在となっている。ラック軸ケース2の両側に夫々突
出されたラック軸1の左右両端部は、各別の玉継手 14,
14を介して、図示しない左右の車輪に夫々連なるタイロ
ッド 15,15に連結されており、ラック軸1の軸長方向へ
の移動により車輪が左,右に舵取りされるようになって
いる。
【0012】図2中の6は、舵輪に加えられる操舵トル
クを検出するトルクセンサであり、前記上軸3aに外嵌さ
れこれと共に回動し、その下側端面に上軸3aの軸心を中
心とする環状の抵抗体を形成してなる抵抗体保持部材60
と、前記下軸3bに外嵌されこれと共に回動し、その上側
端面に前記抵抗体上の半径方向の一点に摺接する検出子
を形成してなる検出子保持部材61とにてポテンシオメー
タを構成してなるものである。ピニオン軸3の上軸3aは
舵輪の回動に応じてその軸心廻りに回動するが、下軸3b
には車輪に作用する路面抵抗がラック軸1を介して作用
しており、両軸間に介装したトーションバー5には舵輪
に加えられた操舵トルクに応じた捩れが生じる。トルク
センサ6は、該トーションバー5の捩れに伴って上軸3a
と下軸3bとの間に生じる周方向の相対変位を前記検出子
と抵抗体との摺接位置に対応する電位として出力するも
のであり、トーションバー5に捩れが生じていない場
合、換言すれば舵輪操作がなされていない場合に所定の
基準電位を出力するように初期調整されている。トルク
センサ6の出力信号は制御部7に入力されており、制御
部7はこの信号を前記基準電位と比較して前記操舵トル
クの方向及びその大きさを認識し、後述する如く配設さ
れた操舵補助用のモータ8に駆動信号を発する。
【0013】操舵補助用のモータ8は、電磁クラッチ1
6、遊星ギヤ減速装置9及び前記大傘歯車31に噛合する
これよりも小径の小傘歯車32を介して前記下部軸3bにそ
の回転力を伝達するものである。電磁クラッチ16は円環
状をなし、モータ8の中間ケース81に固着されたコイル
部161 と、モータ8の回転軸80の一側にこれと同軸をな
して外嵌され、該回転軸80と共に回転する主動部162
と、円板状をなし該主動部162 と対向し、コイル部161
への通電による電磁力により主動部162 と係着する係脱
部163 とから構成されており、モータ8の回転力の係脱
を行っている。
【0014】遊星ギヤ減速装置9は係脱部163 に内嵌
し、回転すると共に太陽ギヤを有し、その一端を主動部
162 に内嵌された軸受に支承され、他端を後述する遊星
キャリア93に内嵌された軸受に支承された太陽軸90と、
前記モータ8のケーシング端面82に回転軸80と同軸をな
して固着された円環状をなす外環91と、該外環91の内周
面及び前記太陽軸90の太陽ギヤ外周面に夫々転接し、各
別の軸心廻りに自転すると共に太陽ギヤの軸心廻りに公
転する複数個の遊星ギヤ92,92 …と、これらの遊星ギヤ
92,92 …を夫々軸支する遊星キャリヤ93とから構成さ
れ、前記モータ8よりも小なる外径を有し、回転軸80の
一側に該モータ8及び電磁クラッチ16と一体化されてい
る。遊星ギヤ減速装置9の出力軸94は、モータ8の回転
軸80と同軸上に位置する前記遊星キャリヤ93の軸心位置
に嵌入, 固定され、ケーシングの外部に適長突出させて
ある。該出力軸94の先端部には前記小傘歯車32が、その
歯形成面を先端側に向けて嵌装されており、該小傘歯車
32は、出力軸94と共に前記遊星ギヤ92,92 …の公転に応
じて回転するようになっている。
【0015】前記モータ8と電磁クラッチ16と遊星ギヤ
減速装置9とは、これらの軸心がラック軸1の軸心と略
平行をなした状態で、小傘歯車32を内側として前記傘歯
車ハウジング20に内嵌され、該ハウジング20の内部にお
いて前記小傘歯車32が前記下軸3bの下端部に嵌装された
大傘歯車31に噛合させてあり、またラック軸ケース2の
外側に設けたブラケット2aに固着させてある。大傘歯車
31と小傘歯車32との間のバックラッシ調整は、遊星ギヤ
減速装置9を傘歯車ハウジング20に内嵌する際に、遊星
ギヤ減速装置9のケーシングと傘歯車ハウジング20との
突合せ部に介装するシムの厚さ及び/又は枚数を変更す
ることにより容易に行い得る。
【0016】またモータ8の回転軸80の他側にはモータ
8の回転位置を検出する回転検出器17が設けられ、該回
転検出器17はモータ8の回転軸80の他側に外嵌された円
板状をなし、N極,S極を各2極有する磁石板170 と、
その周囲に所定の取付角度β( 本実施例ではβ= 135
゜) をなし取付けられた2つのリードスイッチ171,171
とから構成される。図4は回転検出器の出力波形を示す
波形図である。2つのリードスイッチ171,171 は取付角
度βを 135°となして取付けられているので出力波形は
90度位相がずれて出力される。これが1回転で各々4波
形出力されるのでその立上がりと立下りとを検出するこ
とによりこの回転検出器17は1回転の1/16の分解能を有
することとなる。
【0017】この回転検出器17は、タコジェネレータ等
の従来の回転検出器と比べ、回転数0から検出可能であ
りロータの相対位置が検出できる。またフォトインタラ
プタ型のロータリエンコーダに比べ小型であり、高温に
対しても強く、経年変化が少なく価格も安くなる。さら
に出力波形がパルス出力となるのでマイクロコンピュー
タ等のCPU に簡単にその検出結果が取り込める。また制
御部7には前述したトルクセンサ6の出力信号のほかに
回転検出器17の出力信号及び車速を検出する車速検出器
18の出力信号が入力されており、ここで後述する制御が
なされモータ8及び電磁クラッチ16を駆動する駆動信号
が出力される。
【0018】次に制御部7での制御について説明する。
図5は制御部の構成及び制御動作を示すブロック線図で
ある。トルクセンサ6のトルク検出信号は、その位相を
進め、系を安定化するための位相補償回路71a 、舵輪の
回転の角速度ωを検出する角速度検出回路71g 、その角
加速度ωドットを検出する角加速度検出回路71b 、本発
明の要旨である操舵機構の中点を決定するための中点検
出回路71c 、モータ8のロックを検出するロック検出回
路71f 及び操舵トルクTの絶対値|T|に応じた関数を
発生するトルク関数部73g に夫々入力されている。
【0019】また、車速検出器18の車速検出信号は、ロ
ック検出回路71f 、中点検出回路71c 、車速Vに応じた
関数を発生する車速関数部73f 、角加速度検出回路71b
から出力された舵輪の角加速度ωドットが与えられ、角
加速度ωドットと車速Vとに応じて、モータ8の加減速
時の慣性力と車輌の足まわりの慣性力とを補正する補正
電流Icを決定する補正電流関数部73b 及び後述する舵角
決定回路71d から出力された舵角θが与えられ、舵角θ
と車速とに応じて、指示電流Iの特性を変化させる変化
電流Iaを決定する変化電流関数部73c に夫々入力されて
いる。
【0020】また、回転検出器17の回転検出信号は、ロ
ック検出回路71f 、中点検出回路71c 、角加速度検出回
路71b 、角速度検出回路71g 及び回転検出信号と中点検
出回路71c の中点位置とから舵角θを決定する舵角決定
回路71d に入力されている。ロック検出回路71f は入力
された回転検出信号、車速検出信号及びトルク検出信号
により、トルク及び車速が各別の所定値より大きいとき
にモータ8の回転を検出し、それによりロックの有無を
検出するものであり、その出力信号は駆動回路72b を介
して電磁クラッチ16に与えられる。
【0021】また角速度検出回路71g の出力ωは角速度
に応じた関数を発生する角速度関数部73d に与えられ
る。なお、該関数部73d には変化電流Iaが与えられ、変
化電流Iaによりオフセット量が与えられる。またモータ
8への指示電流Iを生成する指示電流関数部73a には位
相補償回路71a の出力信号と変化電流Iaとが与えられ
る。
【0022】さらに車速関数部73f の出力信号はトルク
関数部73g に与えられ、車速に応じたトルク関数fdを出
力する。該出力は減算電流関数部73e に与えられ、角速
度関数部73d の出力と前記出力とにより減算電流Irを生
成する。指示電流関数部73aの出力信号は減算器74c に
入力され、そこで減算電流関数部73e の出力である減算
電流Irが減算され、減算結果が加算器74a に与えられ
る。加算器74a では前記減算結果と補正電流関数部73b
の出力信号とが加算され、加算結果が減算器74bに与え
られる。
【0023】該減算器74b では、前記加算結果からモー
タ8の消費電流を検出する電流検出回路71e からのフィ
ードバック信号が減算され、その減算結果がPWM (Pulse
-Width Modulation:パルス幅変調) 駆動回路72a を介し
てモータ8に与えられる。
【0024】次に動作について説明する。図6はロック
検出の制御を示すフローチャートであり、ステップ10
で、図示しないイグニッションスイッチのオンの立ち上
がりか否かを判定し、立ち上がりでないときは、ステッ
プ11で車速検出器18の車速Vを読み込む。その車速Vが
車速閾値Vs1より大きいか否かをステップ12で判定し、
大きいときは次のステップ13でトルクセンサ6からの操
舵トルクTを読み込む。その操舵トルクTがトルク閾値
s1より大きいか否かをステップ14で判定し、大きいと
きは回転検出器17からのモータ8の回転位置をステップ
15で読み込み、その値によりステップ16でモータ8が回
転しているか否かを判定し、回転しているときはリター
ンし、回転していないときはモータ8がロックしている
と判定し、ステップ17で電磁クラッチ16をオフし、モー
タ8と遊星ギヤ減速装置9との結合を切離し、操舵機構
をモータ8から自由にする。そしてステップ18で図示し
ないロックアラームを点灯しリターンする。
【0025】一方ステップ10で立ち上がりと判定された
ときは、ステップ19で電磁クラッチ16がオフされ、ステ
ップ20でモータ8がオンする。モータ8がオンするとス
テップ21で所定時間の経過が判定され、その後回転検出
器17からのモータ8の回転位置をステップ22で読み込
み、その値によりステップ23でモータ8が回転している
か否かを判定し、回転しているときは、ステップ24でモ
ータ8をオフし、ステップ25で電磁クラッチ16をオンす
る。ステップ23でモータ8が回転していないと判定され
たときは、ステップ26でロックアラームを点灯しリター
ンする。
【0026】次に角加速度検出及びそれを用いたモータ
慣性制御について説明する。図7は角加速度ωドットの
算出及びそれを用いたモータ慣性の制御を示すフローチ
ャートである。最初にステップ30でトルクセンサ6から
のトルクTを読み込み、次にステップ31で角加速度検出
回路71b にて回転検出器17からのモータ8の回転速度ω
m を読み込み、ステップ32で下記演算により舵輪の角加
速度ωドットを求める。
【0027】
【数1】
【0028】次にステップ33で求めた舵輪に与えられた
角加速度ωドットと車速Vとにより、予め補正電流関数
部73b にて定められたモータ8の慣性力と車輌の足まわ
りの慣性力とによる影響を補正する補正電流Icをもとめ
る。次にステップ34で求められた補正電流Icを加算器74
a に入力し指示電流関数部73a で求められた指示電流I
と加算される。これによりモータ8 による操舵補助開始
時及び終了時等の角加速度が検出されたときに、その慣
性力及び足まわりの慣性力に応じた補正電流Icが指示電
流Iに加算されるので、操舵フィーリングの向上が図ら
れる。
【0029】次に本発明の要旨である舵角の中点の演算
及びそれを用いた舵輪の戻し制御について説明する。図
8は舵輪の戻し制御、図9は舵角の中点の演算、図10は
舵角の左右位置の決定手順を夫々示すフローチャートで
ある。また図11は指示電流関数部73a でのモータ電流と
トルクとの関係の特性を示すグラフであり、縦軸に指示
電流Iを、また横軸にトルクTをとっている。さらに破
線は車速大のときの特性を、また一点鎖線は車速小のと
きの特性を示している。
【0030】図8において、最初にステップ40でトルク
Tを読み込み、そのトルクTが不感帯内か否かをステッ
プ41で判定し、不感帯にトルクTが入ってるときは、ス
テップ42で後述する中点演算ルーチンが終了したか否か
を判定する。中点演算が終了しているときは、ステップ
43でモータ8の回転位置を回転検出器17から読み込み、
次にステップ44でその回転位置と中点とにより舵角決定
回路71d にて舵角θを決定する。舵角θが定まるとステ
ップ45で舵角θと車速Vとにより変化電流Iaを変化電流
関数部73c にて求め、指示電流関数部73a で指示電流I
の値及び方向を算出する。
【0031】一方ステップ41で不感帯でないと判定され
たときはリターンし、ステップ42で中点演算が終了して
いないときは、ステップ46でモータ8の回転位置を回転
検出器17から読み込み、ステップ47で後述する左右決定
ルーチンにおいて定められた舵角最小値により変化電流
Iaを算出し、指示電流Iの値及び方向を算出する。
【0032】舵角中点演算は図9のフローチャートに示
す手順に従って実行される。まず中点演算回数を計数す
るカウンタ(キースイッチオンによりリセットされる)
の内容を調べ、N1 との大小を比較する(ステップS9
1)。N1 より小さい場合はT1秒の経過を待って(ステ
ップS92)、車速を車速検出器18から読込んでこれがV1
以上であるか否かを調べる (ステップS93)。V1 以上で
ある場合、次にトルクセンサ6から操舵トルクを読込
み、これが所定値(車速によって定められる)以上であ
るか否かを調べる(ステップS94)。
【0033】前記所定値以下である場合、次に回転検出
器17からのモータ8の回転位置によって角速度検出回路
71g が検出した操舵角速度が所定値以上であるか否かを
調べる (ステップS95)。角速度が前記所定値以下である
場合は前記カウンタを1インクリメントする(ステップ
S96)。ステップS93 〜95の条件、車速がV1 以上であ
り、操舵トルク及び角速度が所定値以下であるのは車輌
が直進している、つまり舵角が中点にあると仮定して、
このときの回転検出器17出力が中点であるとするのであ
る。即ちステップS97 で回転検出器17出力を読込む。こ
れをQS とするとステップS98 の中点演算・更新は例え
【0034】
【数2】
【0035】として今回の中点更新結果Qn を得る。但
しQn-1 は前回の中点演算値である。つまり16回のサン
プルデータの移動平均を求めているのである。而してカ
ウンタがN1 以上になるとステップS99 へ移りT2 (T
2 >T1 )秒の経過でステップS93 へ移ることになる。
つまり中点の演算・更新頻度が小さくなるのである。上
述の舵角中点演算が終了するまでは次に説明する左右決
定ルーチンにより戻し制御を行う。
【0036】図10に示す左右決定ルーチンではステップ
60で車速Vを読み込み車速Vが閾値Vs3より大きいか否
かをステップ61で判定し、大きいときはトルクTをステ
ップ62で読み込み、ステップ63でトルクTを積分し、そ
の積分値の方向が右か否か判定する。右のときはステッ
プ65で舵角最小値の右の値を更新し、左のときはステッ
プ64で舵角最小値の左の値を更新しリターンする。
【0037】一方図11に示す如く戻し制御において舵角
θにより変化電流Iaが求まると、それと車速Vとに応じ
てトルクが不感帯内にあるときの舵輪の戻し制御時の指
示電流Iを変化させる。例えば車速Vが大のときは破線
に示す如く、トルクTが不感帯に入ると指示電流Iの増
加割合を大きくし、中点への戻りを速くするようにモー
タ8を制御し、逆に車速が小のときは一点鎖線に示す如
くトルクTが不感帯に入ると、指示電流Iの増加割合を
小さくし、中点への戻りを遅くするようにモータ8を制
御する。この制御に演算された中点が用いられるのは勿
論である。
【0038】なお本実施例では本発明装置を電動式の動
力舵取装置の舵輪の戻し制御に用いた場合を説明した
が、この発明はこれに限るものではなく、その他の制御
にも用いることができるのは言うまでもない。また本実
施例では操舵位置検出手段としてモータの回転位置を検
出する回転検出器を用いたが、本発明はこれに限るもの
ではなく、ラック軸の変位、舵輪軸の回動位置等の操舵
機構の相対位置を検出できるものであれば、どのような
手段でもよい。
【0039】
【発明の効果】以上の如き本発明装置によれば運転開始
当初の演算周期T1 を短くしてあるので、速やかに正し
い中点を検出できる。つまり前記Qn の演算式でQn-1
の乗数は15であるが、演算回数が16回に達する迄はQ
n-1 の演算回数は15より小さく、不適切な情報が混入し
ている場合には真の中点から大きく隔たったQn が得ら
れることになる。演算頻度を向上することで速やかに回
数を16以上にすることができ、精度が上がって来る。一
方、その後においては演算周期T2 を長くしてあるので
特殊な状況で回転検出器17が瞬時的に示すことがある特
異な値を読込む機会が減り、中点が安定した値となる。
換言すれば高精度の中点検出が行えることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動力舵取装置の一実施例を示す一
部破断正面図である。
【図2】第1図のII−II線による拡大断面図である。
【図3】回転検出器の構造を示す第1図の III−III 線
による拡大断面図である。
【図4】回転検出器の出力波形を示す波形図である。
【図5】制御部の構成及び動作を示すブロック線図であ
る。
【図6】ロック検出を説明するフローチャートである。
【図7】モータ慣性制御を説明するフローチャートであ
る。
【図8】舵輪戻し制御を説明するフローチャートであ
る。
【図9】舵角中点演算を説明するフローチャートであ
る。
【図10】舵角の左右位置決定を説明するフローチャー
トである。
【図11】指示電流関数部でのモータ電流とトルクとの
関係の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
6 トルクセンサ 8 モータ 17 回転検出器 18 車速検出器 71c 中点検出回路 71d 舵角決定回路 71g 角速度検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 - 6/06 B62D 5/04 - 5/06 G01B 21/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輌の速度,車輌の舵輪に加えられる操
    舵トルク及び舵輪の回動を舵取のための左右方向への運
    動へ変換する操舵機構の操舵位置に基づき、操舵機構の
    舵角の中点を演算して検出する装置において、中点の演
    算回数を計数する手段と、中点の演算周期を決定する手
    段とを備え、前記車輌の運転開始当初からの演算回数
    計数値が所定値に達するまでの間の演算周期を、所定値
    に達した後の演算周期より短くなしてあることを特徴と
    する舵角中点検出装置。
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