JPH0737241A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH0737241A
JPH0737241A JP18025893A JP18025893A JPH0737241A JP H0737241 A JPH0737241 A JP H0737241A JP 18025893 A JP18025893 A JP 18025893A JP 18025893 A JP18025893 A JP 18025893A JP H0737241 A JPH0737241 A JP H0737241A
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JP
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film
coating
magnetic
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Kazue Kadowaki
和枝 門脇
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Sony Corp
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 長手方向に連続走行する非磁性支持体2上に
塗料を塗布し、前記塗料の塗布により形成された未乾燥
の塗膜をフィルムスムーザ10と接触せしめて該塗膜表
面を平滑化するに際して、フィルムスムーザ10として
可撓性フィルムに蒸着膜が形成されてなるものを用い
る。 【効果】 磁性塗膜,バックコート塗膜を塗りムラ,ス
ジ等を生ずることなく平滑化できる。したがって、表面
性の良好な磁性層,バックコート層が形成され、ドロッ
プアウトの発生頻度が小さく高いS/N比を発揮する磁
気記録媒体を得ることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性塗料やバックコー
ト塗料等をグラビア塗布方式で塗布する磁気記録媒体の
製造方法に関し、特に、未乾燥状態の塗膜の表面平滑化
方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、オーディオテープやビデオテー
プは、ポリエステルフィルム等の非磁性支持体上に強磁
性粉末や結合剤,分散剤,潤滑剤等を有機溶媒に分散混
練してなる磁性塗料を塗布することにより磁性層が形成
されている。さらに、磁気テープの巻き乱れ防止や表面
性,走行性,耐久性等の向上のために、上記非磁性支持
体の前記磁性層を設けていない裏面側にバックコート塗
料を塗布することにより形成されるバックコート層を設
けることが広く行われている。
【0003】これら磁性塗料を非磁性支持体上に塗布す
るには、これまでに例えばグラビア塗布方式、リバース
ロール塗布方式、ダイ塗布方式(エクストルージョン方
式)等があるが、なかでも高速性、操作性、管理が容易
で且つ安価であるという観点よりグラビア方式が多用さ
れている。
【0004】グラビア塗布方式は、表面にセルパターン
が刻設されたグラビアロールと、非磁性支持体を上記グ
ラビアロールに圧着させるバックアップロールとからな
る塗布装置を用いて、非磁性支持体上に液状の塗料を転
写させる方式である。すなわち、この装置を用いて磁性
塗料を非磁性支持体上に塗布させるには、弾性体よりな
るバックアップロールで上記非磁性支持体をグラビアロ
ールに圧着せしめ、これらロールを回転させることによ
りロールの表面に刻設されたセルパターンの隣合うセル
壁間のそれぞれのくぼみ(セル)に塗液パン中の塗料を
ピックアップさせ、そのセル内に充填された塗料を非磁
性支持体上に転写させることにより塗料が塗布される。
【0005】ところで、グラビアロールを使用して磁性
塗料を転写した場合、磁性塗料はロール表面に刻設され
たセルパターンでそのまま非磁性支持体上に転写される
ため、塗布された磁性塗膜は凹凸形状であり、磁性層と
するためには、この凹凸を乾燥前に平滑化することが必
要である。磁性層に凹凸があると、磁性層の磁気ヘッド
に対する接触性が不良となり、ドロップアウトが多発
し、S/N比が低下するからである。このため、グラビ
ア塗布方式においては、従来、磁性塗料転写後、未乾燥
状態の磁性塗膜を平滑化するためにスムーザが使用され
ている。
【0006】このスムーザは、例えば、特公昭57−4
9973号公報において示されるように、ロール状であ
り、その表面を磁性塗膜に摺接させることにより該磁性
塗膜を平滑化するロールタイプのもの、あるいはフィル
ム状であり、その一端部がホルダーで固定され、他端部
が自由端とされ、この自由端に磁性塗膜を摺接させるこ
とにより該磁性塗膜を平滑化するフィルムタイプのもの
が知られている。また、スムーザの材質には、プラスチ
ック,ガラス,スチール,ワインダー,紙,ロール,ポ
リエステル等が用いられている。このように、これまで
スムーザとしては、多種多様のものが提案されている
が、現在のところでは平滑化効果に優れるとともにシス
テム導入が容易であることからポリエステルよりなるフ
ィルムスムーザが汎用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フィルムス
ムーザの場合、塗膜平滑化効果はその表面粗度,スティ
フネス値(コシの強さ),厚さに大きく依存する。例え
ば、表面粗度の低いフィルムスムーザ程、塗膜表面を平
滑にでき、表面性の良い磁性層,バックコート層が形成
できる。また、安定な平滑化効果を得るには、厚さ,ス
ティフネス値が適正であることも重要であり、厚さが薄
く、スティフネス値が余り低いフィルムスムーザは、取
り扱い難く、また塗膜への接触度が不安定で塗膜に塗布
ムラ,スジ等を形成する。
【0008】ところが、ポリエステルフィルムにおいて
は、製造都合上、表面粗度,スティフネス値,厚さを自
由に制御するのが困難であり、市販のポリエステルフィ
ルムでは、表面粗度の低いものはスティフネス値が小さ
過ぎ、逆に厚さが厚くスティフネス値が大きいものは表
面粗度が高過ぎるとといった傾向がある。このため、表
面粗度,スティフネス,厚さの全てが適正なフィルムス
ムーザを入手するのは困難であり、塗膜を十分に平滑化
できないのが実情である。
【0009】そこで、本発明者らが鋭意検討を重ねた結
果、厚さが薄く、スティフネス値は小さいが、表面粗度
の低い可撓性フィルムに、蒸着膜を形成するようにすれ
ば、該可撓性フィルムに不足する厚さ,コシの強さを蒸
着膜によって補足することができ、塗膜平滑化効果に優
れたフィルムスムーザが得られるとの知見を得るに至っ
た。
【0010】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、フィルムスムーザの表面
粗度,厚さ,スティフネス値を適正なものとし、塗膜を
塗りムラ,スジ等を生ずることなく平滑化できる磁気記
録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体の
製造方法は、長手方向に連続走行する非磁性支持体上に
塗料を塗布する工程と、前記塗料の塗布により形成され
た未乾燥の塗膜をフィルムスムーザと接触せしめて該塗
膜表面を平滑化する工程よりなる磁気記録媒体の製造方
法において、上記フィルムスムーザとして、可撓性フィ
ルムに蒸着膜が形成されたフィルムスムーザを使用して
上記非磁性支持体上の塗膜表面を平滑化することを特徴
とするものである。
【0012】
【作用】磁気記録媒体は、長手方向に連続走行する非磁
性支持体上に塗料を塗布し、前記塗料の塗布により形成
された未乾燥の塗膜を可撓性フィルムと接触せしめて該
塗膜表面を平滑化することによって作製される。このよ
うにして塗膜を平滑化する可撓性フィルムに蒸着膜を形
成するようにすると、蒸着膜によって可撓性フィルムに
厚さ,コシの強さが付与される。このとき、可撓性フィ
ルムとして表面粗度の低いものを用い、形成する蒸着膜
の材料,膜厚を制御することによって可撓性フィルムの
厚さ,スティフネス値を安定な塗膜平滑化効果を発揮す
べく調整すると、塗膜が塗りムラ,スジを生ずることな
く平滑化されるようになる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る磁気記録媒体の製造方法
を、グラビア塗布方式で非磁性支持体上に磁性塗料や非
磁性塗料を塗布する方法に適用した実施例(以下、実施
例に係る塗布方法と記す。)について図1〜図3を参照
しながら説明する。
【0014】先ず、本実施例において、非磁性支持体上
に塗布するのは、磁性塗料やバックコート塗料等の非磁
性塗料である。たとえば、前者の場合、非磁性支持体上
に磁性粉,結合剤,溶媒等よりなる磁性塗料を塗布して
磁性塗膜を形成する。なお、磁性塗料に使用する磁性
粉、結合剤、溶媒としては、通常、塗布型磁気記録媒体
において磁性塗料の材料として使用されているものであ
ればいずれを使用しても差し支えなく、磁性粉として
は、たとえばγ−Fe2 3 等の酸化物磁性粉末やF
e,Co等の金属系磁性粉末、結合剤としてはポリ塩化
ビニル系共重合体やポリウレタン系樹脂等、溶媒として
はメチルエチルケトン,トルエン,シクロヘキサノン等
が挙げられる。また上記磁性塗料には、滑剤、研磨材,
分散剤等が添加されていてもよい。
【0015】後者の場合には、カーボンブラック,結合
剤,溶媒等よりなるバックコート塗料を前記磁性塗料と
は反対側の面に塗布してバックコート層を形成する。な
お、結合剤,溶媒としては磁性塗料に使用されるものが
いずれも使用できる。
【0016】次に、本実施例に係る塗布方法を実現させ
るグラビア塗布方式の塗布装置を図1に基づいて説明す
る。
【0017】この塗布装置は、図1に示すように、表面
にセルパターンが刻設されたグラビアロール1と非磁性
支持体2を上記グラビアロール1に圧着させるバックア
ップロール3とからなる転写装置と、この転写装置にて
非磁性支持体2上に転写された塗料を平滑化するための
フィルムスムーザ10を有して構成される。
【0018】上記グラビアロール1は、塗液パン6中に
貯えられた塗料4をピックアップし、その表面に設けら
れるセル内に充填させ、これを非磁性支持体2上に転写
させるものである。このグラビアロール1は、比較的硬
度の低いFe等よりなる円筒状のロールから構成されて
おり、外周面には、上記セルがたとえば四角錐型の凹部
として多数刻設されている。
【0019】上記バックアップロール3は、ポリエステ
ルフィルム等の長尺状の非磁性支持体2を上記グラビア
ロール1の表面に圧着させて当該グラビアロール1に設
けられるセル内に充填される塗料を非磁性支持体2上に
良好に転写させるためのもので、例えばゴム等の弾性ロ
ールから構成されている。したがって、このロールの弾
性力によって上記非磁性支持体2がグラビアロール1表
面のセルと密着し、セル内に充填される塗料がこの非磁
性支持体2に良好に転写される。なお、上記バックアッ
プロール3は、上記グラビアロール1と対向して設けら
れ、当該グラビアロール1と同期して非磁性支持体2を
図中矢印X方向に送り出すようになっている。
【0020】さらに、上記塗布装置においては、上述の
ような構成を有する転写装置にて転写された塗膜を平滑
化するための可撓性フィルムよりなるフィルムスムーザ
10が上記転写装置の下流側に設けられている。すなわ
ち、転写装置にて転写される塗膜はグラビアロール1の
セルパターンでそのまま転写されるため、セルパターン
に対応した凹凸を有している。上記フィルムスムーザ1
0は、一端がホルダー(図示せず)に固定され、他端が
自由端とされ、この自由端が非磁性支持体4の幅方向に
近接するように配設されている。したがって、このよう
に非磁性支持体2上に凹凸を有して転写された塗膜は、
このフィルスムーザ10を通過する際にその自由端に接
触して均され、表面平滑化されることになる。
【0021】ここで、塗膜の表面を効果的に平滑化する
には、フィルムスムーザ10の表面粗度,スティフネス
値,厚さが適正であることが重要である。すなわち、塗
膜をより表面粗度の低いものとするには、フィルムスム
ーザ10も表面粗度の低いものでなければならず、安定
な平滑化効果を得て塗布ムラ,スジを防止するには、フ
ィルムスムーザ10の厚さが厚く,スティフネス値が高
いことが必要である。
【0022】この塗布装置では、フィルムスムーザ10
として可撓性フィルムに蒸着膜が形成されてなるものを
使用する。
【0023】可撓性フィルムは、製造上、表面粗度,厚
さ,スティフネス値を自由に制御することが難しく、こ
れら全ての特性が適正なものを入手するのは困難である
が、この可撓性フィルムに蒸着膜を形成するようにすれ
ば、これら特性のうち厚さ,コシの強さは蒸着膜によっ
て付与できるようになる。
【0024】そこで、可撓性フィルムを入手するに際し
ては、厚さ,スティフネス値についてそれ程考慮せず、
表面粗度のみを優先して選択し、蒸着膜を形成するに当
たっては、所望の厚さ,スティフネス値とするべく蒸着
膜の材料,膜厚を選定するようにすれば、表面粗度,厚
さ,スティフネス値の全てが適正であり安定且つ優れた
塗膜平滑効果を有するフィルムスムーザが得られる。
【0025】そして、このようなフィルムスムーザを使
用すれば、塗膜を塗りムラ,スジを生ずることなく平滑
化でき、例えば平滑化する塗膜が磁性塗膜である場合に
は、ドロップアウトの発生頻度が低く、高S/N比を発
揮する磁気記録媒体が得られることになる。
【0026】上記蒸着膜が形成される可撓性フィルムと
しては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエ
ステルフィルムが用いられ、表面粗度が低く、塗料に対
するヌレ性が良好なものを選択することが望ましく、帝
人社製,商品名E−75のポリエステルフィルムが好適
である。このE−75フィルムは、比較的厚さが薄くス
ティフネス値は小さいが極めて良好な表面性を有する。
このようなE−75フィルムに蒸着膜を形成して厚さ,
コシの強さを付与するとフィルムスムーザ10として優
れた性能を発揮するものとなる。
【0027】因みに、表1に0.3μm厚のコバルトニ
ッケル蒸着膜が形成されたE−75フィルム及び比較と
して蒸着膜が形成されていないE−75フィルム,従来
よりフィルムスムーザ5として用いられている東レ社
製,商品名100D13のポリエステルフィルム,東レ
社製,商品名S−50のポリエステルフィルムのスティ
フネス測定値を示す。
【0028】
【表1】
【0029】このように、E−25フィルムに蒸着膜を
形成すると、蒸着膜を形成しない場合に比べてスティフ
ネスが向上し、従来よりフィルムスムーザ10として用
いられている100D13フィルムと同等のスティフネ
スが獲得できるようになる。
【0030】なお、上記フィルムスムーザ10の厚さは
特に限定されず、任意であるが、スティフネス値,取り
扱い易さを考慮して30〜100μmが実用的である。
【0031】一方、上記可撓性フィルムに蒸着膜を形成
するに際して、蒸着膜によって可撓性フィルムに付与す
るスティフネス値は、平滑化すべき塗膜の物性や塗膜が
形成されている非磁性支持体の厚さに応じて設定する必
要がある。
【0032】通常、磁気記録媒体を製造する際に使用さ
れる磁性塗料,非磁性塗料,非磁性支持体を用いる場合
には、フィルムスムーザ10に1500〜16000g
のスティフネス値を持たせるのが適当である。フィルム
スムーザにおいて、スティフネス値が1500g未満で
あると非磁性支持体2が長手方向に連続走行したとき
に、それによってかかる力に抵抗できず、振動等が生じ
て磁性塗膜を円滑に均すことができない。
【0033】一方、スティフネス値が16000gを越
える場合には、今度はコシが強過ぎて、塗膜を掻き取っ
てしまう他、フィルムへ受けるダメージも強い等の影響
により磁性塗膜の表面も粗くなり、やはり磁性層を十分
に平滑にすることができない。
【0034】可撓性フィルムに付与するスティフネス値
は、蒸着膜の材料,膜厚を制御することによって調整さ
れる。ここで、蒸着膜の材料としては、前述のコバルト
ニッケル合金の他、アルミニウム,鉄,クロム等の各種
金属が挙げられる。
【0035】なお、ここで言うスティフネス値とは、フ
ィルムのヤング率Eと厚さTを式E・T3 に代入して算
出されるものであり、実験的には図2,図3に示すよう
にしてストレーンゲージ24で測定される。すなわち、
図2に示すようにフィルムスムーザ5を幅6.25m
m、長さ140〜160mmなる寸法で切断して試料片
21とし、この試料片21を100mm長のループにし
て、ホルダー23にセットする。
【0036】次いで、ホルダー23と、ストレーンゲー
ジ24の歪み検出部25とを、その間隔dが規定距離の
20mmとなるように固定し、この状態で検出部25に
ループ状の試料片21を押し当てる。このとき、試料片
21の検出部25に押し当てられる部分は、図2,図3
に示すように、試料片1のうち長手方向に4mm,幅方
向に6.25/2mmの領域とする。スティフネスと
は、このようにして検出部25にループ状の試料片21
を押し当て、押し当ててから1分経過後のストレーンゲ
ージ歪み量を測定することによって得られる値である。
【0037】次に、可撓性フィルムに蒸着膜が形成され
てなるフィルムスムーザ10を用いる効果を確認するた
めに、上記塗布装置を用いて各種膜厚の非磁性支持体2
に磁性塗料あるいはバックコート塗料を塗布,平滑化し
て媒体試料を作製した。そしてこの塗膜が平滑化された
媒体試料(サンプル1〜サンプル7)について塗膜の表
面状態を観測した。なお、フィルムスムーザ10として
はE−25フィルムにコバルトニッケル蒸着膜が形成さ
れてなるものを使用した。各サンプルについて、それぞ
れ非磁性支持体2に塗布された塗膜の平滑化に用いたフ
ィルムスムーザの厚さ,スティフネス値及び平滑化後の
塗膜の表面状態を表2に示す。
【0038】また、比較のため、蒸着膜が形成されてい
ないフィルムスムーザ10を用いること以外は同様にし
て非磁性支持体2上に塗料を塗布,平滑化して媒体試料
(比較サンプル1〜比較サンプル3)を作製し、塗膜の
表面状態を観測した。各比較サンプルについて、それぞ
れ非磁性支持体2に塗布された塗膜の平滑化に用いたフ
ィルムスムーザの厚さ,スティフネス及び平滑化後の塗
膜の表面状態を表2に上述のサンプル1〜サンプル7の
場合と併せて示す。
【0039】
【表2】
【0040】但し、表2中、◎は塗布ムラやスジ線がほ
とんどなく表面状態が特に良好な場合、○は表面状態が
良好な場合、△は表面状態が実用限度の場合、×は表面
状態が実用上問題がある場合をそれぞれ示す。
【0041】表2からわかるように、従来はどの磁気テ
ープ品種においても同じスティフネス値をもったフィル
ムスムーザを使用していたため、作製された磁気テープ
では、塗布状態や、塗布表面状態にムラや筋が発生して
いたのに対し、塗料性質にあった所定範囲のフィルムス
ムーザを使用して作製された磁気テープにおいては、表
面上の筋もなく良好な塗布状態を持って形成されている
ことがわかる。
【0042】このことから、フィルムスムーザとしてス
ティフネス値が所定範囲内で、かつ塗料性質にあったも
のを使用することは、塗布ムラがなく平滑な表面を有す
る磁性層,バックコート層を形成する上で有効であるこ
とがわかった。したがって、本実施例によれば、たとえ
ばビデオテープに使用した場合には鮮明な画像が得ら
れ、オーディオテープとした場合には感度ムラのない均
一な特性を発揮する磁気記録媒体を得ることが可能であ
る。
【0043】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気記録媒体の製造方法においては、長手方向に連
続走行する非磁性支持体上に塗料を塗布し、前記塗料の
塗布により形成された未乾燥の塗膜をフィルムスムーザ
と接触せしめて該塗膜表面を平滑化するに際して、フィ
ルムスムーザとして可撓性フィルムに蒸着膜が形成され
てなるものを用いるので、磁性塗膜,バックコート塗膜
を塗りムラ,スジ等を生ずることなく平滑化できる。し
たがって、本発明によれば、表面性の良好な磁性層,バ
ックコート層が形成され、ドロップアウトの発生頻度が
小さく高いS/N比を発揮する磁気記録媒体を得ること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した塗膜を形成するための塗布装
置の一構成例を示す模式図である。
【図2】フィルムスムーザのスティフネスを測定するた
めのスティフネス測定装置の構成を示す概略側面図であ
る。
【図3】上記スティフネス測定装置の要部概略平面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・グラビアロール 2・・・非磁性支持体 3・・・バックアップロール 4・・・塗料 10・・・フィルムスムーザ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に連続走行する非磁性支持体上
    に塗料を塗布する工程と、前記塗料の塗布により形成さ
    れた未乾燥の塗膜をフィルムスムーザと接触せしめて該
    塗膜表面を平滑化する工程よりなる磁気記録媒体の製造
    方法において、 上記フィルムスムーザとして、可撓性フィルムに蒸着膜
    が形成されたフィルムスムーザを使用して上記非磁性支
    持体上の塗膜表面を平滑化することを特徴とする磁気記
    録媒体の製造方法。
JP18025893A 1993-07-21 1993-07-21 磁気記録媒体の製造方法 Withdrawn JPH0737241A (ja)

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