JP2632098B2 - 静止誘導機器鉄心及びその製造方法 - Google Patents
静止誘導機器鉄心及びその製造方法Info
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- JP2632098B2 JP2632098B2 JP3275667A JP27566791A JP2632098B2 JP 2632098 B2 JP2632098 B2 JP 2632098B2 JP 3275667 A JP3275667 A JP 3275667A JP 27566791 A JP27566791 A JP 27566791A JP 2632098 B2 JP2632098 B2 JP 2632098B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非晶質磁性合金等の薄板
状磁性材料を用いた静止誘導機器巻鉄心及びその製造方
法に関する。
状磁性材料を用いた静止誘導機器巻鉄心及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気機器の鉄心材料としては従来電気鋼
板としてケイ素鋼板が使用されているが、最近鉄損がケ
イ素鋼板のそれに比べて20〜30%と低い非晶質磁性
合金が開発され、電気機器の鉄心材料への応用が研究さ
れてきている。非晶質磁性合金は溶湯を急冷する方法で
製造されており、その製造方法ゆえに材料厚さが20〜
40μm の薄板状にしか製造できない。この薄板状材料
で構成される鉄心は、形状を維持するために内周側及び
外周側に補強枠を配置するなどの対策により十分な剛性
を得て内部応力の発生等による圧縮歪みや曲げ応力など
のような機械的なストレスを防ぎ、鉄損・励磁電流・磁
歪等の磁気的な特性劣化要因を除去しているのが一般的
である。しかしながら、非晶質磁性合金は、磁性特性等
の改善処置である焼鈍(300〜400℃の熱処理)及
び磁区配列をそろえる目的の8AT/cm以上となるよう磁
化力印加が不可欠であり、特にこの焼鈍により極めて脆
くなる性質があり、焼鈍終了後の非晶質磁性合金は、こ
の脆化現象のため、作業中の軽い衝撃等により材料破損
を発生し、磁性特性等の組立加工劣化を引き起こすとい
う問題があった。この脆化現象は、鉄心への非晶質磁性
合金適用上の最大の弱点となっていた。
板としてケイ素鋼板が使用されているが、最近鉄損がケ
イ素鋼板のそれに比べて20〜30%と低い非晶質磁性
合金が開発され、電気機器の鉄心材料への応用が研究さ
れてきている。非晶質磁性合金は溶湯を急冷する方法で
製造されており、その製造方法ゆえに材料厚さが20〜
40μm の薄板状にしか製造できない。この薄板状材料
で構成される鉄心は、形状を維持するために内周側及び
外周側に補強枠を配置するなどの対策により十分な剛性
を得て内部応力の発生等による圧縮歪みや曲げ応力など
のような機械的なストレスを防ぎ、鉄損・励磁電流・磁
歪等の磁気的な特性劣化要因を除去しているのが一般的
である。しかしながら、非晶質磁性合金は、磁性特性等
の改善処置である焼鈍(300〜400℃の熱処理)及
び磁区配列をそろえる目的の8AT/cm以上となるよう磁
化力印加が不可欠であり、特にこの焼鈍により極めて脆
くなる性質があり、焼鈍終了後の非晶質磁性合金は、こ
の脆化現象のため、作業中の軽い衝撃等により材料破損
を発生し、磁性特性等の組立加工劣化を引き起こすとい
う問題があった。この脆化現象は、鉄心への非晶質磁性
合金適用上の最大の弱点となっていた。
【0003】このような欠点を改善する従来技術とし
て、例えば、実開昭62−92616号公報に掲載の技
術を挙げることができる。この公報には、巻鉄心の内部
及び外部に予め成形したケイ素鋼板を、非晶質磁性合金
を保護するプラスチックフィルム等からなる保護層を介
してテープで一体化し、緊縛して巻回することにより、
鉄心形状を維持して機械的剛性を補強する技術が示され
ている。しかし、上記公報に記載の従来の非晶質磁性合
金製巻鉄心においては、非晶質磁性合金の磁性特性等の
改善処理として熱処理(300〜400℃の温度による
焼鈍)を実施することが不可欠であるため、ケイ素鋼板
を一体化して緊縛するテープや、非晶質磁性合金を保護
するプラスチックフィルム等からなる保護層を焼鈍温度
(300〜400℃)に耐え得るだけの耐熱性を有する
材料とすることが要求され、実際問題として技術的に極
めて困難であった。また、これらの各材料として耐熱性
が不十分のものを使用すると、これらの各材料と非晶質
磁性合金とが融着するため、逆に、焼鈍処理後の組立作
業において、非晶質磁性合金に不用意な外力、衝撃を与
える結果となり、極めて大きな破損を引起こす要因とも
なっていた。
て、例えば、実開昭62−92616号公報に掲載の技
術を挙げることができる。この公報には、巻鉄心の内部
及び外部に予め成形したケイ素鋼板を、非晶質磁性合金
を保護するプラスチックフィルム等からなる保護層を介
してテープで一体化し、緊縛して巻回することにより、
鉄心形状を維持して機械的剛性を補強する技術が示され
ている。しかし、上記公報に記載の従来の非晶質磁性合
金製巻鉄心においては、非晶質磁性合金の磁性特性等の
改善処理として熱処理(300〜400℃の温度による
焼鈍)を実施することが不可欠であるため、ケイ素鋼板
を一体化して緊縛するテープや、非晶質磁性合金を保護
するプラスチックフィルム等からなる保護層を焼鈍温度
(300〜400℃)に耐え得るだけの耐熱性を有する
材料とすることが要求され、実際問題として技術的に極
めて困難であった。また、これらの各材料として耐熱性
が不十分のものを使用すると、これらの各材料と非晶質
磁性合金とが融着するため、逆に、焼鈍処理後の組立作
業において、非晶質磁性合金に不用意な外力、衝撃を与
える結果となり、極めて大きな破損を引起こす要因とも
なっていた。
【0004】従来、このような欠点を改善する一つの手
段として、特開昭63−205904に示されるよう
に、薄板状の磁性素材を主要材料として所定枚数積層し
た単位積層体を複数個積層して構成した積層体ブロック
間毎に形成される積層間スペースに帯材を設けておき、
さらに主要磁性材料の各単位積層体の両端の重ね合わせ
部分により各積層体ブロック毎に形成される階段状の突
き合わせ接合部の間に板材を介在させ、焼鈍前の作業中
の素材が破損し特性加工劣化を引き起こすのを、防止す
る巻鉄心製造手段等が提案された。しかしながら、上記
の手段では、巻線コイルとの組み合せ工程で焼鈍直後の
各積層体ブロック毎に形成される階段状の各単位積層体
の両端の重ね合わせ部分を分離する作業時に、介在させ
た帯材及び板材を除去する際、どうしても直接磁性素材
に触れる必要が生じたり、主要磁性材料に必要以上の外
部応力をかけずに除去作業することは困難であり、ま
た、突き合わせ接合部を再重ね合わせ接合する作業時に
は完全に直接磁性素材に接触する機会のなく主要磁性材
料の損傷を皆無とすることはできなかった。特開昭63
−205904では、介在させた帯材及び板材を絶縁材
料とすることによりこの帯材及び板材を焼鈍直後に除去
する必要をなくすことも提案されているが、この場合絶
縁材料は鉄心の焼鈍温度である300〜400℃の高温
に耐える材質である必要があり極めて高価なものとなっ
たり、磁気的に各積層体ブロック毎に形成される階段状
の突き合わせ接合部の間にギャップを生じている状態の
ため焼鈍時に不可欠な磁化力印加が不十分なものとなり
磁性特性の改善が不十分な結果となる等の問題があっ
た。
段として、特開昭63−205904に示されるよう
に、薄板状の磁性素材を主要材料として所定枚数積層し
た単位積層体を複数個積層して構成した積層体ブロック
間毎に形成される積層間スペースに帯材を設けておき、
さらに主要磁性材料の各単位積層体の両端の重ね合わせ
部分により各積層体ブロック毎に形成される階段状の突
き合わせ接合部の間に板材を介在させ、焼鈍前の作業中
の素材が破損し特性加工劣化を引き起こすのを、防止す
る巻鉄心製造手段等が提案された。しかしながら、上記
の手段では、巻線コイルとの組み合せ工程で焼鈍直後の
各積層体ブロック毎に形成される階段状の各単位積層体
の両端の重ね合わせ部分を分離する作業時に、介在させ
た帯材及び板材を除去する際、どうしても直接磁性素材
に触れる必要が生じたり、主要磁性材料に必要以上の外
部応力をかけずに除去作業することは困難であり、ま
た、突き合わせ接合部を再重ね合わせ接合する作業時に
は完全に直接磁性素材に接触する機会のなく主要磁性材
料の損傷を皆無とすることはできなかった。特開昭63
−205904では、介在させた帯材及び板材を絶縁材
料とすることによりこの帯材及び板材を焼鈍直後に除去
する必要をなくすことも提案されているが、この場合絶
縁材料は鉄心の焼鈍温度である300〜400℃の高温
に耐える材質である必要があり極めて高価なものとなっ
たり、磁気的に各積層体ブロック毎に形成される階段状
の突き合わせ接合部の間にギャップを生じている状態の
ため焼鈍時に不可欠な磁化力印加が不十分なものとなり
磁性特性の改善が不十分な結果となる等の問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、巻
鉄心製造時における非晶質磁性合金等の薄板状主要磁性
材料を焼鈍処理したことにより起こる脆化現象から保護
し、材料破損を抑制し、磁性特性等の組立加工劣化を防
止できる静止誘導機器鉄心を提供することを目的とす
る。また、巻鉄心製造時に、非晶質磁性合金等の薄板状
主要磁性材料の、特に、焼鈍直後の各積層体ブロック毎
に形成される階段状の各単位積層体の両端の重ね合わせ
部分を分離・再重ね合わせ接合する作業時に、直接主要
磁性素材に接触する機会がなく、主要磁性材料に必要以
上の外部応力をかけることのない作業とすることのでき
る鉄心製造を、極めて高価な材料を使用することなく提
供し、主要磁性素材の磁気特性を十分引き出すことので
きる鉄心構成とすることを目的とする。
鉄心製造時における非晶質磁性合金等の薄板状主要磁性
材料を焼鈍処理したことにより起こる脆化現象から保護
し、材料破損を抑制し、磁性特性等の組立加工劣化を防
止できる静止誘導機器鉄心を提供することを目的とす
る。また、巻鉄心製造時に、非晶質磁性合金等の薄板状
主要磁性材料の、特に、焼鈍直後の各積層体ブロック毎
に形成される階段状の各単位積層体の両端の重ね合わせ
部分を分離・再重ね合わせ接合する作業時に、直接主要
磁性素材に接触する機会がなく、主要磁性材料に必要以
上の外部応力をかけることのない作業とすることのでき
る鉄心製造を、極めて高価な材料を使用することなく提
供し、主要磁性素材の磁気特性を十分引き出すことので
きる鉄心構成とすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる静止誘導
機器鉄心は、薄板状の磁性素材を主要材料として両端が
重合状態で接合され所定枚数積層された略矩形リング状
の単位積層体と、前記単位積層体を複数個積層して形成
され、各単位積層体の両端によって形成された階段状の
突き合わせ接合部を有する複数の積層体ブロックと、前
記単位積層体の主要材料の焼鈍温度では材料内部に発生
する応力除去処理が行なわれない素材からなり、前記積
層体ブロック間の各積層間スペースに略矩形リング全周
に亘って巻設された薄板状補助鉄心とを具備し、各積層
体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合部の
間に薄板状補助鉄心の片端部分を挿入するか、磁性材料
からなる補助スペーサを挿入したものである。
機器鉄心は、薄板状の磁性素材を主要材料として両端が
重合状態で接合され所定枚数積層された略矩形リング状
の単位積層体と、前記単位積層体を複数個積層して形成
され、各単位積層体の両端によって形成された階段状の
突き合わせ接合部を有する複数の積層体ブロックと、前
記単位積層体の主要材料の焼鈍温度では材料内部に発生
する応力除去処理が行なわれない素材からなり、前記積
層体ブロック間の各積層間スペースに略矩形リング全周
に亘って巻設された薄板状補助鉄心とを具備し、各積層
体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合部の
間に薄板状補助鉄心の片端部分を挿入するか、磁性材料
からなる補助スペーサを挿入したものである。
【0007】また、静止誘導機器鉄心の製造方法は、最
終鉄心構成として、各積層体ブロック間毎に形成される
積層間スペースに、主要磁性材料の各積層体ブロック毎
に形成される階段状の突き合わせ接合部でこの接合部分
の巾寸法以上に重ね合わせできる所要寸法を持った薄板
状補助鉄心が挿入され、さらに、挿入された薄板状補助
鉄心の片端部分を、各積層体ブロック毎に形成される階
段状の突き合わせ接合部の間に挿入したままの状態で鉄
心の熱処理を行う工程を踏む。
終鉄心構成として、各積層体ブロック間毎に形成される
積層間スペースに、主要磁性材料の各積層体ブロック毎
に形成される階段状の突き合わせ接合部でこの接合部分
の巾寸法以上に重ね合わせできる所要寸法を持った薄板
状補助鉄心が挿入され、さらに、挿入された薄板状補助
鉄心の片端部分を、各積層体ブロック毎に形成される階
段状の突き合わせ接合部の間に挿入したままの状態で鉄
心の熱処理を行う工程を踏む。
【0008】更に、もう一つの静止誘導機器鉄心の製造
方法は、主要磁性材料の各単位積層体の両端の重ね合わ
せ部分により各積層体ブロック毎に形成される階段状の
突き合わせ接合部の間に、応力除去のための熱処理温度
が薄板状補助鉄心と同一で、各単位積層体の積み厚さの
約5分の1以下の厚さの磁性材料からなる補助スペーサ
を挿入したそのままの状態で鉄心の熱処理を行う工程を
踏む。
方法は、主要磁性材料の各単位積層体の両端の重ね合わ
せ部分により各積層体ブロック毎に形成される階段状の
突き合わせ接合部の間に、応力除去のための熱処理温度
が薄板状補助鉄心と同一で、各単位積層体の積み厚さの
約5分の1以下の厚さの磁性材料からなる補助スペーサ
を挿入したそのままの状態で鉄心の熱処理を行う工程を
踏む。
【0009】
【作用】本発明の静止誘導機器鉄心においては、略矩形
リング状の単位積層体を複数個積層して形成された複数
の積層体ブロック間の各積層間スペースに矩形リング全
周に亘って薄板状補助鉄心が巻設され、各積層体ブロッ
ク毎に形成される階段状の突き合わせ接合部の間に薄板
状補助鉄心の片端部分を挿入するか、磁性材料からなる
補助スペーサを挿入したものであり、非晶質磁性合金等
からなる薄板状の磁性素材を主要材料とする単位積層体
を外力等の衝撃から保護できるとともに、巻線コイルの
組付時に各単位積層体の両端の重ね合わせ部分より各積
層体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合部
の分離、再接合作業を各積層間スペースに巻設された薄
板状補助鉄心及びその階段状の突き合わせ接合部の間に
挿入された薄板状補助鉄心の片端部分又は補助スペーサ
を利用して容易に、かつ、単位積層体に直接触れること
なくでき、非晶質磁性合金等の磁性特性の改善処理とし
て焼鈍を実施しても、この焼鈍処理をしたことにより起
こる脆化現象から、非晶質磁性合金等の薄板状主要磁性
材料を保護できる。
リング状の単位積層体を複数個積層して形成された複数
の積層体ブロック間の各積層間スペースに矩形リング全
周に亘って薄板状補助鉄心が巻設され、各積層体ブロッ
ク毎に形成される階段状の突き合わせ接合部の間に薄板
状補助鉄心の片端部分を挿入するか、磁性材料からなる
補助スペーサを挿入したものであり、非晶質磁性合金等
からなる薄板状の磁性素材を主要材料とする単位積層体
を外力等の衝撃から保護できるとともに、巻線コイルの
組付時に各単位積層体の両端の重ね合わせ部分より各積
層体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合部
の分離、再接合作業を各積層間スペースに巻設された薄
板状補助鉄心及びその階段状の突き合わせ接合部の間に
挿入された薄板状補助鉄心の片端部分又は補助スペーサ
を利用して容易に、かつ、単位積層体に直接触れること
なくでき、非晶質磁性合金等の磁性特性の改善処理とし
て焼鈍を実施しても、この焼鈍処理をしたことにより起
こる脆化現象から、非晶質磁性合金等の薄板状主要磁性
材料を保護できる。
【0010】また、各積層体ブロック間に形成された積
層間スペースに挿入された薄板状補助鉄心の片端部分を
各積層体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接
合部の間に挿入したままの状態で鉄心の熱処理工程を含
むことにより、焼鈍後の巻線コイルと鉄心の組立作業時
の各単位積層体の両端の重ね合わせ部分により各積層体
ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合部の分
離作業を、挿入された薄板状補助鉄心の片端部分を介し
て、容易、かつ、直接主要磁性材料に触れることなく実
施できる。また、熱処理作業前に鉄心形状を構成する成
形作業時に、各積層体ブロック毎に形成される階段状の
各単位積層体の両端の重ね合わせ部分で、直接主要磁性
材料同志が突き当たることがなく、逆に、薄板状補助鉄
心の片端部分が形成された階段形状を平滑面化する効果
を奏し、異常な外力により主要磁性材料を損傷すること
を保護するという利点を、特別に階段形状を平滑面化す
るための部材や高価な耐熱性絶縁材料を使用せず可能と
する。即ち、鉄心形状の成形及び巻線コイルと鉄心の組
立時の各単位積層体の両端の重ね合わせ部分の分離・再
接合作業中の主要磁性材料への機械的な応力歪み及び脆
化現象による特性加工劣化の機会のまったくない鉄心構
成を実現し、その結果として、格段に作業性を改善する
ことができる。
層間スペースに挿入された薄板状補助鉄心の片端部分を
各積層体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接
合部の間に挿入したままの状態で鉄心の熱処理工程を含
むことにより、焼鈍後の巻線コイルと鉄心の組立作業時
の各単位積層体の両端の重ね合わせ部分により各積層体
ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合部の分
離作業を、挿入された薄板状補助鉄心の片端部分を介し
て、容易、かつ、直接主要磁性材料に触れることなく実
施できる。また、熱処理作業前に鉄心形状を構成する成
形作業時に、各積層体ブロック毎に形成される階段状の
各単位積層体の両端の重ね合わせ部分で、直接主要磁性
材料同志が突き当たることがなく、逆に、薄板状補助鉄
心の片端部分が形成された階段形状を平滑面化する効果
を奏し、異常な外力により主要磁性材料を損傷すること
を保護するという利点を、特別に階段形状を平滑面化す
るための部材や高価な耐熱性絶縁材料を使用せず可能と
する。即ち、鉄心形状の成形及び巻線コイルと鉄心の組
立時の各単位積層体の両端の重ね合わせ部分の分離・再
接合作業中の主要磁性材料への機械的な応力歪み及び脆
化現象による特性加工劣化の機会のまったくない鉄心構
成を実現し、その結果として、格段に作業性を改善する
ことができる。
【0011】更に、上記薄板状補助鉄心の片端部分の代
わりに応力除去のための熱処理温度が薄板状補助鉄心と
同一で、各単位積層体の積み厚さの約5分の1以下の厚
さの磁性材料からなる補助スペーサを使用した場合に
も、焼鈍後の巻線コイルと鉄心の組立作業時の各単位積
層体の両端の重ね合わせ部分により各積層体ブロック毎
に形成される階段状の突き合わせ接合部の分離作業を、
挿入される補助スペーサを介して、容易に、かつ、直接
主要磁性材料に触れることなく実施できる。また、熱処
理作業前に鉄心形状を構成する成形作業時に、各積層体
ブロック毎に形成される階段状の各単位積層体の両端の
重ね合わせ部分で、直接主要磁性材料同志が突き当たる
ことがなく、逆に、補助スペーサが形成された階段形状
を平滑面化する効果を奏し、異常な外力により主要磁性
材料を損傷することを保護するという利点が生ずる。即
ち、鉄心形状の成形及び巻線コイルと鉄心の組立時の各
単位積層体の両端の重ね合わせ部分の分離・再接合作業
中の主要磁性材料への機械的な応力歪み及び脆化現象に
よる特性加工劣化の機会のまったくない鉄心構成を実現
し、その結果として、格段に作業性を改善することがで
きる。
わりに応力除去のための熱処理温度が薄板状補助鉄心と
同一で、各単位積層体の積み厚さの約5分の1以下の厚
さの磁性材料からなる補助スペーサを使用した場合に
も、焼鈍後の巻線コイルと鉄心の組立作業時の各単位積
層体の両端の重ね合わせ部分により各積層体ブロック毎
に形成される階段状の突き合わせ接合部の分離作業を、
挿入される補助スペーサを介して、容易に、かつ、直接
主要磁性材料に触れることなく実施できる。また、熱処
理作業前に鉄心形状を構成する成形作業時に、各積層体
ブロック毎に形成される階段状の各単位積層体の両端の
重ね合わせ部分で、直接主要磁性材料同志が突き当たる
ことがなく、逆に、補助スペーサが形成された階段形状
を平滑面化する効果を奏し、異常な外力により主要磁性
材料を損傷することを保護するという利点が生ずる。即
ち、鉄心形状の成形及び巻線コイルと鉄心の組立時の各
単位積層体の両端の重ね合わせ部分の分離・再接合作業
中の主要磁性材料への機械的な応力歪み及び脆化現象に
よる特性加工劣化の機会のまったくない鉄心構成を実現
し、その結果として、格段に作業性を改善することがで
きる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の各実施例について説明する。
図1は本発明の一実施例を示す断面図であり、変圧器用
の矩形リング状巻線に適用した例を示す。図において、
1は非晶質磁性合金である薄板状の磁性素材を主要材料
として所定枚数積層した略矩形リング状の単位積層体で
ある。2は単位積層体1を複数個積層して形成した積層
体ブロックであり、22は複数の積層体ブロック2のう
ち最外周側に位置する積層体ブロックである。3は薄板
状補助鉄心であり、33は最外周部分の薄板状補助鉄心
である。4は各単位積層体1の両端を重合わせた接合
部、5は薄板状補助鉄心3の矩形リング角部、6は薄板
状補助鉄心3の重なり部、7は鉄心に巻設された巻線コ
イル、8は矩形リング状巻鉄心であり、88は矩形リン
グ上部一辺である。9は各積層体ブロック2間に発生し
た積層間スペース、10は鉄心の最内に位置する内周補
強枠、11は鉄心の最外に位置する外周補強枠である。
本実施例の静止誘導機器鉄心は上記のように構成されて
おり、非晶質磁性合金である薄板状の磁性材料を主要材
料として所定枚数積層した単位積層体1を、複数個積層
して積層体ブロック2を構成し、更に、積層体ブロック
2を複数個積層して各積層体ブロック2内の各単位積層
体1の両端を重合わせて接合し、所要の巻鉄心磁気回路
を構成している。
図1は本発明の一実施例を示す断面図であり、変圧器用
の矩形リング状巻線に適用した例を示す。図において、
1は非晶質磁性合金である薄板状の磁性素材を主要材料
として所定枚数積層した略矩形リング状の単位積層体で
ある。2は単位積層体1を複数個積層して形成した積層
体ブロックであり、22は複数の積層体ブロック2のう
ち最外周側に位置する積層体ブロックである。3は薄板
状補助鉄心であり、33は最外周部分の薄板状補助鉄心
である。4は各単位積層体1の両端を重合わせた接合
部、5は薄板状補助鉄心3の矩形リング角部、6は薄板
状補助鉄心3の重なり部、7は鉄心に巻設された巻線コ
イル、8は矩形リング状巻鉄心であり、88は矩形リン
グ上部一辺である。9は各積層体ブロック2間に発生し
た積層間スペース、10は鉄心の最内に位置する内周補
強枠、11は鉄心の最外に位置する外周補強枠である。
本実施例の静止誘導機器鉄心は上記のように構成されて
おり、非晶質磁性合金である薄板状の磁性材料を主要材
料として所定枚数積層した単位積層体1を、複数個積層
して積層体ブロック2を構成し、更に、積層体ブロック
2を複数個積層して各積層体ブロック2内の各単位積層
体1の両端を重合わせて接合し、所要の巻鉄心磁気回路
を構成している。
【0013】次に、この実施例の鉄心及び変圧器の製造
工程について説明をする。まず、鉄心の製造工程におい
ては、非晶質磁性合金を矩形リング状に一周した場合
に、所要の重なり部分が生ずるような長さに予め切断
し、更に、それを所定枚数積層した単位積層体1を積層
枚数10〜30枚で構成する。そして、単位積層体1を
任意寸法づつずらして複数個の単位積層体1を積層して
積層体ブロック2を構成する。本実施例では、単位積層
体1のずらし寸法は一つの単位積層体1毎に5〜20mm
としており、矩形リング状巻鉄心8の矩形リング上部一
辺88で長手方向に必要な寸法だけ重合わせて接合部4
を構成する。この接合部分4は図1に示すように階段状
に形成される。この積層体ブロック2は、所要厚さを得
られる複数個の単位積層体1を順番に各々の接合部4を
矩形リング上部一辺88の同位置に合わせるようにして
構成し、順次矩形リングに沿わして最終的に所定の矩形
リング状巻鉄心8を構成する。また、本実施例では、一
つの積層体ブロック2を構成する単位積層体1の数は、
内周側に位置する積層体ブロック2よりも、外周側に位
置する積層体ブロック22ほど多くなっており、後の各
単位積層体1の両端の重合状態にある接合部4の分離、
再接合作業をより一層容易にしている。
工程について説明をする。まず、鉄心の製造工程におい
ては、非晶質磁性合金を矩形リング状に一周した場合
に、所要の重なり部分が生ずるような長さに予め切断
し、更に、それを所定枚数積層した単位積層体1を積層
枚数10〜30枚で構成する。そして、単位積層体1を
任意寸法づつずらして複数個の単位積層体1を積層して
積層体ブロック2を構成する。本実施例では、単位積層
体1のずらし寸法は一つの単位積層体1毎に5〜20mm
としており、矩形リング状巻鉄心8の矩形リング上部一
辺88で長手方向に必要な寸法だけ重合わせて接合部4
を構成する。この接合部分4は図1に示すように階段状
に形成される。この積層体ブロック2は、所要厚さを得
られる複数個の単位積層体1を順番に各々の接合部4を
矩形リング上部一辺88の同位置に合わせるようにして
構成し、順次矩形リングに沿わして最終的に所定の矩形
リング状巻鉄心8を構成する。また、本実施例では、一
つの積層体ブロック2を構成する単位積層体1の数は、
内周側に位置する積層体ブロック2よりも、外周側に位
置する積層体ブロック22ほど多くなっており、後の各
単位積層体1の両端の重合状態にある接合部4の分離、
再接合作業をより一層容易にしている。
【0014】薄板状補助鉄心3は、積層体ブロック2,
22を矩形リングに沿わせる時点で、主要磁性材料の非
晶質磁性合金と同一幅寸法で各積層体ブロック2の内周
側に配して一緒に矩形リング状に沿わせることにより、
結果的に、積層体ブロック2間の各積層間スペース9の
全周に亘って各々介装される。各薄板状補助鉄心3の材
質は、主要素材の非晶質磁性合金の磁性特性改善のため
の熱処理温度300〜400℃では、材料内部に発生し
ている応力除去等が行なわれない電気鋼板であるケイ素
鋼板とする。熱処理で応力除去等が行なわれないため
に、焼鈍後の各単位積層体1の両端の重合わせ部分であ
る接合部4の分離作業において、薄板状補助鉄心3の矩
形リング角部5に残る残留応力が重なり部6を分離させ
る方向に力が作用するから、直接非晶質磁性合金に触れ
ることなく分離でき、分離作業を極めて容易にできる。
なお、薄板状補助鉄心3の材料厚さは、必要以上に厚い
と角部分5に残る残留応力により、逆に主要素材の非晶
質合金にストレスをかけ、磁性特性低下の原因となるた
め、少なくとも0.3mm以下(0.025〜0.1mm程
度が好ましい)とする必要がある。
22を矩形リングに沿わせる時点で、主要磁性材料の非
晶質磁性合金と同一幅寸法で各積層体ブロック2の内周
側に配して一緒に矩形リング状に沿わせることにより、
結果的に、積層体ブロック2間の各積層間スペース9の
全周に亘って各々介装される。各薄板状補助鉄心3の材
質は、主要素材の非晶質磁性合金の磁性特性改善のため
の熱処理温度300〜400℃では、材料内部に発生し
ている応力除去等が行なわれない電気鋼板であるケイ素
鋼板とする。熱処理で応力除去等が行なわれないため
に、焼鈍後の各単位積層体1の両端の重合わせ部分であ
る接合部4の分離作業において、薄板状補助鉄心3の矩
形リング角部5に残る残留応力が重なり部6を分離させ
る方向に力が作用するから、直接非晶質磁性合金に触れ
ることなく分離でき、分離作業を極めて容易にできる。
なお、薄板状補助鉄心3の材料厚さは、必要以上に厚い
と角部分5に残る残留応力により、逆に主要素材の非晶
質合金にストレスをかけ、磁性特性低下の原因となるた
め、少なくとも0.3mm以下(0.025〜0.1mm程
度が好ましい)とする必要がある。
【0015】また、薄板状補助鉄心3の長手方向の寸法
は、各積層体ブロック2の矩形リング上部一辺88の接
合部4全体の長さと略同一寸法の重なり部6を有するよ
うに設定し、積層間スペース9の1周毎の矩形リング全
周に亘って確実に巻設されている。且つ、各単位積層体
1の両端の重ね合わせ接合部4を作業中十分に保護し得
る構造となっている。所定の積層体ブロック2を全て矩
形リングに沿わせて成形を終了し、最後に、最外周の積
層体ブロック22の外側に薄板状補助鉄心33を巻設し
て、巻鉄心形状を完成させる。
は、各積層体ブロック2の矩形リング上部一辺88の接
合部4全体の長さと略同一寸法の重なり部6を有するよ
うに設定し、積層間スペース9の1周毎の矩形リング全
周に亘って確実に巻設されている。且つ、各単位積層体
1の両端の重ね合わせ接合部4を作業中十分に保護し得
る構造となっている。所定の積層体ブロック2を全て矩
形リングに沿わせて成形を終了し、最後に、最外周の積
層体ブロック22の外側に薄板状補助鉄心33を巻設し
て、巻鉄心形状を完成させる。
【0016】次に、この鉄心形状を維持したまま、焼鈍
中の磁場印加用の巻線を施し、非晶質磁性合金の内部応
力除去による磁性特性等の改善処理である焼鈍をし、鉄
心温度が300〜400℃、磁化力が8AT/cm以上とな
るように電流を印加して実施する。従来例で述べた如
く、焼鈍を終了した非晶質磁性合金は極めて脆くなり、
この後の全ての作業において発生する軽い衝撃等により
材料破損を容易に引起こし、磁性特性等の組立加工劣化
の要因になる。そこで、この実施例では、鉄心製作時
に、直接、非晶質磁性合金に触れる機会を排して、衝撃
を与えないようにして破損を防止している。
中の磁場印加用の巻線を施し、非晶質磁性合金の内部応
力除去による磁性特性等の改善処理である焼鈍をし、鉄
心温度が300〜400℃、磁化力が8AT/cm以上とな
るように電流を印加して実施する。従来例で述べた如
く、焼鈍を終了した非晶質磁性合金は極めて脆くなり、
この後の全ての作業において発生する軽い衝撃等により
材料破損を容易に引起こし、磁性特性等の組立加工劣化
の要因になる。そこで、この実施例では、鉄心製作時
に、直接、非晶質磁性合金に触れる機会を排して、衝撃
を与えないようにして破損を防止している。
【0017】上記のようにして変圧器用の鉄心を製造し
た後に、電気回路を構成する巻線コイル7との組付作業
を行なう。まず、焼鈍後の矩形リング状巻鉄心8の矩形
リング上部一辺88に位置する各単位積層体1の両端部
分の重合状態にある接合部4を分離する。この分離作業
は、薄板状補助鉄心3の重なり部6を利用することによ
り、直接、非晶質磁性合金に触れることなく実施でき
る。即ち、上述のように、薄板状補助鉄心3の矩形リン
グ角部5に残る残留応力が接合部4を分離させる方向に
力が作用するから、非晶質磁性合金に触れることなく接
合部4の分離ができ、分離作業が極めて容易にできる。
全ての接合部4を分離した後、巻線コイル7を挿入す
る。巻線コイル7を挿入した後、再度、積層体ブロック
2,22毎に各単位積層体1どうしの両端部分で重合わ
せ接合を行ない焼鈍前の接合状態に戻す作業を行なう。
この再接合作業においても、薄板状補助鉄心3を介して
の矩形リングへの沿わせ成形が可能であり、しかも、再
接合時も薄板状補助鉄心3の重なり部6を利用すること
等により、直接非晶質磁性合金に触れることなく再接合
ができる。
た後に、電気回路を構成する巻線コイル7との組付作業
を行なう。まず、焼鈍後の矩形リング状巻鉄心8の矩形
リング上部一辺88に位置する各単位積層体1の両端部
分の重合状態にある接合部4を分離する。この分離作業
は、薄板状補助鉄心3の重なり部6を利用することによ
り、直接、非晶質磁性合金に触れることなく実施でき
る。即ち、上述のように、薄板状補助鉄心3の矩形リン
グ角部5に残る残留応力が接合部4を分離させる方向に
力が作用するから、非晶質磁性合金に触れることなく接
合部4の分離ができ、分離作業が極めて容易にできる。
全ての接合部4を分離した後、巻線コイル7を挿入す
る。巻線コイル7を挿入した後、再度、積層体ブロック
2,22毎に各単位積層体1どうしの両端部分で重合わ
せ接合を行ない焼鈍前の接合状態に戻す作業を行なう。
この再接合作業においても、薄板状補助鉄心3を介して
の矩形リングへの沿わせ成形が可能であり、しかも、再
接合時も薄板状補助鉄心3の重なり部6を利用すること
等により、直接非晶質磁性合金に触れることなく再接合
ができる。
【0018】また、本実施例においては、挿入する薄板
状補助鉄心3を予め成形する必要もない。したがって、
予め成形される形状の違いによる不要な機械的応力歪等
の影響を受ける心配が全くない。更に、薄板状補助鉄心
3の固定には、特別な処理を施す必要がなく、焼鈍温度
に耐え得るような耐熱性テープで一体化して緊縛した
り、非晶質磁性合金等との接触部分にプラスチックフィ
ルム等からなる保護層を施す必要もなく、不要な特性加
工劣化の機会も排除できる。
状補助鉄心3を予め成形する必要もない。したがって、
予め成形される形状の違いによる不要な機械的応力歪等
の影響を受ける心配が全くない。更に、薄板状補助鉄心
3の固定には、特別な処理を施す必要がなく、焼鈍温度
に耐え得るような耐熱性テープで一体化して緊縛した
り、非晶質磁性合金等との接触部分にプラスチックフィ
ルム等からなる保護層を施す必要もなく、不要な特性加
工劣化の機会も排除できる。
【0019】このように、本実施例の静止誘導機器鉄心
は、非晶質磁性合金からなる薄板状の磁性素材を主要材
料として両端が重合状態で接合され所定枚数積層された
略矩形リング状の単位積層体1と、前記単位積層体1を
複数個積層して形成された複数の積層体ブロック2と、
前記単位積層体1の主要材料の熱処理温度では材料内部
に発生する応力除去処理が行なわれない素材であるケイ
素鋼板等からなり、前記単位積層体1の接合部4に重な
り部6を配して、前記積層体ブロック2間の各積層間ス
ペース9に略矩形リング全周に亘って巻設された薄板状
補助鉄心3とを備えている。
は、非晶質磁性合金からなる薄板状の磁性素材を主要材
料として両端が重合状態で接合され所定枚数積層された
略矩形リング状の単位積層体1と、前記単位積層体1を
複数個積層して形成された複数の積層体ブロック2と、
前記単位積層体1の主要材料の熱処理温度では材料内部
に発生する応力除去処理が行なわれない素材であるケイ
素鋼板等からなり、前記単位積層体1の接合部4に重な
り部6を配して、前記積層体ブロック2間の各積層間ス
ペース9に略矩形リング全周に亘って巻設された薄板状
補助鉄心3とを備えている。
【0020】即ち、本実施例の静止誘導機器鉄心は、非
晶質磁性合金からなる略矩形リング状の単位積層体1を
複数個積層して形成された複数の積層体ブロック2間の
各積層間スペース9に、単位積層体1の主要材料の熱処
理温度では材料内部に発生する応力除去処理が行なわれ
ないケイ素鋼板等からなる薄板状補助鉄心3を矩形リン
グ全周に亘って巻設したものである。
晶質磁性合金からなる略矩形リング状の単位積層体1を
複数個積層して形成された複数の積層体ブロック2間の
各積層間スペース9に、単位積層体1の主要材料の熱処
理温度では材料内部に発生する応力除去処理が行なわれ
ないケイ素鋼板等からなる薄板状補助鉄心3を矩形リン
グ全周に亘って巻設したものである。
【0021】したがって、薄板状補助鉄心3により非晶
質磁性合金の薄板状の磁性素材を主要材料とする単位積
層体1を外力等の衝撃から保護できるとともに、巻線コ
イル7の組付時に各積層体ブロック2の各単位積層体1
の重合状態で接合された両端部分の分離、再接合作業を
各積層間スペース9に介装された薄板状補助鉄心3の残
留応力等を利用して実施でき、非晶質磁性合金からなる
単位積層体1に直接触れることなくできる。
質磁性合金の薄板状の磁性素材を主要材料とする単位積
層体1を外力等の衝撃から保護できるとともに、巻線コ
イル7の組付時に各積層体ブロック2の各単位積層体1
の重合状態で接合された両端部分の分離、再接合作業を
各積層間スペース9に介装された薄板状補助鉄心3の残
留応力等を利用して実施でき、非晶質磁性合金からなる
単位積層体1に直接触れることなくできる。
【0022】このため、非晶質磁性合金の磁性特性等の
改善処理として300〜400℃の温度による焼鈍を実
施しても、この焼鈍処理をしたことにより起こる脆化現
象から巻鉄心製造時における非晶質磁性合金等の薄板状
主要磁性材料を保護でき、材料破損を抑制し、磁性特性
等の組立加工劣化を防止できる。この結果、作業性が格
段に向上する。
改善処理として300〜400℃の温度による焼鈍を実
施しても、この焼鈍処理をしたことにより起こる脆化現
象から巻鉄心製造時における非晶質磁性合金等の薄板状
主要磁性材料を保護でき、材料破損を抑制し、磁性特性
等の組立加工劣化を防止できる。この結果、作業性が格
段に向上する。
【0023】ところで、上記実施例では、各積層体ブロ
ック2,22間毎に形成される積層間スペース9の矩形
リング全周に亘り薄板状補助鉄心3を1枚、しかも1周
しか巻設しなかったが、鉄心特性上及び補助鉄心占積率
上可能であれば、2枚以上の複数枚としてもよく、ま
た、複数回周巻設してもよい。薄板状補助鉄心3の巻設
量を増すことにより、より非晶質磁性合金に触れること
なく各作業が実施でき、保護機能も高まるので、上記実
施例以上の効果が期待できる。
ック2,22間毎に形成される積層間スペース9の矩形
リング全周に亘り薄板状補助鉄心3を1枚、しかも1周
しか巻設しなかったが、鉄心特性上及び補助鉄心占積率
上可能であれば、2枚以上の複数枚としてもよく、ま
た、複数回周巻設してもよい。薄板状補助鉄心3の巻設
量を増すことにより、より非晶質磁性合金に触れること
なく各作業が実施でき、保護機能も高まるので、上記実
施例以上の効果が期待できる。
【0024】また、上記実施例では、薄板状の磁性素材
を非晶質磁性合金としているが、焼鈍後の脆化等によっ
て磁性特性等の組立加工劣化を引起こすものであり、且
つ、薄板磁性材料の焼鈍温度が薄板状補助鉄心内部に発
生している応力等の歪みが解消されることない温度に設
定できる薄板状の磁性素材であればよく、必ずしも非晶
質磁性合金に限定されるものではない。また、薄板状補
助鉄心3は磁性材料である必要はなく、非磁性材料であ
っても同様の効果を奏するものであれば差支えない。更
に、上記実施例では変圧器用の鉄心について説明をした
が、変圧器以外の他の静止誘導機器にも当然応用でき
る。
を非晶質磁性合金としているが、焼鈍後の脆化等によっ
て磁性特性等の組立加工劣化を引起こすものであり、且
つ、薄板磁性材料の焼鈍温度が薄板状補助鉄心内部に発
生している応力等の歪みが解消されることない温度に設
定できる薄板状の磁性素材であればよく、必ずしも非晶
質磁性合金に限定されるものではない。また、薄板状補
助鉄心3は磁性材料である必要はなく、非磁性材料であ
っても同様の効果を奏するものであれば差支えない。更
に、上記実施例では変圧器用の鉄心について説明をした
が、変圧器以外の他の静止誘導機器にも当然応用でき
る。
【0025】実施例2 図2、図3は本発明のもう一つの実施例を示し、図2は
焼鈍前の鉄心形状成形時を示す断面構造図、図3は焼鈍
後の最終構造を示す断面構造図であり、変圧器用の矩形
リング状鉄心に適用した例を示している。図において、
図1に示す実施例と同一の構成は該実施例と同一符号を
付して重複した構成の説明を省略する。以下、本実施例
の鉄心及び変圧器製造工程について説明するが、鉄心製
造工程における鉄心形状の成形時前までの工程は上記実
施例と同様であるので、その説明は省略する。この実施
例では、図2に示す鉄心形状の成形時には、薄板状補助
鉄心3の片端部分34は、階段状に形成された重ね合わ
せ接合部分4で主要磁性材料の単位積層体1同志の両端
がそれぞれ突き合わせとなる間隙に挿入される。この構
成は、熱処理作業前とはいえども極めて薄く損傷しやす
い主要磁性材料であるため、各単位積層体1の両端で材
料同志の突き当たり等により生ずる異常な外力により主
要磁性材料を損傷すること、及び、材料の変形発生によ
り意図しない不完全な重ね合わせ接合となることを、薄
板状補助鉄心の片端部分34が形成された階段形状を平
滑面化することにより防止可能とした。この挿入を全て
の接合部分4で実施し、所定積層体ブロック2を全て矩
形リングに沿わせ成形終了し、最後に、最外周部分の積
層体ブロック22の外側に薄板状補助鉄心33を配置し
て、巻鉄心形状を完成させる。
焼鈍前の鉄心形状成形時を示す断面構造図、図3は焼鈍
後の最終構造を示す断面構造図であり、変圧器用の矩形
リング状鉄心に適用した例を示している。図において、
図1に示す実施例と同一の構成は該実施例と同一符号を
付して重複した構成の説明を省略する。以下、本実施例
の鉄心及び変圧器製造工程について説明するが、鉄心製
造工程における鉄心形状の成形時前までの工程は上記実
施例と同様であるので、その説明は省略する。この実施
例では、図2に示す鉄心形状の成形時には、薄板状補助
鉄心3の片端部分34は、階段状に形成された重ね合わ
せ接合部分4で主要磁性材料の単位積層体1同志の両端
がそれぞれ突き合わせとなる間隙に挿入される。この構
成は、熱処理作業前とはいえども極めて薄く損傷しやす
い主要磁性材料であるため、各単位積層体1の両端で材
料同志の突き当たり等により生ずる異常な外力により主
要磁性材料を損傷すること、及び、材料の変形発生によ
り意図しない不完全な重ね合わせ接合となることを、薄
板状補助鉄心の片端部分34が形成された階段形状を平
滑面化することにより防止可能とした。この挿入を全て
の接合部分4で実施し、所定積層体ブロック2を全て矩
形リングに沿わせ成形終了し、最後に、最外周部分の積
層体ブロック22の外側に薄板状補助鉄心33を配置し
て、巻鉄心形状を完成させる。
【0026】次に、この鉄心形状を保ったまま、焼鈍中
の磁場印加用の巻線を施し、非晶質磁性合金の内部応力
除去による磁性特性等の改善処置である焼鈍を、鉄心温
度として300〜400℃、磁化力として8AT/cm以上
となるよう電流を印加して実施する。前述したように、
この焼鈍を終了した非晶質磁性合金は極めて脆くなり、
この後の全ての作業において発生する軽い衝撃等により
材料破損を容易に引き起こし磁性特性等の組立加工劣化
の要因となる。尚、焼鈍時、主要磁性材料の重ね合わせ
接合部分4が薄板状補助鉄心の片端部分34の挿入によ
り主要磁性材料どうしの重ね合わせ接合となっていない
が、薄板状補助鉄心を磁性材料としていることから、接
合部分4に磁気的なギャップは形成されず、印加される
磁化力の低減はほとんど無視でき十分な磁気特性改善が
なされ、最終構成鉄心の磁気特性への影響はまったく問
題にならない。
の磁場印加用の巻線を施し、非晶質磁性合金の内部応力
除去による磁性特性等の改善処置である焼鈍を、鉄心温
度として300〜400℃、磁化力として8AT/cm以上
となるよう電流を印加して実施する。前述したように、
この焼鈍を終了した非晶質磁性合金は極めて脆くなり、
この後の全ての作業において発生する軽い衝撃等により
材料破損を容易に引き起こし磁性特性等の組立加工劣化
の要因となる。尚、焼鈍時、主要磁性材料の重ね合わせ
接合部分4が薄板状補助鉄心の片端部分34の挿入によ
り主要磁性材料どうしの重ね合わせ接合となっていない
が、薄板状補助鉄心を磁性材料としていることから、接
合部分4に磁気的なギャップは形成されず、印加される
磁化力の低減はほとんど無視でき十分な磁気特性改善が
なされ、最終構成鉄心の磁気特性への影響はまったく問
題にならない。
【0027】以上の作業で、変圧器用の鉄心製造を終了
し、次に、電気回路を構成する巻線コイル7との組み合
せ作業を実施する。ここでは、まず、焼鈍後の鉄心の矩
形リング8の上部1辺部分88に位置する各単位積層体
1の両端部分の重ね合わせ接合部分4を分離する。この
分離作業では、重ね合わせ接合部分4の間隙に挿入され
ている薄板状補助鉄心の片端部分34を用いて分離す
る。そのため、直接触れるのは薄板状補助鉄心の片端部
分34のみであり、まったく、主要磁性材料の損傷、あ
るいは、階段状の形成状態の破損といった不具合を生ず
る恐れは除外できた。また、焼鈍中は主要磁性材料同志
の重ね合わせ接合となっていないことから、焼鈍により
発生する主要磁性材料同志の重ね合わせ接合部分の接着
等はなく、接着除去作業等の不用外力の心配もなくなっ
た。
し、次に、電気回路を構成する巻線コイル7との組み合
せ作業を実施する。ここでは、まず、焼鈍後の鉄心の矩
形リング8の上部1辺部分88に位置する各単位積層体
1の両端部分の重ね合わせ接合部分4を分離する。この
分離作業では、重ね合わせ接合部分4の間隙に挿入され
ている薄板状補助鉄心の片端部分34を用いて分離す
る。そのため、直接触れるのは薄板状補助鉄心の片端部
分34のみであり、まったく、主要磁性材料の損傷、あ
るいは、階段状の形成状態の破損といった不具合を生ず
る恐れは除外できた。また、焼鈍中は主要磁性材料同志
の重ね合わせ接合となっていないことから、焼鈍により
発生する主要磁性材料同志の重ね合わせ接合部分の接着
等はなく、接着除去作業等の不用外力の心配もなくなっ
た。
【0028】全ての接合部分を分離した後、巻線コイル
7の挿入を行なう。巻線コイル7の挿入後、再度、積層
体ブロック2及び22毎に各単位積層体1どうしの両端
部分で再度重ね合わせ接合を行い最終の鉄心構成を完成
させる。この工程で、図3に示すように、焼鈍時に重ね
合わせ接合部分4の間隙に挿入されていた薄板状補助鉄
心の片端部分34は、接合部分4の間隙でなく薄板状補
助鉄心3同志の重ね合わせとなるよう重ね合わせ位置6
に設定される。再接合作業全般に渡り、薄板状補助鉄心
3を介しての矩形リングへの沿わせ成形が可能で、ま
た、挿入された薄板状補助鉄心や特別に介在させた部材
等を鉄心構成から除去する作業もなく、直接非晶質磁性
合金に触れることなく容易に作業できる。
7の挿入を行なう。巻線コイル7の挿入後、再度、積層
体ブロック2及び22毎に各単位積層体1どうしの両端
部分で再度重ね合わせ接合を行い最終の鉄心構成を完成
させる。この工程で、図3に示すように、焼鈍時に重ね
合わせ接合部分4の間隙に挿入されていた薄板状補助鉄
心の片端部分34は、接合部分4の間隙でなく薄板状補
助鉄心3同志の重ね合わせとなるよう重ね合わせ位置6
に設定される。再接合作業全般に渡り、薄板状補助鉄心
3を介しての矩形リングへの沿わせ成形が可能で、ま
た、挿入された薄板状補助鉄心や特別に介在させた部材
等を鉄心構成から除去する作業もなく、直接非晶質磁性
合金に触れることなく容易に作業できる。
【0029】なお、上記実施例では、全ての重ね合わせ
接合部分4の分離作業の後、焼鈍時に挿入されていた薄
板状補助鉄心3の片端部分34は、接合部分4の間隙で
なく薄板状補助鉄心3同志の重ね合わせとなる重ね合わ
せ位置6に設定したが、図2に示した焼鈍時の構成、即
ち、薄板状補助鉄心3の片端部分34を接合部分4の間
隙に再度挿入した構成を最終構成とすることも可能であ
る。この場合、上記実施例以上に直接非晶質磁性合金に
触れる恐れをなくすことができ、かつ、全ての重ね合わ
せ接合部分4は、焼鈍時の磁区配列をそろえる目的の磁
化力印加を行なった際とまさに同一の磁路を再形成で
き、焼鈍による磁気特性改善効果がより確実なものとな
り、最終構成鉄心の磁気特性をいっそう良好とできる利
点を有する。
接合部分4の分離作業の後、焼鈍時に挿入されていた薄
板状補助鉄心3の片端部分34は、接合部分4の間隙で
なく薄板状補助鉄心3同志の重ね合わせとなる重ね合わ
せ位置6に設定したが、図2に示した焼鈍時の構成、即
ち、薄板状補助鉄心3の片端部分34を接合部分4の間
隙に再度挿入した構成を最終構成とすることも可能であ
る。この場合、上記実施例以上に直接非晶質磁性合金に
触れる恐れをなくすことができ、かつ、全ての重ね合わ
せ接合部分4は、焼鈍時の磁区配列をそろえる目的の磁
化力印加を行なった際とまさに同一の磁路を再形成で
き、焼鈍による磁気特性改善効果がより確実なものとな
り、最終構成鉄心の磁気特性をいっそう良好とできる利
点を有する。
【0030】実施例3 図4はこの発明の更にもう一つの実施例を示す焼鈍前の
鉄心形状成形時断面構造図、図5は焼鈍後の最終構造を
示す断面構造図であり、変圧器用の矩形リング状鉄心に
適用した例を示す。図において、図1に示す上記実施例
と同一の構成は上記実施例と同一符号を付して重複した
構成の説明を省略する。本実施例の鉄心及び変圧器製造
工程は、図2及び図3に示す実施例と殆んど同じであ
り、相違するところは図2及び図3に示す実施例では、
鉄心形状の成形時に、薄板状補助鉄心3の片端部分34
が階段状に形成された重ね合わせ接合部分4で、単位積
層体1同志の両端がそれぞれ突き合わせとなる間隙に挿
入されるのに対し、本実施例では、鉄心形状の成形時に
主要磁性材料及び薄板状補助鉄心3より若干大きい巾寸
法で、かつ階段状に形成される接合部分4を被う、重な
り部6とほぼ同一寸法の補助スペーサ11が階段状に形
成された重ね合わせ接合部4で主要磁性材料の単位積層
体1同志の両端がそれぞれ突き合わせとなる間隙に挿入
されるというものである。この構成は、熱処理作業前と
はいえども極めて薄く損傷しやすい主要磁性材料のた
め、各単位積層体1の両端で材料同志の突き当たり等に
より生ずる異常な外力により主要磁性材料を損傷するこ
と、及び、材料の変形発生により意図しない不完全な重
ね合わせ接合となることを、補助スペーサ11が形成さ
れた階段形状を平滑面化することにより防止可能とし
た。
鉄心形状成形時断面構造図、図5は焼鈍後の最終構造を
示す断面構造図であり、変圧器用の矩形リング状鉄心に
適用した例を示す。図において、図1に示す上記実施例
と同一の構成は上記実施例と同一符号を付して重複した
構成の説明を省略する。本実施例の鉄心及び変圧器製造
工程は、図2及び図3に示す実施例と殆んど同じであ
り、相違するところは図2及び図3に示す実施例では、
鉄心形状の成形時に、薄板状補助鉄心3の片端部分34
が階段状に形成された重ね合わせ接合部分4で、単位積
層体1同志の両端がそれぞれ突き合わせとなる間隙に挿
入されるのに対し、本実施例では、鉄心形状の成形時に
主要磁性材料及び薄板状補助鉄心3より若干大きい巾寸
法で、かつ階段状に形成される接合部分4を被う、重な
り部6とほぼ同一寸法の補助スペーサ11が階段状に形
成された重ね合わせ接合部4で主要磁性材料の単位積層
体1同志の両端がそれぞれ突き合わせとなる間隙に挿入
されるというものである。この構成は、熱処理作業前と
はいえども極めて薄く損傷しやすい主要磁性材料のた
め、各単位積層体1の両端で材料同志の突き当たり等に
より生ずる異常な外力により主要磁性材料を損傷するこ
と、及び、材料の変形発生により意図しない不完全な重
ね合わせ接合となることを、補助スペーサ11が形成さ
れた階段形状を平滑面化することにより防止可能とし
た。
【0031】補助スペーサ11は、応力除去のための熱
処理温度が薄板状補助鉄心3と同一で、各単位積層体の
積み厚さの約5分の1以下の厚さ(実施例では0.2mm
以下の0.05〜0.10mm厚さとした)の磁性材料と
した。これは、前述した薄板状補助鉄心3の効果と同
様、主要素材の非晶質磁性合金の熱処理温度では材料内
部に発生している応力除去等が行われることがなく、結
果として熱処理で応力除去等がされないため、焼鈍後の
各単位積層体の両端の重ね合わせ部分の分離作業におい
て直接非晶質磁性合金に触れることなく分離させる方向
に力が働き、分離作業を容易にし、また、補助スペーサ
11の残留内部応力が必要以上に主要素材にストレスを
かけ、磁気特性の低下を引き起こさないようにするため
である。また、磁性材料としない場合、磁気的に各積層
体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合部の
間にギャップを生じている状態となるため、焼鈍時に不
可欠な磁化力印加が不十分なものとなり磁性特性の改善
が不十分な結果となるためで、磁性材料でなければなら
ない。この挿入を全ての接合部分4で実施し、所定積層
体ブロック2を全て矩形リングに沿わせ成形終了し、最
後に、最外周部分の積層体ブロック22の外側に薄板状
補助鉄心33を配置して、巻鉄心形状を完成させる。
処理温度が薄板状補助鉄心3と同一で、各単位積層体の
積み厚さの約5分の1以下の厚さ(実施例では0.2mm
以下の0.05〜0.10mm厚さとした)の磁性材料と
した。これは、前述した薄板状補助鉄心3の効果と同
様、主要素材の非晶質磁性合金の熱処理温度では材料内
部に発生している応力除去等が行われることがなく、結
果として熱処理で応力除去等がされないため、焼鈍後の
各単位積層体の両端の重ね合わせ部分の分離作業におい
て直接非晶質磁性合金に触れることなく分離させる方向
に力が働き、分離作業を容易にし、また、補助スペーサ
11の残留内部応力が必要以上に主要素材にストレスを
かけ、磁気特性の低下を引き起こさないようにするため
である。また、磁性材料としない場合、磁気的に各積層
体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合部の
間にギャップを生じている状態となるため、焼鈍時に不
可欠な磁化力印加が不十分なものとなり磁性特性の改善
が不十分な結果となるためで、磁性材料でなければなら
ない。この挿入を全ての接合部分4で実施し、所定積層
体ブロック2を全て矩形リングに沿わせ成形終了し、最
後に、最外周部分の積層体ブロック22の外側に薄板状
補助鉄心33を配置して、巻鉄心形状を完成させる。
【0032】次に、この鉄心形状を保ったまま、焼鈍中
の磁場印加用の巻線を施し、非晶質磁性合金の内部応力
除去による磁性特性等の改善処置である焼鈍を、鉄心温
度として300〜400℃、磁化力として8AT/cm以上
となるよう電流を印加して実施する。この焼鈍時、主要
磁性材料の重ね合わせ接合部分4が補助スペーサ11の
挿入により主要磁性材料どうしの重ね合わせ接合となっ
ていないが、補助スペーサを磁性材料としていることか
ら、接合部分4に磁気的なギャップは形成されず、印加
される磁化力の低減はほとんど無視でき十分な磁気特性
改善がなされ、最終構成鉄心の磁気特性への影響はまっ
たく問題にならない。
の磁場印加用の巻線を施し、非晶質磁性合金の内部応力
除去による磁性特性等の改善処置である焼鈍を、鉄心温
度として300〜400℃、磁化力として8AT/cm以上
となるよう電流を印加して実施する。この焼鈍時、主要
磁性材料の重ね合わせ接合部分4が補助スペーサ11の
挿入により主要磁性材料どうしの重ね合わせ接合となっ
ていないが、補助スペーサを磁性材料としていることか
ら、接合部分4に磁気的なギャップは形成されず、印加
される磁化力の低減はほとんど無視でき十分な磁気特性
改善がなされ、最終構成鉄心の磁気特性への影響はまっ
たく問題にならない。
【0033】以上の作業で、変圧器用の鉄心製造を終了
し、次に、電気回路を構成する巻線コイル7との組み合
せ作業を実施する。ここでは、まず、焼鈍後の鉄心の矩
形リング8の上部1辺部分88に位置する各単位積層体
1の両端部分の重ね合わせ接合部分4を分離する。この
分離作業では、重ね合わせ接合部分4の間隙に挿入され
ている補助スペーサ11を用いて分離する。従来の方式
は、この重ね合わせ接合部分4の分離を直接主要磁性材
料に触れることなく実施することは不可能であり、焼鈍
により発生する主要磁性材料同志の重ね合わせ接合部分
4での接着等を除去する際、主要磁性材料の損傷、ある
いは、階段状の形成状態の破損といった不具合を生ずる
恐れがあったが、上述のように、本実施例では、作業中
に直接触れるのは補助スペーサ11と薄板状補助鉄心3
のみであるため、まったく、主要磁性材料の損傷、ある
いは、階段状の形成状態の破損といった不具合を生ずる
恐れは除外できた。
し、次に、電気回路を構成する巻線コイル7との組み合
せ作業を実施する。ここでは、まず、焼鈍後の鉄心の矩
形リング8の上部1辺部分88に位置する各単位積層体
1の両端部分の重ね合わせ接合部分4を分離する。この
分離作業では、重ね合わせ接合部分4の間隙に挿入され
ている補助スペーサ11を用いて分離する。従来の方式
は、この重ね合わせ接合部分4の分離を直接主要磁性材
料に触れることなく実施することは不可能であり、焼鈍
により発生する主要磁性材料同志の重ね合わせ接合部分
4での接着等を除去する際、主要磁性材料の損傷、ある
いは、階段状の形成状態の破損といった不具合を生ずる
恐れがあったが、上述のように、本実施例では、作業中
に直接触れるのは補助スペーサ11と薄板状補助鉄心3
のみであるため、まったく、主要磁性材料の損傷、ある
いは、階段状の形成状態の破損といった不具合を生ずる
恐れは除外できた。
【0034】全ての接合部分を分離した後、巻線コイル
7の挿入を行なう。巻線コイル7の挿入後、再度、積層
体ブロック2及び22毎に各単位積層体1どうしの両端
部分で再度重ね合わせ接合を行い最終の鉄心構成を完成
させる。この工程では、まず補助スペーサ11を焼鈍前
の成形時に行ったのと同じ様に階段状に形成された重ね
合わせ接合部分4の間隙に仮挿入して再接合した後、若
干巾寸法が大きいために鉄心端面より飛び出した補助ス
ペーサ11の端面を利用して引き抜くことにより、補助
スペーサ11を除去する。使用した補助スペーサ11
は、同一形状の別鉄心製作用として、再度使用される。
また、再接合作業全般に渡り、薄板状補助鉄心3を介し
た矩形リングへの沿わせ作業が可能で、直接非晶質磁性
合金に触れることなく作業できる。
7の挿入を行なう。巻線コイル7の挿入後、再度、積層
体ブロック2及び22毎に各単位積層体1どうしの両端
部分で再度重ね合わせ接合を行い最終の鉄心構成を完成
させる。この工程では、まず補助スペーサ11を焼鈍前
の成形時に行ったのと同じ様に階段状に形成された重ね
合わせ接合部分4の間隙に仮挿入して再接合した後、若
干巾寸法が大きいために鉄心端面より飛び出した補助ス
ペーサ11の端面を利用して引き抜くことにより、補助
スペーサ11を除去する。使用した補助スペーサ11
は、同一形状の別鉄心製作用として、再度使用される。
また、再接合作業全般に渡り、薄板状補助鉄心3を介し
た矩形リングへの沿わせ作業が可能で、直接非晶質磁性
合金に触れることなく作業できる。
【0035】なお、上記実施例では、全ての重ね合わせ
接合部分4の分離作業の際、焼鈍時に挿入されていた補
助スペーサ11は、接合部分4の間隙でなく薄板状補助
鉄心3同志の重ね合わせとなる重ね合わせ位置6に設定
したが、図4に示した焼鈍時の構成、即ち、補助スペー
サ11を接合部分4の間隙に再度挿入した構成を最終構
成とすることも可能である。この場合、補助スペーサ1
1を除去する必要がなく、上記実施例以上に直接非晶質
磁性合金に触れる恐れをなくすことができ、かつ、全て
の重ね合わせ接合部分4は、焼鈍時の磁区配列をそろえ
る目的の磁化力印加を行なった際とまさに同一の磁路を
再形成でき、焼鈍による磁気特性改善効果がより確実な
ものとなり、最終構成鉄心の磁気特性をいっそう良好と
できる利点を有する。
接合部分4の分離作業の際、焼鈍時に挿入されていた補
助スペーサ11は、接合部分4の間隙でなく薄板状補助
鉄心3同志の重ね合わせとなる重ね合わせ位置6に設定
したが、図4に示した焼鈍時の構成、即ち、補助スペー
サ11を接合部分4の間隙に再度挿入した構成を最終構
成とすることも可能である。この場合、補助スペーサ1
1を除去する必要がなく、上記実施例以上に直接非晶質
磁性合金に触れる恐れをなくすことができ、かつ、全て
の重ね合わせ接合部分4は、焼鈍時の磁区配列をそろえ
る目的の磁化力印加を行なった際とまさに同一の磁路を
再形成でき、焼鈍による磁気特性改善効果がより確実な
ものとなり、最終構成鉄心の磁気特性をいっそう良好と
できる利点を有する。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の静止誘導
機器鉄心は、単位積層体と、積層体ブロックと、薄板状
補助鉄心とを備え、略矩形リング状の単位積層体を複数
個積層して形成された複数の積層体ブロック間の各積層
間スペースに矩形リング全周に亘って薄板状補助鉄心が
巻設され、各積層体ブロック毎に形成される階段状の突
き合わせ接合部の間に薄板状補助鉄心の片端部分を挿入
するか、磁性材料からなる補助スペーサを挿入したこと
により、非晶質磁性合金等からなる薄板状の磁性素材を
主要材料とする単位積層体を外力等の衝撃から保護でき
るとともに、巻線コイルの組付時に各単位積層体の両端
の重ね合わせ部分より各積層体ブロック毎に形成される
階段状の突き合わせ接合部の分離、再接合作業を各積層
間スペースに巻設された薄板状補助鉄心及びその階段状
の突き合わせ接合部の間に挿入された薄板状補助鉄心の
片端部分又は補助スペーサを利用して容易に、かつ、単
位積層体に直接触れることなくでき、非晶質磁性合金等
の磁性特性の改善処理としての焼鈍処理により起こる脆
化現象から、非晶質磁性合金等の薄板状主要磁性材料を
保護できるので、材料破損を抑制し、磁性特性等の組立
加工劣化を防止でき、作業性が格段に向上するという効
果を有する。
機器鉄心は、単位積層体と、積層体ブロックと、薄板状
補助鉄心とを備え、略矩形リング状の単位積層体を複数
個積層して形成された複数の積層体ブロック間の各積層
間スペースに矩形リング全周に亘って薄板状補助鉄心が
巻設され、各積層体ブロック毎に形成される階段状の突
き合わせ接合部の間に薄板状補助鉄心の片端部分を挿入
するか、磁性材料からなる補助スペーサを挿入したこと
により、非晶質磁性合金等からなる薄板状の磁性素材を
主要材料とする単位積層体を外力等の衝撃から保護でき
るとともに、巻線コイルの組付時に各単位積層体の両端
の重ね合わせ部分より各積層体ブロック毎に形成される
階段状の突き合わせ接合部の分離、再接合作業を各積層
間スペースに巻設された薄板状補助鉄心及びその階段状
の突き合わせ接合部の間に挿入された薄板状補助鉄心の
片端部分又は補助スペーサを利用して容易に、かつ、単
位積層体に直接触れることなくでき、非晶質磁性合金等
の磁性特性の改善処理としての焼鈍処理により起こる脆
化現象から、非晶質磁性合金等の薄板状主要磁性材料を
保護できるので、材料破損を抑制し、磁性特性等の組立
加工劣化を防止でき、作業性が格段に向上するという効
果を有する。
【0037】また、静止誘導機器鉄心は、最終鉄心構成
として、各積層体ブロック間毎に形成される積層間スペ
ースに、主要磁性材料の各積層体ブロック毎に形成され
る階段状の突き合わせ接合部でこの接合部分の巾寸法以
上に重ね合わせできる所要寸法を持った薄板状補助鉄心
が挿入され、さらに、挿入された薄板状補助鉄心の片端
部分、或いは応力除去のための熱処理温度が薄板状補助
鉄心と同一で、各単位積層体の積み厚さの約5分の1以
下の厚さの磁性材料からなる補助スペーサを、各積層体
ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合部の間
に挿入し、そのままの状態で鉄心の熱処理工程を踏むた
め、焼鈍後の巻線コイルと鉄心の組立作業時の各単位積
層体の両端の重ね合わせ部分により各積層体ブロック毎
に形成される階段状の突き合わせ接合部の分離作業を、
挿入された薄板状補助鉄心の片端部分又は補助スペーサ
を介して、容易、かつ、直接主要磁性材料に触れること
なく実施できるという効果を有する。
として、各積層体ブロック間毎に形成される積層間スペ
ースに、主要磁性材料の各積層体ブロック毎に形成され
る階段状の突き合わせ接合部でこの接合部分の巾寸法以
上に重ね合わせできる所要寸法を持った薄板状補助鉄心
が挿入され、さらに、挿入された薄板状補助鉄心の片端
部分、或いは応力除去のための熱処理温度が薄板状補助
鉄心と同一で、各単位積層体の積み厚さの約5分の1以
下の厚さの磁性材料からなる補助スペーサを、各積層体
ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合部の間
に挿入し、そのままの状態で鉄心の熱処理工程を踏むた
め、焼鈍後の巻線コイルと鉄心の組立作業時の各単位積
層体の両端の重ね合わせ部分により各積層体ブロック毎
に形成される階段状の突き合わせ接合部の分離作業を、
挿入された薄板状補助鉄心の片端部分又は補助スペーサ
を介して、容易、かつ、直接主要磁性材料に触れること
なく実施できるという効果を有する。
【0038】また、熱処理作業前に鉄心形状を構成する
成形作業時に、各積層体ブロック毎に形成される階段状
の各単位積層体の両端の重ね合わせ部分で、直接主要磁
性材料同志が突き当たることがなく、逆に、薄板状補助
鉄心の片端部分又は補助スペーサが形成された階段形状
を平滑面化する効果を奏し、異常な外力により主要磁性
材料を損傷することを保護するという利点を、特別に階
段形状を平滑面化するための部材や高価な耐熱性絶縁材
料を使用せず可能とする。即ち、鉄心形状の成形及び巻
線コイルと鉄心の組立時の各単位積層体の両端の重ね合
わせ部分の分離・再接合作業中の主要磁性材料への機械
的な応力歪み及び脆化現象による特性加工劣化の機会の
まったくない鉄心構成を実現し、その結果として、格段
に作業性を改善することができるという効果を有する。
成形作業時に、各積層体ブロック毎に形成される階段状
の各単位積層体の両端の重ね合わせ部分で、直接主要磁
性材料同志が突き当たることがなく、逆に、薄板状補助
鉄心の片端部分又は補助スペーサが形成された階段形状
を平滑面化する効果を奏し、異常な外力により主要磁性
材料を損傷することを保護するという利点を、特別に階
段形状を平滑面化するための部材や高価な耐熱性絶縁材
料を使用せず可能とする。即ち、鉄心形状の成形及び巻
線コイルと鉄心の組立時の各単位積層体の両端の重ね合
わせ部分の分離・再接合作業中の主要磁性材料への機械
的な応力歪み及び脆化現象による特性加工劣化の機会の
まったくない鉄心構成を実現し、その結果として、格段
に作業性を改善することができるという効果を有する。
【0039】さらに、全ての重ね合わせ接合部分の分離
作業の後、焼鈍時に接合部分の間隙に挿入されていた薄
板状補助鉄心の片端部分又は補助スペーサを、焼鈍時と
同一の接合部分の間隙に再度挿入した構成を最終構成と
することにより、作業の容易化の促進、及び、よりいっ
そう作業中に直接非晶質磁性合金に触れる恐れをなく
し、かつ、焼鈍時と同一の構成に再形成できるため、焼
鈍による磁気特性改善効果がより確実なものとなり、最
終構成鉄心の磁気特性をいっそう良好とできる効果を有
する。
作業の後、焼鈍時に接合部分の間隙に挿入されていた薄
板状補助鉄心の片端部分又は補助スペーサを、焼鈍時と
同一の接合部分の間隙に再度挿入した構成を最終構成と
することにより、作業の容易化の促進、及び、よりいっ
そう作業中に直接非晶質磁性合金に触れる恐れをなく
し、かつ、焼鈍時と同一の構成に再形成できるため、焼
鈍による磁気特性改善効果がより確実なものとなり、最
終構成鉄心の磁気特性をいっそう良好とできる効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明のもう一つの一実施例で、焼鈍前の鉄心
形状成形時を示す断面構造図である。
形状成形時を示す断面構造図である。
【図3】同実施例で、焼鈍後の最終構造を示す断面構造
図である。
図である。
【図4】本発明の更にもう一つの一実施例で、焼鈍前の
鉄心形状成形時を示す断面構造図である。
鉄心形状成形時を示す断面構造図である。
【図5】同実施例で、焼鈍後の最終構造を示す断面構造
図である。
図である。
1 単位積層体 2,22 積層体ブロック 3,33 薄板状補助鉄心 9 積層間スペース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−128510(JP,A) 特開 平3−3306(JP,A) 特開 昭62−14408(JP,A) 実開 昭62−5624(JP,U) 実開 昭57−57520(JP,U) 実開 昭60−179025(JP,U) 実開 昭62−92616(JP,U)
Claims (6)
- 【請求項1】 薄板状の磁性素材を主要材料として両端
が重合状態で接合され所定枚数積層された略矩形リング
状の単位積層体と、 前記単位積層体を複数個積層して形成され、各単位積層
体の両端によって形成された階段状の突き合わせ接合部
を有する複数の積層体ブロックと、 前記単位積層体の主要材料の焼鈍温度では材料内部に発
生する応力除去処理が行なわれない素材からなり、前記
積層体ブロック間の各積層間スペースに略矩形リング全
周に亘って巻設され、各積層体ブロック毎に形成される
階段状の突き合わせ接合部の間に片端部分が挿入された
薄板状補助鉄心とを具備することを特徴とする静止誘導
機器鉄心。 - 【請求項2】 薄板状の磁性素材を主要材料として両端
が重合状態で接合された所定枚数積層された略矩形リン
グ状の単位積層体と、 前記単位積層体を複数積層して形成され、各単位積層体
の両端によって形成された階段状の突き合わせ接合部を
有する複数の積層体ブロックと、 前記単位積層体の主要材料の焼鈍温度では材料内部に発
生する応力除去処理が行われない素材からなり、前記積
層体ブロック間の各積層間スペースに略矩形リング全周
囲に亘って巻設された薄板状補助鉄心と、各積層体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接
合部の間に挿入された磁性材料からなる補助スペーサと
を具備することを特徴とする静止誘導機器鉄心。 - 【請求項3】 薄板状の磁性素材を主要材料として所定
枚数積層した単位積層体を複数個積層して構成した積層
体ブロックを更に複数個積層して各積層体ブロック内の
各単位積層体の両端を重ね合わせ接合し所要の巻鉄心磁
気回路を構成し、かつ、各積層体ブロック間毎に形成さ
れる積層間スペースに、この主要素材の磁性特性改善処
置のための熱処理温度では材料内部に発生している応力
除去等が行われることのない材料でできた薄板状補助鉄
心を全周に渡り挿入する鉄心の製造工程と、 その鉄心の製造工程の際に、薄板状補助鉄心が、主要磁
性材料の各単位積層体の両端の重ね合わせ部分により各
積層体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合
部でこの接合部分の巾寸法以上に重ね合わせできる所要
寸法をもち、かつ、各積層体ブロック毎に形成される階
段状の突き合わせ接合部の間に、この薄板状補助鉄心の
片端部分を挿入する工程と、 そのままの状態で鉄心特性の改善処置である鉄心の熱処
理を行う工程と、 その後、巻線コイルとの組み合せのためにこの各単位積
層体の両端部分の分離を行う工程と、 巻線コイルとの組み合せが行われた後の再度の各単位積
層体の両端部分の再重ね合わせ接合を行う際に、階段状
の突き合わせ接合部の間から薄板状補助鉄心の片端部分
を除去し、最終構成である主要磁性材料の各単位積層体
の同志の両端の重ね合わせ接合及び薄板状補助鉄心同志
の重ね合わせに戻す工程とを有することを特徴とする静
止誘導機器鉄心の製造方法。 - 【請求項4】 薄板状の磁性素材を主要材料として所定
枚数積層した単位積層体を複数個積層して構成した積層
体ブロックを更に複数個積層して各積層体ブロック内の
各単位積層体の両端を重ね合わせ接合し所要の巻鉄心磁
気回路を構成し、かつ、各積層体ブロック間毎に形成さ
れる積層間スペースに、この主要素材の磁性特性改善処
置のための熱処理温度では材料内部に発生している応力
除去等が行われることのない材料でできた薄板状補助鉄
心を全周に渡り挿入する鉄心の製造工程と、 その鉄心の製造工程の際に、薄板状補助鉄心が、主要磁
性材料の各単位積層体の両端の重ね合わせ部分により各
積層体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合
部でこの接合部分の巾寸法以上に重ね合わせできる所要
寸法をもち、かつ、各積層体ブロック毎に形成される階
段状の突き合わせ接合部の間に、この薄板状補助鉄心の
片端部分を挿入する工程と、 そのままの状態で鉄心特性の改善処置である鉄心の熱処
理を行う工程と、 その後、巻線コイルとの組み合せのためにこの各単位積
層体の両端部分の分離を行う工程と、 巻線コイルとの組み合せが行われた後の再度の各単位積
層体の両端部分の再重ね合わせ接合を行う際に、各積層
体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接合部の
間に薄板状補助鉄心の片端部分を挿入したままで最終構
成である主要磁性材料の各単位積層体の同志の両端の重
ね合わせ接合及び薄板状補助鉄心同志の重ね合わせに戻
す工程とを有することを特徴とする静止誘導機器鉄心の
製造方法。 - 【請求項5】 薄板状の磁性素材を主要材料として所定
枚数積層した単位積層体を複数個積層して構成した積層
体ブロックを更に複数個積層して各積層体ブロック内の
各単位積層体の両端を重ね合わせ接合し所要の巻鉄心磁
気回路を構成し、かつ、各積層体ブロック間毎に形成さ
れる積層間スペースに、この主要素材の磁性特性改善処
置のための熱処理温度では材料内部に発生している応力
除去等が行われることのない材料でできた薄板状補助鉄
心を全周に渡り挿入する鉄心の製造工程と、 その鉄心の製造工程の際に、主要磁性材料の各単位積層
体の両端の重ね合わせ部分により各積層体ブロック毎に
形成される階段状の突き合わせ接合部の間に、応力除去
のための熱処理温度が薄板状補助鉄心と同一で、各単位
積層体の積み厚さの約5分の1以下の厚さの磁性材料か
らなる補助スペーサを挿入する工程と、そのままの状態
で鉄心特性の改善処置である鉄心の熱処理を行う工程
と、 その後、巻線コイルとの組み合せのためにこの各単位積
層体の両端部分の分離を行う工程と、 巻線コイルとの組み合せが行われた後の再度の各単位積
層体の両端部分の再重ね合わせ接合を行う際に、階段状
の突き合わせ接合部の間から補助スペーサを除去し、最
終構成である主要磁性材料の各単位積層体の同志の両端
の重ね合わせ接合に戻す工程とを有することを特徴とす
る静止誘導機器鉄心の製造方法。 - 【請求項6】 薄板状の磁性素材を主要材料として所定
枚数積層した単位積層体を複数個積層して構成した積層
体ブロックを更に複数個積層して各積層体ブロック内の
各単位積層体の両端を重ね合わせ接合し所要の巻鉄心磁
気回路を構成し、かつ、各積層体ブロック間毎に形成さ
れる積層間スペースに、この主要素材の磁性特性改善処
置のための熱処理温度では材料内部に発生している応力
除去等が行われることのない材料でできた薄板状補助鉄
心を全周に渡り挿入する鉄心の製造工程と、 その鉄心の製造工程の際に、主要磁性材料の各単位積層
体の両端の重ね合わせ部分により各積層体ブロック毎に
形成される階段状の突き合わせ接合部の間に、応力除去
のための熱処理温度が薄板状補助鉄心と同一で、各単位
積層体の積み厚さの約5分の1以下の厚さの磁性材料か
らなる補助スペーサを挿入する工程と、 そのままの状態で鉄心特性の改善処置である鉄心の熱処
理を行う工程と、 その後、巻線コイルとの組み合せのためにこの各単位積
層体の両端部分の分離を行う工程と、 巻線コイルとの組み合せが行われた後の再度の各単位積
層体の両端部分の再重ね合わせ接合を行う際に、再度、
各積層体ブロック毎に形成される階段状の突き合わせ接
合部の間に補助スペーサを挿入したままで最終構成であ
る主要磁性材料の各単位積層体の同志の両端の重ね合わ
せ接合及び薄板状補助鉄心同志の重ね合わせに戻す工程
とを有することを特徴とする静止誘導機器鉄心の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3275667A JP2632098B2 (ja) | 1991-05-13 | 1991-10-23 | 静止誘導機器鉄心及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10621691 | 1991-05-13 | ||
JP3-106216 | 1991-05-13 | ||
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