JP3191360B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁性塗料をグラビア塗布
方式で塗布する磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オーディオテープやビデオテー
プは、ポリエステルフィルム等の非磁性支持体上に強磁
性粉末や結合剤,分散剤,潤滑剤等を有機溶媒に分散混
練してなる磁性塗料を塗布することにより磁性層が形成
されている。
【0003】これら磁性塗料を非磁性支持体上に塗布す
るには、これまで例えばグラビア塗布方式、リバースロ
ール塗布方式、ダイ塗布方式(エクストルージョン方
式)等があるが、なかでも高速性、操作性、管理が容易
で且つ安価であるという観点よりグラビア方式が多用さ
れている。
【0004】グラビア塗布方式は、表面にセルパターン
が刻設されたグラビアロールと、非磁性支持体を上記グ
ラビアロールに圧着させるバックアップロールとからな
る塗布装置を用いて、非磁性支持体上に液状の塗料を転
写させる方式である。すなわち、この装置を用いて磁性
塗料を非磁性支持体上に塗布させるには、弾性体よりな
るバックアップロールで上記非磁性支持体をグラビアロ
ールに圧着せしめ、これらロールを回転させることによ
りロールの表面に刻設されたセルパターンの隣合うセル
壁間のそれぞれのくぼみ(セル)に塗液パン中の塗料を
ピックアップさせ、そのセル内に充填された塗料を非磁
性支持体上に転写させることにより塗料が塗布される。
【0005】また、このグラビア塗布装置では、通常、
グラビアロールの回転により、塗液パン中からピックア
ップされた塗料をセル内に一定量で充填するためのドク
ターブレードを有している。すなわち、このドクターブ
レードは、バネ鋼,ステンレス,プラスチック等よりな
る長方形状の板体であり、その一端が支持され、その一
端が自由端とされ、この自由端側がグラビアロールの外
周面と接触するように設けられる。そして、このドクタ
ーブレードの自由端によってグラビアロールの外周面が
摺接されることにより、ピックアップされた塗料のうち
余分な塗料が掻き取られ、セル内に一定量の塗料が充填
されることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ドクタ
ーブレードは、グラビアロールの幅が狭い場合には、良
好な掻き取り作用を示すが、グラビアロールの幅が広く
なると、十分な作用を発揮せず、セル内に充填される塗
料の量が不均一となるといった欠点を有している。ま
た、ドクターブレードは、グラビアロールの位置がその
掻き取り作用に大きく影響するため、その位置調整には
細心の注意が必要であり、安定な掻き取り作用を得るの
が困難である。
【0007】しかも、上記ドクターブレードを有する塗
布装置を長期間使用していると、ドクターブレードの自
由端は凹凸を有するグラビアロール表面と常に摺接して
いるために徐々に傷んでくる。自由端が傷んでくると、
ドクターブレードの掻き取り効果が低減してセル内に充
填される塗料の量が一定にならず、塗膜の膜厚が不均一
となる。また、この自由端が傷んだドクターブレードを
続けて使用していると、摺接されるグラビアロールの表
面も削りとられて傷や摩耗が生じるようになる。さら
に、上記ドクターブレードやグラビアロールの摩耗によ
り、発生した金属粉が塗料パン中に落下した場合には、
グラビアロールとバックアップロールが圧着する際等
に、この塗料中の金属粉によってグラビアロールが傷つ
けられるといった不都合も生じる。このような不都合を
未然に防止するためには、ドクターブレードやグラビア
ロールをかなりの頻度で交換しなければならず、メンテ
ナンス費用が莫大となる。
【0008】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、塗布装置を構成する部品
の耐久性が確保でき、長期間に亘り、均一な膜厚を有す
る塗膜が形成される磁気記録媒体の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、回転するグ
ラビアロールと該グラビアロールとニップするファニッ
シャーロールとの間に塗料を供給して、グラビアロール
表面に設けられたセル内に塗料を充填した後、グラビア
ロールと該グラビアロールに圧接するバックアップロー
ル間を連続走行する非磁性支持体上に転写する磁気記録
媒体の製造方法であって、上記ファニッシャーロールの
JIS−A硬度計で測定した硬度が60°〜85°であ
ることを特徴とする。
【0010】また、回転するグラビアロールと該グラビ
アロールとニップするファニッシャーロールとの間に塗
料を供給して、グラビアロール表面に設けられたセル内
に塗料を充填した後、グラビアロールと該グラビアロー
ルに圧接するバックアップロール間を連続走行する非磁
性支持体上に転写する磁気記録媒体の製造方法であっ
て、上記ファニッシャーロールの表面粗度が十点平均粗
さRzで5〜10μmであることを特徴とする。
【0011】
【作用】回転するグラビアロールと該グラビアロールと
ニップするファニッシャーロールの接触部分に塗料を供
給すると、グラビアロール外周面に設けられたセル内に
塗料が一定量で順次充填される。そして、セル内に塗料
が充填されたグラビアロールと該グラビアロールに圧接
するバックアップロールとの間を通って非磁性支持体を
連続走行させると、非磁性支持体上にセル内の塗料が均
一に転写され、塗布ムラのない塗膜が形成される。
【0012】このとき上記ファニッシャーロールとし
て、JIS−A硬度計で測定した硬度が60°〜85
°、表面粗度Rzが5〜10μmであるものを使用する
と、セル内に充填される塗料の量がさらに精密に一定と
なり、非磁性支持体上に形成される磁性塗膜がより均一
なものとなる。
【0013】
【実施例】本発明の好適な実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0014】本発明において、非磁性支持体上に塗布す
るのは、磁性塗料やバックコート塗料等の非磁性塗料で
ある。
【0015】例えば前者の場合、非磁性支持体上に、磁
性粉、結合剤、溶媒等よりなる液状の磁性塗料を塗布し
て磁性塗膜を形成する。なお、磁性塗料に使用する磁性
粉、結合剤、溶媒としては、通常、塗布型磁気記録媒体
において磁性塗料の材料として使用されているものであ
ればいずれを使用しても差し支えなく、たとえば磁性粉
としてγ−Fe2 3 等の酸化物磁性粉末やFe,Co
等の金属系磁性粉末、結合剤としてはポリ塩化ビニル系
共重合体、ポリウレタン系樹脂等、溶媒としてはメチル
エチルケトン,トルエン,シクロヘキサノン等が挙げら
れる。また、上記磁性塗料には、滑剤,研磨剤,分散剤
等が添加されていてもよい。
【0016】後者の場合には、カーボンブラック,結合
剤,溶媒等よりなるバックコート塗料を前記磁性塗料と
は反対側の面に塗布してバックコート層を形成する。な
お、結合剤,溶媒としては磁性塗料に使用されるものが
いずれも使用可能である。
【0017】上記塗料を塗布するには、たとえば図1に
示す塗布装置が使用される。
【0018】上記塗布装置は、表面にセルパターンが刻
設されたグラビアロール1と非磁性支持体4を上記グラ
ビアロール1に圧着させるバックアップロール2と、該
グラビアロール1の表面に設けられるセル内8に一定量
の塗料を供給するためのファニッシャーロール9とから
なっている。
【0019】上記グラビアロール1は、セル8内に充填
された塗料を、非磁性支持体4上に転写させるものであ
る。このグラビアロール1は、比較的硬度の低いFe等
よりなる円筒状のロールからなっており、外周面には、
上記セル8がたとえば四角錘型の凹部として多数刻設さ
れている。
【0020】上記バックアップロール2は、ポリエステ
ルフィルム等の長尺状の非磁性支持体4を上記グラビア
ロール1の表面に圧着させて当該グラビアロール1に設
けられるセル8内に充填される塗料を該非磁性支持体4
上に良好に転写させるためのもので、例えばゴム等の弾
性ロールからなっている。したがって、このロールの弾
性力によって上記非磁性支持体4がグラビアロール1表
面のセル8と密着し、セル8内に充填される塗料がこの
非磁性支持体4に良好に転写せしめられる。なお、上記
バックアップロール2は、上記グラビアロール1と対向
して設けられ、当該グラビアロール1と同期して非磁性
支持体4を図中矢印X方向に送り出すようになってい
る。
【0021】また、上記塗布装置においては、転写され
た磁性塗膜を平滑化するための平滑装置5が上記グラビ
アロール1の下流側に設けられており、これによりグラ
ビアロール1のセルパターンで転写された塗料の凹凸が
均され、平滑な磁性塗膜が形成されるようになってい
る。なお、上記平滑装置5としては可撓性フィルム等よ
りなるフィルムスムーサタイプのもの、あるいは、円筒
状の剛性材料よりなるバースムーサタイプのものであっ
てもいずれでもよい。
【0022】さらに、上記塗布装置においては、上記グ
ラビアロール1の表面に設けられたセル8内に一定量の
塗料を充填するためのファニッシャーロール9が上記非
磁性支持体4の送り出し側のグラビアロール1に近接し
た位置に設けられている。
【0023】すなわち、このファニッシャーロール9
は、グラビアロール1と接触して設けられ、塗料10が
このファニッシャーロール9とグラビアロール1が接触
することによって形成されるくさび状の空間にノズル1
1にて供給される。供給された塗料10は、一部は塗液
パン12中に落下するが、その粘性等に応じた量でこの
くさび状の空間に保持され、回転するグラビアロール1
表面に設けられた各セル8内に順次充填されることとな
る。
【0024】ここで、塗料の貯えられた塗液パン中に単
にグラビアロールを浸漬して塗料をピックアップさせた
場合、セルには塗料の表面張力等によりセルの体積以上
に塗料が供給される。このため、セル内の塗料を一定と
するためにはドクターブレードによって余分な塗料を掻
き取ることが必要である。しかし、ファニッシャーロー
ル9を使用する方式においては、ファニッシャーロール
9が掻き取り装置としても機能し、ファニッシャーロー
ル9と接触したセル内には塗料10がセル8の体積分だ
けの量で常に充填されるので、ドクターブレードを不要
とすることができ、ドクターブレードを使用することに
よる不都合,すなわち、装置の摩耗,位置調整の困難さ
等が防止されることとなる。
【0025】しかも、ファニッシャーロール9を使用す
る方式の場合、常に新しい塗料10をセル8内に供給す
ることとなるので、形成される塗膜の特性も常に良好な
ものとすることができる。
【0026】ファニッシャーロール9を使用する方式に
おいて、セル8へ充填する塗料10の量を精密に一定
し、塗布ムラのない均一な膜厚を有する塗膜を形成する
には、ファニッシャーロール9のJIS−A硬度計で測
定した表面硬度が60°〜85°、また表面粗度Rzが
5〜10μmであることが必要である。
【0027】ファニッシャーロール9の表面硬度が60
°未満の場合には、掻き取り作用が強過ぎ、磁性塗膜に
塗布ムラが生じ、85°を越える場合には、塗料が円滑
に移動せず、磁性塗膜に太い筋ムラが生じる。
【0028】またファニッシャーロール9の表面粗度R
zが5μm未満に場合には、ステックスリップが生じ、
10μmを越える場合には掻き取り作用が強すぎ、いず
れの場合においても塗布ムラが生じる。なお、ここで言
う表面粗度Rzとは、JIS−B0601で規定される
十点平均粗さRzのことであり、2次元表面粗さの指標
となるものである。
【0029】上記ファニッシャーロール9は、回転駆動
装置を併設してグラビアロール1の回転方向(図中、a
方向)に対して正方向(図中、b方向)に任意の周速差
を持って回転するようにしてもよい。上記くさび状の空
間に維持された塗料はその粘度等によって移動性が異な
り、塗料の粘度が高過ぎたり、低過ぎたりすると筋ムラ
等が生じるが、周速差を調整することにより、塗料の移
動性が調節でき、このような塗料の粘度に起因する筋ム
ラ等を抑えることができる。また、周速差を持たせるこ
とにより、グラビアロールの周速を高速とした場合に生
じる塗料の飛散も防止され、限界成膜速度を高めること
が可能となる。
【0030】上記ファニッシャーロール9では、表面硬
度及び表面粗度Rzが上記範囲であることが重要である
が、上記ファニッシャーロール9を回転駆動させること
を考慮すると、回転軸に対して摺接した場合でも、摩
擦,摩耗が生じないことが望ましい。また、磁性塗料に
含有される溶媒がメチルエチルケトン(MEK),トル
エン(TOL),シクロヘキサノン等であることから、
これらの有機溶剤に対して耐溶剤性を有することが必要
である。たとえば、ファニッシャーロール9をゴム系材
料のような上記溶剤に対して耐溶剤性が不足する材料の
みで構成した場合には、上記有機溶媒によってファニッ
シャーロールが徐々に膨張,変形し、機能が劣化する。
【0031】これらの要求を満たすファニッシャーロー
ル9としては、たとえば図2に示すように、中心部に回
転軸が挿通する孔部31を有する円柱状であり、孔部3
1の回りから鉄層32,ゴム弾性体層33,フロロカー
ボン樹脂層34よりなる構成のものが挙げられる。この
構成のファニッシャーロール9においては、上記フロロ
カーボン樹脂層34の表面に粗面化処理を施すことによ
り、所定の表面粗度とされ、上記ゴム弾性体層33に使
用する材料を選択することにより所定の表面硬度とされ
る。また、耐溶剤性は上記フロロカーボン樹脂層34に
よって確保され、中心軸に対する耐摩耗性,耐摩擦性は
中心軸に接触する鉄層32によって確保されることとな
る。
【0032】なお、上記フロロカーボン樹脂層に使用す
るフロロカーボン樹脂としては、ポリ四フッ化エチレン
(テフロン),四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共
重合体(FEP),ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂
(PFA)等が挙げられ、上記ゴム弾性体層に使用する
材料としては、エチレンプロピレン共重合体(EPT)
等が挙げられる。
【0033】さらに、この他の構成のファニッシャーロ
ール9としては、上記鉄層32と、その回りに設けられ
るウレタンエラストマー層35よりなるものが挙げられ
る。ウレタンエラストマー層35は耐溶剤性を有すると
ともに、粗面化処理,材料選択により所定の表面硬度,
表面粗度とすることができる。この構成のファニッシャ
ーロール9は、特に、低粘性塗料を塗布する場合,形成
する層が薄膜である場合に適している。
【0034】本発明の製造方法においては、このような
構成の塗布装置にて非磁性支持体上に、先ず、磁性塗料
を塗布,乾燥して磁性層を形成し、次いで、非磁性支持
体の上記磁性層側とは反対の面にバックコート塗料を塗
布,乾燥して磁気記録媒体を製造する。
【0035】このようにして製造される磁気記録媒体
は、磁性層,バックコート層が共に塗布ムラがなく、均
一な膜厚で形成されるとともに、磁性層,バックコート
層の形成に使用される上記塗布装置は、長期間使用によ
っても、構成部品がほとんど摩耗せず、高い耐久性を有
することとなる。
【0036】次に、所定の表面硬度,表面粗度を有する
ファニッシャーロールを使用することによる効果を確認
するために、上述の塗布装置において、ファニッシャー
ロールを表1に示す表面硬度および表2に示す表面粗度
のもの(ファニッシャーロールの具体的な構成,材質も
表1および表2に示す。なお、材質は、ファニッシャー
ロールの最内周側を構成する層から順に記載した。)に
変えて、磁性層を形成して磁気テープ(サンプルテープ
1〜サンプルテープ4,比較テープ1〜比較テープ1
0)を作製した。そして、グラビアロール上の塗料のウ
ネリ状態,セル内への塗料の充填状態,形成された塗膜
の均一性および限界塗布速度について調べた。その結果
も表1および表2に併せて示す。
【0037】なお、上記磁性塗料には、磁性粉としてC
o被着γ−Fe2 3 、結合剤として塩化ビニル系共重
合体,ポリウレタン系樹脂、溶媒としてメチルエチルケ
トン,トルエン,シクロヘキサノンを使用し、レシチン
等の添加剤を添加してなるものを使用した。
【0038】上記塗布装置において、グラビアロールの
周速は250m/min、ファニッシャーロールの周速
は50m/minに設定し、グラビアロールとファニッ
シャーロールの間に周速差が生じるようにした。
【0039】表面粗度Rzは、JIS−B0601に規
定する方法に準じて測定した。
【0040】また、グラビアロール上の塗料のウネリ状
態,セル内への塗料の充填状態および塗布状態は、良好
である場合を○、実用限度である場合を△,実用上問題
がある場合を×と表現した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表1および表2からわかるように、表面硬
度,表面粗度が所定範囲からはずれているファニッシャ
ーロールを使用して作製した比較テープ1〜比較テープ
10では、磁性塗料の塗布に際して、グラビアロール上
の塗料にウネリが生じ、セル内への塗料の充填も不十分
であり、均一な膜厚の磁性層が形成されていない。
【0044】これに対して、表面硬度,表面粗度が所定
範囲であるファニッシャーロールを使用して作製したサ
ンプルテープ1〜4においては、磁性塗料の塗布に際し
て、グラビアロール上に塗料のウネリが生じることがな
く、セル内へ塗料が一定量で充填され、また形成された
磁性層も塗布ムラ等がなく均一な膜厚で形成されてい
る。
【0045】また、参考のため、ファニッシャーロール
を使用せず、塗液パン中から塗料をピックアップする方
式で磁気テープを作製したが、磁性層塗布に際して、塗
料がグラビアロール上を乱流し、セル内への塗料の充填
量も不十分であり、限界速度も250m/minと低
く、良好な結果が得られなかった。
【0046】したがって、このことからファニッシャー
ロールとして所定表面硬度,表面粗度Rzを有するもの
を使用することは、均一な膜厚を有する塗膜を形成する
上で有効であることがわかった。また、所定表面硬度,
表面粗度Rzを有するファニッシャーロールを使用した
場合、塗布限界速度も高く、高速成膜が可能となること
がわかった。
【0047】なお、本実施例において、本発明を適用す
るファニッシャーロールとしては、2種類のものを使用
して磁気テープを作製したが、このうち、鉄層,ゴム弾
性体層,EPT層およびテフロンフロロカーボン層より
なるファニッシャーロールは磁性層のような厚膜の層を
形成する場合に、また鉄層およびウレタンエラストマー
層よりなるファニッシャーロールはバックコート層のよ
うな薄膜の層を形成する場合に適していることが示され
た。
【0048】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の製造方法においては、回転するグラビアロールと該
グラビアロールとニップするファニッシャーロールの接
触部分に塗料を供給することにより、グラビアロール表
面に設けられたセル内に塗料を充填するので、セル内に
はセルの体積分だけの塗料が常に一定に充填される。し
たがって、グラビアロールを単に塗液パン中に浸漬して
セル内に塗料をピックアップする場合と異なり、ドクタ
ーブレードによる掻き取り操作が不要となるので、ドク
ターブレードを使用することによる、不都合,すなわ
ち、調整の困難さ、塗布装置の低耐久性の問題が解消さ
れ、均一な塗膜の形成が可能になるとともに製造コスト
の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した平滑装置の一構成例を示す模
式図である。
【図2】ファニッシャーロールの一構成例を示す概略斜
視図である。
【図3】ファニッシャーロールの他の構成例を示す概略
斜視図である。
【符号の説明】
1・・・グラビアロール 2・・・バックアップロール 9・・・ファニッシャーロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/842 B05C 1/12 B05D 1/28 B05D 5/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転するグラビアロールと該グラビアロ
    ールとニップするファニッシャーロールとの間に塗料を
    供給して、グラビアロール表面に設けられたセル内に塗
    料を充填した後、グラビアロールと該グラビアロールに
    圧接するバックアップロール間を連続走行する非磁性支
    持体上に転写する磁気記録媒体の製造方法であって、 上記ファニッシャーロールのJIS−A硬度計で測定し
    た硬度が60°〜85°であることを特徴とする磁気記
    録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 回転するグラビアロールと該グラビアロ
    ールとニップするファニッシャーロールとの間に塗料を
    供給して、グラビアロール表面に設けられたセル内に塗
    料を充填した後、グラビアロールと該グラビアロールに
    圧接するバックアップロール間を連続走行する非磁性支
    持体上に転写する磁気記録媒体の製造方法であって、 上記ファニッシャーロールの表面粗度が十点平均粗さR
    zで5〜10μmであることを特徴とする磁気記録媒体
    の製造方法。
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