JP2893170B2 - 密閉容器 - Google Patents
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Description
に嵌合される蓋体とからなる容器に関し、特に蓋体側の
嵌合凹溝を含む部分に工夫を加えることによって、密閉
性を向上させた容器に関するものである。
なものが提案されてきており、特に食品の鮮度を保つも
のとして重宝されているものである。ところが、この種
の密閉容器は、例えば実公平7−32432号公報に指
摘されている通り、その容器本体及びこれに嵌合される
べき蓋が合成樹脂材料によって形成してあるため、例え
ば温度変化によってどちらかが相対的に収縮するもので
ある。このように収縮すると、蓋体と容器本体との間に
隙間が生じ、従来の容器は、その密閉性が低下するとい
う問題を有していたものである。
器本体も蓋体も精度良く形成しなければならないし、密
閉性が向上したとすると、今度は蓋体が容器本体にしっ
かりと密着してしまって、その取外しが困難となるだけ
でなく、嵌合性(嵌合を容易に行えるようにすること)
も悪くなってしまうのである。
体に嵌合されるべき蓋体を同一材料により一体的に形成
しているため、容器本体内の物が見えるような透明また
は半透明材料によって蓋体を形成した場合に、次のよう
な欠点を有するものとなっている。すなわち、容器本体
内に収納した食品の一部が、当該容器本体とこれに嵌合
された蓋体との間に挟まったままになったとき、蓋体が
透明または半透明であればその挟まったままになってい
る食品があることが外から見えることになり、全体とし
て使用時に見栄えの悪いものとなってしまうのである。
おける蓋の嵌合を不都合なく行えるようにするにはどう
したらよいかについて種々検討を重ねてきた結果、要す
るに容器本体に嵌合される蓋体の嵌合凹溝を含む周縁を
軟質な材料によって形成することが良い結果を生むこと
に気付き、本発明を完成したのである。
閉容器における上記実状に鑑みてなされたもので、その
解決しようとする課題は、蓋体の容器本体に対する嵌合
・取外し操作の容易性を確保しながら、両者間の密閉性
を向上させることにある。
蓋体としての剛性を蓋本体部によって確保しながら、こ
の蓋本体部の周縁に位置して嵌合凹溝を含む部分をプロ
ピレンを含むエラストマーによって形成することによ
り、蓋体の容器本体に対する嵌合・取外し操作を容易に
行うことができて、しかも両者の密閉性を向上させるこ
とができることは勿論、蓋本体部に対する周縁部分の一
体化を、これらを異種材料によって成形しても、密着性
を確保して行うことができる密閉容器を提供することに
ある。
めに、本発明の採った手段は、以下の実施形態の説明中
において使用する符号を付して説明すると、「物を収納
する容器本体11と、この容器本体11の上端縁11a
に嵌合される嵌合凹溝13を有した蓋体12とからなる
密閉容器10であって、蓋体12の嵌合凹溝13を含む
周縁全体12aを、SEBS系のエラストマーが75〜
65%ポリプロピレンが25〜35%という混合割合の
合成樹脂を材料とし、 周縁12aの内側になる蓋本体部
12bを、透明もしくは容器本体11内が外から見える
程度の半透明性を有するポリプロピレンを材料とすると
ともに、 蓋体12の周縁12aを、蓋本体部12bと同
時または別個に成形することによって、周縁12aとそ
の内側に位置する蓋本体部12bとが、その突き合わせ
面で気密的に融着し合うようにしたことを特徴とする密
閉容器10」である。
その蓋体12の周縁12aと、この周縁12aの内側に
なる蓋本体部12bとを、異種の合成樹脂を材料として
一体成形したものである。特に、蓋体12の周縁12a
をポリプロピレンを混入したエラストマーによって形成
するとともに、蓋本体部12bをポリプロピレンによっ
て形成したものであり、これにより、蓋体12の周縁1
2aを、蓋体12の蓋本体部12bに対して軟質のもの
としたのである。周縁12aが軟質のものであれば、そ
の嵌合凹溝13による容器本体11の上端縁11aに対
する嵌合操作は勿論、取外し操作も容易に行えるととも
に、蓋体12の容器本体11に対する密閉性も向上して
いるのである。何故なら、周縁12aが軟質のものであ
ると、嵌合凹溝13を含む周縁12aの変形が容易とな
り、かつその復元性も良くなり、蓋本体部12bの硬度
が高くなるため、密閉する際の操作性が高くなって確実
に密閉状態を維持できるのである。
を軟質なものとするために、この周縁12aを構成する
ための合成樹脂材料は、SEBS系のエラストマー75
〜65%に対してポリプロピレンを含有させた、エラス
トマーを主体とする材料によって構成する必要がある。
その理由は、エラストマーの含有量が65%より少ない
と、必要とする柔軟性を蓋体12の周縁12aに付与す
ることができないからであり、エラストマーの含有量が
75%より多いと、容器本体11の上端縁11aに嵌合
されるべき嵌合凹溝13を含む周縁12aが必要とする
剛性を確保することができないだけでなく、蓋体12を
高価なものとしてしまうからである。
系のもの、すなわち、スチレン−ブタジエン系ブロック
共重合体の水添物系のものを採用する必要がある。その
理由は、エラストマーのベースポリマーとしてSEBS
タイプのものを使用すれば、二重結合を有していないベ
ースポリマーを採用するということになり、耐候性や耐
熱性に優れているだけでなく、「臭い」が少ないものと
なり、例えば食品を収納するための密閉容器10とする
のに適しているためである。
レンプロピレンゴム、エチレンとプロピレンとをチグラ
ー触媒の存在下で重合したゴム状物も採用される。ま
た、この周縁12aに着色して不透明なものとするため
に、物性を損なわない程度顔料を加えたり、このエラス
トマー内にタルクやシリカを混入するようにして実施し
てもよい。エラストマー内にタルクやシリカを混入する
するのは、この周縁12aについて、逆に硬度を上げた
り、当該周縁12aを含む密閉容器10をゴミとして燃
焼させる際の熱量を抑えるためである。
成するための主材をポリプロピレンとしたのは、異なる
材料によって1つの製品・物品を同時型成形する場合
に、異種材料といっても互いにある程度の親和性を有す
ることがよいからである。従って、本発明の蓋体12
を、その周縁12aの内側に位置することになる蓋本体
部12bをポリプロピレンによって形成することを前提
として、周縁12aを構成するための合成樹脂材料の主
材を25〜35%のポリプロピレンとしたのである。
明を、図面に示した実施の形態である密閉容器10につ
いて説明すると、図1及び図2には、本発明に係る密閉
容器10が示してある。図1は、上側半分を底面とした
密閉容器10の平面図を示すものであり、図2は、左側
半分を断面とした密閉容器10の正面図を示すものであ
る。
プロピレン等の合成樹脂材料により一体成形したもの
で、その全体を比較的硬質なものとしてあり、蓋体12
が嵌合されるべき上端縁11aの剛性を十分なものとし
たものである。また、この容器本体11の側面は、図2
に示したように、その上端縁11aが僅かに外方に拡開
するように形成してあり、これによっても蓋体12との
密閉性を向上させた。
したものでは、その周縁12aと蓋本体部12bを、所
謂「コアバック成形法」によって、異なる材料を時間差
を設けて射出成形することにより一体化したものであ
る。これに対して、図6及び図7に示した蓋体12で
は、蓋本体部12bに対して周縁12aを、所謂「イン
サート成形法」によって一体化したものである。
形成するには、透明または半透明のポリプロピレンによ
って蓋本体部12bを(一次)射出成形しておき、その
後に蓋本体部12bを形成していた型の一部を後退させ
ること(コアバック)により空間(周縁12aのための
キャビティ)を形成、またはこの空間への樹脂の流動路
を形成して、この空間内に、スチレン−ブタジエン系ブ
ロック共重合体の水添物(SEBS)系のエラストマー
を75〜65%だけ混入したポリプロピレンからなる、
エラストマーを主材とする合成樹脂材料を注入すること
により、射出成形(二次)を行うことによりなされる。
この間、型開きされることはなく、一次射出されたもの
の一次冷却時間中に二次射出がなされるのであり、成形
時間を短縮しながら、周縁12aの蓋本体部12bに対
する密着性を確保しているものである。
材料としては、水添SBSブロックコポリマーをベース
ポリマーとしているエラストマー(SEBS系)を、重
量比で27.5%となるようにポリプロピレンを入れた
ものを採用している。ポリプロピレンには、ホモ、ラン
ダム、ブロックの三種類タイプがあるが、本実施形態で
はランダムタイプを採用している。しかも、エラストマ
ーのベースポリマーとしてSEBSタイプのものを使用
しているので、このベースポリマーは二重結合を有して
いないため、耐候性や耐熱性に優れているだけでなく、
「臭い」が少ないものとなり、例えば食品を収納するた
めの密閉容器10として適している。
ロピレンとを混在させた合成樹脂材料によって形成した
周縁12aの硬度を、デュロメータによって、JIS−
K−7215の基準の下に測定してみたところ、A93
であり、蓋本体部12bの硬度は、ロックウェル硬度計
によってJIS−K−7202号によって測定したとこ
ろ、その硬度はR57であった。なお、この周縁12a
を、従来と同様に、低密度ポリエチレン100%によっ
て形成しておき、上記JIS−K−7215の基準の下
でデュロメータによる硬度を測定したところ、その硬度
はA98であった。
aの硬度と、蓋本体部12bの硬度との間に硬度差を設
けることにより、密閉する際には、硬度の高い蓋本体部
12bを強く押圧することができるという操作性を向上
させる意味があり、蓋本体部12bより周縁12aの硬
度を低くすることは、容器本体11の上端縁11aに対
する嵌合・取外し操作を従来品より行い易くし、かつ密
閉性を向上させるという意味がある。
ような略長方形のものに形成した場合に、その大部分は
透明または半透明のポリプロピレンによって形成した蓋
本体部12bであるから、この蓋本体部12bを通して
容器本体11内を視認することができるだけでなく、蓋
本体部12bの周囲には着色された周縁12aが存在し
ているから、この周縁12aによってその内側は見えな
い。すなわち、この蓋体12は、着色された周縁12a
が蓋本体部12bの周囲に存在しているというデザイン
上でも優れたものとなっているだけでなく、もし蓋体1
2と容器本体11との間に物が挟っていたとしても、こ
れを周縁12aが外部からは見えなくしているのであ
り、使用時における全体の見栄えをよくするものであ
る。
2〜図4に示したように、断面略逆U字状の嵌合凹溝1
3が形成してあるが、この嵌合凹溝13内に容器本体1
1側の上端縁11aが嵌入されることになるのである。
この嵌合凹溝13の周囲は、前述した硬度を有する合成
樹脂材料によって形成されている周縁12aなのである
から、当該蓋体12の容器本体11に対する嵌合性が良
好でかつ密閉性も良いものであることは前述した通りで
ある。
4に示したように、その中心線が前述した容器本体11
の上端縁11aの傾斜方向に合わせて上方外側に傾斜さ
せてあり、かつ、その外側内面(容器本体11の上端縁
11aの外側面が当たる面)を、上端縁11aの上端か
らの垂線に対して内方に傾斜させてある。また、この嵌
合凹溝13を形成している周縁12aの外側部分を、図
3及び図4に示したように他の部分よりも肉厚のものと
してある。以上の結果、一部に指掛け14が一体化して
ある周縁12aの外周縁は、これを成形後に僅かに内方
に縮むことにあり、上端縁11aに対する密着をより向
上させることになるのである。
形状のものに限らず、図5に示した略正方形状のものと
して適用することができることは勿論、図6または図7
に示したネジ蓋タイプのものとして実施してもよい。
では、その周縁12aの内側にネジ溝を有しているもの
であり、このネジ溝が請求項で述べている嵌合凹溝13
に該当するものである。ただし、これらの図6及び図7
に示した蓋体12は、その蓋本体部12bをポリプロピ
レン等によって成形しておき、このポリプロピレンの周
縁に対して、前記割合のポリプロピレンとエラストマー
とからなる合成樹脂材料によって周縁12aをインサー
ト成形したものである。勿論、これらの図6及び図7に
示した容器本体11には、蓋体12側のネジ溝である嵌
合凹溝13に対応する複数(図6に示した場合)または
単数(図7に示した場合)の螺着突条15を、その上端
縁11aの外周面に形成しておく必要があり、平面形状
を円形としておく必要がある。
及び図2に示した密閉容器10と、これと同形状の従来
品のそれぞれについて、次のような水漏れ試験を行っ
た。試験方法としては、各容器内に水400g(グラ
ム)を入れて蓋をした後、約60時間放置したときの減
少量を測定することにより行い、減少量をg(グラム)
を単位として次の表1に示す。なお、比較例2は、18
時間後の減少量である。
0では、水の洩れは殆んどなく、各比較例である従来品
に比べると、密閉性に優れていることが理解できる。
体11に対する蓋体12の開閉機能の試験を、次のよう
にして行った。閉機能については、蓋体12を上下ひっ
くり返して平面上に置くとともに、その上に容器本体1
1をひっくり返して被せ、さらにその上に重量が395
gの平板を置いた。そして、この平板の中心部をテンシ
ョンゲージの棒側で押し、容器本体11が蓋体12に嵌
合したときの力を測定し、同様なことを比較例1及び2
についても行ったところ、次の表2のような結果を得
た。
体12側の指掛け14のない周縁12aにテンションゲ
ージのカカリ部分の引っ掛けて、周縁12aの他の部分
を固定し、蓋体12のコーナー部分が容器本体11から
外れたときの力を測定することにより行った。このこと
を、上記比較例1及び2についても行ったところ、次の
表3のような結果を得た。
じ共に、本発明の密閉容器10と略同程度の結果が得ら
れたが、この比較例2のものは上記表1に示したよう
に、密閉性が小さいため少ない力で開閉できたものであ
ると考えられる。
合操作性は非常に良くて、しかも密閉性も高いものであ
ることが理解できる。
は、上述したように構成したものであるから、表1〜表
3の実験結果からも明白な通り、蓋体としての剛性を蓋
本体部によって確保しながら、この蓋本体部の周縁に位
置して嵌合凹溝を含む部分を、ポリプロピレンを含むエ
ラストマー主体の材料によって形成することにより、蓋
体の容器本体に対する嵌合・取外し操作を容易に行うこ
とができて、しかも両者間に硬度差を設けることによっ
て両者の密閉性を向上させることのできる密閉容器を提
供することができる。また、本発明によれば、異種材料
によって成形したものであっても、周縁12aの蓋本体
部12bに対する密着性を確保することのできる密閉容
器を提供することができる。
示した平面図である。
である。
である。
である。
の、上側半分を底面として示した平面図である。
発明に係る密閉容器の部分断面図である。
の部分破断正面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 物を収納する容器本体と、この容器本体
の上端縁に嵌合される嵌合凹溝を有した蓋体とからなる
密閉容器であって、 前記蓋体の嵌合凹溝を含む周縁全体を、 SEBS系のエラストマーが75〜65% ポリプロピレンが25〜35%という混合割合の合成樹脂を材料とし、 前記周縁の内側になる蓋本体部を、透明もしくは前記容
器本体内が外から見える程度の半透明性を有するポリプ
ロピレンを材料とするとともに、 前記蓋体の周縁を、前記蓋本体部と同時または別個に成
形することによって、前記周縁とその内側に位置する蓋
本体部とが、その突き合わせ面で気密的に融着し合うよ
うにしたこ とを特徴とする密閉容器。
Priority Applications (1)
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JP8112376A JP2893170B2 (ja) | 1996-05-07 | 1996-05-07 | 密閉容器 |
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JP8112376A JP2893170B2 (ja) | 1996-05-07 | 1996-05-07 | 密閉容器 |
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Family Applications (1)
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JP8112376A Expired - Fee Related JP2893170B2 (ja) | 1996-05-07 | 1996-05-07 | 密閉容器 |
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Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5941244U (ja) * | 1982-09-08 | 1984-03-16 | 山本 勝司 | 気密透視窓付き容器蓋 |
-
1996
- 1996-05-07 JP JP8112376A patent/JP2893170B2/ja not_active Expired - Fee Related
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