JP3186115B2 - コーティング材及び光ディスク - Google Patents

コーティング材及び光ディスク

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JP3186115B2
JP3186115B2 JP26040991A JP26040991A JP3186115B2 JP 3186115 B2 JP3186115 B2 JP 3186115B2 JP 26040991 A JP26040991 A JP 26040991A JP 26040991 A JP26040991 A JP 26040991A JP 3186115 B2 JP3186115 B2 JP 3186115B2
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meth
acrylate
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nitrate
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眞 徳水
雅樹 新本
三男 佐藤
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性、透明性、耐擦
傷性、帯電防止性、耐久性、安定性に優れる合成高分子
成型材料のーティング材、及びこのコーティング材
塗布されてなる光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】合成高分子成型材料は通常、疎水性が大
きく、その結果として帯電しやすい特性を有し、かかる
特性は、塵埃の吸引、電撃、引火など、これらの材料を
用いた製品使用上の障害となっている。
【0003】従来より、高分子材料の帯電を防ぐため、
カーボンや導電性金属粉末等の導電剤、あるいは界面活
性剤等を用い、それらを高分子材料へ練り込みはその
表面へ塗布して、種々のトラブルを防ぐ試みがなされて
いる。例えば、特開昭63−307947号公報には、
電荷移動錯体をフィルム上に塗布する方法が開示されて
いる。
【0004】しかし、電荷移動錯体のような導電剤によ
り所望の帯電特性を得ようとすると、その使用量が多く
必要とされる。また、添加方法が難しいこと、透明なも
のが得難いこと、更に導電剤が高価であること等から一
般的でなく、実際には使用できる範囲がかなり限定され
てしまう。
【0005】これに対して界面活性剤を主とする帯電防
止剤は多くの種類の中から適宜選定され、数多く使用さ
れている。これらのうち高分子材料へ練り込み使用する
内部添加型には多くの提案がある(特開昭63−314
261号公報等)。
【0006】、高分子材料の表面へ付与する塗布型
は、界面活性剤単独で、あるいはポリマーやその他の物
質と共に用いられるが、この種の従来の帯電防止剤は、
例えば低湿時においては効果が十分に得られなかった
り、塗布後の乾燥工程や延伸や熱セット、加熱成型等の
工程での加熱、摩擦、洗浄等で効果が消失したりするた
め耐久性が不十分なものが多く、耐久性のよいものが望
まれていた。
【0007】一方、産業用、民生用の光ディスクの基板
材料としては、ガラスや、ポリカーボネイト樹脂や、ポ
リメチルメタクリレート樹脂、エポキシ樹脂、等が使用
されている。
【0008】中でも、プラスチック基板の光ディスク
は、帯電しやすい特性を有し、塵埃の吸引、付着による
エラーレートの増加などが、製品使用上の障害となって
いる。すなわち、光ディスクに記録された情報は、レー
ザーで読み出されるが、その際、ディスク表面上の埃の
ような粒子は、光路上の遮蔽物となり、読み出しの障害
となる。
【0009】この障害を除去するための方法として、読
み出し面、いわゆるピックアップサイドに、;埃のよ
うな粒子をデフォーカスするために、100μm〜18
0μmのオーバーコートを塗布する方法、;埃のよう
な粒子を物理的に拭き取るのに傷をつけないようにハー
ドコートを塗布する方法、;埃のような粒子の付着を
防ぐ、帯電防止コートを塗布する方法等が挙げられる。
【0010】しかし、のオーバーコートを塗布する方
法では、透光性保護オーバーコート層の材料としてたと
えば、(米国特許第4,101,907号)にあるよう
なシリコンエラストマーのような軟質材料が挙げられて
いるが該コーティング材は、粘着性で埃を吸着、保持し
易く、硬化温度は高く、硬化時間も長いという問題点が
あった。
【0011】、SiO2 やSiO等の無機硬質材料
は、透湿性、密着性、屈折率の変化する部分の膜厚が厚
いことによる学特性の劣化等の問題点があった。
【0012】の有機硬質材料として、ハードコート材
を塗布する方法のうち、溶剤系のハードコート材では溶
剤の消散による収縮にともなう問題がある。また、基材
の選択範囲がひろく、処理時間が短いだけでなく、耐薬
品性、耐擦傷性、耐摩耗性等の各種塗膜性能に優れてい
るため用いられる紫外線硬化型コーティング材は、摩擦
等によって静電気を発生し塵埃が付着しやすいという欠
点があった。
【0013】さらに、の帯電防止コーティング材を塗
布する方法の場合も、従来の帯電防止コーティング材で
は前述のように耐久性が不充分であった。
【0014】そして、コーティング材としては従来の紫
外線硬化型コーティング材にリン酸エステルを添加する
ことにより、相溶性のバランスを利用し帯電防止剤の表
面配向を促して光ディスクに帯電防止性能を付与するも
のが特開昭63−6064号公報に開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−6064号公報開示の技術では、耐湿試験等、長
期試験の塗膜の機械的強度、耐久性、帯電防止性能の持
続性等のバランスの良い塗膜を形成することは困難であ
った。
【0016】一方、紫外線硬化型コーティング剤は、基
材の選択範囲がひろく、処理時間が短いだけでなく、耐
薬品性、耐擦傷性、耐摩耗性等の各種塗膜性能に優れて
いるが、摩擦等によって静電気を発生し塵埃が付着しや
すいという問題があった。
【0017】本発明の目的は、従来の紫外線硬化型コー
ティング材の有する透明性、耐擦傷性及び耐溶剤性に
れ、光ディスク等に対して長期にわたり表面のブリード
のない塗膜を形成することができるコーティング材を提
供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記一
般式で表されるパーフルオロアルキル(メタ)アクリレ
ート(A)及び光重合開始剤を含むコーティング材、及
びこのコーティング材を塗布してなる光ディスクにあ
る。
【0019】
【化3】
【0020】本発明のコーティング材に含まれるパーフ
ルオロアルキル(メタ)アクリレート(A)は、塗膜の
耐湿試験で、塗膜表面のブリードを抑える効果を持ち、
パーフルオロアルキルエトキシエポキシプロパンと(メ
タ)アクリル酸の付加反応で得られる。
【0021】パーフルオロアルキル(メタ)アクリレー
トの具体例としては、例えば、3−(2−パーフルオロ
ブチル)エトキシ−2−ヒドロキシ−1−(メタ)アク
リロイルオキシプロパン、3−(2−パーフルオロペン
チル)エトキシ−2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリ
ロイルオキシプロパン、3−(2−パーフルオロヘキシ
ル)エトキシ−2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロ
イルオキシプロパン、3−(2−パーフルオロヘプチ
ル)エトキシ−2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロ
イルオキシプロパン、3−(2−パーフルオロオクチ
ル)エトキシ−2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロ
イルオキシプロパン等が挙げられる。
【0022】これらのパーフルオロアルキル基のnが3
未満である場合は長期におけるブリードの抑止効果が不
十分であり、nが7を越える場合は相溶性が悪く、コー
ティング材自体が白濁する。
【0023】また、本発明のコーティング材は、上記
(A)成分を含むコーティング材の硬化性を向上させる
ために、光重合開始剤を用いる。
【0024】光重合開始剤の具体例としては、例えば、
260〜450nmの紫外領域に吸収を持つ、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインプロピルエーテル、アセトイン、ブチ
ロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−
メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、
α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メ
チルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオ
キシレート、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン等のカルボニル化合物、テトラメチ
ルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジス
ルフィド等の硫黄化合物、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のア
ゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリー
ブチルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。これ
らは、一種であっても二種以上の混合物であっても差し
支えない。
【0025】本発明のコーティング材には、帯電防止性
組成物(B)及び(メタ)アクリル酸エステル類(C)
を含有することができる。(B)成分を含有させること
により、本発明のコーティング材は、帯電防止性能を有
するコーティング材とすることができる。また、(C)
成分を含有させることにより、本発明のコーティング材
は、硬化性が良好で、塗膜と基材との密着性、塗膜の耐
擦傷性等の基材の表面保護効果を発揮するコーティング
材とすることができる。
【0026】このように、本発明のコーティング材を帯
電防止性能を付与したコーティング材として使用する際
のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート(A)の
使用 量は特に制限はないが、好ましくは(A)、
(B)、及び(C)成分の合計量100重量%に対して
0.2〜10重量%である。0.2重量%未満では塗膜
表面のブリードを抑える効果が不充分であり、10重量
%を越えると硬化性が悪くなり、表面硬度が落ちる。
【0027】又、光重合開始剤の使用量は、(A)、
(B)、及び(C)成分の合計量100重量部に対して
一般に0.2〜10重量部程度とすればよい。
【0028】以下、本発明のコーティング材を帯電防止
性能を付与したコーティング材として使用する場合につ
いて説明する。
【0029】帯電防止性組成物(B)は、帯電防止性能
を付与できるものであれば特に限定されないが、本発明
のコーティング材では、特に硝酸塩(b1)とアニオン性
界面活性剤(b2)との組み合わせからなることが好まし
い。
【0030】帯電防止性組成物(B)を構成する硝酸塩
(b1)の具体例としては、例えば、硝酸アルミニウム、
硝酸アンモニウム、硝酸カドミウム、硝酸カリウム、硝
酸カルシウム、硝酸コバルト、硝酸ナトリウム、硝酸第
2鉄、硝酸第2銅、硝酸ニッケル、硝酸マグネシウム、
硝酸マンガン、硝酸リチウム等が挙げられる。
【0031】中でも、溶解性や価格の点から好適なもの
は硝酸カルシウム、硝酸ナトリウム、硝酸リチウムであ
る。
【0032】帯電防止性組成物(B)を構成する
ルキレングリコール鎖を有するアニオン性界面活性
(b2)具体例としては、例えば、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキエー
テル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のアル
キルエーテルの硫酸エステルのナトリウム塩や、それら
のリン酸エステルのナトリウム塩、さらに、ラウリルア
ルコールエトキシ、ラウリルアルコールプロポキシ、オ
レイルアルコールエトキシ、オレイルアルコールプロポ
キシ、ステアリルアルコールエトキシ、ステアリルアル
コールプロポキシ等の高級アルコールエトキシあるいは
高級アルコールプロポキシの硫酸エステルや、それらの
リン酸エステル等が挙げられる。
【0033】中でも、溶解性や相溶性の点からポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステルの
ナトリウム塩が好適である。
【0034】これらの硝酸塩(b1)とアニオン性界面活
性剤(b2)の組み合わせからなる帯電防止性組成物
(B)中の両成分の割合は、重量構成比率で、硝酸塩/
アニオン性界面活性剤=30〜95/5〜70(重量
部)の範囲であることが好ましい。帯電防止性組成物
(B)中にアニオン性界面活性剤(b2)を70重量部を
越えて使用しても帯電防止効果は特に向上せず、むしろ
硬化塗膜の表面硬度が低くなる傾向にある。
【0035】本発明のコーティング材において、
(b1)成分と(b2)成分からなる帯電防止性組成物
(B)の使用量は、(A)、(B)、及び(C)成分の
合計量100重量%に対して1〜5重量%であることが
好ましい。5重量%を越えて使用しても特別な帯電防止
効果の向上は得にくく、硬化塗膜の表面硬度が低くなる
傾向にある。
【0036】(メタ)アクリル酸エステル類(C)とし
ては、水酸基含有(メタ)アクリレート(c1)、多官能
(メタ)アクリレート(c2)や単官能(メタ)アクリレ
ート(c3)等が単独で又は適宜組み合わせて用いられ
る。又、本発明のコーティング材において、(A)、
(B)、及び(C)成分の合計量100重量%に占める
(C)成分の使用量はおよそ85〜98.8重量%程度
である。
【0037】尚、以下の説明においても特別に断りのな
い限り「重量%」は(A)、(B) 、及び(C)成分の
合計量100重量%に対する値を示すものとする。
【0038】即ち、(C)成分として使用される水酸基
含有(メタ)アクリレート(c1)の具体例としては、例
えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシペンチル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシペンチル(メ
タ)アクリレート等の水酸基含有の(メタ)アクリレー
トや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートへのエ
チレンオキサイド、あるいはプロピレンオキサイドの付
加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの二量
は三量体が挙げられる。
【0039】これらの、水酸基含有(メタ)アクリレー
(c1)の使用量は、通常0〜20重量%の範囲であ
り、好ましくは5〜10重量%の範囲である。使用量が
20重量%を越える場合、塗膜と基材間の付着性が低下
する傾向にある。
【0040】塗膜の耐擦傷性、基材の表面保護効果を発
揮させるためには(C)成分として架橋剤の役割を有す
る多官能(メタ)アクリレート(c2)を用いることが好
ましい。
【0041】多官能(メタ)アクリレート(c2)の具体
例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)
アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,3
−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブ
タンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0042】又、(c2)成分としては上記以外に、フタ
ル酸、アジピン酸等の多塩基酸と、エチレングリコー
ル、ヘキサンジオール、ブタンジオール等の多価アルコ
ールと(メタ)アクリル酸の反応で得られるポリエステ
ルポリ(メタ)アクリレート、エポキシ化合物のエポキ
シ基を(メタ)アクリル酸でエステル化したエポキシ
(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネー
トに水酸基を持つ(メタ)アクリレート、例えば2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、を反応させたり、ポリオ
ールとポリイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアク
リレートのような水酸基含有モノマーとの反応で得られ
るウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリシロキサン
と(メタ)アクリル酸化合物との反応によって得られ
る、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート、ポリア
ミドと(メタ)アクリル酸化合物との反応によって得ら
れるポリアミドポリ(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0043】これらの多官能(メタ)アクリレート(c
2)の好適な使用量は、(メタ)アクリロイル基を3個
以上持つものが30〜60重量%、(メタ)アクリロイ
ル基を2個持つものが0〜50重量%である。3官能以
上の単量体の使用量が30重量%未満である場合、塗膜
の耐擦傷性等の表面保護性能が悪くなる傾向にあり、ま
た60重量%を越える場合、帯電防止性組成物(B)
表面配向を妨げ十分な帯電防止性能の発揮ができなくな
る傾向にある。
【0044】(C)成分としては、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N
−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の単官能
(メタ)アクリレート(c3)を用いることができる。
【0045】これらの単官能(メタ)アクリレート(c
3)の使用量は、10〜30重量%が好適である。使用
量が10重量%未満の場合、コーティング材の粘度が高
くなり、スピンコーター塗装する上で作業性が悪く、
、硬化塗膜の基材との付着性も低下するので好ましく
ない。30重量%を越える場合、塗膜の硬化性能が低下
する傾向にある。
【0046】、これら(メタ)アクリル酸エステル類
(C)の中でも分子内にアクリロイル基を有するものは
メタクリロイル基を有するものに比し硬化性により良好
な結果が得られるため、本発明において特に好ましく用
いられる。
【0047】本発明のコーティング材は、その品質性能
を満足するため、従来公知の下記成分を含有することが
できる。すなわち、表面調整剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤等の添加剤を適宜含ませるようにしても良い。
【0048】前記各成分を攪拌による均一溶解等の一般
的な配合方法により配合して得られるコーティング材
塗装方法、硬化方法は特に限定されるものではない。
【0049】本発明のコーティング材を、光ディスクに
適用する場合には、通常配合したコーティング材を0.
2μmのメンブランフィルターによりろ過した後、1
[ft3 ]あたりの浮遊粒子が1,000以下の環境の
もとでスピンコーターで乾燥膜厚が4〜5μmとなるよ
うに塗布し、ついで紫外線を照射して硬化させる方法が
採用される。
【0050】紫外線の発生源としては、高圧水銀ラン
プ、メタルハライドランプ等を使用することができ、従
来の紫外線硬化型コーティング材の有する耐擦傷性及び
耐溶剤性に加えて、優れた帯電防止性を有する塗膜を持
つ光ディスクが形成される。
【0051】
【実施例】次に、実施例によって本発明の内容をより具
体的に説明する。
【0052】実施例1〜3 多官能アクリレートとして、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート(以下DPHA)を22g、ポリエチ
レングリコールジアクリレートを6g、単官能アクリレ
ートとして、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下
HEA)を6g、テトラヒドロフルフリルアクリレート
(以下THFA)を7g、3−(2−パーフルオロ)エ
トキシ−2−ヒドロキシ−1−アクリロイルオキシプロ
パンを1.4gを用い、これらに対して硝酸リチウム
(以下LiNO3 とする)とエチレンオキサイド6モル
付加のラウリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(以下
1123PhO(EO)6 SO3 Naとする)の、1
0:1混合物0.1g(実施例1)、1.0g(実施例
2)又は2.0g(実施例3)を均一に配合し、更に光
重合開始剤としてメチルフェニルグリオキシレート(以
下MPGとする)を1g加えた。
【0053】このようにして得られたコーティング材
を、乾燥膜厚5μmになるようにスピンコーターでポリ
カーボネート製光ディスク基板上に塗布し、紫外線照射
を行なって塗膜を形成し、その塗膜について帯電防止性
能と貯蔵安定性を試験した。
【0054】その結果を表4に示した。
【0055】尚、表4の各実施例は各3段に分れている
が、表面状態の欄の上段が500g加重テーバー摩耗試
験後のヘイズ値を示す点を除き、上段、中断及び下段は
それぞれ硬化初期、エタノール拭き取り後、及び耐湿試
験後(60℃、90%RH、24時間)に対応する値であ
り、各欄はそれぞれ以下の方法で評価したものである。
【0056】 表面抵抗値:タケダ理研 TR−8601型にて測定。
印加電圧100V、1分値 帯電半減期:川口電子 スタティックペーパーアナライ
ザーSP−428型。
【0057】印加電圧8KV 表面状態 :上段 500g加重テーバー摩耗試験後の
ヘイズ値。
【0058】中段 エタノール拭き取り後 下段 耐湿試験後(60℃、90%RH、24時間) 密着性 :ごばん目セロテープ試験 又、安定性は40℃恒温水槽1000時間後の目視チェ
ックによる。
【0059】実施例 4〜6 多官能アクリレートとしてDPHAを15g、ポリエチ
レングリコールジアクリレートを5g、単官能アクリレ
ートとして、HEAを5g、THFAを4g、3−(2
−パーフルオロヘキシル)エトキシ−2−ヒドロキシ−
1−アクリロイルオキシプロパンを0.9g用い、これ
らに対してLiNO3 /C1123PhO(EO)6 SO
3 Naを30/70重量部(実施例4)、50/50重
量部(実施例5)又は95/5重量部(実施例6)の割
合で各1gずつ均一に配合し、更に光重合開始剤として
MPGを0.7g加えた。
【0060】このコーティングを実施例1と同様に試
験し、その結果を表4に示した。
【0061】実施例 7、8 多官能アクリレートとしてDPHAを22g、ポリエチ
レングリコールジアクリレートを6g、単官能アクリレ
ートとしてTHFAを9g、3−(2−パーフルオロヘ
キシル)エトキシ−2−ヒドロキシ−1−アクリロイル
オキシプロパンを0.4g用い、これらに対して表1に
示す硝酸塩とアニオン性界面活性剤の10:1混合物
0.5gを均一に配合し、更に光重合開始剤としてMP
Gを1g加えた。このコーティング材を実施例1と同様
に試験し、その結果を表4に示した。
【0062】実施例9、10 多官能アクリレートとして、ポリエチレングリコールジ
アクリレート1g、及びトリメチロールプロパントリア
クリレート(以下TMPTAとする。実施例9)もしく
はペンタエリスリトールトリアクリレート(以下PET
Aとする。実施例10)8.5g、単官能アクリレート
として、HEAを1.4g、THFAを2g、3−(2
−パーフルオロヘキシル)エトキシ−2−ヒドロキシ−
1−アクリロイルオキシプロパン0.5gを用い、これ
らに対してLiNO3 と、C1123PhO(EO)6
3 Naの10:1混合物0.6gを均一に配合し、更
に光重合開始剤としてMPGを0.4g加えた。このコ
ーティング材を実施例1と同様に試験し、その結果を表
4に示した。
【0063】実施例 11〜13 多官能アクリレートとしてDPHAを15g、ポリエチ
レングリコールジアクリレートを5g、単官能アクリレ
ートとして、HEAを5g、THFAを4g、3−(2
−パーフルオロヘキシル)エトキシ−2−ヒドロキシ−
1−アクリロイルオキシプロパンをそれぞれ0.03g
(実施例11)、1.4g(実施例12)又は3.0g
(実施例13)用い、これらに対して、LiNO3 とC
1123PhO(EO)6 SO3 Naの10:1の混合物
1gを均一に配合し、更に光重合開始剤としてMPGを
0.7g加えた。
【0064】このコーティング材を実施例1と同様に試
験し、その結果を表5に示した。
【0065】実施例14〜16 多官能アクリレートとして、表2に示す量のDPHAと
ポリエチレングリコールジアクリレート、単官能アクリ
レートとして、HEAを1.4g、THFAを2g、3
−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−2−ヒドロ
キシ−1−アクリロイルオキシプロパン0.6gを用
い、これらに対してLiNO3 とC1123PhO(E
O)6 SO3 Naの10:1混合物0.3gを均一に配
合し、更に光重合開始剤としてMPGを0.4g加え
た。このコーティング材を実施例1と同様に試験し、そ
の結果を表5に示した。
【0066】実施例17及び18 多官能アクリレートとしてDPHAを15g、ポリエチ
レングリコールジアクリレートを5g、単官能アクリレ
ートとして、HEAを5g、THFAを4g、表3に示
すパーフルオロアルキルアクリレート0.9gを用い、
これらに対してLiNO3 とC1123PhO(EO)6
SO3 Naの10:1の混合物1gを均一に配合し、更
に光重合開始剤としてMPGを0.7g加えた。
【0067】このコーティング材を実施例1と同様に試
験し、その結果を表5に示した。
【0068】比較例1 多官能アクリレートとしてDPHAを22g、ポリエチ
レングリコールジアクリレートを6g、単官能アクリレ
ートとしてHEAを6g、THFAを7gを用いこれら
に対して光重合開始剤としてMPGを1g加えた。この
コーティング材を実施例1と同様に試験し、その結果を
表5に示した。
【0069】比較例2 多官能アクリレートとしてDPHAを15g、ポリエチ
レングリコールジアクリレートを5g、単官能アクリレ
ートとして、HEAを5g、THFA4g、3−(2−
パーフルオロヘキシル)エトキシ−2−ヒドロキシ−1
−アクリロイルオキシプロパン0.9gを用い、これら
に対してC1123PhO(EO)6 SO3 Na1gを均
一に配合し、光重合開始剤としてMPGを0.7g加え
た。このコーティング材を実施例1と同様に試験し、そ
の結果を表5に示した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【発明の効果】本発明のコーティング材は、従来の紫外
線硬化型コーティング材の有する透明性、耐擦傷性、
耐溶剤性に優れ、光ディスク等に対して長期にわたり
表面のブリードのない塗膜を形成することができる。
又、このコーティング材は貯蔵安定性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−180970(JP,A) 特開 昭60−262870(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 4/00 - 4/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で表されるパーフルオロアル
    キル(メタ)アクリレート(A)及び光重合開始剤を含
    コーティング材。【化1】
  2. 【請求項2】 硝酸塩(b1)とアルキレングリコール鎖
    を有するアニオン性界面活性剤(b2)からなる帯電防止
    性組成物(B)を含むことを特徴とする、請求項1記載
    のコーティング材。
  3. 【請求項3】 (メタ)アクリル酸エステル類(C)を
    含むことを特徴とする、請求項1記載のコーティング
    材。
  4. 【請求項4】 下記一般式で表されるパーフルオロアル
    キル(メタ)アクリレート(A)0.2〜10重量%、 【化2】 硝酸塩(b1)とアルキレングリコール鎖を有するアニオ
    ン性界面活性剤(b2)からなる帯電防止性組成物(B)
    1〜5重量%、 (メタ)アクリル酸エステル類(C)85〜98.8重
    量%の合計量100重量部に対して、 0.2〜10重量部の光重合開始剤を含むことを特徴と
    する請求項1記載のコーティング材。
  5. 【請求項5】 帯電防止性組成物(B)が、硝酸塩(b
    1)とアルキレングリコール鎖を有するアニオン性界面
    活性剤(b2)の重量構成比率が、30〜95/5〜70
    (重量比)であることを特徴とする、請求項4記載のコ
    ーティング材。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のコーティング材が塗布さ
    れてなる光ディスク。
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