JPH0595139A - ホール素子及びその製造法 - Google Patents

ホール素子及びその製造法

Info

Publication number
JPH0595139A
JPH0595139A JP3253658A JP25365891A JPH0595139A JP H0595139 A JPH0595139 A JP H0595139A JP 3253658 A JP3253658 A JP 3253658A JP 25365891 A JP25365891 A JP 25365891A JP H0595139 A JPH0595139 A JP H0595139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hall element
magnetic
substrate
amplification chip
magnetic amplification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3253658A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ito
伊藤  隆
Fumiaki Ichimori
史明 市森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP3253658A priority Critical patent/JPH0595139A/ja
Publication of JPH0595139A publication Critical patent/JPH0595139A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、磁気増幅効果により高感度特性を
持ち、かつ、量産的に製造可能な小型のホール素子及び
その製造方法を提供することにある。 【構成】 本発明の磁気増幅チップ自己整合機能及び保
持機能を付与したホール素子は、表面に凹部の形成され
た基板と前記基板上に前記凹部に合わせてホール素子感
磁部が形成されたホール素子と前記ホール素子感磁部上
に凹部にあわせて配置された磁性材料よりなる磁気増幅
チップを有することを特徴とする。 【効果】 本発明によれば、正確な位置合わせがなくと
も高い精度で磁気増幅チップを形成することが可能とな
ることから、従来不可能であった小型のホール素子にお
いても、ホール素子感磁部の表面に量産的に磁気増幅チ
ップを配置することが実現できる。又、磁気増幅チップ
の形成精度が向上することにより、高感度で、かつ、感
度ばらつきの少ないホール素子を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性材料を用いて磁気
増幅を行うことで高感度化をはかった、高感度ホール素
子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホール素子の磁気増幅方法として
は図7のようにホール素子を形成する基板の裏面に強磁
性材料を接着する方法、図8のようにホール素子感磁部
の表面に強磁性材料よりなる磁気増幅チップを配置する
方法などが行われていた。又、より大きな磁気増幅効果
を得るために図9のように基板側に強磁性材料を配置す
る第1の方法とホール素子感磁部の表面に強磁性材料を
配置する第2の方法を組み合わせることも良く行われて
いた。しかし、第2の方法ではホール素子の大きさがコ
ストダウン等のために小さくなると、素子組立上の機械
的精度のため対応できず、特に、ホール素子ペレットサ
イズが0.50mm角以下の場合、図10に示すような
予め磁気増幅チップ形状に高精度の凸加工を施した磁性
材料板をホール素子の形成された基板にホール素子パタ
ーンに合わせて接着した後、個別の磁気増幅チップに分
離する方法以外、ホール素子の感磁部表面に量産的に磁
気増幅チップを配置することは不可能であった。
【0003】さらに、この場合においても磁気増幅チッ
プの接着面積が非常に小さいことから、ホール素子形成
ウェハーのダイシング工程や組立工程での磁気増幅チッ
プの欠落等の可能性があり、磁気増幅チップの接着強度
の点で問題を持っていた。又、接着時に正確な位置合わ
せを要求されること、接着時に接着剤がホール素子の電
極を汚染しやすい等の製造プロセス上の問題も残ってい
た。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以
上説明した問題点を解消し、磁気増幅効果により高感度
特性(磁気増幅チップ自己整合機能及び保持機能)を持
つ量産的に製造可能な小型のホール素子及びその製造方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、小型のホール
素子感磁部上に、従来は組立上に必要な精度が得られず
不可能であった磁気増幅チップをウェハー全面に同時に
精度良く形成することを可能にしたものである。本発明
の磁気増幅チップ自己整合機能及び保持機能を付与した
ホール素子は、表面に凹部の形成された基板と前記基板
上に前記凹部にあわせてホール素子感磁部が形成された
ホール素子と前記ホール素子感磁部上に凹部にあわせて
配置された磁性材料よりなる磁気増幅チップを有するこ
とを特徴とする。
【0006】本発明の磁気増幅チップ自己整合機能及び
保持機能を付与したホール素子を図1に示す。本発明の
ホール素子において用いられる凹部の形は、磁気増幅チ
ップがはまるように磁気増幅チップの接着面と同じであ
ることが好ましく、凹部の大きさも接着面と同じ程度で
あることが好ましい。基板表面に形成されるホール素子
は磁気増幅チップが感磁部直上に形成される必要から基
板表面の凹部の中心とホール素子感磁部の中心が一致す
るように形成される。
【0007】本発明のホール素子において用いられる凹
部の深さは、磁気増幅チップを安定して保持できるため
に磁気増幅チップ接着面の接着剤がホール素子パターン
接着部以外に薄く広がらないような深さであれば良い
が、通常の場合2μm程度は必要であり、5μm以上で
あることは好ましく、接着時に要求される正確な位置合
わせを可能とする自己整合機能を付与するという観点か
らは10μm以上であることは特に好ましいものであ
る。
【0008】本発明のホール素子において予め基板表面
に形成される凹部は、セラミック、フェライト等の焼結
で成形される基板の場合、予め基板成形時に形成されて
も良いが、機械加工等を用いて形成しても良く、又、エ
ッチングが可能な半導体材料等を基板として用いる場
合、フォトリソグラフィー・エッチング技術を用いて形
成することは特に好ましいものである。
【0009】本発明のホール素子において、基板上の凹
部にあわせてホール素子感磁部が形成されたホール素子
の感磁部材料は、凹部の形成された基板上にInAs、
InSb、GaAs等を蒸着、スパッタ、MBE等の方
法を用いて形成しても良いが、GaAs、Si、InP
等の半導体材料を基板として用いる場合、イオン打ち込
み法等を用いて基板表面自体を用いて形成しても良い。
【0010】本発明のホール素子において用いられる電
極の構成は、ワイヤボンディング等の通常の量産技術に
耐え得るものであれば何でも良く、電極の形成パターン
は図3aのように形成されていても、図3bのように感
磁部材料自体の段差被覆性が悪い場合は凹部に形成され
る感磁部と周囲に形成される電極の導通をはかるため
に、電極の一部が凹部内に延びているように形成されて
いても良い。
【0011】本発明のホール素子において磁気増幅チッ
プに用いられる磁性材料は、残留磁化の小さい、透磁率
の高い材料であれば何でも良いが、フェライト、パーマ
ロイ、センダスト等は好ましく用いられる。本発明のホ
ール素子において磁気増幅チップの凹部への接着に用い
られる接着剤は、高温まで耐えられるものであれば何で
も良く、エポキシ樹脂、イミド系樹脂、ポリイミド樹
脂、シリコン樹脂等は好ましく用いられるが、その中で
も信頼性上ポリイミド樹脂、シリコン樹脂等は特に好ま
しいものである。
【0012】本発明のホール素子においては高感度化を
はかるために図2のようにホール素子の形成された基板
の裏面に第2の磁性材料を配置することも好ましく行わ
れるが、第2の磁性材料についても、磁気増幅チップに
用いられるものと同じフェライト、パーマロイ、センダ
スト等が好ましく用いられる。又、本発明のホール素子
においては、ワイヤボンディング後にホール素子上面に
シリコン樹脂等のポッティングを行い、ホール素子パタ
ーン、磁気増幅チップ、ボンディングワイヤを被うこと
で信頼性の向上をはかることも好ましいことである。
【0013】次に本発明の製造方法について説明する。
本発明のホール素子の第1の製造方法は、ホール素子を
形成する基板表面に凹部を形成する工程と、前記基板上
に前記凹部にあわせてホール素子感磁部が形成されたホ
ール素子を形成する工程と、磁性材料よりなる板を磁気
増幅チップ形状に加工する工程と、前記ホール素子感磁
部上に凹部にあわせて磁気増幅チップ形状の凸部を接着
する工程と、前記板を磁気増幅チップに分離する工程よ
りなることを特徴とする。
【0014】本発明でいう磁気増幅チップ形状とは、図
5に示すような磁性材料よりなる板をエッチングあるい
はダイシングソー等を用いた機械加工、レーザー加工等
により磁気増幅チップとなる部分(凸部)以外が薄くな
るようにしたものをいう。本発明の製造方法における磁
性材料よりなる板の磁気増幅チップ形状への加工は図5
bのように片面のみ行われていても、図5aのように両
面より行われていても良い。
【0015】本発明の製造方法において行われるホール
素子の形成される基板の表面に予め凹部を形成する工程
は、セラミック、フェライト等の焼結で成形される基板
の場合、予め基板成形時に形成されても良いが、機械加
工等を用いて形成しても良く、又、エッチングが可能な
半導体材料等を基板として用いる場合、フォトリソグラ
フィー・エッチング技術を用いて形成しても良い。
【0016】本発明の製造方法において行われる基板上
の凹部にあわせてホール素子感磁部が形成されたホール
素子を形成する工程は、基板上に感磁部材料を形成する
工程と、電極を形成する工程及びホール素子パターンを
形成する工程よりなる。基板上に感磁部材料を形成する
工程は、凹部の形成された基板上にInAs、InS
b、GaAs等を蒸着、スパッタ、MBE等の方法を用
いて形成しても良いが、GaAs、Si、InP等の半
導体材料を基板として用いる場合、イオン打ち込み法等
を用いて基板表面自体を用いて形成しても良い。
【0017】又、電極を形成する工程は、通常の半導体
プロセスで用いられるものであれば何でも良いが、感磁
部材料自体の段差被覆性が悪い場合は凹部に形成される
感磁部と周囲に形成される電極の導通をはかるために、
電極の一部が凹部内に延びて形成されることも行われ
る。又、ホール素子パターンを形成する工程は通常の半
導体プロセスで用いられるフォトリソグラフィー・エッ
チング技術を用いた方法でよく、ホール素子パターン表
面に保護膜としてSiN、SiO2、PSG、Al23
を形成することも好ましく行われる。
【0018】本発明の製造方法において行われる凹部に
磁気増幅チップ形状の凸部を接着する工程は、予め凹部
に適量の接着剤を滴下しておいてもよいが、図4dのよ
うにガラス板等に薄く塗布した接着剤に磁気増幅チップ
形状の凸部を押しつけることで、凸部接着面のみに接着
剤をつけることは特に好ましい方法として用いられる。
【0019】本発明の製造方法において行われる基板に
接着した磁気増幅チップ形状の板を磁気増幅チップに分
離する工程はエッチングあるいはダイシングソー等を用
いた機械加工等により行われるが、エッチングにより行
われる場合、磁気増幅チップ上面に予め保護のためにフ
ォトレジスト、エポキシ樹脂、イミド系樹脂、ポリイミ
ド樹脂、シリコン樹脂等を形成しておくことも好ましく
行われる。エッチングの方法はウェットエッチング、ド
ライエッチングのいずれでも良いが、ウェットエッチン
グは簡便なことから好ましく、特にスプレーエッチング
は好ましく用いられる。
【0020】以下、本発明の製造方法の一例について詳
細に説明する。図4aに示すようにホール素子を形成す
る基板1の表面に予めウェットエッチングにより凹部を
形成した上で、図4bに示すように前記基板上に前記凹
部6にあわせてホール素子感磁部が形成されたホール素
子を形成する。続いて、図4cに示すようにフォトリソ
グラフィー・エッチング技術を用いて両面より磁気増幅
チップ形状に加工したパーマロイ板を図4dのようにガ
ラス板に薄く塗布した接着剤に磁気増幅チップ形状の凸
部を押しつけることで、凸部接着面のみに接着剤をつけ
る。次に図4eのように基板表面の凹部と磁気増幅チッ
プ形状の凸部がはめあうように位置合わせをした上で接
着する。続いて図4fのように、ガラス板に薄く塗布し
たフォトレジストに磁気増幅チップ形状の凸部を押しつ
けることで、凸部上面のみにフォトレジストを形成した
上で、図4gのようにエッチングにより個別の磁気増幅
チップに分離する。これをダイシングにより個別のホー
ル素子ペレットに切断し、ダイボンド、ワイヤボンド、
モールドをすることで図1のごとくホール素子感磁部の
表面に磁気増幅チップを精度良く安定して配置した小型
のホール素子を作製する。
【0021】次に本発明の別の製造方法について説明す
る。本発明の第2の製造方法は、ホール素子を形成する
基板表面に凹部を形成する工程と、前記基板上に前記凹
部にあわせてホール素子感磁部が形成されたホール素子
を形成する工程と、磁性材料よりなる板を支持用物体に
固定する工程と、前記板を磁気増幅チップに加工する工
程と、前記ホール素子感磁部上に凹部にあわせて磁気増
幅チップを接着する工程と、前記磁気増幅チップを支持
用物体より離す工程よりなることを特徴とする。
【0022】即ち、図4cに示すようなフォトリソグラ
フィー・エッチング技術を用いて両面より磁気増幅チッ
プ形状に加工したパーマロイ板のかわりに、図6aに示
すように磁性材料よりなる板を支持用物体に固定した上
で、図6bに示すように前記板を個別の磁気増幅チップ
に分離することで、ホール素子の形成された基板の表面
の凹部に対応して、精度良く整然と並んだ磁気増幅チッ
プを形成したものを用いる。これを図6cに示すように
基板表面の凹部と磁気増幅チップの凸部がはめあうよう
に位置合わせをした上で接着する。次に磁気増幅チップ
を支持用物体より離すことで、図6dに示すようなホー
ル素子感磁部上に整然と並んだ磁気増幅チップを形成す
る。これをダイシングにより個別のホール素子ペレット
に切断し、ダイボンド、ワイヤボンド、モールドをする
ことで図1のような小型のホール素子を作製する。
【0023】本発明においてはホール素子の形成された
基板の表面の凹部により自己整合機能を持っていること
から、個別の磁気増幅チップをチップトレーのような支
持用物体に整然と並べたものを用いてホール素子感磁部
上の凹部に磁気増幅チップをのせても良い。又、本発明
の製造方法においては、ホール素子の形成された基板の
裏面に第2の磁性材料として磁性材料よりなる板を接着
することも好ましく行われる。
【0024】
【作用】本発明の磁気増幅チップ自己整合機能及び保持
機能を付与したホール素子及びその製造方法によれば、
従来不可能であった小型のホール素子においても、ホー
ル素子感磁部の表面に量産的に磁気増幅チップを配置す
ることが可能となり、又、従来の素子組立上の機械的精
度に比べて、磁気増幅チップの形成精度が飛躍的に向上
することから、高感度で、かつ、感度ばらつきの少ない
ホール素子を提供することができる。更に、ホール素子
感磁部における凹構造により磁気増幅チップの保持機能
と電極表面の汚染防止機能により信頼性の高いホール素
子を実現することができる。
【0025】
【実施例】
【0026】
【実施例1】半絶縁性で厚さ300μm、片面を鏡面研
磨した直径2インチのGaAs基板の表面全面にフォト
リソグラフィー及び燐酸系の等方性エッチング液を用い
たエッチング技術を用いて、深さ5μmの凹部を形成し
た上で、この基板を12枚セットしたホルダ−を基板導
入室より準備室を通して大型の分子線エピタキシ−装置
の超高真空である成長室へセットした。この基板ホルダ
−を水平回転させるとともにGaAs基板を基板加熱ヒ
−タ−により輻射加熱し、基板の鏡面側に対向して装着
されているIn、Asの蒸発源より、In、Asを60
分間蒸発させ、厚さ1.0μmのInAs鏡面単結晶薄
膜をGaAsの基板の鏡面側に成長させた。次に、この
GaAs基板上に成長したInAs薄膜の表面にフォト
リソグラフィ−の手法によりレジストパタ−ンを所要の
形状で形成したのち、電極となる厚さ6000ÅのAu
層を形成し、しかるのちレジストを除去した。次いで、
表面に第2回目のレジストパタ−ンをフォトリソグラフ
ィ−の手法により形成した。このレジストをマスクとし
て、ウェットエッチングにより、InAs薄膜をエッチ
ングした。さらに、全面に絶縁層として厚さ0.3μm
Si34をプラズマCVD法により基板加熱温度300
℃で形成した。前述のフォトリソグラフィ−法によりレ
ジストパタ−ンを形成し、電極部上のSi34を反応性
イオンエッチングにより除去した。これらの工程によ
り、1枚の基板上に約8,500個のホール素子感磁部
上に凹構造の形成された0.36mm角のホ−ル素子パ
ターンを作製した。
【0027】次に、図4cのような予め厚さ150μm
のパーマロイ板をフォトリソグラフィー・エッチング技
術を用いて両面より各々65μmまでエッチングした磁
気増幅チップ形状にしたものを、図4dのように東芝ケ
ミカル製接着剤“ケミタイト”をガラス板に薄く塗布し
た上で、磁気増幅チップ形状の凸部を接着剤に押しつけ
ることで、凸部接着面のみに接着剤をつけた。続いて、
図4eのように基板表面の凹部と磁気増幅チップ形状の
凸部がはめあうように位置合わせをした上で接着した。
更に、図4fのように、ガラス板に薄く塗布したフォト
レジストに磁気増幅チップ形状の凸部を押しつけること
で、凸部上面のみにフォトレジストを形成した上で、硫
酸−過酸化水素水系のエッチング液を用いてスプレーエ
ッチングをすることで、図4gのように個別の磁気増幅
チップに分離した。
【0028】これをダイシングにより0.4mm角の個
別のホール素子ペレットに切断し、自動ダイボンダ−に
よりリ−ド上にこのチップをダイボンドし、次に、自動
ワイヤ−ボンダ−でリ−ドとホ−ル素子の電極部をAu
ワイヤ−で接続した。トランスファ−モ−ルダ−により
エポキシモ−ルドしたのち、このモ−ルドされた素子の
タイバ−カット、リ−ドカットを行い、個々の樹脂モ−
ルドされた図1のようなホール素子感磁部の表面に磁気
増幅チップを精度良く安定して配置した小型のホール素
子を作製した。
【0029】こうして製作したホ−ル素子の代表的な特
性を表1に示した。磁気増幅構造を持たない素子に比べ
て、磁気増幅効果により約1.5倍の高感度化を実現し
た。又、表2に本発明のホール素子の感度ばらつきの量
を比較のため、従来の機械的方法で磁気増幅チップをの
せた0.8mm角の大きなホール素子の感度ばらつきの
量と比較した。
【0030】但し、感度ばらつきはそれぞれ100素子
における±3σ/平均値×100%本発明のホール素子
は、磁気増幅チップの高さ、のせる位置等が従来の機械
的精度で決まる素子に比べて厳密に精度良く決まること
から、従来磁気増幅チップをのせることが難しかった
0.4mm角という小型のホール素子でありながら、得
られた素子の感度ばらつきは従来法の1/2以下となっ
ている。
【0031】
【実施例2】半絶縁性で厚さ300μm、片面を鏡面研
磨した直径2インチのGaAs基板の表面全面にフォト
リソグラフィー及び燐酸系の等方性エッチング液を用い
たエッチング技術を用いて、深さ3.5μmの凹部を形
成した上で、この基板を12枚セットしたホルダ−を基
板導入室より準備室を通して大型の分子線エピタキシ−
装置の超高真空である成長室へセットした。この基板ホ
ルダ−を水平回転させるとともにGaAs基板を基板加
熱ヒ−タ−により輻射加熱し、基板の鏡面側に対向して
装着されているIn、Asの蒸発源より、In、Asを
60分間蒸発させ、厚さ1.0μmのInAs鏡面単結
晶薄膜をGaAsの基板の鏡面側に成長させた。次に、
このGaAs基板上に成長したInAs薄膜の表面にフ
ォトリソグラフィ−の手法によりレジストパタ−ンを所
要の形状で形成したのち、電極となる厚さ6000Åの
Au層を形成し、しかるのちレジストを除去した。次い
で、表面に第2回目のレジストパタ−ンをフォトリソグ
ラフィ−の手法により形成した。このレジストをマスク
として、ウェットエッチングにより、InAs薄膜をエ
ッチングした.さらに、全面に絶縁層として厚さ0.3
μmSi34をプラズマCVD法により基板加熱温度3
00℃で形成した。前述のフォトリソグラフィ−法によ
りレジストパタ−ンを形成し、電極部上のSi34を反
応性イオンエッチングにより除去した。これらの工程に
より、1枚の基板上に約8,500個のホール素子感磁
部上に凹構造の形成された0.36mm角のホ−ル素子
パターンを作製した。
【0032】次にこの基板を裏面より研磨することで基
板の厚みを120μmとした後、エポキシ樹脂を用いて
300μmのフェライトを基板の裏面に接着した。次
に、図4cのような予め厚さ150μmのパーマロイ板
をフォトリソグラフィー・エッチング技術を用いて両面
より各々65μmまでエッチングした磁気増幅チップ形
状にしたものを、図4dのようにガラス板に薄く塗布し
たポリイミド樹脂に磁気増幅チップ形状の凸部を押しつ
けることで、凸部接着面のみに接着剤をつけた。続い
て、図4eのように基板表面の凹部と磁気増幅チップ形
状の凸部がはめあうように位置合わせをした上で接着し
た。更に、図4fのように、ガラス板に薄く塗布したフ
ォトレジストに磁気増幅チップ形状の凸部を押しつける
ことで、凸部上面のみにフォトレジストを形成した上
で、硫酸−過酸化水素水系のエッチング液を用いてスプ
レーエッチングをすることで、図4gのように個別の磁
気増幅チップに分離した。これをダイシングにより0.
4mm角の個別のホール素子ペレットに切断し、自動ダ
イボンダ−によりリ−ド上にこのチップをダイボンド
し、次に、自動ワイヤ−ボンダ−でリ−ドとホ−ル素子
の電極部をAuワイヤ−で接続した。トランスファ−モ
−ルダ−によりエポキシモ−ルドしたのち、このモ−ル
ドされた素子のタイバ−カット、リ−ドカットを行い、
個々の樹脂モ−ルドされた図1のようなホール素子感磁
部の表面に磁気増幅チップを精度良く安定して配置した
小型のホール素子を作製した。
【0033】こうして製作したホ−ル素子の代表的な特
性を表3に示した。磁気増幅構造を持たない素子に比べ
て、磁気増幅効果により約3倍の高感度化を実現した。
又、作製されたホール素子の感度ばらつきの量は、従来
の機械的方法で磁気増幅チップをのせたものに比べて小
さく、試作例1と同程度であった。
【0034】
【実施例3】半絶縁性で厚さ300μm、片面を鏡面研
磨した直径2インチのGaAs基板の表面全面にフォト
リソグラフィー及び燐酸系の等方性エッチング液を用い
たエッチング技術を用いて、深さ3.0μmの凹部を形
成した上で、イオン注入装置を用いて、シリコンイオン
(Si+)を加速エネルギー300KeV、ドーズ量
2.3×1012/cm2で注入した。そして、アルシン
(AsH3)雰囲気中850℃の温度で10秒間のラピ
ッドアニール処理を行い、GaAs基板の表面にn型の
導電層を形成した。次に、このGaAs基板の表面にフ
ォトリソグラフィ−の手法によりレジストパタ−ンを所
要の形状で形成したのち、このレジストをマスクとし
て、ウェットエッチングにより、ホール素子感磁部パタ
ーンを形成したのちレジストを除去した。次いで、全面
に絶縁層として厚さ0.3μmのSi34をプラズマC
VD法により基板加熱温度300℃で形成した。続い
て、電極金属とオーム性接触を形成する部分のSi34
をエッチングするために、表面に第2回目のレジストパ
タ−ンをフォトリソグラフィ−の手法により形成した。
このレジストをマスクとして、ウェットエッチングによ
り、Si34をエッチングした後、AuGe、Ni、A
uを各々0.25μm、0.05μm、0.35μmの
厚さで蒸着し、ついでリフトオフ法によりレジスト及び
レジスト上の金属を除去した。更に、オーミック性接触
を得るために、赤外線加熱炉N2ガス雰囲気中で400
℃5分間の合金化処理を行い1枚の基板上に約8,50
0個の図4aに示したような0.36mm角のホ−ル素
子パターンを作製した。
【0035】更にこの基板を裏面より研磨することで基
板の厚みを120μmとした後、エポキシ樹脂を用いて
300μmのフェライトを基板の裏面に接着した。次
に、厚さ200μmのMn−Znフェライトの板を支持
用物体としてのガラス板にワックスを用いて図6aのよ
うに接着固定した上で、ダイシングソーを用いて図6b
のようにガラス板まで切り込むことで、フェライト板の
完全切断を行った。続いて、東芝ケミカル製接着剤“ケ
ミタイト”をガラス板に薄く塗布した上で、磁気増幅チ
ップの凸部を接着剤に押しつけることで、凸部接着面の
みに接着剤をつけた。次に、図6cのように基板表面の
凹部と磁気増幅チップの凸部がはめあうように位置合わ
せをした上で接着した。更に、溶剤を用いてワックスを
溶かしてガラス板を取り外すことで、図6dのように個
別の磁気増幅チップに分離した。
【0036】これをダイシングにより0.4mm角の個
別のホール素子ペレットに切断し、自動ダイボンダ−に
よりリ−ド上にこのチップをダイボンドし、次に、自動
ワイヤ−ボンダ−でリ−ドとホ−ル素子の電極部をAu
ワイヤ−で接続した。トランスファ−モ−ルダ−により
エポキシモ−ルドしたのち、このモ−ルドされた素子の
タイバ−カット、リ−ドカットを行い、個々の樹脂モ−
ルドされた図1のようなホール素子感磁部の表面に磁気
増幅チップを精度良く安定して配置した小型のホール素
子を作製した。
【0037】こうして製作したホ−ル素子の代表的な特
性を表4に示した。磁気増幅構造を持たない素子に比べ
て、磁気増幅効果により約3倍の高感度化を実現した。
又、作製されたホール素子の感度ばらつきの量は、従来
の機械的方法で磁気増幅チップをのせたものに比べて小
さく、実施例1と同程度であった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のホール素
子及びその製造方法によれば、ホール素子の形成された
基板に形成した凹構造の凹部が磁気増幅チップの凸部と
自動的にはまりあうことから、正確な位置合わせがなく
とも高い精度で磁気増幅チップを形成することが可能と
なることから、従来不可能であった小型のホール素子に
おいても、ホール素子感磁部の表面に量産的に磁気増幅
チップを配置することが実現できる。又、従来の素子組
立上の機械的精度に比べて飛躍的に磁気増幅チップの形
成精度が向上することにより、高感度で、かつ、感度ば
らつきの少ないホール素子を提供することができる。
【0043】更に、ホール素子感磁部における凹構造の
持つ磁気増幅チップの保持機能と電極表面の汚染防止機
能により信頼性の高いホール素子を実現することができ
る。すなわち、本発明のホール素子及びその製造方法
は、磁気増幅タイプのホール素子作製に関して、ホール
素子ペレットの小型化とともに、チップ形成精度の向上
による小さな感度ばらつきにより、大幅な歩留まりの向
上及びコストダウンを可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホール素子を示す構造図。
【図2】本発明の別のホール素子を示す構造図。
【図3】本発明のホール素子において用いられる電極の
形成パターンを示す例。 a:電極が凹部以外の段差部のみに形成されている例。 b:電極の一部が凹部内に延びて形成されている例。
【図4】本発明のホール素子の製造方法を示す説明図。
【図5】本発明で用いる磁性材料よりなる板の磁気増幅
チップ形状への加工例。 a:両面より加工されている例。 b:片面のみ加工されている例。
【図6】本発明のホール素子の別の製造方法を示す説明
図。
【図7】ホール素子の磁気増幅構造を示す説明図。
【図8】ホール素子の磁気増幅構造を示す説明図。
【図9】ホール素子の磁気増幅構造を示す説明図。
【図10】小型ホール素子に磁気増幅チップをのせる製
造方法の例。
【符号の説明】
1…基板 2…ホ−ル素子感磁部 3…電極 4…半導体薄膜 5…磁性材料 6…凹部 7…フォトレジスト 8…支持用物体 9…Auワイヤ− 10…リ−ド線 11…接着剤 12…モ−ルド樹脂

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹部の形成された基板と前記基板
    上に前記凹部にあわせてホール素子感磁部が形成された
    ホール素子と前記ホール素子感磁部上に凹部にあわせて
    配置された磁性材料よりなる磁気増幅チップを有するこ
    とを特徴とするホール素子。
  2. 【請求項2】 ホール素子を形成する基板表面に凹部を
    形成する工程と、前記基板上に前記凹部にあわせてホー
    ル素子感磁部が形成されたホール素子を形成する工程
    と、磁性材料よりなる板を磁気増幅チップ形状に加工す
    る工程と、前記ホール素子感磁部上に凹部にあわせて磁
    気増幅チップ形状の凸部を接着する工程と、前記板を磁
    気増幅チップに分離する工程よりなることを特徴とする
    ホール素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 ホール素子を形成する基板表面に凹部を
    形成する工程と、前記基板上に前記凹部にあわせてホー
    ル素子感磁部が形成されたホール素子を形成する工程
    と、磁性材料を支持用物体に固定する工程と、前記磁性
    材料を磁気増幅チップに加工する工程と、前記ホール素
    子感磁部上に凹部にあわせて磁気増幅チップを接着する
    工程と、前記磁気増幅チップを支持用物体より離す工程
    よりなることを特徴とするホール素子の製造方法。
JP3253658A 1991-10-01 1991-10-01 ホール素子及びその製造法 Pending JPH0595139A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3253658A JPH0595139A (ja) 1991-10-01 1991-10-01 ホール素子及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3253658A JPH0595139A (ja) 1991-10-01 1991-10-01 ホール素子及びその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0595139A true JPH0595139A (ja) 1993-04-16

Family

ID=17254386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3253658A Pending JPH0595139A (ja) 1991-10-01 1991-10-01 ホール素子及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0595139A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07162058A (ja) * 1993-12-01 1995-06-23 Showa Denko Kk ヘテロ接合ホール素子
JPH07221362A (ja) * 1994-01-28 1995-08-18 Matsushita Electron Corp 磁気センサー装置、その製造方法およびそれに用いる磁性体の製造方法
JP2001102655A (ja) * 1999-09-28 2001-04-13 Asahi Kasei Electronics Co Ltd ホール素子およびその製造方法
JP2018017527A (ja) * 2016-07-25 2018-02-01 旭化成エレクトロニクス株式会社 半導体装置、磁気検出装置、半導体装置の製造方法および電子コンパス
JP2018037688A (ja) * 2017-11-28 2018-03-08 ローム株式会社 ホール素子

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07162058A (ja) * 1993-12-01 1995-06-23 Showa Denko Kk ヘテロ接合ホール素子
JPH07221362A (ja) * 1994-01-28 1995-08-18 Matsushita Electron Corp 磁気センサー装置、その製造方法およびそれに用いる磁性体の製造方法
JP2001102655A (ja) * 1999-09-28 2001-04-13 Asahi Kasei Electronics Co Ltd ホール素子およびその製造方法
JP2018017527A (ja) * 2016-07-25 2018-02-01 旭化成エレクトロニクス株式会社 半導体装置、磁気検出装置、半導体装置の製造方法および電子コンパス
JP2018037688A (ja) * 2017-11-28 2018-03-08 ローム株式会社 ホール素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4685356B2 (ja) 磁電変換素子及びその製造方法
JP2002107382A (ja) 半導体装置およびその製造方法、並びに電流センサ
US4883773A (en) Method of producing magnetosensitive semiconductor devices
JPH0595139A (ja) ホール素子及びその製造法
US11855035B2 (en) Stack of electrical components and method of producing the same
JP3086476B2 (ja) 高感度ホール素子
JPH0575177A (ja) ホール素子及びその製造方法
JP4480318B2 (ja) 複合半導体素子及びその製造方法
JP3464369B2 (ja) 薄型高感度ホール素子の製造方法
JP3197297B2 (ja) 高感度ホール素子の製造方法
JP3803214B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2849100B2 (ja) 磁電変換素子およびその製造方法
JP3069143B2 (ja) 高感度ホール素子の製造方法
JPH09260581A (ja) 複合半導体装置の製造方法
JP2732609B2 (ja) 磁電変換素子
JPH08274385A (ja) 磁電変換素子
JPH04217375A (ja) 半導体装置とその作製方法
JP2713744B2 (ja) 磁電変換素子
JPH0291590A (ja) 磁電変換素子用リード
JP3223686B2 (ja) 磁気センサー装置
JPS62131589A (ja) 強磁性体磁気抵抗素子の製造法
JPH09331088A (ja) ホール素子
JPS5917860B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2752638B2 (ja) 磁電変換素子
JPS61256777A (ja) 磁電変換素子およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010612