JP3187505B2 - 集積回路の電界測定装置 - Google Patents

集積回路の電界測定装置

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JP3187505B2 JP04430992A JP4430992A JP3187505B2 JP 3187505 B2 JP3187505 B2 JP 3187505B2 JP 04430992 A JP04430992 A JP 04430992A JP 4430992 A JP4430992 A JP 4430992A JP 3187505 B2 JP3187505 B2 JP 3187505B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界により複屈折率が
変化する材料にレーザ光を照射し、集積回路の動作によ
って生ずる電界を測定して回路動作波形を測定する集積
回路の電界測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】集積回路の評価および試験を非接触で行
なう手段として、電気光学材料を電界測定のためのセン
サーに用いる方法が知られている。すなわち、電界によ
って複屈折率が変わるという該材料の性質を利用するも
ので、該材料にレーザ光を照射すると、電界の大きさに
応じて、照射した光の直交する2つの方向の振動成分の
位相差、すなわち偏光状態が変化する。通常、この偏光
変化は、ある適当な軸方向に設定された偏光板を通すこ
とによってレーザの強度変化に変換できる。レーザ光に
パルス波を用いれば、時間的に変化する電界、すなわち
電気信号の時間変化をパルス幅に相当する分解能で測定
でき、一般に「電気光学サンプリング」と呼ばれてい
る。中でも電気光学材料をプローブとして回路近傍に配
置し、回路からの洩れ電界を検出する方法は、「外部電
気光学サンプリング」と呼ばれ、現在市場の大半を占め
ているSiを基板とした集積回路を始め、実装基板にも
適用できることから、最も汎用的なものとして位置付け
られている。以上述べたような原理を利用すれば、集積
回路内の任意のノードの電気信号波形を測定することが
でき、集積回路の検査、試験装置として用いることがで
きる。これまで、図7に示すような構成によるシステム
(Valdmanis著、“Electro-optic measurement techniq
ues", in Semiconductors and Semimetals, vol.28, p
p.198-199, 1990年)が発表されている。このシステム
は、市販のウエハプローバのステージ39上にブレッド
ボードを固定し外部電気光学サンプリングのための光学
系を組み込んだもので、レーザ光源からの光は光ファイ
バによって光学系に供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図7に示したシステム
構成は、主として以下に述べるような問題点を有してい
る。まず第1に、測定ポイントの位置決めや移動が極め
て大がかりになる点である。すなわち、測定点を移動す
る際には、光学系が固定されたブレッドボードと電気光
学材料からなるプローブ(以後EOプローブティップと
呼ぶ)とを一緒に移動しなければならない。その結果、
これらを支える強固で大型の移動機構が必要となる。一
方、被測定回路の側を移動することも考えられるが、ウ
エハ状態で測定する場合、電源供給や信号の入出力のた
めの高周波電気プローブ(例えば、カスケードマイクロ
テック社、プローブヘッドWPHシリーズ)もステージ
と一緒に移動させなければならない。ところが、一般に
市販されているプローバ(例えば、カスケードマイクロ
テック社、ウエハプローブステーションSUMMIT9
000シリーズ)には、高周波電気プローブがウエハと
一緒に動くような特殊な機能を有するものはない。第2
の問題点として、光学系を構成している極めて大きなブ
レッドボードおよび上記移動機構を支えるための筐体部
分は、振動やたわみ等を抑えるために必然的に大きな構
造のものが必要となり、その結果システム全体が大型化
する。第3の問題点として、上記光学系および移動機構
が、集積回路ウエハ上のスペースを覆う形となるため、
特に上記電気信号プローブの固定・交換や集積回路パッ
ドへの位置合わせが容易に行なえなくなる。また第4の
問題点として、異なる波長のレーザ光を用いようとした
場合の光学系の変更に際しては、ブレッドボードごと全
部交換する必要があり、上述のシステムの大型化と相ま
って、その交換が極めて大変になる。本発明はウエハ状
態の集積回路を測定可能な電気光学サンプリングシステ
ムにおいて以上の問題点を解決し、市販のウエハプロー
バ上に、従来の高周波電気信号プローブと同じような要
領で固定して用いる、小型で安価な電気光学サンプリン
グ用の電界測定装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の集積回路の電界測定装置では、例えば図1
に示すように、電気光学材料を透明な材料の先端に固定
したプローブと、該プローブにレーザ光を照射して反射
光を取り出すための第1の光学手段とを有し、前記第1
の光学手段は前記レーザ光の照射位置を観察するための
ミラーを含む構成である第1のモジュール8と、レーザ
光および反射光の偏光状態を調整するための波長板を備
えた第2の光学手段と、光信号を電気信号に変換するた
めの光検出器とを備えた第2のモジュール12と、前記
第1のモジュールと前記第2のモジュールとを1本の光
ファイバ13(図1では好ましい例示として光ファイバ
として偏波保持光ファイバを用いた場合を示している)
で結合し、前記光ファイバによって前記第2のモジュー
ルから前記第1のモジュールに前記レーザ光を入射し、
さらに前記光ファイバによって前記反射光を前記第2の
モジュールに返すようにした構成を備えることとする。
ここで上記の手段にさらに、例えば図5や図6に示すよ
うに、上記プローブが被測定回路に接触したことを検出
する手段20を付加することが精密測定上好ましい。あ
るいはさらに、例えば図5の22や図6の24に示すよ
うに、上記プローブが被測定回路に接触した時の衝撃を
緩和する手段を付加すれば一層精密測定上好ましい。
【0005】
【作用】本発明によれば、EOプローブティップを有す
る第1のモジュールは、極めて小型にできるため、従来
の高周波電気信号プローブと同じように、市販のウエハ
プローバに固定して用いることが可能となる。また第2
のモジュールは、第1のモジュールから離れた任意の場
所に配置することができる。さらに、観察系は従来のウ
エハプローバに取り付けられているもので代用が可能と
なる。
【0006】
【実施例】図1は、本発明の実施例を示す説明図であ
る。また、図2および図3は図1における第1のモジュ
ールの具体的な固定および使用例を説明したものであ
る。図において、1はEOプローブティップ、2はダイ
クロイックミラー、3は集光レンズ、4はミラー、5は
コリメートレンズ、6は光コネクタ、7は固定用アー
ム、8は第1のモジュール、9は偏光ビームスプリッタ
ー、10は波長板、11は光検出器、12は第2のモジ
ュール、13は偏波保持光ファイバ、14はマイクロマ
ニュピレータ、15は高周波電気プローブヘッド、16
は同軸ケーブル、17は被測定回路ウエハ、18は観察
鏡筒である。
【0007】レーザ光源からのレーザ光パルスは、まず
第2のモジュール12の偏光ビームスプリッター9を通
過することによってある方向の直線偏光状態にされ、波
長板10を通過後、コリメートレンズ5によって偏波保
持光ファイバ13に導かれる。レーザ光は該偏波保持光
ファイバ13から、光コネクタ6を介して第1のモジュ
ール8に導かれ、コリメートレンズ5によって平行光に
された後、ミラー4、ダイクロイックミラー2、集光レ
ンズ3によってEOプローブティップ1の先端部に導か
れる。該プローブティップの先端に配置された電気光学
材料内で被測定回路の電界によって偏光状態が変化した
レーザ光は、ティップ先端部に施された誘電体ミラーで
反射されて、同じ経路を戻り、再び第1のモジュールか
ら偏波保持光ファイバ13によって第2のモジュールへ
と導かれる。第2のモジュールの中で、戻ってきた光
は、偏光ビームスプリッター9において、最初に該ビー
ムスプリッターに入射してこれを出射したレーザ光と直
交する偏光成分が90度反射されて、光検出器11に導
かれる。光検出器以後は、電気的な検出装置、例えば、
電圧増幅器やアベレージャによって、信号の増幅や雑音
の除去を行なった後、表示装置において測定波形が出力
される。波長板10は、光の偏光状態にバイアスを与え
るためのもので、感度が最大になるように調整される。
特に上記第1のモジュールにおいて、レーザ光を反射さ
せる2種類のミラー2および4は次のような役割を果た
す。まず、ダイクロイックミラー2は、EOプローブテ
ィップの方から反射してきた反射光の一部(例えば10
%)を透過する特性を有し、透過した光は観察系に導か
れ、レーザ光の照射スポット位置の観察用に使われる。
また、ミラー4は原理的には無くても測定は可能である
が、可動にすることにより、偏波保持光ファイバから第
1のモジュールに入射した光をEOプローブティップ1
の先端に導き再び同じ経路を戻るように光軸調整するた
めに使う。
【0008】第1のモジュールの使用形態例としては、
図2のように少なくともxyzの3軸の微動が可能なマ
イクロマニュピレータ14(例えば、カスケードマイク
ロテック社、プローブホルダMPHシリーズ)に固定し
て、被測定回路上の任意の測定ポイントへの移動を行な
う。このようにすれば、例えば図3に示すように、従来
の高周波電気信号用のプローブヘッド15と同じように
取り扱うことが可能となる。この際、電気信号用のプロ
ーブヘッドの位置と、EOプローブティップおよびレー
ザ光の照射スポット位置の確認は、観察鏡筒18を共通
に用いて行なうことができる。すなわち、観察系は、従
来の市販のウエハプローバに取り付けられているもので
代用が可能である。ただし、レーザ光の波長や、観察し
たい拡大倍率によっては、レンズを交換したり、赤外用
のTVカメラを取り付ける等の小規模な改良が必要とな
る場合もあろう。
【0009】レーザ光源からの光パルスの導入について
は、光ファイバを用いて第2のモジュールに供給した
り、あるいは半導体レーザのようにコンパクトなものは
第2のモジュール内に組み込むことも可能である。
【0010】なお、上記の実施例は単なる例示であっ
て、性能や使いやすさを改善するための様々な改造が考
えられることは言うまでもない。例えば、図4は、第1
の実施例の第1のモジュールにおいて、EOプローブテ
ィップ1が微動機構19や接触/変位センサー20によ
って保持されたものである。一般に、十分な感度を得る
ためには、EOプローブティップを被測定回路に対して
マイクロメートルのオーダーまで近づけることが必要で
ある。また、感度はこの近接距離に大きく依存し、測定
の精度や再現性を得るためには、プローブを同じくマイ
クロメートルのオーダーの精度で位置決めすることが要
求される。したがって、図5および図6に示すように、
コイル21やピエゾアクチュエータ23を用いた微動装
置をEOプローブティップ1を保持する部分に設けるこ
とにより、上記の高精度の位置決めが可能となる。
【0011】また、EOプローブティップ位置決め時
に、プローブのオーバードライブにより回路とプローブ
の両者を傷つけることを避けるために、接触/変位セン
サー20を設け、プローブティップが被測定回路に接触
したことを検出することが好ましい。該センサーとして
は、例えば、簡単な接点の接触による電気的な導通を検
出する方法、近接した導体間の渦電流を検出する方法、
その容量変化を検出する方法等がある。あるいはレーザ
光を用いた変位センサー(例えば、キーエンス社レーザ
式ミクロン変位計LDシリーズ)といった光学的な手法
も適用できる。
【0012】さらに、板バネ22やスプリング24によ
ってプローブティップを保持することにより、上記接触
時の衝撃を緩和することができよう。
【0013】
【発明の効果】本発明の電気光学サンプリングによる集
積回路の電界測定装置において、EOプローブティップ
を有し偏光の変化をピックアップするセンサーヘッドで
ある第1のモジュールと、その偏光の変化を検出して光
信号に変換する第2のモジュールと、EOプローブの位
置およびレーザ光の照射位置を確認するための観察系と
に分離したことにより、実際に被測定集積回路ウエハ上
には、極めて小型にできる第1のモジュールだけが配置
されることになり、市販のウエハプローバを改造せず
に、そのまま従来の高周波電気信号プローブと同じよう
に固定して用いることが可能となる。また、ある決めら
れた波長帯で使えるように光学部品の特性を調整した数
種類のモジュールを用意しておけば、ユーザーのレーザ
光の波長に合わせた選択、交換も容易となる。その結
果、より汎用的かつ経済的な外部電気光学サンプリング
システムの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の集積回路の電界測定装置の一実施例を
示す図。
【図2】本発明の具体的な使用例を示す図。
【図3】本発明の具体的な使用例を示す図。
【図4】本発明において、プローブの微動機構と保持機
構に改良を加えた例を示す図。
【図5】プローブの微動機構と保持機構の具体的な例を
示す図。
【図6】プローブの微動機構と保持機構の具体的な他の
例を示す図。
【図7】従来の方法を示す図。
【符号の説明】
1 EOプローブティップ 2 ダイクロイックミラー 3 集光レンズ 4 ミラー 5 コリメートレンズ 6 光コネクタ 7 固定用アーム 8 第1のモジュール 9 偏光ビームスプリッター 10 波長板 11 光検出器 12 第2のモジュール 13 偏波保持光ファイバ 14 マイクロマニュピレータ 15 高周波電気プローブヘッド 16 同軸ケーブル 17 被測定回路ウエハ 18 観察鏡筒 19 微動機構 20 接触/変位センサー 21 コイル 22 板バネ 23 ピエゾアクチュエータ 24 スプリング
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−196862(JP,A) 特開 平2−238382(JP,A) 実開 昭63−170702(JP,U) Valdmanis著,“Elect ro−optic measureme nt techiques”,Semi conductors and Sem imetals,Vol.28,1990,p 198−199 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/28 - 31/3193 G01R 19/00 - 19/32 G01R 15/24 G01R 29/08 - 29/12 H01L 21/66

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】集積回路の動作により生じる信号電界によ
    り複屈折率が変化する電気光学材料にレーザ光を入射さ
    せ、該信号電界の強度に応じて変化したレーザ光強度を
    測定することにより前記集積回路上の信号波形を検出す
    る集積回路の電界測定装置において、 電気光学材料を透明な材料の先端に固定したプローブ
    と、該プローブにレーザ光を照射して反射光を取り出す
    ための第1の光学手段とを有し、前記第1の光学手段は
    前記レーザ光の照射位置を観察するためのミラーを含む
    構成である第1のモジュールと、 前記レーザ光および前記反射光の偏光状態を調整するた
    めの波長板を備えた第2の光学手段と、光信号を電気信
    号に変換するための光検出器とを備えた第2のモジュー
    ルと、 前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとを1本
    の光ファイバで結合し、前記光ファイバによって前記第
    2のモジュールから前記第1のモジュールに前記レーザ
    光を入射し、さらに前記光ファイバによって前記反射光
    を前記第2のモジュールに返すようにした構成を備える
    ことを特徴とする集積回路の電界測定装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の集積回路の電界測定装置に
    おいて、 上記プローブが被測定回路に接触したことを検出する手
    段を付加したことを特徴とする集積回路の電界測定装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2記載の集積回路の
    電界測定装置において、 上記プローブが被測定回路に接触した時の衝撃を緩和す
    る手段を付加したことを特徴とする集積回路の電界測定
    装置。
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JPH11316245A (ja) 1998-05-01 1999-11-16 Ando Electric Co Ltd 電気光学サンプリングオシロスコープ
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