JP3191223B2 - ポルフィリン誘導体とその用途 - Google Patents

ポルフィリン誘導体とその用途

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進 中島
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弘之 高田
裕史 乾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポルフィリン誘導体と
その用途、特に新規なポルフィリンを有効成分とする光
物理化学的診断用および治療用の増感剤および/または
光物理化学による癌の診断および治療に用いる薬剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】癌の新しい治療法として光物理化学的診
断治療(PDT)が行われている。これはある種のポル
フィリン化合物を静脈注射などの方法により投与し、癌
組織に保持させた後、レーザー光を照射して癌組織のみ
を選択的に破壊するというものである。PDTは、ポル
フィリンの癌組織に保持される時間が正常組織に比べて
長いという性質と光増感作用を持つという2つの性質を
利用している。過去13年間に世界中で3000人以上
の人々がPDTによる悪性腫瘍の治療を受けており、癌
治療法の1つとして定着しつつある。PDTにより良好
な治療成績が報告されている癌種は、網膜癌、皮膚癌、
食道癌、表在性膀胱癌、初期の肺癌など多岐に渡ってい
る。
【0003】現在PDTに使用されている薬剤は主とし
てヘマトポルフィリン誘導体(HPD)およびそのエー
テル体および/またはエステル体の二量体である。HP
Dはヘマトポルフィリンを酢酸中硫酸処理し、さらに
0.1N水酸化ナトリウムで処理して得られる混合物で
ある。二量体はHPDの疎水性の高い成分を主として含
んでおり、HPDとともに複雑な混合物であり活性成分
が不明である。また成分比が一定でないために治療効果
が極めて不安定である。
【0004】クロリン誘導体が特開平1−250381
号、昭63−290881号、昭62−5986号、昭
62−5985号、昭62−5924号、昭62−59
12号、昭58−981号および昭57−185220
号に、ポルフィリンダイマー誘導体が米国特許4649
151号(1987)、特開昭62−63586号およ
び昭60−500132号に、ポルフィリン金属錯体が
特開平1−221382号、昭63−104987号お
よび昭57−31688号に開示されている。我々も種
々検討し、クロリン誘導体を特開昭61−7279号お
よび昭60−92287号に、ポルフィリン金属錯体を
特開平2−138280号、平2−76881号、昭6
2−182663号、昭62−174079号および昭
61−83185号に、バクテリオクロリン誘導体を特
開昭63−196586号に開示してきた。しかしなが
ら、PDT用の増感剤として用いるには上記化合物では
合成、安定性、水溶性の面において実用化が困難であっ
た。
【0005】またPDTに使われるレーザー光の組織透
過性の問題もある。HPDやその二量体は最大吸収波長
が630nmであり、モル吸光係数も3000と低い。
630nmの光では組織透過性が悪く、PDTの治療効
果が5〜10mmの表層癌に限定されてしまっている。
【0006】一方レーザー装置の方にも問題がある。現
在最もよく使用されている色素レーザーは安定性が悪
く、運用上取扱いが難しい。最近注目を集めているチタ
ンサファイアレーザーを用いれば運用がかなり簡単にな
る。しかしこのレーザーを用いると670nm以上60
0nm以下の吸収波長に限られ、630nm付近の吸収
波長を持つHPDやその二量体に適用できない。
【0007】更に薬剤の副作用として一時的な光過敏症
を引き起こすことが知られている。このため薬剤投与
後、皮膚などの正常組織が光増感作用で破壊されないよ
うに患者を長期間暗所に閉じ込めておかなければならな
い。HPDおよびその二量体は正常組織からの排出速度
が遅いので長いときには6週間以上も光過敏症が残るこ
ともある。現在使用されている薬剤はこうした多くの問
題点を抱えておりHPDおよびその二量体に代わる新し
い薬剤の開発が強く望まれている。そこで上記薬剤が持
つ欠点を克服するものとして単一化合物でありかつより
長波長領域(650〜800nm)に吸収を持つ化合物
が第2世代の薬物として提案されている。現在フタロシ
アニンなどのアザポルフィリン類、クロリン・バクテリ
オクロリンなどのポルフィリン類、テキサフィリンなど
の環拡張型ポルフィリン類などさまざまな化合物がHP
Dやその二量体に代わる薬剤として研究されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、単一成
分であり安定かつ癌組織に対する良好な集積性を維持し
たまま、正常組織からは排出速度が速く光毒性を低減さ
せ、しかもできうればチタンサファイアレーザー(67
0nm以上600nm以下の波長)の使用が可能である
ポルフィリン誘導体を探索し、PDTに適した光増感剤
を提供することを目的として、種々の研究を重ねた。
【0009】
【問題を解決するための手段】その結果、血液由来のプ
ロトポルフィリンより合成誘導体化したクロリン類にあ
る種のアルコキシル基あるいは種々の官能基を持つ基、
アミノ酸残基を有する特定の側鎖を結合させると、単一
成分で、癌組織に対して優れた集積性と正常組織より良
好な排出性を、しかも金属ポルフィリン誘導体について
は600nm以下、合成クロリン化誘導体については6
70nm以上の吸収波長を持ち、かつ良好なPDT効果
を有することを見出した。
【0010】また本発明者らは本研究開発途中で、ポル
フィリンとアルブミンの混液の紫外線吸収(UV)スペ
クトルを分析したところ、スペクトルの動向が特定臓器
特に癌への親和性と一定の法則があることを見出した。
【0011】本発明は上記の知見に基づいて完成された
ものであって、その要旨は 一般式 (1) 化1 (式中、RはCH=CH、CH(OR)CH、C
HO、CH=NOHまたはCHOH、RはCH=
X、C(OH)OSONa、CH(SCH−COO
H)、CH(OR)β−ヨノンのシクロヘキセン
基−CH=CHCOCH=CHまたは化2、XはC(C
N)、N−WまたはC(Y)Z、あるいは化3で示す
環状構造、WはOH、OCOCHまたはNH−E、E
はH、アルキル、COC N、CONH、CSN
、COOCH、COCHNCl(CH
たはC(NH)=NH、YはHまたはアルキル、
NOまたはCOF、Fはメチル、フェニル、アミノフ
ェニル、RはOH、アミノ糖またはアミノ酸から水素
を除いた残基、Rはアルキル)で示されるポルフィリン
化合物。(但し、式中、4つのテトラピロール環のうち
A及びB環の側鎖の官能基がそれぞれ入れ替わった位置
異性体も含む。)
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】上記各記号の意味に関して使用された「ア
ミノ酸」なる語は必須アミノ酸を意味する。
【0015】一般式(I)に対応するポルフィリン化合
物にあっては、まずRを有するものを構成し(工程
a)、ついでこれをR特にアルデヒド基を有する化合
物に誘導体化し(工程b)、得られたクロリン誘導体に
種々の化合物を付加または縮合させ(工程c)、そして
必要あらばアミノ糖やアミノ酸の残基を結合せしめる
(工程d)。
【0016】工程bはJ.E.Falk著[Porph
yrins and Metalloporphyri
ns(Elsevier発行、発行1975年)]およ
びD.Dolphin著[The Porphyrin
s](Academic Press発行、1978
年)等に記載された常套の方法によってこれを行うこと
ができる。
【0017】(I)に対応するRのアルデヒド基を有
するポルフィリン化合物は、プロトポルフィリン ジメ
チルエステル(以下PP−Meと言う)を光化学反応処
理して1−ヒドロキシ−2−ホルミルエチリデン−プロ
トポルフィリン ジメチルエステル(以下フォトプロト
ポルフィリン ジメチルエステルと言う)を調製し(工
程b)、次いでこれを還元後、過ヨウ素酸等の酸化剤で
2−ホルミル−4−ビニル−デューテロポルフィリンジ
メチルエステル(以下スピログラフィスポルフィリン
ジメチルエステルと言う)とする(工程a)。(ただ
し、4つのテトラピロール環のうちAおよびB環の側鎖
の官能基がそれぞれ入れ替わった4−ホルミル−2−ビ
ニル体も含む。)クロリン化工程(b)については光化
学反応を利用するのが好ましく、Rがアルデヒド基を
有するクロリン化合物(フォトプロトポルフィリン)を
得る。人為的に合成する代わりに、植物や動物のような
天然資源からこれを採取してもよい。
【0018】次に、以上のようにして構成したクロリン
化合物を付加および/または縮合工程(c)に付す。す
なわちRがアルデヒド基であるポルフィリン化合物
(I)に、亜硫酸水素ナトリウム、メルカプタール、ア
ルコール等を反応させて付加体ポルフィリン化合物を、
またヒドロキシルアミン、ヒドラジン、マロン酸誘導体
等を反応させて縮合体ポルフィリン化合物を製造する。
このものは一般有機化学実験書中[アルコール、ヒドロ
キシルアミン、ヒドラゾン、セミカルバゾン、アミノチ
オフェノール、マロン酸エステル等とアルデヒド化合物
との付加または縮合反応]に記載された常套の方法によ
ってこれを行うことができる。なお、いずれの場合も適
宜脱水剤や脱酸剤のような反応促進剤や縮合剤の使用も
考慮されてよい。
【0019】以下、代表例を挙げてポルフィリン化合物
(I)の調製を更に具体的に説明する。例えばRがア
ルデヒド基を持ったクロリン化合物(フォトプロトポル
フィリン誘導体)に亜硫酸水素ナトリウム等を溶媒中で
反応せしめ、亜硫酸水素ナトリウムが付加したポルフィ
リン化合物(I)を得る。一方、フォトプロトポルフィ
リン誘導体にアミノ基を持つ化合物(例えばヒドロキシ
ルアミン、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド、アミノ
チオフェノール等)や活性水素基を持つ化合物(例えば
マロンニトリル、バルビツール酸、アセトン、アセトフ
ェノン、アミノアセトフェノン、ヨノン等)を溶媒中で
縮合剤(例えばピリジン、ピペリジン、酸、アルカリ
等)を用いて反応せしめて、Rの側鎖にこれらの化合
物が縮合したポルフィリン化合物(I)を得る。その具
体例としては以下のものを挙げることができる。
【0020】(1)2−ビニル−3−ヒドロキシ−4−
ホルミルエチリデン−プロトポルフィリン ジメチルエ
ステル(フォトプロトポルフィリン ジメチルエステ
ル)亜硫酸水素ナトリウム付加物(以下NaHSO
P−Meと言う) (2)フォトプロトポルフィリン ジメチルエステル
酢酸メルカプタール(以下HOAcS−P−Meと言
う) (3)フォトプロトポルフィリン ジエチルアセタール
(以下EtO−Pと言う) (4)2−(1−ヘキシルオキシエチル)−3−ヒドロ
キシ−4−ホルミルエチリデン−プロトポルフィリン
(C−フォトプロトポルフィリン)(以下C−Pと
言う) (5)C−フォトプロトポルフィリン ジアスパラギ
ン酸(以下C−P−diAspと言う) (6)2−(1−デシルオキシエチル)−3−ヒドロキ
シ−4−ホルミルエチリデン−プロトポルフィリン(C
10−フォトプロトポルフィリン)(以下C10−Pと
言う) (7)C10−フォトプロトポルフィリン ジアスパラ
ギン酸(以下C10−P−diAspと言う) (8)フォトプロトポルフィリン オキシム(以下NO
H−Pと言う) (9)2−ホルミル−3−ヒドロキシ−4−ホルミルエ
チリデン−プロトポルフィリン(スピログラフィスフォ
トプロトポルフィリン)(以下SPと言う) (10)フォトプロトポルフィリン 塩化トリメチルア
セトヒドラゾン(以下G’THZ−Pと言う) (11)フォトプロトポルフィリン ヒドロオキサム酸
(以下N2OH−Pと言う) (12)スピログラフィスフォトプロトポルフィリン
ジオキシム(以下2NOH−SPと言う) (13)フォトプロトポルフィリン 酢酸オキシム(以
下NOAc−Pと言う) (14)フォトプロトポルフィリン t−ブチルヒドラ
ゾン(以下BuHZ−Pと言う) (15)フォトプロトポルフィリン グアニルヒドラゾ
ン(以下GHZ−Pと言う) (16)フォトプロトポルフィリン ニコチン酸ヒドラ
ゾン(以下NHZ−Pと言う) (17)フォトプロトポルフィリン ニコチン酸ヒドラ
ゾン ジアスパラギン酸(以下NHZ−P−diAsp
と言う) (18)フォトプロトポルフィリン 炭酸ヒドラゾン
(以下CHZ−Pと言う) (19)フォトプロトポルフィリデン バルビツール酸
(以下BA−Pと言う) (20)フォトプロトポルフィリン セミカルバゾン
(以下NHCONHN−Pと言う) (21)フォトプロトポルフィリン チオセミカルバゾ
ン(以下NHCSNHN−Pと言う) (22)フォトプロトポルフィリン ベンゾチアゾール
(以下BT−Pと言う) (23)フォトプロトポルフィリン マロンニトリル
(以下MCN−Pと言う) (24)フォトプロトポルフィリデン ニトロメチレン
(以下NO−Pと言う) (25)フォトプロトポルフィリデン ニトロエチレン
(以下MeNO−Pと言う) (26)フォトプロトポルフィリデン ニトロプロピレ
ン(以下EtNO−Pと言う) (27)フォトプロトポルフィリデン アセトン(以下
MeCO−Pと言う) (28)フォトプロトポルフィリデン アセトン ジア
スパラギン酸(以下MeCO−P−diAspと言
う) (29)フォトプロトポルフィリデン ヨノン ジアス
パラギン酸(以下Io−P−diAspと言う) (30)フォトプロトポルフィリデン ヨノンオキシム
ジアスパラギン酸(以下NOH−Io−P−diAs
pと言う) (31)フォトプロトポルフィリデン アセトフェノン
(以下PhCO−Pと言う) (32)フォトプロトポルフィリデン アミノアセトフ
ェノン(以下NHPhCO−Pと言う) (33)フォトプロトポルフィリニルオキシム アミノ
グルコース(以下NOH−P−NHgluと言う)
【0021】本発明によるポルフィリン誘導体の医薬品
製剤の製造は自体公知法により行われ、本発明による誘
導体を適当な緩衝液で溶解するだけでよい。好適な添加
物として例えば医薬的に認容できる溶解補助剤(例えば
有機溶媒)、pH調製剤(例えば酸、塩基、緩衝液)、
安定剤(例えばアスコルビン酸)、賦形剤(例えばグル
コース)、等張化剤(例えば塩化ナトリウム)などが配
合されても良い。
【0022】本発明による薬剤はPDT用薬剤としての
必要十分な特性すなわち長燐光寿命、アルブミンに対す
る親和性、特定臓器特に癌に対する特異的集積性、光殺
細胞効果、吸収波長、水溶性、純度などを充分満足して
いるものである。本発明による薬剤の良好な水溶性は、
高濃度溶液(50mg/ml)の製造を可能とし、更に
本発明による薬剤は試験管内だけでなく生体内でも高い
安定性を示す。一般に、PDT用薬剤として適用するた
めには本発明の薬剤を1mg〜5mg/kg体重の量で
投与するのが望ましい。
【0023】
【作用】本発明にかかるポルフィリン化合物は、ポルフ
ィリン骨格の側鎖にアミノ酸残基、またはアルデヒド残
基およびその付加体・縮合体あるいはポルフィリン骨格
内に金属錯体を有する点に化学構造上の特徴を有し、そ
の結果種々の生理学的もしくは薬理学的特性を発揮す
る。
【0024】これらポルフィリン誘導体は癌細胞に選択
的に集積し、かつ癌細胞からの排泄が遅い。なお、正常
な臓器や細胞からは速やかに排泄されるため、それらに
損傷を与えることはない。元来、ポルフィリン誘導体の
殆んどのものは光に対して強い作用を有するが、本発明
に従ってポルフィリン誘導体の側鎖に多官能性化合物残
基を導入することによって正常組織からの排泄性を高め
るとともに、光毒性の発現を極力抑制するようデザイン
した誘導体が可能となった。また、ポルフィリンをクロ
リン誘導体化して波長がレッドシフトすることにより治
療効果の深達度をはかることができた。これらの特性
(癌親和性、光殺細胞効果、吸収波長、水溶性)に基づ
き、本発明のポルフィリン誘導体は特定の臓器、特に癌
や悪性腫瘍に対するPDT薬剤として有用である
【0025】実施例 1 フォトプロトポルフィリンの合成 R.K.Dinelloらの方法[The Porph
yrins](Academic Press発行、V
ol.1,303(1978)]に準じて合成した。P
P−Me100gをクロロホルム10lに溶解し、光照
射下一週間反応させた。(ポルフィリンからクロリン誘
導体化)反応後減圧濃縮し、残渣を得た。得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;n−
ヘキサン−クロロホルム)にて精製して、1(3)−ヒ
ドロキシ−2(4)−ホルミルエチリデン−プロトポル
フィリン ジメチルエステル(フォトプロトポルフィリ
ンジメチルエステル、以下P−Meと言う)を得た。
(50.0g)続いて、これをピリジン・メタノール混
液中で加水分解して暗緑色結晶のフォトプロトポルフィ
リン(以下Pと言う)を得た。(43.0g、全収率4
7.4%)
【0026】実施例 2 実施例1で得られたP−Me300mgをピリジン15
0mlに溶解し、撹拌下に30%亜硫酸水素ナトリウム
水溶液30mlを徐々に加え3時間反応させた。反応液
を20%クエン酸溶液で中和後、クロロホルムで抽出し
水洗後減圧濃縮した。得られた濃縮物をメタノール−酢
酸エチル−n−ヘキサンにより結晶化を行い、NaHS
−P−Me(1)を得た。(50mg、14.3
%)
【0027】実施例 3 10%臭化水素酸/酢酸を用い、HBr化を行って、次
いで合成中間体としてヘキシルアルコールからは2−
(1−ヘキシルオキシエチル)−4−ビニル−デューテ
ロポルフィリンを、デシルアルコールからは2−(1−
デシルオキシエチル)−4−ビニル−デューテロポルフ
ィリンをそれぞれ4g得た。得られたモノアルコキシ体
全量を実施例1と同様にして光照射反応を行い後処理
し、C−P(4)およびC10−P(6)を得た。
(0.88g、21.0%および1.1g、6.5%)
これら光酸化反応物[4(0.8g)、6 (1.0
g)]をそれぞれ別々に実施例1と同様に操作し、アミ
ド化ならびに加水分解処理し、C−P−diAsp
(5)およびC10−P−diAsp(7)を別々に得
た。(450mg、42.3%および160mg、1
2.3%)
【0028】実施例 4 実施例1で得られたP300mgをピリジン100ml
に溶解し、室温撹拌下に30%ヒドロキシルアミン塩酸
塩溶液を加えて30分間反応せしめた。反応後、反応液
にクロロホルムを加え、水洗分液後クロロホルム層を減
圧濃縮した。得られた濃縮物をメタノール−酢酸エチル
−n−ヘキサンにて再沈殿を行い、NOH−P(8)を
得た。(250mg、81.3%)
【0029】実施例 5 P−Me1gをクロロホルム300mlに溶解し、室温
撹拌下に5%ナトリウムボロハイドライドのメタノール
溶液20mlを滴下後30分間反応せしめた。反応後、
反応液に10%クエン酸水溶液を加え、水洗分液後クロ
ロホルム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物をジオキサ
ン100mlに溶解し、10%過ヨウ素酸ナトリウム水
溶液10mlおよび3%塩酸40mlを加え、室温で1
8時間放置した。反応溶液中に再結晶した紫色結晶を濾
取し、水洗乾燥後クロロホルム120mlに溶解し、光
照射下48時間反応させた。反応後減圧濃縮し、残渣を
得た。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(溶離液;クロロホルム−アセトン)にて精製し、SP
ジメチルエステル150mgを得た。得られたSPジ
メチルエステル全量をピリジン30mlに溶解し、10
%水酸化ナトリウム水溶液5mlを加えて加水分解し、
20%クエン酸水溶液にて中和後クロロホルムを加え、
水洗分液後クロロホルム層を減圧濃縮した。得られた濃
縮物を酢酸エチル−n・ヘキサンにて再沈殿を行い、S
P(9)を得た。(120mg、12.5%)
【0030】実施例 6 P200mgをメタノール40mlに溶解し、室温撹拌
下にジラード試薬T400mgを加えて1時間反応せし
めた。反応後、反応液に20%クエン酸水溶液とクロロ
ホルムを加え、水洗分液後クロロホルム層を減圧濃縮し
た。得られた濃縮物をメタノール−酢酸エチル−n−ヘ
キサンにて再沈殿を行い、G’THZ−P(10)を得
た。(200mg、79.9%)
【0031】実施例 7 P300mgをメタノールに溶解し、室温撹拌下にベン
ゼンスルホヒドロキサミン酸300mgと1N水酸化ナ
トリウム4mlを加えて18時間反応せしめた。反応
後、反応液に20%クエン酸水溶液とクロロホルムを加
え、水洗分液後クロロホルム層を減圧濃縮した。得られ
た濃縮物をメタノール−酢酸エチル−n−ヘキサンにて
再沈殿を行い、N2OH−P(11)を得た。(60m
g、19.0%)
【0032】実施例 8 実施例5の中間体として得られるSP ジメチルエステ
ル500mgをピリジン100mlに溶解し、室温撹拌
下に30%ヒドロキシルアミン塩酸塩水溶液10mlを
加えて30分間反応せしめた。反応後、反応液に20%
クエン酸水溶液とクロロホルムを加え、水洗分液後クロ
ロホルム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物を酢酸エチ
ル−n−ヘキサンにて再沈殿を行い、NOH−SP ジ
メチルエステル450mgを得た。得られたNOH−S
P ジメチルエステルを常法により加水分解を行った。
1N塩酸で中和後、クロロホルムにて分液し、クロロホ
ルム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物をメタノール−
酢酸エチル−n−ヘキサンにて再沈殿を行い、2NOH
−SP(12)を得た。(180mg、35.9%)
【0033】実施例 9 実施例4で得たNOH−P100mgをピリジン20m
lに溶解し、室温撹拌下に無水酢酸1mlを加えて6時
間反応せしめた。反応後、反応液にクロロホルムを加
え、水洗分液後クロロホルム層を減圧濃縮した。得られ
た濃縮物を酢酸エチル−n−ヘキサンにて再沈殿を行
い、NOAc−P(13)を得た。(60mg、19.
0%)
【0034】実施例 10 P200mgをピリジン50mlに溶解し、室温撹拌下
にt−ブチルヒドラジン400mgおよび10%アミノ
グアニジン塩酸塩水溶液4mlをそれぞれ別々に加えて
18時間反応せしめた。反応後、それぞれの反応液にク
ロロホルムを加え、水洗分液後クロロホルム層を減圧濃
縮した。得られたそれぞれの濃縮物を酢酸エチル−n−
ヘキサンにて再沈殿を行い、BUHZ−P(14)お
よびGHZ−P(15)を得た。(80mg、35.7
%および190mg、87.2%)
【0035】実施例 11 P200mgをピリジン20mlに溶解し、ニコチン酸
ヒドラジド730mgおよびカルバジン酸 メチルエス
テルをそれぞれ別々に加えて50℃加温撹拌下3時間反
応せしめた。反応後、それぞれの反応液に20%クエン
酸水溶液とクロロホルムを加え、水洗分液後クロロホル
ム層を減圧濃縮した。得られたそれぞれの濃縮物をメタ
ノール−酢酸エチル−n−ヘキサンにて再沈殿を行い、
NHZ−P(16)およびCHZ−P(18)を得た。
(33mg、13.8%および130mg、58.0
%)
【0036】実施例 12 実施例11で得たNHZ−P930mgを常法によりD
CHA塩とした。本DCHA塩全量をクロロホルム50
mlおよびアセトニトリル25mlを加えて溶解した。
次いでアスパラギン酸 ジメチルエステル塩酸塩930
mgを加え、撹拌下に、WSC1.5gを徐々に加えて
反応せしめた。反応後、反応液を水洗分液後クロロホル
ム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物をピリジンに溶解
し、常法により10%水酸化ナトリウム水溶液にて加水
分解を行った。20%クエン酸水溶液で中和後クロロホ
ルムを加え、水洗分液後クロロホルム層を減圧濃縮し
た。得られた濃縮物をメタノール−酢酸エチル−n−ヘ
キサンにて再沈殿を行い、NHZ−P−diAsp(1
7)を得た。(870mg、71.0%)
【0037】実施例 13 P150mgをピリジン20mlに溶解し、室温撹拌下
にバルビツール酸150mgおよびマロンニトリル20
mlをそれぞれ別々に加えて30分間反応せしめた。反
応後、それぞれの反応液に20%クエン酸水溶液とクロ
ロホルムを加え、水洗分液後クロロホルム層を減圧濃縮
した。得られたそれぞれの濃縮物を酢酸エチル−n−ヘ
キサンにて再沈殿を行い、BA−P(19)およびMC
N−P(23)を得た。(20mg、11.2%および
50mg、30.9%)
【0038】実施例 14 P200mgをピリジン20mlに溶解し、室温撹拌下
に塩酸セミカルバジド200mgおよび塩酸チオセミカ
ルバジド400mgをそれぞれ別々に加えて50分間反
応せしめた。反応後、それぞれの反応液に20%クエン
酸水溶液とクロロホルムを加え、水洗分液後クロロホル
ム層を減圧濃縮した。得られたそれぞれの濃縮物をピリ
ジン−クロロホルム−酢酸エチル−n−ヘキサンにて再
沈殿を行い、NHCONHN−P(20)およびNH
CSNHN−P(21)を得た。(160mg、7
3.0%および70mg、31.2%)
【0039】実施例 15 P300mgをピリジン50mlに溶解し、o−アミノ
ベンゼンチオール10mlを加えて60℃加温撹拌下1
8時間反応せしめた。反応後、反応液に20%クエン酸
水溶液とクロロホルムを加え、水洗分液後クロロホルム
層を減圧濃縮した。得られた濃縮物を酢酸エチル−n−
ヘキサンにて再沈殿を行い、BT−P(22)を得た。
(350mg、98.9%)
【0040】実施例 16 P100mgをピリジン8mlに溶解し、室温撹拌下に
ニトロメタン、ニトロエタンおよびニトロプロパンをそ
れぞれ別々に8mlずつ加え、さらにナトリウムエチラ
ートを600mgずつ添加し、それぞれ85分間、70
分間、24時間反応せしめた。反応後、それぞれの反応
液に20%クエン酸水溶液とクロロホルムを加え、水洗
分液後クロロホルム層を減圧濃縮した。得られたそれぞ
れの濃縮物をクロロホルム−酢酸エチル−n−ヘキサン
にて再沈殿を行い、NO−P(24)、MeNO
P(25)およびEtNO−P(26)を得た。(6
0mg、56.0%、40mg、36.5%および70
mg、62.5%)
【0041】実施例 17 P−Me3gアセトン1.1lとメタノール300ml
の混液に溶解し、室温撹拌下に10%水酸化ナトリウム
水溶液365mlを加えた。次に20%クエン酸水溶液
にて中和した後クロロホルムを加え、水洗分液後クロロ
ホルム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物をクロロホル
ム−酢酸エチル−n−ヘキサンにて再沈殿を行い、Me
CO−P(27)を得た。(2.6g、85.0%)
【0042】実施例 18 実施例17で得たMeCO−P2.6gを常法により
DCHA塩とした。本DCHA塩全量をクロロホルム5
0mlおよびアセトニトリル25mlを加えて溶解し
た。次いでアスパラギン酸 ジメチルエステル塩酸塩
3.5gを加え、撹拌下に、WSC3.0gを徐々に加
えて反応せしめた。反応後、反応液を水洗分液後クロロ
ホルム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物をピリジンに
溶解し、常法により10%水酸化ナトリウム水溶液にて
加水分解を行った。20%クエン酸水溶液で中和後クロ
ロホルムを加え、水洗分液後クロロホルム層を減圧濃縮
した。得られた濃縮物をメタノール−酢酸エチル−n−
ヘキサンにて再沈殿を行い、MeCO−P−diAs
p(28)を得た。(870mg、24.6%)
【0043】実施例 19 P−Me100mgをピリジン8mlに溶解し、室温撹
拌下にβ−ヨノン8mlを加え、さらに10%水酸化ナ
トリウム水溶液を6ml加えて20分間反応せしめた。
反応後、反応液に20%クエン酸水溶液とクロロホルム
を加え、水洗分液後クロロホルム層を濃縮した。得られ
た残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;n−
ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、Io−P ジメチ
ルエステル80mgを得た。得られたIo−P ジメチ
ルエステルをピリジンに溶解し、常法により10%水酸
化ナトリウム水溶液にて加水分解を行った。20%クエ
ン酸水溶液で中和後クロロホルムを加え、水洗分液後ク
ロロホルム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物をメタノ
ール−酢酸エチル−n−ヘキサンにて再沈殿を行い、I
o−P70mgを得た。得られたIo−Pを常法により
DCHA塩とした。本DCHA塩全量をクロロホルム1
0mlおよびアセトニトリル5mlを加えて溶解した。
次いでアスパラギン酸 ジメチルエステル塩酸塩70m
gを加え、撹拌下に、WSC50mgを徐々に加えて反
応せしめた。反応後、反応液を水洗分液後クロロホルム
層を減圧濃縮した。得られた濃縮物をピリジンに溶解
し、常法により10%水酸化ナトリウム水溶液にて加水
分解を行った。20%クエン酸水溶液で中和後クロロホ
ルムを加え、水洗分液後クロロホルム層を濃縮した。得
られた濃縮物をメタノール−酢酸エチル−n−ヘキサン
にて再沈殿を行い、Io−P−diAsp(29)を得
た。(56mg、35.0%)
【0044】実施例 20 実施例19の中間体として得られるIo−P180mg
をピリジン60mlに溶解し、50℃加温撹拌下ヒドロ
キシルアミン塩酸塩1.2gを加え、40分間反応せし
めた。反応後、反応液に20%クエン酸水溶液とクロロ
ホルムを加え、水洗分液後クロロホルム層を減圧濃縮し
た。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶
離液;酢酸エチル−メタノール)にて精製し、NOH−
Io−P110mgを得た。得られたNOH−Io−P
を常法によりDCHA塩とした。本DCHA塩全量をク
ロロホルム20mlおよびアセトニトリル10mlを加
えて溶解し、次いでアスパラギン酸 ジメチルエステル
塩酸塩110mgを加え、撹拌下に、WSC110mg
を徐々に加えて反応せしめた。反応後、反応液を水洗分
液後クロロホルム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物を
エタノールに溶解し、常法により2N水酸化カリウム水
溶液にて加水分解を行った。20%クエン酸水溶液で中
和後クロロホルムを加え、水洗分液後クロロホルム層を
濃縮した。得られた濃縮物をメタノール−酢酸エチル−
n−ヘキサンにて再沈殿を行い、NOH−Io−P−d
iAsp(30)を得た。(80mg、33.8%)
【0045】実施例 21 P−Me300mgをピリジン50mlに溶解し、室温
撹拌下にアセトフェノン5mlとp−アミノアセトフェ
ノンをそれぞれ別々に加えた。10%水酸化ナトリウム
水溶液をそれぞれに6mlずつ加えて3時間反応せしめ
た。反応後、それぞれの反応液に10%水酸化ナトリウ
ム水溶液15mlを加え20%クエン酸水溶液にて中和
後クロロホルム抽出を行い、水洗分液後クロロホルム層
を減圧濃縮した。得られたそれぞれの濃縮物を酢酸エチ
ル−n−ヘキサンにて再沈殿を行い、PhCO−P(3
1)およびNH2PhCO−P(32)を得た。(22
0mg、65.4%および180mg、52.6%)
【0046】実施例 22 NOH−P150mgをテトラヒドロフラン5mlに溶
解し、DCHA90mgをジエチルエーテル1.5ml
に溶解した液を加え常法にてDCHA塩とした。本DC
HA塩全量をジメチルホルムアミド18mlに溶解し、
10%塩酸D−グルコサミン水溶液4mlを加え、50
℃加温撹拌下に2.5%DCCのクロロホルム溶液6m
lを徐々に加え2.5時間反応せしめた。反応後、反応
液に20%クエン酸水溶液とクロロホルムを加え、水洗
分液後クロロホルム層を減圧濃縮した。得られた濃縮物
をメタノール−クロロホルム−酢酸エチル−n−ヘキサ
ンにて再沈殿を行い、NOH−P−NHglu(33)
を得た。(40mg、20.6%)
【0047】質量分析 FAB質量分析法により本誘導体の質量を測定した。そ
の測定結果の主なものを表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】実施例 23 紫外線吸収スペクトル分析(アルブミンテスト) ポルフィリン化合物はアルブミン溶液中で、単量体ある
いは二量体を形成することが知られている。この性質は
アルブミン濃度を種々変えて分析を行うことで極大吸収
値の移動または吸光係数の変動がみられることで分か
る。したがって癌細胞との親和性を検討するには簡単な
スクリーニングテストである。 アルブミン54mgを3
mlの生理食塩水に溶解し、1.8%濃度とする。次い
でこれを10倍希釈して0.18%とした液を公比3で
希釈して各アルブミン濃度(1.8、0.18、0.0
6、0.02、0.0066、0.0022%)の液を
調整した。一方、ポルフィリン誘導体1mgをリン酸緩
衝液(pH8.0)1mlに溶解し、生理食塩水で10
0mlにした。そしてアルブミン希釈液2mlとポルフ
ィリン溶液2mlを混合し、混液のアルブミン濃度0.
9、0.09、0.03、0.01、0.0033、
0.0011%とし紫外線吸収スペクトル測定(350
〜900nm)を行った。またアルブミン希釈液のかわ
りに生理食塩水およびメタノール溶液中でも同様に測定
した。これらの測定結果を表2に示す。
【表2】
【0050】実施例 24 NOH−P(8)注射液の調製 NOH−P(8)5gをそれぞれ別々にリン酸緩衝液
(pH8.0)90mlを加えて溶解し、ついでpH調
整のため0.1N水酸化ナトリウム10mlを加えて全
量をそれぞれ100ml(50mg/ml、pH7.
3)とした。次いで無菌濾過を行いながら無菌バイアル
に5mlずつ分注し、PDT用薬剤とした。さらに必要
に応じ分注後、使用時まで凍結保存した。
【0051】実施例 25 NOH−P(8)注射液のTLCおよびHPLCにおけ
る純度 実施例24で得られたNOH−P(8)注射液の適量を
オクタデシルシリカゲル(C18)薄層板(RP−1
8、メルク社製)上、メタノール−水混液(4:1)を
用いて展開した。その結果Rf0.5付近にのみスポッ
トを認めた。さらに、HPLC分析[カラム;ワコーシ
ル5C18 4.0×250mm、溶離液;メタノー
ル:水:酢酸(80:15:5)、流速;0.5ml/
min、検出波長;405nm]を行ったところ、Rt
7.8分に1本のピークを認め純度は96.0%以上で
あった。
【0052】実施例 26 NOH−P(8)注射液のin vitro中での安定
性 NOH−P(8)注射液の純度をそれぞれ経時的にTL
C分析およびHPLC分析することにより本薬剤のin
vitro中での安定性を評価した。実施例24に従
って調製したNOH−P(8)注射液をそれぞれ生理食
塩水で5倍に希釈し10mg/mlの濃度とし室温、遮
光下に静置し、本剤調製時、1日、1週間、および1か
月後に実施例25に準じて、薬剤のTLCおよびHPL
C純度を測定した。その結果、各測定時点での各薬剤の
化学的純度はTLC分析では1スポット、HPLC分析
では約95.0%であり各薬剤は少なくとも1か月安定
であることが分かった。
【0053】実施例 27 NOH−P(8)注射液の新鮮凍結血漿(in viv
o)中での安定性NOH−P(8)注射液の血漿中での
純度をそれぞれ経時的にTLC分析およびHPLC分析
することにより薬剤の疑似in vivo中での安定性
を評価した。実施例24と同様に調製したNOH−P
(8)注射液を生理食塩水で2.5倍に希釈し20mg
/mlの濃度とし、これと同量の新鮮凍結血漿を加えて
(10mg/ml、pH7.1)、体温(36.5
℃)、遮光下に静置し、各薬剤調製時、1日、1週間、
2週間、3週間および1か月後に実施例25に準じて、
薬剤のTLCおよびHPLC純度を測定した。その結
果、測定時点での薬剤の化学的純度はTLC分析では1
スポット、HPLC分析では95.0%であり薬剤は少
なくとも1か月間安定であることが分かった。
【0054】
【発明の効果】本発明のポルフィリン誘導体は癌細胞へ
の集積性、外部エネルギーに対する反応性ならびに癌細
胞の破壊作用を有し、しかも正常細胞に対して毒性を発
現することがないから、癌治療薬あるいは癌診断薬とし
て究めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 乾 裕史 岡山県笠岡市笠岡4913番地の9 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 487/22 A61K 31/40 A61K 41/00 A61K 49/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 (I) 化1 (式中、RはCH=CH、CH(OR)CH、C
    HO、CH=NOHまたはCHOH、RはCH=
    X、CH(OH)OSONa、CH(SCH−CO
    OH)、CH(OR)β−ヨノンのシクロヘキセ
    ン基−CH=CHCOCH=CHまたは化2、XはC
    (CN)、N−WまたはC(Y)Z、あるいは化3で
    示す環状構造、WはOH、OCOCHまたはNH−
    E、EはH、アルキル、COCN、CONH
    CSNH、COOCH、COCHNCl(C
    またはC(NH)=NH、YはHまたはアル
    キル、はNOまたはCOF、Fはメチル、フェニ
    ル、アミノフェニル、RはOH、アミノ糖またはアミ
    ノ酸から水素を除いた残基、Rはアルキル)で示される
    ポルフィリン化合物。(但し、式中、4つのテトラピロ
    ール環のうちA及びB環の側鎖の官能基がそれぞれ入れ
    替わった位置異性体も含む。) 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポルフィリンからなる光
    物理化学的診断用および/または治療用増感剤。
  3. 【請求項3】 癌の診断および/または治療に使用され
    る請求項2記載の光物理化学用増感剤。
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