JP4055495B2 - 回転角検出装置及びトルク検出装置 - Google Patents

回転角検出装置及びトルク検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体の回転角を検出する回転角検出装置、並びに回転体に加わるトルクを検出するトルク検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両に搭載され、運転手の操舵動作を補助する操舵補助装置には、操舵補助力として例えば電動モータの回転力を付与する電動パワーステアリング装置がある。このような電動パワーステアリング装置は、操舵部材及び操向用の車輪側にそれぞれ連結され、運転手の操舵動作に伴って回転する入力軸及び出力軸を備えている。さらに、このステアリング装置には、上記入出力軸の各回転角を検出するセンサ部を含んだ回転角検出装置及びこの検出装置の検出結果を用いて上記操舵部材に加わる操舵トルクを検出するトルク検出装置が組み込まれており、当該ステアリング装置は検出した操舵トルクに基づき電動モータへの指令値を決定し、減速機構を介して操舵系にモータ回転力を伝達させることにより、当該操舵系に操舵補助力を付与させて操舵アシストを行う(例えば特開2002−107112号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記回転角検出装置のセンサ部には、入出力軸毎に一体回転可能に取り付けられたターゲット円盤と、この円盤の外周面に所定のギャップをおいて対向配置された磁気抵抗効果素子を有し、対応する入出力軸の回転に応じて周期的に変化する出力信号を出力する磁気センサとが設けられている。
ところが、上記磁気センサでは、その出力信号の振幅が周囲温度や上記ギャップの変化の影響を受け易く、当該信号振幅は周囲温度などの変化に応じて変化し易いものであった。具体的には、例えば周囲温度が上昇した場合では、上記磁気抵抗効果素子の抵抗値が小さくなり、その抵抗値の変化によって信号振幅もまた低下した。この結果、磁気センサの出力特性が安定しないという問題があった。
【0004】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、センサ部における温度変化などの影響を抑えることができ、安定した出力特性を確保することができる回転角検出装置及びトルク検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転角検出装置は、回転体の回転に応じた出力信号を出力するセンサ部を有し、このセンサ部からの出力信号に基づき前記回転体の回転角を検出する回転角検出装置であって、前記センサ部からの出力信号を増幅する反転増幅器が設けられるとともに、前記センサ部は、当該センサ部の抵抗値の変化に応じて前記反転増幅器の増幅率が変化するように、前記センサ部の出力端が入力抵抗体を介して、その増幅器の反転入力端子側に接続され、かつ前記反転増幅器は、増幅後の前記出力信号の振幅が前記回転体の検出した回転に応じて実質的に一定な値となるように、当該反転増幅器の前記入力抵抗体の抵抗値が、下記式に基づいて設定され、前記センサ部からの前記出力信号を増幅することを特徴とするものである(請求項1)。
C2 = (r12 × C1)/(r12 + r3)
ただし、上記式中、r3は、前記反転増幅器の入力抵抗体の抵抗値、r12は、前記センサ部の抵抗値、C1は、前記センサ部の抵抗値の温度係数、C2は、前記センサ部の出力信号の信号振幅の温度係数である。
【0006】
上記のように構成された回転角検出装置では、上記センサ部の抵抗値の変化に応じて反転増幅器の増幅率が変化するように、その増幅器の反転入力端子側にセンサ部を接続するとともに、増幅後の出力信号の振幅が回転体の検出した回転に応じて実質的に一定な値となるように、当該増幅器はセンサ部から入力した上記出力信号を増幅している。これにより、増幅前の出力信号の振幅が周囲温度の変化などに起因して変化したときでも、増幅後の出力信号を実質的に一定な振幅値で常に安定して出力することができる。
【0007】
また、上記回転角検出装置(請求項1)によれば、反転増幅器の回路規模を複雑かつ大型化することなく、増幅前の出力信号の振幅が周囲温度の変化などに起因して変化したときでも、増幅後の出力信号を実質的に一定な振幅値とすることができる。
【0008】
また、上記回転角検出装置(請求項1)において、前記センサ部は、前記回転体に一体回転可能に設けられた磁性体を有するターゲットと、磁気抵抗効果素子を有し前記磁性体に対向して配置された磁気センサとを備えてもよい(請求項)。
この場合、上記磁気センサからの出力信号を、回転体の回転角の変化に応じて周期的に変化する周期信号とすることができ、センサ部での回転体の回転検出精度を安価な構成で容易に向上することができる。
【0009】
また、本発明のトルク検出装置は、第1の回転軸とこの回転軸と同軸的に連結された第2の回転軸を備えた回転体に対して、前記第1及び第2の各回転軸に請求項1又は2のいずれかに記載の回転角検出装置を設けるとともに、対応する前記回転角検出装置によって検出された前記第1及び第2の回転軸の各回転角を用いて、前記回転体に加わるトルクを検出するトルク検出部を備えたことを特徴とするものである(請求項)。
【0010】
上記のように構成されたトルク検出装置(請求項)では、上記回転角検出装置からトルク検出部への出力信号は、周囲温度の変化などにかかわらず上記実質的に一定な振幅値で常に安定した状態で出力される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回転角検出装置及びトルク検出装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明では、従来例との対比を容易なものとするために、操舵補助装置としての電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による電動パワーステアリング装置の構造を模式的に示す図である。図において、当該装置は、例えば自動車に搭載され、操舵部材(ステアリングホイール)1とピニオン2との間に、操舵軸3を介在させたものである。操舵軸3は、その中心に設けられたトーションバー31と、トーションバー31の入力側(上方)に固定された第1の回転軸としての入力軸32と、トーションバー31の出力側(下方)に固定された第2の回転軸としての出力軸33とを備えている。入力軸32と出力軸33とは、互いに同軸に配置されているが、相互には直接連結されておらず、トーションバー31を介在させて同軸的に連結されている。
【0013】
上記入力軸32には操舵部材1が連結され、運転手の操舵動作による操舵部材1の回転が直接的に伝えられるようになっている。
上記出力軸33には、ウォーム5及びこれに噛み合うウォームホイール4を有する減速機構と、上記ウォーム5が出力軸に一体回転可能に取り付けられ制御ユニット21により制御される操舵補助用の電動モータ6とが連結されており、当該電動モータ6の回転を減速しピニオン2に操舵補助力として伝達する。このピニオン2の回転が、ラック7の直線運動に変換され、左右のタイロッド8を介して操向車輪9が転舵される。尚、上記減速機構と電動モータ6とが、操舵部材1から操向車輪9に至る操舵系に操舵補助力を付与する操舵補助部を構成している。
【0014】
また、上記入力軸32及び出力軸33には、本発明の回転角検出装置に含まれたセンサ部が設けられており、操舵部材1への上記操舵動作に伴い回転する入出力軸32,33の各回転角を検出するようになっている。具体的には、図2も参照して、入力軸32には、第1のターゲット板34が一体回転可能に取り付けられ、さらにこのターゲット板34の外周外方に第1の磁気センサA1,B1が配置されている。同様に、出力軸33には、第2及び第3のターゲット板35,36が一体回転可能に取り付けられ、さらにこれらターゲット板35,36の外周外方に第2及び第3の磁気センサA2,B2及びA3,B3がそれぞれ配置されている。
【0015】
上記第1のターゲット板34と第1の磁気センサA1,B1とが入力軸32の回転角に応じた信号を制御ユニット21に出力する第1のセンサ部Pを構成し、第2のターゲット板35と第2の磁気センサA2,B2とが出力軸33の回転角に応じた信号を制御ユニット21に出力する第2のセンサ部Qを構成している。また、第3のターゲット板36と第3の磁気センサA3,B3とは出力軸33の回転角に応じた信号を制御ユニット21に出力する第3のセンサ部Rを構成するものであり、制御ユニット21が上記第2及び第3のセンサ部Q,Rの出力を用いて出力軸33の絶対回転位置を検出するようになっている。
また、上記センサ部P,Q,Rの各出力信号は、後述の反転増幅器を経て制御ユニット21内に入力されるようになっており、後に詳述するように、その信号振幅が実質的に一定な値となるように上記増幅器で増幅された後、制御ユニット21に対して出力される。
【0016】
上記各ターゲット板34〜36は、平歯車状の形態を成し、磁性体から成る外周の歯が周方向に等間隔で凹凸のターゲットを形成している。歯数は、第1のターゲット板34と第2のターゲット板35とが同数N(例えば36)で、第3のターゲット板36はNとは互いに素(1以外の公約数をもたない)である数(例えば35)である。
また、第1〜第3の磁気センサA1,B1,A2,B2,A3,B3は、対応するターゲット板34〜36の外周の歯に対向するように、3段2列に配置されており、これらはセンサボックス10に収められている。センサボックス10は車体の所定位置に固定されたものであり、各磁気センサA1,B1,A2,B2,A3,B3と対応する上記外周の歯とのギャップを所定距離で確保して維持するようになっている。また、第1の磁気センサA1,B1は、第1のターゲット板34の互いに異なる周方向位置に対向して配置されている。同様に、第2の磁気センサA2,B2は、第2のターゲット板35の互いに異なる周方向位置に対向して配置され、第3の磁気センサA3,B3は、第3のターゲット板36の互いに異なる周方向位置に対向して配置されている。
【0017】
上記の各磁気センサA1〜A3,B1〜B3は、磁界の作用により抵抗が変化する特性をもつ素子、例えば磁気抵抗効果素子(MR素子)を有するものであり、対向する各ターゲット板34〜36の外周の凹凸に応じて周期的に変化する電圧信号を出力する。詳細には、運転手のステアリング操作に応じて、第1のターゲット板34が入力軸32と共に回転すると、外周の凹凸により第1の磁気センサA1,B1の出力信号は入力軸32及びターゲット板34の回転角の変化(角変位)に応じて周期的に変化する周期信号となる。また、第2のターゲット板35が出力軸33と共に回転すると、外周の凹凸により第2の磁気センサA2,B2の出力信号は出力軸33及びターゲット板35の回転角の変化に応じて周期的に変化する周期信号となり、第3のターゲット板36が出力軸33と共に回転すると、外周の凹凸により第3の磁気センサA3,B3の出力信号は出力軸33及びターゲット板36の回転角の変化に応じて周期的に変化する周期信号となる。
【0018】
また、上記第1の磁気センサA1とB1とは、それらの出力信号が、図3に示すように、電気角で例えばπ/2の位相差を生じるよう第1のターゲット板34に対向して配置されている。同様に、第2の磁気センサA2とB2とは、それらの出力信号がπ/2の位相差を生じるよう第2のターゲット板35に対向して配置され、第3の磁気センサA3とB3とは、それらの出力信号がπ/2の位相差を生じるよう第3のターゲット板36に対向して配置されている。このように、第1〜第3のセンサ部P,Q,Rにおける2つの磁気センサA1〜A3,B1〜B3からの出力信号の位相を各々ずらすことにより、対応するターゲット板34〜36の凹凸形状に応じて、非線形な変化が出力波形の極大値及び極小値付近で現れたときでも、制御ユニット21は2つの磁気センサA1〜A3,B1〜B3の一方の信号が非線形領域のときは他方の線形領域の信号を用いることができ、入出力軸32,33の各回転検出精度が低下するのを防ぐことができる。
【0019】
さらに、第3のターゲット板36の歯数(=35)が第2のターゲット板35の歯数(=36)より1少ないことにより、第3の磁気センサA3,B3の出力は、第2の磁気センサA2,B2の出力と比べて、出力軸33の回転量(2π/36)当たりに((2π/36)−(2π/35))の位相ずれを生じ、出力軸33の1回転で元に戻る。従って、予め出力軸33の絶対回転位置と上記位相のずれとの関係を調べてテーブル化しておくことにより、位相ずれから出力軸33の絶対回転位置を割り出すことができる。このようなテーブルは、制御ユニット21の後述のデータ記憶部に予め格納されている。
【0020】
また、上記の各センサ部P,Q,Rでは、磁気センサA1〜A3,B1〜B3が各々反転増幅器を介して制御ユニット21に接続されている。
詳細には、例えば磁気センサA1は、図4(a)に示すように、直列に接続され、上記MR素子を各々構成する2つの抵抗体R1,R2と、この直列の抵抗体R1,R2の両端に所定の直流電圧を印加する直流源V1とを有するハーフブリッジタイプのセンサであり、上記抵抗体R1,R2の接続点を当該センサA1の出力端として反転増幅器11の反転入力端子側に接続されている。そして、このセンサA1の上記出力端での電位が、入力軸32及びターゲット板34の回転に応じて周期的に変化することにより、当該センサA1は、上記電圧信号を反転入力端子に出力する。尚、他の磁気センサA2〜A3,B1〜B3も同図(a)に示したセンサA1と同一に構成されている。
【0021】
上記反転増幅器11は、信号増幅を行うオペアンプ11aと、磁気センサA1の上記出力端とオペアンプ11aの反転入力端子との間に接続された入力抵抗体R3と、上記反転入力端子とそのアンプの出力端子との間に接続されたフィードバック抵抗体R4とを備えている。また、オペアンプ11aは、その非反転入力端子から入力される直流電圧により、その出力電圧のオフセット調整が行われるようになっている。
また、反転増幅器11では、その増幅率が磁気センサA1の抵抗値の変化に応じて変化するように、そのセンサA1の上記出力端が直接的に反転入力端子側に接続されており、さらにこの増幅器11は、増幅後の前記出力信号の振幅が入力軸32の検出した回転に応じて実質的に一定な値となるように、反転入力端子に入力した当該センサA1の出力信号を増幅している。
【0022】
具体的にいえば、上記磁気センサA1の回路は、テブナンの定理により、図4(b)に示す等価回路に置き換えられるものであり、その回路に示すように、上記抵抗体R1,R2はセンサA1と反転増幅器11との接続点Tから見た並列合成抵抗体R12に置換され、さらに上記直流源V1は上記接続点Tで電圧出力が周期的に変化する交流源V2に置換される。この結果、反転増幅器11の増幅率αは、その増幅器11が本来的に有する上記入力抵抗体R3及びフィードバック抵抗体R4の抵抗値r3及びr4だけでなく、センサ側の上記並列合成抵抗体R12の抵抗値r12を含んだ次の(1)式で表される。
【0023】
【式1】
Figure 0004055495
【0024】
上記並列合成抵抗体R12の抵抗値r12は、上記抵抗体R1,R2の各温度係数を合成した当該抵抗体R12の温度係数C1に応じて変化するものであり、例えば図5(a)に示すように、抵抗値r12は温度によって異なる値を示す。また、増幅前の上記信号振幅Vppもまた、例えば同図(b)に示すように、温度変化に応じて変化する。
ここで、温度変化及び増幅前の信号振幅Vppの温度係数をそれぞれΔt及びC2とし、上記温度係数C1に比べて小さい反転増幅器11側の入力抵抗体R3及びフィードバック抵抗体R4の温度係数を無視すると、当該増幅器11の出力端Voutから出力される増幅後の信号振幅Vaは、下記の(2)式で求められる。
【0025】
【式2】
Figure 0004055495
【0026】
上記(2)式の右辺において、温度変化Δtの係数が同じであれば、増幅後の信号振幅Vaを温度変化Δtの影響を受けることなく一定の値とすることができる。すなわち、下記(3)式が成立する。
【0027】
【式3】
Figure 0004055495
【0028】
上記(3)式のうち、並列合成抵抗体R12の抵抗値r12は磁気センサA1固有の固定値であり、その抵抗体R12の温度係数C1及び信号振幅Vppの温度係数C2はそのセンサ出力特性に基づき当該センサ固有の一定値として定めることができる。それゆえ、反転増幅器11の入力抵抗体R3の抵抗値r3を予め調整することにより、増幅後の信号振幅Vaを実質的に一定な値にすることができる。具体的には、上記抵抗値r12が500Ωであり、温度係数C1及び温度係数C2がそれぞれ(−1)%/℃及び(−0.3)%/℃とすると、抵抗値r3は(3)式から1166Ωと求められ、1200Ωの抵抗値を選択することができる。そして、反転増幅器11では、その選択した抵抗値を有する抵抗体を上記抵抗体R3として用いることにより、並列合成抵抗体R12の抵抗値r12が温度変化Δtにより変化しても、その温度変化Δtの影響を排除するよう増幅率を自動的に変化させて当該増幅器11は磁気センサA1からの出力信号の振幅を検出した入力軸32の回転に応じた実質的に一定な値として制御ユニット21に対し出力することができる。
【0029】
尚、上記の説明では、反転増幅器11の増幅率を変化させることにより、上記抵抗値r12の温度変化Δtに対する温度補償を実施し、増幅後の出力信号の振幅を実質的に一定な値とする構成について説明したが、入力軸32の軸振れ等に起因するターゲット板34との間のギャップ変化によって増幅前の出力信号の振幅が変化したときでも、反転増幅器11は温度変化Δtの場合と同様に、ギャップ変化の影響を排除するよう増幅率を自動的に変化させることで増幅後の出力信号の振幅を実質的に一定な値とすることができる。
また、上記の説明以外に、上記入力抵抗体R3を可変抵抗器により構成し、この可変抵抗器と上記出力端Voutとの間に帰還回路などを設けて、フィードバック制御を行い当該可変抵抗器の抵抗値(すなわち上記抵抗値r3)を変更して増幅率を変化させることにより、反転増幅器11は磁気センサA1からの信号振幅を完全に一定値に一致させて出力することもできる。但し、上記のように入力抵抗体R3の抵抗値r3を予め設定する場合の方が、反転増幅器11の回路規模を複雑かつ大型化することなく、上記抵抗値r12の温度変化やギャップ変化にかかわらず増幅後の信号振幅Vaを実質的に一定値とすることができる点で好ましい。
【0030】
上記制御ユニット21は、第1〜第3のセンサ部P,Q,Rの出力を用いて所定の演算を行う演算部21aと、この演算部21aの演算結果に基づき電動モータ6の駆動制御を行う駆動制御部21bとを備えている。この制御ユニット21には、車速センサ22によって検出された車速の信号が入力されるようになっており、自動車の走行速度を鑑みて電動モータ6で発生させる回転力を決定するようになっている。また、制御ユニット21には、不揮発性メモリ等により構成されたデータ記憶部(図示せず)が設けられており、このデータ記憶部には、電動モータ6の駆動制御に必要なプログラムやテーブル化された情報等が予め格納され、さらには当該ユニット21の各部での演算結果などや上記車速センサ22などからの自動車の走行状態等を示す情報が適宜記憶される。
【0031】
上記演算部21aは、磁気センサA1〜A3,B1〜B3の出力信号を用いて対応する入出力軸32,33の各回転角を検出する回転角検出部の機能、この回転角検出部によって検出された上記各回転角を用いて上記操舵部材1に加わる操舵トルクを検出するトルク検出部の機能、及び上記検出された各回転角を用いて操舵部材1に加わる操舵トルク及び操舵角を演算により求め、その求めた操舵トルク及び操舵角に基づき上記操舵補助部から付与させる操舵補助力を決定する機能をもつように構成されている。具体的には、演算部21aは、所定のサンプリング周期で、例えばセンサ部P,Qの出力を取得し、対応する入力軸32及び出力軸33の回転角を得た後、入出力軸32,33の相対回転角の絶対値を求めて、上記操舵部材1に加わる操舵トルク及び操舵角を算出する。また、演算部21aは、算出した操舵トルク及び操舵角に基づき電動モータ6への指令値を決定し駆動制御部21bに指示する。尚、演算部21aが、第3のセンサ部Rの出力を用いることにより、出力軸33の絶対回転角の絶対値を求め、上記操舵トルク及び操舵角を算出することもできる。
上記駆動制御部21bは、演算部21aから指示された指令値に基づいて電動モータ6に電流を供給して当該電動モータ6を駆動する。これにより、本実施形態の電動パワーステアリング装置は、運転手の操舵動作を検出しその動作に応じた操舵補助力を付与することができる。
【0032】
以上のように、本実施形態による電動パワーステアリング装置では、センサ部P,Q,Rの抵抗値が周囲温度の変化や対応するターゲット板34〜36との間のギャップ変化などに起因して変化したときでも、上記反転増幅器11がその増幅率を変化することで対応する磁気センサA1〜A3,B1〜B3からの各出力信号の振幅を実質的に一定な値として制御ユニット21に対し出力することができるので、磁気センサA1〜A3,B1〜B3の増幅前の各信号振幅が周囲温度の変化などに起因して変化したときでも、増幅後の各出力信号を実質的に一定な振幅値で常に安定して出力することができる。従って、磁気センサA1〜A3,B1〜B3での温度変化などの影響を抑えることができ、安定した出力特性を確保することができる。また、このように温度変化などにかかわらず、センサ出力特性を安定した状態で確保することができることから、制御ユニット21の演算部21aは入出力軸32,33の各回転角、操舵部材1に加わる操舵トルク及び操舵角を容易に、かつ精度よく検出することができ、しかも上記操舵補助部から付与させる操舵補助力を運転手の操舵動作に応じて適切に決定して、操舵アシストを行うことができる。
【0033】
また、本実施形態の第1〜第3のセンサ部P,Q,Rでは、各磁気センサA1〜A3,B1〜B3の出力信号が対応する入力軸32または出力軸33の回転角の変化に応じて周期的に変化する周期信号となるので、当該センサ部P,Q,Rでの入出力軸32,33の各回転検出精度を安価な構成で容易に向上することができ、制御ユニット21は演算により運転手の操舵動作に伴う操舵トルク及び操舵角を正確に把握することができる。この結果、制御ユニット21は、電動モータ6への指令値を正確に決定し、運転手の操舵動作に対応したさらに適切な操舵補助力でアシストすることができる。
【0034】
尚、上記の説明では、各センサ部P,Q,Rにおいて、MR素子を各々構成する直列の抵抗体R1,R2と直流源V1とを有するハーフブリッジタイプの磁気センサを用いた場合について説明したが、本発明はセンサ部の抵抗値の変化に応じて反転増幅器の増幅率が変化するように、その増幅器の反転入力端子側に上記センサ部を接続し、かつ上記反転増幅器が増幅後のセンサ出力信号の振幅が回転体の検出した回転に応じて実質的に一定な値となるように当該センサ部からの出力信号を増幅するものであればよく、センサ方式などのセンサ部の構成は上記のものに何等限定されない。具体的には、4つの抵抗体(MR素子)からなるフルブリッジタイプのMRセンサと、このMRセンサからの2つの出力を差動増幅する差動増幅器とを有するセンサ部において、2つの上記反転増幅器を上記MRセンサと差動増幅器との間に配置し、そのMRセンサの2つの出力を2つの上記反転増幅器の反転入力端子にそれぞれ入力させることにより、各出力の温度ドリフトなどの影響を排除し温度補償等を施した信号振幅として安定した出力特性を差動増幅器から得ることもできる。
【0035】
また、上記の説明以外に、平歯車状のターゲット板34〜36に代えてスリット状の多数の孔が周方向に等間隔で形成されたリング状のターゲットや、外周面に磁極のN・Sを交互に配置したターゲットを用いてもよいし、入力軸32や出力軸33を磁性体とし、対応するターゲット板34〜36と一体的に構成してもよい。さらに、磁気センサの代わりに光学センサ等を用いて上記スリット状の多数の孔位置を検出し軸回転に応じた周期信号を出力させる構成や、ターゲット板34〜36の外周ではなくその円盤側面上に磁性体を設けて、この磁性体の上方で操舵軸3の軸方向と平行に配置した磁気センサ等により回転角を検出するものでもよい。
【0036】
また、上記の説明では、減速機構と電動モータ6とで上記操舵系に操舵補助力を付与する操舵補助部を有する電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明したが、本発明の回転角検出装置及びトルク検出装置は、上記操舵トルクなどに基づき油圧バルブを制御する油圧式パワーステアリング装置にも適用することができる。
また、上記操舵補助装置以外に、本発明の回転角検出装置を、例えばブラシレスモータに適用し、そのモータ軸の回転角を検出させることにより、回転数検出及びモータ制御の各精度を容易に向上させることができる。また、トルク検出を必要とする装置、例えば補助動力付自転車(いわゆる電動自転車)に上記回転角検出装置を含んだトルク検出装置を組み込むことにより、人力駆動力(ペダル踏力)を精度よく検出させることもできる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
請求項1の回転角検出装置によれば、センサ部の増幅前の信号振幅が周囲温度の変化などに起因して変化したときでも、上記反転増幅器から出力される増幅後のセンサ部の出力信号を実質的に一定な振幅値で常に安定して出力することができるので、上記センサ部における温度変化などの影響を抑えることができ、安定した出力特性を確保することができる。
【0038】
又、上記回転角検出装置によれば、上記反転増幅器の回路規模を複雑かつ大型化することなく、増幅後の出力信号を実質的に一定な振幅値とすることができ、コスト安価で後続の処理が容易な回転角検出装置を簡単に構成することができる。
【0039】
請求項の回転角検出装置によれば、センサ部での回転体の回転検出精度を安価な構成で容易に向上することができるので、センシング性能に優れ、かつコスト安価な回転角検出装置を簡単に構成することができる。
【0040】
請求項のトルク検出装置によれば、上記回転角検出装置からトルク検出部への出力信号が周囲温度の変化などにかかわらず上記実質的に一定な振幅値で常に安定した状態で出力されるので、トルク検出部でのトルク検出処理を容易に、かつ精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による電動パワーステアリング装置の構造を模式的に示す図である。
【図2】上記電動パワーステアリング装置におけるトーションバー、入力軸、出力軸、各ターゲット板、及び磁気センサを模式的に表した図である。
【図3】上記磁気センサからの出力信号(電圧)を示すグラフである。
【図4】(a)は図1に示したセンサ部及び反転増幅器の構成例を示すブロック図であり、(b)はその等価回路を示すブロック図である。
【図5】上記センサ部の周囲温度による特性変化を示すグラフであり、(a)はそのセンサ部の並列合成抵抗値の温度変化を示すグラフであり、(b)は25℃を基準温度とした場合における、図4の接続点Tでの出力信号の振幅の変化率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 操舵部材
3 操舵軸
32 入力軸(第1の回転軸)
33 出力軸(第2の回転軸)
6 電動モータ(操舵補助部)
9 操向車輪
11 反転増幅器
R3 入力抵抗体
21 制御ユニット
21a 演算部
34〜36 ターゲット板
P,Q,R センサ部
A1〜A3,B1〜B3 磁気センサ

Claims (3)

  1. 回転体の回転に応じた出力信号を出力するセンサ部を有し、このセンサ部からの出力信号に基づき前記回転体の回転角を検出する回転角検出装置であって、
    前記センサ部からの出力信号を増幅する反転増幅器が設けられるとともに、
    前記センサ部は、当該センサ部の抵抗値の変化に応じて前記反転増幅器の増幅率が変化するように、前記センサ部の出力端が入力抵抗体を介して、その増幅器の反転入力端子側に接続され、かつ
    前記反転増幅器は、増幅後の前記出力信号の振幅が前記回転体の検出した回転に応じて実質的に一定な値となるように、当該反転増幅器の前記入力抵抗体の抵抗値が、下記式に基づいて設定され、前記センサ部からの前記出力信号を増幅することを特徴とする回転角検出装置。
    C2 = (r12 × C1)/(r12 + r3)
    ただし、上記式中、r3は、前記反転増幅器の入力抵抗体の抵抗値、r12は、前記センサ部の抵抗値、C1は、前記センサ部の抵抗値の温度係数、C2は、前記センサ部の出力信号の信号振幅の温度係数である。
  2. 前記センサ部は、前記回転体に一体回転可能に設けられた磁性体を有するターゲットと、
    磁気抵抗効果素子を有し前記磁性体に対向して配置された磁気センサとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の回転角検出装置。
  3. 第1の回転軸とこの回転軸と同軸的に連結された第2の回転軸を備えた回転体に対して、前記第1及び第2の各回転軸に請求項1又は2のいずれかに記載の回転角検出装置を設けるとともに、
    対応する前記回転角検出装置によって検出された前記第1及び第2の回転軸の各回転角を用いて、前記回転体に加わるトルクを検出するトルク検出部を備えたことを特徴とするトルク検出装置。
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