JP5664254B2 - パワーモジュール用基板の製造方法及びろう材箔の接合装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2においては、活性金属ろう材ペースト層の表面に複数の突起部を形成し、活性金属ろう材ペースト層上に突起部を介して導体パターン層(金属板)を載置し、非酸化性雰囲気中で加熱することによりセラミックス基板と導体パターン層とを接合している。活性金属ろう材ペースト層が溶融するまでの間、導体パターン層は突起部を介して配置されていることから、昇温時に導体パターン層が熱膨張したとしてもセラミックス基板上の活性金属ろう材ペーストが導体パターン層に引きずられて、その外側にはみ出すこともなく、位置精度よく接合できることが開示されている。
溶接部を、導体パターン層の外形線と重ねて形成し、その部分を打ち抜くので、打ち抜いた導体パターン部材は、導体パターン層とろう材箔とが外縁で溶接されることになる。このため、ろう材箔のめくれや折れ曲がりが生じにくく、その結果、ろう材箔を積層面に全面にわたって行き渡らせることができるので、セラミックス基板と導体パターン層とを強固に接合することができる。
溶接部の範囲を比較的長くすることができるので、確実に導体パターン層とろう材箔とを接合することができる。また、走行方向ではなく幅方向に溶接することで、線状に連続した溶接部を設ける場合でも、溶接部においてろう材箔にしわが生じにくい。
パイロット孔を開けた後の抜き材が、基材とろう材箔の部分で分かれることがなく一体で処理できるので、抜き材の後処理が容易であるとともに、抜き材のろう材箔の部分がプレス加工時に混入し、導体パターン層を傷つけること等が防止できる。
さらに、本発明のろう材箔の接合装置において、前記溶接手段は、前記基材と前記ろう材箔とを、それら幅方向一端部から他端部にかけて線状に溶接する構成とされているとよい。
そして、前記ステージの表面は、前記基材及び前記ろう材箔の走行方向に沿う曲率で凸円弧状に形成され、前記基材と前記ろう材箔とを前記ステージの表面に沿って保持する保持手段が設けられているとよい。
基材とろう材箔とを重ねた状態で凸円弧状に反らせることで密着させ、その間に空気が入ることを防止できる。これにより、ろう材箔にしわが生じるのを防止できるとともに、接合性を向上させることができる。
図5は、この発明により製造されるパワーモジュール用基板3を用いたパワーモジュール1を示している。このパワーモジュール1は、セラミックス等からなるセラミックス基板2を有するパワーモジュール用基板3と、このパワーモジュール用基板3の表面に搭載された半導体チップ等の電子部品4と、パワーモジュール用基板3に接合されたヒートシンク5とから構成される。
また、図3の符号140,150,160,170はそれぞれ、コイル状に巻かれた基材を供給する基材の供給装置140、供給された基材60を洗浄する洗浄装置150、基材60を平滑化するレベラ160、ろう材箔90を供給するろう材箔の供給装置170を示している。
具体的には、基材60の走行方向に延びるボールねじ軸25aに、一対のスライドユニット25bが移動可能に取り付けられ、各スライドユニット25bにボールねじ軸25aと直交する方向(基材60の幅方向)に延びるボールねじ軸24aが取り付けられ、これらボールねじ軸24aにそれぞれスライドユニット24bが移動可能に取り付けられている。
各ボールねじ軸24a,25aの一端は、それぞれが個別の移動用モータ(図示略)と連結されており、各移動用モータを回転させるとボールねじ軸24a,25aが回転し、それに伴いスライドユニット24b,25bがボールねじ軸24a,25aの軸方向に移動するようになっている。
なお、ボールねじ軸25aは、雄ねじ部が中央部を境にして左右逆ねじに形成され、左ねじ部a1と右ねじ部a2とにより構成されている。ボールねじ軸25aの両側に設けられるスライドユニット25bが、それぞれボールねじ軸25aの雄ねじ部a1,a2に案内されて、左右対称に移動する構成とされている。
各スライドユニット24bには振動器22が取り付けられており、両振動器22にはそれぞれ円盤状のホーン21が連結され、これらホーン21が走行方向に直交する方向に平行に配置されており、ホーン21をステージ23の上で基材60上のろう材箔90に接触させた状態でスライドユニット24bによって移動することで、一度に二本の線状の溶接部12を基材60及びろう材箔90の幅方向に沿って形成することができる。
パイロット孔13は、幅方向に沿う溶接部12の少なくとも一部と重なるように、溶接部12の端部に形成される。また、打ち抜きパンチ131は、後述するように、溶接部12が外形線の一部と重なるように、基材60とろう材箔90とを一体に打ち抜く構成とされている。
この際、振動器22によりホーン21を超音波振動させるとともに、ホーン21を回転させながら、基材60の幅方向一端部から他端部にかけて移動することで、図2に示すような線状の溶接部12が走行方向(矢印A)に間隔をおいて一度に二本形成される。なお、これら溶接部12の接合幅は、1mm程度とされている。そして、溶接が終了したら、ステージ23を下降させ、基材60とろう材箔90とを再び所定距離、走行させる。
このように、重ねられた状態の基材60及びろう材箔90は、送り装置110により、間欠的に走行と停止を繰り返し、基材60とろう材箔90とは断続的に溶接される。
基材60とろう材箔90とは、その溶接部12で接合された状態で打ち抜かれる。前述したように、一対のホーン21の間隔が、導体パターン層の外形線11の間隔に合わせられているため、図1に示すように、その外形線11に沿って外縁の一部が溶接されたままの導体パターン部材10が形成される。
具体的には、セラミックス基板2の表面に導体パターン部材10をろう材箔90を介して積層した積層体と、クッション性及び耐熱性を有するカーボン及びグラファイトの薄膜からなるシートとを、その積層方向に交互に重ねて加圧手段の間に積層し、これらを厚さ方向(積層方向)に加圧した状態で真空炉内に装入する。そして、この加圧状態で加熱することにより、セラミックス基板2と導体パターン層6とをろう接し、パワーモジュール用基板3を製造する。
この場合、導体パターン部材10は、その外形の対向する両端部(外縁)が溶接されている。そのため、積層工程や接合工程において導体パターン層6とろう材箔9とがずれることがなく、組立作業性を向上させることができる。
また、プレス加工時のガイドとしてパイロット孔13を開けたが、その抜き材においては、基材60とろう材箔90の部分で分かれることがなく一体で処理できるので、抜き材の後処理が容易であるとともに、ろう材箔90の部分がプレス加工時に混入し、導体パターン層6を傷つけること等が防止できる。
この場合、線状の溶接部と比べて、ろう材箔に生じるしわをさらに低減させることができる。その他の構成は、第1実施形態のものと同じであり、共通部分に同一符号を付して説明を省略する。
例えば、基材とろう材箔との溶接部は、導体パターン外形線の対向する二辺に沿って形成するだけではなく、対向する二辺に沿った溶接部に加えて、その他の部分(例えば中央部)にも設ける構成としてもよい。
2 セラミックス基板
3 パワーモジュール用基板
4 電子部品
5 ヒートシンク
6 導体パターン層
7 放熱層
8 はんだ層
9 ろう材箔
10 導体パターン層
11 導体パターン層の外形線
12,14 溶接部
13 パイロット孔
21 ホーン
22 振動器
23 ステージ
23a 上面部
24a,25a ボールねじ軸
24b,25b スライドユニット
26 ワーク押さえ
60 基材(帯状)
90 ろう材箔(帯状)
100 ろう材箔の接合装置
110 送り装置
120 超音波溶接機
130 プレス加工機
131 打ち抜きパンチ
140,170 供給装置
150 洗浄装置
160 レベラ
Claims (8)
- 導体パターン層とろう材箔とを積層状態に仮固定して導体パターン部材を打ち抜くパターン形成工程と、前記導体パターン部材とセラミックス基板とを前記ろう材箔が介設するように積層する積層工程と、その積層した積層体をろう接する接合工程とを有しており、前記パターン形成工程は、導体パターン層となる帯状の基材に、この基材と同じ幅かそれより幅の小さい帯状のろう材箔を重ねた状態で走行させながら、その走行方向に間隔をおいて、前記基材の表面に前記ろう材箔を断続的に超音波シーム溶接することにより、前記導体パターン層の外形線の対向する両端部に、その二辺に沿って溶接部を形成し、前記基材及び前記ろう材箔を同時に打ち抜くことにより、前記導体パターン部材を形成することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
- また、本発明のパワーモジュール用基板の製造方法において、前記溶接部は、前記導体パターン層の外形線の対向する二辺に重なるように形成されることを特徴とする請求項1記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
- 前記基材と前記ろう材箔との溶接部は、前記基材及び前記ろう材箔の幅方向一端部から他端部にかけて、線状に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
- 前記基材と前記ろう材箔との溶接部の少なくとも一部に重なるようにパイロット孔を形成し、そのパイロット孔をガイドとして前記基材及び前記ろう材箔を同時に打ち抜くことにより、前記導体パターン部材を形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
- 導体パターン層となる帯状の基材に、この基材と同じ幅かそれより幅の小さい帯状のろう材箔とを重ねた状態で走行させる走行手段と、ステージ上で前記基材と前記ろう材箔とを超音波シーム溶接する溶接手段と、前記導体パターン層の外形線に沿って前記基材及び前記ろう材箔を同時に打ち抜くプレス手段とを備え、前記溶接手段は、前記基材に前記ろう材箔を断続的に溶接することにより、溶接部を前記導体パターン層の外形線の対向する両端部に、その二辺に沿って走行方向に間隔をおいて複数形成する構成とされていることを特徴とするろう材箔の接合装置。
- 前記溶接手段は、前記基材と前記ろう材箔とを、前記導体パターン層の外形線の対向する二辺に重なるように溶接する構成とされていることを特徴とする請求項5記載のろう材箔の接合装置。
- 前記溶接手段は、前記基材と前記ろう材箔とを、それら幅方向一端部から他端部にかけて線状に溶接する構成とされていることを特徴とする請求項5又は6に記載のろう材箔の接合装置。
- 前記ステージの表面は、前記基材及び前記ろう材箔の走行方向に沿う曲率で凸円弧状に形成され、前記基材と前記ろう材箔とを前記ステージの表面に沿って保持する保持手段が設けられていることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載のろう材箔の接合装置。
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