JP2018037688A - ホール素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気記録媒体の磁区動作検出可能なホール素子、磁気記録媒体とホール素子が一体化された磁気センサを提供する。【解決手段】磁気記録媒体10上に配置され、クロスバー形状を有する電極層14と、電極層14のクロスバー部に接続されたパッド電極P1〜P4とを備えるホール素子1、およびこのホール素子を備える磁気センサ。【選択図】図1

Description

本発明は、ホール素子、磁気センサ、および磁気記録装置に関し、特に、磁気記録媒体の磁区動作検出可能なホール素子、磁気センサ、および磁気記録装置に関する。
従来の磁気記録装置では、例えばハードディスクや磁気テープを例にすると、磁気記録媒体自体を動作させ、固定された検出素子により磁気情報を検出している。当該検出方式の問題点として、例えば、動作部を有するために耐衝撃性が低く、読取エラーや磁気情報の破損が発生しやすいといった点が挙げられる。
一方で、固定された磁気記録媒体中の磁区を物理的に動作させ、固定された検出素子により磁気情報を検出する磁気記録装置としては、磁気バブルメモリが挙げられる(例えば、非特許文献1参照。)。当該デバイスにおいては物理的な可動部が存在しないために、上記のような低耐衝撃性の問題は発生しない。しかしながら、1980年代当時の技術では、リソグラフィーの解像度及び磁区の大きさがμmオーダーと大きかったため、微小検出素子を磁性体に接して作製する、という試みはなされていない。微小磁区動作型磁気記録装置の磁気情報の検出を考えた場合、微小検出素子を磁気記録媒体に接近させる必要がある。
微小磁区の検出が可能となる従来技術としては、Biをホール素子材料として用いた走査型プローブ顕微鏡がすでに報告されている。それによると、半絶縁性GaAs基板上にBiを蒸着した後、収束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)ミリングにより50nm×50nmのホール素子を作製している。しかしながら、磁性体上に接してホール素子を作製する場合、FIBミリングは加工速度の制御が困難であり、意図しない下地層へのダメージを回避し難く、磁気記録媒体と検出素子の一体化には適さない。Biをホール素子材料として用いた例としては、フレキシブル基板上に配置されたBiを用いたホール素子についても開示されている(例えば、特許文献1および非特許文献2参照。)。
特開2004−165362号公報
A. H. Bobeck, "Properties and Device Applications of Magnetic Domains in Orthoferrites", Bell System Tech. J. 46, 1901 (1967). Adarsh SANDHU, Kouichi KUROSAWA, Munir DEDE, and Ahmet ORAL, "50nm Hall Sensors for Room Temperature Scanning Hall Probe Microscopy", Japanese Jounal of Applied Physics 43, 777(2004), Feb. 10, 2004
高記録密度化のためには、磁区の微小化が必須であるが、磁区から放出される磁場は、磁区幅の減少、磁性体からの距離の増加に従って減少する。よって、微小磁区動作を検出するためには、微小検出素子を磁性体に近づける必要がある。
磁区検出法としては、ハードディスク装置の磁気情報検出素子として用いられている磁気ヘッドの他、ホール素子、超伝導量子干渉計、磁気力、磁気抵抗プローブなどを用いた走査型プローブ顕微鏡が知られている。しかしながら、これらの検出素子を磁性体へ外部から近づけた場合(接触させた場合においても同様に)、検出素子と磁性体間に物理的な距離が発生する。外部に検出素子配置する手法は耐衝撃性の観点からも好ましくない。
デバイス化という観点からは、磁気記録媒体と検出素子が一体化された構造が望ましい。
例えば、上記の検出方法の内、ホール素子に注目すると、半導体はホール係数は大きいが、その特性は半導体層の結晶性に大きく依存するために、磁性体上への直接製膜は困難である。また、半導体はキャリア濃度が低いために、微小化した際に表面空乏化による特性劣化が発生する。一方で、金属であれば磁性体上への直接製膜は可能となるが、金属はホール係数が小さい。
本発明の目的は、磁気記録媒体の磁区動作検出可能なホール素子、磁気センサ、および磁気記録装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、磁気記録媒体上に配置され、クロスバー形状を有する電極層と、前記電極層の前記クロスバー部に接続されたパッド電極とを備えるホール素子が提供される。
本発明の他の態様によれば、磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体上に配置され、クロスバー形状を有する電極層と、前記電極層の前記クロスバー部に接続されたパッド電極とを有するホール素子とを備える磁気センサが提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の磁気センサを備える磁気記録装置が提供される。
本発明によれば、磁気記録媒体の磁区動作検出可能なホール素子、磁気センサおよびその製造方法、および磁気記録装置を提供することができる。
実施の形態に係るホール素子の模式的平面パターン構成図。 実施の形態に係るホール素子の模式的鳥瞰構成図。 実施の形態に係るホール素子の1つの素子部分の表面光学顕微鏡写真。 実施の形態に係るホール素子であって、図3のI−I線に沿う模式的断面構造図。 実施の形態に係るホール素子のホールクロスバー中央部分の表面走査型電子顕微鏡SEM写真とホールクロスバー中央部分の説明図。 実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、印加磁場Bにより駆動されるホールプローブ動作の説明図であって、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図。 実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、(a)ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例、(b)ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例。 実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、ホール係数RH(cm3/C)および直列抵抗RS(kΩ)の温度特性例。 実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、積感度KH(V/A・T)と直列抵抗RS(kΩ)の関係を示す特性例。 実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、(a)、磁気記録媒体の各部の寸法例(ドメイン幅d、磁気記録媒体厚さt)、(b)ドメイン幅dをパラメータとする磁気記録媒体から放出される垂直方向の磁場BZ(mT)と高さZとの関係を示す特性例。 実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、磁気記録媒体厚さtをパラメータとする磁気記録媒体から放出される垂直方向の磁場BZ(mT)と高さZとの関係を示す特性例。 実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、磁気記録媒体厚さtおよびドメイン幅dをパラメータとする垂直方向の磁場BZ(mT)、出力ホール電圧VH(μV)、信号対雑音比S/Nと高さZとの関係を示す特性例。 実施の形態に係るホール素子を適用し、磁区動作のホールプローブとイメージングの同時計測が可能な電磁石と磁気光学顕微鏡を組み合わせた測定系の模式的構成図。 (a)比較例に係る半導体ホール素子の模式的断面構造図、(a)実施の形態に係るホール素子の模式的断面構造図。 実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサの製造方法の説明図であって、(a)磁気記録媒体上にアラインメント電極層を形成後、絶縁層を形成する工程を示す模式的断面構造図、(b)絶縁層上にBi(ビスマス)電極層をパターン形成する工程を示す模式的断面構造図、(c)Bi(ビスマス)電極層に接してパッド電極をパターン形成した後、全面にパッシベーション膜を形成する工程を示す模式的断面構造図、(d)パッド電極に対するコンタクトホールを形成する工程を示す模式的断面構造図。 (a)磁気記録媒体上にポジ型レジスト層を形成後、ポジ型レジスト層上にBi(ビスマス)電極層を形成した比較例に係る模式的断面構造図、(b)図16(a)の構造において、リフトオフ工程を実施した後の比較例に係る模式的断面構造図。 図16(b)の工程後の表面光学顕微鏡写真例。 図16(b)の工程後のホール素子部分の表面光学顕微鏡写真例。 (a)磁気記録媒体上にポジ型レジスト層を100nm形成後、ポジ型レジスト層上にBi(ビスマス)電極層を30nm形成した比較例に係る模式的断面構造図、(b)図19(a)の構造において、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造図、(c)図19(b)の表面光学顕微鏡写真例。 (a)磁気記録媒体上にポジ型レジスト層を100nm形成後、ポジ型レジスト層上にBi(30nm)/Ti(1nm)電極層を形成した比較例に係る模式的断面構造図、(b)図20(a)の構造において、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造図、(c)図20(b)の表面光学顕微鏡写真例。 (a)磁気記録媒体上にポジ型レジスト層を100nm形成後、ポジ型レジスト層上にBi(30nm)/Ti(5nm)電極層を形成した比較例に係る模式的断面構造図、(b)図21(a)の構造において、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造図、(c)図21(b)の表面光学顕微鏡写真例。 (a)磁気記録媒体上にポジ型レジスト層ZEP520A(50nm)/低分子量ZEPを形成後、ポジ型レジスト層上にBi電極層を30nm形成した比較例に係る模式的断面構造図、(b)図22(a)の構造において、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造図、(c)図22(b)の表面光学顕微鏡写真例。 (a)磁気記録媒体上にポジ型レジスト層ZEP520A(50nm)/PMGI(70nm)を形成後、ポジ型レジスト層上にBi電極層を30nm形成した実施の形態に係るホール素子の模式的断面構造図、(b)図23(a)の構造において、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造図、(c)図23(b)の表面光学顕微鏡写真例。 (a)実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例、(b)出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図24(a)に対応する例(印加磁場B=0(mT))。 (a)実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例、(b)出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図25(a)に対応する例(印加磁場B=5.25(mT))。 (a)実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例、(b)出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図26(a)に対応する例(印加磁場B=11.55(mT))。 (a)実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例、(b)出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図27(a)に対応する例(印加磁場B=11.90(mT))。 (a)実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例、(b)出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図28(a)に対応する例(印加磁場B=14.00(mT))。 (a)実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例、(b)出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図29(a)に対応する例(印加磁場B=11.90(mT))。 (a)実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)とDM(−)の境界が存在する例、(b)出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図30(a)に対応する例(印加磁場B=9.98(mT))。 (a)実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例、(b)出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図31(a)に対応する例(印加磁場B=9.63(mT))。 (a)実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例、(b)出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図32(a)に対応する例(印加磁場B=5.25(mT))。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(ホール素子)
実施の形態に係るホール素子1の模式的平面パターン構成は、図1に示すように表され、模式的鳥瞰構成は、図2に示すように表される。
また、実施の形態に係るホール素子1の1つの素子部分の表面光学顕微鏡写真は、図3に示すように表され、図3のI−I線に沿う模式的断面構造は、図4に示すように表される。
実施の形態に係るホール素子1は、図1〜図4に示すように、磁気記録媒体10上に配置され、クロスバー形状を有する電極層14と、電極層14のクロスバー部に接続されたパッド電極P1〜P4・16・18とを備える。
ここで、クロスバー形状を有する電極層14は、例えば、厚さ約100nmのBi電極層で形成されていても良い。また、Bi電極層14の下地層として、下地金属層を配置すると、Bi電極層14のリフトオフ工程において、Biリフトオフの効果を改善可能である。下地金属層としては、例えば、厚さ約3nmのCr層を適用可能である。
実施の形態に係るホール素子1のホールクロスバー中央部分の表面SEM写真とホールクロスバー中央部分の説明図は、図5に示すように表される。実施の形態に係るホール素子1において、クロスバー部の面積は、100nm×100nm以下であっても良い。すなわち、図5に示すように、クロスバー形状を有する電極層14のクロスバー部の寸法は、W1×W2=100nm×100nm以下、望ましくは、例えば、50nm×50nmであっても良い。
また、実施の形態に係るホール素子1は、図1〜図4に示すように、磁気記録媒体10と電極層14との間に配置された絶縁層12を備えていてもよい。実施の形態に係るホール素子1は、絶縁層12を備えることによって、電極層14・パッド電極P1〜P4・16・18は、磁気記録媒体10と一体化形成される。このように、磁気記録媒体10と一体化形成されたホール素子1は、磁気センサを構成する。したがって、このように、磁気記録媒体10と一体化形成された検出素子は、実施の形態に係る磁気センサと呼ぶことができる。
(磁気センサ)
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサは、図1〜図4に示すように、磁気記録媒体10と、磁気記録媒体10上に配置され、クロスバー形状を有する電極層14と、電極層14のクロスバー部に接続されたパッド電極P1〜P4・16・18とを有するホール素子1とを備える。
ここで、クロスバー形状を有する電極層14は、ビスマス層で形成されていても良い。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、クロスバー部の面積は、100nm×100nm以下であっても良い。
また、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、図1〜図4に示すように、磁気記録媒体10と電極層14との間に配置された絶縁層12を備えていてもよい。実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサは、絶縁層12を備えることによって、電極層14・パッド電極P1〜P4・16・18は、磁気記録媒体10と一体化形成される。その他の構成は、実施の形態に係るホール素子1と同様である。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、磁気記録媒体10は、例えば、Bi置換ガーネットで形成されていても良い。磁気記録媒体10を形成する磁性体には、液相成長法により厚さ、約300μmの(111)(GaGd)3(MgGaZr)512基板上へ製膜された厚さ、約100μmのBi置換ガーネットを用いていても良い。
また、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、絶縁層12は、例えば、厚さ約30nmのAl23で形成されていても良い。ここで、Al23は、例えばALD(Atomic Layer Deposition)法によって、形成可能である。
また、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、パッド電極P1〜P4・16・18は、Au層を備えていても良い。さらに詳細には、パッド電極P1〜P4・16・18は、厚さ約5nmのCr層/厚さ約200nmのAu層/厚さ約5nmのCr層の積層構造によって形成されていても良い。
また、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサは、図4に示すように、デバイス表面を被覆するパッシベーション膜20を備えていても良い。ここで、パッシベーション膜20は、例えば、厚さ約30nmのAl23で形成されていても良い。同様に、Al23は、例えばALD法によって、形成可能である。ALD−Al23層をパッシベーション膜20として適用することによって、下地のクロスバー形状を有するビスマス電極層14の酸化による劣化を防止することができる。
また、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサは、図4に示すように、パッシベーション膜20にパッド電極16・18への開口部16H・18Hを形成し(図15(d)参照)、この開口部16H・18Hにおいて、パッド電極16・18に対して、ボンディングワイヤ221・222接続しても良い。尚、図4に示されるボンディングワイヤ221・222は、図3では、図示を省略している。
尚、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、磁気記録媒体10と一体化形成されるパッド電極P1〜P4のパッド電極P4からP2方向に電流IOを導通し、磁気記録媒体10からクロスバー部に印加される磁場(磁束密度)BOとすると、パッド電極P1・P4間には、積感度をKH(V/(A・T))とすると、次式で表される出力ホール電圧VH(μV)が発生する。

H=KH×IC×BO (1)

ここで、積感度KH(V/(A・T))は、材料および幾何学的寸法によって決まる定数であり、実施の形態に係るホール素子1においては、例えば、4.4(V/(A・T))である。
磁区動作を原理とする磁気記録装置を考えた際、磁区から放出される磁場を、磁気記録媒体からの距離による減衰の無いように、磁気記録媒体上に接してホール素子を配置し、このホール素子により磁場を検出することができれば、磁区の微小化による高記録密度化が可能となる。
磁区から放出される磁場は距離に従い減少するが、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、ホール素子1を直接磁性体(磁気記録媒体)10上に作製することで磁場の減衰を最小限に抑制し、効率良く磁性体(磁気記録媒体)10からの磁場を検出することができる。実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、検出素子の磁気記録媒体10への一体化が可能となり、デバイス応用上好適である。
Bi電極層14は典型的な金属の中で最大のホール係数を有し、蒸着等により作製可能であるため、実施の形態に係るホール素子1においては、下地の材料に依らず高感度なホール素子の作製が可能である。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、ホール素子1のサイズを小さくすることにより、微小磁区の検出が可能となる。電極層14を構成するBiは半金属であるために、半導体ホール素子のように素子の微小化による表面空乏化の影響で特性劣化することがない。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、ホール素子1と磁性体(磁気記録媒体)10の間に絶縁層12を介することで、磁性体(磁気記録媒体)10の導電性に依らず、適用可能である。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサは、磁気記録装置への応用を想定した磁気記録情報の検出素子として、磁気記録媒体10上に接して作製した微小Biホール素子により磁区動作検出可能なホール素1と磁気記録媒体10が一体化された磁気記録装置を提供することができる。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサは、オンウェハホールプローブを備えている。
磁気記録媒体10には、液相成長法により厚さ、約300μmの(111)(GaGd)3(MgGaZr)512基板(SGGG基板)上へ製膜された厚さ、約100μmのBi置換ガーネットを用いた。
適用した磁性体(磁気記録媒体)10の飽和磁化は、室温で約21.8mTであり、消磁状態での磁区幅が約30μmであることから、磁気光学顕微鏡を用いた磁区評価を容易に行うことができる。
さらに、保持力が約16.2mTと小さいことから、電磁石と磁気光学顕微鏡を組み合わせることによる磁場印加時の磁区動作評価の測定系構築が容易となる。
この磁気記録媒体10上へ接してBiホール効果素子を作製することにより、磁区動作の磁気光学顕微鏡とホール素子による同時検出が可能となるため、確実にホール素子が磁区検出として機能していることを確認することができる。
(磁気記録媒体上へのBiホール素子の作製)
―絶縁層の製膜―
磁気記録媒体10上へ原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法(Fiji F200, Cambridge Nanotech)により、約100℃においてトリメチルアンモニウムと水を反応させることにより、厚さ、約30nmのAl23を堆積した。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、磁気記録媒体10は絶縁体であるために絶縁層12は必須では無いが、例えば、磁気記録媒体10が電導性を有する場合は、絶縁層12を介してホール素子1を作製する必要がある。
―ホールクロスバーの作製―
磁気記録媒体10上へスピンコート法により厚さ約170nmのポジ型電子線ビームレジスト(ZEP520A, Zeon Co.)を塗布した後、ホットプレート上で、温度約180℃、時間約2分のベーキングを実施した。
その後、電子ビーム描画装置(ELS-700, Elionix Inc.)により、加速電圧約100kV、ビーム電流約20pA、ドーズ量約176μC/cm2の条件で露光し、n-酢酸アミル(ZEN-50, Zeon Co.)により、約30秒の現像、メチルイソブチルケトン:イソプロピルアルコール=89%:11%混合液(ZMD-B, Zeon Co.)により、約20秒のリンスを行った。
電子ビーム蒸着法により、厚さ約3nmのCr層を堆積後、抵抗加熱蒸着法により、厚さ約100nmのBiを、真空度約3×10-4Pa、製膜速度約0.5nm/sの条件で堆積した。ここで、Cr層は、Bi電極層14のリフトオフ精度と密着性の向上のために挿入している。Bi単体とした場合、リフトオフ後にBiのサンプルへの再付着が発生し易いために、良好なバー形状を得ることが困難である。また、Biは酸化し易い性質があるため、蒸着直前にBiを希塩酸によりエッチングし、表面酸化膜を除去し、Wボートにセットした。
Bi金属蒸着後にジメチルアセトアミド(ZDMAC, Zeon Co.)除去液を用いてリフトオフを行った。
リフトオフ後のホールクロスオーバーを走査型電子顕微鏡で観察し、有効面積50nm×50nmの良好なバー形状が作製できていることを確認した(図3および図4参照)。
―パッド電極の作製―
典型的なフォトリソグラフィー法によって、Cr(5nm)/Au(200nm)/Cr(5nm)パッド電極P1〜P4・16・18をリフトオフにより作製した。
―パッシベーション膜の製膜―
ALD法により、温度約100℃においてトリメチルアンモニウムと水を反応させることにより、厚さ約30nmのAl23層からなるパッシベーション膜20を堆積した。ここで、当該Al23は、Bi電極層14の酸化によるデバイス特性劣化の抑制のためのパッシベーション膜20として用いている。ALD-Al23は、他の手法により作製された絶縁膜と比較してピンホールが少なく、耐酸素・耐水透過性が高いことが知られており、パッシベーション膜として好適である。
―ワイヤーボンディング部開口―
典型的なフォトリソグラフィー法により、ワイヤーボンディング部にレジスト開口部を設け、Al23を約60℃の希リン酸によりエッチング除去後、Crを誘導結合プラズマエッチング装置(RIE-200iPT,SAMCO Inc.)によりCl2/O2混合ガス中でエッチング除去し、コンタクトホール16H・18Hを形成した。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、印加磁場Bにより駆動されるホールプローブ動作の説明であって、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係は、図6に示すように表される。ここで、印加磁場Bは、外部から印加される磁場であって、磁区動作のホールプローブとイメージングの同時計測が可能な電磁石102と磁気光学顕微鏡を組み合わせた測定系(図13参照)により、電磁石102から、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサに供給される。
また、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例は、図7(a)に示すように表され、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例は、図7(b)に示すように表される。ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例は、紙面上表面から裏面方向に出力磁場BOが発生する例に対応しており、図6において太線矢印(出力磁場BOが正から負方向へ向かう)に対応している。一方、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例は、紙面上裏面から表面方向に出力磁場BOが発生する例に対応しており、図6において細線矢印(出力磁場BOが負から正方向へ向かう)に対応している。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、図6、図7(a)および図7(b)に示すように、ガーネット磁性体10の磁区動作により、出力ホール電圧VHのスイッチング動作を確認することができる。すなわち、ホール素子1直下を磁区が横切ることによる出力ホール電圧VHのスイッチング動作を確認することができる。
現在は、ローレンツ電子顕微鏡によるイメージングが主な微小磁区の観測手段であるが、磁区動作速度が速く、カメラでは最小露光時間の制約により、磁区動作を捉えきれず、定量的な評価が難しい。これに対して、磁区動作のホールプローブとイメージングの同時計測が可能な電磁石102と磁気光学顕微鏡を組み合わせた測定系(図13参照)により、電気的検出による磁区動作の定量評価、外部印加磁場応答の評価が可能である。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、図6、図7(a)および図7(b)に示すように、外部磁場駆動により、ガーネット磁性体10の磁区動作検出可能である。
また、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、ホール係数RH(cm3/C)および直列抵抗RS(kΩ)の温度特性例は、図8に示すように表され、積感度KH(V/A・T)と直列抵抗RS(kΩ)の関係を示す特性例は、図9に示すように表される。図9においては磁性体上に作製した実施の形態に係るホール素子と他のホール素子の報告例を比較して示してあるが、EBは電子線リソグラフィー、FIBは、収束イオンビームリソグラフィーを表し、数値はBi電極層14の線幅を示す。実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、相対的に高い積感度KH(V/A・T)と相対的に低い直列抵抗RS(kΩ)を同時に実現可能である。
また、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、磁気記録媒体10の各部の寸法例(ドメイン幅d、磁気記録媒体厚さt)は、図10(a)に示すように表され、ドメイン幅dをパラメータとする磁気記録媒体に対する垂直方向の磁場BZ(mT)と高さZとの関係を示す特性例は、図10(b)に示すように表される。図10(b)においては、磁気記録媒体厚さt=100nm一定としている。
ここで、垂直方向の磁場BZは、Mを飽和磁化、α=2Z/t、β=d/tとすると、高さZの関数として、次式で表される(W.Straus, JAP 42, 1251 (1971))。

=M[(α+1)/{(α+1)2+β21/2−(α−1)/{(α−1)2+β21/2] (2)

また、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、磁気記録媒体厚さtをパラメータとする垂直方向の磁場BZ(mT)と高さZとの関係を示す特性例は、図11に示すように表され、磁気記録媒体厚さtおよびドメイン幅dをパラメータとする垂直方向の磁場BZ(mT)、出力ホール電圧VH(μV)、信号対雑音比S/Nと高さZとの関係を示す特性例は、図12に示すように表される。図11においては、ドメイン幅d=50nm一定としている。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、高さZの増加・ドメイン幅dの減少・磁気記録媒体厚さtの減少と共に、磁場BZは減少する。
すなわち、磁区から放出される磁場BZは、高さZの増加に従って減少し、その傾向は、一般的にドメイン幅d・磁気記録媒体厚さtの減少に従い、顕著となる。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、ホール素子1を磁区(ドメイン)に近接配置することが望ましい。
(測定系)
実施の形態に係るホール素子1を適用し、磁区動作のホールプローブとイメージングの同時計測が可能な電磁石102と磁気光学顕微鏡を組み合わせた測定系の模式的構成は、図13に示すように表される。
実施の形態に係るホール素子1を適用した測定系は、図13に示すように、電磁石102と、電磁石102上にスペース103を介して配置された透過性両面研磨サファイア104と、透過性両面研磨サファイア104上に配置された磁気センサ(10、12、14、20)と、磁気センサ(10、12、14、20)上に配置された検光子106と、検光子106上に配置されたCCDカメラ108とを備え、電磁石102の空芯部を介して、光hνは偏光子100を通して、電磁石102の中央部に導入され、かつ透過性両面研磨サファイア104・磁気センサ(10、12、14、20)・検光子106を透過して、CCDカメラ108においてイメージ検出可能になされている。
このようにして、磁区動作のイメージングの測定結果が、例えば、図7(a)および図7(b)に示された写真である。
(ホール素子の評価)
ホール素子の特性を物理特性測定装置(Physica Property Measurement System:PPMS)(Quantum Design, Inc.)により測定した。300Kにおいて得られたホール係数RH、積感度KH、直列抵抗RSは、それぞれ約0.44(cm3/C)、約4.4(V/A・T)、約1.7(kΩ)であった。
(磁区動作によるホール素子応答評価)
電磁石と磁気光学顕微鏡を組み合わせることにより、磁場印加時の磁区動作のホールプローブとイメージングの同時計測が可能となる測定系を構築した。
評価系は、ハロゲンタングステンランプ光源hν、電磁石102、偏光子100、長焦点対物レンズ(CFILU Plan EPI ELWD×50,Nikon Instruments Inc.)、検光子106、CCD(CCD:Charge Coupled Device)カメラ108(C10600 RCA-R2, Hamamatsu Photonics K.K.)により構築される。
直線偏光された光を、電磁石102の中央部・透過性両面研磨サファイア104により作製されたステージを通して、磁気センサ(10、12、14、20)へファラデー配置で入射し、磁気センサ(10、12、14、20)からの透過光を検光子106を通して、CCDカメラ108により検出した。ここで、透過性両面研磨サファイア104の厚さは、約300μm、熱分離のためのスペース103の高さは、約1mmである。
同測定系のステージ位置における電磁石102による磁場強度は、市販のGaAsホール素子により補正を行っている。
電磁石102への電流の入力、ホール素子の出力ホール電圧VH、CCDカメラ108のシャッターを同期させた。
この結果、ホールクロスバー直下を磁区が横切った際のホール電圧VHのスイッチングを確認できた。
(半導体ホール素子との比較)
比較例に係る半導体ホール素子を適用した磁気センサの模式的断面構造は、図14(a)に示すように表され、実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサの模式的断面構造は、図14(b)に示すように表される。
感度を示すホール係数RHの値は、比較例に係るGaAs半導体ホール素子では、約1.2×102(cm3/C)、実施の形態に係るBiホール素子では、約2.4×10-1(cm3/C)である。
熱雑音(Thermal Noise ∝R1/2)に関係する抵抗率(Ω・cm)の値は、比較例に係るGaAs半導体ホール素子では、約3.9×10-2(Ω・cm)、実施の形態に係るBiホール素子では、約1.1×10-5(Ω・cm)である。
最小サイズ限界は、比較例に係るGaAs半導体ホール素子では、表面キャリア空乏化のために、〜100nm程度であるのに対して、実施の形態に係るBiホール素子では、このようなサイズ限界は無く、例えば、100nm以下、望ましくは、例えば、50nm程度であっても良い。
結晶品質は、比較例に係るGaAs半導体ホール素子では、単結晶であるのに対して、実施の形態に係るBiホール素子では、単結晶若しくは多結晶である。
高さの制御性については、比較例に係る半導体ホール素子を適用した磁気センサにおいては、半導体ホール素子1aと磁気記録媒体10との距離は、約H1と相対的に離隔して配置される。これに対して、実施の形態に係るBiホール素子を適用した磁気センサにおいては、Biホール素子1は、磁気記録媒体10上に絶縁層12を介して接して配置されるため、Biホール素子1と磁気記録媒体10との距離は、約H2と相対的に近接して配置される。
磁区動作を原理とする磁気記録装置を考えた際、磁区から放出される磁場を、磁気記録媒体からの距離による減衰の無いように、磁気記録媒体上に接してホール素子を配置し、このホール素子により磁場を検出することができれば、磁区の微小化による高記録密度化が可能となる。
磁区から放出される磁場は距離に従い減少するが、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、ホール素子1を直接磁性体(磁気記録媒体)10上に作製することで磁場の減衰を最小限に抑制し、効率良く磁性体(磁気記録媒体)10からの磁場を検出することができる。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、検出素子の磁気記録媒体10への一体化が可能となり、デバイス応用上好適である。
Bi電極層14は典型的な金属の中で最大のホール係数を有し、蒸着等により作製可能であるため、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、下地の材料に依らず高感度なホール素子の作製が可能である。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、ホール素子1のサイズを小さくすることにより、微小磁区の検出が可能となる。電極層14を構成するBiは半金属であるために、半導体ホール素子のように素子の微小化による表面空乏化の影響で特性劣化することがない。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、ホール素子1と磁性体(磁気記録媒体)10の間に絶縁層12を介することで、磁性体(磁気記録媒体)10の導電性に依らず、適用可能である。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサは、磁気記録装置への応用を想定した磁気記録情報の検出素子として、磁気記録媒体10上に接して作製した微小Biホール素子により磁区動作検出可能なホール素1と磁気記録媒体10が一体化された磁気記録装置を提供することができる。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサは、オンウェハホールプローブを備えている。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサは、微小Biホール素子のオンウエハ構造によって、磁区動作を検出可能である。
(磁気センサの製造方法)
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサの製造方法の説明図であって、磁気記録媒体10上にアラインメント電極層17を形成後、絶縁層12を形成する工程を示す模式的断面構造は、図15(a)に示すように表される。
絶縁層12上にBi(ビスマス)電極層14をパターン形成する工程を示す模式的断面構造は、図15(b)に示すように表される。
Bi(ビスマス)電極層14に接してパッド電極16・18をパターン形成した後、全面にパッシベーション膜20を形成する工程を示す模式的断面構造は、図15(c)に示すように表される。
パッド電極16・18に対するコンタクトホール16H・18Hを形成する工程を示す模式的断面構造は、図15(d)に示すように表される。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサの製造方法は、磁気記録媒体10上に絶縁層12を形成する工程と、絶縁層12上にビスマス電極層14をパターン形成する工程と、ビスマス電極層14上にパッド電極16・18をパターン形成する工程と、パッド電極16・18上にパッシベーション膜20を形成する工程と、パッシベーション膜20にパッド電極16・18に対する開口部16H・18Hを形成する工程と、開口部16H・18Hにボンディングワイヤ221・222を接続する工程とを有する。
また、絶縁層12上にビスマス電極層14をパターン形成する工程は、磁気記録媒体10上にレジスト層を形成する工程と、レジスト層上にビスマス電極層14を形成する工程と、レジスト層をリフトオフする工程とを有していても良い。
また、磁気記録媒体10上にレジスト層を形成する工程は複数層レジスト工程、例えば、磁気記録媒体10上にPMGIを形成後、PMGI上にポジ型レジスト層(ZEP520)を形成する工程を有していても良い。
以下、詳細に実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサの製造方法を説明する。
(a)まず、図15(a)に示すように、第1のリソグラフィー工程により、磁気記録媒体10上にアラインメント電極層17をパターン形成後、絶縁層12を形成する。
(a−1)すなわち、磁気記録媒体10上に例えば、Cr(5nm)/Au(200nm)/Cr(5nm)の積層からなるアラインメント電極層17を、電子ビーム蒸着法およびリフトオフにより、パターン形成する。
(a−2)次に、ALD法によって、Al23(膜厚30nm、酸素供給源H2O、製膜温度約100℃)からなる絶縁層12を形成する。
(b)次に、図15(b)に示すように、第2のリソグラフィー工程により、絶縁層12上にホールクロスバーをパターン形成する
(b−1)すなわち、絶縁層12上に、Cr(3nm)層を、電子ビーム蒸着法により、パターン形成する。
(b−2)次に、厚さ、約100nmのビスマス電極層14を抵抗加熱蒸着法およびリフトオフ法により、パターン形成する。
(c)次に、図15(c)に示すように、第3のリソグラフィー工程により、ビスマス電極層14に接して、絶縁層12上にパッド電極16・18をパターン形成する。
(c−1)すなわち、ビスマス電極層14に接して、絶縁層12上に例えば、Cr(5nm)/Au(200nm)/Cr(5nm)の積層からなるパッド電極16・18を、電子ビーム蒸着法およびリフトオフにより、パターン形成する。
(c−2)次に、ALD法によって、Al23(膜厚30nm、酸素供給源H2O、製膜温度約100℃)からなるパッシベーション膜20を形成する。
(d)次に、図15(d)に示すように、第4のリソグラフィー工程により、パッド電極16・18に対して、コンタクトホールをパターン形成する。
(d−1)すなわち、Al23からなるパッシベーション膜20を希リン酸H3PO4(リン酸:純水=1:4、約60℃)によりエッチングする。
(d−2)さらに、Cr層を反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法(Cl2/O2=2/2sccm,圧力0.2Pa、パワー100W)により、エッチングする。
(リフトオフ工程)
磁気記録媒体10からなる基板上にポジ型レジスト層13Zを形成後、ポジ型レジスト層13Z上にBi電極層14を形成した比較例に係る模式的断面構造は、図16(a)に示すように表され、図16(a)の構造において、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造は、図16(b)に示すように表される。
また、図16(b)の工程後の表面光学顕微鏡写真例は、図17に示すように表され、ホール素子部分の表面光学顕微鏡写真例は、図18に示すように表される。図17では、複数のホール素子1が配置されている様子が示されているが、詳細な拡大光学顕微鏡写真(図18)に示すように、Bi電極層14の露出部分EAに対して、本来Bi電極層14がリフトオフ工程により除去されるべき非露出部分UEA(磁気記録媒体10)上に、Bi電極層14の再付着が生じて、Bi付着部24が存在している。すなわち、上記の比較例では、図16(b)および図18に示すように、リフトオフ工程後、磁気記録媒体10からなる基板上へのBi電極層14の再付着が生じている。
(下地金属層および2層レジストによる改善)
磁気記録媒体10からなる基板上にポジ型レジスト層13Zを100nm形成後、ポジ型レジスト層13Z上にBi電極層14を30nm形成した比較例に係る模式的断面構造は、図19(a)に示すように表され、図19(a)の構造において、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造は、図19(b)に示すように表され、図19(b)の表面光学顕微鏡写真例は、図19(c)に示すように表される。図19の比較例では、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造は、図19(b)に示すように、磁気記録媒体10からなる基板上へのBi電極層14の再付着が生じている。また、図19(c)に示す表面光学顕微鏡写真例からも、Bi付着部が存在し、良好なリフトオフ工程が実施されていない。
また、磁気記録媒体10からなる基板上にポジ型レジスト層13Zを100nm形成後、ポジ型レジスト層13Z上にBi(30nm)/Cr(1nm)電極層14Tを形成した比較例に係る模式的断面構造は、図20(a)に示すように表され、図20(a)の構造において、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造は、図20(b)に示すように表され、図20(b)の表面光学顕微鏡写真例は、図20(c)に示すように表される。図20の比較例では、Bi電極層14の下地に下地金属層となるTi層を1nm形成しているが、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造は、図20(b)に示すように、磁気記録媒体10からなる基板上へのBi電極層14の再付着が生じている。また、図20(c)に示す表面光学顕微鏡写真例からも、Bi付着部が存在し、良好なリフトオフ工程が実施されていない。
一方、磁気記録媒体10からなる基板上にポジ型レジスト層13Zを100nm形成後、ポジ型レジスト層13Z上にBi(30nm)/Ti(5nm)電極層14Tを形成した比較例に係る模式的断面構造は、図21(a)に示すように表され、図21(a)の構造において、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造は、図21(b)に示すように表され、図21(b)の表面光学顕微鏡写真例は、図21(c)に示すように表される。図21の比較例では、Bi電極層14の下地に下地金属層となるTi層を5nm形成しているため、図21(b)に示すように、良好なリフトオフ工程が実施可能である。また、図21(c)に示す表面光学顕微鏡写真例からも、Bi付着部は存在しない。
また、磁気記録媒体10からなる基板上に2層構造のポジ型レジスト層(ZEP520A(50nm)/低分子量ZEP)13ZMを形成後、ポジ型レジスト層13ZM上にBi電極層14を30nm形成した比較例に係る模式的断面構造は、図22(a)に示すように表され、図22(a)の構造において、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造は、図22(b)に示すように表され、図22(b)の表面光学顕微鏡写真例は、図22(c)に示すように表される。図22の比較例では、2層構造のポジ型レジスト層(ZEP520A(50nm)/低分子量ZEP)13ZMを形成しているが、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造は、図22(b)に示すように、磁気記録媒体10からなる基板上へのBi電極層14の再付着が生じている。また、図22(c)に示す表面光学顕微鏡写真例からも、Bi付着部が存在し、良好なリフトオフ工程が実施されていない。以上により2層レジストとして同一剥離液に可溶なレジストを用いた場合はBi再付着の問題解決が困難であることが分かる。
これに対して、磁気記録媒体10からなる基板上に2層構造のポジ型レジスト層(ZEP520A(50nm)/PMGI(70nm))13ZPを形成後、ポジ型レジスト層13ZP上にBi電極層14を30nm形成した実施の形態に係る模式的断面構造は、図23(a)に示すように表され、図23(a)の構造において、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造は、図23(b)に示すように表され、図23(b)の表面光学顕微鏡写真例は、図23(c)に示すように表される。図23の実施の形態では、2層構造のポジ型レジスト層(ZEP520A(50nm)/PMGI(70nm))13ZPを形成しているため、リフトオフ工程を実施した後の模式的断面構造は、図23(b)に示すように、磁気記録媒体10からなる基板上へのBi電極層14の再付着は生じていない。また、図23(c)に示す表面光学顕微鏡写真例からも、Bi付着部が存在せず、良好なリフトオフ工程が実施されている。特に、図23(b)に示すように、Bi電極層14は、PMGIからなるレジスト層13Pとともに剥離されるため、上記の2層構造のポジ型レジスト層(ZEP520A(50nm)/PMGI(70nm))13ZPの適用は、有効である。ここで、リムーバーとして作用するZEP520Aは、ジメチルアセトアミド(Dimethyl acetamide)であり、同じくリムーバーとして作用するPMGIは、n-メチルピロリジノン(n-Methyl pyrrolidinone)である。以上により2層レジストとして同一剥離液に非可溶なレジストを用いた場合はBi再付着の問題解決が可能であることが分かる。
(磁区動作)
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例は、図24(a)に示すように表される。また、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図24(a)に対応する例(印加磁場B=0(mT))は、図24(b)に示すように表される。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例は、図25(a)に示すように表される。また、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図25(a)に対応する例(印加磁場B=5.25(mT))は、図25(b)に示すように表される。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例は、図26(a)に示すように表される。また、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図26(a)に対応する例(印加磁場B=11.55(mT))は、図26(b)に示すように表される。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例は、図27(a)に示すように表される。また、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図27(a)に対応する例(印加磁場B=11.90(mT))は、図27(b)に示すように表される。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例は、図28(a)に示すように表される。また、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図28(a)に対応する例(印加磁場B=14.00(mT))は、図28(b)に示すように表される。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例は、図29(a)に示すように表される。また、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図29(a)に対応する例(印加磁場B=11.90(mT))は、図29(b)に示すように表される。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)とDM(−)の境界が存在する例は、図30(a)に示すように表される。また、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図30(a)に対応する例(印加磁場B=9.98(mT))は、図30(b)に示すように表される。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例は、図31(a)に示すように表される。また、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図31(a)に対応する例(印加磁場B=9.63(mT))は、図31(b)に示すように表される。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいて、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例は、図32(a)に示すように表される。また、出力ホール電圧VH(μV)および出力磁場BOと、印加磁場Bとの関係を示す図において、図32(a)に対応する例(印加磁場B=5.25(mT))は、図32(b)に示すように表される。
ここで、印加磁場Bは、外部から印加される磁場であって、磁区動作のホールプローブとイメージングの同時計測が可能な電磁石102と磁気光学顕微鏡を組み合わせた測定系(図13参照)により、電磁石102から、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサに供給される。
ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(−)が存在する例は、紙面上表面から裏面方向に出力磁場BOが発生する例に対応しており、出力磁場BOが正から負方向へ向かう例に対応している。一方、ホールクロスバー中央部分直下にガーネット磁性体のバブルドメインDM(+)が存在する例は、紙面上裏面から表面方向に出力磁場BOが発生する例に対応しており、出力磁場BOが負から正方向へ向かう例に対応している。
実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、図24〜図32に示すように、ガーネット磁性体10の磁区動作により、ホール素子1直下を磁区が横切ることによる出力ホール電圧VHのスイッチング動作を確認することができる。
尚、実施の形態に係るホール素子を適用した磁気センサにおいて、磁気記録媒体10の磁性体材料としては、微小ホール素子を用いて磁区動作によるホール電圧のスイッチングを実証するために磁区幅が比較的大きい(111)(GaGd)3(MgGaZr)512基板上へ製膜されたBi置換ガーネットの例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、スキルミオン金属材料であるFe0.5Co0.5Si、FeGe、MnSi、MnGeや、スキルミオン絶縁材料であるCu2OSeO3なども適用可能である。
本発明によれば、磁気記録装置への応用を想定した磁気記録情報の検出素子として、磁気記録媒体上に接して作製した微小Biホール素子により磁区動作検出可能なホール素子、磁気記録媒体と検出素子が一体化された磁気センサおよびその製造方法、および磁気記録装置を提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本発明のホール素子および磁気センサは、大容量・高密度の磁気記録装置に適用可能である。
1、1a…ホール素子(ホール素子を適用した磁気センサ)
10…磁性体(磁気記録媒体)
12…絶縁層
13Z、13ZM、13ZP、13P…レジスト層
14…Bi(ビスマス)電極層
16、18、P1、P2、P3、P4…ホールプローブパッド電極
16H、18H…コンタクトホール(開口部)
17…アラインメント電極層
20…パッシベーション膜
221、222…ボンディングワイヤ
24…Bi(ビスマス)付着部
100…偏光子
102…電磁石
103…スペース
104…透過性両面研磨サファイア
106…検光子
108…CCDカメラ
DM、DM(+)、DM(−)…ドメイン
B…印加磁場
O…出力磁場
本発明は、ホール素子に関し、特に、磁気記録媒体の磁区動作検出可能なホール素子に関する。
本発明の目的は、磁気記録媒体の磁区動作検出可能なホール素子を提供することにある。
本発明の一態様によれば、矩形の磁性体と、前記磁性体上に形成された第1の絶縁層と 、前記第1の絶縁層上に形成された第1の金属層と、前記第1の金属層上から前記第1の 絶縁層上に跨って形成された第2の金属層と、前記第2の金属層上に、前記第2の金属層 の一部を露出させて形成された第2の絶縁層と、を備え、前記第1の金属層は、前記磁性 体の一辺から対向する他辺に向かう第1方向に延びる第1金属部と、前記第1金属部の一 端に接続され、前記第1方向と垂直方向である第2方向において前記第1金属部の長さよ りも長い第2金属部と、前記第1金属の他端に接続され、前記第2方向において前記第1 金属部の長さよりも長い第3金属部と、を備え、前記第2の金属層は、前記第2金属部と 接続され且つ前記第2方向に延在する第4金属部と、前記第3金属部と接続され且つ前記 第2方向に延在する第5金属部と、を備える、ホール素子が提供される。
本発明の他の態様によれば、矩形の磁性体と、前記磁性体上に形成された第1の絶縁層 と、前記第1の絶縁層上に形成された第1の金属層と、前記第1の金属層上から前記第1 の絶縁層上に跨って形成された第2の金属層と、前記第2の金属層上に、前記第2の金属 層の一部を露出させて形成された第2の絶縁層と、を備え、前記第1の金属層は、前記磁 性体の一辺から対向する他辺に向かう第1方向から所定の角度回転した第2方向に延びる 第1金属部と、前記第1金属部の一端に接続され、前記第2方向と垂直方向である第3方 向において前記第1金属部の長さよりも長い第2金属部と、前記第1金属の他端に接続さ れ、前記第3方向において前記第1金属部の長さよりも長い第3金属部と、を備え、前記 第2の金属層は、前記第2金属部と接続され且つ前記第1方向と垂直方向である第4方向 に延在する第4金属部と、前記第3金属部と接続され且つ前記第4方向に延在する第5金 属部と、を備える、ホール素子が提供される。
本発明によれば、磁気記録媒体の磁区動作検出可能なホール素子を提供することができる。
尚、実施の形態に係るホール素子1を適用した磁気センサにおいては、磁気記録媒体10と一体化形成されるパッド電極P1〜P4のパッド電極P4からP2方向に電流IOを導通し、磁気記録媒体10からクロスバー部に印加される磁場(磁束密度)BOとすると、パッド電極P1 3 間には、積感度をKH(V/(A・T))とすると、次式で表される出力ホール電圧VH(μV)が発生する。
本発明によれば、磁気記録装置への応用を想定した磁気記録情報の検出素子として、磁気記録媒体上に接して作製した微小Biホール素子により磁区動作検出可能なホール素子を提供することができる。
本発明のホール素子は、磁気センサや、大容量・高密度の磁気記録装置に適用可能である。

Claims (10)

  1. 磁気記録媒体上に配置され、クロスバー形状を有する電極層と、
    前記電極層の前記クロスバー部に接続されたパッド電極と
    を備えることを特徴とするホール素子。
  2. 前記電極層は、ビスマス層を備えることを特徴とする請求項1に記載のホール素子。
  3. 前記クロスバー部の面積は、100nm×100nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のホール素子。
  4. 前記磁気記録媒体と前記電極層との間に配置された絶縁層を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のホール素子。
  5. 磁気記録媒体と、
    前記磁気記録媒体上に配置され、クロスバー形状を有する電極層と、前記電極層の前記クロスバー部に接続されたパッド電極とを有するホール素子と
    を備えることを特徴とする磁気センサ。
  6. 前記電極層は、ビスマス層を備えることを特徴とする請求項5に記載の磁気センサ。
  7. 前記クロスバー部の面積は、100nm×100nm以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の磁気センサ。
  8. 前記磁気記録媒体と前記電極層との間に配置された絶縁層を備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  9. 前記磁気記録媒体は、Bi置換ガーネットであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項に記載の磁気センサを備えることを特徴とする磁気記録装置。
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