JP3191436B2 - 負荷駆動系の監視装置 - Google Patents

負荷駆動系の監視装置

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JP3191436B2
JP3191436B2 JP23976492A JP23976492A JP3191436B2 JP 3191436 B2 JP3191436 B2 JP 3191436B2 JP 23976492 A JP23976492 A JP 23976492A JP 23976492 A JP23976492 A JP 23976492A JP 3191436 B2 JP3191436 B2 JP 3191436B2
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勝彦 佐野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪がロック状態とな
ることを防止するいわゆるアンチロック・ブレーキ・シ
ステムなどで好適に用いられる負荷駆動系の監視装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ブレーキペダルを強く踏み込
んで急制動操作を行った場合でも車輪がロック状態とな
ることを回避して最適なブレーキングを実現するため
に、いわゆるアンチロック・ブレーキ・システム(以下
「ABS」という。)が車両に搭載されて用いられてい
る。ABSでは、実際の車両の速さである車体速度と、
車輪の回転に対応した車両の速さである車輪速度とを検
出し、下記第(1) 式で定義されるスリップ率が、所定の
制御目標値に近づくように各車輪のブレーキ圧力を制御
するようにしている。
【0003】
【数1】
【0004】タイヤと路面との間の摩擦係数が最大とな
るのは、スリップ率が100%のとき(車輪速度が0の
完全ロック状態)ではなく、スリップ率が20%のあた
りであることが知られている。一方、タイヤの横方向の
グリップ力であるコーナリングフォースは、スリップ率
の増大に伴って減少し、100%では0になる。そこ
で、ABSでは、スリップ率を20%あたりにすること
を目標に、ブレーキ圧力が制御される。このようなアン
チロック制御により、運転者の運転技術によらずに、制
動距離を最短にするとともに車両の安定性および操舵性
を確保した理想的なブレーキングが実現される。
【0005】ブレーキ圧力の制御は、ブレーキペダルに
接続したマスタシリンダからの液圧を液圧ユニットで制
御するようにして行われる。液圧ユニットには、前後の
各車輪に対応したソレノイドバルブが設けられており、
このソレノイドバルブが制御ユニット(ECU)により
駆動されて、各車輪のブレーキに伝達される液圧が制御
される。
【0006】図4はソレノイドバルブを駆動するための
構成を簡略化して示す電気回路図である。液圧ユニット
1内に備えられるソレノイドバルブ2には、車両に搭載
されたバッテリ3からの電力が供給されている。ソレノ
イドバルブ2には、ハーネスで構成されるライン7を介
して制御ユニット4内の駆動素子5が直列に接続されて
いる。この駆動素子5のオン/オフをマイクロコンピュ
ータ6により制御することでソレノイドバルブ2が駆動
されることになる。
【0007】アンチロック制御は、マスタシリンダから
の液圧を減衰させて各車輪のブレーキに伝達する制御で
あるから、もしも、ソレノイドバルブ2の駆動が不良で
あると、ブレーキペダルを踏み込んだにも拘わらず必要
な制動力が得られないおそれがあり、危険な状態とな
る。そこで、従来から、ソレノイドバルブ2の駆動系の
異常が制御ユニット4において監視され、異常が検知さ
れたときにはアンチロック制御を直ちに禁止することと
している。
【0008】ソレノイドバルブ2の駆動系に生じる異常
には、たとえば、駆動素子5の故障やハーネスが車体の
構造部分に噛みこまれて生じるライン7の短絡や開放な
どが考えられる。このような異常は、駆動素子5の両端
電圧V1や、ソレノイドバルブ2の両端電圧V2をマイ
クロコンピュータ6において監視することにより検知す
ることができる。電圧V1は、駆動素子5に対して並列
に接続された抵抗11,12からなる分圧回路の分圧点
13の電位をマイクロコンピュータ6に入力するように
して監視されている。
【0009】たとえば、駆動素子5が導通していれば電
圧V1は或る閾値Th1よりも低い値をとり、駆動素子
5が遮断していれば電圧V1はバッテリ電圧VB に近い
高い閾値Th2(Th2>Th1)よりも高い値をと
る。駆動素子5が故障しているときには、駆動素子5の
オン/オフと電圧V1との上記の相関関係が崩れるか
ら、これに基づいて駆動素子5の異常を検知できる。ま
た、ライン7で開放が生じているときには、駆動素子5
のオン/オフによらずに電圧V1は低い値をとる。この
ため、駆動素子5のオフ時に電圧V1が低い値をとるこ
とに基づいて、ライン7の開放をも検知できる。
【0010】一方、図4おいて参照符号8で示すよう
に、ライン7が一定の抵抗を有して接地されている場合
には、駆動素子5のオフ期間において、ソレノイドバル
ブ2に異常な漏れ電流iが流れることになる。このた
め、駆動素子5のオフ時の電圧V1が通常時よりもやや
低い値をとることになる。したがって、原理的には、閾
値Th2を適当に設定して電圧V1を監視すれば、ソレ
ノイドバルブ2に流れる異常な漏れ電流iが検知される
はずである。
【0011】しかし、車両に搭載されているバッテリ3
の電圧VB は、たとえば10V〜16Vの範囲で変動す
るので、駆動素子5の異常を検知するための閾値Th2
は、バッテリ電圧VB が変動幅の下限値をとるときの駆
動素子5の両端電圧に対応する比較的低い値(たとえば
9V)に設定される。このため、異常な漏れ電流iによ
るソレノイドバルブ2での電圧の降下が、バッテリ電圧
B の変動幅以内であるときには、電圧V1の監視のみ
では、異常なもれ電流を検知できないおそれがある。具
体的には、バッテリ電圧VB が16Vであって、漏れ電
流iによるソレノイドバルブ2での電圧降下が6Vであ
れば、電圧V1は10V程度となるから、電圧V1は閾
値電圧Th2(=9V)よりも高いため、異常とは判定
されない。
【0012】そこで、電圧V1とは別に、ソレノイドバ
ルブ2の両端電圧V2を検知することにより、バッテリ
電圧VB の変動によらずに異常な漏れ電流iを検知する
必要があるのである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
2種類の電圧V1,V2を検知するためには、駆動素子
5の両端電圧V1とソレノイドバルブ2の両端電圧V2
とを検知するためのモニタ回路が個別に必要となる。こ
のため、モニタ用の信号線が多くなっているとともに、
制御ユニット4の回路構成も複雑であるという問題があ
った。
【0014】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、簡単な構成で負荷駆動系の異常を良好に検
知することができるようにした負荷駆動系の監視装置を
提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用】上記の目的を
達成するための請求項1記載の負荷駆動系の監視装置
は、接地電位に対して一定の電位を有する電源と、この
電源に並列に接続された複数の負荷と、この複数の負荷
と接地電位と間にそれぞれ直列に接続され、電源から
各負荷への電力の供給を制御する駆動手段と、各負荷毎
に設けられ、上記負荷と駆動手段との間の電圧を検出
し、この検出した電圧に対応する信号を出力する複数の
電圧検知手段と、上記複数の駆動手段の全てが上記負荷
を駆動していない期間における上記複数の電圧検知手段
の出力信号の最大値と最小値との差に基づいて、いずれ
かの負荷に異常な漏れ電流が流れていないかどうかを判
定する第1の判定手段とを含むものである。
【0016】この構成によれば、全ての負荷が非駆動状
態であるときに、いずれかの負荷に異常な漏れ電流が流
れると、このことが、複数の電圧検知手段の出力信号
最大値と最小値との差に基づいて検知される。すなわ
ち、複数の負荷は電源に並列に接続されているので、こ
れらの全ての負荷が非駆動状態であれば、複数の電圧検
知手段の出力はほぼ等しくなるはずである。したがっ
て、いずれかの負荷に対応する電圧検知手段の出力が残
余の電圧検知手段の出力から掛け離れていれば、この負
荷には異常な漏れ電流が流れているものと判定できる。
【0017】また、請求項記載の負荷駆動系の監視装
置は、いずれかの駆動手段が負荷を駆動する期間におい
て当該負荷を駆動した駆動手段に対応する上記電圧検知
手段の出力信号を監視し、この電圧検知手段の出力信号
と上記駆動手段が負荷を正常に駆動したときの上記電圧
検知手段の出力信号に対応した第1の所定値とを比較
し、この比較結果に基づいて当該駆動された負荷または
その駆動系に異常が生じているかどうかを判定する第2
の判定手段をさらに含むことを特徴とする。
【0018】この構成では、負荷を駆動した状態で、各
負荷またはその駆動系の異常が各負荷毎に個別に検知さ
れる。すなわち、負荷を駆動したときにおける電圧検知
手段の出力信号は、負荷およびその駆動系が正常であれ
ば、或る一定の値(第1の所定値)の近傍の値となるか
ら、このような値から逸脱していることに基づいて負荷
が正常に駆動されているかどうかを判定できる。
【0019】請求項記載の負荷駆動系の監視装置は、
いずれかの駆動手段が負荷を駆動しない期間において当
該負荷を非駆動状態とした駆動手段に対応する上記電圧
検知手段の出力信号を監視し、この電圧検知手段の出力
信号と上記駆動手段が負荷を正常に非駆動状態としたと
きの上記電圧検知手段の出力信号に対応した第2の所定
値とを比較し、この比較結果に基づいて当該非駆動状態
とされた負荷またはその駆動系に異常が生じているかど
うかを判定する第3の判定手段をさらに含むことを特徴
とする。
【0020】この構成によれば、各負荷毎に、当該負荷
が正常に非駆動状態となるかどうかが検知される。すな
わち、駆動手段によって負荷が正常に非駆動状態とされ
れば、電圧検知手段の出力信号は、或る一定の値(第2
の所定値)の近傍の値をとる。したがって、このような
値から逸脱した電圧検知手段の出力信号に基づいて、負
荷またはその駆動系の異常が検知されることになる。
【0021】
【実施例】以下では、本発明の実施例を、添付図面を参
照して詳細に説明する。図2は本発明の一実施例の負荷
駆動系の監視装置が適用されるアンチロック・ブレーキ
・システム(以下「ABS」という。)の概要を示す概
念図である。ABSは、各車輪に設けた車輪速センサ2
1の出力に基づき、各車輪のブレーキ22のブレーキ圧
力を電子的に制御することによって、急制動操作時にお
ける車輪のロックを回避し、理想的なブレーキングを実
現する装置である。
【0022】すなわち、ブレーキペダル23を強く踏み
込むと、マスタシリンダ24からの液圧は、液圧ユニッ
ト25で制御されて各車輪のブレーキ22に伝達され
る。この液圧ユニット25内には、各車輪ごとの液圧を
個別に制御するためのチャンネルがたとえば4個設けら
れており、各チャンネルに対応して液圧を制御するソレ
ノイドバルブが少なくとも1個ずつ設けられている。こ
のソレノイドバルブの駆動制御が、車輪速センサ21の
出力をモニタしている電子制御ユニット(ECU)26
により行われることになる。27は、ソレノイドバルブ
への印加電圧の低下、車輪速センサ21の信号系におけ
る異常、および制御ユニット26の異常などが生じたた
めにアンチロック制御を禁止したときに、このことを運
転者に通知するためのウォーニングランプである。
【0023】図1は負荷としてのソレノイドバルブの駆
動に関連する電気的構成を示すブロック図である。バッ
テリ31(たとえば定格出力電圧は14V)からの電力
は、イグニッションスイッチ32を介して制御ユニット
26に供給されているとともに、液圧ユニット25内の
ソレノイドバルブSOL1〜SOL4(総称するときに
は「ソレノイドバルブSOL」という。)にも与えられ
ている。また、イグニッションスイッチ32を介した電
力は、上記のウォーニングランプ27にも与えられてい
る。
【0024】ソレノイドバルブSOL1〜SOL4はバ
ッテリ31に対して並列に接続されている。各ソレノイ
ドバルブSOL1〜SOL4には、ハーネス33を介し
て、制御ユニット26内に設けた駆動素子Q1〜Q4
(総称するときには「駆動素子Q」という。)が直列に
接続されている。制御ユニット26は、アンチロック制
御のためのプログラムに従って動作するマイクロコンピ
ュータ50を備えている。この制御ユニット26は、車
輪速センサ21の出力に基づいて駆動素子Q1〜Q4を
制御し、これによりソレノイドバルブSOL1〜SOL
4を駆動する。これにより、各車輪のブレーキ22への
液圧が最適に制御されて、アンチロック制御が実現され
る。
【0025】マイクロコンピュータ50はまた、車輪速
センサ21の信号系や駆動素子Q1〜Q4を含むソレノ
イドバルブSOL1〜SOL4の駆動系の動作が正常で
あるか否かを自己診断している。そして、いずれかの異
常が生じたときには、ウォーニングランプ27を点灯さ
せるとともに、アンチロック制御を中止する。ウォーニ
ングランプ27の点灯によって、運転者は、なんらかの
異常のためにアンチック制御が中止されたことを知るこ
とができる。
【0026】マイクロコンピュータ50には、ソレノイ
ドバルブSOL1〜SOL4の駆動系の異常を検知する
ための電圧検知回路41〜44(総称するときには「電
圧検知回路40」という。)が接続されている。各電圧
検知回路41〜44は、駆動素子Q1〜Q4に並列に接
続されており、各駆動素子Q1〜Q4とソレノイドバル
ブSOL1〜SOL4との間の電圧を検知する。
【0027】電圧検知回路40は、たとえば図3に示す
ような抵抗R1,R2からなる分圧回路で構成され、分
圧点45に現れる電位を、マイクロコンピュータ50の
アナログ/ディジタル(A/D)変換入力ポートAD1
〜AD4(図1参照。なお、総称するときには「入力ポ
ートAD」などという。)にそれぞれ与える構成となっ
ている。
【0028】マイクロコンピュータ50は、第1判定機
能部51、第2判定機能部52および第3判定機能部5
3を有している。これらの第1、第2および第3判定機
能部51,52,53の各機能は、マイクロコンピュー
タ50が実行するソフトウェアにより実現される。以下
では各判定機能部の動作について説明する。 〔第1判定機能部51の動作〕第1判定機能部51は、
ソレノイドバルブSOL1〜SOL4に流れる異常な漏
れ電流iを検知する機能を有する。すなわち、第1判定
機能部51では、マイクロコンピュータ50が駆動素子
Q1〜Q4をいずれも駆動していない期間において、電
圧検知回路41〜44から入力ポートAD1〜AD4に
与えられる電圧が相互に比較される。
【0029】漏れ電流iは、たとえばハーネス33が車
両の構成部分に噛み込まれたために、参照符号55で示
すように、ハーネス33が或る抵抗を有して車体に接地
された場合などに生じる。このような異常が生じていな
い正常な状態では、駆動素子Q1〜Q4の全てをオフし
た期間には、ソレノイドバルブSOL1〜SOL4での
電圧降下が生じないから、ハーネス33を構成する各ラ
インには共通にバッテリ31からのバッテリ電圧VB
導出される。すなわち多少の差は生じるものの、電圧検
知回路41〜42の出力は相互にほぼ等しくなる。
【0030】一方、たとえば参照符号55で示すように
ハーネス33を構成するラインのうち、ソレノイドバル
ブSOL4に対応するラインが一定の抵抗を有して接地
されている場合には、駆動素子Q1〜Q4の全てをオフ
しても、ソレノイドバルブSOL4には漏れ電流iが流
れることになる。したがって、電流iに起因するソレノ
イドバルブSOL4での電圧降下のために、電圧検知回
路44の出力信号は、他の電圧検出回路41〜43の出
力信号から逸脱した値(たとえば低い値)となる。
【0031】したがって、上述のように、駆動素子Q1
〜Q4のオフ期間おける入力ポートAD1〜AD4の入
力電圧を相互に比較することで、異常な漏れ電流iが生
じていることを検知できるのである。具体的には、第1
判定機能部51では、入力ポートAD1〜AD4からの
入力値の最大値と最小値との差が演算される。そして、
この差が一定値以上であるときに、その最小値に対応す
るソレノイドバルブSOLで異常が生じているものと判
定される。
【0032】一般に、ハーネス33の噛み込みが生じた
場合であっても、このハーネス33を構成する複数のラ
インが同時に車体に接地されるような事態は生じ難いと
考えられる。したがって、上述のようにハーネス33の
構成ラインの電圧を相互に比較することによって、ほぼ
確実に異常な漏れ電流iが生じていることを検知するこ
とができる。 〔第2判定機能部52の動作〕第2判定機能部52は、
各駆動素子Q1〜Q4がオンされた期間において、各ソ
レノイドバルブSOL1〜SOL4に関連する駆動系に
異常が生じていないかどうかを、各チャンネル毎に個別
に監視するものである。すなわち、この第2判定機能部
52では、各駆動素子Q1〜Q4がオンされた期間に、
電圧検知回路41〜44から入力ポートAD1〜AD4
への各入力値が、それぞれ第1の閾値V th1と比較され
る。この第1の閾値Vth1は、ソレノイドバルブSOL
が正常に駆動されたときに入力ポートADに与えられる
入力値の上限値の近傍の値に設定され、電圧検知回路4
0への入力電圧がたとえば1Vのときの入力値に対応す
る値とされる。
【0033】駆動素子Q1に注目してさらに詳細に説明
する。この駆動素子Q1が正常にオンされると、電圧検
知回路41は、駆動素子Q1の両端子間電圧程度の電圧
を検知することになる。すなわち、駆動素子Q1がNP
Nトランジスタで構成されていれば、電圧検知回路41
への入力電圧は高々1V程度となる。一方、駆動素子Q
1に異常が生じているためにこの駆動素子Q1がオンし
ない場合、ハーネス33に断線が生じている場合やソレ
ノイドバルブSOL1自体に異常が生じている場合など
を想定する。このときには、ソレノイドバルブSOL1
に電流が流れないので、マイクロコンピュータ50が駆
動素子Q1をオン駆動しているにもかかわらず、電圧検
知回路41への入力電圧は、バッテリ電圧VBの近傍の
電圧となる。
【0034】したがって、第2判定機能部52では、電
圧検知回路41から入力ポートAD1への入力値と、上
記の第1の閾値Vth1とが比較され、 (AD1への入力値)≦Vth1 ・・・・ (2) であれば、ソレノイドバルブSOL1およびその駆動系
には異常がないと判定され、 (AD1への入力値)>Vth1 ・・・・ (3) であれば、ソレノイドバルブSOL1の異常またはその
駆動系にトランジスタの故障やハーネス33の断線など
の異常が生じているものと判定されることになる。
【0035】他のチャンネルに対応する動作も同様であ
り、いずれか1つのチャンネルのソレノイドバルブSO
Lまたはその駆動系での異常が検知されると、マイクロ
コンピュータ50は、アンチロック制御を中止するとと
もに、ウォーニングランプ27を点灯することになる。 〔第3判定機能部53の動作〕第3判定機能部53は、
各駆動素子Q1〜Q4がオフされた期間において、各ソ
レノイドバルブSOL1〜SOL4に関連する駆動系に
異常が生じていないかどうかを、各チャンネル毎に個別
に監視するものである。すなわち、この第3判定機能部
53では、各駆動素子Q1〜Q4がオフされた期間にお
ける電圧検知回路41〜44から入力ポートAD1〜A
D4への各入力値が、それぞれ第2の閾値Vth2と比較
される。この第2の閾値Vth2は、ソレノイドバルブS
OLが正常に非駆動状態とされたときに入力ポートAD
に与えられる入力値の下限値の近傍の値に設定され、電
圧検知回路40への入力電圧がたとえば9Vのときの入
力値に対応する値とされる。
【0036】このように第2の閾値Vth2を選ぶのは、
バッテリ電圧VB がの変動を考慮してのことである。す
なわち、バッテリ31の定格出力電圧が14Vであると
すると、バッテリ電圧VB は概ね10V〜16Vの間で
時間変化する。そこで、バッテリ電圧VB の下限値10
Vよりもやや低い電圧である9Vに対応する値を第2の
閾値Vth2として設定しているのである。
【0037】ソレノイドバルブSOL1に関連する構成
に着目してさらに詳細に説明する。ソレノイドバルブS
OL1に対応した駆動素子Q1が正常にオフされると、
電圧検知回路41には、バッテリ電圧VB が入力される
ことになる。一方、駆動素子Q1がオフされなかった
り、オフが不完全であったりすると、ソレノイドバルブ
SOL1に電流が流れることになる。このため、電圧検
知回路41にはバッテリ電圧VB よりも低い電圧が与え
られることになる。
【0038】したがって、第3判定機能部53では、 (AD1への入力値)≧Vth2 ・・・・ (4) であれば、ソレノイドバルブSOL1の駆動系には異常
がないと判定され、 (AD1への入力値)<Vth2 ・・・・ (5) であれば、ソレノイドバルブSOL1の駆動系にトラン
ジスタの故障などの異常が生じているもの判定されるこ
とになる。
【0039】他のチャンネルに対応する動作も同様であ
り、いずれか1つのチャネルの駆動系での異常が検知さ
れると、マイクロコンピュータ50は、アンチロック制
御を中止するとともに、ウォーニングランプ27を点灯
することになる。ところで、第3判定機能部53におけ
る第2の閾値Vth2を高めに設定すれば、漏れ電流をも
検知できると考えられる。しかし、この第2の閾値Vth
2を高く設定すると、ソレノイドバルブSOLの駆動に
支障が生じない程度のバッテリ電圧VB の低下が生じた
ときに、これが異常として判定されるおそれがある。す
なわち、バッテリ電圧VB の低下が、異常な漏れ電流の
発生と誤認されおそれがある。
【0040】したがって、第2の閾値Vth2はバッテリ
電圧VB の変動を考慮して低めに設定するとともに、漏
れ電流の検知は電圧検知回路41〜44からの入力値を
第1判定機能部51で相互比較することにより検知させ
ることで、バッテリ電圧VBの許容範囲内での低下が異
常であると誤認されることを確実に防止して、漏れ電流
や駆動系に生じたその他の異常を確実に検知することが
できる。
【0041】以上のように本実施例によれば、ソレノイ
ドバルブSOLに生じる異常な漏れ電流とともに、ソレ
ノイドバルブSOLの駆動状態/非駆動状態の良否など
が確実に検知される。また、各ソレノイドバルブSOL
に関して、ソレノイドバルブSOLと駆動素子Qとの間
の電圧を検知する電圧検知回路40を1個ずつ設ければ
足りるので、従来のように各負荷毎に2種類の電圧を検
知する必要がない。このため、構成を格段に簡素化する
ことができ、また配線も減少させることができる。
【0042】なお、本発明は上記の実施例に限定される
ものではない。たとえば上記の実施例では、第1の判定
手段、第2の判定手段および第3の判定手段を、マイク
ロコンピュータ50が実行するソフトウェアにより構成
することとしたが、これらはハードウェア構成により実
現してもよい。また、漏れ電流の検知は第1の判定手段
のみで行えるので、第2の判定手段や第3の判定手段は
必ずしも備えられる必要はない。
【0043】さらに、上記の実施例では、ABSに利用
される場合を例に採ったが、本発明の負荷駆動系の監視
装置は、ABS以外にも負荷の駆動状態が正常かどうか
を監視する必要がある場合に広く適用することができる
ものである。また、ソレノイドバルブ以外の任意の負荷
にも適用できることは言うまでもない。その他、本発明
の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことが
可能である。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明の負荷駆動系の監視
装置によれば、負荷に漏れ電流が流れたりする異常や負
荷の駆動/非駆動に関する異常などが、確実に検知され
るようになる。しかも、負荷と駆動手段との間の電圧を
調べるだけでよいので、従来のように各負荷に関して複
数種類の電圧を検知する必要もなく、構成が格段に簡素
化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の負荷駆動系の監視装置が適
用されるアンチロック・ブレーキシステムの電気的構成
を示すブロック図である。
【図2】アンチロック・ブレーキ・システムの構成の概
要を示す概念図である。
【図3】電圧検知回路の構成例を示す電気回路図であ
る。
【図4】従来技術を説明するための電気回路図である。
【符号の説明】
25 液圧ユニット 26 制御ユニット 31 バッテリ(電源) 33 ハーネス 40 電圧検知回路 41 電圧検知回路 42 電圧検知回路 43 電圧検知回路 44 電圧検知回路 50 マイクロコンピュータ 51 第1判定機能部 52 第2判定機能部 53 第3判定機能部 Q 駆動素子 Q1 駆動素子 Q2 駆動素子 Q3 駆動素子 Q4 駆動素子 SOL ソレノイドバルブ SOL1 ソレノイドバルブ SOL2 ソレノイドバルブ SOL3 ソレノイドバルブ SOL4 ソレノイドバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−201167(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/00 - 8/96 B60T 17/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接地電位に対して一定の電位を有する電源
    と、 この電源に並列に接続された複数の負荷と、 この複数の負荷と接地電位と間にそれぞれ直列に接続
    され、電源から各負荷への電力の供給を制御する駆動手
    段と、 各負荷毎に設けられ、上記負荷と駆動手段との間の電圧
    を検出し、この検出した電圧に対応する信号を出力する
    複数の電圧検知手段と、 上記複数の駆動手段の全てが上記負荷を駆動していない
    期間における上記複数の電圧検知手段の出力信号の最大
    値と最小値との差に基づいて、いずれかの負荷に異常な
    漏れ電流が流れていないかどうかを判定する第1の判定
    手段とを含むことを特徴とする負荷駆動系の監視装置。
  2. 【請求項2】いずれかの駆動手段が負荷を駆動する期間
    において当該負荷を駆動した駆動手段に対応する上記電
    圧検出手段の出力信号を監視し、この電圧検知手段の出
    力信号と上記駆動手段が負荷を正常に駆動したときの上
    記電圧検知手段の出力信号に対応した第1の所定値とを
    比較し、この比較結果に基づいて当該駆動された負荷ま
    たはその駆動系に異常が生じているかどうかを判定する
    第2の判定手段をさらに含むことを特徴とする請求項1
    記載の負荷駆動系の監視装置。
  3. 【請求項3】いずれかの駆動手段が負荷を駆動しない期
    間において当該負荷を非駆動状態とした駆動手段に対応
    する上記電圧検知手段の出力信号を監視し、この電圧検
    知手段の出力信号と上記駆動手段が負荷を正常に非駆動
    状態としたときの上記電圧検知手段の出力信号に対応し
    た第2の所定値とを比較し、この比較結果に基づいて当
    該非駆動状態とされた負荷またはその駆動系に異常が生
    じているかどうかを判定する第3の判定手段をさらに含
    むことを特徴とする請求項1または2記載の負荷駆動系
    の監視装置。
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