JP3189825B2 - 楽音再生方法 - Google Patents

楽音再生方法

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JP3189825B2
JP3189825B2 JP09774699A JP9774699A JP3189825B2 JP 3189825 B2 JP3189825 B2 JP 3189825B2 JP 09774699 A JP09774699 A JP 09774699A JP 9774699 A JP9774699 A JP 9774699A JP 3189825 B2 JP3189825 B2 JP 3189825B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、演奏された楽音信号
を録音再生する楽音再生方法に関し、特に、録音された
楽音信号のピッチ(周波数)を変化させずに再生時間を
伸縮した場合の音質の劣化の防止に関する。
【0002】
【従来の技術】楽音信号をディジタル化して記憶再生す
る波形データ再生装置において、実際に演奏された楽音
信号はパルスコード変調(PCM)等の方式によりディ
ジタルデータ化され波形メモリに記憶される。このよう
に記憶されたディジタル波形データの再生時間を伸縮す
る方法としては、従来、再生時の波形の読出スピードを
録音時とは異なるスピードに設定することにより波形デ
ータの再生時間を変化させるようにしていた。この方式
では、再生時間が変化するのに比例して再生される楽音
信号のピッチも変化するため、この信号をピッチチェン
ジャに入力して、読出時間の伸縮によって変化したピッ
チを元のピッチに戻すようにしていた。
【0003】また、このことは、オーディオテープレコ
ーダのように楽音信号をアナログで記録する装置におい
ても同様であり、テープスピードを速くすれば再生時間
が短くなるが再生ピッチが高くなり、ピッチチェンジャ
で元のピッチに戻す必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
式では、通常の再生装置のほかにピッチチェンジャが必
要となり回路が大規模化するという欠点があり、また、
ピッチチェンジャによるピッチ変換処理のために楽音信
号の品質が低下するという問題点があった。
【0005】この発明は、楽音信号の再生時間を音符単
位で伸縮することにより、再生ピッチを変えることなく
且つ音質を劣化させることなく再生時間を伸縮すること
ができる楽音再生方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、波形記憶手
段に記憶された複数の音符列に相当する波形データ中の
各音符に対応する音符波形データのアドレスをそれぞれ
出力するアドレス発生過程と、前記波形データの再生時
間を指定する再生時間指定過程と、各音符波形データの
再生開始タイミングを前記再生時間指定過程によって指
定される再生時間と前記波形データの録音時間との比お
よび前記各音符波形データのアドレスに基づいて順次指
示するタイミング発生過程と、前記タイミング発生過程
が指示する再生開始タイミングに応じて、各音符波形デ
ータに基づく楽音を生成する再生過程と、を有すること
を特徴とする。
【0007】この発明では、上記のように、波形データ
全体の再生時間と録音時間との比および各音符波形デー
タの波形データ中のアドレスに基づいて各音符波形デー
タの再生開始タイミングを指示するようにしたことによ
り、各音符波形データの再生開始タイミングが、波形デ
ータの再生時間と録音時間との比および波形データ中の
各音符波形データの記録位置であるアドレスに基づいて
決定され、波形データの再生時間に応じて各音符波形デ
ータの再生開始タイミングが変化するので、各音符波形
データの相対的な再生時間を維持しつつ全体の再生時間
の伸縮を行うことができる。これにより、再生ピッチを
変えることなく且つ音質を劣化させることなく再生時間
を伸縮することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1はこの発明を適用した楽音再
生装置のブロック図である。この楽音再生装置は、楽音
信号をディジタル変換した波形データを波形メモリ20
に記憶し、この波形データの記憶エリアを音符毎に分割
して分割ポイントテーブルに記憶する。この波形データ
の再生時には、録音時と同じクロックで読み出し、波形
データの読み出しを途中で切り上げる処理などを行うこ
とにより、再生時のピッチを変化させずに任意の再生時
間に対応するようにしたものである。また、この楽音再
生装置は鍵盤15も備えており、波形メモリ20に記憶
された波形データを用いて演奏をすることもできるもの
である。
【0009】装置全体の動作はCPU10が制御する。
CPU10には、CPUバス11を介してROM12,
RAM13,タイマ14,鍵盤15,タップスイッチ1
6,パネル表示器17,パネルスイッチ18,バス制御
回路19,書込回路22,音源23が接続されている。
ROM12には後述のフローチャートで示すような制御
プログラムが記憶されている。RAM13には、図4に
示す各種テーブルが設定されるとともに、動作中に発生
・入力される各種のデータを一時記憶するバッファ・レ
ジスタが設定される。タイマ14は波形メモリ20の読
出時間を計測し、読出終了のトリガをCPU10に入力
する。鍵盤15は5オクターブ程度の音域を有するもの
であり、波形メモリ20に記憶されている波形データを
用いて演奏する場合に用いられる。タップスイッチ16
は、後述する波形データの分割に用いられるものであ
り、波形メモリ20に記憶された波形データの再生音を
聴きながら、その拍に合わせてオンすることにより、そ
のタイミングにタップポイントが設定される。パネル表
示器17には波形メモリ20に記憶されている波形デー
タが図示され、カーソルを所定位置に移動することによ
って、前記タップポイントの微調整をすることができ
る。パネルスイッチ18は、タップスタートスイッチや
再生スタートスイッチなどを含み、CPU10はこれら
のスイッチのオンイベントを検出したとき対応する動作
を実行する。バス制御回路19は波形メモリ20の書き
込み/読み出しを制御する回路であり、波形メモリ20
の接続をCPU10,書込回路22または音源23に切
り換える機能を有する。書込回路22はディジタル波形
入力端子21から入力されるディジタルの波形データを
CPU10の指示に基づいて波形メモリ20に書き込
む。CPU10は書込回路22が書き込んだ波形データ
のアドレスおよび録音時間Tstを受信しRAM13に
の所定エリアに記憶する。音源23は波形メモリ20に
記憶されている波形データをCPU10の指示に対応し
て読み出す回路である。音源23が読み出した波形デー
タはD/A変換回路24に入力される。D/A変換回路
はこの波形データ(PCMデータ)をアナログの楽音信
号に変換する。アナログ変換された楽音信号はサウンド
システム25に入力される。サウンドシステム25で
は、この楽音信号を増幅してスピーカから放音する。な
お、波形メモリ20は複数の波形データを記憶すること
ができ、また、音源23は複数の発音チャンネルを有し
複数の波形データを同時に読み出すことができるものと
する。
【0010】図2は前記波形メモリ20に書き込まれる
波形データおよびその分割方式を示す図である。ディジ
タル波形入力端子21には、実際に演奏されディジタル
変換された楽音波形データが入力される。その波形デー
タは、例えば同図(B)に示すようなものであり、これ
は同図(A)に示す譜面を演奏したものである。
【0011】この楽音再生装置は、同図(A)の音符毎
の波形データの記憶アドレスを分割ポイントテーブルB
PTに記憶することにより、波形データの各音符別々の
分割読み出しを可能にしている。分割ポイントは同図
(C)のように設定され、各分割ポイントに基づく波形
データ読出ウィンドゥは同図(D)のように設定され
る。
【0012】同図(C)において、タップポイントTP
(i)は、記憶された波形データを再生しながら、ユー
ザがタップスイッチ16をオンしたタイミングを示すア
ドレスである。ユーザはタップスイッチ16を小節頭ま
たは拍頭にオンするため、このタップポイントが1つの
音符の分割ポイントであると把握される。このタップポ
イントの入力は波形データ分割モードのタップモード動
作(図6〜図8)で実行される。タップポイントの入力
ののち、タップポイント間をより細分化して各音符毎に
分割ポイントBP(i)を設定する。分割ポイントの設
定は波形データ分割モードの波形データ細分処理動作
(図9(A))で行うことができる。これらタップポイン
ト,分割ポイントは設定ののち微調整することが可能で
ある(図9(B)参照)。また、図2(D)において、
波形データ読出ウィンドゥは分割ポイントの分割アドレ
スBA(i)よりも微少アドレスすなわちオフセットO
F(i)手前の読出開始アドレスSA(i)から始まっ
ている。これは、楽音の発音開始が実際の拍タイミング
よりも少し早いことに合わせたものである。このオフセ
ットOF(i)の大きさも微調整可能である(図9
(C)参照)。
【0013】図3は各音符毎に分割された波形データと
読出時間との関係を示した図である。図2に示したよう
に波形メモリ20に記憶されている波形データは分割タ
イミングから読み出しを開始することにより各音符毎の
分割読み出しが可能である。そこで、ユーザによって指
定された再生時間Txが録音時間Tstすなわち標準再
生時間と異なる場合には、各音符に割り当てられた時間
だけその音符の波形データを読み出すようにする。ここ
で、録音時間Tstと同じ時間で波形データを再生すれ
ば、同一ピッチ・同一波形で波形データを再生すること
ができるため、録音時間Tstが標準的な再生時間とな
る。図3には波形データ全体の再生時間Txが波形デー
タの録音時間Tstよりも短く設定された場合を示して
いる。すなわち、再生を開始してから各音符の読み出し
を開始するタイミングST(i)は、対応する音符分割
ポイントBP(i)に基づき、 ST(i)=(Tx/Tst)×BP(i)−OF
(i) で求められる。したがって、全ての波形データの読み出
し開始タイミングがTx/Tstだけ変化する。同図の
例の場合には、全ての波形データの読み出し開始タイミ
ングがTx/Tstだけ短くなるため、各音符の読出・
再生時間もTx/Tstだけ短くなることになる。した
がって、各音符の波形データは、先頭からその読出時間
が終了するまで読み出され、それ以後はカットされるこ
とになる。これにより、波形データの読み出しクロック
は録音時と同じでよく、再生時間のみ短くすることがで
きる。また、再生時間が録音時間よりも長く設定された
場合には、波形データの定常部(サスティン部)を繰り
返して(ループして)読み出すことにより、録音時と同
じクロックで波形データを長く読み出すことができる。
【0014】図4は前記RAM13に設定される各種テ
ーブルを示す図である。同図(A)はタップポイントテ
ーブルTPTを示す図である。このテーブルは、タップ
モード動作、すなわち、波形データを再生しながらタッ
プスイッチ16のオンを受け付ける動作が実行されてい
るとき、タップスイッチ16がオンされたタイミングに
読み出されていた波形データのアドレスをタップポイン
トTP(i)として記憶するテーブルである。ユーザは
拍タイミングまたは小節タイミングにタップスイッチ1
6をオンするため、タップポイントTP(i)は波形デ
ータ分割の基準となる。
【0015】同図(B)は分割ポイントテーブルBPT
を示す図である。このテーブルには上記のタップポイン
トTP(i)に基づいて波形データを音符毎に細分化し
た分割ポイントBP(i)のデータが記憶される。分割
ポイントデータは波形データ上の分割位置を示す分割ア
ドレスBA(i),オフセット量OF(i),読出開始
アドレスSA(i)からなっている(図2参照)。オフ
セット量OF(i)は波形メモリにおけるアドレス数で
表現され、読出開始アドレスはSA(i)=BP(i)
−OF(i)で算出される。
【0016】同図(C)はタイミングテーブルTTを示
す図である。このタイミングテーブルは読出開始タイミ
ングデータST(i)を記憶するテーブルである。読出
開始タイミングデータST(i)は、図3において説明
したように波形データを再生時間Tx(≠Tst)で再
生する場合の発音開始タイミングである。波形データ全
体の再生時間が設定されたとき、この再生時間と録音時
間との比率で前記分割タイミングを伸縮し、このタイミ
ングテーブルが算出される。すなわち、各スタートタイ
ミングST(i)は上述したように、 ST(i)=(Tx/Tst)×BP(i)−OF
(i) で算出される。
【0017】図5〜図12は同楽音再生装置の動作を示
すフローチャートである。
【0018】図5はメインルーチンを示している。この
楽音再生装置の電源がオンされるとまず初期設定動作を
実行する(n1)。初期設定動作とは、レジスタのリセ
ットやパネル表示器17への初期画面の表示などの動作
である。こののちこの楽音再生装置は動作可能になる。
動作可能になると、まず鍵処理動作(n2)を実行す
る。鍵処理動作とは、鍵盤15の操作に応じて波形メモ
リ20から波形データを読み出し、楽音信号を発生する
動作である。次に、パネルスイッチ18のオンイベント
を受け付ける(n3)。パネルスイッチのオンによりど
のようなモードが設定されたかをn4で判断する。録音
スイッチがオンされ録音モードが設定された場合には、
録音処理(n5)および再生処理(n7)の実行が可能
になる。いずれの動作を実行するかは利用者の操作によ
り決定される。録音処理は、バス制御回路19を書込回
路22に接続して波形データ入力端子21から入力され
る波形データを波形メモリ20に書き込む動作を実行す
るとともに、この書込アドレス範囲および録音時間Ts
tを記憶する動作である。また、再生処理は、波形メモ
リ20に書き込まれた波形データを再生する動作であ
る。この再生処理動作により、書き込まれた波形データ
の内容を確認することができる。また、波形データ分割
スイッチがオンされ波形データ分割モードが設定された
場合には(n4)、波形データ分割処理(n6)および
再生処理(n7)の実行が可能になる。いずれの動作を
実行するかは利用者の操作により決定される。波形デー
タ分割処理は、録音処理において波形メモリ20に書き
込まれた波形データを音符毎に分割する処理である。ま
た、それ以外のモードが設定されている場合には、対応
するその他処理(n8)および再生処理(n7)の実行
が可能になる。すなわち、どのモードにおいても再生処
理の実行は可能なように設計されている。
【0019】図6〜図9は上記波形データ分割モードで
実行される動作を示している。図6はタップスタートス
イッチオンイベントに対応する動作である。タップスタ
ートスイッチがオンされるとタップモードとなり、波形
データの再生音に合わせてタップスイッチ16をオンす
ることによりタップポイントを設定することができる。
指定されている波形データ(複数の波形データから1つ
の波形データを指定する波形データ指定動作は図示しな
い波形データ指定モードで行うことができる。)を発音
する発音チャンネルを割り当て、そのチャンネル番号を
CHxにセットする(n10)。この発音チャンネルC
Hxに対して該波形データの再生準備を行う(n1
1)。ここで、CHxに設定される各種データのうち波
形の読出速度を指定するデータ(通常Fナンバと呼ばれ
る)は、波形を録音信号ときのサンプリング周波数に準
じて決定される。以後CHxを設定する場面においては
特に断らない限り同様の設定を行う。つぎにタップモー
ドフラグTFをセット(1)し、タップ回数カウンタi
をリセット(0)する(n12)。こののち、最初のタ
ップがあるまでn13で待機する。最初のタップがある
と、録音時間(標準再生時間)Tstをプリセットして
タイマ14をスタートさせる(n14)とともに、音源
23の発音チャンネルCHxにノートオンを送出して指
定された波形データの再生を開始させる(n15)。タ
イマ14はTstをカウントしたのちCPU10に割り
込みを掛ける。この割り込みによりCPU10は図8の
割込処理動作を実行する。
【0020】図7は、タップスイッチオンイベント動作
を示すフローチャートである。この動作は、上記図6の
動作でスタートした波形データ再生動作に合わせたタッ
プスイッチ16のオンに合わせてタップポイントを登録
する動作である。タップスタートスイッチがオンされた
のち2回目以後のタップスイッチ16のオンイベントが
あるとこの動作が実行される。まず、タップフラグTF
のセット/リセットによりタップモードであるか否かを
判断する(n20)。タップモードでない場合にはその
他の処理に進む(n24)。タップモードの場合には、
このタップによりタップ回数が1回増えるためタップ回
数カウンタiに1を加算する(n21)。次に、音源2
3の発音チャンネルCHxからそのときの再生アドレス
を読み出してバッファbufに記憶する(n22)。こ
の内容をタップポイントテーブルTPTのTP(i)に
タップポイントデータとして記憶する(n23)。
【0021】図8はこの波形データ分割モード時におい
てタイマ14が録音時間Tstをカウントしタイムアッ
プしたときに実行されるタイマ割込動作である。まず、
タップフラグTPによりタップモードであるか否かを判
断する(n30)。タップモードでない場合には、対応
するその他の処理を実行する(n35)。タップモード
の場合には録音時間Tstの再生を実行し波形データが
終了したため再生動作を終了する。このため以下の動作
を実行する。まず最終のタップ回数iを最終タップポイ
ントレジスタNtpに記憶し、タップモードフラグTF
をリセットし(n31)、音源の発音チャンネルCHx
にノートオフを送出する(n32)。次に、図7の動作
によって作成されたタップポイントテーブルTPTに基
づいて分割ポイントテーブルを作成する(n33)。こ
の動作においては分割ポイントBPはタップポイントの
みであり、オフセット時間OF(i)は全て標準値とし
ている。以上によりこの波形データの分割が、取り合え
ず完了したため分割完了フラグBFをセットする(n3
4)。
【0022】図9は波形データ分割モードで実行される
微調整動作を示すフローチャートである。同図(A)は
細分スイッチをオンしたとき実行される波形データ細分
処理動作を示すフローチャートである。まず細分したい
区間が指定され(n40)、この波形データの分割方法
が指定される(n41)。区間の指定は1つのタップポ
イントの入力によって行われる。このタップポイントと
次のタップポイントとの間が分割区間として指定され
る。分割方法の指定は、分割数および分割比率の指定に
よって行われる。分割数としてはその区間に存在する音
符の数が入力される。分割比率としては、まず各音符の
音長(4分音符,8分音符等)の比率が入力される。図
2(A)の例では第1区間の音長比率は1:1:2であ
り、第2区間の音長比率1:1:1:3である。さら
に、分割比率として当該区間内におけるテンポの変化を
考慮するかしないかが指定される。テンポの変化を考慮
しない場合には、区間時間を上記音符の音長比率で単純
比例分割すればよく、テンポの変化を考慮する場合に
は、前区間,後区間または前後区間の区間時間と当該区
間時間とを比較してその変化を区間内の分割比率に反映
させる。その手法としてはラグランジュ補間,スプライ
ン補間等の補間手法を用いることができる。また、その
挿間において前後の区間時間(タップポイント)をいく
つ使うかも指定することができるものとする。指定され
た分割方法により新たな分割タイミングを算出し(n4
2)、この分割タイミングに新たな分割ポイントを生成
してBPTに追加する(n43)。また、すでにTx
(再生時間)が設定されタイミングテーブルTTが生成
されている場合には新規の分割ポイントに基づいてこの
タイミングテーブルTTも同時に更新する。
【0023】同図(B)はタイミング微調整スイッチを
オンしたとき実行されるタップポイントのタイミングの
微調整動作を示すフローチャートである。まず、タイミ
ングを微調整したいタップポイントが指定される(n5
0)。つぎに微調整の方法が指定される(n51)。微
調整の方法としては自動/手動のいずれかが選択され
る。自動の場合、入力されているタップポイントの近傍
のレベルピーク位置を検出しその位置にタップポイント
をシフトする。一方、手動の場合はパネル表示器17に
波形データを表示し、ユーザの操作子の操作に応じてタ
ップポイントをシフトする。選択された方法で該ポイン
トを微調整し(n52)、微調整した結果に応じてテー
ブルBPTを更新する(n53)。その際、調整中のタ
ップポイントの前後区間の波形データを繰り返し再生す
るようにすれば、視覚だけでなく聴覚による確認をしな
がらタップ位置を補正することができる。また、既にタ
イミングテーブルTTが生成されている場合には、この
TTも更新する。
【0024】同図(C)はオフセット微調整スイッチが
オンされたとき実行されるオフセット微調整動作を示す
フローチャートである。まずオフセットを微調整する分
割ポイントBP(k)が指定される(n60)。次に変
更するオフセット値が入力され、この値をbufに記憶
する(n61)。この値を指定された分割ポイントのオ
フセットレジスタOF(k)に書き込む(n62)。こ
れに基づいて分割ポイントテーブルBPTを更新する
(n63)。またタイミングテーブルTTが生成されて
いる場合にはこれを更新する。
【0025】図10はメインルーチン(図5)のn4で
再生時間指定スイッチがオンされたときn8で実行され
る動作を示す再生時間指定動作を示すフローチャートで
ある。まず再生時間の入力を受け付け、入力された再生
時間の指定値をbufに一時記憶する(n70)。次に
そのとき指定されている波形データの分割完了フラグB
Fがセットしているか否かを判定する(n71)。分割
が完了している場合に、bufの内容を再生時間レジス
タTxに記憶し(n72)、時間比率Tx/Tstに基
づいて、この波形の分割ポイントテーブルBPTの内容
を演算しタイミングテーブルTTを作成する(n7
3)。これに対してBF=0の場合には、Tx=0をセ
ットし(n74)、パネル表示器17に「未分割波形の
ため時間指定不能」と表示する(n75)。
【0026】タイミングテーブルTTには、全波形デー
タを再生時間txで再生するように設定して再生を開始
したときの各音符の波形データの(再生開始からの)読
出開始タイミングST(i)が記憶されており、この読
出開始タイミングST(i)は、 ST(n)=(Tx/Tst)×BP(n)−OF
(n) で算出される。
【0027】図11は再生動作を示すフローチャートで
ある。この動作は録音モード,波形データ分割モードな
どどのようなモードにおいても再生開始スイッチオンイ
ベントに対応して実行可能な動作である。まずタップモ
ードフラグTFがリセットしているか否かを判断する
(n80)。TFがセットしている場合には、再生モー
ドではないためそのままリターンする。TFがリセット
している場合には指定されている波形データの分割フラ
グBFがセットされているか否か(n81)、および、
再生時間レジスタTx=0であるか否かを判断する(n
82)。BFがリセットしている場合、または、Tx=
0の場合には、波形データの分割ができていない場合、
または、再生時間が設定されていない場合であり、とも
に再生時間を録音時間から変更することができない場合
であるため、通常の再生動作(n90〜n94)を実行
する。一方、BF=0且つTx≠0の場合には再生時間
の変更が可能であるためn83〜n87の動作を実行す
る。
【0028】まず、n83では、再生モードフラグPM
に再生時間を変更して再生する旨を示す2をセットし、
再生音符番号レジスタjに1をセットする。つぎにタイ
ミングテーブルTTに基づいて各音符の波形データを再
生するため、最初の音符の読出開始タイミングデータS
T(1)をタイマにセットする(n84)。次にこの波
形データを再生する発音チャンネルを割り当て、そのチ
ャンネル番号を発音チャンネルレジスタCHxにセット
する(n85)。音源のCHxに該波形データの再生順
次を行う(n86)。こののち音源のCHxに対してノ
ートオン信号を送出する(n87)。これにより、発音
チャンネルCHxから波形データが出力される。なお、
該音符に対する再生時間が録音時間よりも長い場合には
波形データの一部区間を繰り返しループして読み出すこ
とにより再生時間分の読み出しを可能にしている。
【0029】一方、通常の再生動作では、PMに通常再
生動作を示す1をセットし(n90)、タイマ14に全
波形データの再生時間(録音時間と同じ)を示すTst
をセットする(n91)。この波形データを発音する発
音チャンネルを割り当てその番号をCHxに記憶する
(n92)。こののち、音源23の発音チャンネルCH
xに該波形データの全ての波形の再生を準備し(n9
3)、発音チャンネルCHxに対してノートオン信号を
送出する(n94)。この動作により、通常の再生速度
で全波形データが再生される。
【0030】図12は再生動作中に実行されるタイマ割
込動作を示すフローチャートである。タイマ割り込み
は、PM=2の場合には音符毎に発生し、PM=1の場
合には全波形データの再生が終了したとき1回のみ発生
する。まず、再生モードフラグPMを判断する。PM=
0であれば再生動作中ではないため、その他の処理を実
行してリターンする。PM=1であれば割込が発生すす
るのはTstをカウントし全波形データを読み出したと
きであるためn110〜n112の終了処理を実行す
る。また、PM=2であれば各音符毎に設定された発音
タイミング毎に割り込みが発生するため、n102〜n
107の音符切換処理を実行する。ただし、音符番号j
が最終分割ポイントNbpより大きくなっていれば終了
処理を実行するため、n101の判断でn110に進
む。
【0031】まず、n102で音源23の発音チャンネ
ルCHxにノートオフ信号を放出して現在発音中の音符
を停止したのち、再生音符番号レジスタjにj+1をセ
ットし(n103)、タイミングテーブルTTを参照し
てST(j)−ST(j−1)をタイマにセットする
(n104)。次にこの波形データを再生する発音チャ
ンネルを割り当て、そのチャンネル番号を発音チャンネ
ルレジスタCHxにセットする(n105)。音源のC
Hxに該波形データの再生準備を行い(n106)、音
源のCHxに対してノートオン信号を送出する(n10
7)。
【0032】このn102〜n107の処理により、分
割ポイントで分割された各部分波形データが、割り込み
が発生する毎に1つずつ録音した時の速度で再生され
る。
【0033】一方、n110では再生処理が終了したた
め、タイマ14のカウントを停止し、音源23のCHx
に対してノートオフ信号を送出する(n111)。次に
演奏終了であるため再生モードフラグPMに0をセット
してリターンする(n112)。
【0034】上記実施形態では、ある分割区間の波形の
スタート(ノートオン)時に、前の区間の波形にノート
オフをかけていたが、ノートオフのタイミングは次の区
間のノートオンとは独立に制御するようにしてもよい。
例えば、ノートオンから所定時間後にノートオフをする
等の方法がある。
【0035】上記実施形態では、波形データを録音時間
よりも長く再生する場合には一部区間をループするよう
にしているが、打楽器等の減衰系の楽器の波形データの
場合にはループせずに減衰させるようにしてもよい。
【0036】上記実施形態ではタップポイントを微調整
して分割位置を適正化しているが、ほかのテーブルのデ
ータ、例えばスタートタイミングST等を微調整するよ
うにしてもよい。
【0037】再生時間の指定は、時間の単位で直接指定
してもよく、また、記録時間に対する再生時間の比率に
よって指定するようにしてもよい。
【0038】再生時間が記録時間よりも長い場合は、当
該音符を読み出したのち次の音符の再生を開始するまで
再生を休止してもよく、該記録範囲の所定区間を繰り返
して(ループして)再生するようにしてもよい。減衰系
の楽音の場合には再生を休止するのが好ましく、持続系
の楽音の場合にはループすることが好ましい。したがっ
て、再生しようとする波形データに対応させてそのいず
れかを選択するようにすればよい。
【0039】また、上記実施形態では、全波形データの
再生時間Txを設定することにより、各音符の再生時間
を比例配分的に割り出しているが、各音符の再生時間を
独立して設定できるようにしてもよい。
【0040】なお、本発明は、複数パートの波形データ
が同時に記録されるマルチトラックレコーディングにも
適用することができ、この場合には、各トラック毎に、
別の発音チャンネルで発音させ、波形データの分割も独
立してできるようにすればよい。また、複数パートがミ
キシングされた波形データに適用する場合には、波形デ
ータを周波数帯別に分離し、帯域毎に波形データを分割
を行えばよい。
【0041】さらに上記実施形態では、本発明を楽音信
号をディジタル化した波形データに適用した例を示した
が、楽音信号をアナログのまま記録している装置につい
ても適用することができる。
【0042】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、再生時
間指定過程によって指定された再生時間と波形データの
録音時間との比に基づき、各音符波形データのアドレス
に応じた再生開始タイミングを指示するようにしたこと
により、各音符の波形(音質,ピッチ)はそのままで、
再生時間のみ異ならせることができる。また、ピッチチ
ェンジャ等が不要になるため、装置の構成を簡略にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用された楽音再生装置のブロック
【図2】同楽音再生装置に記憶される波形データの分割
方式を示す図
【図3】同波形データの再生タイミングの例を示す図
【図4】同楽音再生装置のRAMに設定される各種テー
ブルを示す図
【図5】同楽音再生装置の動作を示すフローチャート
【図6】同楽音再生装置の動作を示すフローチャート
【図7】同楽音再生装置の動作を示すフローチャート
【図8】同楽音再生装置の動作を示すフローチャート
【図9】同楽音再生装置の動作を示すフローチャート
【図10】同楽音再生装置の動作を示すフローチャート
【図11】同楽音再生装置の動作を示すフローチャート
【図12】同楽音再生装置の動作を示すフローチャート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波形記憶手段に記憶された複数の音符列
    に相当する波形データ中の各音符に対応する音符波形デ
    ータのアドレスをそれぞれ出力するアドレス発生過程
    と、 前記波形データの再生時間を指定する再生時間指定過程
    と、 各音符波形データの再生開始タイミングを、前記再生時
    間指定過程によって指定される再生時間と前記波形デー
    タの録音時間との比および前記各音符波形データのアド
    レスに基づいて順次指示するタイミング発生過程と、 前記タイミング発生過程が指示する再生開始タイミング
    に応じて、各音符波形データに基づく楽音を生成する再
    生過程と、 を有する楽音再生方法。
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