JPH0575177A - ホール素子及びその製造方法 - Google Patents

ホール素子及びその製造方法

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JPH0575177A
JPH0575177A JP3232926A JP23292691A JPH0575177A JP H0575177 A JPH0575177 A JP H0575177A JP 3232926 A JP3232926 A JP 3232926A JP 23292691 A JP23292691 A JP 23292691A JP H0575177 A JPH0575177 A JP H0575177A
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JP
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hall element
magnetic
magnetic amplification
amplification chip
substrate
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JP3232926A
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English (en)
Inventor
Takashi Ito
伊藤  隆
Fumiaki Ichimori
史明 市森
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、磁気増幅効果により高感度特性を
持ち、かつ、量産的に製造可能な小型のホール素子及び
その製造方法を提供することにある。 【構成】 本発明の磁気増幅チップ自己整合機能及び保
持機能を付与したホール素子は、ホール素子の形成され
た基板とホール素子の感磁部上に形成された凹部とその
凹部に配置された磁性材料よりなる磁気増幅チップを有
することを特徴とする。 【効果】 本発明によれば、正確な位置合わせがなくと
も高い精度で磁気増幅チップを形成することが可能とな
ることから、従来不可能であった小型のホール素子にお
いても、ホール素子感磁部の表面に量産的に磁気増幅チ
ップを配置することが実現できる。又、磁気増幅チップ
の形成精度が向上することにより、高感度で、かつ、感
度ばらつきの少ないホール素子を提供することができ
る。更に、ホール素子感磁部における凹部の持つ磁気増
幅チップの保持機能と電極表面の汚染防止機能により信
頼性の高いホール素子を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性材料を用いて磁気
増幅を行うことで高感度化をはかったホール素子及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホール素子の磁気増幅方法として
は図7のようにホール素子を形成する基板の裏面に強磁
性材料を接着する方法、図8のようにホール素子感磁部
の表面に強磁性材料よりなる磁気増幅チップを配置する
方法などが行われていた。又、より大きな磁気増幅効果
を得るために図9のように基板側に強磁性材料を配置す
る第1の方法とホール素子感磁部の表面に強磁性材料を
配置する第2の方法を組み合わせることも良く行われて
いた。しかし、第2の方法ではホール素子の大きさがコ
ストダウン等のために小さくなると、素子組立上の機械
的精度のため対応できず、特に、ホール素子ペレットサ
イズが0.50mm角以下の場合、図10に示すような
予め磁気増幅チップ形状に高精度の凸加工を施した磁性
材料板をホール素子の形成された基板にホール素子パタ
ーンに合わせて接着した後、個別の磁気増幅チップに分
離する方法以外、ホール素子の感磁部表面に量産的に磁
気増幅チップを配置することは不可能であった。
【0003】さらに、この場合においても磁気増幅チッ
プの接着面積が非常に小さいことから、ホール素子形成
ウェハーのダイシング工程や組立工程での磁気増幅チッ
プの欠落等の可能性があり、磁気増幅チップの接着強度
の点で問題を持っていた。又、接着時に正確な位置合わ
せを要求されること、接着時に接着剤がホール素子の電
極を汚染しやすい等の製造プロセス上の問題も残ってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は以上説
明した問題点を解消し、磁気増幅効果により高感度特性
(磁気増幅チップ自己整合機能及び保持機能)を持つ量
産的に製造可能な小型のホール素子及びその製造方法を
提供することにある。さらに本発明の目的は、小型のホ
ール素子感磁部上に、従来は組立上に必要な精度が得ら
れず不可能であった磁気増幅チップをウェハー全面に同
時に精度良く形成することを可能にすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気増幅チップ
自己整合機能及び保持機能を付与したホール素子は、ホ
ール素子の形成された基板とホール素子の感磁部上に形
成された凹部とその凹部に配置された磁性材料よりなる
磁気増幅チップを有することを特徴とする。本発明の磁
気増幅チップ自己整合機能及び保持機能を付与したホー
ル素子を図1に示す。
【0006】本発明において用いられる基板材料は、ホ
ール素子の形成できるものであれば何でも良いが、Ga
As、Si、セラミック、フェライト、ガラス等は好ま
しく用いられる。又、本発明のホール素子の感磁部材料
として用いられる半導体材料は、電子移動度の大きな高
感度の出力を得られるものであれば何でも良いが、In
As、InSb、GaAs、Si、InGaAs等は特
に好ましいものである。
【0007】これらの半導体の形成方法としては、一般
に用いられる蒸着法、イオン打ち込み法、スパッタ法等
が良く用いられるが、薄膜における大きな移動度を実現
するために、良好な結晶性を得られるMBE法は特に好
ましいものである。本発明のホール素子において用いら
れる凹部の形は、磁気増幅チップがはまるように磁気増
幅チップの接着面と同じであることが好ましく、凹部の
大きさも接着面と同じであることが好ましい。ホール素
子上に形成される凹部の位置は、磁気増幅チップが感磁
部直上に形成される必要から通常凹部の中心がホール素
子感磁部の中心と一致するように形成される。
【0008】本発明のホール素子において用いられる凹
部の深さは、磁気増幅チップを安定して保持できるため
に磁気増幅チップ接着面の接着剤がホール素子パターン
接着部以外に薄く広がらないような深さであれば良い
が、通常の場合2μm程度は必要であり、5μm以上で
あることは好ましく、接着時に要求される正確な位置合
わせを可能とする自己整合機能を付与するという観点か
らは10μm以上であることは特に好ましいものであ
る。
【0009】本発明のホール素子において用いられる凹
部は、ホール素子形成後にSiN,SiO2,SiO,
PSG等の無機材料を蒸着その他の方法でホール素子表
面に厚づけした後、フォトリソグラフィー・エッチング
技術を用いて凹部を形成しても良いが、感光性樹脂等を
用いて凹部を形成することは特に好ましいものである。
【0010】本発明のホール素子において用いられる感
光性樹脂は、凹部のパターン形成ができるものであれば
何でも良く、通常の半導体ウェハープロセスで用いられ
るフォトレジスト、感光性ポリイミド樹脂、感光性シリ
コン樹脂等は好ましく用いられるが、その中でも凹部の
深さを大きくできる感光性ポリイミド樹脂,感光性シリ
コン樹脂等は特に好ましいものである。
【0011】又、本発明のホール素子において用いられ
る凹部は、磁気増幅チップの自己整合機能及び保持機能
を付与する目的で、図3cのように磁気増幅チップ接着
部に隣接した部分のみに形成されていても良いが、図3
aのように電極部を除いた他の部分を全て保護する形で
形成することも好ましく行われる。又、凹部の深さが大
きい場合にはワイヤボンディング時のキャピラリーがあ
たるという問題があることから、図3bのようにワイヤ
ボンディング方向に保護膜を形成しないことも好ましく
行われる。
【0012】本発明のホール素子において磁気増幅チッ
プに用いられる磁性材料は、残留磁化の小さい、透磁率
の高い材料であれば何でも良いが、フェライト、パーマ
ロイ、センダスト等は好ましく用いられる。本発明のホ
ール素子において磁気増幅チップの凹部への接着に用い
られる接着剤は、高温まで耐えられるものであれば何で
も良く、エポキシ樹脂、イミド系樹脂、ポリイミド樹
脂、シリコン樹脂等は好ましく用いられるが、その中で
も信頼性上ポリイミド樹脂、シリコン樹脂等は特に好ま
しいものである。
【0013】本発明のホール素子においては高感度化を
はかるために図2のようにホール素子の形成された基板
の裏面に第2の磁性材料を配置することも好ましく行わ
れるが、第2の磁性材料についても、磁気増幅チップに
用いられるものと同じフェライト、パーマロイ、センダ
スト等が好ましく用いられる。又、本発明のホール素子
においては、ワイヤボンディング後にホール素子上面に
シリコン樹脂等のポッティングを行い、ホール素子パタ
ーン、磁気増幅チップ、ボンディングワイヤを被うこと
で信頼性の向上をはかることも好ましいことである。
【0014】次に本発明の製造方法について説明する。
本発明のホール素子の製造方法は、ホール素子の形成さ
れた基板の表面に凹部を形成する工程と、磁性材料より
なる板を磁気増幅チップ形状に加工する工程と、前記凹
部に磁気増幅チップ形状の凸部を接着する工程と、前記
板を磁気増幅チップに分離する工程よりなることを特徴
とする。
【0015】本発明でいう磁気増幅チップ形状とは、図
5に示すような磁性材料よりなる板をエッチングあるい
はダイシングソー等を用いた機械加工、レーザー加工等
により磁気増幅チップとなる部分(凸部)以外が薄くな
るようにしたものをいう。本発明の製造方法における磁
性材料よりなる板の磁気増幅チップ形状への加工は図5
bのように片面のみ行われていても、図5aのように両
面より行われていても良い。
【0016】本発明の製造方法において行われるホール
素子の形成された基板の表面に凹部を形成する工程は、
ホール素子形成後にSiO2,SiN,SiO,PSG
等の無機材料を蒸着その他の方法でホール素子表面に厚
づけした後、フォトリソグラフィー・エッチング技術を
用いて凹部を形成することも好ましく行われるが、感光
性樹脂等を用いて凹部を形成することは特に簡便で好ま
しい方法である。
【0017】本発明の製造方法において行われる凹部に
磁気増幅チップ形状の凸部を接着する工程は、予め凹部
に適量の接着剤を滴下しておいても良いが図4dのよう
にガラス板等に薄く塗布した接着剤に磁気増幅チップ形
状の凸部を押しつけることで、凸部接着面のみに接着剤
をつけることは特に好ましい方法として用いられる。本
発明の製造方法において行われる基板に接着した磁気増
幅チップ形状の板を磁気増幅チップに分離する工程はエ
ッチングあるいはダイシングソー等を用いた機械加工等
により行われるが、エッチングにより行われる場合、磁
気増幅チップ上面に予め保護のためにフォトレジスト、
エポキシ樹脂、イミド系樹脂、ポリイミド樹脂、シリコ
ン樹脂等を形成しておくことも好ましく行われる。エッ
チングの方法はウェットエッチング、ドライエッチング
のいずれでも良いが、ウェットエッチングは簡便なこと
から好ましく、特にエッチング液をスプレー状にふりか
けるスプレーエッチングは好ましく用いられる。
【0018】以下、本発明の製造方法の一例について説
明する。図4aに示すようにホール素子パターンの形成
された基板1の表面に、図4bのように感光性ポリイミ
ド樹脂を用いて凹部を形成した上で、図4cに示すよう
にフォトリソグラフィー・エッチング技術を用いて両面
より磁気増幅チップ形状に加工したパーマロイ板を図4
dのようにガラス板に薄く塗布した接着剤に磁気増幅チ
ップ形状の凸部を押しつけることで、凸部接着面のみに
接着剤をつける。次に図4eのように基板表面の凹部と
磁気増幅チップ形状の凸部がはめあうように位置合わせ
をした上で接着する。続いて図4fのように、ガラス板
に薄く塗布したフォトレジストに磁気増幅チップ形状の
凸部を押しつけることで、凸部上面のみにフォトレジス
トを形成した上で、図4gのようにエッチングにより個
別の磁気増幅チップに分離する。これをダイシングによ
り個別のホール素子ペレットに切断し、ダイボンド、ワ
イヤボンド、モールドをすることで図1のごとくホール
素子感磁部の表面に磁気増幅チップを精度良く安定して
配置した小型のホール素子を作製する。
【0019】次に本発明の別の製造方法について説明す
る。本発明の製造方法はホール素子の形成された基板の
表面に凹部を形成する工程と、磁性材料を支持用物体に
固定する工程と、前記磁性材料を磁気増幅チップに加工
する工程と、前記凹部に磁気増幅チップを接着する工程
と、前記磁気増幅チップを支持用物体より分離する工程
よりなることを特徴とする。
【0020】即ち、図4cに示すようなフォトリソグラ
フィー・エッチング技術を用いて両面より磁気増幅チッ
プ形状に加工したパーマロイ板のかわりに、図6aに示
すように磁性材料よりなる板を支持用物体に固定した上
で、図6bに示すように前記板を個別の磁気増幅チップ
に分離することで、ホール素子の形成された基板の表面
の凹部に対応して、精度良く整然と並んだ磁気増幅チッ
プを形成したものを用いる。これを図6cに示すように
基板表面の凹部と磁気増幅チップの凸部がはめあうよう
に位置合わせをした上で接着する。次に磁気増幅チップ
を支持用物体より離すことで、図6dに示すようなホー
ル素子感磁部上に整然と並んだ磁気増幅チップを形成す
る。これをダイシングにより個別のホール素子ペレット
に切断し、ダイボンド、ワイヤボンド、モールドをする
ことで図1のような小型のホール素子を作製する。
【0021】本発明においてはホール素子の形成された
基板の表面の凹部により自己整合機能を持っていること
から、個別の磁気増幅チップをチップトレーのような支
持用物体に整然と並べたものを用いてホール素子感磁部
上の凹部に磁気増幅チップをのせても良い。又、本発明
の製造方法においては、ホール素子の裏面に第2の磁性
材料を配置するために、ホール素子の形成された基板の
裏面に磁性材料よりなる板を接着することも好ましく行
なわれる。
【0022】本発明の磁気増幅チップ自己整合機能及び
保持機能を付与したホール素子及びその製造方法によれ
ば、従来不可能であった小型のホール素子においても、
ホール素子感磁部の表面に量産的に磁気増幅チップを配
置することが可能となり、又、従来の素子組立上の機械
的精度に比べて、磁気増幅チップの形成精度が飛躍的に
向上することから、高感度で、かつ、感度ばらつきの少
ないホール素子を提供することができる。更に、ホール
素子感磁部における凹部により磁気増幅チップの保持機
能と電極表面の汚染防止機能により信頼性の高いホール
素子を実現することができる。
【0023】
【実施例】
【0024】
【実施例1】半絶縁性で厚さ300μm,片面を鏡面研
磨した直径2インチのGaAs基板を12枚セットした
ホルダ−を基板導入室より準備室を通して大型の分子線
エピタキシ−装置の超高真空である成長室へセットし
た。この基板ホルダ−を水平回転させるとともにGaA
s基板を基板加熱ヒ−タ−により輻射加熱し,基板の鏡
面側に対向して装着されているIn、Asの蒸発源よ
り、In、Asを60分間蒸発させ、厚さ1.0μmの
InAs鏡面単結晶薄膜をGaAsの基板の鏡面側に成
長させた。次に、このGaAs基板上に成長したInA
s薄膜の表面にフォトリソグラフィ−の手法によりレジ
ストパタ−ンを所要の形状で形成したのち、電極となる
金属層を形成し、しかるのちレジストを除去した。次い
で、表面に第2回目のレジストパタ−ンをフォトリソグ
ラフィ−の手法により形成した。このレジストをマスク
として、ウェットエッチングにより、InAs上に形成
した電極層の一部とInAs薄膜をエッチングした。さ
らに、全面に絶縁層として厚さ0.3μmSi34をプ
ラズマCVD法により基板加熱温度300℃で形成し
た。
【0025】前述のフォトリソグラフィ−法によりレジ
ストパタ−ンを形成し、電極部上のSi34を反応性イ
オンエッチングにより除去した。これらの工程により、
1枚の基板上に約8500個の図4aに示したような
0.36mm角のホ−ル素子パターンを作製した。次に
感光性ポリイミド樹脂を用いてホール素子パターン上に
図4bに示すような厚さ20μmよりなる凹構造を形成
した。
【0026】次に、図4cのような予め厚さ150μm
のパーマロイ板をフォトリソグラフィー・エッチング技
術を用いて両面より各々65μmまでエッチングした磁
気増幅チップ形状にしたものを、図4dのように東芝ケ
ミカル製接着剤“ケミタイト”をガラス板に薄く塗布し
た上で、磁気増幅チップ形状の凸部を接着剤に押しつけ
ることで、凸部接着面のみに接着剤をつけた。続いて、
図4eのように基板表面の凹部と磁気増幅チップ形状の
凸部がはめあうように位置合わせをした上で接着した。
更に、図4fのように、ガラス板に薄く塗布したフォト
レジストに磁気増幅チップ形状の凸部を押しつけること
で、凸部上面のみにフォトレジストを形成した上で、硫
酸−過酸化水素水系のエッチング液を用いてスプレーエ
ッチングをすることで、図4gのように個別の磁気増幅
チップに分離した。
【0027】これをダイシングにより0.4mm角の個
別のホール素子ペレットに切断し、自動ダイボンダ−に
よりリ−ド上にこのチップをダイボンドし、次に、自動
ワイヤ−ボンダ−でリ−ドとホ−ル素子の電極部をAu
ワイヤ−で接続した。トランスファ−モ−ルダ−により
エポキシモ−ルドしたのち、このモ−ルドされた素子の
ダイバ−カット、リ−ドカットを行い、個々の樹脂モ−
ルドされた図1のようなホール素子感磁部の表面に磁気
増幅チップを精度良く安定して配置した小型のホール素
子を作製した。
【0028】こうして製作したホ−ル素子の代表的な特
性を表1に示した。磁気増幅構造を持たない素子に比べ
て、磁気増幅効果により約1.6倍の高感度化を実現し
た。又、表2に本発明のホール素子の感度ばらつきの量
を比較のため、従来の機械的方法で磁気増幅チップをの
せた0.8mm角の大きなホール素子の感度ばらつきの
量と比較した。
【0029】但し、感度ばらつきはそれぞれ100素子
における±3σ/平均値×100%本発明のホール素子
は、磁気増幅チップの高さ、のせる位置等が従来の機械
的精度で決まる素子に比べて厳密に精度良く決まること
から、従来磁気増幅チップをのせることが難しかった
0.4mm角という小型のホール素子でありながら、得
られた素子の感度ばらつきは従来法の1/3程度となっ
ている。
【0030】
【実施例2】半絶縁性で厚さ300μm、片面を鏡面研
磨した直径2インチのGaAs基板を12枚セットした
ホルダ−を基板導入室より準備室を通して大型の分子線
エピタキシ−装置の超高真空である成長室へセットし
た。この基板ホルダ−を水平回転させるとともにGaA
s基板を基板加熱ヒ−タ−により輻射加熱し、基板の鏡
面側に対向して装着されているIn、Asの蒸発源よ
り、In、Asを60分間蒸発させ、厚さ1.0μmの
InAs鏡面単結晶薄膜をGaAsの基板の鏡面側に成
長させた。次に、このGaAs基板上に成長したInA
s薄膜の表面にフォトリソグラフィ−の手法によりレジ
ストパタ−ンを所要の形状で形成したのち、電極となる
金属層を形成し、しかるのちレジストを除去した。次い
で、表面に第2回目のレジストパタ−ンをフォトリソグ
ラフィ−の手法により形成した。このレジストをマスク
として、ウェットエッチングにより、InAs上に形成
した電極層の一部とInAs薄膜をエッチングした。さ
らに、全面に絶縁層として厚さ0.3μmSi34をプ
ラズマCVD法により基板加熱温度300℃で形成し
た。
【0031】前述のフォトリソグラフィ−法によりレジ
ストパタ−ンを形成し、電極部上のSi34を反応性イ
オンエッチングにより除去した。これらの工程により、
1枚の基板上に約8500個の図4aに示したような
0.36mm角のホ−ル素子パターンを作製した。次に
ホール素子の形成された基板全面に真空蒸着法を用いて
厚さ10μmのSiO膜を形成した上で、フォトリソ・
エッチング技術を用いて図4bに示すような厚さ10μ
mよりなる凹部を形成した。
【0032】更にこの基板を裏面より研磨することで基
板の厚みを120μmとした後、エポキシ樹脂を用いて
300μmのフェライトを基板の裏面に接着した。次
に、図4cのような予め厚さ150μmのパーマロイ板
をフォトリソグラフィー・エッチング技術を用いて両面
より各々65μmまでエッチングした磁気増幅チップ形
状にしたものを、図4dのようにガラス板に薄く塗布し
たポリイミド樹脂に磁気増幅チップ形状の凸部を押しつ
けることで、凸部接着面のみに接着剤をつけた。続い
て、図4eのように基板表面の凹部と磁気増幅チップ形
状の凸部がはめあうように位置合わせをした上で接着し
た。更に、図4fのように、ガラス板に薄く塗布したフ
ォトレジストに磁気増幅チップ形状の凸部を押しつける
ことで、凸部上面のみにフォトレジストを形成した上
で、硫酸−過酸化水素水系のエッチング液を用いてスプ
レーエッチングをすることで、図4gのように個別の磁
気増幅チップに分離した。
【0033】これをダイシングにより0.4mm角の個
別のホール素子ペレットに切断し、自動ダイボンダ−に
よりリ−ド上にこのチップをダイボンドし、次に、自動
ワイヤ−ボンダ−でリ−ドとホ−ル素子の電極部をAu
ワイヤ−で接続した。トランスファ−モ−ルダ−により
エポキシモ−ルドしたのち、このモ−ルドされた素子の
ダイバ−カット、リ−ドカットを行い、個々の樹脂モ−
ルドされた図1のようなホール素子感磁部の表面に磁気
増幅チップを精度良く安定して配置した小型のホール素
子を作製した。
【0034】こうして製作したホ−ル素子の代表的な特
性を表3に示した。磁気増幅構造を持たない素子に比べ
て、磁気増幅効果により約3倍の高感度化を実現した。
又、作製されたホール素子の感度ばらつきの量は、従来
の機械的方法で磁気増幅チップをのせたものに比べて小
さく、実施例1と同程度であった。
【0035】
【実施例3】半絶縁性で厚さ300μm、直径2インチ
のGaAs基板にイオン注入装置を用いて、シリコンイ
オン(Si+)を加速エネルギー300KeV、ドーズ
量2.3×1012/cm2で注入した。そして、アルシ
ン(AsH3)雰囲気中850℃の温度で10秒間のラ
ピッドアニール処理を行い、GaAs基板の表面にn型
の導電層を形成した。次に、このGaAs基板の表面に
フォトリソグラフィ−の手法によりレジストパタ−ンを
所要の形状で形成したのち、このレジストをマスクとし
て、ウェットエッチングにより、ホール素子感磁部パタ
ーンを形成したのちレジストを除去した。次いで、全面
に絶縁層として厚さ0.3μmのSi34をプラズマC
VD法により基板加熱温度300℃で形成した。続い
て、電極金属とオーム性接触を形成する部分のSi34
をエッチングするために、表面に第2回目のレジストパ
タ−ンをフォトリソグラフィ−の手法により形成した。
このレジストをマスクとして、ウェットエッチングによ
り、Si34をエッチングした後、AuGe、Ni、A
uを各々0.25μm、0.05μm、0.35μmの
厚さで蒸着し、ついでリフトオフ法によりレジスト及び
レジスト上の金属を除去した。更に、オーミック性接触
を得るために、赤外線加熱炉N2ガス雰囲気中で400
℃5分間の合金化処理を行い1枚の基板上に約8500
個の図4aに示したような0.36mm角のホ−ル素子
パターンを作製した。
【0036】次に感光性ポリイミド樹脂を用いてホール
素子パターン上に図4bに示すような厚さ20μmより
なる凹部を形成した。更にこの基板を裏面より研磨する
ことで基板の厚みを120μmとした後、エポキシ樹脂
を用いて300μmのフェライトを基板の裏面に接着し
た。次に、厚さ200μmのMn−Znフェライトの板
を支持用物体としてのガラス板にワックスを用いて図6
aのように接着固定した上で、ダイシングソーを用いて
図6bのようにガラス板まで切り込むことで、フェライ
ト板の完全切断を行った。続いて、東芝ケミカル製接着
剤“ケミタイト”をガラス板に薄く塗布した上で、磁気
増幅チップの凸部を接着剤に押しつけることで、凸部接
着面のみに接着剤をつけた。次に、図6cのように基板
表面の凹部と磁気増幅チップの凸部がはめあうように位
置合わせをした上で接着した。更に、溶剤を用いてワッ
クスを溶かしてガラス板を取り外すことで、図6dのよ
うに個別の磁気増幅チップに分離した。
【0037】これをダイシングにより0.4mm角の個
別のホール素子ペレットに切断し、自動ダイボンダ−に
よりリ−ド上にこのチップをダイボンドし、次に、自動
ワイヤ−ボンダ−でリ−ドとホ−ル素子の電極部をAu
ワイヤ−で接続した。トランスファ−モ−ルダ−により
エポキシモ−ルドしたのち、このモ−ルドされた素子の
ダイバ−カット、リ−ドカットを行い、個々の樹脂モ−
ルドされた図1のようなホール素子感磁部の表面に磁気
増幅チップを精度良く安定して配置した小型のホール素
子を作製した。
【0038】こうして製作したホ−ル素子の代表的な特
性を表4に示した。磁気増幅構造を持たない素子に比べ
て、磁気増幅効果により約3倍の高感度化を実現した。
又、作製されたホール素子の感度ばらつきの量は、従来
の機械的方法で磁気増幅チップをのせたものに比べて小
さく、実施例1と同程度であった。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気増幅
チップ自己整合機能及び保持機能を付与したホール素子
及びその製造方法によれば、ホール素子感磁部上に形成
した凹部が磁気増幅チップの凸部と自動的にはまりあう
ことから、正確な位置合わせがなくとも高い精度で磁気
増幅チップを形成することが可能となることから、従来
不可能であった小型のホール素子においても、ホール素
子感磁部の表面に量産的に磁気増幅チップを配置するこ
とが実現できる。又、従来の素子組立上の機械的精度に
比べて飛躍的に磁気増幅チップの形成精度が向上するこ
とにより、高感度で、かつ、感度ばらつきの少ないホー
ル素子を提供することができる。
【0044】更に、ホール素子感磁部における凹部の持
つ磁気増幅チップの保持機能と電極表面の汚染防止機能
により信頼性の高いホール素子を実現することができ
る。すなわち、本発明のホール素子及びその製造方法
は、磁気増幅タイプのホール素子作製に関して、ホール
素子ペレットの小型化とともに、チップ形成精度の向上
による小さな感度ばらつきにより、大幅な歩留まりの向
上及びコストダウンを可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホール素子を示す構造図。 a:断面透視図。 b:平面透視図。
【図2】本発明の別のホール素子を示す構造図。 a:断面透視図。 b:平面透視図。
【図3】本発明のホール素子の特徴であるホール素子表
面に形成される凹部のいくつかの形成パターンを示す
例。 a:電極部を除いた他の部分を全て保護する例。 b:ワイヤボンディング方向に保護膜を形成しない例。 c:磁気増幅チップ接着部に隣接した部分のみに形成さ
れている例。
【図4】本発明のホール素子の製造方法を示す説明図。
【図5】本発明で用いる磁性材料よりなる板の磁気増幅
チップ形状への加工例。 a:両面より加工されている例。 b:片面のみ加工されている例。
【図6】本発明のホール素子の別の製造方法を示す説明
図。
【図7】ホール素子の磁気増幅構造を示す説明図。
【図8】ホール素子の磁気増幅構造を示す説明図。
【図9】ホール素子の磁気増幅構造を示す説明図。
【図10】小型ホール素子に磁気増幅チップをのせる製
造方法の例。
【符号の説明】
1…基板 2…ホ−ル素子感磁部 3…電極 4…半導体薄膜 5…磁性材料 6…凹部 7…レジスト 8…凹構造形成材料(感光性ポリイミド等) 9…支持用物体 10…Auワイヤ− 11…リ−ド線 12…接着剤 13…モ−ルド樹脂

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホール素子の形成された基板とそのホー
    ル素子の感磁部上に形成された凹部とその凹部に配置さ
    れた磁性材料よりなる磁気増幅チップを有することを特
    徴とするホール素子。
  2. 【請求項2】 ホール素子の形成された基板の表面に凹
    部を形成する工程と、磁性材料よりなる板を磁気増幅チ
    ップ形状に加工する工程と、前記凹部に磁気増幅チップ
    形状の凸部を接着する工程と、前記板を磁気増幅チップ
    に分離する工程よりなることを特徴とするホール素子の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 ホール素子の形成された基板の表面に凹
    部を形成する工程と、磁性材料を支持用物体に固定する
    工程と、前記磁性材料を磁気増幅チップに加工する工程
    と、前記凹部に磁気増幅チップを接着する工程と、前記
    磁気増幅チップを支持用物体より分離する工程よりなる
    ことを特徴とするホール素子の製造方法。
JP3232926A 1991-09-12 1991-09-12 ホール素子及びその製造方法 Pending JPH0575177A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011027581A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Hioki Ee Corp 電流センサの製造方法
CN110416403A (zh) * 2019-08-08 2019-11-05 南开大学 霍尔元件芯片及其制作方法

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