JP2002039877A - トルク検出装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

トルク検出装置及び電動パワーステアリング装置

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JP2002039877A
JP2002039877A JP2000227889A JP2000227889A JP2002039877A JP 2002039877 A JP2002039877 A JP 2002039877A JP 2000227889 A JP2000227889 A JP 2000227889A JP 2000227889 A JP2000227889 A JP 2000227889A JP 2002039877 A JP2002039877 A JP 2002039877A
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steering
torque
steering angle
angle
midpoint
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Kenichi Furutaka
研一 古▲高▼
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵トルクと共に舵角の検出が可能に構成さ
れたトルク検出装置において、経時的な誤差の集積によ
る舵角算出値の精度低下を中点検出のための検出手段を
必要とせずに解消する。 【解決手段】 操舵軸の回転角度に対応する磁気センサ
の出力を取込み、この出力を用いて操舵軸に加わるトル
クT及び舵角θを算出し、トルクTの算出値が不感帯Δ
T内にあり、車速vが予め設定された下限車速vmin
上である状態が時間tが経過するまで継続したとき、先
に算出された舵角θを0として舵角中点を更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舵取り操作のため
に舵輪(ステアリングホイール)に加えられる操舵トル
クを舵角と共に検出するトルク検出装置、及び該トルク
検出装置による検出トルクに基づいて操舵補助用のモー
タを駆動制御する電動パワーステアリング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】舵取り操作のために舵輪(ステアリング
ホイール)に加えられる操舵トルクの検出結果に基づい
て操舵補助用のモータを駆動し、該モータの回転力を舵
取装置に伝えて操舵を補助する構成とした電動パワース
テアリング装置は、操舵補助力の発生源として油圧アク
チュエータを用いる油圧パワーステアリング装置と比較
して、車速の高低,操舵の頻度等、走行状態に応じた補
助力特性の制御が容易であるという利点を有しており、
近年、その適用範囲が拡大する傾向にある。
【0003】このような電動パワーステアリング装置に
おいて、前記操舵トルクの検出は、舵輪と舵取機構を連
絡する操舵軸の中途において、軸長方向に離隔した2か
所の回転角度を検出することにより行わせ得る。即ち、
舵取り操作中の操舵軸には、舵輪に加わえられる操舵ト
ルクの作用により捩れが生じており、この捩れは、前述
した2か所での検出角度の差に対応するから、この差を
用いて操舵トルクを求めることができる。
【0004】このように求められる操舵トルクの算出精
度は、前記操舵軸を、舵輪側の入力軸と舵取装置側の出
力軸とを細径のトーションバーを介して連結して構成
し、前記操舵トルクの作用時に、入力軸と出力軸との間
にトーションバーの捩れを伴って大なる回転角度差が生
じるようにしておき、両軸の連結部において夫々の回転
角度を検出する構成とすることにより高めることができ
る。
【0005】本願出願人は、以上の如き操舵トルクの検
出に好適に用い得るトルク検出装置を特願平11−100665
号等に提案している。この装置は、操舵軸の周方向に複
数並設され、軸長方向に対して夫々が略等角度傾斜する
磁性体製のターゲット歯と、これらの外側に対向配置さ
れ、各ターゲット歯の通過に応じて変化する出力を発す
る磁気センサ(MRセンサ)とを備えるセンサユニット
を、入力軸及び出力軸の連結部に夫々備えて構成されて
いる。
【0006】この構成によれば、前記センサユニットの
磁気センサが、入力軸及び出力軸の周上に並ぶ複数のタ
ーゲット歯の夫々が通過する間、該ターゲット歯の傾斜
に対応する傾きを有して線形に変化する電圧出力を発す
るから、入力軸及び出力軸の回転角度を夫々に対応する
磁気センサの出力に基づいて非接触にて検出することが
でき、舵輪の操作により入力軸に加えられる操舵トルク
は、入力軸及び出力軸に対応する磁気センサの出力差と
して与えられる両軸の回転角度の差に基づいて算出され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】またこのトルク検出装
置においては、前記入力軸及び出力軸の回転角度を、対
応する磁気センサの出力を逐次積算することにより、前
記操舵トルクと共に各別に算出することができる。この
算出角度は、舵角中点の両側において舵取り操作に応じ
て変化する舵角の算出値として、車両の各部において舵
角に応じてなされる各種の制御に使用される。
【0008】例えば、前述した電動パワーステアリング
装置においては、舵取り操作後の前記舵輪の戻し操作時
に、舵角中点への復帰を補助すべく前記モータを駆動す
る戻し制御が一般的に行われており、このような戻し制
御において前記舵角の算出値は、舵角中点への復帰のた
めのフィードバック情報として使用される。
【0009】しかしながら、前述した舵角の算出値は、
適宜のサンプリング周期毎に得られる前記磁気センサの
出力の積算として与えられることから、夫々のサンプリ
ング時におけるわずかな誤差の集積により、長期に亘る
使用の間に検出精度が低下することが避けられず、前述
した戻し制御に使用した場合、舵角中点への正しい復帰
がなされなくなる虞れがあった。
【0010】そこで従来においては、舵角中点を検出す
る手段を別個に設け、該手段により検出がなされる都
度、その時点での舵角の算出値をリセットし、前述した
誤差の集積による精度の低下を防止するようにしてい
る。
【0011】舵角中点の検出は、例えば、ラックピニオ
ン式の舵取装置において、舵取りのために軸長方向に移
動するラック軸の中途に設けた中点標識を該ラック軸の
ハウジング等の固定部分に設けた中点センサにより検知
することにより実現することができる。また特開平4−
108083号公報には、ヨーレートセンサにより車両
に加わるヨーレートを検出し、この検出値が予め設定さ
れた所定値よりも小さいとき、直進走行中、即ち、舵角
中点であると判定するようにした操舵制御装置が開示さ
れている。
【0012】このように舵角中点の検出は、従来から種
々の手段により実現されているが、これらの構成におい
てはいずれも、舵角の算出精度の向上のために中点検出
専用の検出手段が必要となり、検出系の構成が複雑化す
るという問題がある。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、操舵トルクと共に舵角の検出が可能に構成され
たトルク検出装置において、経時的な誤差の集積による
舵角算出値の精度低下を、中点検出のための検出手段を
必要とせずに解消することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
トルク検出装置は、車両の舵取装置と舵輪とを連絡する
操舵軸の中途に、軸長方向に離隔して配された第1,第
2の回転角センサと、第1又は第2の回転角センサの出
力履歴に基づいて舵角中点からの前記操舵軸の回転角度
を算出する舵角算出手段と、第1及び第2の回転角セン
サの出力差に基づいて前記舵輪に加わえられる操舵トル
クを算出する操舵トルク算出手段とを備えるトルク検出
装置において、前記車両の走行速度が所定値を超える走
行中、前記操舵トルク算出手段による算出トルクが所定
値以下であるとき、前記舵角算出手段による算出角度に
基づいて前記舵角中点を更新する手段を備えることを特
徴とする。
【0015】本発明においては、車両の走行速度が所定
値を超える高速走行中に逐次算出される操舵トルクの算
出値が所定値以下であるとき、舵輪の操作がなされてい
ない直進走行中であると判定し、その時点における舵角
算出手段の算出値により舵角中点を更新して、その後の
舵角の算出を更新された舵角中点を基準として行う。
【0016】また本発明の第2発明に係るトルク検出装
置は、第1発明における舵角中点の更新を、前記算出ト
ルクが所定値以下となる条件が所定時間継続することを
条件として実行することを特徴とする。
【0017】この発明においては、舵角中点の更新条件
として、操舵トルクの算出値が小さい状態が所定時間継
続することを加え、高速走行中に瞬間的に発生する操舵
トルクの低下時に舵角中点の誤った更新がなされること
を防止する。
【0018】更に本発明の第3発明に係る電動パワース
テアリング装置は、車両の舵取装置に付設された操舵補
助用のモータを、舵輪に加えられる操舵トルクの検出結
果に基づいて駆動し、前記舵取装置に操舵補助力を加え
る電動パワーステアリング装置において、前記車両の走
行速度を検出する車速センサと、前記操舵トルクを検出
すべく用いられた請求項1又は請求項2記載のトルク検
出装置と、前記舵輪の戻し操作に応じて前記トルク検出
装置により更新される舵角中点を目標位置として前記モ
ータを駆動し、舵角中点への復帰を補助する戻し制御手
段とを備えることを特徴とする。
【0019】この発明においては、第1発明又は第2発
明のトルク検出装置を電動パワーステアリング装置に適
用し、舵輪の戻し操作時に、高精度に更新された舵角中
点を目標値として操舵補助用のモータを駆動し、正確な
戻し制御を実現する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るトル
ク検出装置を備えた電動パワーステアリング装置の概略
構成を示す模式図である。図示の如く、舵取り操作用の
舵輪(ステアリングホイール)30に上端を連結された入
力軸31と、後述する舵取装置4のピニオン40に連結され
た出力軸32とを、細径のトーションバー33を介して同軸
上に連結し、前記舵輪30と舵取装置4とを連絡する操舵
軸3が構成されている。
【0021】舵取装置4は、前記ピニオン40と、該ピニ
オン40が噛合するラック軸41と備えるラックピニオン式
の舵取装置として構成されている。ラック軸41は、図示
しない車両の左右方向に延設され軸長方向への移動自在
に支持されており、該ラック軸41の左右両端は、各別の
タイロッド42,42を介して操向用の車輪(一般的には前
輪)43,43に連結されている。この構成により、舵輪30
の操作により操舵軸3を介して生じるピニオン40の回転
が、該ピニオン40に噛合するラック軸41の軸長方向の移
動に変換され、この移動が、前記タイロッド42,42を介
して操向用の車輪43,43に伝えられて舵取りが行われ
る。
【0022】また舵取装置4は、以上の如き舵取り動作
を操舵補助用のモータMにより補助する電動パワーステ
アリング装置として構成されている。操舵補助用のモー
タMは、操舵軸3を含む舵取装置4周辺の適宜位置に配
設することが可能である。図に示すモータMは、操舵軸
3の中途部に配設され、その出力端に固着されたウォー
ム34を前記出力軸32の中途部に嵌着固定されたウォーム
ホイール35に噛合させてある。この構成によれば、前記
モータMの回転は、ウォーム34及びウォームホイール35
を介して出力軸32に伝達され、該出力軸32の下端に連設
されたピニオン40に回転力が付与されて、この回転に応
じて前述の如く行われる舵取りが補助されることとな
る。
【0023】本発明に係るトルク検出装置は、前記舵輪
30の操作により操舵軸3に加えられる操舵トルクを検出
すべく、入力軸31及び出力軸32の連結部近傍に以下の如
くに構成されている。
【0024】入力軸31には、出力軸32との連結側端部近
傍に、円板形をなすターゲット環2が同軸上に外嵌固定
されており、該ターゲット環2の外周には、複数枚(図
においては10枚)のターゲット歯20,20…が一体形成さ
れている。これらのターゲット歯20,20…は、ターゲッ
ト環2が嵌着された入力軸31の軸長方向に対し、夫々が
同方向に略等角度傾斜する磁性体製の突条の形態をな
し、前記ターゲット環2の周方向に等配をなして並設さ
れている。同様のターゲット環2は、出力軸32の入力軸
31との連結側端部近傍にも外嵌固定されており、該ター
ゲット環2の外周に並設されたターゲット歯20,20…
は、入力軸31側のターゲット歯20,20…と周方向に整合
するように位置決めされている。
【0025】以上の如きターゲット環2,2の外側に
は、夫々のターゲット歯20,20…の並設位置を周方向の
異なる位置から臨むように2個のセンサボックス1a,1b
が配設されている。これらのセンサボックス1a,1bは、
入力軸31及び出力軸32を支承するハウジング等の動かな
い部位に固定支持されており、一方のセンサボックス1a
の内部には、入力軸31側のターゲット歯20,20…に対向
する磁気センサ1Aと、出力軸32側のターゲット歯20,20
…に対向する磁気センサ1Bとが、周方向位置を整合せし
めて収納されており、同じく他方のセンサボックス1bの
内部には、入力軸31側のターゲット歯20,20…に対向す
る磁気センサ2Aと、出力軸32側のターゲット歯20,20…
に対向する磁気センサ2Bとが、周方向位置を整合せしめ
て収納されている。
【0026】磁気センサ1A,1B,2A,2Bは、磁気抵抗効
果素子(MR素子)等、磁界の作用により電気的特性
(抵抗)が変化する特性を有する素子を用い、周辺磁界
の変化に応じて出力電圧を変えるように構成されたセン
サであり、これらの出力V1A,V1B,V2A,V2Bは、セ
ンサボックス1a,1bの外部に引き出され、マイクロプロ
セッサを用いてなる駆動制御部5に与えられている。
【0027】図2は、磁気センサ1A,1B,2A,2Bの出力
電圧の変化状態の一例を示す説明図である。図の横軸
は、入力軸31又は出力軸32の回転角度、同じく縦軸は、
出力電圧を示しており、実線は、入力軸31側の磁気セン
サ1A,2Aの出力電圧V1A,V2Aの変化状態を、同じく破
線は、出力軸32側の磁気センサ1B,2Bの出力電圧V1B
2Bの変化状態を夫々示している。
【0028】磁気センサ1A,1B,2A,2Bが対向するター
ゲット歯20,20…は、前述の如く、入力軸31及び出力軸
32の軸長方向に対して同向きに等角度傾斜する磁性体製
の突条であり、各ターゲット歯20,20…の間には不連続
部が存在する。従って、入力軸31及び出力軸32が軸回り
に回転した場合、各磁気センサ1A,1B,2A,2Bは、対応
するターゲット歯20,20…が通過する間には、入力軸31
又は出力軸32の回転角度の変化に応じて線形に変化する
電圧信号を出力し、また相隣するターゲット歯20,20間
の不連続部が通過する間には、前記回転角度の変化に応
じて非線形に変化する電圧信号を出力する。
【0029】この結果、磁気センサ1A,1B,2A,2Bの出
力電圧は、図2に示す如く、各ターゲット歯20が通過す
る間の線形に変化する領域(線形変化領域)と、ターゲ
ット歯20,20間の不連続部が通過する間の非線形に変化
する領域(非線形変化領域)とを繰り返す変化態様を示
す。この繰り返しの周期は、ターゲット環2の外周のタ
ーゲット歯20,20…の並設数に対応し、前述の如く、タ
ーゲット環2の外周に10枚のターゲット歯20,20…が並
設されている場合には、入力軸31又は出力軸32が、36°
(= 360°/10)だけ回転する間を一周期とする繰り返
しが生じる。
【0030】このとき磁気センサ1A,2Aの出力電圧
1A,V2Aは、これらに対応するターゲット歯20,20…
が設けられた入力軸31の回転角度に対応し、また磁気セ
ンサ1B,2Bの出力電圧V1B,V2Bは、これらが対向する
ターゲット歯20,20…が設けられた出力軸32の回転角度
に対応する。従って、適宜のサンプリング周期毎に得ら
れる出力電圧を積算することにより入力軸31又は出力軸
32の回転角度、即ち、舵角を算出することができる。
【0031】また磁気センサ1Aの出力電圧V1Aと磁気セ
ンサ1Bの出力電圧V1Bとの差ΔV1(=V1A−V1B)、
又は磁気センサ2Aの出力電圧V2Aと磁気センサ2Bの出力
電圧V2Bとの差ΔV2 (=V2A−V2B)は、入力軸31側
のターゲット歯20,20…と、出力軸32側のターゲット歯
20,20…との間に発生する周方向の位置ずれ量(相対角
変位)に相当し、この相対角変位は、入力軸31に加わる
操舵トルクの作用下において入力軸31と出力軸32とを連
結するトーションバー33に生じる捩れ量に対応する。従
って、前記出力電圧の差ΔV1 又はΔV2 に基づいて入
力軸31に加わる操舵トルクを算出することができる。
【0032】なお、入力軸31及び出力軸32側のターゲッ
ト歯20,20…の外側に各2つの磁気センサ1A,2A及び1
B,2Bを並設してあるのは、前記非線形変化領域におい
て得られる不確かな出力を用いた舵角及び操舵トルクの
誤った算出がなされないようにするためである。センサ
ボックス1a内の2つの磁気センサ1A,1Bと、センサボッ
クス1b内の2つの磁気センサ2A,2Bとは、周方向に位相
をずらせて位置決めされており、図2に示す如く、一方
の組の出力(V1A,V1B)が非線形変化領域にあると
き、他方の組の出力(V2A,V2B)が線形変化領域にあ
るようにしてある。
【0033】駆動制御部5においては、磁気センサ1A,
1B及び磁気センサ2A,2Bの内、その出力が線形変化領域
にある組が選択され、選択された側の出力を用いて舵角
及び操舵トルクの算出が行われる。この算出手順、及び
この算出に用いる磁気センサの選択手順については、本
願出願人による前記特願平11−100665号等に詳しく述べ
られており、ここでの説明は省略する。
【0034】駆動制御部5の出力は、出力軸32の中途に
前述の如く配された操舵補助用のモータMに与えられて
おり、駆動制御部5は、基本的には、前述の如く算出さ
れた操舵トルクの方向に、該操舵トルクの大きさに応じ
た回転力を発すべく前記モータMを駆動する操舵補助動
作を行う。このときモータMの回転力は、前述の如くウ
ォーム34及びウォームホイール35を介して出力軸32に伝
達され、該出力軸32の下端に連設されたピニオン40に回
転力が付与されて舵取りが補助される。
【0035】一方駆動制御部5は、適宜の操向状態から
直進状態への戻り動作中に出力側のモータMに動作指令
を発し、該モータMを対応する方向に駆動することによ
り、直進状態への復帰を速やかに行わせるための戻し制
御動作を行う。この戻し制御動作は、前述の如く算出さ
れる舵角をフィードバック信号として用い、算出舵角が
零となるまで、即ち、舵角中点となるまで前記モータM
を駆動することによりなされるが、この動作を確実に行
わせるためには、前記算出舵角が実際の舵角に精度良く
対応していることが必要である。
【0036】しかしながら舵角の算出は、前述の如く、
サンプリング周期毎に与えられる磁気センサ1A,2Aの出
力電圧V1A,V2A、又は磁気センサ1B,2Bの出力電圧V
1B,V2Bを積算してなされており、各サンプリング時に
おけるわずかな誤差の集積により経時的な精度低下が生
じることが避けられない。本願発明においては、このよ
うな精度低下を解消すべく以下の如き舵角中点更新処理
を行う。
【0037】図3は、舵角中点更新処理の内容を示すフ
ローチャートであり、この処理動作は、磁気センサ1A,
2A又は磁気センサ1B,2Bの出力のサンプリング毎に、前
述した操舵補助動作及び戻し制御動作と併行して行われ
る。なお駆動制御部5の入力側には、以下の舵角中点更
新処理に用いるべく、車両の走行速度を検出する車速セ
ンサ6の出力が与えられている。また以下の説明におい
ては、入力軸31側のターゲット歯20,20…に対向する磁
気センサ1A,2Aの出力電圧V1A,V2Aを用い、入力軸31
の回転角度を舵角算出値として求める場合について説明
しているが、出力軸32の回転角度を舵角算出値として求
める場合についても同様の処理が可能であることは言う
までもない。
【0038】駆動制御部5は、キースイッチのオン操作
による電源供給に応じてその動作を開始し、入力側に接
続された磁気センサ1A,1Bの出力電圧V1A,V1Bと磁気
センサ2A,2Bの出力電圧V2A,V2Bとを所定のサンプリ
ング周期にて取り込み(ステップ1)、これらの内、線
形変化領域にある組の出力差ΔV1 又はΔV2 を用いて
操舵軸3に加わっている操舵トルクTを算出する(ステ
ップ2)。また入力軸31側の磁気センサ1A,2Aの出力電
圧V1A,V2Aの内、線形変化領域にある一方を用いて入
力軸31の回転角度、即ち、舵角θを算出する(ステップ
3)。
【0039】なおステップ3において算出された舵角θ
は、前述した戻し制御において、操舵補助用のモータM
の駆動のためのフィードバック信号として用いられ、ま
た、前述した操舵補助動作において、ステップ2におい
て算出された操舵トルクTの算出結果に基づいて操舵補
助用のモータMの駆動電流を求める際の補正係数として
使用される。更に前記舵角θは、トラクション制御、エ
ンジンの出力制御、ABS制御等、車両の各部において
なされる各種の制御のための制御手段に与えられ、夫々
の制御動作に使用される。
【0040】次いで駆動制御部5は、ステップ2におけ
る算出トルクTが所定の不感帯ΔT内にあるか否かを調
べ(ステップ4)、不感帯ΔT外にある場合、後述する
計時用タイマをリセットし(ステップ5)、以下の更新
処理を行うことなくステップ1に戻り、次なる出力電圧
の取り込みを行う。
【0041】一方、前記算出トルクTが前記不感帯ΔT
内にある場合、駆動制御部5は、入力側に接続された車
速センサ6の出力を取り込み、現状の車速vを算出して
(ステップ6)、算出された車速vが予め設定された下
限車速vmin 以上であるか否かを調べ(ステップ7)、
下限車速vmin 未満である場合には、前記ステップ5に
進み、計時用タイマをリセットしてステップ1に戻り、
次なる出力電圧の取り込みを行う。
【0042】一方、算出された車速vが下限車速vmin
以上である場合、計時用タイマをセットし、予め設定さ
れた上限時間tが経過するまで操舵トルクT及び車速v
の監視を継続し(ステップ8)、前述した状態、即ち、
車速vが下限車速vmin 以上であり、操舵トルクTが不
感帯ΔT内にある状態が、前記上限時間tが経過するま
で継続したときステップ9に進み、前記ステップ3にお
いて算出されている舵角θを零として舵角中点を更新
し、ステップ1に戻って同様の動作を繰り返す。
【0043】以上の動作により、車速vが下限車速v
min 以上である高速走行中に、操舵軸3に加わる操舵ト
ルクTが小さい状態が上限時間tだけ継続したとき、操
舵がなされておらず、舵角中点にあると判定されて、現
状における舵角θを零とする舵角中点の更新が行われ
る。これ以降は、更新された舵角中点を起点として前述
した舵角θの算出が行われることとなり、更新前の舵角
θの算出過程において集積された誤差が解消されて、正
確な舵角θの算出が行われるようになる。
【0044】前記更新の条件として、車速vが下限車速
min 以上であることを加えてあるのは、例えば、前輪
が転舵された状態での停車中に、操舵トルクTが小さい
状態が継続する結果として、誤った更新がなされないよ
うにするためである。また前記更新の条件として、前記
上限時間tの継続を加えてあるのは、例えば、高速走行
中に舵輪30の切り返しがなされた場合等において、瞬間
的に発生する操舵トルクの低下時に、この操舵トルクの
検出に応じて舵角中点の誤った更新がなされることを防
止するためである。なお、前記下限車速vmin 及び上限
時間tの値は、実車の走行テストの結果等を参照して適
宜に設定すればよい。
【0045】また以上の実施の形態においては、本願出
願人により特願平11−100665号に提案されたトルク検出
装置を用いているが、本発明は、操舵軸3の2か所にお
いて各別に検出された回転角度の差に基づいて操舵トル
クを求める構成としてあり、操舵トルクと共に舵角の検
出を可能としたトルク検出装置全般において適用可能で
あることは言うまでもない。
【0046】更に以上の実施の形態においては、ターゲ
ット環2,2の外側に対向配置された2個のセンサボッ
クス1a,1bの一方に2つの磁気センサ1A,1Bを収納し、
他方に2つの磁気センサ2A,2Bを収納した構成としてあ
るが、これら4つの磁気センサ1A,1B,2A,2Bは、ター
ゲット環2,2外周のターゲット歯20,20…に対する前
述した位相差を保った位置関係において単一のセンサボ
ックス内に収めるようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の第1発明に係
るトルク検出装置においては、車両の走行速度が所定値
以上である高速走行中であって、操舵トルクの算出値が
予め設された下限値値以下であるとき、舵輪の操作がな
されていない直進走行中であると判定して、その時点に
おける舵角算出手段の算出舵角により舵角中点を更新す
る構成としたから、中点検出のための専用の検出手段を
設けることなく経時的な誤差の集積による舵角算出値の
精度低下を緩和し、長期に亘って正確な舵角検出が可能
となる。
【0048】また第2発明に係るトルク検出装置におい
ては、舵角中点の更新条件として、算出トルクが所定値
以下となる状態が所定時間継続することを加えたから、
走行中に瞬間的に発生する操舵トルクの低下時に舵角中
点の誤った更新がなされることを防止することができ、
舵角の算出精度を一層向上することができる。
【0049】更に第3発明に係る電動パワーステアリン
グ装置においては、高精度の舵角検出が可能である第1
又は第2発明のトルク検出装置を用い、逐次更新された
舵角中点を目標値として操舵補助用のモータを駆動する
戻し制御を行う構成としたから、この戻し制御を精度良
く実現することが可能となる等、本発明は優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルク検出装置を備えた電動パワ
ーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】磁気センサの出力電圧の変化態様の一例を示す
説明図である。
【図3】舵角中点更新処理の内容を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1A,2A,1B,2B 磁気センサ 2 ターゲット環 3 操舵軸 4 舵取装置 5 駆動制御部 6 車速センサ 20 ターゲット歯 30 舵輪 31 入力軸 32 出力軸 33 トーションバー 40 ピニオン 41 ラック軸 M モータ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 113:00 B62D 113:00 119:00 119:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の舵取装置と舵輪とを連絡する操舵
    軸の中途に、軸長方向に離隔して配された第1,第2の
    回転角センサと、第1又は第2の回転角センサの出力履
    歴に基づいて舵角中点からの前記操舵軸の回転角度を算
    出する舵角算出手段と、第1及び第2の回転角センサの
    出力差に基づいて前記舵輪に加わえられる操舵トルクを
    算出する操舵トルク算出手段とを備えるトルク検出装置
    において、 前記車両の走行速度が所定値を超える走行中、前記操舵
    トルク算出手段による算出トルクが所定値以下であると
    き、前記舵角算出手段による算出角度に基づいて前記舵
    角中点を更新する手段を備えることを特徴とするトルク
    検出装置。
  2. 【請求項2】 前記舵角中点の更新を、前記算出トルク
    が所定値以下となる条件が所定時間継続することを条件
    として実行する請求項1記載のトルク検出装置。
  3. 【請求項3】 車両の舵取装置に付設された操舵補助用
    のモータを、舵輪に加えられる操舵トルクの検出結果に
    基づいて駆動し、前記舵取装置に操舵補助力を加える電
    動パワーステアリング装置において、 前記車両の走行速度を検出する車速センサと、 前記操舵トルクを検出すべく用いられた請求項1又は請
    求項2記載のトルク検出装置と、 前記舵輪の戻し操作に応じて前記トルク検出装置により
    更新される舵角中点を目標位置として前記モータを駆動
    し、舵角中点への復帰を補助する戻し制御手段とを備え
    ることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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