JP3191044B2 - 密閉容器のための蓋体 - Google Patents

密閉容器のための蓋体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉容器の容器本
体に嵌合される蓋体に関し、特に容器本体側に対する嵌
合溝を含む部分を軟質周縁部として、密閉性等を向上さ
せるようにした密閉容器のための蓋体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】所謂密閉容器としては、既に種々なもの
が提案されてきており、特に食品の鮮度を保つものとし
て重宝されているものである。ところが、この密閉容器
は、例えば実公平7−32432号公報に指摘されてい
る通り、その容器本体に嵌合されるべき蓋体が合成樹脂
材料によって一体形成されている為、例えば温度変化に
よって不均一に収縮するものである。このように収縮す
ると、蓋体と容器本体との間に隙間が生じ、従来の容器
は、その密閉性が低下するという問題を有していたもの
である。
【0003】特に、密閉性を向上させようとすると、容
器本体も蓋体も精度良く形成しなければならないし、密
閉性が向上したとすると、今度は蓋体が容器本体にしっ
かりと密着してしまって、その取外しが困難となるだけ
でなく、嵌合操作性も悪くなってしまうのである。
【0004】ところで、この種の密閉容器は、ポリプロ
ピレン(PPと略称されている)を代表とする合成樹脂
を材料として成形されているものであるが、このPPを
採用しているのは、PPが食品を収納する容器を構成す
るのに適した材料であり、製造技術が進んでいるからで
ある。そして、通常単にポリプロピレンという場合に
は、アイソタクチックポリプロピレン(以下、単にIP
Pと略称する)を言うことが多い。つまり、PPはその
立体構造的にみた場合、一般的なIPP、シンジオタク
チックポリプロピレン(以下、単にSPPと略称す
る)、及びアタクチックポリプロピレンの3種類のもの
があるのである。
【0005】IPPは、固体であるチーグラー・ナッタ
触媒を介在させて製造されるものであるが、カミンスキ
ーによって「メタロセン触媒」が見いだされた。このメ
タロセン触媒は、トリメチルアルミニウムを加水分解し
て得られるメチルアルミノキサンと、メタロセン化合物
とを組み合わせた触媒で、発明者の名をとってカミンス
キー触媒とも言われている。このメタロセン触媒は、溶
媒に可溶であり、活性種の性質が均質なことから均一系
触媒、あるいはシングルサイト触媒ともいわれることも
ある。
【0006】このメタロセン触媒の中で特定構造のメタ
ロセン化合物を採用するとSPPを合成することが知ら
れている。中でも、J.A.Ewenらによって発表さ
れた方法によれば、従来のSPPに比較して極めて立体
規制性が高いものである。
【0007】換言すれば、この種の密閉容器を合成樹脂
によって成形するには、まず、その蓋体の容器本体に対
する密閉性を十分なものとして、当該密閉容器内に収納
して冷蔵等を行う食品等の保存を確実に行えるようにす
る必要があるのである。またこの種の合成樹脂によって
成形した密閉容器は、その蓋体の容器本体に対する嵌合
操作性を良好にしておいて、食品等の保存を簡単に行え
るようにしておかなければならいものである。
【0008】密閉容器は、容器本体の上端開口に蓋体を
嵌合して、容器本体を密閉状態にするものであるから、
十分な密閉状態を確保したり、蓋体の容器本体に対する
嵌合操作性を良好にするには、蓋体を蓋体本体部と周縁
部とに異なる樹脂にて一体的に形成して提供する事にあ
る。
【0009】一方、異なる合成樹脂材料を使用しなが
ら、一つの製品を射出成形する方法として「コアバック
成形法」があるが、この「コアバック成形法」は、所謂
「インサート成形法」とは全く異なって、言わば異種材
料から一つの製品を一つの型で略同時に射出成形する方
法である。すなわち、例えば、硬質本体部と、その周縁
に軟質周縁部を一体化した蓋体を、このコアバック成形
法によって同時形成するには、第一材料によって硬質本
体部を(一次)射出成形しておき、その後に硬質本体部
を形成していた型の一部を後退させること(コアバッ
ク)により空間(キャビティ)を形成、またはこの空間
への樹脂の流動路を形成しておく。このようにして形成
された空間内に、第二材料を注入することにより、軟質
周縁部が硬質本体部の周縁に射出成形(二次)されるの
である。この間、型開きされることはなく、一次射出さ
れたものの一次冷却時間中に二次射出がなされるのであ
り、成形時間を短縮しながら、例えば蓋体を同時に射出
成形するものである。
【0010】換言すれば、この種の密閉容器は、以上の
ようなコアバック成形法を積極的に採用することによ
り、その製造を容易化してコストの掛からない製品とす
るとことができるのである。
【0011】そこで、本発明者は、この種の密閉容器に
おけるコスト低減を図りながら、その蓋体の嵌合操作性
や密閉性等を十分なものとするにはどうしたらよいかに
ついて種々検討を重ねてきた結果、要するに容器本体に
嵌合される蓋体の本体部もしくは周縁部の少なくともど
ちらか一方にSPPを混入することが良い結果を生むこ
とに気付き、本発明を完成させたのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この種の密
閉容器における上記実状に鑑みてなされたもので、その
解決しようとする課題は、蓋体の容器本体に対する嵌合
・取外し操作の容易性を確保しながら、両者間の密閉性
を向上させることにあると共に、頻繁に蓋の開閉を行う
ものであるから、異なる樹脂にて一体成形した蓋体の硬
質本体部とその周縁の軟質本体部間での剥離が生じない
ような融着強度を確保することにある。
【0013】すなわち、本発明の目的とするところは、
軽量化やコスト低減を図りながら、蓋体を構成している
硬質本体部と、その周縁に形成される軟質周縁部との一
体化を確実にすることができ、蓋体の容器本体に対する
嵌合・取外し操作を容易に行うことができて、しかも両
者の密閉性を向上させることのできる密閉容器の蓋体を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明の採った手段は、後述する実施の形態の説
明中で使用する符号を付して説明すると、「密閉容器を
構成する容器本体20の開口端縁21に気密的に嵌合さ
れる蓋体20を構成して、この蓋体10の中央部を構成
する硬質本体部11とこの硬質本体部11の周縁に一体
化されて容器本体20の開口端縁21に嵌合される嵌合
溝13を有した軟質周縁部12とからなる蓋体20であ
って、軟質周縁部12を、SEPSまたはこれにSPP
を添加した合成樹脂材料によって形成すると共に硬質本
体部11を、IPPまたはSPPを添加した合成樹脂材
料によって一体成形したことを特徴とする密閉容器の蓋
体10」である。
【0015】すなわち、この密閉容器を構成する蓋体1
0は、図1〜図3に示すように、密閉容器を構成する容
器本体20の開口端縁21に嵌合されるものであり、特
に図2及び図3に示すように、蓋体10の中央部を構成
する硬質本体部11と、この硬質本体部11の周縁に一
体化されて容器本体20の開口端縁21に嵌合される嵌
合溝13を有した軟質周縁部12とからなるものであ
る。
【0016】そして、この蓋体10は、上記従来の技術
の欄で述べたように、「コアバック成形法」によって一
体成形したものである。つまり、第一材料によって硬質
本体部11を(一次)射出成形しておき、その後に硬質
本体部11を形成していた型の一部を後退させること
(コアバック)により空間(キャビティ)を形成、また
はこの空間への樹脂の流動路を形成しておく。このよう
にして形成した空間内に第二材料を注入することによ
り、軟質周縁部12を硬質本体部11の周縁に射出成形
(二次)するのである。この間、型開きされることはな
く、一次射出されたものの一次冷却時間中に二次射出が
なされ、当該蓋体10は、成形時間を短縮しながら同時
に射出成形されたものである。
【0017】また、この蓋体10の硬質本体部11は、
IPP単独、あるいはこのIPPにSPPを添加した合
成樹脂材料によって形成する必要がある。この硬質本体
部11は、その周縁に軟質周縁部12を一体成形した場
合でも、蓋体10の容器本体20に対する嵌合や取り外
しを容易に行えるようにするために、一定の剛性を有し
ている必要のあるものであり、文字通り、蓋体10の本
体部分を構成する硬質なものだからである。そのため
に、この硬質本体部11は、IPP単独によって形成す
るか、あるいは、IPP単独では柔軟性が不足する場合
に、このIPPにSPPを添加した合成樹脂材料によっ
て形成したものである。SPPは、IPPに対する相溶
性が優れ、しかも前述したように、IPPよりも軟質な
ものだからである。
【0018】しかも、この硬質本体部11は、これを通
して密閉容器内に収納した食品等が外から容易に視認で
きるようにするために、透明性に優れている必要がある
が、そのために、この硬質本体部11はIPP単独、あ
るいはこのIPPにSPPを添加した合成樹脂材料によ
って形成したのである。
【0019】SPPはIPPに対する相溶性が優れ、し
かもSPPはIPPよりも低い金型温度で成形する為、
成形後のひけやそり等の外観不良を極力発生させること
がないことによって、透明性に優れたものとすることが
できるのであると共に、さらに、この蓋体10の硬質本
体部11を構成するための言わば主材をIPPとしたの
は金型の離型性を良くする為である。
【0020】一方、この蓋体10の軟質周縁部12はS
EPS(ポリスチレン−エチレン−プロピレンコポリマ
ー−ポリスチレンからなるトリブロックコポリマー)
(エラストマー)単独あるいはこれにSPPを添加した
ものであり、これにより蓋体10の軟質周縁部12を硬
質本体部11に対して柔軟性のものとしたのである。軟
質周縁部12が柔軟性のものであると、嵌合溝13を含
む軟質周縁部12の変形が容易となり、かつその復元性
も良くなる為、密閉する際の操作性が高くなって確実に
密閉状態を維持できるのである。
【0021】このような嵌合溝13を含む軟質周縁部1
2を軟質なものとするためには、この軟質周縁部12を
構成するための材料はSEPS85〜95%に対してS
PPを含有させたエラストマーを主体とする材料によっ
て構成することが好ましい。その理由は、エラストマー
の含有量が85%より少ないと必要とする柔軟性を蓋体
の軟質周縁部12に付与することができないからであ
り、エラストマーの含有量が95%より多いと、容器本
体20の開口端縁21に嵌合されるべき嵌合溝13を含
む軟質周縁部12が必要とする剛性を確保することがで
きないのである。
【0022】この種のエラストマーとしては、SEPS
系ブロックコポリマー、すなわち、ポリスチレン−エチ
レン−プロピレンコポリマー−ポリスチレンからなるト
リブロックコポリマーを採用することが好ましい。その
理由は、エラストマーのベースポリマーとしてSEPS
タイプのものを使用すれば、二重結合を有していないベ
ースポリマーを採用するということになり、耐候性や耐
熱性に優れているだけでなく、「臭い」が少ないものと
なり、例えば食品を収納するための密閉容器とするのに
適しているためである。
【0023】なお、この種のエラストマーとして、エチ
レンプロピレンゴム、エチレンとプロピレンとをチグラ
ー触媒の存在下で重合したゴム状物も採用される。ま
た、この軟質周縁部12に着色して不透明なものとする
ために、物性を損なわない程度顔料を加えたり、このエ
ラストマー内にタルクやシリカを混入するようにして実
施してもよい。エラストマー内にタルクやシリカを混入
するするのは、この軟質周縁部12について、逆に硬度
を上げたり、当該軟質周縁部12を含む密閉容器をゴミ
として燃焼させる際の熱量を抑えるためである。
【0024】以上のように、蓋体10の硬質本体部11
や、軟質周縁部12を構成している樹脂材料中に、SP
Pを添加することが好ましいが、その理由は、次の通り
である。軟質周縁部12は、硬質本体部11の周縁に
「コアバック成形法」によって一体成形しなければなら
ないし、軟質周縁部12を構成する主材は、SEPSで
あるから、軟質周縁部12及び硬質本体部11を構成す
る材料間の相溶性を高くしなければならないし、1次射
出した結晶化速度を遅くすると共に成形体表面の粘着性
が発揮されることにより確実密着した状態とすることが
できるのである。そのような要求に対して、SPPは、
前述したように、IPPとは勿論、他の合成樹脂に対す
る相溶性が優れているから、嵌合操作性も必要になる蓋
体10を構成する材料としては、非常に優れた作用を発
揮するのである。
【0025】また、蓋体10の硬質本体部11や軟質周
縁部12を構成している樹脂材料中にSPPを添加する
ことが好ましい第2の理由は、このSPPは、密閉容器
に対する以上の要求に応えながら、密閉容器の軽量化、
型成形の容易化を図ることができるからである。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、以上のように構成した本発
明を、図面に示した実施の形態である密閉容器について
説明すると、次の通りである。図1〜図3には、本発明
に係る密閉容器が示してあるが、図1は、上側半分を底
面とした密閉容器の平面図を示すものであり、図2は、
左側半分を断面とした密閉容器の正面図を示し、図3は
図2の要部拡大断面図である。
【0027】この密閉容器の容器本体20は、ポリプロ
ピレン等の合成樹脂材料により一体成形したもので、そ
の全体を比較的硬質なものとしてあり、蓋体10が嵌合
されるべき開口端縁21の剛性を十分なものとしたもの
である。また、この容器本体20の側面は、図2及び図
3に示したように、その開口端縁21が僅かに外方に拡
開するように形成してあり、これによっても蓋体10と
の密閉性を向上させたものである。なお、この容器本体
20の底部下面には、複数の脚部22が一体的に形成し
てあり、これらの脚部22によって当該容器本体20の
底面が机上等に密着しないようにしてある。
【0028】さて、蓋体10であるが、実施形態のもの
では、その軟質周縁部12と硬質本体部11を、所謂
「コアバック成形法」によって、異なる材料を時間差を
設けて射出成形することにより一体化したものである。
【0029】この蓋体10をコアバック成形法によって
形成するには、IPP(透明または半透明である)、ま
たはこれにSPPを添加した材料によって硬質本体部1
1を(一次)射出成形しておき、その後に、硬質本体部
11を形成していた型の一部を後退させること(コアバ
ック)により空間(軟質周縁部12のためのキャビテ
ィ)を形成、またはこの空間への樹脂の流動路を形成す
るのである。なお、SPPとは、BC−NMRで測定し
て、ラセミベンタッドが0.7以上のものが利用され、
230℃で測定されたメルトフローインデックスが0.
1〜100程度のものが例示できる。
【0030】そして、この空間内に、スチレン−ブタジ
エン系ブロック共重合体の水添物(SEPS)、あるい
は、これにSPPを5〜15%混入した、エラストマー
を主材とする合成樹脂材料を注入することにより、射出
成形(二次)を行うことによりなされる。この間、型開
きされることはなく、一次射出されたものの一次冷却時
間中に二次射出がなされるのであり、成形時間を短縮し
ながら、軟質周縁部12の硬質本体部11に対する密着
性を確保しているものである。
【0031】本実施形態における軟質周縁部12の合成
樹脂材料としては、水添SISブロックコポリマーをベ
ースポリマーとしているエラストマー(SEPS系)
に、重量比で12.5%のSPPを入れたものを採用し
ている。このように、軟質周縁部12の主材として、エ
ラストマーのベースポリマーとしてSEPSタイプのも
のを使用しており、このベースポリマーは二重結合を有
していないため、この蓋体10の軟質周縁部12は、耐
候性や耐熱性に優れているだけでなく、「臭い」が少な
いものとなり、例えば食品を収納するための密閉容器と
して適している。
【0032】また、以上のようなエラストマーにSPP
を混在させた合成樹脂材料によって形成した軟質周縁部
12の硬度を、デュロメータによって、JIS−K−7
215の基準の下に測定してみたところ、A93であ
り、硬質本体部11の硬度は、ロックウェル硬度計によ
ってJIS−K−7202号によって測定したところ、
その硬度はR57であった。なお、この軟質周縁部12
を、従来と同様に、低密度ポリエチレン100%によっ
て形成しておき、上記JIS−K−7215の基準の下
でデュロメータによる硬度を測定したところその硬度は
A98であった。
【0033】つまり、本発明に係る蓋体10の軟質周縁
部12の硬度と、硬質本体部11の硬度との間に硬度差
を設けることにより、密閉する際には、硬度の高い硬質
本体部11を強く押圧することができるという操作性を
向上させる意味があり、硬質本体部11より軟質周縁部
12の硬度を低くすることは、容器本体20の開口端縁
21に対する嵌合・取外し操作を従来品より行い易く
し、かつ密閉性を向上させるという意味がある。
【0034】ところで、この蓋体10を、図1に示した
ような略長方形のものに形成した場合に、その大部分は
透明または半透明の材料によって形成した硬質本体部1
1であるから、この硬質本体部11を通して容器本体2
0内を視認することができるだけでなく、硬質本体部1
1の周囲には着色された軟質周縁部12を存在させるこ
とができるから、この軟質周縁部12によってその内側
は見えない。すなわちこの蓋体10は、着色された軟質
周縁部12が硬質本体部11の周囲に存在しているとい
うデザイン上でも優れたものとなっているだけでなく、
もし蓋体10と容器本体20との間に物が挟っていたと
しても、これを軟質周縁部12が外部からは見えなくし
ているのであり、使用時における全体の見栄えをよくす
るものである。
【0035】勿論、この蓋体10の軟質周縁部12に
は、図2及び図3に示したように、断面略逆U字状の嵌
合溝13が形成してあるが、この嵌合溝13内に容器本
体20側の開口端縁21が嵌入されることになるのであ
る。この嵌合溝13の周囲は、前述した硬度を有する合
成樹脂材料によって形成されている軟質周縁部12なの
であるから、当該蓋体10の容器本体20に対する嵌合
性が良好でかつ密閉性も良いものであることは前述した
通りである。
【0036】本実施形態の嵌合溝13は、図3に示した
ように、その中心線L1が前述した容器本体20の開口
端縁21の傾斜方向に合わせて上方外側に傾斜させてあ
り、かつ、その外側内面(容器本体20の開口端縁21
の外側面が当たる面)を、開口端縁21の上端からの垂
線L2に対して内方に傾斜させてある。また、この嵌合
溝13を形成している軟質周縁部12の外側部分を、図
3に示したように他の部分よりも肉厚のものとしてあ
る。以上の結果、一部に指掛け14が一体化してある軟
質周縁部12の外周縁は、これを成形後に僅かに内方に
縮むことにあり、開口端縁21に対する密着をより向上
させることになるのである。
【0037】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明において
は、上記の実施の形態で例示した如く、「軟質周縁部1
2を、SEPSまたはこれにシンジオタクチックポリプ
ロピレン(SPP)を添加した合成樹脂材料によって形
成するとともに、硬質本体部11を、アイソタクチック
ポリプロピレン(IPP)またはこれにシンジオタクチ
ックポリプロピレン(SPP)を添加した合成樹脂材料
によって一体成形したこと」にその構成上の特徴があ
り、これにより、コスト低減を図りながら、蓋体を構成
している硬質本体部と、その周縁に形成される軟質周縁
部との一体化を確実にすることができ、蓋体の容器本体
に対する嵌合・取外し操作を容易に行うことができて、
しかも両者の密閉性を向上させることができるととも
に、頻繁に開閉を操作が行われる軟質本体部間での剥離
が生じないような融着強度を確保することのできる密閉
容器のための蓋体10を提供することができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】上側半分に容器本体の底面を示し、下側半分に
本発明に係る蓋体を示した密閉容器の平面図である。
【図2】左側半分を断面とした密閉容器の正面図であ
る。
【図3】図2の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 蓋体 11 硬質本体部 12 軟質周縁部 13 嵌合溝 14 指掛け 20 容器本体 21 開口端縁 22 脚部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−52327(JP,A) 特開 平7−304877(JP,A) 特開 平3−212380(JP,A) 特開 平5−97164(JP,A) 実開 昭50−65802(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 43/06 B65D 81/24 C08J 5/00 CET

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器を構成する容器本体の開口端縁
    に気密的に嵌合される蓋体を構成して、この蓋体の中央
    部を構成する硬質本体部と、この硬質本体部の周縁に一
    体化されて前記容器本体の開口端縁に嵌合される嵌合溝
    を有した軟質周縁部とからなる蓋体であって、 前記軟質周縁部を、SEPSまたはこれにシンジオタク
    チックポリプロピレンを添加した合成樹脂材料によって
    形成するとともに、前記硬質本体部を、アイソタクチッ
    クポリプロピレンまたはこれにシンジオタクチックポリ
    プロピレンを添加した合成樹脂材料によって一体成形し
    たことを特徴とする密閉容器の蓋体。
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