JP3197038B2 - 眼屈折力測定装置 - Google Patents

眼屈折力測定装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は眼屈折力測定装置、特に
固視標を簡略化したフォトレフラクション方式の眼屈折
力測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】眼屈折力を測定する場合に、被検眼の視
線を測定光学系の光軸に合致、固定させる必要があり、
この目的の為に固視標が設けられる。
【0003】従来の眼屈折力測定装置では、眼屈折力を
測定する測定光学系と、該測定光学系とは別に前記固視
標に関して固視標光学系が設けられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した様に、従来の
眼屈折力測定装置は、測定光学系、固視標光学系が個別
に設けられていた為、測定用光源、前眼部観察用光源、
アライメント照準用光源、更に被検者の固視標用光源等
も又個別に設けられていた。
【0005】従って、余分な構成、機構が必要となって
いた。又、固視標に関し、より被検者の注意を惹く様
に、固視標を点滅する等、動的な要素を付加すると、更
に構成が複雑になるという問題があった。
【0006】本発明は斯かる実情に鑑み、測定光学系と
固視標光学系とを共用させ構成の簡略化を図る様にした
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、被検眼眼底に
光源像を投影する為の投影系と、被検眼瞳孔と略共役位
置に配置した受光素子と、該受光素子上に眼底からの光
束を集光する為の受光系と、前記眼底からの光束の一部
を遮光する様に該受光系の光路内に配置されるエッヂ状
の遮光部材と、前記受光素子に投影される光束の光量分
布状態に基づき被検眼の眼屈折力を演算する演算部とを
備えた眼屈折力測定装置に於いて、前記投影系の光源の
測定光束波長を近赤外光とし、前記光源により被検者前
眼部を照明すると共に該光源を固視標としたことを特徴
とするものである。
【0008】
【作用】測定光学系が固視標光学系を兼ねると共に測定
光学系の光源が固視標となり、更に前眼部観察用光源、
アライメント照準用光源を兼ねるので構成が著しく簡単
になる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の一実施例を
説明する。
【0010】先ず、本出願人は先の出願、特願平1−2
4491号に於いて、被検眼眼底に光源像を投影し、眼
底で反射される光源からの光束を、エッヂ状の遮光部材
で遮り、遮った光束を受光素子で受け、その光束の光量
分布状態を基に眼屈折力の測定を可能とした眼屈折力測
定装置を提案した。以下に述べる実施例は、斯かる眼屈
折力測定装置に実施したものである。
【0011】図1に於いて、1は光源像を被検眼3の眼
底7に投影する為の投影系であり、2は眼底7により反
射された光束10を受光する為の受光系であり、投影系
1及び受光系2は被検眼3に対向して配置される。
【0012】前記投影系1は、近赤外光(主波長800
〜850nm)を発する光源4及び該光源4からの光束1
1を被検眼3に向けて反射させる為のハーフミラー5か
ら成り、該投影系1は光源4からの光束11を瞳孔6を
通して眼底7上に光源4の像を形成するように投影する
と共に前眼部を照明するもので、被検眼3の眼屈折力が
基準ディオプター値(基準屈折力)の場合に、眼底7上
に光源4の像が合焦される様に光源4と被検眼3との距
離が設定されている。
【0013】前記受光系2は、対物レンズ8及び前記光
源の波長に対して充分な感度を有する受光素子9から成
り、眼底7からの光束10はハーフミラー5を透過して
受光素子9上に導かれる。
【0014】該受光素子9は、エリアCCD、撮像管等
であり、受光素子9の受光面9aは対物レンズ8に関し
て被検眼3の瞳孔6と共役位置に配置される。
【0015】前記受光系2の光路内には、ハーフミラー
5に関して光源4と共役な位置に対物レンズ8の光軸O
を境界として光束10の片側を遮光する為のエッヂ状の
遮光部材12を配置する。
【0016】又、前記受光素子9には演算器13が接続
され、該演算器13は受光素子9の受光状態、光量分布
より屈折力を演算し、その結果を表示器14に出力する
様になっている。
【0017】前記眼底7からの光束10は被検眼の屈折
力によって前記遮光部材12によって遮られる状態が変
化し、この変化は前記受光素子9上に投影された光束の
光量分布として現れ、而も該光量分布は被検眼の屈折力
に対応する。従って、受光素子9の受光状態から光量分
布、具体的には該光量分布の傾斜から屈折力を演算する
ことができる。
【0018】この時に既知の方法により瞳孔径等も合わ
せて求めれば、例えば虹彩エッジによる光の散乱、或は
収差による影響を軽減することが可能である。
【0019】例えば、演算部に於いて求められた瞳孔径
と、予め決められた基準瞳孔径との偏差量を演算し、こ
の偏差量により予め設定、記憶された補正値を加え、或
は補正式に入れ演算し、その結果、或はその前後の結果
を出力、表示する。
【0020】更に瞳孔径だけでなく、受光素子上の被検
眼からの反射光量の出力、或は被検眼に入射させる光源
光量を電流等により検知する等して検知し、予め設定、
記憶した基準値との偏差量から、或はこれらの偏差量の
組み合わせにより前記同様に演算し、その結果、或はそ
の前後の結果を出力、表示する。
【0021】この様にすることにより、上記虹彩エッジ
による光の散乱、或は収差による影響を補正することが
可能である。
【0022】前記した様に、前記測定光源4は、主波長
800〜850nmの近赤外光であり、一定の波長幅を持
って発光するが、人眼は斯かる波長の光線に対しては余
り感度がなく、測定に充分な光度としても被検者は眩し
いと感ずることはないが、感知することはできる。
【0023】前記測定光源4は被検者の前眼部も照明し
ており、測定者は照明された前眼部を基に、測定前のア
ライメントを行うことができる。又、前記測定光源4は
被検者にとって眩しくなく、該測定光源4を被検者に固
視させることで前記測定光源4は固視標となり、被検者
の視線を測定系の光軸Oに固定することができる。
【0024】即ち、前記測定光源4が、固視標、前眼部
観察用光源、固視標照明用光源を兼ねるものである。
【0025】更に、前記測定光源4の前記固視標として
の機能を強化した場合の例として、測定光源4、遮光部
材12を図2〜図3に示す。
【0026】直交する経線上に、各1対スリット状の発
光部4a、発光部4b、発光部4c、発光部4dを設け
て測定光源4を形成し、又遮光部部材12に前記発光部
4a、発光部4b、発光部4c、発光部4dからの測定
光束の1部をエッヂ12a、エッヂ12b、エッヂ12
c、エッジ12dを境界に遮光する様な矩形孔12eを
形成する。
【0027】眼屈折力については、前記測定光源4の発
光部4a、発光部4b、発光部4c、発光部4dを順次
点滅し、受光素子9上に形成される前記発光部4a、発
光部4b、発光部4c、発光部4dからの光束について
の光量分布をそれぞれ測定することで、眼屈折力を測定
することができる。
【0028】前記測定光源4を前眼部観察用光源として
機能させる場合は、発光部4a、発光部4b、発光部4
c、発光部4dを全て点灯させて前眼部を照明し、又固
視標として機能させる場合は、発光部4a、発光部4
b、発光部4c、発光部4dを同様に全て点灯させる。
前記発光部4a、発光部4b、発光部4c、発光部4d
を十字状に配置したことから、固視標としての機能は充
分に発揮される。
【0029】又、発光部4a、発光部4b、発光部4
c、発光部4dの点滅機能を利用し、図2に於いて、点
灯箇所を発光部4a、発光部4b、発光部4c、発光部
4d、発光部4a…と回転する様に順次移動させ、被検
者の注意を引く様にしてもよく、更に図4に示す様に、
各発光部4a、発光部4b、発光部4c、発光部4dが
部分的に点灯する様にし、点灯位置が周辺より中心に向
かって移動する様にし、被検者の注意が測定光源4の中
心に向かう様にしてもよい。
【0030】尚、発光部は3経線上に各1対設け、それ
に対応したエッジを配置した遮光部材を設けてもよく、
それ以外にも発光部及び遮光部材の配置、形状は上記し
たものに限定されるものではないことは言う迄もない。
【0031】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、測定光
学系、固視標光学系をまとめて1つにすることができる
と共に測定光源が固視標、前眼部観察用光源、固視標照
明用光源を兼用するので、構成が著しく簡単になるとい
う優れた効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す基本概略図である。
【図2】測定光源を示す図1のA−A矢視図である。
【図3】遮光部部材を示す図1のB−B矢視図である。
【図4】測定光源の点灯パターンを示す説明図である。
【符号の説明】
1 投影系 4 測定光源 7 被検眼眼底 9 受光素子 10 光束 12 遮光部部材

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検眼眼底に光源像を投影する為の投影
    系と、被検眼瞳孔と略共役位置に配置した受光素子と、
    該受光素子上に眼底からの光束を集光する為の受光系
    と、前記眼底からの光束の一部を遮光する様に該受光系
    の光路内に配置されるエッヂ状の遮光部材と、前記受光
    素子に投影される光束の光量分布状態に基づき被検眼の
    眼屈折力を演算する演算部とを備えた眼屈折力測定装置
    に於いて、前記投影系の光源の測定光束波長を近赤外光
    とし、前記光源により被検者前眼部を照明すると共に該
    光源を固視標としたことを特徴とする眼屈折力測定装
    置。
  2. 【請求項2】 光源を複数の発光部から構成し、該発光
    部により固視標パターンを形成した請求項1の眼屈折力
    測定装置。
  3. 【請求項3】 発光部の一部以上を点滅させる様にした
    請求項2の眼屈折力測定装置。
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