WO2021192874A1 - 塗布装置、印刷装置及び塗布方法 - Google Patents

塗布装置、印刷装置及び塗布方法 Download PDF

Info

Publication number
WO2021192874A1
WO2021192874A1 PCT/JP2021/008272 JP2021008272W WO2021192874A1 WO 2021192874 A1 WO2021192874 A1 WO 2021192874A1 JP 2021008272 W JP2021008272 W JP 2021008272W WO 2021192874 A1 WO2021192874 A1 WO 2021192874A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
base material
gravure roll
roll
less
aqueous liquid
Prior art date
Application number
PCT/JP2021/008272
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
森本 賢治
憲亮 毎田
河崎 英敏
田代 勝巳
Original Assignee
富士フイルム株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 富士フイルム株式会社 filed Critical 富士フイルム株式会社
Publication of WO2021192874A1 publication Critical patent/WO2021192874A1/ja

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C1/00Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating
    • B05C1/04Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length
    • B05C1/08Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length using a roller or other rotating member which contacts the work along a generating line
    • B05C1/12Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length using a roller or other rotating member which contacts the work along a generating line the work being fed round the roller
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D1/00Processes for applying liquids or other fluent materials
    • B05D1/28Processes for applying liquids or other fluent materials performed by transfer from the surfaces of elements carrying the liquid or other fluent material, e.g. brushes, pads, rollers

Definitions

  • the surface free energy of the gravure roll 11 is preferably about the same as the surface free energy of the base material 20. Therefore, the surface free energy of the gravure roll 11 is preferably 40 mJ / m 2 or more and 70 mJ / m 2 or less.
  • the surface free energy of the gravure roll 11 becomes excessively smaller than the surface free energy of the base material 20, the amount of the liquid 30 applied to the surface of the base material 20 becomes excessive, and the layer of the liquid 30 on the base material 20 becomes excessive. It becomes difficult to control the thickness to a desired layer thickness.
  • FIG. 6 is a diagram showing an example of the configuration of the printing apparatus 100 according to the embodiment of the disclosed technology.
  • the printing device 100 includes the above-mentioned coating device 10.
  • the printing device 100 is an inkjet printer that forms an image by ejecting droplets of water-based ink onto the surface of a non-permeable base material 20 such as a resin film by an inkjet method.

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

塗布装置(10)は、表面に水性液を保持するための凹凸構造を備えたグラビアロール(11)と、グラビアロール(11)との間に基材(20)を挟むバックアップロール(12)と、基材(20)の、グラビアロール(11)とバックアップロール(12)とによって挟まれる部分であるニップ部(40)よりも基材(20)の搬送方向の下流側の一部分を、グラビアロール(11)の表面に接触させつつ基材20を搬送するパスロール(13)と、を含む。グラビアロール(11)の表面の、基材(20)の上記一部分と接触する領域が、グラビアロール(11)の表面における中心角10°以上45°以下の円弧領域である。

Description

塗布装置、印刷装置及び塗布方法
 開示の技術は、塗布装置、印刷装置及び塗布方法に関する。
 ダイレクトグラビア方式を適用した塗布装置に関する技術として、以下の技術が知られている。特表平10-504674号公報には、グラビアロールと、バックアップロールと、支持部材をグラビアロールの所定の円弧上に亘って強制的に接触させ、流体の分散剤をグラビアロールから支持部材に転写させる強制接触手段、とを備えた塗布装置が記載されている。強制接触手段は、グラビアロールの下流に位置するテイクオフアイドルロールと、テイクオフアイドルロールを、グラビアロールとバックアップロールとの中心を結ぶ線に直角な線に対して-20°~20°のテイクオフ角度αの位置に調整する位置調整手段とを備える。位置調整手段は、支持部材をグラビアロールの円弧3~6°に亘って強制的に接触させるように調整可能である。
 インクジェット方式の印刷装置を用いて、樹脂フィルム等の非浸透性の基材の表面に水性インクを吐出して高精細な画像を形成するために、水性インクとの化学反応によって水性インクに含まれる色材を凝集させる機能を有する水性の処理液をインク吐出前に非浸透の基材の表面に塗布することが行われている。水性の処理液は、非浸透性の基材の表面に、2μm以下の厚さで均一に塗布することが好ましい。しかしながら、非浸透性の基材は、水性の処理液に対して撥水性を有するため、基材の表面に水性の処理液を薄く且つ均一に塗布することは容易ではない。
 ここで、基材の表面に液体を塗布する方式としてダイレクトグラビア方式が知られている。ダイレクトグラビア方式を適用した塗布装置は、表面に液体を保持するための凹凸構造を備えたグラビアロールと、グラビアロールとの間に基材を挟むバックアップロールとを備える。グラビアロールの表面に保持された液体は、グラビアロールとバックアップロールとが基材を間に挟む部分であるニップ部において基材の表面に転写される。
 水性インクを凝集させる機能を有する水性の処理液を、ダイレクトグラビア方式を適用した塗布装置を用いて塗布すると、水性の処理液は、筋状のむらを有した状態で基材の表面に形成されることがある。筋状のむらが発生する原因は、グラビアロールの表面に形成された凹凸構造に空気が巻き込まれやすく、これによって基材の表面に転写された処理液の液滴が分断され、処理液の液滴同士が結合する前に処理液が乾燥してしまうことによるものと考えられる。水性の処理液を薄く形成する場合及び基材の搬送速度が高速である場合に筋状のむらは、より顕著となる。
 開示の技術は、上記の点に鑑みてなされたものであり、非浸透性の基材の表面に塗布された水性液において、筋状のむらが形成されることを抑制できる塗布装置、印刷装置及び塗布方法を提供することを目的とする。
 開示の技術に係る塗布装置は、搬送経路に沿って搬送され、水性液に対して非浸透性を有する基材の表面に、水性液を塗布する塗布装置であって、表面に水性液を保持するための凹凸構造を備えたグラビアロールと、グラビアロールとの間に基材を挟むバックアップロールと、基材の、グラビアロールとバックアップロールとによって挟まれる部分であるニップ部よりも基材の搬送方向の下流側の一部分を、グラビアロールの表面に接触させつつ基材を搬送するパスロールと、を含む。グラビアロールの表面の、基材の一部分と接触する領域が、グラビアロールの表面における中心角10°以上45°以下の円弧領域である。
 基材は、表面自由エネルギーが40mJ/m以上70mJ/m以下であり、水性液は、粘度が1cP以上2cP以下且つ表面自由エネルギーが40mJ/m以上45mJ/m以下であってもよい。グラビアロールは、表面自由エネルギーが40mJ/m以上70mJ/m以下であってもよい。
 開示の技術に係る印刷装置は、上記の塗布装置を備えた印刷装置であって、水性液が塗布された基材の表面に、インクの液滴を吐出するインク吐出部を含む。
 インク吐出部は、水性カラーインクを吐出するカラーインク吐出部と、水性ホワイトインクを吐出するホワイトインク吐出部と、を含んでいてもよい。
 水性液は、インクとの化学反応によってインクに含まれる色材を凝集させる機能を有していてもよい。
 印刷装置は、塗布装置よりも搬送方向の上流側に設けられ、基材の表面を改質する処理を行う表面処理部を更に含んでいてもよい。また、印刷装置は、インク吐出部よりも搬送方向の下流側に設けられ、基材の表面に吐出されたインクの液滴を乾燥させるインク乾燥部を更に含んでいてもよい。
 搬送経路に沿って搬送され、水性液に対して非浸透性を有し、且つ表面自由エネルギーが40mJ/m以上70mJ/m以下である基材の表面に、粘度が1cP以上2cP以下且つ表面自由エネルギーが40mJ/m以上45mJ/m以下である水性液を塗布する塗布方法であって、表面に水性液を保持するための凹凸構造を備えたグラビアロールとバックアップロールとの間に基材を挟むことによってグラビアロールの表面に保持された水性液を基材の表面に転写し、基材の、グラビアロールとバックアップロールとによって挟まれる部分であるニップ部よりも基材の搬送方向の下流側の一部分を、グラビアロールの表面に接触させつつ基材を搬送することを含む。グラビアロールの表面の、基材の一部分と接触する領域が、グラビアロールの表面における中心角10°以上45°以下の円弧領域である。
 開示の技術によれば、非浸透性の基材の表面に塗布された水性液において、筋状のむらが形成されることを抑制することが可能となる。
開示の技術の実施形態に係る塗布装置の構成の一例を示す図である。 開示の技術の実施形態に係るグラビアロールの表面に設けられた凹凸構造の一例を示す平面図である。 比較例に係る塗布装置の構成の一例を示す図である。 筋状のむらを有した状態で液体が塗布された基材の表面を示す図である。 基材のニップ部から排出される部分の様子を示す図である。 開示の技術の実施形態に係る印刷装置の構成の一例を示す図である。 基材の搬送速度と、基材の表面に塗布される水性液の層厚との関係の一例を示すグラフである。
 以下、開示の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与し、重複する説明は適宜省略する。
 図1は、開示の技術の実施形態に係る塗布装置10の構成の一例を示す図である。塗布装置10は、搬送経路に沿って連続的に搬送される基材20に対してダイレクトグラビア方式によって液体30を塗布する装置である。基材20は、例えばリール(図示せず)に巻かれたロール状態で供給され、ロールから巻き出された基材20が搬送経路に沿って搬送される。
 本実施形態に係る塗布装置10は、塗布される液体に対して浸透性を有さない非浸透性の基材に対して水性液を塗布する場合に特に好適に用いることができる。従って、基材20は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)及びOPP(Oriented PolyPropylene)等の非浸透性を有する樹脂フィルムであってもよく、基材20に塗布される液体30は水性液であってもよい。
 基材20が、樹脂フィルム等の非浸透性の基材である場合、基材20の表面は、塗布される液体30に対して十分なぬれ性が確保されていることが好ましい。基材20の液体30に対するぬれ性は、基材20の表面自由エネルギーを調整することによってコントロールすることが可能である。すなわち、基材20の表面自由エネルギーを大きくする程、基材20のぬれ性を高めることができる。なお、基材20のぬれ性が過度に高い場合または過度に低い場合、基材20の表面に塗布された液体30の層厚を所望の層厚に制御することが困難となる。基材20の表面自由エネルギーは、40mJ/m以上70mJ/m以下であることが好ましい。基材20の表面自由エネルギーは、例えば、基材20の表面を改質するための表面処理を実施することで制御することが可能である。上記表面処理の一例としてコロナ放電を用いたコロナ処理が挙げられる。
 塗布装置10は、グラビアロール11、バックアップロール12、パスロール13、液受けパン14及びブレード15を含んで構成されている。液受けパン14には、塗布対象の液体30が収容される。本実施形態において、液体30は、粘度1cP以上2cP以下且つ表面自由エネルギーが40mJ/m以上45mJ/m以下の水性液である。本実施形態に係る塗布装置10は、上記の物性を有する水性液を、非浸透性の基材20の表面に塗布する場合に特に好適に用いることができる。なお、1cPは0.001Pa・sである。
 グラビアロール11は、その一部分が液受けパン14に収容された液体30に浸漬する位置に配置される。グラビアロール11は、例えば、搬送方向と交差する幅方向の長さが基材20の搬送方向と交差する幅方向の長さよりも長い円柱形の形状を有している。グラビアロール11は、その表面に液体30を保持するための凹凸構造を有する。図2は、グラビアロール11の表面に設けられた凹凸構造の一例を示す図である。図2に示すように、例えば、複数の角錐台の凹部11Aがグラビアロール11の表面に設けられていてもよい。なお、凹部11Aの形状は、角錐台に限らず、所望の形状とすることが可能である。グラビアロール11が、回転軸11Bの軸回りに回転することで、液受けパン14に収容された液体30が、掻き上げられ、グラビアロール11の表面に保持される。
 グラビアロール11の表面自由エネルギーは、基材20の表面自由エネルギーと同程度であることが好ましい。従って、グラビアロール11の表面自由エネルギーは、40mJ/m以上70mJ/m以下であることが好ましい。グラビアロール11の表面自由エネルギーが、基材20の表面自由エネルギーに対して過度に小さくなると、基材20の表面に塗布される液体30の量が過剰となり、基材20上における液体30の層厚を所望の層厚に制御することが困難となる。一方、グラビアロール11の表面自由エネルギーが、基材20の表面自由エネルギーに対して過度に大きくなると、グラビアロール11の表面に保持された液体30が基材20に転写しにくくなる。グラビアロール11の表面自由エネルギーは、例えばグラビアロール11に表面を、クロムめっき処理及びセラミック溶射等の表面処理を施すことにより制御することが可能である。
 ブレード15は、その先端がグラビアロール11の表面に接触するように設けられており、グラビアロール11の表面に保持された液体30の余剰分を掻き取る。
 バックアップロール12は、グラビアロール11との間に、搬送される基材20を挟み込むことにより、基材20をグラビアロール11の表面に押し付ける押圧を加える。基材20とグラビアロール11との密着性を高めるために、バックアップロール12の表面は、ゴム等の弾力性を有する部材によって構成されていてもよい。グラビアロール11とバックアップロール12とが基材20を挟む部分であるニップ部40において、グラビアロール11の表面に保持された液体30が、基材20の表面に転写される。
 パスロール13は、ニップ部40よりも基材20の搬送方向の下流側に設けられている。パスロール13は、基材20の搬送経路を画定するローラである。パスロール13は、基材20の、ニップ部40よりも搬送方向の下流側の一部分(以下、下流部分という)をグラビアロール11の表面に接触させつつ基材20を搬送する。すなわち、パスロール13は、基材20がグラビアロール11の表面と接触する領域が、ニップ部40よりも搬送方向下流側にも延在するように、基材20の搬送経路を画定する。グラビアロール11の表面の、基材20のニップ部40よりも下流部分と接触する領域は、グラビアロール11の表面における中心角(ラップ角)θが10°以上45°以下の円弧領域であることが好ましい。上記の円弧領域の中心角θを10°以上とすることで、基材20の表面に塗布される液体30において、筋状のむらの発生を抑制することができる。一方、上記の円弧領域の中心角θが過度に大きくなると、基材20に抵抗力が作用し、基材20の搬送性が低下する。上記の円弧領域の中心角θを45°以下とすることで、基材20の搬送性の低下を抑制することができる。なお、基材20の、グラビアロール11と接触する、ニップ部40よりも下流側の一部分である下流部分の起点(すなわち中心角θの起点)は、グラビアロール11の回転中心とバックアップロール12の回転中心とを結ぶ線分と基材20とが交差する点である。
 ここで、図3は、比較例に係る塗布装置10Xの構成の一例を示す図である。比較例に係る塗布装置10Xは、パスロール13Aの配置が、開示の技術の実施形態に係る塗布装置10と異なる。すなわち、比較例に係るパスロール13Aは、開示の技術の実施形態に係るパスロール13Aよりも、上方に配置されており、基材20の、ニップ部40よりも搬送方向の下流側の一部分をグラビアロール11の表面に接触させるようには構成されていない。
 比較例に係る塗布装置10Xを用いて液体30を非浸透性の基材20に塗布すると、図4に示すように、水性の液体30は、筋状のむらを有した状態で基材20の表面に形成されることがある。
 ここで、図5は、比較例に係る塗布装置10Xにおける、基材20のニップ部40から排出される部分の様子を示す図である。図5に示すように、比較例に係る塗布装置10Xによれば、パスロール13Aが、基材20の、ニップ部40よりも搬送方向の下流側の一部分をグラビアロール11の表面に接触させるようには構成されていないので、グラビアロール11の表面に形成された凹凸構造に空気が巻き込まれやすく、これによって基材20の表面に転写された液体30の液滴が分断され、液体30の液滴同士が結合する前に液体30が乾燥してしまうことにより筋状のむらが発生すると考えられる。水性の液体30を薄く形成する場合、及び基材20の搬送速度が高速である場合に筋状のむらはより顕著となる。
 一方、開示の技術の実施形態に係る塗布装置10によれば、パスロール13は、基材20の、ニップ部40よりも搬送方向の下流部分をグラビアロール11の表面に接触させる。すなわち、パスロール13は、基材20がグラビアロール11の表面と接触する領域が、ニップ部40よりも搬送方向下流側にも延在するように、基材20の搬送経路を画定する。これにより、グラビアロール11の表面に形成された凹凸構造への空気の巻き込みが抑制され、基材20の表面に転写された液体30の液滴の分断が抑制されるので、筋状のむらの発生が抑制される。
 図6は、開示の技術の実施形態に係る印刷装置100の構成の一例を示す図である。印刷装置100は、上記した塗布装置10を備えている。印刷装置100は、樹脂フィルム等の非浸透性の基材20の表面にインクジェット方式によって水性インクの液滴を吐出することによって画像を形成するインクジェットプリンタである。
 印刷装置100は、供給側ロール110、表面処理部120、塗布装置10、処理液乾燥部130、インク吐出部140、インク乾燥部150及び回収側ロール160を備えている。
 供給側ロール110は、ウェブ状の基材20を巻きつけるリール111を含んでいる。リール111が回転することで、基材20が供給側ロール110から巻き出される。供給側ロール110から巻き出された基材20は、複数のパスロール13及び170によって画定される搬送経路に沿って搬送される。基材20は、PET及びOPP等の樹脂フィルムであってもよい。
 表面処理部120は、塗布装置10よりも基材20の搬送方向の上流側に設けられている。表面処理部120は、基材20の表面を改質するための処理を行う。表面処理部120は、コロナ放電を用いたコロナ処理によって、基材20の表面に、水酸基またはカルボニル基等の極性官能基を導入し、基材20の表面に親水性を付与する。表面処理部120は、基材20の搬送経路に沿って配置された、コロナ放電を発生させる複数の電極121を有する。表面処理部120による表面処理によって、基材20の表面自由エネルギーは、40mJ/m以上70mJ/m以下の範囲に制御される。
 塗布装置10は、表面処理部120によって表面処理が施された基材20の表面に、水性の処理液(プレコンディショナー)30Aを基材20の表面に塗布する。処理液30Aは、インク吐出部140において吐出される水性インクとの化学反応によって水性インクに含まれる色材を凝集させる成分(例えば、多価金属化合物、有機酸、金属錯体、及び水溶性カチオン性ポリマーなど)を含む水性液である。処理液30Aは、粘度が1cP以上2cP以下であり且つ表面自由エネルギーが40mJ/m以上45mJ/m以下であることが好ましい。塗布装置10は、表面に処理液30Aを保持するための構造を備えたグラビアロール11と、グラビアロール11との間に基材20を挟むバックアップロール12と、ニップ部40よりも基材20の搬送方向の下流側の一部分を、グラビアロールの表面に接触させつつ基材20を搬送するパスロール13と、を有する。
 塗布装置10よりも基材20の搬送方向の下流側には、基材20の表面に塗布された処理液30Aを乾燥させる処理液乾燥部130が設けられている。処理液乾燥部130は、基材20の表面に温風を吹き付ける複数のスリットノズル(図示せず)を有する。
 インク吐出部140は、処理液乾燥部130よりも基材20の搬送方向の下流側に設けられている。インク吐出部140は、シングルパスのインクジェット方式により、処理液30Aが塗布された基材20の表面にインクの液滴を吐出することにより、基材20の表面に画像を形成する。インク吐出部140は、ドラム141、インク吐出ヘッド142K、142C、142M、142Y、142Wを有する。インク吐出ヘッド142K、142C、142M、142Y、142Wの各々は、基材20の搬送方向と交差する幅方向の全域に亘って画像を形成することができるフルライン型のヘッドである。
 インク吐出ヘッド142Kは黒色の水性カラーインクを吐出し、インク吐出ヘッド142Cはシアン色の水性カラーインクを吐出し、インク吐出ヘッド142Mはマゼンタ色の水性カラーインクを吐出し、インク吐出ヘッド142Yは黄色の水性カラーインクを吐出する。インク吐出ヘッド142K、142C、142M、142Yが、開示の技術におけるカラーインク吐出部の一例である。インク吐出ヘッド142Wは、白色の水性ホワイトインクを吐出する。水性ホワイトインクは、色材として、5重量%以上15重量%以下の酸化チタンを含有する水性インクである。インク吐出ヘッド142Wが、開示の技術におけるホワイトインク吐出部の一例である。
 基材20の表面に吐出された水性カラーインク及び水性ホワイトインクに含まれる色材は、塗布装置10において基材20の表面に塗布された処理液30Aとの化学反応によって凝集する。これにより、基材20上においてインク同士が融合する着弾干渉が抑制され、滲みのない画像が形成される。
 インク乾燥部150は、インク吐出部140よりも基材20の搬送方向の下流側に設けられている。インク乾燥部150は、基材20の表面に吐出された水性インクの液滴を乾燥させる。インク乾燥部150は、複数の温風ヒータ152とドラム151とを備える。基材20は、印刷面とは反対側の面がドラム151の表面に接触した状態で搬送される。ドラム151が回転することで、基材20は、温風ヒータ152の直下を経由する搬送経路に沿って搬送される。複数の温風ヒータは、ドラム151の外周面に沿って設けられており、それぞれ、基材20の表面に温風を吹き付ける複数のスリットノズル(図示せず)を有する。なお、ドラム151の表面を加熱するヒータがドラム151に内蔵されていてもよい。
 回収側ロール160は、インク乾燥部150よりも基材20の搬送方向の下流側に設けられている。回収側ロール160は、インク乾燥処理後の基材20を巻きつけるリール161を含んでいる。リール161が回転することで、インク乾燥処理後の基材20がリール161に巻き取られ、回収側ロール160に回収される。
 開示の技術の実施形態に係る印刷装置100によれば、水性の処理液30Aが、筋状のむらを有した状態で非浸透性の基材20の表面に塗布されることを抑制することができる。すなわち、基材20の表面に塗布された処理液30Aの層厚を均一にすることができるので、印刷装置100を用いて基材20の表面に形成される画像の画質を向上させることができる。
[実施例]
 グラビアロール11の表面の、基材20のニップ部40よりも下流部分と接触する領域である円弧領域の中心角(ラップ角)θ、基材20の材料及び基材20の搬送速度を変化させた場合のそれぞれについて、基材20の表面に塗布された水性液における筋状のむらの発生状況を調査した。下記の表1に調査結果を示す。
 なお、基材20として、コロナ処理を施したPET及びOPPを用いた。コロナ処理後のPETの表面自由エネルギーは、42[mJ/m]であり、水の接触角は56.2[°]であった。コロナ処理後のOPPの表面自由エネルギーは、42[mJ/m]であり、水の接触角は54.0[°]であった。基材20の表面に塗布する液体として、染料入りの水性処理液を用いた。この処理液の粘度は、1.4[cP]であり、表面自由エネルギーは41.7[mJ/m]であった。中心角θは、パスロール13の位置を変化させることにより変化させた。基材20の表面に塗布した染料入りの水性処理液において、基材20の搬送方向と平行な方向に濃淡差が1本以上生じた場合に、筋状のむらが発生したものと判定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示すように、グラビアロール11の表面の、基材20のニップ部40よりも下流部分と接触する領域である円弧領域の中心角θを10°以上とすることで、基材20の搬送速度が30m/分を超える場合でも、基材20の表面に塗布された水性処理液において筋状のむらは発生しなかった。以上の結果から、上記円弧領域の中心角θを10°以上とすることで、非浸透性の基材20の表面に塗布された水性処理液において、筋状のむらが形成されることを抑制できるといえる。一方、上記円弧領域の中心角θが過度に大きくなると、基材20の搬送性が低下する。従って、円弧領域の中心角θは、45°以下であることが好ましい。
 図7は、基材20の搬送速度と、基材20の表面に塗布される水性処理液の層厚との関係の一例を示すグラフである。基材20の搬送速度を高くする程、基材20の表面に塗布される水性処理液の層厚が厚くなる傾向がある。例えば、基材20の表面に塗布される水性処理液の層厚の目標値を1.5μmとする場合、基材20の搬送速度は30m/分以上に設定される。開示の技術の実施形態に係る塗布装置10及び印刷装置100によれば、基材20の搬送速度が30m/分以上に設定される場合でも、グラビアロール11の表面の、基材20のニップ部40よりも下流部分と接触する領域である円弧領域の中心角θが10°以上とされるので、非浸透性の基材20の表面に塗布された水性処理液において、筋状のむらが形成されることが抑制され、水性処理液の層厚を均一にすることができる。
 なお、2020年3月24日に出願された日本国特許出願2020-053438の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。また、本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (9)

  1.  搬送経路に沿って搬送され、水性液に対して非浸透性を有する基材の表面に、前記水性液を塗布する塗布装置であって、
     表面に前記水性液を保持するための凹凸構造を備えたグラビアロールと、
     前記グラビアロールとの間に前記基材を挟むバックアップロールと、
     前記基材の、前記グラビアロールと前記バックアップロールとによって挟まれる部分であるニップ部よりも前記基材の搬送方向の下流側の一部分を、前記グラビアロールの表面に接触させつつ前記基材を搬送するパスロールと、
     を含み、
     前記グラビアロールの表面の、前記基材の前記一部分と接触する領域が、前記グラビアロールの表面における中心角10°以上45°以下の円弧領域である
     塗布装置。
  2.  前記基材は、表面自由エネルギーが40mJ/m以上70mJ/m以下であり、
     前記水性液は、粘度が1cP以上2cP以下且つ表面自由エネルギーが40mJ/m以上45mJ/m以下である
     請求項1に記載の塗布装置。
  3.  前記グラビアロールは、表面自由エネルギーが、40mJ/m以上70mJ/m以下である
     請求項1または請求項2に記載の塗布装置。
  4.  請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の塗布装置を備えた印刷装置であって、
     前記水性液が塗布された前記基材の表面に、インクの液滴を吐出するインク吐出部を含む
     印刷装置。
  5.  前記インク吐出部は、
     水性カラーインクを吐出するカラーインク吐出部と、
     水性ホワイトインクを吐出するホワイトインク吐出部と、
     を含む請求項4に記載の印刷装置。
  6.  前記水性液は、前記インクとの化学反応によって前記インクに含まれる色材を凝集させる機能を有する
     請求項4または請求項5に記載の印刷装置。
  7.  前記塗布装置よりも前記搬送方向の上流側に設けられ、前記基材の表面を改質する処理を行う表面処理部を更に含む
     請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の印刷装置。
  8.  前記インク吐出部よりも前記搬送方向の下流側に設けられ、前記基材の表面に吐出された前記インクの液滴を乾燥させるインク乾燥部を更に含む
     請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の印刷装置。
  9.  搬送経路に沿って搬送され、水性液に対して非浸透性を有し、且つ表面自由エネルギーが40mJ/m以上70mJ/m以下である基材の表面に、粘度が1cP以上2cP以下且つ表面自由エネルギーが40mJ/m以上45mJ/m以下である前記水性液を塗布する塗布方法であって、
     表面に前記水性液を保持するための凹凸構造を備えたグラビアロールとバックアップロールとの間に前記基材を挟むことによって前記グラビアロールの表面に保持された前記水性液を前記基材の表面に転写し、
     前記基材の、前記グラビアロールと前記バックアップロールとによって挟まれる部分であるニップ部よりも前記基材の搬送方向の下流側の一部分を、前記グラビアロールの表面に接触させつつ前記基材を搬送することを含み、
     前記グラビアロールの表面の、前記基材の前記一部分と接触する領域が、前記グラビアロールの表面における中心角10°以上45°以下の円弧領域である
     塗布方法。
PCT/JP2021/008272 2020-03-24 2021-03-03 塗布装置、印刷装置及び塗布方法 WO2021192874A1 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020053438 2020-03-24
JP2020-053438 2020-03-24

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2021192874A1 true WO2021192874A1 (ja) 2021-09-30

Family

ID=77891262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2021/008272 WO2021192874A1 (ja) 2020-03-24 2021-03-03 塗布装置、印刷装置及び塗布方法

Country Status (1)

Country Link
WO (1) WO2021192874A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02119977A (ja) * 1989-09-06 1990-05-08 Yasui Seiki:Kk グラビア塗工方法
JPH05128510A (ja) * 1991-10-31 1993-05-25 Sony Corp 磁気記録媒体の製造方法
JP2006110458A (ja) * 2004-10-14 2006-04-27 Mitsubishi Paper Mills Ltd グラビア塗布装置
JP2007260558A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Mitsubishi Paper Mills Ltd グラビア塗布方法
JP2007289809A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Teijin Dupont Films Japan Ltd シート状物の製造方法および装置
JP2016165709A (ja) * 2015-03-03 2016-09-15 東レ株式会社 積層フィルムの製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02119977A (ja) * 1989-09-06 1990-05-08 Yasui Seiki:Kk グラビア塗工方法
JPH05128510A (ja) * 1991-10-31 1993-05-25 Sony Corp 磁気記録媒体の製造方法
JP2006110458A (ja) * 2004-10-14 2006-04-27 Mitsubishi Paper Mills Ltd グラビア塗布装置
JP2007260558A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Mitsubishi Paper Mills Ltd グラビア塗布方法
JP2007289809A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Teijin Dupont Films Japan Ltd シート状物の製造方法および装置
JP2016165709A (ja) * 2015-03-03 2016-09-15 東レ株式会社 積層フィルムの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8262217B2 (en) Inkjet recording apparatus and method
US8746870B2 (en) Matting agent coating device and inkjet recording device
JP2010260204A (ja) インクジェット記録装置
US8657434B2 (en) Matting agent applying device and inkjet recording device
US8690313B2 (en) Conveying device and image forming apparatus
US9604448B2 (en) Aqueous ink jet blanket
WO2021192874A1 (ja) 塗布装置、印刷装置及び塗布方法
DE102015204980B4 (de) Druckmaschine mit zumindest einem Selektivtrockner
JP2010082492A (ja) 処理液塗布装置、及び画像形成装置
US10639921B2 (en) Transfer printing
JP2021151644A (ja) 塗布装置、印刷装置及び塗布方法
JP2012176551A (ja) マット剤付与装置およびインクジェット記録装置
JP2012179737A (ja) 画像形成装置
JP7172229B2 (ja) 乾燥装置、印刷装置
JP5088896B2 (ja) インクジェット記録装置及び方法
JP7384002B2 (ja) 乾燥装置および液体吐出システム
US9604471B2 (en) System and method for operating an aqueous inkjet printer to coat media prior to printing images on the media with the aqueous inkjet printer
US11802016B2 (en) Sheet guide, sheet conveyor, liquid discharge apparatus, and printer
US12043053B2 (en) Coating device, liquid discharge apparatus, and printer
JP7547824B2 (ja) 装置、及び液体吐出装置
JPH05330035A (ja) インクジェット記録装置
JP2012183804A (ja) 画像形成方法
JP2024003693A (ja) 画像形成装置、プレコート液塗布装置、印刷物および画像形成方法
JP2022123658A (ja) 膜形成方法、及び膜形成装置
JP2024046321A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 21775275

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 21775275

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: JP