JP3200958U - 金型装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、装飾片を製造する過程ではキャリアフィルムを重ねる工程、熱転写後にはキャリアフィルムを剥がす工程が必要になり、工程数の増加が避けられない。
具体的には、金型装置1は、平板状のベース板10(例えば、ベニヤ板等の木製合板、アクリル板などの非導電性部材)と、複数の凸部11(導電性部材であって、例えば、トムソン刃等の鋼材)と、を備えている。
本実施形態の凸部11は、ベース板10に植設され、凸部11の底部がベース板10の底面と面一となっており、凸部11が後述の載置面31(極板)に接触するように構成されている。また、複数の凸部11は相互に所定の間隔をおいて配置されている。
溶着刃部12は、ベース10から上方に向けて立設される先端くさび状に形成される環状リブであり(図5参照)、先端内側の斜面が保持部13として構成されている。
本実施形態の溶着刃部12は、例えば、平面視において空間14を三角形で囲むように立設されることにより、三角形の輪郭形状を有している。
このように構成される金型装置1は、以下に示すように、装飾体の製造から布状体への転写までの各工程において、上下一対の金型のうちの下型として使用される。
装飾体の製造工程では、布状体に転写するための装飾体を製造する。
この工程には、装飾体を構成する樹脂シートと熱接着シートを溶着する溶着工程と、溶着された樹脂シートと熱接着シートに対して溶着刃部12の輪郭形状に沿った型抜きを行い、装飾片を切り抜く型抜き工程とがある。
本実施形態の溶着工程は、高周波誘電加熱により樹脂シート2と熱接着シート3を加熱・溶着させる工程としてある。
この工程では、金型装置1と、金型装置1を載置可能な載置面31を有する下側極板30と、スペーサ部材20と、対向面41を有する上側極板40とを使用し、溶着刃部12の上に、樹脂シート2と、熱接着シート3をこの順に重ねて載置する。
樹脂シート2は、例えば、ポリウレタンなどの熱可塑性の樹脂シートであり、熱接着シート3は、例えば、樹脂シートと布状体に対して高い接着力を有するシート状のホットメルトである。さらに、熱接着シート3の上に、高周波誘電加熱により溶融しない所定の剥離シート4を重ねる。
スペーサ部材20は、平板状のベース板21と、四隅に設けられた脚部22とを備え、少なくともベース板21は導電性を有する所定の金属(例えば、アルミ)により形成されている。
このような順序で重ねられた積層体を、下側極板30と上側極板40との間で挟圧しながら、両極板間において図示しない高周波発振管から電磁波を発生させる。
下側極板30又は上側極板40は、所定のプレス装置に接続され上下動可能に構成されている。
高周波誘電加熱中は、スペーサ部材20のベース板21が上側極板(対向面)として機能する。このような構成においては、溶着刃部12の先端とベース板21との間に挟まれる部分に位置する樹脂シート2と熱接着シート3が溶着されることになる。
挟圧時は、図3(b)に示すように、上側極板40が積層体を過剰に押圧しないように、スペーサ部材20が溶着刃部12と上側極板40との間の間隔を規制する。
例えば、図3(b)に示すように、脚部22が載置面31から僅かに離間する程度まで、上側極板40を降下させることもできるし、この図において、脚部22が下方に延長されているものとして、脚部22が載置面31に接していてもよい。すなわち、スペーサ部材20は、挟圧時において積層体が過剰に圧縮されないように溶着刃部12の先端と上側極板40の接近を制限して、溶着刃部12と対向面41との間の間隔を所定の間隔以上に保持可能としてある。
所定の間隔とは、例えば、挟圧したときの樹脂シート2の厚みが非挟圧時の厚みよりも僅かに薄くなる程度の間隔が好ましい。
また、脚部22の高さは、図3(c)に示すように、高周波誘電加熱後において剥離シート4とベース板20との間に僅かな隙間ができる程度が好ましい。
また、熱接着シート3は、スペーサ部材20の作用によって、それ自身の硬化が抑制され、未硬化状態又は半硬化状態が維持されている。例えば、熱接着シート3の厚みを0.1mmとしたときに、上記の溶着工程により、0.03mmが硬化し、残りの0.07mmが未硬化状態となる。
このような溶着工程を行った後に、以下の型抜き工程を行う。
本実施形態の型抜き工程は、上記の溶着工程により溶着された樹脂シートと熱接着シートに溶着刃部12を押し当てて、当該溶着刃部12の輪郭形状に沿った型抜きを行う、いわゆるプレス抜きであって、加熱処理を行うことなく冷間(例えば、常温)で行われる。
これにより、樹脂シート2と熱接着シート3に溶着刃部12の輪郭形状に沿った切込み線が形成される。なお、エポキシシート6の一部の領域を切り欠くことにより、溶着刃部12の当たらない領域(切断しない領域)を設けることもできる。
この部分の樹脂シート2と熱接着シート3は、図5に示すように、溶着刃部12の先端部付近において相互に溶着されるものの、他の部分では未だ溶着されない未溶着状態となっている。また、樹脂シート2と熱接着シート3は、溶着刃部12の内側傾斜面である保持部13において支持された状態となっている。なお、保持部13は、溶着刃部12の先端から内側に一段下がった段部として形成することもできる。
このような状態において、次に示す転写工程が行われる。
転写工程は、特に図示しないが、図4と同様、下型として機能する金型装置1と、金型装置1を載置可能な下側極板30又は下側極板30とは異なる新たな下側定板と、押圧面51を有する上側定板50又は上側定板50とは異なる押圧面を有する新たな上側定板とを使用する。
ただし、図4とは、上側定板50又は新たな上側定板が加熱された熱プレス板として構成されるとともに、各凸部11の空間14内には装飾片7となる部分がそれぞれ互いに連結することなく独立して保持された状態となっている点において相違する。
また、図5における樹脂シート2と熱接着シート3の間にある空気層Aが熱により膨張し、その結果、熱接着シート3が上方に押し上げられ、押し上げられた熱接着シート3と布状体6とが接合する。
これにより、図6(a)、(b)に示すように、樹脂シート2と熱接着シート3とからなる装飾片7と布状体6が完全に密着して接合された製品が製造されることになる。
また、各工程において金型装置1は下型として機能することから、各工程間を、例えばベルトコンベア等の搬送手段を介して接続することにより、金型装置1を搬送手段に載置したままの流れ作業を行うことにより、それぞれの工程を完了させることができ、作業効率が向上する。
また、本実施形態では、型抜き(プレス抜き)により切込み線を形成したが、図2において溶着とともに溶断を行うことにより切込み線を形成することもできる。この場合には、保持部13は、溶着刃部12の先端から内側に一段下がった段部として形成することが好ましい。
また、輪郭形状は、三角に限らず、四角、丸、星形などの任意な形状を採用することもできる。
また、本実施形態では、ベース板10を非導電性部材により形成したが、溶着刃部12と導通する導電性部材により形成することもできる。
2 樹脂シート
3 熱接着シート
10 ベース板
11 凸部
12 溶着刃部
13 保持部
14 空間
20 スペーサ部材
41 対向面
51 押圧面
Claims (5)
- 所定の輪郭形状を有する溶着刃部を備え、前記溶着刃部に対して対向配置される対向面との間において少なくとも所定の樹脂シート及び所定の熱接着シートを挟圧しながら加熱し、前記樹脂シート及び前記熱接着シートを前記輪郭形状に沿って溶着可能な金型装置であって、
前記溶着刃部は、
前記樹脂シート及び当該樹脂シート上に重ねて配置される前記熱接着シートを載置可能に上方に向けて立設されるとともに、
切断又は溶断された前記樹脂シート及び前記熱接着シートを保持する保持部を備える
ことを特徴とする金型装置。 - 前記溶着刃部と前記対向面との間に配置され、前記挟圧時における前記溶着刃部と前記対向面との間の間隔を所定の間隔以上に保持可能なスペーサ部材を備える
ことを特徴とする請求項1記載の金型装置。 - 前記溶着刃部は、
前記輪郭形状に沿って溶着された前記樹脂シート及び前記熱接着シートを載置した状態において、前記熱接着シートに対して対向配置される所定の押圧面により押圧可能に形成され、
溶着された前記樹脂シート及び前記熱接着シートに前記輪郭形状に沿った切込み線が形成される
ことを特徴とする請求項1又は2記載の金型装置。 - 前記溶着刃部は、
切断又は溶断された前記樹脂シート及び前記熱接着シートを保持した状態において、所定の被転写体が重ねられ、前記被転写体に対して対向配置されるとともに加熱された所定の押圧面により押圧可能に形成され、
前記被転写体に前記切断又は溶断された前記樹脂シート及び前記熱接着シートが転写される
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金型装置。 - 前記樹脂シートと前記熱接着シートとが誘電加熱により溶着される誘電加熱用の金型装置である
ことを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載の金型装置。
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59214614A (ja) * | 1983-05-19 | 1984-12-04 | Brother Ind Ltd | シ−ト状基材上に装飾用シ−トからなる装飾模様を形成する方法 |
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WO2011151904A1 (ja) * | 2010-06-02 | 2011-12-08 | 黒田 暢夫 | 熱可塑性合成樹脂製立体装飾片の製造方法と製造装置 |
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2015
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