JP3197297B2 - 高感度ホール素子の製造方法 - Google Patents

高感度ホール素子の製造方法

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JP3197297B2 JP23326591A JP23326591A JP3197297B2 JP 3197297 B2 JP3197297 B2 JP 3197297B2 JP 23326591 A JP23326591 A JP 23326591A JP 23326591 A JP23326591 A JP 23326591A JP 3197297 B2 JP3197297 B2 JP 3197297B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性材料を用いて磁気
増幅を行うことで高感度化をはかったホール素子の新規
な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホール素子の磁気増幅方法として
は図7のようにホール素子を形成する基板の裏面に強磁
性材料を接着する方法、図8のようにホール素子感磁部
の表面に強磁性材料よりなる磁気増幅チップを配置する
方法などが行われていた。又、より大きな磁気増幅効果
を得るために図9のように基板側に強磁性材料を配置す
る第1の方法とホール素子感磁部の表面に強磁性材料を
配置する第2の方法を組み合わせることも良く行われて
いた。しかし、第2の方法ではホール素子の大きさがコ
ストダウン等のために小さくなると、素子組立上の機械
的精度のため対応できず、特に、ホール素子ペレットサ
イズが0.50mm角以下の場合、図10に示すような
予め磁気増幅チップ形状に高精度の凸加工を施した磁性
材料板を、ホール素子の形成された基板のホール素子パ
ターンに顕微鏡等を用いて正確に位置合わせして接着し
た後、個別の磁気増幅チップに分離する方法以外、ホー
ル素子の感磁部表面に量産的に磁気増幅チップを配置す
ることは不可能であった。
【0003】しかし、この場合においても接着時に正確
な位置合わせが必要であること、接着時に接着剤がホー
ル素子の電極を汚染しやすいこと等、製造プロセス上の
問題が残っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は以上説
明した問題点を解消し、磁気増幅効果により高感度特性
を持つ小型ホール素子の量産的な製造方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者の製造方法は、
小型のホール素子感磁部上に、従来は組立上に必要な精
度が得られず不可能であった磁気増幅チップをウェハー
全面に同時に精度良く形成することを可能にしたもの
で、ホール素子の形成された基板の表面にフォトレジス
トまたは感光性樹脂を用いて凹部を形成する工程と、磁
性材料よりなる板を磁気増幅チップ形状に加工する工程
と、前記凹部に磁気増幅チップ形状の凸部を接着する工
程と、前記凹部の段差部を形成するフォトレジストまた
は感光性樹脂を除去する工程と、前記板を磁気増幅チッ
プに分離する工程よりなることを特徴とする。
【0006】本発明の製造方法において行われるホール
素子の形成された基板の表面に凹部を形成する工程は、
ホール素子の感磁部上に配置される磁気増幅チップがは
まるようにホール素子表面に凹部を形成するものである
ことから、凹部の形は磁気増幅チップの接着面と同じで
あることが好ましく、凹部の大きさも接着面と同じ程度
であることが好ましい。また、ホール素子上に形成され
る凹部の位置は、磁気増幅チップが感磁部真上に形成さ
れる必要から通常凹部の中心がホール素子感磁部の中心
と一致するように形成される。
【0007】本発明の製造方法において用いられる凹部
の深さは、磁気増幅チップ接着時に磁気増幅チップ接着
面の接着剤がホール素子パターン接着部以外に薄く広が
らない様な深さであればよいが、通常の場合2μmは必
要であり、5μm以上であることは好ましく、接着時に
要求される正確な位置合わせを可能とする自己整合機能
を付与するという観点からは10μm以上であることは
特に好ましいものである。
【0008】本発明の製造方法において用いられる凹部
は、ホール素子表面に2μm以上の段差が形成できるも
のであれば何を用いて形成してもよいが、フォトレジス
トや感光性樹脂等を用いて形成することは特に好ましい
ことである。本発明の製造方法において用いられる凹部
は磁気増幅チップの自己整合機能の付与及び電極部の汚
染防止という点で、図3dの様に磁気増幅チップ接着部
に隣接した部分にのみ形成してもよいが、特に電極部の
汚染防止やプロセス中の保護膜効果を完全なものにする
ために図3b,cのように電極部ぎりぎりまで形成して
も良く、図3aのように接着部を除いた全ての部分を覆
う形で形成することは特に好ましい。
【0009】本発明でいう磁気増幅チップ形状とは、図
6に示すような磁性材料よりなる板をエッチングあるい
はダイシングソー等を用いた機械加工,レーザー加工等
により磁気増幅チップとなる部分(凸部)以外が薄くな
るようにしたものをいう。本発明の製造方法における磁
性材料よりなる板の磁気増幅チップ形状への加工は図6
bのように片面のみ行われていても、図6aのように両
面より行われていても良い。
【0010】本発明の製造方法において磁気増幅チップ
に用いられる磁性材料は、一般に残留磁化の小さい、透
磁率の高い材料が用いられ、その中でもフェライト、パ
ーマロイ、センダスト等は好ましく用いられる。本発明
の製造方法において行われる凹部に磁気増幅チップ形状
の凸部を接着する工程は、予め凹部に適量の接着剤を滴
下しておいても良いが図1dのようにガラス板等に薄く
塗布した接着剤に磁気増幅チップ形状の凸部を押しつけ
ることで、凸部接着面のみに接着剤をつけることは特に
好ましい方法として用いられる。
【0011】本発明の製造方法において行われる基板に
接着した磁気増幅チップ形状の板を磁気増幅チップに分
離する工程はエッチングあるいはダイシングソー等を用
いた機械加工等により行われるが、エッチングにより行
われる場合、磁気増幅チップ上面に予め保護のためにフ
ォトレジスト、エポキシ樹脂、イミド系樹脂、ポリイミ
ド樹脂、シリコン樹脂等を形成しておくことも好ましく
行われる。エッチングの方法はウェットエッチング、ド
ライエッチングのいずれでも良いが、ウェットエッチン
グは簡便なことから好ましく、特にスプレーエッチング
は好ましく用いられる。
【0012】本発明の製造方法において行われる凹部の
段差部を形成する材料を除去する工程は、ウェットエッ
チングやドライエッチングを用いる方法、感光性樹脂の
剥離液や有機溶剤を用いる方法、アッシングを用いる方
法等がある。以下、本発明のホール素子の製造方法の一
例を図1に示し説明する。図1aに示すようにホール素
子パターンの形成された基板1の表面に、図1bのよう
にフォトレジストを用いフォトリソグラフィーの手法で
凹部を形成しておき、図1cに示すようにフォトリソグ
ラフィー、エッチング技術を用いて両面より磁気増幅チ
ップ形状に加工したパーマロイ板を図1dのようにガラ
ス板に薄く塗布した接着剤に磁気増幅チップ形状の凸部
を押しつけることで、凸部接着面のみに接着剤をつけ
る。次に図1eのように基板表面の凹部と磁気増幅チッ
プ形状の凸部がはめあうように位置合わせをした上で接
着する。続いて図1fのように、ガラス板に薄く塗布し
たフォトレジストに磁気増幅チップ形状の凸部を押しつ
けることで、凸部上面のみにフォトレジストを形成した
上で、図1gのようにエッチングにより個別の磁気増幅
チップに分離する。続いて図1hのように凹部の段差部
を形成するフォトレジストをアッシングにより取り去
る。これをダイシングにより個別のホール素子ペレット
に切断し、ダイボンド、ワイヤボンド、モールドをする
ことで図4のごとくホール素子感磁部の表面に磁気増幅
チップを精度良く配置した小型のホール素子を作製す
る。
【0013】次に、本発明の別の製造方法について説明
する。本発明の製造方法はホール素子の形成された基板
の表面にフォトレジストまたは感光性樹脂を用いて凹部
を形成する工程と、磁性材料を支持用物体に固定する工
程と、前記磁性材料を磁気増幅チップに加工する工程
と、前記凹部に磁気増幅チップを接着する工程と、前記
凹部の段差部を形成するフォトレジストまたは感光性樹
を除去する工程と、前記磁気増幅チップを支持用物体
より分離する工程よりなることを特徴とする。
【0014】まず、図1aに示すようにホール素子パタ
ーンの形成された基板の表面に、図1bのようにフォト
レジストを用いフォトリソグラフィーの手法で凹部を形
成する。次に、図1cに示すようなフォトリソグラフィ
ー、エッチング技術を用いて両面より磁気増幅チップ形
状に加工したパーマロイ板のかわりに、図2aに示すよ
うに磁性材料よりなる板を支持用物体に固定した上で、
図2bに示すように前記板を個別の磁気増幅チップに分
離することでホール素子の形成された基板の表面の凹部
に対応して、精度良く整然と並んだ磁気増幅チップを形
成したものを用いる。これを図2cに示すように基板表
面の凹部と磁気増幅チップの凸部がはめあうように位置
合わせをした上で接着する。次に磁気増幅チップを支持
用物体より離すことで、図2dに示すようなホール素子
感磁部上に整然と並んだ磁気増幅チップを形成する。そ
して、基板表面の凹部の段差部を形成しているフォトレ
ジストをアッシングにより除去し図2eのように仕上げ
る。これをダイシングにより個別のホール素子ペレット
に切断し、ダイボンド、ワイヤボンド、モールドをする
ことで図4のような小型のホール素子を作製する。
【0015】本発明の製造方法においては、ホール素子
の形成された基板の表面の凹部により磁気増幅チップの
合わせに自己整合機能を持つことから、個別の磁気増幅
チップをチップトレーのような支持用物体に整然と並べ
たものを用いてホール素子感磁部上の凹部に磁気増幅チ
ップをのせても良い。本発明の製造方法においては、ホ
ール素子の裏面に第2の磁性材料を配置するためにホー
ル素子の形成された基板の裏面に磁性材料よりなる板を
接着することも好ましく行われる。
【0016】
【作用】本発明の高感度ホール素子の製造方法によれ
ば、従来不可能であった小型のホール素子においても、
ホール素子感磁部の表面に量産的に磁気増幅チップを配
置することが可能となり、又、従来の素子組立上の機械
的精度に比べて、磁気増幅チップの形成精度が飛躍的に
向上することから、高感度で、かつ感度ばらつきの少な
いホール素子を提供することができる。更に、本発明の
製造方法によればホール素子感磁部における凹部による
電極表面の汚染防止機能やプロセス中の保護膜機能によ
り信頼性の高いホール素子を歩留まり良く製造すること
ができる。
【0017】
【実施例】
【0018】
【実施例1】半絶縁性で厚さ300μm、片面を鏡面研
磨した直径2インチのGaAs基板を12枚セットした
ホルダ−を基板導入室より準備室を通して大型の分子線
エピタキシ−装置の超高真空である成長室へセットし
た。この基板ホルダ−を水平回転させるとともにGaA
s基板を基板加熱ヒ−タ−により輻射加熱し、基板の鏡
面側に対向して装着されているIn、Asの蒸発源よ
り、In、Asを60分間蒸発させ、厚さ1.0μmの
InAs鏡面単結晶薄膜をGaAsの基板の鏡面側に成
長させた。次に、このGaAs基板上に成長したInA
s薄膜の表面にフォトリソグラフィ−の手法によりレジ
ストパタ−ンを所要の形状で形成したのち、電極となる
金属層を形成し、しかるのちレジストを除去した。次い
で、表面に第2回目のレジストパタ−ンをフォトリソグ
ラフィ−の手法により形成した。このレジストをマスク
として、ウェットエッチングによりInAs上に形成し
た電極層の一部とInAs薄膜をエッチングした。さら
に、全面に絶縁層として厚さ0.3μmSi34をプラ
ズマCVD法により基板加熱温度300℃で形成した。
前述のフォトリソグラフィ−法によりレジストパタ−ン
を形成し、電極部上のSi34を反応性イオンエッチン
グにより除去した。これらの工程により、1枚の基板上
に約8500個の図1aに示したような0.36mm角
のホ−ル素子パターンを作製した。
【0019】次に東京応化製フォトレジストOMR−8
3を用いてホール素子パターン上に図1bに示すような
厚さ2.5μmよりなる凹部を形成した。次に、図1c
のような予め厚さ150μmのパーマロイ板をフォトリ
ソグラフィー・エッチング技術を用いて両面より各々6
5μmまでエッチングした磁気増幅チップ形状にしたも
のを、図1dのように住友3M製エポキシ接着剤“18
38A、B”をガラス板に薄く塗布した上で、磁気増幅
チップ形状の凸部を接着剤に押しつけることで、凸部接
着面のみに接着剤をつけた。続いて、図1eのように基
板表面の凹部と磁気増幅チップ形状の凸部がはめあうよ
うに位置合わせをした上で接着した。更に、図1fのよ
うに、ガラス板に薄く塗布したフォトレジストに磁気増
幅チップ形状の凸部を押しつけることで、凸部上面のみ
にフォトレジストを形成した上で、硫酸−過酸化水素水
系のエッチング液を用いてスプレーエッチングをするこ
とで、図1gのように個別の磁気増幅チップに分離し
た。
【0020】この後、基板表面の凹部をつくっているレ
ジストOMR−83をアッシングして除去し図1hのよ
うな構造に仕上げた。これをダイシングにより0.4m
m角の個別のホール素子ペレットに切断し、自動ダイボ
ンダ−によりリ−ド上にこのチップをダイボンドし、次
に、自動ワイヤ−ボンダ−でリ−ドとホ−ル素子の電極
部をAuワイヤ−で接続した。トランスファ−モ−ルダ
−によりエポキシモ−ルドしたのち、このモ−ルドされ
た素子のダイバ−カット、リ−ドカットを行い、個々の
樹脂モ−ルドされた図4のようなホール素子感磁部の表
面に磁気増幅チップを精度良く安定して配置した小型の
ホール素子を作製した。
【0021】こうして製作したホ−ル素子の代表的な特
性を表1に示した。磁気増幅構造を持たない素子に比べ
て、磁気増幅効果により約1.5倍の高感度化を実現し
た。又、表2に本発明のホール素子の感度ばらつきの量
を比較のため、従来の機械的方法で磁気増幅チップをの
せた0.8mm角の大きなホール素子の感度ばらつきの
量と比較した。
【0022】本発明のホール素子は、磁気増幅チップの
高さ、のせる位置等が従来の機械的精度で決まる素子に
比べて厳密に精度良く決まることから、従来磁気増幅チ
ップをのせることが難しかった0.4mm角という小型
のホール素子でありながら、得られた素子の感度ばらつ
きは従来法の1/3程度となっている。
【0023】
【実施例2】半絶縁性で厚さ300μm、片面を鏡面研
磨した直径2インチのGaAs基板を12枚セットした
ホルダ−を基板導入室より準備室を通して大型の分子線
エピタキシ−装置の超高真空である成長室へセットし
た。この基板ホルダ−を水平回転させるとともにGaA
s基板を基板加熱ヒ−タ−により輻射加熱し、基板の鏡
面側に対向して装着されているIn、Asの蒸発源よ
り、In、Asを60分間蒸発させ、厚さ1.0μmの
InAs鏡面単結晶薄膜をGaAsの基板の鏡面側に成
長させた。次に、このGaAs基板上に成長したInA
s薄膜の表面にフォトリソグラフィ−の手法によりレジ
ストパタ−ンを所要の形状で形成したのち、電極となる
金属層を形成し、しかるのちレジストを除去した。次い
で、表面に第2回目のレジストパタ−ンをフォトリソグ
ラフィ−の手法により形成した。このレジストをマスク
として、ウェットエッチングにより、InAs上に形成
した電極層の一部とInAs薄膜をエッチングした。さ
らに、全面に絶縁層として厚さ0.3μmSi34をプ
ラズマCVD法により基板加熱温度300℃で形成し
た。
【0024】前述のフォトリソグラフィ−法によりレジ
ストパタ−ンを形成し、電極部上のSi34を反応性イ
オンエッチングにより除去した。これらの工程により、
1枚の基板上に約8500個の図1aに示したような
0.36mm角のホ−ル素子パターンを作製した。次に
ホール素子の形成された基板全面に感光性ポリイミドを
用いて厚さ10μmの凹部をフォトリソグラフィーの手
法により形成した。
【0025】更にこの基板を裏面より研磨することで基
板の厚みを120μmとした後、エポキシ樹脂を用いて
300μmのフェライトを基板の裏面に接着した。次
に、図1cのような予め厚さ150μmのパーマロイ板
をフォトリソグラフィー・エッチング技術を用いて両面
より各々65μmまでエッチングした磁気増幅チップ形
状にしたものを、図1dのようにガラス板に薄く塗布し
た東芝ケミカル製液状封止剤ケミタイトに磁気増幅チッ
プ形状の凸部を押しつけることで、凸部接着面のみにケ
ミタイトをつけた。続いて、図1eのように基板表面の
凹部と磁気増幅チップ形状の凸部がはめあうように位置
合わせをした上で接着した。更に、図1fのように、ガ
ラス板に薄く塗布したフォトレジストに磁気増幅チップ
形状の凸部を押しつけることで、凸部上面のみにフォト
レジストを形成した上で、硫酸−過酸化水素水系のエッ
チング液を用いてスプレーエッチングをすることで、図
1gのように個別の磁気増幅チップに分離した。
【0026】そして、基板表面の凹部を形成している感
光性ポリイミドをアッシングにより除去し図1hのよう
に仕上げた。これをダイシングにより0.4mm角の個
別のホール素子ペレットに切断し、自動ダイボンダ−に
よりリ−ド上にこのチップをダイボンドし、次に、自動
ワイヤ−ボンダ−でリ−ドとホ−ル素子の電極部をAu
ワイヤ−で接続した。トランスファ−モ−ルダ−により
エポキシモ−ルドしたのち、このモ−ルドされた素子の
ダイバ−カット、リ−ドカットを行い、個々の樹脂モ−
ルドされた図4のようなホール素子感磁部の表面に磁気
増幅チップを精度良く安定して配置した小型のホール素
子を作製した。
【0027】こうして製作したホ−ル素子の代表的な特
性を表3に示した。磁気増幅構造を持たない素子に比べ
て、磁気増幅効果により約3倍の高感度化を実現した。
又、作製されたホール素子の感度ばらつきの量は、従来
の機械的方法で磁気増幅チップをのせたものに比べて小
さく、実施例1と同程度であった。
【0028】
【実施例3】半絶縁性で厚さ300μm、直径2インチ
のGaAs基板にイオン注入装置を用いて、シリコンイ
オン(Si+)を加速エネルギー300KeV、ドーズ
量2.3×1012/cm2で注入した。そして、アルシ
ン(AsH3)雰囲気中850℃の温度で10秒間のラ
ピッドアニール処理を行い、GaAs基板の表面にn型
の導電層を形成した。次に、このGaAs基板の表面に
フォトリソグラフィ−の手法によりレジストパタ−ンを
所要の形状で形成したのち、このレジストをマスクとし
て、ウェットエッチングにより、ホール素子感磁部パタ
ーンを形成したのちレジストを除去した。次いで、全面
に絶縁層として厚さ0.3μmのSi34をプラズマC
VD法により基板加熱温度300℃で形成した。続い
て、電極金属とオーム性接触を形成する部分のSi34
をエッチングするために、表面に第2回目のレジストパ
タ−ンをフォトリソグラフィ−の手法により形成した。
このレジストをマスクとして、ウェットエッチングによ
り、Si34をエッチングした後、AuGe、Ni、A
uを各々0.25μm、0.05μm、0.35μmの
厚さで蒸着し、ついでリフトオフ法によりレジスト及び
レジスト上の金属を除去した。更に、オーミック性接触
を得るために、赤外線加熱炉N2ガス雰囲気中で400
℃5分間の合金化処理を行い1枚の基板上に約8500
個の図1aに示したような0.36mm角のホ−ル素子
パターンを作製した。
【0029】次に東京応化製OMR−83を用いてホー
ル素子パターン上に図1bに示すような厚さ7μmより
なる凹部をフォトリソグラフィーの手法により形成し
た。更にこの基板を裏面より研磨することで基板の厚み
を120μmとした後、エポキシ樹脂を用いて300μ
mのフェライトを基板の裏面に接着した。次に、厚さ2
00μmのMn−Znフェライトの板を支持用物体とし
てのガラス板にワックスを用いて図2aのように接着固
定した上で、ダイシングソーを用いて図2bのようにガ
ラス板まで切り込むことで、フェライト板の完全切断を
行った。続いて、東芝ケミカル製液状封止剤ケミタイト
をガラス板に薄く塗布した上で、磁気増幅チップの凸部
をケミタイトに押しつけることで、凸部接着面のみにケ
ミタイトをつけた。次に、図2cのように基板表面の凹
部と磁気増幅チップの凸部がはめあうように位置合わせ
をした上で接着した。更に、溶剤を用いてワックスを溶
かしてガラス板を取り外すことで、図2dのように個別
の磁気増幅チップに分離した。
【0030】そして、基板表面のレジストOMR−83
からなる凹部をアッシングして除去し図2eのように仕
上げた。これをダイシングにより0.4mm角の個別の
ホール素子ペレットに切断し、自動ダイボンダ−により
リ−ド上にこのチップをダイボンドし、次に、自動ワイ
ヤ−ボンダ−でリ−ドとホ−ル素子の電極部をAuワイ
ヤ−で接続した。トランスファ−モ−ルダ−によりエポ
キシモ−ルドしたのち、このモ−ルドされた素子のダイ
バ−カット、リ−ドカットを行い、個々の樹脂モ−ルド
された図4のようなホール素子感磁部の表面に磁気増幅
チップを精度良く配置した小型のホール素子を作製し
た。
【0031】こうして製作したホ−ル素子の代表的な特
性を表4に示す。磁気増幅構造を持たない素子に比べ
て、磁気増幅効果により約3倍の高感度化を実現した。
又、作製されたホール素子の感度ばらつきの量は、従来
の機械的方法で磁気増幅チップをのせたものに比べて小
さく、実施例1と同程度であった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高感度ホ
ール素子の製造方法によれば、ホール素子感磁部上に形
成した凹部が磁気増幅チップの凸部と自動的にはまりあ
うことから、正確な位置合わせがなくとも高い精度で磁
気増幅チップを形成することが可能となり、従来不可能
であった小型のホール素子においても、ホール素子感磁
部の表面に量産的に磁気増幅チップを配置することが実
現できる。又、従来の素子組立上の機械的精度に比べて
飛躍的に磁気増幅チップの形成精度が向上することによ
り、高感度で、かつ、感度ばらつきの少ないホール素子
を提供することができる。
【0037】更に、ホール素子感磁部における凹部の電
極表面の汚染防止機能、プロセス中の保護膜機能により
信頼性の高いホール素子を製造することができる。すな
わち、本発明の高感度ホール素子の製造方法は磁気増幅
タイプのホール素子作製に関して、ホール素子ペレット
の小型化とともに、チップ形成精度の向上による小さな
感度ばらつきにより、大幅な歩留まりの向上及びコスト
ダウンを可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホール素子の製造方法を示す説明図。
【図2】本発明のホール素子の別の製造方法を示す説明
図。
【図3】本発明のホール素子の特徴であるホール素子表
面に形成される凹部のいくつかの形成パターンを示す
例。 a:磁気増幅チップの接着部以外の全ての部分に形成さ
れている例。 b:磁気増幅チップの接着部と電極部以外に形成されて
いる例。 c:磁気増幅チップの接着部と電極部以外に形成されて
いる例。 d:磁気増幅チップ接着部に隣接した部分のみに形成さ
れている例。
【図4】本発明のホール素子を示す構造図。 a:断面透視図。 b:平面透視図。
【図5】本発明の別のホール素子を示す構造図。 a:断面透視図。 b:平面透視図。
【図6】本発明で用いる磁性材料よりなる板の磁気増幅
チップ形状への加工例。 a:両面より加工されている例。 b:片面のみ加工されている例。
【図7】ホール素子の磁気増幅構造を示す説明図。
【図8】ホール素子の磁気増幅構造を示す説明図。
【図9】ホール素子の磁気増幅構造を示す説明図。
【図10】小型ホール素子に磁気増幅チップをのせる製
造方法の例。
【符号の説明】
1…基板 2…ホ−ル素子感磁部 3…電極 4…半導体薄膜 5…磁性材料 6…凹部 7…レジスト 8…凹部を形成する材料(感光性樹脂等) 9…支持用物体 10…Auワイヤ− 11…リ−ド線 12…接着剤 13…モ−ルド樹脂
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−100987(JP,A) 特開 平2−78250(JP,A) 特開 昭63−182877(JP,A) 特開 昭63−187675(JP,A) 特開 昭63−152185(JP,A) 特開 昭64−5083(JP,A) 特許3069143(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 43/06 H01L 43/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホール素子の形成された基板の表面に
    ォトレジストまたは感光性樹脂を用いて凹部を形成する
    工程と、磁性材料よりなる板を磁気増幅チップ形状に加
    工する工程と、前記凹部に磁気増幅チップ形状の凸部を
    接着する工程と、前記凹部の段差部を形成するフォトレ
    ジストまたは感光性樹脂を除去する工程と、前記板を磁
    気増幅チップに分離する工程よりなることを特徴とする
    ホール素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 ホール素子の形成された基板の表面に
    ォトレジストまたは感光性樹脂を用いて凹部を形成する
    工程と、磁性材料を支持用物体に固定する工程と、前記
    磁性材料を磁気増幅チップに加工する工程と、前記凹部
    に磁気増幅チップを接着する工程と、前記凹部の段差部
    を形成するフォトレジストまたは感光性樹脂を除去する
    工程と、前記磁気増幅チップを支持用物体より分離する
    工程よりなることを特徴とするホール素子の製造方法。
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