JPH10151396A - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JPH10151396A
JPH10151396A JP8324765A JP32476596A JPH10151396A JP H10151396 A JPH10151396 A JP H10151396A JP 8324765 A JP8324765 A JP 8324765A JP 32476596 A JP32476596 A JP 32476596A JP H10151396 A JPH10151396 A JP H10151396A
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JP
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magnetic
coating
support
magnetic field
smoother
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JP8324765A
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Toshio Hikichi
敏夫 引地
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Sony Corp
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/842Coating a support with a liquid magnetic dispersion
    • G11B5/845Coating a support with a liquid magnetic dispersion in a magnetic field
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C11/00Component parts, details or accessories not specifically provided for in groups B05C1/00 - B05C9/00
    • B05C11/02Apparatus for spreading or distributing liquids or other fluent materials already applied to a surface ; Controlling means therefor; Control of the thickness of a coating by spreading or distributing liquids or other fluent materials already applied to the coated surface
    • B05C11/023Apparatus for spreading or distributing liquids or other fluent materials already applied to a surface
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C5/00Apparatus in which liquid or other fluent material is projected, poured or allowed to flow on to the surface of the work
    • B05C5/02Apparatus in which liquid or other fluent material is projected, poured or allowed to flow on to the surface of the work the liquid or other fluent material being discharged through an outlet orifice by pressure, e.g. from an outlet device in contact or almost in contact, with the work
    • B05C5/0254Coating heads with slot-shaped outlet

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  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布厚むらのない平坦な磁性層の塗布面を作
業性良く形成できる塗布装置を提供すること。 【解決手段】 エクストルージョン・ダイ1による磁性
塗料3Aの塗布位置の下流側の非塗布面側において、平
板状の磁石15がベースフィルム19の走行方向Rに沿
って多数積層された磁場発生体12Aをベースフィルム
19の走行方向Rに対し45度〜85度傾斜させて配置
する。これにより、磁性層3の塗布面の凹凸が平滑化さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布装置に関し、
例えば、オーディオテープ、ビデオテープ等に用いられ
る磁気記録媒体の磁性層等の塗布に好適な塗布装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】オーディオ装置やビデオ装置、コンピュ
ータ装置などで用いられる記録媒体としては、磁性粉
末、結合剤及び各種添加剤を有機溶媒に分散、混練する
ことによって調製される磁性塗料を非磁性支持体上に塗
布、乾燥して磁性層を形成した、いわゆる塗布型の磁気
記録媒体が、生産性、汎用性に優れることから主流を占
めている。
【0003】これまで、磁性層を塗布する方法として
は、グラビアロールを用いたグラビア・コーティング方
式が採用されているが、塗布速度や均一塗布の面で不十
分なことが多い。そこで、磁性塗料をスリットから押し
出して塗布するエクストルージョン・ダイを用いたダイ
・コーティング方式が、塗布量の制御性や均一性を保持
しながら塗布速度を増大させる上で有利であり、近時採
用されることが多くなっている。
【0004】塗布型の磁気記録媒体においては、電磁変
換特性を向上させるために、非磁性支持体上への磁性塗
料の塗布後に、未乾燥状態で磁性層の表面平滑化処理が
行われている。即ち、非磁性ベースフィルム上に塗布さ
れる磁性層の表面が適度な表面性を呈していない場合、
特に磁性層の塗布むらに伴う塗布厚の不均一は信号の記
録性能の低下を生じるため、表面平滑化手段としてのバ
ースムーザーを塗布面に機械的に接触させて表面を平滑
化させる技術が一般に知られている。
【0005】特に、上記したエクストルージョン・ダイ
による塗布方式は、ダイを固定した位置で塗布すること
から、塗布層の表面に非磁性ベースフィルム走行方向に
おいて微細な縦スジ状の面荒れが生じ易い。この面荒れ
は、塗布部で塗料が受ける剪断の大きさに依存し、ダイ
をベースフィルムに接触させて塗布する接触式よりも非
接触式の方が面荒れが生じ易い。しかも、これは、磁気
記録媒体の高記録密度化に伴う磁性粉の微粉末化のため
に塗料の凝集性が増大することによって更に助長され、
ダイ・コーティングではその影響が大きい。
【0006】そこで、こうしたダイ・コーティング方式
において、塗布面の平滑化のために、ダイとバースムー
ザーを組み合わせること(特に、非接触式のダイ・コー
ティングの場合)が必要となる。
【0007】しかし、バースムーザーによる塗布面の平
滑化は次の〜の如き問題点を有し、なお改善の余地
がある。
【0008】.塗料と接触するスムーザー部に異物が
捕獲されることにより、塗布した磁性層の表面にスジが
発生する場合がある。 .塗布後に巻き取ってロール化する毎にスムーザーの
バーの面の清掃を要し、作業性が良くない。 .ベースフィルム両端において、バースムーザーのエ
ッジ部による非塗布部でのベースフィルムの削れや、乾
燥してバーに固着した塗料による塗布性の悪化が生じ易
い。
【0009】こうしたバースムーザーに代えて、特開昭
60−202542号公報には、磁石によるスムーザー
を磁性塗料のロール塗布部の下流側に配した方式が示さ
れている。
【0010】このようなマグネット方式のスムーザーを
用いると、磁性塗料の塗布面が一見平滑化されるように
思えるが、実際は、磁石を単にベースフィルム走行方向
と直角に配置しているために平滑化が不十分であり、磁
性層の表面性が向上しない。しかも、塗料をロール塗布
で行うために、上述したように塗布速度が遅く、均一塗
布性も悪くなり易い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な事情に鑑みてなされたものであり、従来のバースムー
ザーの上記した問題を解消し、塗布面が平坦で塗布厚む
らのない塗膜を高速に得ることのできる塗布装置を提供
することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した従
来技術の問題点につき鋭意検討を重ねた結果、連続的に
走行するフィルム(可撓性支持体)上にスリットから磁
気塗料を押し出しながら塗布するエクストルージョン型
(ダイ)塗布方式において、N極とS極の永久磁石をフ
ィルムの走行方向に交互に所定段積層させた平板状構造
の磁石ユニットを、塗布後でかつ配向前の未乾燥状態
で、フィルムを介して非塗布面側に配置し、さらにフィ
ルムの走行方向に対して所定の取付け角度で傾斜して配
することによって、未乾燥塗布面を十分に平滑化できる
ことを見出し、これによってスジやフィルム両端の不安
定塗布が無く、作業性の良い塗布装置を見出し、本発明
に到達したものである。
【0013】即ち、本発明は、連続的に走行する支持体
上に磁気材料を押し出しながら塗布するエクストルージ
ョン・ダイと、前記塗布の後に未乾燥状態のうちに前記
磁気材料の塗布面を磁場の作用下で平滑にするスムーザ
ーとを有し、前記支持体の走行方向に沿ってN極とS極
とが交互に積層された複数の磁石の積層体が前記スムー
ザーとして、前記支持体の前記塗布面とは反対側におい
て前記支持体とほぼ平行な面内で前記支持体の走行方向
に対し傾斜して配設されている塗布装置に係るものであ
る。
【0014】本発明の塗布装置によれば、エクストルー
ジョン・ダイによって支持体上に磁気材料を押し出し塗
布し、支持体の走行方向に対し傾斜して配設された複数
の磁石の積層体からなるスムーザーによって、塗布後の
未乾燥状態のうちに塗布面を磁場の作用下で平滑にして
いるので、このスムーザーによる磁場(磁力線)の作用
方向が支持体の走行方向に対し交差することになり、塗
布された磁気材料が上記磁場作用方向に流動し、この流
動によって磁気材料の塗布厚が支持体の走行方向と共
に、この走行方向と直行する支持体幅方向にも平均化
(スムージング)されることになる。こうした塗布面の
平滑化によって、エクストルージョン・ダイを用いる塗
布方式のもつ高速塗布性といった特長を十分に生かすこ
とができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明による塗布装置において
は、前記複数の磁石の積層体からなるスムーザーが前記
支持体の走行方向に対し±(45〜85)度で傾斜して
配設されているのが望ましい。この傾斜角度が上記範囲
を外れると、磁石積層体による磁場の作用が支持体幅方
向で弱くなり、支持体上での塗料の流動が乏しくなり、
平滑化が困難となる。
【0016】また、前記複数の磁石の積層体からなるス
ムーザーが、前記支持体の走行方向において順次配設さ
れた第1の磁石積層体と第2の磁石積層体とからなり、
これらの磁石積層体の前記支持体の走行方向に対する傾
斜角度が上記した±(45〜85)度の範囲で互いに異
なっていることが望ましい。
【0017】また、前記スムーザーを構成する平板状の
磁石を20〜100段に積層させることが望ましい。
【0018】この場合、磁石として永久磁石が望ましい
が、電磁石を用いてもかまわない。
【0019】前記エクストルージョン・ダイと前記支持
体とが非接触の状態で前記磁気材料が塗布される場合、
本発明による効果が顕著となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
が以下の実施例に限定されるものでないことは勿論であ
る。
【0021】図1は、本発明の第1の実施例による塗布
装置のスムーザー部の概略平面図である。図2〜図4
は、本実施例に係るスムーザー部の具体的な構成、及び
これに伴う現象やその原理を説明するための図である。
【0022】まず、図1は、磁性塗料の塗布部(ここで
は図示省略)の下流側において、ベースフィルム19に
対し、その非塗布面側にベースフィルム19と非接触で
かつほぼ平行な面内に配置された磁場発生体12Aを示
している。ベースフィルム19には後記のエクストルー
ジョン・ダイによって磁性塗料が塗布され、未乾燥の磁
性層3が形成され、走行方向R(又はx)に走行してい
る状態を示している。
【0023】磁場発生体12Aは、マグネット式スムー
ザーとして、平板状の永久磁石15が走行方向Rに沿っ
て20〜100段、例えば50段積層された積層体に構
成されたものである。この磁場発生体12Aの配置は、
その長さ方向がベースフィルム19の走行方向Rに対し
て角度+θ(例えば+45度)をなして傾斜している。
ここにおいて、時計方向へ回る角度を+θとし、反時計
方向への角度を−θとする。
【0024】この磁場発生体12Aは、例えば、平板状
のネオジウム合金(最大エネルギー積は46MGOe)
からなる永久磁石15(以下、磁石と称することがあ
る。)が50段積層されたものであり、図2(図1のII
−II線断面図)に示す如く、S極とN極とが方向Rに沿
って交互に隣接し、背部がヨーク14で固定され、前面
(ベースフィルム19との対向側)が保護膜14aで覆
われている。そして、保護膜14a側がベースフィルム
19に対し密着して、若しくは数mm以内の間隔をなし
て配設され、x及びy方向においてほぼ平行になってい
る。
【0025】なお、図3において、仮想線で示すように
ベースフィルム19の走行方向Rと直交した状態から実
線で示す傾斜角θの位置へ、磁場発生体12Aが回動可
能になっていてよく、またその傾斜角は調節可能になっ
ていてよい。
【0026】上記のように平板状の磁石15が多段に隣
接して配置されていることにより、これらの磁石15か
らは図4に示すように隣接する磁石15間の対接ライン
(図3のA方向)と直交する方向Bに沿って磁力線Fが
放出される。この磁力線Fは、ベースフィルム19を介
してその反対側に塗布された磁性塗料3に作用する。こ
の結果、塗布直後の液状態の磁性塗料3は、磁場発生体
12Aの磁力線Fによる磁気的吸引作用によって、隣接
する磁石5間の最大磁束密度を呈する領域(磁石間の対
接部)に対応する位置において盛り上がり、塗布面3a
に塗料ビード16を形成することになる。
【0027】そして、このビード16は、磁場発生体1
2Aと同じ例えば45度の角度で、上記磁石間の対接ラ
インに沿ってA方向に連続した凸状に磁性塗料の塗布面
に発生し、このようなビード16がベースフィルム19
の走行と共にあたかも転動して塗布面をならしていく。
【0028】この過程で、塗布面の微細なスジ状の凹凸
が存在していても、その凸部が凹部内に倒れ込み、これ
が磁石の段数に応じて多段に繰り返されるから、ベース
フィルムの幅方向を含む全面において塗布面の平滑化を
実現できる。
【0029】ここで、磁場発生体12Aのベースフィル
ム19の走行方向に対する傾斜角度が±(45度〜85
度)に形成されることが重要である。この角度で配設す
ることにより、磁性塗料3Aの未乾燥塗布面が十二分に
平滑化されることが各種の試験結果から得られている。
【0030】本実施例における上記のスムーザー部は、
磁性塗料をエクストルージョン・ダイ、特にマグネット
方式のエクストルージョン・ダイ(以下、ダイと称す
る。)により塗布する際に好適である。
【0031】このダイによる塗布には、ダイとベースフ
ィルムが接触しないで塗布する非接触方式と、ダイとベ
ースフィルムが接触しながら塗布する接触方式とがあ
り、いずれにも適用してよいが、非接触の場合には塗布
時の微細なスジ状の面荒れが生じ易いので、上記のスム
ーザーによる平滑化効果が大きい。接触式の場合には、
ダイの接触により塗布時にある程度の平滑化を図れる。
【0032】図5は、非接触方式のエクストルージョン
・ダイを用いるときの要部の概略断面図を示している。
【0033】ダイ1は図示の如く、フロントリップ5及
びバックリップ6により例えば160mmの幅に構成さ
れ、バックリップ6には塗料溜りとなるポケット2が設
けられ、このポケット2から吐出口にかけてスリット
(塗布幅は例えば110mm、スリットギャップは例え
ば260μm)4が形成され、塗料3Aはこのスリット
4を通って吐出される。
【0034】そして、上記のダイ1と所定間隔で対向し
て磁場発生体10が配されている。この磁場発生体10
は、磁石(ネオジウム合金の永久磁石を用いているが、
電磁石でもよい。)8がS20C相当の低炭素鋼からな
るヨーク(先端磁力は実測で最大磁束密度3800G)
7A、7Bに挟まれて閉磁路を構成している。
【0035】被塗布体であり、VHS用PET(ポリエ
チレンテレフタレート)からなるフィルム(幅は例えば
127mm、厚さは例えば14.5μm)19は、図5
のように、ダイ1と磁場発生体10との間を非接触で走
行し、鉛直方向に搬送されながら磁性塗料3Aが塗布さ
れる。
【0036】磁性塗料3Aは、塗布厚に対応する流量で
図示省略したポンプによって、乾燥後塗布厚が例えば1
〜2μmとなるように、張力が例えば3kg/幅、塗布
速度が例えば400m/分でポケット2へ供給される。
そして、前記した磁場発生体12Aからなるスムーザー
部は、ダイ1による塗布の直後の下流側に設けられてい
る。
【0037】これにより、ベースフィルム19の一方の
面に表面がスムージングされて平坦となった磁性塗膜3
が形成される。
【0038】本実施例における塗布装置には、上記した
ように、塗布部においてはダイ1と対向する位置にベー
スフィルム19を挟んで磁場発生体10が設けられてお
り、そのヨーク7A、7Bを経由して流れる磁石8の磁
力線fの作用により、ダイ1から吐出する磁性塗料3A
は磁場発生体10に引きつけられるようにしてフィルム
9の面に吸引、塗布されるので、塗布性が良く、また塗
布時に塗料3Aが垂れることもない。
【0039】上記したようにして磁性塗料3Aをベース
フィルム19上に塗布、平滑化、乾燥した後、所定幅に
裁断し、非磁性支持体上に、磁性層3を形成した磁気テ
ープを作製することができる。また、この磁性層とは反
対側の支持体面にはバックコート層が設けられてよい
し、磁性層上にはオーバーコート層を設けてよい。非磁
性支持体の表面には、磁性層の接着性を向上させるため
に、中間層又は下引層を設けてもよい。
【0040】なお、本発明に基づく磁気テープ等の磁気
記録媒体において、磁性塗料(又は磁性層)に使用され
る磁性粉末としては、従来から公知のものがいずれも使
用可能であって、酸化磁性粉末でもよく、金属磁性粉末
でもよい。
【0041】酸化磁性粉末としては、例えばγ−Fe2
3 、Co含有γ−Fe2 3 、Fe3 4 、Co含有
Fe3 4 、Co被着γ−Fe2 3 、Co被着Fe3
4、CrO2 等が挙げられる。
【0042】金属磁性粉末としては、例えば、Fe、C
o、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Co−N
i、Co−Ni、Fe−Co−B、Fe−Co−Cr−
B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co−V等が挙げ
られ、更にこれらの種々の特性を改善する目的でAl、
Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn等の金属成分が添
加されたものであってもよい。また、バリウムフェライ
ト等の六方晶系フェライトやFe5 2 等の炭化鉄、窒
化鉄等も使用可能である。
【0043】本発明の磁気記録媒体を構成する他の構成
要素は、通常の塗布型の磁気記録媒体で用いられている
ものがいずれも使用可能である。
【0044】例えば、磁性層に使用可能な結合剤として
は、変性又は非変性の塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル共
重合体等のビニル系共重合体、ポリエステルポリウレタ
ン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂等のポリウ
レタン樹脂、或いはポリエステル樹脂を使用又は混用す
ることができるし、更にニトロセルロース等の繊維素系
樹脂、フェノキシ樹脂或いは特定の使用方式を有する熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬
化型樹脂等を併用しても良い。
【0045】上記の変性のために導入される基として
は、磁性粉の分散性向上を図れる−SO3 M、−OSO
3 M、−COOM、−PO(OM’)2 等であってよい
(MはNa等のアルカリ金属原子、M’は同アルカリ金
属原子又はアルキル基)。
【0046】また、磁性層には、磁性粉末、結合剤の他
に、必要に応じて、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等の添
加剤が添加されていてもよい。これら添加剤としては、
従来公知の材料がいずれも使用可能であり、何ら限定さ
れるものではない。
【0047】また、磁性層には更に、必要に応じてレシ
チン等の分散剤、カーボンブラック等の帯電防止剤、ア
ルミナ等の研磨剤、防錆剤等が加えられてもよい。これ
らの分散剤、帯電防止剤、研磨剤及び防錆剤としては、
従来公知の材料がいずれも使用可能であり、何ら限定さ
れるものではない。
【0048】また、磁性層は通常、非磁性支持体上に形
成されるが、使用可能な非磁性支持体としては、ポリエ
チレンテレフタレート以外に、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセ
テート、セルロースダイアセテート、セルロースブチレ
ート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリアミド、ポリアミド
イミド、ポリカーボネート等のプラスチック等が挙げら
れる。
【0049】非磁性支持体上に磁性層を形成するには、
上記磁性粉末を、結合剤、潤滑剤や有機溶剤、各種添加
剤と共に磁性塗料とし、この磁性塗料を非磁性支持体上
に塗布することによって実現できる。必要な場合に設け
るバックコート層やトップコート層は、公知の材料及び
方法で形成可能である。
【0050】図6は、本発明の第2の実施例による塗布
装置のスムーザー部を示し、(a)はその平面図、
(b)は(a)のb−b線断面図であり、図1に対応す
る部分を表している。
【0051】図示の如く、本実施例においては、塗布部
からみて第1の磁場発生体12とその下流側の第2の磁
場発生体13とを順次配設したものである。そして、こ
の場合は、上記した第1の実施例と同じ平板状の永久磁
石15が、いずれも例えば25段に積層され、第1の磁
場発生体12はベースフィルム19の走行方向Rに対し
時計方向に+θ:65度で傾斜し、第2の磁場発生体1
3は反時計方向に−θ:85度で傾斜している。
【0052】更に、本実施例によるスムーザーは大量生
産向きであり、ベースフィルム幅Wが例えば620m
m、フィルム張力が例えば12kgで、例えば400〜
900m/分で走行するものである。
【0053】そして、第1の磁場発生体12はガイドロ
ーラー11a、11b間に、第2の磁場発生体13はガ
イドローラー11b、11c間に配置され、ベースフィ
ルム19の非塗布面との間隙Cは例えば0.5mm以内
でほぼ平行に保たれている。
【0054】ここで、第1の磁場発生体12及び第2の
磁場発生体13のベースフィルム19の走行方向に対す
る傾斜角度が±(45度〜85度)に形成されることが
重要である。この角度で配設することにより、磁性塗料
3Aの未乾燥塗布面が十二分に平滑化され、スジやフィ
ルム両端での不安定塗布がなく、作業性良く塗布を行え
ることが各種の試験結果から得られている。
【0055】図7は、本実施例による塗布方法を実施す
るダイ1及び磁場発生体10を含む要部の断面図であ
る。
【0056】本実施例による塗布装置は、上述した第1
の実施例よりは大型に構成され、ダイ1も幅が例えば7
00mm、塗布幅も例えば610mmと大きいが、ダイ
1及び磁場発生体10の構造や作用は上記した第1の実
施例の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0057】本実施例においては、ダイ1による磁気塗
料の塗布直後に、第1の磁場発生体12によりある程度
平滑化された磁性層3の表面3aが、第1の磁場発生体
12とは逆方向に傾斜して配された第2の磁場発生体1
3により一層平滑化されることになる。
【0058】即ち、図4に示したようなビード16が磁
場発生体12と13とで互いに逆向きに生じることとな
り、磁性塗料の流動化がフィルム19上で多様な方向に
生じるため、一層平滑化が促進されるものと考えられ
る。このため、磁気テープの特性及び塗料の磁気・粘性
特性によって図1のような1つの磁場発生体12Aでは
平滑化効果が少ない場合、複数の磁場発生体12及び1
3の上記した作用によって、十分な平滑化が可能となる
のである。
【0059】次に、上記した各実施例による塗布を具体
的に実施した例を説明する。
【0060】図8は、ベースフィルムに塗布により形成
された磁性層3の最大粗度SRmaxと、第1の実施例に
おける磁場発生体12A(但し、ベースフィルム走行方
向に対する傾斜角度θは+45度)を構成する平板状の
磁石の積層段数との関係を示すグラフである。
【0061】即ち、磁石を用いない場合の最大粗度(1
50nm)に対し、VHS方式の電磁変換特性で許容さ
れた塗布面粗度のレベル(約110nm)は、平板状の
磁石が20段積層されることにより得られる。そして、
磁石数を増して50段にすれば、更に最大粗度が緩和さ
れて約96nm程度となり、それ以上であれば既述した
バースムーザーを用いる場合と同等の良好な結果を示
し、ほぼ変化しなくなるという傾向曲線18が得られ
た。従って、磁石の積層段数は20段以上とするのが望
ましく、また実用的には100段以下が望ましい。
【0062】図8に示す結果において、磁石積層段数が
50段のときの約96nmの最大粗度は、現行の塗布面
平滑化方式で最も優れているとされているバースムーザ
ーによって得られる塗布面粗度にほぼ相当するものであ
る。これは、第1の実施例による塗布面平滑化方式はそ
れに匹敵する性能を有していることの証明であり、第1
の実施例の磁石積層数を50段としている所以である。
これは、第2の実施例でも同様であり、2本の磁場発生
体の磁石積層数をトータルで50段(1本では25段)
とするのがよい。
【0063】次に、上記した各実施例における塗布は、
具体的には下記の表1に示す条件で行ったものである。
【0064】 表1A(塗布部) ──────────────────────────────────── 分類 項目 第1の実施例 第2の実施例 ──────────────────────────────────── ダイ1 塗布方式 非接触式のエクストルージョン型塗布方式 ダイ幅 160mm 700mm 塗布幅 110mm 610mm スリット隙間 260μm 260μm 磁場 磁石8 ネオジウム合金磁石(30MGOe) 発生体10 ヨーク7A、7B 材質:低炭素鋼(S20C) 磁力:ヨーク先端で3800ガウス ──────────────────────────────────── 磁気塗料 VHS用塗料(磁性粉:Fe系 3A バインダー:塩化ビニル系重合体、 ポリウレタン フィラー:アルミナ等) ベースフ VHS用ポリエチレンテレフタレート ィルム19 フィルム 幅 127mm 620mm 厚さ 14.5μm 14.5μm ──────────────────────────────────── 塗布条件 フィルム張力 3kg 12kg 走行速度 400m/分 400m〜900m/分 フィルム/ダイ 1mm 1mm 間の間隔 フィルム/ヨーク 0.5mm 0.5mm 間の間隔 ────────────────────────────────────
【0065】 表1B(塗布面平滑用の磁場発生体(マグネット式スムーザー)) ──────────────────────────────────── 分類 項目 第1の実施例 第2の実施例 ──────────────────────────────────── 磁石15 ネオジウム合金磁石(46MGOe) ──────────────────────────────────── 有効磁力幅 300mm 850mm ──────────────────────────────────── 磁石段数 50段×1ユニット 25段×2ユニット ──────────────────────────────────── 取り付け フィルム走行方向と +90°、+45° 条件 なす角度θ 第1磁場発生体12:+65° 第2磁場発生体13:−85° ─────────────────────────────── 位置 フィルム裏面(未塗布面)に0〜0.5mm の 隙間で設置→走行塗布中に接触することも あり ────────────────────────────────────
【0066】上記の各実施例による磁場発生体のフィル
ム走行方向に対する取り付け角度別の各種の特性を測定
し、最も特性が良いとされているバースムーザーによる
性能及び何ら平滑処理をしない場合を同じ測定方法によ
り測定した。その結果は下記表2に示す(なお、ビデオ
特性においてレファレンステープはVHS用塗布テー
プ)。
【0067】 表2 ──────────────────────────────────── 項目/サンプル 1 2 3 4 5 ──────────────────────────────────── 磁石角度 磁石角度 磁石角度 バースム 平滑手段 90° 45° (+65°、 ーザー なし -85°) ──────────────────────────────────── RF-OUT (dB) -1.1 -0.8 -0.7 -0.6 -2.3 SRmax(TD) (nm) 128.75 96.25 95.32 95.0 151.25 SRz (TD) (nm) 101.25 81.25 80.14 79.25 117.0 SRa (TD) (nm) 7.3728 6.9324 6.2250 5.8210 13.3004 ────────────────────────────────────
【0068】上記の測定結果から、磁場発生体をベース
フィルムの走行方向に対し、+45度、又は+65度及
び−85度に傾斜させた場合に得られた各テープの特性
は、直交させた場合やスムーザーなしの場合に比べて著
しく良好であり、しかも、従来から最も良いとされてい
るバースムーザーにより平滑化した場合とほぼ匹敵して
いることが顕著に現れている。
【0069】以上の結果から、本実施例によれば、次の
顕著な効果を得ることができる。 .塗布面が改善され、品質規格を安定に維持できる。 .スジの発生はなく、安定した品質を確保できる。 .フィルム両端の未塗布部でのフィルム削れがなく、
スジや不安定塗布が解消する。 .巻取りロール毎の清掃が皆無となり、連続塗布を持
続できる(塗布作業の軽減に寄与)。
【0070】このように、本発明に基づけば、磁気テー
プのエクストルージョン型(ダイ)塗布層装置に未乾燥
塗布面を平滑化する磁石ユニットを具備したことによ
り、高品質な塗布面に加えて作業性が良く、かつ高速性
に優れた塗布装置を得ることができる。
【0071】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基づいて種々に変形す
ることができる。
【0072】例えば、実施例では塗布面を平滑化させる
ための磁場発生体12、12A、13をベースフィルム
19の非塗布面側に離して設けてよいし、接触させても
よい。また、それらの磁場発生体は塗布面側に設けるこ
ともできる。
【0073】また、上述の実施例においては、磁場発生
体12、12A、13の磁石15又はその磁場Fの強さ
を同一にしたがベースフィルム19の走行方向に変化さ
せてもよい。即ち、平板状磁石15が上流側は積層段数
を粗くし、下流側を多層にしてもよく、上流側と下流側
との磁力の強さを変化させることもできる。
【0074】また、実施例では磁場発生体の数を1個又
は向きを変えて2個配置したが、3個以上としてもよ
く、平板状の磁石15の積層段数も上述の実施例に限定
されるものではない。磁場発生体の個数や積層数は、要
求される磁気記録媒体の特性や磁気塗料の磁気又は粘度
特性によって変化させてよく、例えば1つの磁場発生体
で効果が弱ければ、図6のように複数個を配置すること
がよい。
【0075】また、磁場発生体12、12A、13のベ
ースフィルム19の走行方向との角度も上述の実施例に
限らず、適宜の角度を採ることもできる。例えば、磁場
発生体を固定してよいが、固定せずに、ある角度範囲で
角度変化するような方式であってもよい。
【0076】また、磁場発生体12、12A、13の形
状や構成も、上述した実施例以外に適宜にすることがで
き、ダイ1や磁場発生体の形状や構成材料も適宜に採用
することができる。磁石としては、永久磁石に限らず、
電磁石等でもよい。また、上述した磁場発生体10は必
ずしも設けることを要せず、通常のエクストルージョン
・ダイ方式で塗布してもよい。
【0077】また、本発明は上述した磁気テープのほ
か、あらゆるテープ形状の磁気記録媒体についても有効
であり、また、原反から所定形状に裁断されて製造され
るフロッピーディスク等の磁気ディスクや磁気カード等
の磁気シートにも本発明が同様に適用可能である。
【0078】
【発明の作用効果】本発明は、上述した如く、エクスト
ルージョン・ダイによって支持体上に磁気材料を押し出
し塗布し、支持体の走行方向に対し傾斜して配設された
複数の磁石の積層体からなるスムーザーによって、塗布
後の未乾燥状態のうちに塗布面を磁場の作用下で平滑に
しているので、このスムーザーによる磁場(磁力線)の
作用方向が支持体の走行方向に対し交差することにな
り、塗布された磁気材料が上記磁場作用方向に流動し、
この流動によって磁気材料の塗布厚が支持体の走行方向
と共に、この走行方向と直交する支持体幅方向にも平均
化されることになる。そして、エクストルージョン・ダ
イを用いる塗布方式の特長である高速塗布性等を十分に
生かすことができる。
【0079】従って、本発明によれば、ビデオ用やオー
ディオ用の磁気テープに適用する場合は、フィルムに塗
布して形成される磁性層に厚みむらが少なく、平坦とな
るため、磁気特性、電磁変換特性、表面性に優れた良質
の磁気テープを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による塗布装置のスムー
ザー部を示す概略平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】同塗布装置の磁場発生体の取り付け可能な角度
を示す概略平面図(但し、図1を90度回転させた状態
で示した図)である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う一部分の拡大断面図であ
り、磁力線の作用による現象を示す図である。
【図5】同塗布装置の非接触方式による塗布部とスムー
ザー部を示す概略断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例による塗布装置のスムー
ザー部を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のb−
b線断面図である。
【図7】同塗布装置の塗布部とスムーザー部とを示す概
略断面図である。
【図8】磁石段数に応じて変化する塗布面最大粗度を示
すグラフである。
【符号の説明】
1…エクストルージョン・ダイ、3…磁性層、3A…磁
性塗料又は磁気塗料、3a…塗布面、4…スリット、5
…フロントリップ、6…バックリップ、7A、7B…ヨ
ーク、8、15…磁石、10、12A…磁場発生体、1
2…第1磁場発生体、13…第2磁場発生体、16…ビ
ード、18…塗布面粗度、19…ベースフィルム、F、
f…磁力線、θ…傾斜角、R…走行方向

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に走行する支持体上に磁気材料を
    押し出しながら塗布するエクストルージョン・ダイと、
    前記塗布の後に未乾燥状態のうちに前記磁気材料の塗布
    面を磁場の作用下で平滑にするスムーザーとを有し、前
    記支持体の走行方向に沿ってN極とS極とが交互に積層
    された複数の磁石の積層体が前記スムーザーとして、前
    記支持体の前記塗布面とは反対側において前記支持体と
    ほぼ平行な面内で前記支持体の走行方向に対し傾斜して
    配設されている塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の磁石の積層体からなるスムー
    ザーが前記支持体の走行方向に対し±(45〜85)度
    で傾斜して配設されている、請求項1に記載した装置。
  3. 【請求項3】 前記スムーザーを構成する平板状の磁石
    が20〜100段に積層されている、請求項1に記載し
    た装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の磁石の積層体からなるスムー
    ザーが、前記支持体の走行方向において順次配設された
    第1の磁石積層体と第2の磁石積層体とからなり、これ
    らの磁石積層体の前記支持体の走行方向に対する傾斜角
    度が互いに異なっている、請求項1〜3のいずれか1項
    に記載した装置。
  5. 【請求項5】 前記エクストルージョン・ダイと前記支
    持体とが非接触の状態で前記磁気材料が塗布される、請
    求項1に記載した装置。
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