JP3319087B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP3319087B2 JP26513493A JP26513493A JP3319087B2 JP 3319087 B2 JP3319087 B2 JP 3319087B2 JP 26513493 A JP26513493 A JP 26513493A JP 26513493 A JP26513493 A JP 26513493A JP 3319087 B2 JP3319087 B2 JP 3319087B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所謂塗布型の磁気記録
媒体の製造方法に関し、特に磁性塗料をグラビア塗布方
式により塗布する磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オーディオテープやビデオテー
プとしては、ポリエステルフィルム等の非磁性支持体上
に磁性粉末や結合剤、分散剤、潤滑剤等を有機溶剤に分
散混練してなる磁性塗料を塗布することにより磁性層が
形成されてなる、所謂塗布型の磁気記録媒体が使用され
ている。
【0003】この塗布型の磁気記録媒体を製造するに際
し、磁性塗料を非磁性支持体上に塗布するには、グラビ
アロールやリバースロール等のロールを用いた塗布装置
を使用する方法が主流となっており、特に幅広い構造粘
性のものを塗布することができるダイレクトグラビア方
式によるものが多く採用されている。
【0004】このダイレクトグラビア方式は、表面にセ
ルパターンが刻設されたグラビアロールと、連続走行す
る支持体を上記グラビアロールに圧着させるバックアッ
プロールとからなる塗布装置を用いて上記支持体上に塗
液を転写させる方式である。即ち、このダイレクトグラ
ビア方式では、弾性体よりなる上記バックアップロール
で上記支持体を上記バックアップロールに圧着せしめ、
これらロールを回転させることにより上記グラビアロー
ルの表面に配設されたセル内に塗液パン中の塗料をピッ
クアップし、そのセル内に充填された塗料を上記支持体
上に転写させることにより塗液の塗布が行われる。
【0005】従来、上記グラビアロールの表面に刻設さ
れるセルパターンとしては、図6に示すような斜線型が
一般的である。しかし、この斜線型のセルパターンが形
成されたグラビアロールを用いて塗布を行った場合に
は、塗液が支持体に対して一方向に連続して転移される
ため、上記支持体の端部に上記塗液が多く流れてしま
う。この結果、塗膜の乾燥後に得られたテープの幅方向
の両端部が膨れたような状態となって形状不良が生じた
り、転移バランスが悪くなったりして塗りムラ等の問題
が起こる。
【0006】これに対して、図7や図8に示すような格
子型、台形型、或いは図9に示すような亀甲型等の独立
セルからなるセルパターンが形成されたグラビアロール
を用いる方法が知られている。この方法は、例えばグラ
ビア印刷や磁気記録媒体の磁性塗料の塗布工程等におい
て使用されることが多くなってきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記独立セ
ルからなるセルパターンが形成されたグラビアロールを
用いた場合、塗液は支持体上に連続的ではなく、ドット
状に転移されることになる。このために、磁気記録媒体
のようなベタ塗りを行う際には、得られた塗膜の凹凸が
激しくなってしまい、磁性塗料の転写後にスムージング
装置により未乾燥状態の塗膜の平滑化を行っても良好な
表面性を確保することが困難となる。
【0008】特に、塗布厚を2.0〜5.0μm程度と
厚くする場合には、上記グラビアロールの表面に形成さ
れる各セルの容積を大きくするべくセル溝の深さが増加
される。このため、得られた塗膜の凹凸には大きな段差
が生じ、上記スムージング装置による平滑化を行っても
塗膜表面の凹凸が残ってしまう。
【0009】このように塗膜表面に凹凸が残存している
と、エンボス現象が発生し、当たり波形が劣化する等、
画質の劣化の原因となる。そこで、本発明はこのような
実情に鑑みて提案されたものであって、塗液の塗布ムラ
をなくし、良好な表面性を有する塗膜を得ることが可能
な磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するために提案されたものである。即ち、本発明
は、連続走行する支持体上にグラビアロールによって塗
液を塗布する磁気記録媒体の製造方法において、上記グ
ラビアロールとして表面に独立セルからなるセルパター
ンが形成されるとともに、各独立セル間の稜部が互いに
交差する位置に微小セルが形成されてなり、且つ表面粗
度が0.08μm以下であるグラビアロールを用いるこ
とを特徴とするものである。
【0011】本発明の磁気記録媒体の製造方法において
は、基本的に、支持体上に単数または複数の磁性層を積
層形成する。上記磁性層は、磁性粉末や結合剤、分散
剤、潤滑剤等を有機溶剤に分散混練してなる磁性塗料を
上記支持体上に塗布することによって形成される。
【0012】本発明では、上記磁性塗料を上記支持体上
に塗布する際に、表面に独立セルからなるセルパターン
が刻設されたグラビアロールを使用する。上記グラビア
ロールのセルパターンとしては、特に限定されないが、
具体的に例示するならば格子型、台形型、亀甲型等が挙
げられる。
【0013】また、上記グラビアロールの表面には、各
独立セル間の稜部(セルトップ部)が互いに交差する位
置に微小セルが刻設される。このように、上記グラビア
ロールの表面に2つの異なったセル(独立セルと微小セ
ル)を刻設(シンクロセル彫刻)することにより、開口
率が増大し、転写率が向上するとともに、エンボス現象
や転写不良が抑えられ、良好な表面性を有する塗膜を得
ることができる。
【0014】これら独立セル及び微小セルを形成する方
法としては、先ず所定の配列がフォーマットできるレー
ザー彫刻により上記独立セルからなるセルパターンを刻
設した後、一度バリ取り研磨を行い、次いで上記微小セ
ルを形成する方法が好適である。
【0015】この時、上記グラビアロールの表面粗度
は、0.08μm以下とされることが望ましい。上記表
面粗度を上記範囲とすることにより、良好な転写率が確
保できるとともに、得られた塗膜の表面を平滑にするこ
とができ、表面性に優れた塗膜が得られる。
【0016】また、本発明においては、上記支持体上の
上記磁性層が設けられていない面(裏面)に、磁気記録
媒体の走行性の向上や帯電防止および転写防止などを目
的として、バックコート層を形成しても良いし、上記磁
性層上にトップコート層を形成しても良く、或いは上記
磁性層と上記支持体との間に、いわゆる下塗り層として
の中間層を形成しても良い。
【0017】これらバックコート層やトップコート層、
中間層等を塗布形成する際に、上記グラビアロールを使
用しても良い。なお、上記グラビアロールは、本発明の
ような磁気記録媒体の製造時の他、幅広い構造粘性を有
する塗料の塗布工程において使用することが可能であ
る。
【0018】本発明においては、上記磁性層の構成材料
である磁性粉末や結合剤としては、従来公知のものがい
ずれも使用可能であり、特に限定されるものではない。
このような従来公知の磁性粉末としては、例えばFe、
Co,Niなどの金属材料、Fe−Co、Fe−Ni、
Fe−Al、Fe−Ni−Al、Fe−Al−P、Fe
−Ni−Si−Al、Fe−Ni−Si−Al−Mn、
Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Zn、Co−Ni、C
o−P、Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni−Cr、
Fe−Co−Ni−P、Fe−CoーB、FeーCo−
Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al,Fe−Co−V等
の合金材料、或いは窒化鉄、炭化鉄等が挙げられる。
【0019】また、還元時の焼結防止または形状維持等
の目的で添加されるAl,Si、P,Bなどの軽金属元
素が適当量含有したとしても、本発明の効果を妨げるも
のではない。
【0020】更に、γ−Fe2 3 ,Fe3 4 ,γ−
Fe2 3 とFe3 4 とのベルトライド化合物、Co
含有γ−Fe2 3 、Co含有Fe3 4 、Coを含有
するγ−Fe2 3 とFe3 4 とのベルトライド化合
物、CrO2 に1種又はそれ以上の金属元素、たとえば
Te,Sb,Fe,Biなどを含有させた酸化物等もい
ずれも使用可能である。
【0021】これら磁性粉末は、それぞれ一種を用いる
ことができるが、二種以上を併用することができる。
【0022】また、上記結合剤としては、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂がいずれも使用可能である。
【0023】熱可塑性樹脂としては、塩化ビニルー酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニルー塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニルーアクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステルーアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステルー塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ルー塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステルー
塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステルーエチレン
共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデンーアルリロ
ニトリル共重合体、アクリロニトリルーブタジエン共重
合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロ
ース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロ
ースダイアセテート、セルローストリアセテート、セル
ロースプロピオネート、ニトロセルロース)、スチレン
ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、
合成ゴム等の熱可塑性樹脂等がある。
【0024】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹
脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等がある。
【0025】本発明においては、必要に応じて潤滑剤、
非磁性補強粒子、導電性粒子、界面活性剤などを上記磁
性層の構成材料として用いることも可能である。上記潤
滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブデン、シリコーンオ
イル、炭素数10から22までの脂肪酸、ならびに、こ
れと炭素数2から26までのアルコールからなる脂肪酸
エステル、テルペン系化合物、ならびにこれらのオリゴ
マーなどある。
【0026】上記非磁性補強粒子としては、酸化アルミ
ニウム、酸化クロム、炭化珪素、ダイヤモンド、ガーネ
ット、エメリー、窒化ホウ素などがある。これらの粒子
は、上記磁性粉末100重量部に対して、20重量部、
好ましくは、10重量部以下がよい、又、平均粒径は、
1.0 μm 以下、好ましくは0.5 μm 以下がよい。
【0027】上記導電性粒子としては、カーボンブラッ
ク、黒鉛、その他金属粒子などがある。上記界面活性剤
としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性
の界面活性剤がある。
【0028】上記支持体としては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン-2,6- ナフタレートなどのポリ
エステル類、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、
セルローストリアセテート、セルロースジアセテートな
どのセルロース類、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリ
カーボネート類に代表されるような高分子材料あるいは
金属、ガラス、セラミクスなどにより形成される支持体
等が挙げられる。
【0029】上記支持体上に上記磁性層を形成するに
は、上述の磁性層構成材料を塗料として塗布乾燥して形
成するが、この塗料化に用いられる溶剤は、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、
エチレングリコールアセテート等のエステル系溶媒、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、2ーエトキシエ
タノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素系溶媒などが使用可能である。
【0030】上記塗料作製のための分散・混練には、ロ
ールミル、ボールミル、サンドミル、アジター、ニーダ
ー、エクストルーダー、ホモジナイザー、超音波分散機
などが用いられる。
【0031】
【作用】連続走行する支持体上に塗液を塗布して塗膜を
形成する際に、表面に独立セルからなるセルパターンが
形成されるとともに、各独立セル間の稜部が互いに交差
する位置に微小セルが形成されてなるグラビアロールを
使用することにより、塗布ムラのない、良好な表面性を
有する塗膜が得られる。
【0032】これは、上述のようにグラビアロールの表
面に異なる2つのセル(独立セルと微小セル)を形成す
ることにより、該グラビアロールの開口率が増大し、転
写率が向上すると同時に、得られる塗膜表面の凹凸が小
さくなるためである。
【0033】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない
ことはいうまでもない。
【0034】本実施例は、支持体であるポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に表面に2つの異なるセルが設
けられたグラビアロールを用いて磁性塗料を塗布して磁
性層を形成した例である。先ず、本実施例において、上
記磁性塗料を塗布形成する際に使用した塗布装置の構成
について説明する。
【0035】即ち、この塗布装置は、図1に示すよう
に、表面に所定のセルパターンが刻設されたグラビアロ
ール1と連続走行する支持体2を前記グラビアロール1
に圧着させるバックアップロール3とからなる転写装置
4と、該転写装置4にて上記支持体2上に転写された塗
料の表面を平滑化するためのスムージング装置5とを有
してなる。
【0036】上記転写装置4において、上記グラビアロ
ール1は、比較的硬度の低いFe等よりなり塗布幅に応
じた幅を有する円筒状のロールからなり、図中反時計廻
り方向に回転可能な構成とされている。このグラビアロ
ール1の表面には、図2に示すように、亀甲型の独立セ
ル10が凹部として多数刻設されるとともに、各独立セ
ル10間の稜部(セルトップ部)11が互いに交差する
位置11aに凹部として微小セル12が形成されてな
る。
【0037】上記微小セル12は、図3(図2中A−
A’断面図)に示すように、既設された上記独立セル1
0に比べて小径とされ、塗液が抜けないために溝の深さ
が浅くなるように形成されてなる。このように、上記グ
ラビアロール1の表面に2つの異なったセル(独立セル
10と微小セル12)を刻設(シンクロセル彫刻)する
ことにより、開口率が増大し、転写率が向上するととも
に、エンボス現象や転写不良が抑えられ、良好な表面性
を有する塗膜を得ることができる。
【0038】なお、上記独立セル10の形状として、本
実施例では亀甲型を使用したが、この他に例えば図4及
び図5に示すような格子型であっても同様の効果を得る
ことが可能である。
【0039】このグラビアロール1の図中左側方には、
ファニッシャーロール8が配設される。このファニッシ
ャーロール8は、該ファニッシャーロール8の上方に配
設されたノズル6より噴出された塗液7を上記グラビア
ロール1の幅方向に均一に充填せしめるために配設され
る。即ち、上記ノズル6より噴出された塗液7は、上記
ファニッシャーロール8と上記グラビアロール1の隙間
に供給され、上記ファニッシャーロール8により上記グ
ラビアロール1の表面に刻設された各独立セル10及び
微小セル12内に充填され、更に上記支持体2の表面に
対して上記グラビアロール1が当接する面において上記
支持体2上に転写される。
【0040】なお、上記支持体2の送り出し側の上記グ
ラビアロール1の近傍には、ドクターブレード9が配設
される。このドクターブレード9は、上記独立セル10
及び微小セル12内に充填された塗液7の余剰分を掻き
取って一定量に制限するために配設される。
【0041】このグラビアロール1の図中上方には、上
記支持体2を介して上記バックアップロール3が対向配
置される。このバックアップロール3は、上記グラビア
ロール1と略等しい幅を有する円筒状のロールからな
り、図中時計廻り方向に回転可能な構成とされている。
【0042】このバックアップロール3は、上記支持体
2を上記グラビアロール1の表面に圧着させて該グラビ
アロール1の表面に設けられた各独立セル10及び微小
セル12内に充填された塗液7を上記支持体2上に良好
に転写させるためのものであり、例えばゴム等の弾性ロ
ールからなる。従って、このバックアップロール3の弾
性力によって上記支持体2が上記グラビアロール1表面
の各独立セル10及び微小セル12と密着され、該バッ
クアップロール3を上記グラビアロール1と同期して回
転させることにより上記支持体2が図中矢印X方向に送
り出され、該支持体2上に上記独立セル10及び微小セ
ル12内に充填された塗液7が連続的に均一に転写され
て塗布が行われる。
【0043】一方、これらグラビアロール1及びバック
アップロール3間を通過した上記支持体2は、ガイドロ
ール13a,13b,13cによって塗膜形成面の裏面
側より支持せしめられるとともに、これらガイドロール
13a,13b,13cにより適当なテンションがかけ
られ、円滑な走行が行われるようになされている。
【0044】これらガイドロール13a,13b間を上
記支持体2が通過する中途には、該支持体2の塗膜形成
面側にスチール等よりなる上記スムージング装置5が配
設される。このスムージング装置5は、上述のような転
写装置4で得られた塗膜の表面を平坦化するために配設
される。即ち、上記転写装置4にて形成された塗膜は、
上記グラビアロール1のセルパターンで上記塗液7が上
記支持体2上に転写されて形成されたものであるので、
その表面には上記セルパターンに応じた凹凸が残ってい
る。そこで、上記転写装置4にて形成された塗膜を上記
スムージング装置5と接触させることにより、上記塗膜
表面の凹凸が均らされ、良好な表面性が得られる。
【0045】従って、この塗布装置においては、巻き出
し側より送り出され、図中矢印X方向に走行する上記支
持体2の表面に対して上記グラビアロール1の表面が当
接され、この当接面で上記グラビアロール1の表面に設
けられた各セル10,12内に充填された塗液7が転写
されて塗膜が形成される。この時、上記グラビアロール
1の表面に2つの異なったセル(独立セル10と微小セ
ル12)が刻設されているので、良好な転写率を確保す
ることができるとともに、凹凸の比較的小さい塗膜が得
られる。このため、この塗膜の表面をスムージング装置
5により平滑化すれば、非常に良好な表面性を有する塗
膜を得ることができる。
【0046】そこで、以上のような構成を有する塗布装
置を用い、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に磁
性塗料を塗布した。上記磁性塗料は、磁性粉末としてC
o被着γ─Fe2 3 又は金属磁性粉末を使用し、結合
剤として塩化ビニル系共重合体及びポリウレタン系樹脂
を併用し、これらの磁性材料をメチルエチルケトン、ト
ルエン、シクロヘキサノンに分散混合させ、更にレシチ
ン等の添加剤を添加することにより調製した。
【0047】塗布速度は、250m/分とした。
【0048】そして、得られた塗布テープについて、磁
性層のエンボス及び転写性を調べ、総合評価を行った。
この結果を下記表1に示した。評価は、エンボスが残る
場合(平滑性不良)を×、実用限界を△、良好な平滑性
が得られた場合を○として目視により判定した。
【0049】
【表1】
【0050】また、上記塗布装置を用い、上記ポリエチ
レンテレフタレートフィルム上にカーボンブラック又は
エマルジョンを主成分としたアンダーコートを行い、得
られたアンダーコート層のエンボス、転写性を上述と同
様の方法により調べた。この結果を上記表1に併せて記
した。
【0051】なお、比較用として、上記塗布装置におい
て、上記グラビアロールの表面に上記微小セルを形成せ
ず、亀甲型の独立セルからなるセルパターンのみを刻設
したものを用い、その他は本実施例と同様にして磁性塗
料の塗布、或いはアンダーコートを行った場合について
も同様の方法によりエンボス、転写性を調べ、その結果
を上記表1に併せて記した。
【0052】表1に示すように、本実施例においては、
いずれもエンボスが見られず、良好な転写性を確保する
ことができ、品質が著しく向上した。このことから、表
面に2つの異なるセル(独立セルと微小セル)が形成
(シンクロ彫刻)されてなるグラビアロールを用いて磁
性塗料の塗布やアンダーコートを行うことにより、幅広
い粘性範囲にある種々の塗料を用いた場合にも、優れた
表面性を有する塗膜を形成することができることが判っ
た。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては、表面に独立セルからなるセルパターンとと
もに、シンクロセルが刻設されてなるグラビアロールを
用いて塗布を行っているので、良好な転写率が得られる
(従来よりも約10%の向上が可能)と同時に、得られ
る塗膜表面の凹凸が緩和されて平滑性に優れた塗膜を形
成することができる。
【0054】また、本発明によれば、幅広い粘性範囲に
ある塗料の転写を行うことが可能となり、特にリバース
塗布方式では、7000cps程度までの範囲の粘性を
有する塗料を用いた場合でも、塗布ムラがなく、平滑性
に優れた塗膜を得ることができる。これにより、磁気記
録媒体の磁性塗料の塗布工程に限らず、トップコート、
アンダーコート、中間層等の塗布工程や、更には印刷等
の分野における塗布工程でも対応可能な非常に有効な塗
布方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の製造時に用い
られる塗布装置の構成を示す模式図である。
【図2】上記塗布装置のグラビアロールの表面に刻設さ
れた2種類のセルの構成を示す要部拡大正面図である。
【図3】上記グラビアロールの表面に刻設された2種類
のセルの構成を示す要部拡大断面図である。
【図4】上記グラビアロールの表面に刻設された2種類
のセルの他の構成例を示す要部拡大正面図である。
【図5】上記2種類のセルの他の構成例を示す要部拡大
断面図である。
【図6】従来の塗布装置におけるグラビアロールのセル
パターンの一例を示す平面図である。
【図7】従来の塗布装置におけるグラビアロールのセル
パターンの他の例を示す平面図である。
【図8】従来の塗布装置におけるグラビアロールのセル
パターンの更に他の例を示す平面図である。
【図9】従来の塗布装置におけるグラビアロールのセル
パターンの更に他の例を示す平面図である。
【符号の説明】 1・・・グラビアロール 2・・・支持体 3・・・バックアップロール 4・・・転写装置 5・・・スムージング装置 6・・・ノズル 7・・・塗液 8・・・ファニッシャーロール 9・・・ドクターブレード 10・・・独立セル 12・・・微小セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−133006(JP,A) 特開 平2−216618(JP,A) 特開 平3−248327(JP,A) 実開 昭60−128772(JP,U) 実開 平1−61968(JP,U) 実開 昭62−144661(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 1/08 G11B 5/84 - 5/858

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続走行する支持体上にグラビアロールに
    よって塗液を塗布する磁気記録媒体の製造方法におい
    て、上記グラビアロールとして表面に独立セルからなる
    セルパターンが形成されるとともに、各独立セル間の稜
    部が互いに交差する位置に微小セルが形成されてなり、
    且つ表面粗度が0.08μm以下であるグラビアロール
    を用いることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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