JP3198426B2 - 静止誘導機器用鉄心及びその製造方法 - Google Patents

静止誘導機器用鉄心及びその製造方法

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JP3198426B2
JP3198426B2 JP03474992A JP3474992A JP3198426B2 JP 3198426 B2 JP3198426 B2 JP 3198426B2 JP 03474992 A JP03474992 A JP 03474992A JP 3474992 A JP3474992 A JP 3474992A JP 3198426 B2 JP3198426 B2 JP 3198426B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は非晶質磁性合金等の薄
板状磁性材料を用いた静止誘導機器用鉄心及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電気機器の巻鉄心は、図8のa
またはbに示すように、鋼帯10を渦巻状に型巻してほ
ぼ矩形状に形成した後、左右両脚部20A,20Bの中
央を軸方向に沿って切断し、次にこの切断面を平滑に研
磨した後、コイル40、40を挿入して、切断面を接着
して接合面30,30が平面状となる突合せ接合を行
い、一体の鉄心50を製造していた。この様な突合せ接
合方法は、作業性が悪く、しかも接合面30は突合せ接
合であるため、隙間を生じやすく、磁束の流れが遮断さ
れて磁気特性が悪い欠点があった。これらの欠点を解消
するために、特開昭60−214516号公報では、け
い素鋼板を渦巻状に型巻した後、左右両脚部を斜めに、
または左右段違いにして、互いに平行に切断し、切断後
の各層を1枚または複数枚毎に左右反転させて一体に組
合わせ、切断部各層を重ね合せ接合する巻鉄心の製造方
法が開示されている。しかしながら、第9図に示すよう
に単位積層体を接合するに際し通常の突合せ接合(ステ
ップラップ)を形成する場合、接合面の切断に当り、切
断刃の曲りにより誤差を生じ、図10のaまたはbに示
すような接合部の切断形状となる。或いは素材長手方向
に直角でなく斜めになったりして第11図に示すような
接合部の切断形状となる。
【0003】また、電気機器の鉄心材料としては、従来
電気鋼板としてケイ素鋼板が使用されているが、最近鉄
損がケイ素鋼板のそれに比べて20〜30%と低い非晶
質磁性合金が開発され、電気機器の鉄心材料への応用が
研究されてきている。非晶質磁性合金は溶湯を急冷する
方法で製造されており、その製造方法ゆえに材料厚さが
20〜40μmの薄板状にしか製造できず、更に、素材
の幅方向の板厚さは数ミクロンの板厚偏差がある。
【0004】この薄板状材料で構成される鉄心は、形状
を維持するために内周側及び外周側に補強枠を配置する
などの対策により、十分な剛性を得て内部応力の発生等
による圧縮歪みや曲げ応力などのような機械的なストレ
スを防ぎ、鉄損・励磁電流・磁歪等の磁気的な特性劣化
要因を除去しているのが一般的である。しかしながら、
前述した素材の幅方向の板厚さは、素材を積層して構成
される最終的な鉄心形状に影響を与え、寸法的な不具合
を生じるばかりでなく、補強枠を配置するなどの対策で
は除去できない内部的なストレスを生じ、鉄損・励磁電
流・磁歪等の磁気的な特性劣化要因となるという問題が
あった。
【0005】従来、このような欠点を改善する一つの手
段として、特公平3−65646号公報に示されるよう
な改善手段等が提案された。即ち、素材の幅方向に板厚
偏差を有する第1及び第2の素材を、第1の素材の幅方
向の厚い側と、第2の素材の幅方向板厚の薄い側を、図
12に示すように同時に巻取ることにより重ね合わせ、
図13に示すように、第1及び第2にて構成される素材
積層単位内で板厚偏差の吸収(均一化)を図り、最終的
な鉄心形状における素材積層方向の寸法の均一化と内部
的なストレス発生要因を排除している。
【0006】しかしながら、上記の手段では、使用素材
の取り出しにおいて、少なくとも2種類以上の素材が設
置できるようにする必要があり、生産能力向上のめたの
高速素材取り出しに不可欠な張力管理や送り出し速度の
同期化機能等のため高価な取り出し装置が複数必要で、
かつ、装置全体の大きさも大型化してしまい、極めて大
がかりで高価な設備が必要となってしまう等の問題があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、鉄心製造
時に、大がかりで高価な設備を必要とせず、非晶質磁性
合金等の薄板状の磁性素材の幅方向の板厚偏差による内
部的なストレスの発生要因を除去する静止誘導機器用鉄
心及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明による静止誘導
機器用鉄心は、 (1)薄板状の磁性素材を所定枚数積層してなる単位積
層体を長手方向にずらして複数個積層して積層体ブロッ
クを構成し、更に該積層体ブロックを複数個積層して各
積層体ブロック内の各単位積層体の両端を重ね合わせて
接合し、磁気回路を形成する鉄心において、積層方向に
同一位置にある単位積層体各自の一端側と他端側とが重
畳した配置となり、前記積層体ブロックを構成する磁性
素材の幅方向の各端面位置が、積層方向に隣接する積層
体ブロック毎に入れ替わる配置となるものである。 ()積層方向に隣接する積層体ブロックが、少なくと
も連続した同一母材の素材から一連に構成されず、該積
層体ブロックが構成されるまでの工程が別個に行われ、
かつ2つ以上の複数の鉄心素材から構成されるととも
に、前記素材の片方の板厚の厚い側と他方の板厚の薄い
側とが重なる配置であることを特徴するものである。ま
た、この発明による静止誘導機器用鉄心の製造方法は、 (1)薄板状の磁性素材を所定枚数積層してなる単位積
層体を長手方向にずらして複数個積層して積層体ブロッ
クを構成し、更に該積層体ブロックを複数個積層して各
積層体ブロック内の各単位積層体の両端を重ね合わせて
接合し、磁気回路を形成する鉄心の製造方法において、
前記積層体ブロックを構成する磁性素材の厚さ方向の向
きを積層方向に隣接する積層体ブロック毎に交互に上下
逆転して配置し、又は前記積層体ブロックを構成する磁
性素材の長手方向の向きを積層方向に隣接する積層体ブ
ロック毎に逆方向になるよう交互に反転して配置し、か
つ巻回した後積層方向に同一位置にある単位積層体の端
部どうしを任意寸法重なるように接合することを特徴と
するものである。 (2)積層方向に隣接する積層体ブロックが、少なくと
も連続した同一母材の素材から一連に構成されず、該積
層体ブロックが構成されるまでの工程が別個に行われ、
かつ2つ以上の複数の素材から構成されるとともに、前
記各素材の片方の板厚の厚い側と他方の板厚の薄い側を
重ねるように配置することを特徴するものである。 (3)前記積層方向に隣接する積層体ブロックの各々の
素材が、少なくとも2種類以上の別母材から構成されて
いることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明の静止誘導機器用鉄心及びその製造方法
によれば、合金等の薄板状の磁性素材のずらして積層し
た単位積層体の積層方向に同一位置にある端部どうしが
重畳するので磁束の流れが遮断されない。非晶質磁性合
金等の薄板状の磁性素材の幅方向の板厚偏差による積層
厚さの幅方向の寸法差を、積層方向に隣接する積層体ブ
ロックどうしで吸収し、内部的なストレス発生要因を除
去する。使用素材の取り出しは1種類の素材から取り出
す設備で足りる。
【0010】
【実施例】実施例1 図1〜図6に基づいてこの発明の一実施例を述べる。図
1はこの発明の鉄心構造断面図、図2は素材をリング状
に巻回する作業説明図、図3は巻回後に切断された素材
状況の説明図、図4は積層体ブロック構成時における単
位積層体ブロックの積層断面図、図5はこの発明の一実
施例に配置された積層方向に隣接する2つの積層体ブロ
ック単位の積層断面図、図6は全ての積層体ブロックを
構成した後の鉄心積層断面図である。先ず、本発明の実
施例1の静止誘導機器用鉄心について説明する。静止誘
導機器用鉄心は図1に示すように、リング形状鉄心の最
内周の積層側4からリング形状鉄心の最外周の積層側4
1が順次積層され、鉄心最終形状である矩形状に形成さ
れる。積層される各積層ブロックの単位積層体5をずら
すことにより形成されている階段状で、積層方向に同一
位置にある各単位積層体5の端部どうしが重畳した配置
に構成されている。
【0011】以下、本発明の実施例1の静止誘導機器用
鉄心の製造工程について説明する。図2に示すように、
1種類の非晶質磁性合金等の薄板状の磁性素材1を取り
出し、取出し装置2にセットし、所要の内周をもったリ
ング形状鉄心3に巻回する。4はリング形状鉄心3の最
内周の積層側を示し、41はリング形状鉄心3の最外周
の積層側を示す。薄板状の磁性素材1を巻回後、このリ
ング形状鉄心3を周方向の任意の1箇所で積層方向に切
断する。切断後の素材状態は、図3に示すように、略台
形の断面形状になる。次に、リング形状鉄心3において
最内周の積層側4から積層枚数10〜30枚からなる単
位積層体5を取り出す。さらに、単位積層体5を素材長
手方向に任意寸法ずつ、ずらして複数個の単位積層体5
を積層して積層体ブロック6を構成する。本実施例で
は、最内周の積層側4から取り出した場合の例にて説明
を行なうが、最外周の積層側41から取り出した場合も
同様に実施可能である。
【0012】最内周の積層側4から始めに取り出し、構
成した積層体ブロック6は、図1に示すように、鉄心最
終形状である矩形状に、その矩形の上部1辺で単位積層
体5をずらすことにより形成されている階段状で、か
つ、各単位積層体5が矩形形状に1周した後任意寸法S
だけ重なりオーバーラップするように重ね合わせ接合さ
れる。従って、構成された矩形形状の最内周の寸法は、
当初巻回されたリング形状の最内周寸法より任意寸法S
だけ短い寸法に構成される。この積層体ブロック6の積
層断面は、図5に示すように素材の幅方向の板厚偏差に
よる積層厚さの幅方向の寸法差を生じている。次に、こ
の最内周の積層体ブロック6に隣接する積層体ブロック
61を構成する。この時、単位積層体51は、取り出し
た後、素材の幅方向の各端面位置が、最内周の積層体ブ
ロック6の素材の幅方向の各端面位置が逆になるよう厚
さ方向の向きを上下に逆転する。逆転した単位積層体5
1を任意寸法ずつずらして複数個の単位積層体51を積
層して最内周と同様に積層体ブロック61を構成する。
【0013】積層体ブロック6と積層体ブロック61を
隣接する2つの積層体ブロック単位と見れば、その積層
断面は、図5のように素材の幅方向の板厚偏差による積
層厚さの幅方向の寸法差を吸収できたものとなる。この
場合、素材1枚毎あるいは単位積層体毎に逆転しても、
同様に素材の幅方向の板厚偏差を吸収可能であるが、次
のような不具合が生じる。すなわち、切断形状は素材幅
方向で、切断刃形状の誤差および素材長手方向に対する
切断角度の誤差等によって、まったく同一にすることは
現実的には不可能である。この切断形状が素材幅方向に
まったく同一でないと階段状に重ね合わせ接合する際、
つき合わされることになる次の単位積層体または素材の
切断形状が同一でないために、形状的に食い違いのある
箇所で、素材どうしが異常につき当たる等の現象を生じ
磁気特性の劣化や鉄心形状の部分的なふくれを発生する
等の支障が起こる。逆転が少なくとも積層体ブロック内
では行なわれていない本実施例ではこの種の問題は発生
しない。
【0014】次に隣接する積層体ブロック62は、最内
周の積層体ブロック6の構成手順とまったく同様に、す
なわち、単位積層体52を取り出した後、上下の逆転は
行なわずに積層体ブロック62を構成する。更に、次に
隣接する積層体ブロック63は、単位積層体53を取り
出した後、上下の逆転を実施して積層体ブロック63を
構成する。このようにして、最終鉄心形状が全て構成さ
れるまで、この積層体ブロックの上下の逆転を交互に繰
り返し巻鉄心を完成させる。以上のように構成された最
終鉄心の積層断面は、図6に示すように素材の幅方向の
板厚偏差による積層厚さの幅方向の寸法差を、積層方向
に隣接する積層体ブロック毎に吸収できており、幅方向
各端面部分の積層厚さは同一寸法となる。
【0015】次に、この鉄心形状を保ち、磁場印加用の
巻線を施し、非晶質磁性合金の内部応力除去による磁性
特性等の改善処置である焼鈍を、鉄心温度として300
〜400℃・磁化力として8AT/cm以上となるよう
電流を印加して実施する。以上の作業で、変圧器用の鉄
心製造が終了する。
【0016】実施例2 なお、本実施例では、積層体ブロックを構成する素材の
幅方向の各端面位置が積層方向に隣接する積層体ブロッ
ク毎に入れ替わるように配置するために、各積層体ブロ
ックの長手方向の向きを積層方向に隣接する積層体ブロ
ック毎に逆方向になるよう交互に反転を行なう。この場
合、実施例1と同等の効果を奏する。即ち、最内周の積
層体ブロック6に隣接する積層体ブロック61を構成す
る時、単位積層体51を取り出した後、素材の長手方向
の向きを単位積層体5の長手方向の向きと反対向きにな
るよう反転して構成する。その結果、積層体ブロック6
1の幅方向の各端面位置は、積層体ブロック6の幅方向
の各端面位置と逆になり、実施例1とまったく同様な、
素材の幅方向の板厚偏差による積層厚さの幅方向の寸法
差を吸収できるものとなる。
【0017】更に、もともと素材をリング状に巻回して
いるために生じる、実質的には問題とならない程微小な
単位積層体毎の素材周方向の内外周寸法差の長短が、実
施例1では、単位積層体の上下逆転により入れ替わって
しまうのに対して、実施例2では上下逆転ではないため
元のままに構成でき、それに起因するような問題は生じ
ないという利点がある。尚、この場合も素材1枚毎ある
いは単位積層体毎の反転でなく積層体ブロック毎の反転
であるため、前述の実施例1と同様切断形状が素材幅方
向でまったく同一でないために発生する問題はない。
【0018】実施例3 次に、本発明の別な実施例を示す。図7は、連続した同
一母材の素材から一連に構成されるのではなく、積層体
ブロックを構成するまでの工程が別個に行なわれて、別
個に準備された積層体ブロックを重ね合わせた単位積層
体ブロックの積層断面図である。以下、鉄心の製造工程
について説明する。まず、素材1を図2に示すように取
り出し、装置2にセットし、所要の内周をもったリング
形状鉄心3に巻回する。素材1を巻回後、このリング形
状鉄心3を周方向の任意の1箇所で積層方向に切断す
る。切断後の素材状態は、実施例1と同様、図3に示す
ように、略台形の断面形状になる。このような手順によ
り、もう一つ別個に切断製作した鉄心素材を準備する。
【0019】次に、まず、第1の鉄心素材のリング形状
鉄心3において最内周の積層側4から積層枚数10〜3
0枚にて単位積層体5に取り出す。さらに、単位積層体
5を素材長手方向に任意寸法づつずらして複数個の単位
積層体5を積層して積層体ブロック6を構成する。本実
施例では、最内周の積層側4から取り出した場合の例に
て説明を行なうが、最外周の積層側41から取り出した
場合も同様に実施可能である。最内周の積層側4から始
めに取り出し構成した積層体ブロック6は、鉄心最終形
状である矩形状に、その矩形の上部1辺で単位積層体5
をずらすことにより形成されている階段状で重ね合わせ
接合される。この積層体ブロック6の積層断面は図4に
示すように素材の幅方向の板厚偏差による積層厚さの幅
方向の寸法差を生じている。また、同時に、第2の鉄心
素材からも同様に、最内周の積層体ブロック構成を並行
して進める。
【0020】次に、第1の鉄心素材のリング形状鉄心最
内周の積層体ブロック6に隣接する積層体ブロックを構
成するが、この積層体ブロックには、第2の鉄心素材の
最内周の積層体ブロックの外周に隣接していた単位積層
体により構成する積層体ブロック60を、第1の鉄心素
材の幅方向の板厚偏差を吸収する方向に、すなわち、第
1の鉄心素材の板厚の厚い側と第2の鉄心素材の板厚の
薄い側が重なるように配置する。また、同時に、第2の
鉄心素材へも、第1の鉄心素材の最内周の積層体ブロッ
クの外周に隣接していた単位積層体により構成する積層
体ブロックを配置し、積層体ブロック構成を並行して進
める。この場合も、前述の実施例1や実施例2と同様、
素材1枚毎あるいは単位積層体毎の反転でなく積層体ブ
ロック毎の反転であるため、切断形状が素材幅方向でま
ったく同一でないために発生する問題はない。
【0021】以下、同様に最終鉄心形状が全て構成され
るまで、この積層体ブロック5を第1及び第2の鉄心素
材から交互に用いることを繰り返し巻鉄心を完成させ
る。以上のように構成された最終鉄心の積層断面は、実
施例1及び実施例2と同様、図6に示すように素材の幅
方向の板厚偏差による積層厚さの幅方向の寸法差を、積
層方向に隣接する積層体ブロック毎に吸収できており、
幅方向各端面部分の積層厚さは同一寸法となる。次に、
この鉄心形状を保ち、磁場印加用の巻線を施し、非晶質
磁性合金の内部応力除去による磁性特性等の改善処置で
ある焼鈍を、鉄心温度として300〜400℃・磁化力
として8AT/cm以上となるよう電流を印加して実施
する。以上の作業で、変圧器用の鉄心製造が終了する。
【0022】実施例4.なお、上記実施例3では、同一
母材の素材から、第1、第2の鉄心を製作しているが、
本実施例では素材の磁気特性のバラツキを複数素材を用
いて平均化する必要がある場合、少なくとも2種類以上
の別素材を用いて第1、第2の鉄心を製作し、第1の鉄
心素材の板厚の厚い側と第2の鉄心素材の板厚の薄い側
が重なるように配置した。この場合、まったく実施例3
と同様の効果を奏するばかりでなく、母材の異なること
による素材特性の違いによる鉄心としての特性値のバラ
ツキを平均化できる利点を有することができる。また、
鉄心素材は、2つ準備した例で説明したが、2つ以上の
複数の鉄心素材を用いても同様の効果を奏することはい
うまでもない。
【0023】
【発明の効果】この発明は、次に示すような効果を奏す
るものである。 (1)薄板状の磁性素材を所定枚数積層してなる単位積
層体を長手方向にずらして複数個積層して積層体ブロッ
クを構成し、更に該積層体ブロックを複数個積層して各
積層体ブロック内の各単位積層体の両端を重ね合わせて
接合し、磁気回路を形成する鉄心において、前記積層体
ブロックを構成する磁性素材は、単位積層体各自の一端
側と他端側が重畳する配置となるので、磁束の流れが遮
断されず磁気特性が優れたものとなる。そして、前記積
層体ブロックを構成する磁性素材の幅方向の各端面位置
が、積層方向に隣接する積層体ブロック毎に入れ替わる
配置となるので、幅方向の板厚偏差による積層厚さの幅
方向の寸法差を、積層方向に隣接する積層体ブロック毎
に吸収でき内部的なストレス発生要因を除去できるばか
りでなく、次に重なる単位積層体または素材の端部の切
断形状、切断角度の誤差等による食い違いが存在して
も、逆転が少なくとも積層体ブロック内では行われてい
ないので、素材どうしが異常に突き当たる等の現象を生
じて磁気特性の劣化、鉄心形状の部分的なふくれ等の支
障が発生する虞はない。また、使用素材の取り出しは1
種類の素材からの取り出し設備でよく、大がかりで高価
な設備は不要となる。さらに、積層方向に隣接する積層
体ブロックが、少なくとも連続した同一母材の素材から
一連に構成されず、該積層体ブロックが構成されるまで
の工程が別個に行われ、かつ2つ以上の複数の鉄心素材
から構成されるとともに、前記素材の片方の板厚の厚い
側と他方の板厚の薄い側とが重なる配置であるので、幅
方向の板厚偏差による積層厚さの幅方向の寸法差を、積
層方向に隣接する積層体ブロック毎に吸収でき内部的な
ストレス発生要因を除去できるばかりでなく、母材の異
なることによる素材特性の違いによる鉄心としての特性
値のバラツキを平均化できる。 (2)薄板状の磁性素材を所定枚数積層してなる単位積
層体を複数個ずらして積層して積層体ブロックを構成
し、更に該積層体ブロックを複数個積層して各積層体ブ
ロック内の各単位積層体の両端を重ね合わせて接合し、
磁気回路を形成する鉄心の製造方法において、前記積層
体ブロックを構成する磁性素材の厚さ方向の向きを積層
方向に隣接する積層体ブロック毎に交互に上下逆転して
配置し、又は前記積層体ブロックを構成する磁性素材の
長手方向の向きを積層方向に隣接する積層体ブロック毎
に逆方向になるよう交互に反転して配置し、かつ各積層
体ブロックが矩形形状に1周した後任意寸法Sだけ重な
って接合するので、磁束の流れが遮断されず磁気特性が
優れたものとなる。さらに、積層方向に隣接する積層体
ブロックが、少なくとも連続した同一母材の素材から一
連に構成されず、該積層体ブロックが構成されるまでの
工程が別個に行われ、かつ2つ以上の複数の素材から構
成されるとともに、前記各素材の片方の板厚の厚い側と
他方の板厚の薄い側を重ねるように配置し、前記積層方
向に隣接する積層体ブロックの各々の素材が、少なくと
も2種類以上の別母材から構成されているので、幅方向
の板厚偏差による積層厚さの幅方向の寸法差を、積層方
向に隣接する積層体ブロック毎に吸収でき内部的なスト
レス発生要因を除去できるばかりでなく、母材の異なる
ことによる素材特性の違いによる鉄心としての特性値の
バラツキを平均化できる。使用素材の取り出しは1種類
の素材からの取り出し設備でよく、大がかりで高価な設
備は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の鉄心構造断面図、
【図2】この発明の一実施例の、素材をリング状に巻回
する作業説明図、
【図3】この発明の一実施例の、巻回後に切断された素
材状況の説明図、
【図4】積層体ブロック構成時における単位積層体ブロ
ックの積層断面図、
【図5】この発明の一実施例に配置された積層方向に隣
接する2つの積層体ブロック単位の積層断面図、
【図6】この発明の一実施例の、全ての積層体ブロック
を構成した後の鉄心積層断面図、
【図7】この発明の別な実施例の別個に準備された積層
体ブロックを重ね合わせた単位積層体ブロックの積層断
面図、
【図8】従来例の鉄心の突合わせ接合説明図、
【図9】通常(ステップラップ)の突合わせ接合説明
図、
【図10】従来の接合部の切断形状説明図、
【図11】従来の接合部の切断形状説明図、
【図12】従来例の素材巻回する作業概念図、
【図13】従来例の積層素材の断面図。
【符号の説明】
1 非晶質磁性合金等の薄板状の磁性素材、 2 素材取り出し装置、 3 リング形状鉄心、 4 リング形状鉄心の最内周の積層側、 41 リング形状鉄心の最外周の積層側、 5 最内周側の第1積層体ブロックを構成する単位積
層体、 51 内周側の第2積層体ブロックを構成する単位積層
体、 52 内周側の第3積層体ブロックを構成する単位積層
体、 53 内周側の第4積層体ブロックを構成する単位積層
体、 6 最内周側の第1積層体ブロック、 61 内周側の第2積層体ブロック、 62 内周側の第3積層体ブロック、 63 内周側の第4積層体ブロック、 60 第2鉄心素材のリング形状鉄心の内周側の第2積
層体ブロック。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板状の磁性素材を所定枚数積層してな
    る単位積層体を長手方向にずらして複数個積層して積層
    体ブロックを構成し、更に該積層体ブロックを複数個積
    層して各積層体ブロック内の各単位積層体の両端を重ね
    合わせて接合し、磁気回路を形成する鉄心において、 積層方向に同一位置にある単位積層体各自の一端側と他
    端側とが重畳した配置となり、かつ前記積層体ブロック
    を構成する磁性素材の幅方向の各端面位置が、積層方向
    に隣接する積層体ブロック毎に入れ替わる配置となるこ
    とを特徴とする静止誘導機器用鉄心。
  2. 【請求項2】 積層方向に隣接する積層体ブロックが、
    少なくとも連続した同一母材の素材から一連に構成され
    ず、該積層体ブロックが構成されるまでの工程が別個に
    行われ、かつ2つ以上の複数の鉄心素材から構成される
    とともに、前記素材の片方の板厚の厚い側と他方の板厚
    の薄い側とが重なる配置であることを特徴する請求項1
    に記載の静止誘導機器用鉄心。
  3. 【請求項3】 薄板状の磁性素材を所定枚数積層してな
    る単位積層体を長手方向にずらして複数個積層して積層
    体ブロックを構成し、更に該積層体ブロックを複数個積
    層して各積層体ブロック内の各単位積層体の両端を重ね
    合わせて接合し、磁気回路を形成する鉄心の製造方法に
    おいて、 前記積層体ブロックを構成する磁性素材の厚さ方向の向
    きを積層方向に隣接する積層体ブロック毎に交互に上下
    逆転して配置し、又は前記積層体ブロックを構成する磁
    性素材の長手方向の向きを積層方向に隣接する積層体ブ
    ロック毎に逆方向になるよう交互に反転して配置し、か
    つ巻回した後積層方向に同一位置にある単位積層体の端
    部どうしを任意寸法重なるように接合することを特徴と
    する静止誘導機器用鉄心の製造方法。
  4. 【請求項4】 積層方向に隣接する積層体ブロックが、
    少なくとも連続した同一母材の素材から一連に構成され
    ず、該積層体ブロックが構成されるまでの工程が別個に
    行われ、かつ2つ以上の複数の素材から構成されるとと
    もに、前記各素材の片方の板厚の厚い側と他方の板厚の
    薄い側を重ねるように配置することを特徴する請求項3
    に記載の静止誘導機器用鉄心の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記積層方向に隣接する積層体ブロック
    の各々の素材が、少なくとも2種類以上の別母材から構
    成されていることを特徴とする請求項3に記載の静止誘
    導機器用鉄心の製造方法。
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