JP3114324B2 - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JP3114324B2
JP3114324B2 JP04028187A JP2818792A JP3114324B2 JP 3114324 B2 JP3114324 B2 JP 3114324B2 JP 04028187 A JP04028187 A JP 04028187A JP 2818792 A JP2818792 A JP 2818792A JP 3114324 B2 JP3114324 B2 JP 3114324B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リバース方式等の塗布
ロール表面に塗料を供給し、余分な塗料をドクターブレ
ードによって掻き取った後、前記塗布ロールの表面の塗
料をベースフィルム上に塗布する塗布装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、オーディオテープやビデオテー
プは、ポリエチレンテレフタレート等の非磁性支持体
(いわゆる、ベースフィルム)上に強磁性粉末や結合
剤,分散剤,潤滑剤等を有機溶媒に分散混練してなる磁
性塗料を塗布することにより磁性層が形成されている。
【0003】これら磁性塗料をベースフィルム上に塗布
するには、グラビアロール塗布方式やリバースロール塗
布方式等のロールを用いた方法が一般的であるが、リバ
ースロール塗布方式は高速生産が可能な上、膜質の均一
な塗膜が得られることから多用されている。上記リバー
ス塗布方式の中でも、特に膜厚の薄い塗膜を形成する方
法として、キスリバース塗布方式,ミニキスリバース塗
布方式が挙げられる。
【0004】上記キスリバース塗布方式は、上述のよう
に膜厚の薄い塗膜を形成する方法として適した方法で、
表面にセルパターンが刻設された金属等よりなる塗布ロ
ール(以下、アプリケーションロールとする。)と、ベ
ースフィルムに所定のテンションをかけることによって
該ベースフィルムを上記アプリケーションロールに圧着
させる2本のガイドロールとからなる塗布装置を用い
て、ベースフィルム上に液状の磁性塗料を転写させる方
式である。
【0005】この装置において、長尺状のベースフィル
ムは、所定の間隔を有して並列に配設され同一方向に回
転する2本のロールの周面上を所定のテンションを受け
ながら走行する。この時、ベースフィルムが第1のガイ
ドロールから第2のガイドロールへ渡って走行する中途
部に、走行するベースフィルムを押し上げるように上記
アプリケーションロールが配設されており、ベースフィ
ルムにはロールから所定のテンションが与えられている
ため、ベースフィルムはアプリケーションロールに圧着
させられる。すなわち、この装置においてベースフィル
ム上に磁性塗料を塗布する際には、第1のガイドロール
から第2のガイドロールへ渡って走行するベースフィル
ムは、その中途部に設けられたアプリケーションロール
周面に圧着させられ、その際、アプリケーションロール
表面に刻設されたセルパターンの隣合うセル壁間のそれ
ぞれのくぼみ(セル)に充填された磁性塗料がベースフ
ィルム上に転写される。この時、アプリケーションロー
ルがガイドロールと反対の方向に回転するため、ベース
フィルムとアプリケーションロール間の圧着力が更に強
まり、磁性塗料のベースフィルムへの塗布は更に良好に
行われる。そして、これらロールを回転させることによ
り塗料パン中の磁性塗料をベースフィルム上に連続的に
塗布する。
【0006】また、このキスリバース塗布装置では、通
常、アプリケーションロールの回転により塗料パン中か
らピックアップされた磁性塗料をセル内に一定量で充填
するためのドクターブレードを有している。このドクタ
ーブレードは、長方形の板体であり、その一端が支持さ
れ、他の一端が自由端とされ、その自由端がアプリケー
ションロールの外周面と接触するように設けられる。そ
して、このドクターブレードの自由端によってアプリケ
ーションロールの外周面が慴接されることにより、ピッ
クアップされた磁性塗料のうちの余分な塗料が掻き取ら
れ、セル内に一定量の磁性塗料が充填され、一定量の磁
性塗料がベースフィルム上に塗布されることとなる。
【0007】さらに、前記ミニキスリバース塗布方式に
おいては、更に膜厚の薄い塗膜の形成を可能としてお
り、この塗布方式を適用した装置の構成は上記キスリバ
ース塗布装置と略同一であり、アプリケーションロール
がキスリバース塗布装置のアプリケーションロールより
も更に小径とされている。すなわち、上記のような塗布
装置を用いてベースフィルム上に磁性塗料を塗布する
際、アプリケーションロールが小径であるとベースフィ
ルムとアプリケーションロール周面間の接触面積が小さ
くなり、磁性塗料の塗布量が更に制御されるために、膜
厚の精度を向上することができ、更に膜厚の薄い塗膜の
形成が可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な構成を有するキスリバース塗布装置,ミニキスリバー
ス塗布装置を用いて磁性塗料の塗布を行う場合、特に高
速塗布を行う場合において、ドロップアウト,線状ムラ
の発生等の問題が起こり易い。
【0009】上述のような塗布装置を用いて高速塗布を
行う場合には、アプリケーションロールを高速回転させ
る必要があり、特にミニキスリバース塗布装置において
はアプリケーションロールが非常に小径であるため、そ
の回転速度はかなり大きなものとなる。その際、回転速
度が大きいために前述のようなドクターブレードによっ
て多量の磁性塗料が掻き取られ、この塗料の一部は下方
に滴下するものの、残りの塗料はドクターブレードの壁
面を沿って移動し、両端部に集積される。そして、この
ドクターブレードの両端部に集積された磁性塗料は両端
部より滲み出て飛散し、ベースフィルム上に付着し、ド
ロップアウトやベースフィルム両端(非塗布部)の汚れ
等の問題を引き起こしている。また、集積された磁性塗
料が両端部より滲み出た後、乾燥して凝固した場合に
は、凝固した塗料によってアプリケーションロールやド
クターブレードに傷が付き、この傷が線状ムラの発生等
の問題を引き起こす。特に、上述のようにミニキスリバ
ース塗布装置を用いて磁性塗料の塗布を行った場合にお
いては、その塗膜が非常に薄膜であるため、上記のよう
な問題の発生は品質に大きな影響を及ぼす。
【0010】また、これらの問題は、キスリバース塗布
装置においても同様に発生している。
【0011】よって、これらの問題の発生によって、上
記キスリバース,ミニキスリバース塗布装置を用いて磁
気記録媒体の生産を行った場合の生産性及び品質の安定
性が受ける弊害は非常に大きなものである。
【0012】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであって、キスリバース塗布装置
等のような塗布ロール表面に磁性塗料を供給し、余分な
塗料をドクターブレードによって掻き取った後、塗布ロ
ールの表面の磁性塗料をベースフィルム上に塗布する塗
布装置において、掻き取られた塗料の飛散,凝固による
ドロップアウトやベースフィルム両端の汚れ、線状ムラ
等を引き起こすことがなく、均一な膜厚の磁性層を有し
品質の安定した磁気記録媒体を製造することができ、さ
らにその生産性も向上させることのできる塗布装置を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、塗布ロール表面に塗料を供給し、余分
な塗料をドクターブレードによって掻き取った後、前記
塗布ロールの表面の塗料をベースフィルム上に塗布する
塗布装置において、塗布ロールのうちドクターブレード
の両端部に対応する位置にカバーを設け、非回転状態と
したことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】キスリバース塗布装置等のような塗布ロール表
面に磁性塗料を供給し、余分な塗料をドクターブレード
によって掻き取った後、塗布ロールの表面の磁性塗料を
ベースフィルム上に塗布する塗布装置において、特に高
速塗布を行う際、ドクターブレードによって掻き取られ
た塗料がドクターブレードの両端部から滲み出て、飛
散,凝固し、ドロップアウトやベースフィルム両端の汚
れ、線状ムラ等の発生等の問題を引き起こす。
【0015】本発明においては、塗布ロール表面に塗料
を供給し、余分な塗料をドクターブレードによって掻き
取った後、前記塗布ロールの表面の塗料をベースフィル
ム上に塗布する塗布装置において、塗布ロールのうちド
クターブレードの両端部に対応する位置に非回転状態と
したカバーを設けているため、磁性塗料の塗布時にドク
ターブレードによって掻き取られ、ドクターブレードの
両端部に集積された塗料が円滑に排除され、飛散,凝固
が抑えられ、ドロップアウトやベースフィルム両端の汚
れ、線状ムラ等を引き起こすことがない。
【0016】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、図面
を参照しながら具体的に説明する。
【0017】実施例 1 先ず、本発明を適用した塗布装置の一実施例について説
明する。なお、この塗布装置はミニキスリバース方式を
適用した塗布装置である。この塗布装置は、図1に示す
ように、表面にセルパターンが刻設されたアプリケーシ
ョンロール1、ベースフィルム4に所定のテンションを
かけることによってベースフィルム4をアプリケーショ
ンロール1に圧着させる第1のガイドロール2,第2の
ガイドロール3、そして磁性塗料6の充填された塗料パ
ン5と磁性塗料6の塗布量を規定するドクターブレード
7、ドクターブレード7によって掻き取られた塗料を受
けるオーバーフローパン9によって構成されている。
【0018】上記第1のガイドロール2,第2のガイド
ロール3は、図中上方左右に所定の間隔を有して並列に
配設され、ベースフィルム4と略同一の幅を有し、図中
矢印aで示されるような同一の方向に回転するようにな
されている。上記ベースフィルム4は、これらガイドロ
ール2,3より所定のテンションを受けながらガイドロ
ール2,3の周面に沿って図中矢印bの方向に走行す
る。また、ベースフィルム4が、第1のガイドロール2
から第2のガイドロール3に渡って走行する中途部に、
ベースフィルム4を図中上方に押し上げるように、ガイ
ドロール2,3よりも小径であり、ベースフィルム4よ
りも幅が大であるアプリケーションロール1(ただし、
塗料塗布部すなわちセル8配設部の幅は、ベースフィル
ム4の幅よりも小であるものとする。)が配設されてい
る。
【0019】上記アプリケーションロール1は、表面に
刻設されたセル8内に充填された磁性塗料6をベースフ
ィルム4上に転写させるものであり、該アプリケーショ
ンロール1は底部の所定の領域を塗料パン5に充填され
た磁性塗料6中に浸した状態で配設されている。このア
プリケーションロール1は比較的硬度の低いFe等より
なる円筒状のロールからなっており、外周面には、上記
セル8が例えば斜行する溝部として多数刻設されてい
る。したがって、アプリケーションロール1が図中矢印
cで示される方向に回転することによって、塗料パン5
に充填された磁性塗料6は、アプリケーションロール1
表面に刻設されたセル8内に充填され、塗料塗布部10
へと連続的に供給される。
【0020】なお、上記塗料パン5は塗料の供給口であ
るノズル5aを有するほぼ密閉された箱状のもので、磁
性塗料6をノズル5aより供給することができるため、
アプリケーションロール1に磁性塗料6を連続的に供給
することができ、磁性塗料6の塗布を連続的に行うこと
ができる。
【0021】塗料パン5中の磁性塗料6がアプリケーシ
ョンロール1表面のセル8内に充填される時、磁性塗料
6の表面張力等によりセル8内にはセル8の体積以上に
磁性塗料6が充填される。そこで塗料塗布部10への磁
性塗料6の供給量を一定とするために、塗料パン5中の
磁性材料6がセル8内に充填され塗料塗布部10へ供給
される中途部にドクターブレード7が配設されている。
このドクターブレード7は、プラスチック等によって形
成されたベースフィルム4と略同一の幅を有する長方形
の板体であり、その一端が支持され、他の一端が自由端
とされ、その自由端がアプリケーションロール1の外周
面と接触するように設けられている。そして、このドク
ターブレード7の自由端がアプリケーションロール1の
外周面と慴接することにより、セル8内に充填された磁
性塗料6のうちの余分な塗料が掻き取られ、常にセル8
内に一定量の磁性塗料6が充填され、一定量の磁性塗料
6がベースフィルム4上に塗布されることとなる。
【0022】以上のように構成されるミニキスリバース
塗布装置においては、ベースフィルム4は、前述のよう
に図中矢印aで示されるような方向に回転する第1のガ
イドロール2,第2のガイドロール3周面上を所定のテ
ンションを受けながら図中矢印bに示される方向に走行
する。そして、ベースフィルム4が第1のガイドロール
2から第2のガイドロール3へ渡って走行する中途部に
アプリケーションロール1が設けられており、ベースフ
ィルム4がアプリケーションロール1周面上を走行する
際、ベースフィルム4上に磁性塗料6が塗布される。
【0023】この時、アプリケーションロール1が、テ
ンションを受けながら走行するベースフィルム4を押し
上げるように配設されているため、ベースフィルム4は
アプリケーションロール1に圧着させられ、またアプリ
ケーションロール1の回転方向が図中矢印cで示される
ようにガイドロール2,3の回転方向を示す図中矢印a
と反対方向であるため、ベースフィルム4はアプリケー
ションロール1に更に強く圧着させられている。従っ
て、ベースフィルム4がアプリケーションロール1周面
上を走行する際にアプリケーションロール1とベースフ
ィルム4が圧着することにより、アプリケーションロー
ル1の表面に刻設されるセル8内に充填された磁性塗料
6がベースフィルム4上に良好に転写塗布される。な
お、ベースフィルム4とアプリケーションロール1の塗
布部の幅の関係により、ベースフィルム4の両端に若干
の非塗布部を有して磁性塗料6はベースフィルム4上に
塗布される。そして、アプリケーションロール1が回転
することによって、磁性塗料6がセル8に連続的に充填
され、ドクターブレード7によって一定の充填量が保た
れ、ベースフィルム4上へ一定量の磁性塗料6を連続的
に塗布することが出来る。
【0024】ところで、上述のようなミニキスリバース
塗布装置を用いて磁性塗料6の塗布を高速で行う際に
は、アプリケーションロール1の回転速度を上げる必要
があり、ミニキスリバース塗布装置においてはアプリケ
ーションロール1の径が小径であるため、その回転数は
かなり大きなものとなる。その際、ドクターブレード7
によって多量の磁性塗料6が掻き取られ、この磁性塗料
6の一部は下方に滴下してオーバーフローパン9内に収
容されるものの、残りの磁性塗料6はドクターブレード
7の壁面を沿って移動し、両端部に集積される。
【0025】そこで、本実施例においては、アプリケー
ションロールのうちドクターブレードの両端部に対応す
る位置(非塗布部)に非回転状態とされたカバーを配設
することによって、ドクターブレードの両端部に集積さ
れた磁性塗料を下方に滴下してオーバーフローパン内に
収容し、この塗料の飛散によるドロップアウトやベース
フィルム両端(非塗布部)の汚れ、凝固した塗料による
ドクターブレード,アプリケーションロールへの傷の付
着及びこれによる線状ムラの発生等を防ぐ。
【0026】すなわち、図2に示すようなアプリケーシ
ョンロール1周面に嵌合するような湾曲部11aを有
し、平面部11bの一方に板状のミニドクターブレード
12を配してなるU字型のカバー11を図3に示すよう
に、アプリケーションロール1のドクターブレード7の
両端部に対応する位置に配設する。(図3中には一方の
端部のみを示す。)上記のようにカバー11の形状はU
字型であり、開口した平板部11bが下になるように湾
曲部11aをアプリケーションロール1周面に嵌合する
ため、アプリケーションロール1が回転しても、カバー
11が回転することはなく、非回転状態となる。なお、
上記アプリケーションロール1の回転は、ベアリングケ
ーシング13によって支えられている。
【0027】この際、ドクターブレード7は、アプリケ
ーションロール1の外周面と慴接すると同時に、アプリ
ケーションロール1に配設されたカバー11表面とも慴
接することとなり、アプリケーションロール1外周面と
カバー11表面に段差があると、ドクターブレード7は
アプリケーションロール1外周面上を円滑に慴接するこ
とができない。そこで、図4に示すように、アプリケー
ションロール1のカバー11配設部に、カバー11の幅
と同一の幅を有し、カバー11の厚さと同一の深さを有
する溝部1aを設け、この溝部1aにカバー11を配設
することにより、アプリケーションロール1外周面とカ
バー11表面間の段差を解消し、ドクターブレード7が
アプリケーションロール1外周面と円滑に慴接すること
ができるようになされている。さらに、カバー11の配
設の際には、カバー11のミニドクターブレード12が
ドクターブレード7に対向するようにカバー11を配設
する。
【0028】図3中に示すようにアプリケーションロー
ル1にカバー11を配設し、磁性塗料をベースフィルム
4上に塗布した場合、ドクターブレード7によって掻き
取られた塗料はドクターブレード7の壁面を伝って両端
部に集積された後、カバー11壁面に沿って下方に滴下
する。この時、カバー11にミニドクターブレード12
が配設されているため、集積された塗料がアプリケータ
ーロール1より掻き落とされ、効率良く下方に滴下され
る。また、上述のような溝部1aの配設によって、ドク
ターブレード7によって掻き取られた塗料が両端部に集
積しやすくなり、塗布部に逆流することもなくなり、カ
バー11によって下方に効率よく滴下される。
【0029】よって、上述のようなミニキスリバース塗
布装置を用いて磁性塗料の塗布を行う際、ドクターブレ
ード7によって掻き取られた塗料の殆どが下方に滴下さ
れるため、ベースフィルム4上に飛散してドロップアウ
トやベースフィルム4両端(非塗布部)の汚れを引き起
こすことは無く、また、この塗料が凝固してドクターブ
レード7,アプリケーションロール1に傷を付けて線状
ムラを引き起こすこともない。
【0030】なお、カバー11及びミニドクターブレー
ド12の材質としては、鉄板,樹脂等の導電性材料を用
いることができ、アプリケーションロール1の回転時に
火花等の発生のないものであれば良く、カバー11及び
ミニドクターブレード12のサイズはアプリケーション
ロール1の大きさ,使用する塗料の性質によって決定す
れば良い。
【0031】実施例 2 実施例1で述べたようなカバー11をアプリケーション
ロール1のドクターブレード7の両端部に対応する位置
に非回転状態で配設する際、カバー11のベースフィル
ム4と接触する部分にベースフィルム4の端部を持ち上
げるようなカバーをさらに設けても良い。
【0032】すなわち、図5に示すように、アプリケー
ションロール1のドクターブレード7の両端部に対応す
る位置にカバー11を設け(図5,図6中には、一方の
端部のみを示す。)、カバー11の湾曲部11aのベー
スフィルム4との接触部分に、走行するベースフィルム
4の端部(非塗布部)が掛かるようなカバー14を配設
するものである。なお、本実施例においても、アプリケ
ーションロール1の回転はベアリングケーシング13に
よって支えられる。そこで、上記カバー14設置部の断
面図を図6に示す。すなわち、図6に示すように、カバ
ー11のベースフィルム4との接触面にカバー14を配
設することにより、ベースフィルム4の端部が若干引き
上げられるため、磁性塗料の塗布時、ベースフィルム4
の両端(非塗布部)の汚れの発生を更に防止できる。
【0033】なお、上記のようなカバー14の材質とし
ては、カバー11と同様に、鉄板,樹脂等の導電性材料
を用いることができ、ベースフィルム4との慴接時に帯
電しにくいものであれば良く、カバー14のサイズはカ
バー11の大きさに合わせて決定すれば良い。
【0034】実施例 3 本実施例は、カバーをアプリケータロールのドクターブ
レードの両端部に対応する位置にベアリングを介して設
け、非回転状態とした例である。すなわち、アプリケー
ションロール1のドクターブレードの両端部に対応する
位置に図7に示すようにリング状のカバー16を内部に
ベアリング15を介して配設してなるものである。磁性
塗料の塗布時、アプリケーションロール1が回転しても
カバー16の内部にはベアリング15が配設されている
ため、カバー16が回転することはない。また、ドクタ
ーブレードによって掻き取られた磁性塗料は、ドクター
ブレードの両端部において、カバー16表面を伝って下
方へ滴下される。この時、カバー16が非回転状態とな
されているため、塗料の飛散によるドロップアウト,ベ
ースフィルム両端の汚れの発生、凝固した塗料がドクタ
ーブレード及びアプリケーターロール1に傷を付けるこ
とによる線状ムラの発生等の問題を防止することができ
る。
【0035】塗布実験 そこで、以上のような構成を有するミニキスリバース塗
布装置を用いてベースフィルム上に塗料の塗布を行っ
た。そして、塗布速度を変化させ、この時の塗料の飛散
状態,ベースフィルムの汚れ,ドクターブレード等の損
傷について調査を行った。
【0036】先ず、キャパシティーが1.0mm2 /イ
ンチのアプリケーターロールに実施例1で述べたような
カバーを設置して、磁性塗料の塗布を行ったサンプルを
実施サンプル1とした。また、実施サンプル1と同一の
アプリケーターロールを用い、カバーを設置しないで磁
性塗料の塗布を行ったサンプルを比較サンプル1とし
た。両サンプル共に、ベースフィルムとしてポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを用い、磁性塗料としては、
磁性粉としてCo被着γ─Fe2 3 ,結合剤として塩
化ビニル系共重合体ポリウレタン樹脂,溶剤としてメチ
ルエチルケトンまたはシクロヘキサノン,添加剤として
レシチン等を用いて、これらを混合して作成したものを
用いた。
【0037】さらに、キャパシティーが0.2mm2
インチのアプリケーターロールに実施例1で述べたよう
なカバーを設置して、非磁性塗料の塗布を行ったサンプ
ルを実施サンプル2とした。また、実施サンプル2と同
一のアプリケーターロールを用い、カバーを設置しない
で非磁性塗料の塗布を行ったサンプルを比較サンプル2
とした。両サンプル共に、ベースフィルムとしてポリエ
チレンテレフタレートフィルムを用い、非磁性塗料とし
ては、非磁性粉としてカーボンブラック,結合剤として
塩化ビニル系共重合体ポリウレタン樹脂,溶剤としてメ
チルエチルケトンまたはシクロヘキサノン,添加剤とし
てレシチン等を用いて、これらを混合して作成したもの
を用いた。
【0038】そして、塗料塗布速度を150m/mi
n,250m/min,300m/minと変化させて
塗料の飛散状態,ベースフィルムの汚れ,ドクターブレ
ード等の損傷及び塗布状態への影響について調べた。結
果を表1に示す。評価結果は、製造上全く問題の無い場
合を○、製造上支障の無い場合を△、製造上問題のある
場合を×として表した。
【0039】
【表1】
【0040】表をみてわかるように、アプリケーターロ
ールにカバーを設置してベースフィルム上に塗料の塗布
を行った実施サンプル1,2は、アプリケーターロール
にカバーを設置しないでベースフィルム上に塗料の塗布
を行った比較サンプル1,2と比較して、高速塗布が可
能であり、高速塗布時においても良好な塗布を行うこと
ができた。また、塗料の粘性に左右されることなく、高
速塗布が可能であった。
【0041】上述のように、キスリバース塗布装置等の
ような塗布ロール表面に磁性塗料を供給し、余分な塗料
をドクターブレードによって掻き取った後、塗布ロール
表面の塗料をベースフィルム上に塗布する塗布装置にお
いて、塗布ロールのうちドクターブレードの両端部に対
応する位置に非回転状態としたカバーを設けているた
め、磁性塗料の塗布時にドクターブレードによって掻き
取られた塗料がアプリケーションロール両端部に集積さ
れても、ドクターブレードの両端部から滲み出て飛散,
凝固することなく、下方に滴下される。よって、塗料の
飛散によるドロップアウトやベースフィルム両端の汚
れ、乾燥して凝固した塗料によるドクターブレード,ア
プリケーションロールの損傷及び損傷による線状ムラ等
を引き起こすことがない。また、塗布速度を向上させる
こともできる。
【0042】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、塗布ロール表面に塗料を供給し、余分な
塗料をドクターブレードによって掻き取った後、前記塗
布ロールの表面の塗料をベースフィルム上に塗布する塗
布装置において、塗布ロールのうちドクターブレードの
両端部に対応する位置に非回転状態のカバーを設けてい
るため、塗料の塗布時にドクターブレードによって掻き
取られた塗料がドクターブレードの両端部に集積されて
も、ドクターブレードの両端部から滲み出て飛散,凝固
することなく、下方に滴下される。
【0043】よって、高速塗布時の塗料の飛散によるド
ロップアウトやベースフィルム両端の汚れを防ぐことが
でき、品質の向上を図ることが可能である。また、これ
によって高速塗布を可能とすることができるため、生産
性の向上にも繋がる。さらに、凝固した塗料によってド
クターブレード,アプリケーションロールが損傷するこ
とも防止できるため、これらの耐用期間が延長され生産
性を向上させることができる。そして、ドクターブレー
ド,アプリケーションロールの損傷による線状ムラ等を
防ぐことができ、品質の向上を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミニキスリバース塗布装置の構成例を示す模式
図である。
【図2】アプリケーションロールの両端部を非回転状態
とするためのカバーを示す斜視図である。
【図3】アプリケーションロール及びカバーに対するド
クターブレードの慴接状態を示す要部拡大斜視図であ
る。
【図4】カバーに対応して溝部が設けられたアプリケー
ションロールを示す側面図である。
【図5】カバーの他の例を示す要部拡大斜視図である。
【図6】ベースフィルムのアプリケーションロールに対
する接触状態を示す要部拡大断面図である。
【図7】ベアリングにより、非回転状態とされるカバー
が設けられたアプリケーションロールを示す拡大斜視図
である。
【符号の説明】
1・・・・アプリケーションロール 2・・・・ガイドロール 3・・・・ガイドロール 4・・・・ベースフィルム 7・・・・ドクターブレード 11・・・カバー 12・・・ミニドクターブレード 14・・・カバー 15・・・ベアリング 16・・・カバー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−30578(JP,A) 特開 平2−83059(JP,A) 特公 平3−38909(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 1/08 - 1/12 B05D 1/28 G11B 5/84

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布ロール表面に塗料を供給し、余分な
    塗料をドクターブレードによって掻き取った後、前記塗
    布ロールの表面の塗料をベースフィルム上に塗布する塗
    布装置において、 上記塗布ロールのうちドクターブレードの両端部に対応
    する位置にカバーを設け、非回転状態としたことを特徴
    とする塗布装置。
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