JP3198435B2 - コンバイン等の傾斜制御装置 - Google Patents

コンバイン等の傾斜制御装置

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JP3198435B2
JP3198435B2 JP06536298A JP6536298A JP3198435B2 JP 3198435 B2 JP3198435 B2 JP 3198435B2 JP 06536298 A JP06536298 A JP 06536298A JP 6536298 A JP6536298 A JP 6536298A JP 3198435 B2 JP3198435 B2 JP 3198435B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、左右一対の走行
装置により支持された機体を有するコンバイン、トラク
タ−、田植え機等の作業車輌に利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特開昭63−7716号
公報に開示されているように、コンバイン等の作業車輌
の機体を、走行面の凹凸変化や走行装置の沈下に拘らず
常に水平姿勢に維持するために、傾斜制御手段により、
機体に設ける傾斜センサの検出結果に応じて、機体に対
して左右一対のクロ−ラ、又は車輪等の走行装置を油圧
シリンダ−の伸縮作動により上下動させ、これによって
機体を水平姿勢に維持する構成のものが試みられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き傾斜制御手
段によって機体の姿勢を水平に維持するにあたり、左右
の走行装置を上下動させるためには、この上下動のスト
ロ−クを確保しておく必要があり、このため、予め、機
体全体の車高をある程度の高さまで上昇させておかなけ
ればならない。
【0004】このため、傾斜制御を解除した際に、この
ままの車高で停止する構成であると、傾斜制御解除後の
旋回時ないし路上走行時等において、機体全体の車高が
高いがために、重心位置が高く、機体の左右バランスが
崩れ易く、安定した旋回ないし走行を行うことができな
い。また、機体に設ける作業装置が非作業状態のとき、
即ち、路上走行時において機体を左右前後に姿勢制御す
る左右傾斜制御手段と前後傾斜制御手段が作用すると機
体が振られて、乗っている運転者は危険である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するために、以下のような技術的手段を講じ
る。即ち、請求項1に記載の、機体4を左右一対の走行
装置1,1にて支持し、かつこれら走行装置1,1と機
体4との間に油圧シリンダ−13L,13Rを介装し
て、機体4を左右各別に昇降可能に構成すると共に、前
後傾斜センサ43による検出結果に基づいてピッチング
シリンダ15を作動させて機体4の前後方向の姿勢を設
定姿勢に維持するように構成したコンバイン等の作業車
輌において、前記機体4の左右傾斜姿勢を検出する傾斜
センサ42と、自動スイッチ41が有効状態に切り換え
られた状態において、前記傾斜センサ42の検出結果に
基づいて機体4を設定姿勢に維持すべく左右の油圧シリ
ンダ−13L,13Rを作動させる傾斜制御手段と、前
記自動スイッチ41が無効状態に切り換えられた場合
に、機体4の車高を下降させるべく左右の油圧シリンダ
−13L,13Rを作動させる車高制御手段とを設け、
前記ピッチングシリンダ15の作用支点は、前記左右の
油圧シリンダ−13L,13Rの後方の支点軸16より
も後方上方に設けたことを特徴とするコンバイン等の傾
斜制御装置。
【0006】請求項2に記載の、機体4を左右一対の走
行装置1,1にて支持し、かつこれら走行装置1,1と
機体4との間に油圧シリンダ−13L,13Rを介装し
て、機体4を左右各別に昇降可能に構成すると共に、前
後傾斜センサ43による検出結果に基づいてピッチング
シリンダ15を作動させて機体4の前後方向の姿勢を設
定姿勢に維持するように構成したコンバイン等の作業車
輌において、前記機体4の左右傾斜姿勢を検出する傾斜
センサ42と、前後方向の傾斜を検出する前後傾斜セン
サ43と、自動スイッチ41が有効状態に切り換えられ
た状態において、前記傾斜センサ42の検出結果に基づ
いて機体4を設定姿勢に維持すべく左右の油圧シリンダ
−13L,13Rを作動させる左右傾斜制御手段及び前
記前後傾斜センサ43の検出結果に関連して機体4を前
後方向に設定姿勢に維持すべく油圧シリンダー15を作
動させる前後傾斜制御手段と、前記自動スイッチ41が
無効状態に切り換えられた場合、または、機体4に設け
る作業装置が非駆動状態に切り換えられた場合に、機体
4の車高を下降させるべく左右の油圧シリンダ−13
L,13Rと油圧シリンダー15とを作動させる車高制
御手段とを設けたことを特徴とするコンバイン等の傾斜
制御装置、及び、請求項3に記載の、機体4を左右一対
の走行装置1,1にて支持し、かつこれら走行装置1,
1と機体4との間に油圧シリンダ−13L,13Rを介
装して、機体4を左右各別に昇降可能に構成すると共
に、前後傾斜センサ43による検出結果に基づいてピッ
チングシリンダ15を作動させて機体4の前後方向の姿
勢を設定姿勢に維持するように構成したコンバイン等の
作業車輌において、前記機体4の左右傾斜姿勢を検出す
る傾斜センサ42と、前後方向の傾斜を検出する前後傾
斜センサ43と、機体4に設ける作業装置が駆動状態に
切り換えられた状態において、前記傾斜センサ42の検
出結果に基づいて機体4を設定姿勢に維持すべく左右の
油圧シリンダ−13L,13Rを作動させる傾斜制御手
及び前記前後傾斜センサ43の検出結果に関連して機
体4を前後方向に設定姿勢に維持すべく油圧シリンダー
15を作動させ る制御手段とを設け、機体4に設ける作
業装置が非駆動状態に切り換えられた場合に、前記自動
スイッチ41が有効状態に切り換えられていても、前記
左右傾斜制御手段と前後傾斜制御手段は実行せずに、機
体4を走行装置1に対して任意の高さで略平行状態とす
る平行制御モードを実行するように構成したことを特徴
とするコンバイン等の傾斜制御装置としたものである。
【0007】これにより、作業車輌の機体4は、左右一
対の走行装置1,1によって支持され、この走行装置
1,1を、油圧シリンダ−13L,13Rによって、機
体4に対して相対的に昇降させることによって左右各別
に車高を変更調節することができる。走行装置1,1が
走行面の凸部に乗り上げ、又は凹部に落ち込むと、機体
4の左右傾斜姿勢が変化する。また、湿田等の軟弱地に
おいては、左右の走行装置1,1の沈下状態が異なり、
この結果、機体4の左右傾斜姿勢が変化する。
【0008】請求項1記載の発明では、前記ピッチング
シリンダ15の作用支点は、前記左右の油圧シリンダ−
13L,13Rの後方の支点軸16よりも後方上方に設
たので、ピッチングシリンダ15に作用する力が少なく
てすむ。また、泥押し等の影響が少なくなる。このよう
な場合に、請求項2に記載の発明においては、傾斜セン
サ42が機体4の傾きを検出し、傾斜制御手段により、
自動スイッチ41が有効状態にあれば左右の油圧シリン
ダ−13L,13Rが作動して走行装置1,1が機体4
に対して上下動し、機体4の姿勢が設定された姿勢に保
たれるとともに、前後傾斜センサ43が機体4の前後方
向に傾きを検出すると、油圧シリンダー15が作動して
機体4の前後方向に姿勢が設定された姿勢に保たれる。
【0009】また、自動スイッチ41が無効状態に切り
換えられた場合、または、機体4に設ける作業装置が非
駆動状態に切り換えられると、車高制御手段により、油
圧シリンダ−13L,13Rと油圧シリンダー15が作
動して、機体4の車高が下降する。
【0010】また、請求項3に記載の発明においては、
自動スイッチ41が有効状態であっても、機体4に設け
る作業装置が非駆動状態に切り換えられると、油圧シリ
ンダ−13L,13Rと油圧シリンダー15が作動し
て、機体4を走行装置1に対して任意の高さで略平行状
態とする。
【0011】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、前記ピッチン
グシリンダ15の作用支点は、前記左右の油圧シリンダ
−13L,13Rの後方の支点軸16よりも後方上方に
設たので、ピッチングシリンダ15に作用する力が少な
くてすむ。また、泥押し等の影響が少なくなる。
【0012】請求項2に記載の発明においては、自動ス
イッチ41が有効状態に切り換えられた状態では、左右
の油圧シリンダ−13L,13Rを作動して機体4の姿
勢を設定された姿勢に保ち、さらに、油圧シリンダー1
5が作動して機体4の前後方向の姿勢を保ち、例えばコ
ンバインにおいて選別性能を維持できる等、安定した作
業状態を維持することができる。
【0013】また、自動スイッチ41を無効状態に切り
換えたり、または、機体4に設ける作業装置が非駆動状
態に切り換えられると、左右の油圧シリンダ−13L,
13Rと油圧シリンダー15が速やかに作動して機体4
の車高が下降するため、旋回時や路上走行時等におい
て、重心位置を低くして、安定した旋回ないし走行を行
わせることができる。
【0014】また、請求項3に記載の発明においては、
機体4に設ける作業装置が非駆動状態のときは、機体4
が路上走行して移動中であるので、このようなときは自
動スイッチ41が有効状態に切り換えられていても、左
右傾斜制御手段と前後傾斜制御手段は実行せずに、機体
4を走行装置1に対して略平行状態にする。
【0015】これにより、路上走行時には機体4が前後
左右に振れることを防止できるので、機体4に乗車して
いる作業者の安全を確保できる。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、コンバ
インを例示して説明する。図例において、走行装置はコ
ンバインのクロ−ラ形態として利用される場合を示し、
平面視囲桁状の車体フレ−ム2の左右両側下部に、前後
一対の平行状のリンクア−ム5,6によって、クロ−ラ
フレ−ム7を昇降動自在に設け、この左右各クロ−ラフ
レ−ム7には転輪8を設けて、この転輪8と車体フレ−
ム2前端部のスプロケット9との間に、ゴム材を主体と
するクロ−ラ10を掛け渡して、該スプロケット9の駆
動軸11の回転によって伝動走行する構成としている。
【0017】該前後のリンクア−ム5,6の上部はロッ
ド12で連結し、車体フレ−ム2と後リンクア−ム6の
上端部との間に、湯圧によって伸縮されるロ−リングシ
リンダ(油圧シリンダ−)13を設け、この左、右のロ
−リングシリンダ13L,13Rの伸縮によって、左右
のクロ−ラフレ−ム7を独立的、又は同時に車体フレ−
ム2に対して昇降させて、左右方向へロ−リングさせた
り、左右平行状を保って昇降させることができる。
【0018】機体フレ−ム(機体)4は、該車体フレ−
ム2の上側に沿って設けられ、前部を該車体フレ−ム2
に対する前リンクア−ム5の枢支軸である横方向の軸3
に支持し、この軸3回りに機体フレ−ム4をピッチング
自在の構成とし、この機体フレ−ム4と車体フレ−ム7
との後端部間に拡縮自在のリンクア−ム14を設け、こ
のリンクア−ム14の上端部と機体フレ−ム4との間
に、油圧によって伸縮されるピッチングシリンダ15を
設け、このピッチングシリンダ15の伸縮によってリン
クア−ム14を拡縮して、車体フレ−ム2に対して機体
フレ−ム4をピッチング回動することができる。
【0019】前記リンクア−ム5,6は、上部が車体フ
レ−ム2よりも内側に位置するようにクランク軸状に形
成され、このクランク軸状の軸部を、車体フレ−ム2に
おいて回動自在に枢支して軸3,16部としている。こ
のうち左右両側部の後リンクア−ム6には、内側の機体
フレ−ム4側に向けてストッパ−17を突出させると共
に、この機体フレ−ム4側からも外側に向けてストッパ
−18を突出し、機体フレ−ム4が前記軸3の回りに下
向きに回動するときに、このストッパ−18がストッパ
−17に係止される関係位置に設けられ、機体フレ−ム
4の下限位置を係止できる関係位置に設定する。なお、
前記ピッチング中心である軸3は、機体フレ−ム4の後
部に設定して、機体フレ−ム4の前部を上下回動させる
ように構成するもよい。
【0020】前記ロ−リングシリンダ13は、左右一対
のロ−リングシリンダ13L,13Rからなり、油圧回
路19の左右のソレノイドバルブ20L,20Rを経て
切換油圧作動される構成であり、又、ピッチングシリン
ダ15はソレノイドバルブ21によって作動される構成
である。これら左ロ−リングシリンダ13Lの左ソレノ
イドバルブ20Lは、コントロ−ラの出力によって作動
される左上ソレノイド22、左下ソレノイド23を有
し、又、右ロ−リングシリンダ13Rの右ソレノイドバ
ルブ20Rは、右上ソレノイド24、右下ソレノイド2
5を有し、又、ピッチングシリンダ15のソレノイドバ
ルブ21は、後上ソレノイド26、後下ソレノイド27
を有し、これら各ソレノイド22〜27の出力によっ
て、ソレノイドバルブ20L,20R,21等を切換制
御して、各ロ−リングシリンダ13L,13R、又はピ
ッチングシリンダ15を伸縮して、ロ−リング制御、ピ
ッチング制御を行う構成としている。Pは油圧ポンプ、
Tはタンクポ−ト、28はリリ−フバルブ、29はアン
ロ−ドソレノイド30によって作動されるアンロ−ドバ
ルブ、31,32,33はチェックバルブである。
【0021】コントロ−ラは、マイクロコンピュ−タを
有し、入力側には、車体フレ−ム2全体を昇降するため
の上スイッチ34、下スイッチ35、車体フレ−ム2を
左右へロ−リングするための左スイッチ36、右スイッ
チ37、機体フレ−ム4を前後方向へ傾斜するための後
上スイッチ38、後下スイッチ39、脱穀装置への伝動
を入り切りする脱穀スイッチ40、車体フレ−ム2や機
体フレ−ム4を水平に維持制御するための水平スイッチ
(自動スイッチ)41、車体フレ−ム2等の左右方向の
傾斜を検出して左右ロ−リング制御を行わせる左右傾斜
センサ(傾斜センサ)42、機体フレ−ム4等の前後方
向の傾斜を検出してピッチング制御を行わせる前後傾斜
センサ43、該左、右ロ−リングシリンダ13L,13
Rの伸縮量を検出してフィ−ドバック制御させる左スト
ロ−クセンサ44、右ストロ−クセンサ45、及びピッ
チングシリンダ15の伸縮量を検出してフィ−ドバック
制御させる前後ストロ−クセンサ46等を有している。
47は自動ランプである。
【0022】上スイッチ34をONすると、左、右の上
ソレノイド22,24を出力して、左、右のロ−リング
シリンダ13L,13Rを同時に同量作動させて、車体
フレ−ム2を、クロ−ラフレ−ム7に対して左右平行状
の姿勢を維持しながら上昇させる。又、下スイッチ35
をONするときは、左、右の下ソレノイド23,25を
出力して、逆に下降させる。左スイッチ36をONする
と、左下ソレノイド23と右上ソレノイド24とを同時
に出力して、車体フレ−ム2を左側下り方向へロ−リン
グする。又、右スイッチ37をONすると、右ソレノイ
ド25と左上ソレノイド22とを同時に出力して、右側
下り方向へロ−リングする。
【0023】後上スイッチ38をONすると、後上ソレ
ノイド26を出力して、ピッチングシリンダ15を作動
させて、機体フレ−ム4を、軸3回りに上方へ回動させ
る。又、後下スイッチ39をONすると、後下ソレノイ
ド27を出力して、下方へ回動させる。脱穀クラッチス
イッチ40をOFFのときは、水平スイッチ41をON
して水平制御を自動によって行わせる自動水平制御モ−
ドであっても、これが解除されて平行制御モ−ドにな
り、車体フレ−ム2は左、右下ソレノイド23,25の
ONによって下降されて、下限近くの位置で左、右のク
ロ−ラフレ−ム7に対して左右平行状の姿勢となる。
又、水平スイッチ41をOFFしたときも同様である。
これら脱穀クラッチスイッチ40、及び水平スイッチ4
1をONしたときは、平行制御から自動水平制御モ−ド
に切換り、左右傾斜センサ42と、各ソレノイド22〜
25の出力によって、車体フレ−ム2が、上記上、下ス
イッチ34,35等の操作によって予め設定された高さ
を基準としてロ−リング制御されて、左右水平状に制御
される。又、このとき前後傾斜センサ43による入力を
可能に操作しておくときは、後上、後下ソレノイド2
6,27の出力によって、機体フレ−ム4が前後水平状
にピッチング制御される。これによって機体フレ−ム4
は、クロ−ラフレ−ム7の傾斜に拘らず、左右及び前後
の方向に水平状の姿勢とすることができる。
【0024】車体フレ−ム2の昇降は、前記のように、
上、下スイッチ34,35、脱穀クラッチスイッチ4
0、水平スイッチ41等によって行われるが、車体2が
上昇されるときは、リンクア−ム6が軸16回りに下側
Bへ回動するから、このリンクア−ム6に一体のストッ
パ−17が、機体フレ−ム4に一体のストッパ−18か
ら下方へ離間する。又、逆に車体フレ−ム2が下降する
ときは、これらストッパ−17,18が接近して接当す
る。車体フレ−ム2を下限位置にして左右のクロ−ラフ
レ−ム7と平行状の姿勢とするときは、これらストッパ
−17,18が接当して、ストッパ−17,18の相互
間に適当な接当圧力を加える状態に左右のロ−リングシ
リンダ13L,13Rによる圧力を働かせる。又、これ
らストッパ−17,18が接当する状態では、機体フレ
−ム4を下降させるピッチングシリンダ15による圧力
に抗して押圧させる状態となり、このときピッチングシ
リンダ15による機体フレ−ム4の角度が、車体フレ−
ム2と前後方向に平行な姿勢位置から後下りの姿勢に下
降された位置にあるときは、下限位置では機体フレ−ム
4と車体フレ−ム2とが前後方向にほぼ平行な姿勢にあ
るように設定されるために、車体フレ−ム2の下限位置
では、ストッパ−17と18が接当して、更に平行姿勢
にまで押圧されることによって、ピッチングシリンダ1
5による圧力に抗して作動し、このピッチングシリンダ
15を強制的に引き出すようにして、平行姿勢を保持す
る。
【0025】いま、このような車体フレ−ム2の下降に
よって下限位置にて平行制御にするときの作用を第7図
にもとづいて説明する。前後ストロ−クセンサ46の検
出値を電圧値Vで行うものとして、機体フレ−ム4が、
軸3回りに回動して車体フレ−ム2に対して前後平行状
態となったときの機械的平行値を、例えばA=2.5V
とし、後下りの傾斜下限A=0V〜後上りの傾斜上限A
=5Vまで変化しうるものとし、この車体フレ−ム2が
水平制御から平行制御に切換えられて下降されるときの
平行化目標値を、該機械的平行値よりも若干後下りに傾
斜したA=2.4Vの角度に設定する。
【0026】車体フレ−ム2が上、下スイッチ34,3
5等によって設定された車高において自動的に前後水平
制御が行われているときは、この機械的平行値A=2.
5Vのもとに機体フレ−ム4の前後水平制御が行われ
る。しかしながら、水平スイッチ41がON→OFFに
切換えられ、又は、脱穀クラッチスイッチ40がON→
OFFに切換えられることによって、機械的平行値A=
2.5Vから平行化目標値A=2.4Vに切換り、機体
フレ−ム4は、この平行化目標値A=2.4Vに修正さ
れる。更に、この水平化目標値A=2.4Vを基準とし
て下限位置での平行制御が行われる(第7図、第8
図)。従って、この下限位置近くまで下降されたとき
は、ストッパ−17,18に接当するが、更にこのスト
ッパ−17,18の接当圧力に抗して、左、右ロ−リン
グシリンダ13L,13Rによってリンクア−ム6が、
更に反矢印B方向へ回動されて、ストッパ−17,18
の押圧によって、ピッチングシリンダ15による平行化
目標値A=2.4V付勢の押圧力に抗して平行化作動
し、下限位置に達すると、このピッチングシリンダ15
による平行化目標値A=2.4V付勢が、ストッパ−1
7,18の接当押圧によって、A=2.5Vに強制的に
修正されると共に、車体フレ−ム2と機体フレ−ム4と
が平行状にされる。即ち機械的平行値A=2.5Vとな
る。従って、このような車体フレ−ム2の下限位置で
は、車体フレ−ム2、機体フレ−ム4、及び左右クロ−
ラフレ−ム7は、相互に前後及び左右に平行状の姿勢と
なっている。
【0027】なお、前後傾斜センサ43の検出によるピ
ッチング制御においては、この前後傾斜センサ43が、
機体の揺動や、走行の発進加速、減速停止等で、機体フ
レ−ム4の単なる前後傾斜と異なる急激な傾斜信号を検
出した場合に、このような信号検出をキャンセルし、不
要な出力をカットするために、前後傾斜センサ43の検
出電圧値を移動平均等によって平均化処理を行い、この
平均された値が、前後方向水平位置であるニュ−トラル
ゾ−ンから外に出たときに出力するものとし、この出力
開始時にはONディレ−(出力遅れ)を設け、一旦出力
された出力の停止は前後傾斜センサ43の電圧値が平均
されないでそのままニュ−トラルゾ−ンに戻ったときと
している。
【0028】例えば、第9図において、前後傾斜センサ
43のニュ−トラルゾ−ンを2.6V±0.57Vとし
て、x0〜前回x4、及び今回xまでの検出読込値の平均
値xとして、移動平均値を算出する。 x=(x0+x1+x2+x3+x4+x)/6 ここに平均値xがニュ−トラルゾ−ンにあるときはタイ
マ値0.5秒がセットされるが、このタイマ値のデクリ
メント開始は、平均値xがニュ−トラルゾ−ンから外れ
たときから開始され、このタイマ値が0秒になったと
き、後下ソレノイド27、又は後上ソレノイド26の出
力を行う。ここにデクリメントとは、上記フロ−チャ−
トの1サイクルで1を減じることの意味で、フロ−チャ
−ト1周が10msecとし、これを50周することで
500msec(0.5sec)を減算し、0secに
なったときに出力する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態における一部の側面図で
ある。
【図2】図1の一部の拡大側面図である。
【図3】この発明の実施の形態における一部を破断して
示す正面図である。
【図4】図3の一部の拡大正面図である。
【図5】この発明の実施の形態における制御ブロック図
である。
【図6】この発明の実施の形態における油圧回路図であ
る。
【図7】この発明の実施の形態における一部のフロ−チ
ャ−トである。
【図8】この発明の実施の形態における作動条件を示す
図表である。
【図9】この発明の実施の形態における一部のフロ−チ
ャ−トである。
【符号の説明】
1 走行装置 4 機体フレ−ム(機体) 13 ロ−リングシリンダ(油圧シリンダ−) 41 水平スイッチ(自動スイッチ) 42 左右傾斜センサ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体4を左右一対の走行装置1,1にて
    支持し、かつこれら走行装置1,1と機体4との間に油
    圧シリンダ−13L,13Rを介装して、機体4を左右
    各別に昇降可能に構成すると共に、前後傾斜センサ43
    による検出結果に基づいてピッチングシリンダ15を作
    動させて機体4の前後方向の姿勢を設定姿勢に維持する
    ように構成したコンバイン等の作業車輌において、前記
    機体4の左右傾斜姿勢を検出する傾斜センサ42と、自
    動スイッチ41が有効状態に切り換えられた状態におい
    て、前記傾斜センサ42の検出結果に基づいて機体4を
    設定姿勢に維持すべく左右の油圧シリンダ−13L,1
    3Rを作動させる傾斜制御手段と、前記自動スイッチ4
    1が無効状態に切り換えられた場合に、機体4の車高を
    下降させるべく左右の油圧シリンダ−13L,13Rを
    作動させる車高制御手段とを設け、前記ピッチングシリ
    ンダ15の作用支点は、前記左右の油圧シリンダ−13
    L,13Rの後方の支点軸16よりも後方上方に設け
    ことを特徴とするコンバイン等の傾斜制御装置。
  2. 【請求項2】 機体4を左右一対の走行装置1,1にて
    支持し、かつこれら走行装置1,1と機体4との間に油
    圧シリンダ−13L,13Rを介装して、機体4を左右
    各別に昇降可能に構成すると共に、前後傾斜センサ43
    による検出結果に基づいてピッチングシリンダ15を作
    動させて機体4の前後方向の姿勢を設定姿勢に維持する
    ように構成したコンバイン等の作業車輌において、前記
    機体4の左右傾斜姿勢を検出する傾斜センサ42と、
    後方向の傾斜を検出する前後傾斜センサ43と、自動ス
    イッチ41が有効状態に切り換えられた状態において、
    前記傾斜センサ42の検出結果に基づいて機体4を設定
    姿勢に維持すべく左右の油圧シリンダ−13L,13R
    を作動させる左右傾斜制御手段及び前記前後傾斜センサ
    43の検出結果に関連して機体4を前後方向に設定姿勢
    に維持すべく油圧シリンダー15を作動させる前後傾斜
    制御手段と、前記自動スイッチ41が無効状態に切り換
    えられた場合、または、機体4に設ける作業装置が非駆
    動状態に切り換えられた場合に、機体4の車高を下降さ
    せるべく左右の油圧シリンダ−13L,13Rと油圧シ
    リンダー15とを作動させる車高制御手段とを設けたこ
    とを特徴とするコンバイン等の傾斜制御装置。
  3. 【請求項3】 機体4を左右一対の走行装置1,1にて
    支持し、かつこれら走行装置1,1と機体4との間に油
    圧シリンダ−13L,13Rを介装して、機体4を左右
    各別に昇降可能に構成すると共に、前後傾斜センサ43
    による検出結果に基づいてピッチングシリンダ15を作
    動させて機体4の前後方向の姿勢を設定姿勢に維持する
    ように構成したコンバイン等の作業車輌において、前記
    機体4の左右傾斜姿勢を検出する傾斜センサ42と、
    後方向の傾斜を検出する前後傾斜センサ43と、機体4
    に設ける作業装置が駆動状態に切り換えられた状態にお
    いて、前記傾斜センサ42の検出結果に基づいて機体4
    を設定姿勢に維持すべく左右の油圧シリンダ−13L,
    13Rを作動させる傾斜制御手段及び前記前後傾斜セン
    サ43の検出結果に関連して機体4を前後方向に設定姿
    勢に維持すべく油圧シリンダー15を作動させる制御手
    段とを設け、機体4に設ける作業装置が非駆動状態に切
    り換えられた場合に、前記自動スイッチ41が有効状態
    に切り換えられていても、前記左右傾斜制御手段と前後
    傾斜制御手段は実行せずに、機体4を走行装置1に対し
    て任意の高さで略平行状態とする平行制御モードを実行
    するように構成したことを特徴とするコンバイン等の傾
    斜制御装置。
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