JPH08229498A - 塗布方法及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

塗布方法及び磁気記録媒体の製造方法

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JPH08229498A
JPH08229498A JP4056695A JP4056695A JPH08229498A JP H08229498 A JPH08229498 A JP H08229498A JP 4056695 A JP4056695 A JP 4056695A JP 4056695 A JP4056695 A JP 4056695A JP H08229498 A JPH08229498 A JP H08229498A
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JP
Japan
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cells
coating
gravure roll
magnetic
cell
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JP4056695A
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English (en)
Inventor
Jiyunichirou Hisamichi
純一郎 久道
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ダイレクトグラビア方式によって塗料を塗布
するに際し、グラビアロールとして、多数の独立セル1
0よりなるセルパターンあるいは連続した斜線セルぱタ
ーンが形成されるとともに、このセルパターンの稜部1
1全体に微小セル12が形成されたものを用いる。 【効果】 塗布速度を350m/分以上の高速にした場
合でも、良好な転写率が得られるとともにエンボスが抑
えられ、塗布ムラのない平滑性に優れた塗膜を形成する
ことができる。また、この効果は、塗料の粘度を問わず
発揮される。したがって、例えば磁気記録媒体の製造や
印刷の分野等、各種分野で使用でき、製品の品質向上に
大いに貢献できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイレクトグラビア塗
布方式によって、磁性層やバックコート層等を形成する
塗布方法及び磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オーディオテープやビデオテー
プは、ポリエステルフィルム等の非磁性支持体上に強磁
性粉末や結合剤,分散剤,潤滑剤等を有機溶媒に分散混
練してなる磁性塗料を塗布することにより磁性層が形成
されている。さらに、磁気テープの巻き乱れ防止や表面
性,走行性,耐久性等の向上のために、上記非磁性支持
体の前記磁性層を設けていない裏面側にバックコート塗
料を塗布することにより形成されるバックコート層を設
けることが広く行われている。
【0003】これら磁性塗料,バックコート塗料を非磁
性支持体上に塗布するには、例えばダイレクトグラビア
塗布方式、リバースロール塗布方式等のロールを用いた
塗布方式によるのが一般的であり、特にダイレクトグラ
ビア塗布方式は幅広い構造粘性の塗料に対応できること
から多用されている。
【0004】このダイレクトグラビア塗布方式は、表面
にセルパターンが刻設されたグラビアロールを用いて塗
料の塗布を行う方式である。
【0005】この塗布方式で、例えば非磁性支持体上に
磁性塗料を塗布するには、グラビアロールに対して非磁
性支持体を圧着させるためのバックアップロールを対向
配置し、これらロールの間を、テープ状の非磁性支持体
を連続走行させる。それとともに、ノズル等によりグラ
ビアロールに磁性塗料を供給し、表面に刻設されたセル
内に充填させる。
【0006】セル内に充填された塗料は、グラビアロー
ルの回転によって、グラビアロールと非磁性支持体が圧
着している圧着部に来ると、セル内から順次非磁性支持
体に転写される。これによって非磁性支持体上に磁性塗
膜が連続的に形成されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、上記
グラビアロールの表面に刻設されるセルパターンとして
は、図11に示すように、溝31がスパイラル状に刻設
されてなる連続した斜線パターンが一般的である。
【0008】しかし、この斜線パターンでセルが形成さ
れたグラビアロールでは、転写部分を見たときに、塗料
が幅方向に連続して転写されるため、支持体の辺縁部に
塗料が多く流れる傾向がある。このため、転写バランス
が悪くなって塗りムラが生じたり、形成された塗膜の形
状が、両端部で膨れた形状になる等の問題が生じてい
る。
【0009】一方、連続したセルパターンではなく、図
12〜図14にそれぞれ示すように、格子型、台形型あ
るいは亀甲型等の独立セル32を所定のパターンで多数
形成したグラビアロールを用いることが提案されてい
る。このようなグラビアロールを用いる方法は、磁気記
録媒体の製造以外に印刷の分野においても採用されてい
る。
【0010】ところが、独立セル32が多数形成された
グラビアロールでは、塗料が連続的ではなく、ドット状
に非磁性支持体に転写されることになる。このため、た
とえば磁気記録媒体での磁性塗料のようにベタ塗りする
必要がある場合には、このドットによって形成される塗
膜の凹凸(エンボス現象)が問題となる。この対応とし
て、塗料転写後、スムージング装置によって塗膜表面を
均らすことも行われているが、それでも塗膜表面を十分
に平滑化することは難しい。
【0011】特に、塗膜を3.0〜7.0μm程度の厚
さで厚く形成しようとする場合には、グラビアロール表
面の各セルのセル深さを深くしてセルの容積を大きくす
ることが必要になる。そうすると、余計に塗膜の凹凸の
段差が大きくなり、スムージング装置では対応仕切れな
い。たとえば、磁気記録媒体の磁性層表面に、このよう
な凹凸が残っていると、これが当たり波形を損なわせ、
画質の劣化の原因となる。
【0012】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、塗布ムラのない平滑性に
優れた塗膜が形成できる塗布方法及び磁気記録媒体の製
造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、回転しているグラビアロールに塗料
を付着させ、連続走行している支持体をこのグラビアロ
ールに圧着させることによって、支持体上に塗料を塗布
するに際して、上記グラビアロールとして、表面にセル
パターンが形成されるとともに、このセルパターンの稜
部に微小セルが形成されたものを用いる。
【0014】上記グラビアロールのセルパターンは、連
続した斜線パターンであっても、多数の独立セルからな
るセルパターンであっても良い。
【0015】一方、微小セルは、これらセルパターンの
稜部、すなわちセルトップ部に形成され、独立セルに比
べて非常に小さい寸法とされる。この微小セルは、セル
トップ部全体に亘って隙間なく形成するようにすると最
も効果が高い。但し、セルパターンの稜部の表面粗さR
aは、0.1μm以下であることが望ましい。
【0016】なお、このような塗布方法は、磁気記録媒
体での磁性層やバックコート層の形成の他、印刷等の分
野においても用いることができる。
【0017】
【作用】本発明では、ダイレクトグラビア塗布方式にて
支持体上に塗料を塗布するに際し、グラビアロールとし
て、表面にセルパターンが形成されるとともに、このセ
ルパターンの稜部に微小セルが形成されたものを用い
る。
【0018】セルパターンの稜部に微小セルが形成され
たグラビアロールでは、微小セルを有することで開口率
が大きくなっている。このため、塗布速度を高速にした
り、バックアップロールの圧力状態が微妙に増減した場
合でも、その影響が緩和され、セル内に充填された塗料
が支持体へ幅方向で均一に転写される。したがって、塗
布速度を350m/分以上とした場合でも、塗布ムラの
ない平滑性に優れた塗膜が形成されることになる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0020】本実施例では、ダイレクトグラビア塗布方
式によって非磁性支持体上に磁性塗料を塗布することで
磁性層を形成する。
【0021】この磁性塗料を塗布するのに用いる塗布装
置について、図1を参照しながら説明する。
【0022】この塗布装置は、表面に所定のセルパター
ンが刻設されたグラビアロール1と連続走行する非磁性
支持体2を前記グラビアロール1に圧着させるバックア
ップロール3とからなる転写装置4と、連続走行する非
磁性支持体2を案内するための走行系を有してなってい
る。
【0023】上記転写装置4において、上記グラビアロ
ール1は、比較的硬度の低いFe等より構成される円筒
状のロールからなっている。このグラビアロール1は、
塗布幅に応じた幅となされ、図中、反時計回り方向に回
転可能とされている。
【0024】このグラビアロール1の表面には、塗料が
充填されるセルパターンが形成されている。このセルパ
ターンの要部拡大平面図を図2に、またこのセルパター
ンを図2の平面図で示すA−A′で切断した断面図を図
3に示す。
【0025】すなわち、このグラビアロール1の表面に
は、図2に示すような亀甲型の独立セル10が凹部とし
て多数刻設されることでセルパターンが形成されてい
る。この独立セル10は、非磁性支持体上に転写する塗
料が充填されるものであり、その寸法は塗膜の塗布厚に
応じて適宜選択される。そして、さらに、このグラビア
ロール1には、各独立セル10同士の間の稜部(セルト
ップ部)11に、これら独立セル10に比べて寸法の非
常に小さい円形型の微小セル12が凹部として多数刻設
されている。この微小セル12は、このように平面形状
の寸法が稜部の幅に対応して微小とされるとともに、図
3に示すように溝深さも独立セルに比べて浅く形成され
ており、塗料の抜けがよくなるようになされている。
【0026】このグラビアロール1の上方には、グラビ
アロール1に非磁性支持体2を圧着させるためのバック
アップロール3が、グラビアロール1に対して非磁性支
持体2を挟んで対向配置されている。このバックアップ
ロール3は、ゴム等の弾性体により構成される円筒状の
ロールからなり、その弾性力によって非磁性支持体2を
グラビアロール1に良好に密着させる。このバックアッ
プロール3は、グラビアロール1とほぼ等しい幅となさ
れ、上記グラビアロール1と同期して時計回り方向に回
転可能となされている。
【0027】また、グラビアロール1の非磁性支持体2
が送り出される側の近傍には、ファニッシャーロール8
が配設されている。このファニッシャーロール8は、該
ファニッシャーロール8の上方に配設されたノズル6よ
り噴出され、グラビアロールに付着した塗料を上記グラ
ビアロール1のセル10,11内に幅方向に均一に充填
させるためのものである。
【0028】そして、グラビアロール1の非磁性支持体
2が供給される側の近傍には、ドクターブレード9が配
設されている。このドクターブレード9は、セル10,
12に供給された塗料のうち、セル5よりはみ出す余分
な塗料を掻き取り、セル5内に充填される塗料の量を定
量化するためのものである。
【0029】以上が転写装置の構成であり、この塗布装
置では、さらにこの転写装置より下流側に走行系として
ガイドロール13a,13b,13cが設けられてい
る。転写装置にて塗膜が形成された非磁性支持体は、こ
れらガイドロール13a,13b,13cによって塗膜
形成面とは反対側の面が支持されるとともに適当なテン
ションがかけられ、円滑な走行が行われることになる。
【0030】このような塗布装置で、非磁性支持体2上
に塗料を塗布するには、各ロール11,3,8をそれぞ
れ回転駆動させ、非磁性支持体2を、グラビアロール1
と圧着ロール3の間で連続走行させる。そして、ノズル
6より塗料7を噴出させて上記ファニッシャーロール8
とグラビアロール1の隙間に供給する。
【0031】ファニッシャーロール8とグラビアロール
1の隙間に供給された塗料は、ファニッシャーロール8
により上記グラビアロール1表面に刻設された各独立セ
ル10と、稜部に形成された各微小セル12に順次充填
される。供給された塗料のうちセルからはみ出した余分
な塗料は、非磁性支持体がグラビアロールに圧着される
圧着部の手前に配置されたドクターブレードにより掻き
取られ、セル内の塗料の量が定量化される。
【0032】そして、各独立セル10及び各微小セル1
2内に一定量で充填された塗料は、グラビアロール1と
非磁性支持体2の圧着部に来ると、グラビアロール1と
非磁性支持体2の間で塊状となっていわゆるビードBを
形成した後、非磁性支持体2に転写されることになる。
【0033】ここで、上記グラビアロール1は、表面に
独立セル10が形成されるとともに、独立セル10より
も平面形状が小さく深さの浅い微小セル12が、独立セ
ル10同士の間の稜部11全面に多数形成されており、
独立セル10のみを有するグラビアロール1に比べて開
口率が大きくなっている。このようなグラビアロール1
から塗料が転写される場合、各独立セル10から転移す
る塗料の間に、各独立微小セル12からの塗料が転移す
るので、塗料がドット状になるのが緩和され、平均化さ
れる。
【0034】また、塗布速度を高速とすることでビード
量が増加したり、バックアップロールの圧力状態によっ
てビード量が微妙に増減した場合でも、ビードが不均一
にならず幅方向で均一に形成される。
【0035】したがって、塗布速度をたとえば500m
/分程度に高速化しても、良好な転写率が得られるとと
もにエンボス現象が抑えられ、塗布ムラのない表面平滑
な塗膜が形成されることになる。
【0036】なお、この例では、各独立セル10同士の
間の稜部11全面に隙間なく微小セル12が形成されて
いる。微小セル12はこのように稜部11全体に形成す
るのが最も効果が高いが、例えば図4及び図5に示すよ
うに、微小セル12同士の間に間隔を空けても良い。但
し、稜部11の交差する位置にのみ微小セルを設けると
いったように、微小セルの数が余り少ないと、十分な効
果が得られない。
【0037】また、グラビアロールに形成する独立セル
10の形状は、亀甲型に限らない。例えば、図6の平面
図及び図7の断面図で示すような格子型、図8の平面図
及び図9の断面図で示すような台形型で独立セルを形成
し、各独立セルの間の稜部に微小セル12を多数形成し
ても良い。なお、図7,図9は、図6,図8のセルを図
中、A−A′線で切断した断面図である。
【0038】さらに、図10に示すように、独立セル1
0の代わりに、溝がスパイラル状に連続して刻設された
形状の斜線セル14を設け、各溝同士の間の稜部15に
微小セル12を多数形成するようにしても良い。
【0039】いずれのセルパターンを採用した場合にも
微小独立セル12を有することで、グラビアロール1か
ら塗料が非磁性支持体2へ幅方向で均一に転写され、塗
布ムラのない平滑性に優れた塗膜が形成されることにな
る。
【0040】以上のような独立セル、斜線セル及び微小
セルは、たとえばレーザー彫刻法(ダブル彫刻法)を用
い、以下の工程で形成できる。
【0041】すなわち、レーザ彫刻法によって、ロール
表面に所定のパターンで独立セルまたは連続した斜線セ
ルを形成する。
【0042】そして、セルの間の稜部について一度バリ
取り研磨を行う。この研磨は、稜部の表面粗さRaが
0.1μm以下となるまで行うことが望ましい。
【0043】次いで、この稜部にレーザ彫刻法によって
微小セルを形成する。なお、この微小セルを形成した後
の稜部の表面粗さRaも0.1μm以下とするのが好ま
しい。稜部の表面粗さRaがこの範囲を越えると、十分
良好な転写率が得られず、塗膜の平滑性が損なわれる虞
れがある。なお、ここで言う表面粗さRaとは、JIS
B 0601で規定される中心線平均粗さRaであ
る。
【0044】以上が塗布装置の基本的な構成であるが、
この塗布装置にはたとえば上記転写装置より下流側にス
チール製の板体等からなるスムージング装置を配設する
ようにしても良い。この塗布装置では、グラビアロール
に独立セルと微小独立セルが設けらていることで、スム
ージング装置がなくとも十分表面平滑な塗膜が形成でき
るが、スムージング装置を併用すると、より一層表面性
に優れた塗膜が形成されることになる。
【0045】以上のような塗布装置で塗布される磁性塗
料は、磁性粉末と結合剤を有機溶媒とともに分散、混練
して調製されるものである。この磁性塗料の材料として
は、塗布型の磁気記録媒体において通常用いられている
ものがいずれも使用可能である。
【0046】磁性粉末としては、たとえばFe、Co、
Ni等の金属材料、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−A
l、Fe−Ni−Al、Fe−Al−P、Fe−Ni−
Si−Al、Fe−Ni−Si−Al−Mn、Fe−M
n−Zn、Fe−Ni−Zn、Co−Ni、Co−P、
Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co
−B、Mn−B、Mn−Al、Fe−Co−V等の合金
材料、あるいは窒化鉄、炭化鉄等よりなる粉末が挙げら
れる。
【0047】これら磁性粉末には、還元時の焼結防止ま
たは形状維持等の目的でAl、Si、P、B等の軽金属
元素が適当量添加されていても構わない。
【0048】また、この他、磁性粉末としては、γ−F
23、Fe34、γ−Fe23とFe34とのベルト
ライド化合物、Co含有γ−Fe23、Co含有Fe3
4、Co含有γ−Fe23とCo含有Fe34とのベ
ルトライド化合物、さらにはCrO2に1種またはそれ
以上の金属元素、たとえばTe、Sb、Fe、Biなど
を含有させた酸化物等も使用可能である。
【0049】なお、これら磁性粉末は、単独で用いても
2種類以上を組み合わせて用いてもいずれでも良い。
【0050】結合剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂がいずれも使用可能である。
【0051】熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エスエル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸
エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エス
テル−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル、塩化ビニ
リデン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、
ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレンブ
タジエン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ酸、合成
ゴム等がある。
【0052】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アル
キッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂等があ
る。
【0053】磁性塗料には、これら磁性粉末や結合剤の
他、必要に応じて潤滑剤、非磁性補強粒子、導電性粒
子、界面活性剤等を添加剤として添加してもよい。
【0054】潤滑剤としては、黒鉛、二流化モリブデ
ン、シリコーンオイル、炭素数が10〜22の脂肪酸、
炭素数が10〜22の脂肪酸と炭素数が2〜26のアル
コールからなる脂肪酸エスエル、テレペン系化合物、テ
レペン系化合物、ならびにこれらのオリゴマーなどが挙
げられる。
【0055】非磁性補強粒子としては、酸化アルミニウ
ム、酸化クロム、炭化硅素、窒化ホウ素等が挙げられ
る。非磁性補強粒子は、磁性粉末100重量部に対して
20重量部以下、好ましくは10重量部以下の割合で添
加するのが望ましい。その平均粒子径は1.0μm以
下、好ましくは0.5μm以下がよい。
【0056】導電性粒子としては、カーボンブラック、
黒鉛、その他金属粒子等がある。
【0057】界面活性剤としては、ノニオン系、アニオ
ン系、カチオン系、両性の界面活性剤がある。
【0058】また、これら材料を塗料化するための溶剤
は、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノ
ール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリ
コールアセテート等のエステル系溶媒、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、2−エトキシエタノール等の
エーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素系溶媒などが使用できる。
【0059】磁性塗料は、以上ような材料を混合し、分
散、混練することで調製される。この分散、混練には、
ロールミル、ボールミル、サンドミル、アジター、ニー
ダー、エクストリューダー、ホモジナイザー超音波分散
機等が用いられる。
【0060】また、磁性塗料を塗布する非磁性支持体と
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン類、ビニル系樹脂、ポリアミド
類、ポリカーボネート類に代表されるような高分子材料
などにより形成される支持体等が挙げられる。
【0061】磁気記録媒体には、通常、磁性層の他に、
走行性の向上や帯電防止および転写防止等を目的とし
て、非磁性支持体の磁性層を形成する側とは反対側の面
にバックコート層が形成されたり非磁性支持体と磁性層
の間にアンダーコート層が形成されたり、さらには磁性
層の表面にトップコート層等が形成されて構成される。
これらバックコート層、アンダーコート層、トップコー
ト層の形成を上記塗布装置で行っても勿論良い。上記塗
布装置は、幅広い構造粘性の塗料に対応でき、これら各
層の形成に用いた場合にも、磁性層の場合と同様、良好
な表面平滑性を得ることができる。なお、各層の材料
は、一般に用いられているものがいずれも使用可能であ
る。
【0062】次に、実際に、上記塗布装置を用いて磁性
塗料、アンダーコート塗料あるいはバックコート塗料
を、ポリエチレンテレフタレート製の非磁性支持体上に
塗布した(実験例1〜実験例4)。そして、その際のエ
ンボスの発生状況及び塗料の転写性を評価した。
【0063】なお、磁性塗料は、磁性粉末となるCo被
着γ−Fe23または金属性粉末と、結合剤となる塩化
ビニル系共重合体とポリウレタン系樹脂の混合樹脂を、
メチルエチルケトン、トルエン及びシクロヘキサノンの
混合溶媒とともに分散、混練し、さらにレシチン等の添
加剤を添加することで調製したものである。この磁性塗
料の粘度は、2800〜3200cpsである。
【0064】アンダーコート塗料は、エマルジョンを主
成分とするものであり、粘度は10〜50cpsであ
る。
【0065】バックコート塗料は、カーボンブラックを
主成分とするものであり、粘度は100〜180cps
である。
【0066】グラビアロールは、亀甲型の独立セルが形
成され、各独立セルの間の稜部全体に微小セルが連続し
て形成された、図2に示すセルパターンのものである。
【0067】塗布速度は、350m/分あるいは450
m/分に設定した。
【0068】また、エンボスの発生状況及び塗料の転写
性は目視及び顕微鏡観察によって調べた。その評価結果
を、塗料の種類及びグラビアロールのセルパターンと併
せて表1に示す。
【0069】表中、エンボスの評価結果において、
「×」は塗膜表面にエンボスが確認される場合(平滑性
不良)、「△」は塗膜表面の平滑性が実用限界である場
合、「○」は、塗膜表面の平滑性が良好である場合をそ
れぞれ示す。転写性の評価結果において、「×」は塗膜
に欠け(凹部)やピンホールが多く認められ、平滑性が
失われている場合、「△」は塗膜に欠けやピンホールが
多少認められ、平滑性が実用限度である場合、「○」は
塗膜に欠けやピンホールが認められず、平滑性が良好で
ある場合をそれぞれ示す。
【0070】また、比較のため、稜部が互いに交差する
位置にのみ微小セルが形成されたグラビアロールあるい
は亀甲型の独立セルのみが形成されたグラビアロールを
用い、同様にして磁性塗料、アンダーコート塗料を非磁
性支持体上に塗布した(実験例5〜実験例12)。その
場合のエンボスの発生状況および転写性の評価結果も表
1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】表1に示すように、各独立セルの間の稜部
全体に独立セルが連続して隙間なく形成されているグラ
ビアロールを用いて塗料を塗布した実験例1〜実験例4
では、塗布速度を450m/分と高速としても、塗膜表
面にエンボスがほとんど認められず表面平滑な塗膜が形
成される。
【0073】これに対して、独立セルのみが形成された
グラビアロールを用いて塗料を塗布した実験例9〜実験
例12では、塗布速度が350m/分であっても、塗膜
表面に非常に多くにエンボスが観察され、平滑不良にな
っている。また、稜部が互いに交差する位置のみ微小セ
ルが形成されているグラビアロールを用いて塗料を塗布
した実験例5〜実験例8では、実験例9〜実験例12の
場合に比べれば、改善されているものの、やはり塗膜表
面にエンボスが観察され、平滑性が不十分である。
【0074】このことから、セルパターンの稜部に微小
セルが形成されたグラビアロールを用いることは、塗料
の種類を問わず、平滑性に優れた塗膜を形成する上で有
効であることがわかった。但し、この微小セルはたとえ
ば稜部が互いに交差する位置にのみ形成するというよう
に、余り少ない数で形成しても意味がなく、ある程度以
上の密度が必要であることがわかった。
【0075】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、ダイレクトグラビア方式によって塗料を塗布す
るに際し、グラビアロールとして、表面にセルパターン
が形成されるとともに、このセルパターンの稜部に微小
セルが形成されたものを用いるので、塗布速度を350
m/分以上の高速にした場合でも、良好な転写率が得ら
れるとともにエンボスが抑えられ、塗布ムラのない平滑
性に優れた塗膜を形成することができる。また、この効
果は、塗料の粘度を問わず発揮される。したがって、例
えば磁気記録媒体の製造や印刷の分野等、各種分野で使
用でき、製品の品質向上に大いに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した塗布装置の1構成例を示す模
式図である。
【図2】亀甲型の独立セルと微小セルを示す要部拡大平
面図である。
【図3】図2に示す独立セル及び微小セルの断面図であ
る。
【図4】微小セルの他の形成パターンを示す要部拡大平
面図である。
【図5】微小セルのさらに他の形成パターンを示す要部
拡大平面図である。
【図6】格子型の独立セルと微小セルを示す要部拡大平
面図である。
【図7】図6に示す独立セル及び微小セルの断面図であ
る。
【図8】台形型の独立セルと微小セルを示す要部拡大平
面図である。
【図9】図8に示す独立セル及び微小セルの断面図であ
る。
【図10】連続した斜線セルと微小セルを示す平面図で
ある
【図11】連続した斜線セルパターンを示す平面図であ
る。
【図12】格子型の独立セルよりなるセルパターンを示
す平面図である。
【図13】台形型の独立セルよりなるセルパターンを示
す平面図である。
【図14】亀甲型の独立セルよりなるセルパターンを示
す平面図である。
【符号の説明】
1 グラビアロール 2 支持体 7 塗料 10 独立セル 11,15 稜部 12 微小セル 14 連続した斜線セル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転しているグラビアロールに塗料を供
    給し、連続走行している支持体をこのグラビアロールに
    圧着させることによって、支持体上に塗料を塗布する塗
    布方法において、 上記グラビアロールとして、表面にセルパターンが形成
    されるとともに、このセルパターンの稜部に微小セルが
    形成されたものを用いることを特徴とする塗布方法。
  2. 【請求項2】 回転しているグラビアロールに塗料を供
    給し、連続走行している非磁性支持体をこのグラビアロ
    ールに圧着させることによって、非磁性支持体上に塗料
    を塗布する磁気記録媒体の製造方法において、 上記グラビアロールとして、表面にセルパターンが形成
    されるとともに、このセルパターンの稜部に微小セルが
    形成されたものを用いることを特徴とする磁気記録媒体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 微小セルが、セルパターンの稜部全体に
    形成されていることを特徴とする請求項2記載の磁気記
    録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 グラビアロールのセルパターンが、連続
    した斜線パターンであることを特徴とする請求項2記載
    の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 グラビアロールのセルパターンが、多数
    の独立セルからなるセルパターンであることを特徴とす
    る請求項2記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 セルパターンの稜部の表面粗さRaが、
    0.1μm以下であり、この稜部に微小セルが形成され
    ていることを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒体の
    製造方法。
JP4056695A 1995-02-28 1995-02-28 塗布方法及び磁気記録媒体の製造方法 Pending JPH08229498A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015044135A (ja) * 2013-08-27 2015-03-12 東レ株式会社 コーティング方法およびコーティング装置
JP2018130698A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 日新製鋼株式会社 グラビアロール
JP2021041362A (ja) * 2019-09-12 2021-03-18 日本製鉄株式会社 グラビアロール及びそれを用いた塗工物の製造方法

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