JP4644342B2 - 集積回路デバイスの波形による精査のための二パルス利用型光干渉計 - Google Patents

集積回路デバイスの波形による精査のための二パルス利用型光干渉計 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体集積回路デバイスの光学式試験に関し、とくに集積回路の電気的活動度の光干渉計式の精査に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
半導体集積回路内部の電気的活動度は、半導体ダイオード接合におけるバイアス電圧変動およびキャリア密度に誘発される屈折率および吸収係数の変化を精査することによって光学的に監視できる。例えば、半導体材料の屈折率および吸収係数の変化はダイオード接合で反射される光ビームの強度の変化で明確に示される。
【0003】
ここに参照してこの明細書に組み入れるPanicciaほか名義の米国特許第5,872,360号は半導体集積回路の活性化領域における電界の検出を記載している。一つの実施例では、シリコンなどの半導体のバンドギャップ近傍の波長のレーザビームを生じさせる。このレーザビームを例えばMOSトランジスタのドレーン領域などのP−N(ダイオード)接合に半導体基板の裏側から集束させる。そのビームはその接合を透過し、酸化物界面および接合の背後の金属層で反射し、接合を経てシリコン表面に戻る。接合内の電界に変調をかけると、電気駆動による吸収および屈折によって上記反射光に振幅変調成分が生ずる。
【0004】
ここに参照してこの明細書に組み入れるWilsherほか名義の米国特許第5,905,577号は集積回路のデュアルレーザビーム精査を記載している。検査対象の集積回路デバイス(DUT)への波形をそのDUTに加えるテストパターン信号の各サイクル期間ごとにサンプリングするのにプローブビームを用いる。そのプローブビームによるサンプリングの対象と同じ物理的位置でDUTをサンプルするのに基準レーザビームも併せて用いる。この基準レーザビームによるサンプリング測定を上記テストパターンに対し固定の時間位置で行い、そのサンプリング測定でテストパターンを等価時間サンプリングと垂直になるように行い波形を再構成できるようにする。各検査サイクルについて、雑音によるプローブ測定値の変動を減らすようにプローブ測定値対基準測定値比をとる。
【0005】
DUT内部の電気的活動度による屈折率および吸収係数の変動はDUT内部の透過光線又は反射光線の位相変調でも明示される。位相変調の精査のほうが反射率の精査よりもDUT内の電気的活動度に対する感度が高い。ここに参照してこの明細書に組み入れるHeinrichほか名義の米国特許第4,758,092号は活性状態の半導体デバイスによる光ビームの位相変調の干渉計式の測定方法を記載している。光ビームを二つに分割してDUTに集束させる。片方のビームを活性領域に集束させ屈折率変調に伴う位相変調にかけ、他方のビームを基準提供のために非活性領域に集束させる。これらビームの反射出力を再び合流させて干渉させる。この干渉出力の強度変調は精査対象における電気的活動度によるプローブビームの位相変調に起因する。
【0006】
通常、この干渉計式の方法は機械的振動および温度変化に極めて影響されやすい。上記米国特許第4,578,092号の方法では、互いに干渉する二つのビームの間の相対位相はDUTの機械的振動およびビーム軸沿いの温度誘発の動きには通常影響されにくい。しかし、高密度集積回路デバイスでは、基準ビームをあてるのに適当な点を見出すことは難しい。しかも、レーザビームの軸と垂直な方向の動きには影響されやすい。
【0007】
したがって、DUTの機械的振動および温度誘発の動きに影響されずしかもDUT上の活性領域近傍で適当な基準点を見出す必要のない集積回路デバイスの波形プローブのための干渉計式の方法が求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
半導体デバイスの内部の電気的活動度の検出をそのデバイスに反復的な電気的テストパターン信号を加えながら行う方法であって、前記電気的テストパターン信号の各反復の期間の中で選ばれた時間位置で第1のプローブ光パルスを生ずる過程と、前記電気的テストパターン信号の各反復の期間の中であって前記第1のプローブ光パルスを生じた前記選ばれた時間位置からずれた時間位置で第1の基準光パルスを生ずる過程とを含む検出方法をこの発明は提供する。前記第1のプローブ光パルスおよび前記第1の基準光パルスを、少なくとも第2のプローブ光パルスおよび第2の基準光パルスを生ずるようにそれぞれ分割する。これら第1のプローブ光パルスおよび第1の基準光パルスを前記半導体デバイスの一つの領域に導く。
【0009】
前記第1のプローブ光パルスと前記第1の基準光パルスとが半導体デバイスと相互作用したあと、第1のプローブ光パルスと第2のプローブ光パルスとを両者が空間的および時間的に重なるように合成し、第1の基準光パルスと第2の基準光パルスとを両者が空間的および時間的に重なるように合成する。このように重ね合わせたプローブ光パルスを検出してプローブ干渉信号を生じ、同様に重ね合わせた基準光パルスを検出して基準干渉信号を生ずる。上記選ばれた時間位置は電気的テストパターンの反復とともに変化させる。プローブ干渉信号と基準干渉信号との比は電気的テストパターンの中の複数の選ばれた時間位置で算定する。
【0010】
この発明に伴う装置には、第1のプローブ光パルスの供給源、第1の基準光パルスの供給源、ビームスプリッタ、半導体デバイスの支持体、ビーム合成器、検出器システムおよび前記プローブ干渉信号と前記基準干渉信号との比を算定するプロセッサなどがある。
【0011】
【発明の実施の形態】
半導体集積回路の精査を光干渉計を用いて行う。検査対象の半導体集積回路デバイス(DUT)に繰り返し印加する電気的テストパターン信号の各反復サイクル期間中に、プローブ光パルスおよび基準光パルスを供給して、DUT上の電気的波形をサンプリングするように同一光路を導く。これらプローブパルスのパルス幅は上記テストパターンの最大周波数成分信号の周期に比べて短くし、テストパターン波形の広帯域計測ができるようにする。基準パルスのパルス幅はプローブパルスよりも通常長くしてある。基準パルスをテストパターンに対して固定の時間位置で供給する。一連のテストパターンサイクルの期間中にテストパターンのプローブパルスによる走査をDUT波形の再構成のために等価時間サンプリングと垂直になるように行う。
【0012】
これらプローブパルスの各々および基準パルスの各々の一部を分割し検出して、DUTへの入射パルスのエネルギーを特徴づけられるようにする。また、プローブパルスを干渉計で分割して少なくとも第1のプローブパルスおよび第2のプローブパルスを生じ、干渉パルスを干渉計で分割して少なくとも第1の基準パルスおよび第2の基準パルスを生ずる。これら第1のプローブパルスおよび第1の基準パルスで、DUT上の空間的には同一の物理的位置であり時間的にはプローブパルスによるテストパターンの走査に伴い変動する遅延分だけずれた位置で、DUT上の波形をサンプリングする。上記第2のプローブパルスおよび第2の基準パルスは干渉計の遅延アームの中の互いに同一の経路を進行する。
【0013】
第1のプローブパルスはDUTとの相互作用ののち第2のプローブパルスと再合成されて検出器でプローブ干渉信号を生ずる。同様に、第1の基準パルスはDUTとの相互作用ののち第2の基準パルスと再合成されて検出器で基準干渉信号を生ずる。このプローブ干渉信号は、プローブパルスが時間領域でテストパターンを走査するに伴いDUT内部の電気的活動度の時間的変動により時間的に変動し、第1のプローブパルスがDUTと相互作用する際に第1のプローブパルスの光位相を変調する。プローブ干渉信号はDUTの機械的変形、温度変動、および振動に起因する雑音、およびプローブパルス光源出力の変動に起因する入射プローブパルスの振幅雑音によっても時間変動する。基準干渉信号はDUTの機械的変形、温度変動および機械的動きに起因する雑音、および入射基準光パルスへの振幅雑音によって時間変動する。基準パルスはテストパターンに対して固定した時間位置で供給されるので、基準干渉信号にはDUT内の電気的活動に起因する時間変動はない。
【0014】
基準干渉信号は、機械的振動または変形に起因するDUTの光軸沿いの動きを補償するように干渉計の遅延アームの光路長を高速調節することによって、安定化される(ほぼ一定になる)。第2のプローブパルスと第2の基準パルスはともに干渉計の遅延アーム沿いの同じ光軸を通るので、干渉計遅延アームの光路長を基準干渉光安定化達成のために調節すると、DUTの光軸沿いの動きに起因するプローブ干渉信号の雑音も消去される。
【0015】
入射プローブパルスの振幅雑音に起因するプローブ干渉信号の雑音は、入射プローブパルスエネルギー測定値によるプローブ干渉信号の正規化、例えばプローブ反射率比の算出によって消去される。入射プローブパルスの振幅雑音は反射率比で消去される。入射プローブパルスの振幅雑音は反射率比で消去される。すなわち、振幅雑音はプローブ干渉信号にも入射プローブパルスエネルギー測定にも等しく含まれるからである。同様に、入射基準パルスの雑音に起因する基準干渉信号中の雑音は、基準反射率比を生ずるように入射基準パルスエネルギーにより基準干渉信号を正規化することによって消去される。
【0016】
DUTの光軸を横切る方向の温度変化および動きはプローブ反射率比および基準反射率比に等しく影響を与える。供給源からの雑音はプローブ反射率比および基準反射率比の比を算出することによって消去される。プローブ反射率比および基準反射率比の比の残余の変動分がDUT内の電気的活動度を表す。
【0017】
図1は2パルス光干渉計システム600の概略図である。慣用のレーザ取付台604の上に配置したモード同期レーザ602がレーザパルス列606を出力する。一つの実施例では、このモード同期レーザはLightwave Electronics社製131−200型モード同期Nd:YAGレーザ、すなわちパルス幅35ピコ秒(ps)以下、繰返し周波数100MHz、波長1064nmの光パルス列を生ずるレーザで構成する。レーザパルス列606は光変調器608を透過し、この光変調器608がDUTに反復的に加えられるテストパターンの各サイクルにつき610に示すとおりパルス列606からプローブパルス609を選択する。光変調器608は、例えばConoptics社製360−80型電気光学変調器とConoptics社製25D型駆動装置との組合せで構成できるが、音響光学素子など上記以外の光変調器も使用できる。一つの実施例では、光変調器608はパルス列中の不要パルスをより完全に抑止するように互いに直列に配置した二つの光変調器を備える。
【0018】
レーザ取付台604に同様に配置した連続波レーザ612は連続振幅レーザビーム614を光変調器616に出力する。一つの実施例では、この連続波レーザ612はCoherent, Inc.製Compass1064−500型連続波Nd:YAGレーザ、すなわち波長1064nmの連続波レーザ光を生ずるレーザで構成する。光変調器616もConoptics360−80型電気光学変調器で構成できるが、それ以外の光変調器も採用できる。一つの実施例では、光変調器616は互いに直列に配置した二つの光変調器を備える。光変調器616は、DUTに印加されるテストパターンの各サイクルにつき幅10nsもの幅狭の基準パルス618を生ずるようにビーム614を変調する。一つの実施例では、基準パルスは幅150ナノ秒(ns)であり、基準パルスとプローブパルスとはDUTへの電気的テストパターンに応じて約1.5マイクロ秒(μs)乃至約1ミリ秒(ms)の遅延時間だけ時間的に隔てられている。
【0019】
これらプローブパルスおよび基準パルスを、必要に応じて反射鏡622など偏向光学系を用いCVI Laser Corporation製BS1−1064−10−1025−45P型高エネルギービームスプリッタなどで構成したビーム合成器620に導く。ビーム合成器620はこれらプローブパルスおよび基準パルスを偏光器623から光ファイバカップラ624、すなわち上記プローブパルスおよび基準パルスを偏光維持可能な単一モード光ファイバ626に結合するカップラ624に至る同一線上の光路沿いに導く。ビーム合成器620の分割比は、この合成器620によりプローブパルス光路および基準パルス光路を同一線状にしたのち基準パルスのエネルギーがプローブパルスのエネルギーにほぼ等しくなるように選択する。偏光器623はプローブパルスおよび基準パルスを同一偏光状態にする。
【0020】
上記プローブパルスおよび基準パルスの両方を単一のモード同期レーザなど同じ光源から供給することもできる。一つの実施例では、一つの出力パルスをビームスプリッタでプローブパルスと基準パルスとに分割する。可変長光遅延線でプローブパルスと基準パルスとの間に遅延を生じさせる。もう一つの実施例では、プローブパルスと基準パルスとを同一レーザの別々の光パルス出力から抽出する。モード同期レーザ以外のレーザや発光ダイオードほかの非コヒーレント光源もプローブパルスおよび基準パルス供給用の光源として他の実施例では用いる。
【0021】
光ファイバ626はプローブパルスおよび基準パルスを光ファイバカップラ628に導き、このカップラ628はこれら光パルスを走査システム630に結合し、この走査システム630で偏光ビームスプリッタ632に入射させる。光ファイバ626はそれ自体に本来備わっている機能によりプローブパルスおよび基準パルスを空間的にフィルタ処理し、これらパルスの空間的モード構成をほぼ整合させる。プローブパルスおよび基準パルスの各々の直線偏光部分は偏光ビームスプリッタ632経由でビーム分割光学系634に伝達され、この光学系634からこれら光パルスを干渉計699に導く。干渉計699に至るパルス光路を光ビーム635で示す。一つの実施例では、走査システム630は検査対象の半導体デバイスの画像化にも用いる共焦点レーザ走査顕微鏡で構成する。
【0022】
図2は干渉計699とそれに伴う制御用電子回路とを詳細に示す。干渉計699は反射鏡705、四分の一波長板710、開口712、レンズ715および反射鏡720で形成される遅延アームと、四分の一波長板639、対物レンズ636およびDUT640を含むDUTアームとを備える。一つの実施例では、DUT640を慣用のx−yステージで支持し、固定のDUTに対して動かす。光ビーム635の中のプローブパルス609および基準パルス618を無偏光ビームスプリッタ701に入射させ、これによって各入射光パルスを二つのパルスに分割する。ビームスプリッタ701によってDUTアームを透過してきた各プローブパルス609部分をこの明細書では第1のプローブパルス609aと呼び、干渉計699の遅延アームに光路変更された各プローブパルス部分は第2のプローブパルス609bと呼ぶ。同様に、ビームスプリッタ701によってDUTアームを透過してきた各基準パルス618部分を第1の基準パルス618aと呼び、干渉計699の遅延アームに光路変更された各基準パルス部分は第2の基準パルス618bと呼ぶ。
【0023】
第1のプローブパルス609aおよび第1の基準パルス618aは四分の一波長板、すなわち通常はパルスの偏光を直線偏光から円偏光に変換する向きに保持してある四分の一波長板を透過する。円偏光となった第1のプローブパルス609aと基準パルス618aとを対物レンズ636によってDUT640の活性化領域638の共通点に集束させる。これらパルスの各々の一部はDUTで反射して対物レンズ636に戻り、このレンズ636で再び平行光線化されて四分の一波長板639に導かれる。四分の一波長板639はこれらパルスの偏光を円偏光からもとの直線偏光に垂直な直線偏光に変換する。四分の一版長板639を透過したのち、第1のプローブパルスおよび第1の基準パルスの上記反射成分の各々の一部はビームスプリッタ701を透過し、ビーム光路635経由で走査システム630に入射する。
【0024】
第2のプローブパルス609bおよび第2の基準パルス618bはビームスプリッタ701によりシャッタ703および干渉計遅延アームビーム光路704の方向に分けられる。シャッタ703はこのシステムに干渉計測定動作をさせるときに開く。第2のプローブパルス609bおよび第2の基準パルス618bは四分の一波長板710および開口712を通過してレンズ715に到達し、このレンズ715によってこれらパルス光を反射鏡720に集束させる。圧電アクチュエータ725に取り付けた反射鏡720の位置を、上記パルス光の入射光路沿いに反射させるように調節する。反射されたパルスはレンズ715、開口712、および四分の一波長板710を経て反射鏡705に戻り、この反射鏡705によって光パルスをシャッタ703経由でビームスプリッタ701に戻す。四分の一波長板710は、上記反射パルスが四分の一波長板710を2回透過したのちもとの偏光方向と垂直で第1のプローブパルスおよび第1の基準パルスの反射成分と同じ方向の直線偏光を受けるような向きに保持してある。開口712はDUTアームの中のプローブビームおよび基準ビームの反射成分の直径に整合するように遅延アームの中のプローブビームおよび基準ビームの反射成分の直径を調節する。
【0025】
第2のプローブパルスおよび第2の基準パルスの反射成分の各々の一部はビームスプリッタ201により分割されて、ビーム光路65沿いに第1のプローブパルスの反射成分および第1の基準パルスの反射成分の一部とともに走査システム630に戻る。すなわち、ビームスプリッタ701はビーム合成器としても作用する。一つの実施例では、ビームスプリッタ701の分割比を、DUT640からの通常の反射信号について第1の基準パルスの反射成分(DUT640から反射)と第2の基準パルスの反射成分(反射鏡720から反射)とのエネルギー比が干渉計からの出射点で約1:3になるように選ぶ。さらにもう一つの実施例では、基準パルス反射成分のエネルギー比を遅延アーム光路に中性密度フィルタなどの電力減衰器を挿入することにより調節する。
【0026】
反射鏡720の位置を、第1のプローブパルスおよび第2のプローブパルスの反射成分がビーム光路635沿いに走査システム630に戻る際に空間的にも時間的にも重なるように、調節する。したがって、第1および第2の基準パルスの反射成分もビーム光路635沿いに走査システム630に戻る際に空間的および時間的に重なる。プローブパルスはごく短い(幅狭、すなわち35ピコ秒(ps)以下)ので、干渉計遅延アームの長さ(遅延光路長)は上記パルスの重なりを達成するには干渉計DUTの長さを等しく、またはほぼ等しくしなければならない。一つの実施例では、反射鏡720、圧電アクチュエータ725およびレンズ715を遅延光路長粗調整用の滑動部に取り付ける。
【0027】
図1を再び参照すると、反射したパルスビームは光路635沿いにビーム分割光学系634に戻り、この光学系634によって反射光ビームを偏光ビーム分割器632に導く。これら反射したパルスは当初の直線偏光と垂直な方向の直線偏光を伴って偏光ビームスプリッタ632により反射鏡642に導かれ、この反射鏡642により反射パルスを光ファイバカップラ644に向けて反射させる。光ファイバカップラ644は反射したパルスをマルチモード光ファイバ646に導き、この光ファイバ646により光パルスを光ファイバカップラ648に導く。光ファイバカップラ648は反射した光パルスを信号処理サブシステム652の中の反射ビーム光検出器650にも結合する。
【0028】
反射してきた第1および第2のプローブパルスは上述のとおり空間的にも時間的にも重なっており、光検出器650内に干渉電気信号、すなわちこれら二つのプローブパルスの間の光位相差で定まる振幅を有する干渉電気信号を同様に発生する。光検出器650は、反射したプローブパルス対の各々および反射した基準パルス対の各々につき、インピーダンス変換増幅器654の入力端子に電流パルスを出力する。
【0029】
インピーダンス変換増幅器654は光検出器650からのこの電流パルスを出力電圧パルスに変換し、この出力電圧パルスを高速作動スイッチ656によりプローブパルス干渉信号用エネルギー分析器658および基準パルス干渉信号用エネルギー分析器660に交互に供給する。プローブ光パルスおよび基準光パルスは、互いに区別できるように、インピーダンス変換増幅器654の限られた帯域幅に起因する通常600nsのパルス幅の出力電圧パルスについて時間的に十分に分離されている。出力電圧パルスの電圧時間積分は対応の干渉信号のエネルギーの尺度である。エネルギー分析器658および660の各々は通常積分器およびA−D変換器を備え、プローブ干渉信号および基準干渉信号としてエネルギーの14ビットディジタル表示をそれぞれ出力する。
【0030】
光ファイバ626および光ファイバカップラ628から走査システム630に入射する入射プローブパルスおよび入射基準パルスの一部は偏光ビームスプリッタ632により反射鏡662に導き、この反射鏡662によりこれら光パルスを光ファイバカップラ664に導く。光ファイバカップラ664は光パルスをマルチモード光ファイバ666に結合し、この光ファイバ666は光パルスを光ファイバカップラ668に導く。光ファイバカップラ668は入射光パルスを信号処理サブシステム652内の入射ビーム光検出器670に結合する。
【0031】
光検出器670は検出した入射光の各々につきインピーダンス変換増幅器672の入力端子に電流パルスを出力する。インピーダンス変換増幅器672は光検出器670からの電流パルスを出力電圧パルスに変換し、それら電圧パルスは高速作動スイッチ674により入射プローブパルス信号用のエネルギー分析器676および入射基準パルス信号用のエネルギー分析器678に結合される。これらエネルギー分析器676および678は通常は積分器およびA−D変換器を含み、プローブパルスの検出出力と基準パルスの検出出力との中のエネルギーの14ビットディジタル表示をそれぞれ出力する。
【0032】
一つの実施例では、光検出器650および670はFermionics社製FD300型インジウムガリウム砒素(InGaAs)PINフォトダイオードで構成し、インピーダンス変換増幅器654および672、高速スイッチ656および674、並びにパルスエネルギー分析器658、660、676および678は上記米国特許第5,907,577号明細書記載のとおり構成する。
【0033】
タイミング信号発生器680は2パルス光干渉計システム600の動作のタイミングを制御する。タイミング信号発生器680は試験ベクトル源682、モード同期レーザ602、光変調器608、光変調器616、信号処理システム652、干渉計699、およびデータ処理および制御装置697に接続してある。一つの実施例では、タイミング信号発生器680はデュアルレーザプローブシステムのタイミング信号制御用の上記米国特許第5,905,577号明細書記載のタイミング信号発生器で構成する。
【0034】
データ処理および制御装置697はデータ表示装置および慣用の高速データ捕捉・ディジタル信号処理回路ボード付きのプログラム可能な汎用ディジタルコンピュータで通常構成する。
【0035】
一つの実施例では、試験ベクトル源682はSchlumberger社製ITS9000型ロジック試験システムで構成する。単純なデータ発生器など上記以外の試験ベクトル源もクロックが十分に高精度であり安定であれば採用できる。試験ベクトル源682は試験ベクトル系列(テストパターン)を複合配線684経由でDUT640に繰返し出力する。テストパターンは継続して反復する。すなわち、試験ベクトル源682はテストパターンの最後のベクトルを送出すると最初のベクトルにループバックし、そのテストパターンを再び送出し始める。テストパターンの長さは通常数マイクロ秒から数ミリ秒である。
【0036】
一つの実施例では、モード同期レーザ602の出力パルス列606と試験ベクトル源682からのテストパターンループとは位相同期している。これは個々のレーザパルスの光の位相のことを述べているのではなく、周期的パルス列の周期的テストパターンループの位相に対する位相を述べていることはもちろんである。パルス列とテストパターンループとを位相同期させるには、一つのテストパターンループ期間がモード同期レーザパルス周期の整数倍でなければならない。例えば、モード同期レーザパルス繰返し周波数100MHzの場合は、テストパターンループ期間が10ns周期の整数倍でなければならない。
【0037】
一つの実施例では、タイミング信号発生器680は試験ベクトル源682からクロック信号688を受け、周知の位相同期ループ手法により正しい周波数のクロック信号689を抽出し、そのクロック信号689をテストパターンループに位相同期したモード同期レーザ602の駆動用とする。代わりの手法では、タイミング信号発生器680によって、モード同期レーザ602へのクロック信号689および試験ベクトル源682へのクロック信号688の両方を発生して供給する。
【0038】
ベクトル源682はテストパターンループの各サイクルの初めに配線686にスタート信号を出力する。配線686上のスタート信号はタイミング信号発生器680でタイミング系列を開始するのに用いる。配線686上で開始パルスを受けて所定時間経過した時点でタイミング信号発生器680は制御信号を配線693経由で光変調器616に送る。光変調器616は配線693にこの制御信号を受けると、連続波レーザ612からの連続振幅ビーム614を約150ns通過させることによって基準光パルス618を区画する。同様に、タイミング信号発生器680は配線686に開始パルスを受けて所定時間経過した時点で制御信号を配線695経由で光変調器608に送る。光変調器608は配線695にこの制御信号を受けると、パルス列606の中のパルス1個を通過させることによってプローブ光パルス610を区画する。また、開始パルスを配線686に受けて所定時間経過した時点でタイミング信号発生器680は制御信号を配線691経由で信号処理サブシステム652に送り、高速スイッチ656および676がそれに応答して適切に切換を行いインピーダンス変換増幅器654および672の出力端子からの電圧パルスを上述のとおりパルスエネルギー分析器658、660、676および678に導くようにする。配線689、691、693および695への制御信号のタイミングは、通常利用者のプログラムしたデータ処理および制御装置により設定し、配線690上の制御信号でタイミング信号発生器680に伝達する。
【0039】
信号処理サブシステム652からの四つの14ビットディジタル出力信号をデータ処理および制御装置697に送る。すなわち、テストパターンの各サイクルについてデータ処理および制御装置697は入射プローブパルスエネルギー、入射基準パルスエネルギー、プローブ干渉信号エネルギーおよび基準干渉信号エネルギーをそれぞれ表す四つのデータ入力信号を受ける。
【0040】
データ処理および制御装置697は、配線686上の開始信号に対して一定の時間位置に基準パルスを維持する一方、プローブパルスを等価的時間サンプリングの手法で配線686上の開始パルスに対して一連の固定時位置を通じて動かしながら上記四つのパルスエネルギー分析器からのデータを集めることによってDUT640上で電気信号を取り込む。通常は500もの互いに異なるタイミング位置を用いる。プローブ反射率比および基準反射率比の比をプローブタイミング位置の各々について算出し、テストパターン波形対応のDUT640上の電圧変化を表すものと解釈する。
【0041】
一つの実施例では、一連のタイミング位置を通じたプローブパルスの反復を1回だけ行う。この反復の期間中にプローブパルスはテストパターン数千サイクルにわたり各タイミング位置に留まり、収集データの平均化ほかの処理により波形雑音の低減ができるようにする。もう一つの実施例では、一連のタイミング位置を通じた約10乃至約1000反復を行う。これら反復の期間中プローブパルスはテストパターンの約10乃至約100サイクルにわたり各タイミング位置に留まる。
【0042】
光変調器608はモード同期レーザ出力パルス列606の中の不要パルスを完全には阻止しない。残留モード同期パルスが光変調器608から漏洩し、光検出器650および670にオフセット信号を生ずる。一つの実施例では上記米国特許第5,905,577号記載の方法、すなわちオフセット信号の大きさを算定してプローブ干渉信号および基準干渉信号から減算する方法を用いる。
【0043】
プローブ干渉信号および基準干渉信号の大きさは干渉計699の中のDUTアームと遅延アームとの間の光路長の差に非常に影響されやすい。したがって、干渉信号は入射プローブパルスおよび基準パルスで定まる光軸沿いのDUT640の位置に非常に影響されやすい。光軸沿いのDUT640の位置をこの明細書ではDUT640のZ位置と呼ぶ。
【0044】
DUT640のZ位置に対する干渉信号の感度を次の例で示す。DUT640で反射した基準パルスビーム、すなわち第1の基準パルスの反射成分を検討の対象としそれをビームAと呼ぶ。また、干渉計遅延アーム反射鏡720から反射してきた基準パルスのビーム、すなわち反射した第2の基準パルスを検討の対象としそれをビームBと呼ぶ。反射鏡720の位置を、反射してきた第1の基準パルスおよび第2の基準パルスの対の光検出器650における時間的および空間的重なりを最大にするように調節したものと仮定する。ビームAの電力はDUT640のZ位置によって変化せずビームBの電力は反射鏡720の位置によっては変化しないとすると、DUT640のZ位置が光の四分の一波長の距離を動くに伴い、光検出器650が干渉信号の中で検出する電力の総計はビームAおよびBの電力値の和を中心として変動する。基礎光学理論から、Z位置の範囲内で強め合う干渉条件および弱め合う干渉条件にそれぞれ対応する電力最大値および電力最小値はそれぞれ(A1/2+B1/2)2および(A1/2−B1/2)2で与えられる。電力平均値はA+Bである。例えば、ビームAの電力が1マイクロワット(μW)であって、ビームBの電力が3μWである場合は、検出電力最大値は7.46μW、最小値は0.536μW、平均値は4μWである。光パルスの波長を1064nmとしたときのZ位置沿いの光検出器出力の変動を図3に正弦曲線830で示す。例えばDUT640の小さい振幅変動に対応する1ミクロンのZ位置変動が電力検出値に非常に大きい変動を生じさせることがこの図から理解されよう。
【0045】
図2に示した実施例では、DUT640のZ位置によって干渉信号が大きく変動する傾向は反射鏡720の位置に閉ループ制御を施すことによって改善される。反射鏡720の位置はDUT640の動きに伴う光検出器650における基準干渉信号をほぼ一定に保つように制御する。代替の実施例では、例えば支持ステージ641の一部として高速アクチュエータをDUT640に同様に設け、DUT640の動きをその源で消去するように制御する。
【0046】
図1および図2を参照すると、画像上の干渉パターン阻止のためにシャッタ703を閉じた状態でDUT640全体をビーム操作光学系634でプローブビームまたは基準ビームによりラスタ走査してDUT640を画像化する。次に、プローブパルスおよび基準パルスの入射ビームをビーム操作光学系634によりDUT640上の対象領域に位置合わせしてシャッタ703およびスイッチ740を開く。データ処理および制御装置697は制御信号を配線685経由でD−A変換器745に送り、これによってD−A変換器745はその出力端子に電圧を生じそれによって抵抗器785に電流を生ずる。増幅器735は抵抗器785および790から入力端子への電流の和に比例する電圧を出力端子に生ずる。増幅器735の出力電圧は反射鏡720に取り付けた圧電アクチュエータ725に供給する。アクチュエータ725は増幅器735の出力電圧の変動約100ボルトに対して約6ミクロンの範囲にわたって反射鏡720を動かす。
【0047】
スイッチ740が開いた状態では抵抗器790を通る電流は零であり、増幅器735の出力信号はD−A変換器745の出力信号で制御される。データ処理および制御装置697はD−A変換器745の出力端子の一連の電圧をセットし、これによってアクチュエータ725に反射鏡720を駆動させるとともに遅延アームの光路長を変動させ、パルスエネルギー分析器660のディジタル出力の表す基準干渉信号を記録する。
【0048】
DUT640の任意のZ位置について反射鏡720の位置は半波長範囲に、すなわち光検出器650における基準干渉信号電力検出値を基準干渉信号電力範囲の中心に与える半波長範囲に見出される。上述の例では、この電力レベルは4μWである。この中心点電力を表す電圧はデータ処理および制御装置697によりD−A変換器775の出力にセットされ、差増幅器770への基準入力として使われる。パルスエネルギー分析器660で発生し基準干渉信号の大きさを表すアナログ信号661は差増幅器770へのもう一つの入力として使われる。データ処理および制御装置697は、D−A変換器745の出力信号を増幅器735の出力を約50ボルトにセットする中間目盛りにセットする。
【0049】
次に、データ処理および制御装置697はスイッチ740を閉じて積分増幅器750の出力端子からの電流を抵抗器790経由で増幅器735の入力端子に通す。DAC775からの基準信号とパルスエネルギー分析器660からのアナログ出力信号661との差が差増幅器770の出力端子に現れる。タイミング信号発生器680は制御信号を配線693経由で単安定回路780に送るとともに、上述のとおり光変調器616に送る。単安定回路780は約100μsよりも長い間隔で約5μsにわたりスイッチ765を閉じる。差増幅器770の出力信号がスイッチ閉の状態で0ボルトでない場合は、電流を抵抗器760経由で積分増幅器750に送り、増幅器750の出力端子の電圧および抵抗器790経由の電流を増幅器735および圧電アクチュエータ経由で変化させ、反射鏡720の位置を変える。
【0050】
増幅器770、750および725は反射鏡720の位置を制御する負帰還ループを形成する。DUT640のZ位置の変動に伴い、この負帰還ループは基準干渉信号の検出出力をその電力範囲の中心(上述の例では4μW)に維持するように反射鏡720の位置を変える。反射鏡720は質量が小さいので、上記負帰還ループはDCから約200Hz以上の周波数範囲にわたってDUT640の振動に追従できる。反射鏡720の位置は圧電アクチュエータ725またはムービングコイル式電磁デバイスで制御できる。上述のとおり、このフィードバックをDUT640上の類似のアクチュエータにかけて振動発生源に対処することもできる。しかし、この手法はDUT640の質量が反射鏡720よりも通常大きいのでより難しい。
【0051】
干渉計DUTアームと干渉計遅延アームとの間の光路長不整合の関数としての基準干渉信号電力も図3のグラフの曲線830で示す。D−A変換器775の発生する基準レベルは線805で示してある。帰還ループがイネーブルされた状態で、基準干渉信号電力830が基準レベル805に等しい反射鏡安定位置(負帰還)および反射鏡不安定位置(正帰還)がいくつかあることがこの図から理解されよう。これらの位置は図3の点810、820、840および850で示してある。DUT640に振動がない場合は、反射鏡720の位置は不安定点から離れた安定点の一つに向かうように駆動され、安定点の一つにほぼ正確に落ち着く。これら安定点および不安定点の位置を逆にできるように帰還ループの利得を反転する電子回路を設けることもできる。通常のDUT振動がある場合に動作点をこの安定点の近傍に維持するのに十分な効果を帰還系が発揮することが重要であり、その効果が不十分な場合は帰還系は新たな安定動作点をサーチし続ける。この技術分野で周知のとおり、帰還系の効果は部分的に増幅器735、750および770の利得および帯域幅で定まり、また、反射鏡720を取り付けた圧電アクチュエータの応答時間および増幅器770の出力にしたがってアナログ信号661のサンプリングのためのスイッチ765の閉じる周波数によっても定まる。
【0052】
一つの実施例では、タイミング信号発生器680を、試験ベクトル源682からのテストパターン出力の各サイクルにつき1回以上配線693に制御信号を出力するように変形する。このようにして基準パルス618を確定し、スイッチ765をテストパターン1サイクルあたり2回以上閉じて帰還系によるアナログ信号661のサンプリングの繰返し周波数を高める。
【0053】
プローブ光パルスと基準光パルスとの間の波長差はプローブ干渉パターンと基準干渉パターンを変化させる。プローブ光パルス源のレーザの出力光波長が例えば基準光パルス源のレーザの出力光波長よりも短い場合は、DUTアームと遅延アームとの間の光路長の不整合の関数としてのプローブ干渉信号検出出力は図3の曲線830と同じ波形で短い波長の正弦曲線で表される。したがって、上記光路長の不整合が十分に大きい場合は、DUT640の動きに起因するプローブ干渉信号の変動は、基準干渉信号の安定化をもたらす反射鏡720の動きでは補償されない。規格波長1064nmのレーザの波長が例えば約0.5nmだけ異なると、DUTアームと遅延アームとの間の光路差の不整合は約50μm以下になろう。
【0054】
DUT640にプローブパルスおよび基準パルスのビームを導くのに共焦点顕微鏡を用いた場合は、DUT640の振動が反射パルスの振動だけでなく光波位相をも変化させ得る。したがって、反射鏡720の動きの一部を反射光の位相変化でなく反射光の振幅変化の補償に用いる。DUT640は対物レンズ636の焦点に位置づけてあるので、これらの振幅変化は対象の焦点範囲にわたり通常±10%以下で十分に小さいと予測され、反射鏡のごく小さい動きだけで補償できる。
【0055】
入射基準パルスの振幅変動は反射鏡720に誤った補償用の動きを生じさせ得る。一つの実施例では、そのような誤った動きは帰還ループを基準パルス干渉信号でなく基準パルス反射率比で駆動することによって回避する。しかし、基準パルス振幅変動は通常5%以下であり、したがって反射鏡720の誤った動きに起因する誤差は無視できるほど小さくなる。
【0056】
上述の説明は例示を意図するものであって限定を意図するものではない。この明細書の記載から上記以外の変形が当業者には自明であり、それら変形は添付特許請求の範囲の請求項に含めることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の装置の概略図。
【図2】図1の装置の一部を詳細に示す図。
【図3】図1の装置の動作を説明する干渉信号の図。
【符号の説明】
600 2パルス光干渉計システム
602 モード同期レーザ
604 レーザ取付台
606 レーザパルス列
608,616 光変調器
609 プローブパルス
610 光変調出力
612 連続波レーザ
614 連続振幅レーザビーム
618 基準パルス
620 ビーム合成器
622 反射鏡
623 偏光器
624,628 カップラ
626 単一モード光ファイバ
630 走査システム
632 偏光ビームスプリッタ
634 ビーム分割光学系
635 光ビーム
636 対物レンズ(プローブ形成光学系)
638 活性化領域
639 四分の一波長板
640 検査対象の半導体デバイス(DUT)
641 x−yステージ
642,662 反射鏡
644,648,664,668 光ファイバカップラ
646,666 マルチモード光ファイバ
650 反射ビーム光検出器
652 信号処理サブシステム
654,672 インピーダンス変換増幅器
656,674 スイッチ
658,660,676,678 パルスエネルギー分析器
670 入射ビーム光検出器
680 タイミング信号発生器
682 試験ベクトル源
684 複合配線
697 データ処理および制御装置
699 光干渉計
701 ビームスプリッタ
703 シャッタ
705,720 反射鏡
725 圧電アクチュエータ
730 ビームダンプ
735,750,770 増幅器
745 D−A変換器
775 基準信号D−A変換器
805 基準レベル
830 基準干渉信号電力

Claims (37)

  1. 半導体デバイスの内部の電気的活動度をその半導体デバイスに反復的な電気的テストパターンを加えながら検出する方法であって、
    前記電気的テストパターンの反復の各々の期間の中で選ばれた時間位置で第1のプローブ光パルスを生じその第1のプローブ光パルスを分割して少なくとも第2のプローブ光パルスを生ずる過程と、
    前記電気的テストパターンの反復の各々の期間の中であって前記第1のプローブ光パルスの生ずる前記選ばれた時間位置からずれた時間位置で第1の基準光パルスを生じその第1の基準光パルスを分割して少なくとも第2の基準光パルスを生ずる過程と、
    前記第1のプローブ光パルスおよび前記第1の基準光パルスを前記半導体デバイスに導く過程と、
    前記第1のプローブ光パルスおよび前記第1の基準光パルスの前記半導体デバイスとの相互作用のあと、前記第1のプローブ光パルスと前記第2のプローブ光パルスとの合成および前記第1の基準光パルスと前記第2の基準光パルスとの合成を、前記第1のプローブ光パルスおよび前記第2のプローブ光パルスが空間的および時間的に重なり前記第1の基準光パルスおよび前記第2の基準パルスが空間的および時間的に重なるように行う過程と、
    プローブ干渉信号を生ずるように前記重なったプローブ光パルスを検出する過程と、
    基準干渉信号を生ずるように前記重なった基準光パルスを検出する過程と、
    前記プローブ干渉信号および前記基準干渉信号の関数を算定する過程と
    を含む方法。
  2. 前記プローブ干渉信号および前記基準干渉信号の前記関数を前記電気的テストパターンの期間内の複数の前記選ばれた時間位置で算定するように、前記選ばれた時間位置を前記電気的テストパターンの反復とともに変動させる過程をさらに含む請求項1記載の方法。
  3. 前記第1のプローブ光パルスがレーザ光パルスである請求項1記載の方法。
  4. モード同期レーザ光パルスのパルス列から前記レーザ光パルスを選ぶ過程をさらに含む請求項3記載の方法。
  5. 前記モード同期レーザ光パルスのパルス列と前記電気的テストパターンの反復とを位相同期させる過程をさらに含む請求項4記載の方法。
  6. 前記第1の基準光パルスがレーザ光パルスである請求項1記載の方法。
  7. 前記レーザ光パルスを生ずるようにレーザビームを変調する過程をさらに含む請求項6記載の方法。
  8. 前記プローブ光パルスおよび前記基準光パルスが実質的に等しい波長を有する請求項1記載の方法。
  9. 前記電気的テストパターンの反復の各々の期間中に前記第1の基準光パルスを生ずる時間位置を前記テストパターンについて固定する過程をさらに含む請求項1記載の方法。
  10. 前記第1のプローブ光パルスおよび前記第1の基準光パルスを同一光路経由で前記半導体デバイスに導く過程をさらに含む請求項1記載の方法。
  11. 前記第2のプローブ光パルスが前記第1のプローブ光パルスと合成され前記第2の基準光パルスが前記第1の基準光パルスと合成される前に前記第2のプローブ光パルスおよび前記第2の基準光パルスを遅延光路沿いに導く過程をさらに含む請求項1記載の方法。
  12. 前記半導体デバイスの動きを補償するように前記遅延光路の長さを制御する帰還制御を施す過程をさらに含む請求項11記載の方法。
  13. 前記帰還制御を施す過程が前記基準干渉信号を安定化させる請求項12記載の方法。
  14. 前記プローブ干渉信号を増幅する過程と、前記プローブ干渉信号を積分する過程と、前記プローブ干渉信号をディジタル化する過程とをさらに含む請求項1記載の方法。
  15. 前記基準干渉信号を増幅する過程と、前記基準干渉信号を積分する過程と、前記基準干渉信号をディジタル化する過程とをさらに含む請求項1記載の方法。
  16. 前記重なったプローブ光パルスを検出することおよび前記重なった基準光パルスを検出することが、検出信号を生ずるように前記重なったプローブ光パルスおよび前記重なった基準光パルスを検出することと、プローブ干渉信号を生ずるように前記検出器信号の一部を積分するとともにディジタル化すること、基準干渉信号を生ずるように前記検出器信号の一部を積分するとともにディジタル化することとを含む請求項1記載の方法。
  17. 前記プローブ干渉信号および前記基準干渉信号の振幅雑音を消去する過程をさらに含む請求項1記載の方法。
  18. 前記振幅雑音を消去する過程が、プローブ光パルスエネルギーの一部を検出することと、基準光パルスエネルギーの一部を検出することと、前記プローブ干渉信号を前記プローブ光パルスエネルギーの前記一部で正規化することと、前記基準干渉信号を前記基準光パルスエネルギーの前記一部で正規化することとを含む請求項17記載の方法。
  19. 半導体デバイスの内部の電気的活動度をその半導体デバイスに反復的な電気的テストパターンを加えながら検出する装置であって、
    前記電気的テストパターンの反復の各々の期間の中で選ばれた時間位置で第1のプローブ光パルスを出力する第1のプローブ光パルス源と、
    前記第1のプローブ光パルスの生ずる前記選ばれた時間位置からずれた時間位置で第1の基準光パルスを出力する第1の基準光パルス源と、
    前記第1のプローブ光パルスおよび前記第1の基準光パルスの入射を受け、少なくとも第2のプローブ光パルスおよび第2の基準光パルスを生ずるビームスプリッタと、
    前記第1のプローブ光パルスおよび前記第1の基準光パルスの入射を受ける前記半導体デバイスを支持する支持体と、
    前記第1のプローブ光パルスおよび前記第1の基準光パルスの前記半導体デバイスとの相互作用のあと、前記第1のプローブ光パルスと前記第2のプローブ光パルスとの合成および前記第1の基準光パルスと前記第2の基準光パルスとの合成を行うように配置したビーム合成器と、
    プローブ干渉信号を出力するように前記第1のプローブ光パルスおよび前記第2のプローブ光パルスを検出するとともに、基準干渉信号を出力するように前記第1の基準光パルスおよび前記第2の基準光パルスを検出するように配置した検出器と、
    前記プローブ干渉信号および前記基準干渉信号の関数を算定するように前記検出器に接続したプロセッサと
    を含む装置。
  20. 前記プローブ干渉信号および前記基準干渉信号の関数を前記電気的テストパターンの中の複数の前記選ばれた時間位置で算定するように、前記選ばれた時間位置を前記電気的テストパターンの反復とともに変動させる請求項19記載の装置。
  21. 前記第1のプローブ光パルスの供給源が第1のレーザを含み、前記第1の基準光パルスの供給源が第2のレーザを含む請求項19記載の装置。
  22. 前記第1のプローブ光パルスの供給源と前記第1の基準光パルスの供給源とが同一のレーザを含む請求項19記載の装置。
  23. 前記第1のプローブ光パルスの供給源がレーザである請求項19記載の装置。
  24. 前記レーザがモード同期レーザであり、そのモード同期レーザからの出力光パルス列から前記第1のプローブ光パルス列を選ぶように配置した光変調器をさらに含む請求項23記載の装置。
  25. 前記モード同期レーザ光パルスのパルス列と前記電気的テストパターンの反復とを位相同期させてある請求項24記載の装置。
  26. 前記第1の基準光パルスの供給源がレーザである請求項19記載の装置。
  27. 光変調器をさらに含み、前記第1の基準光パルスを生ずるようにレーザの出力ビームをその光変調器で変調する請求項26記載の装置。
  28. 前記プローブ光パルスおよび前記基準光パルスが実質的に等しい波長を有する請求項19記載の装置。
  29. 前記電気的テストパターンの反復の各々の期間中に前記第1の基準光パルスを生ずる時間位置を前記テストパターンについて固定してある請求項19記載の装置。
  30. 前記第1のプローブ光パルスおよび前記第1の基準光パルスを同一光路経由で前記半導体デバイスに導く請求項19記載の装置。
  31. 前記第2のプローブ光パルスおよび前記第2の基準光パルスを導く遅延光路をさらに含む請求項19記載の装置。
  32. 前記遅延光路に結合した帰還ループをさらに含み、前記半導体デバイスの動きを補償するように前記遅延光路の長さを制御する請求項31記載の装置。
  33. 前記帰還ループが前記基準干渉信号を安定化させる請求項32記載の装置。
  34. 前記検出器が、前記第1のプローブ光パルスおよび前記第2のプローブ光パルスを検出しプローブ干渉信号を出力するように配置した光検出器と、前記プローブ干渉信号を受けるように結合した増幅器と、増幅された前記プローブ干渉信号を受けるように結合された積分器と、積分された前記プローブ干渉信号を受けるように結合されたディジタル化回路とを含む請求項19記載の装置。
  35. 前記検出器が、前記第1の基準光パルスおよび前記第2の基準光パルスを検出し基準干渉信号を出力するように配置した光検出器と、前記基準干渉信号を受けるように結合した増幅器と、増幅された前記基準干渉信号を受けるように結合された積分器と、積分された前記基準干渉信号を受けるように結合されたディジタル化回路とを含む請求項19記載の装置。
  36. プローブ光パルスの一部を光路変更するように配置したビームスプリッタと、前記プローブ光パルスの前記一部を検出して光検出器信号を出力するように配置した光検出器と、前記光検出器信号を受けるように結合した増幅器と、増幅された前記光検出器信号を受けるように結合した積分器と、積分された前記光検出器信号を受けるように結合したディジタル化回路とをさらに含む請求項19記載の装置。
  37. 基準光パルスの一部を光路変更するように配置したビームスプリッタと、前記基準光パルスの前記一部を検出して光検出器信号を出力するように配置した光検出器と、前記光検出器信号を受けるように結合した増幅器と、増幅された前記光検出器信号を受けるように結合した積分器と、積分された前記光検出器信号を受けるように結合したディジタル化回路とをさらに含む請求項19記載の装置。
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