JP3186070U - 止血器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】止血器具に予め間隙確保部材を設けて肢体に帯体を巻きつけることにより、バルーンの拡張による穿刺部位への止血のための圧迫力を、簡便に再現性よく適度な強さに設定できる止血器具を提供する。
【解決手段】止血器具1は、肢体の止血すべき部位に巻き付けるための帯体2と、帯体2より硬質な材料で構成された湾曲板4と、帯体2を肢体に巻き付けた状態で固定する面ファスナー3(固定手段)と、帯体2に連結された、流体を注入することにより拡張するバルーン5と、着脱可能な丸棒10(間隙確保部材)とが設けられる。
【選択図】図3

Description

本考案は、穿刺部位を圧迫して止血する止血器具に関する。
腕または脚に形成された穿刺部位に導入されたイントロデューサーシースの内腔を介してカテーテル等を経皮的に血管等の病変部に挿入して治療・検査などを行った場合、そのイントロデューサーシースを抜去した後の穿刺部位を止血する必要がある。この止血を行うために、腕または脚の穿刺部位に巻き付けるための帯体と、このベルトを穿刺部位に巻き付けた状態で固定する固定手段と、流体を注入することにより拡張し、穿刺部位を圧迫するバルーンとを備えた止血器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3974467号公報
このような止血器具では、腕または脚の穿刺部位に巻き付けた帯体を固定手段によってしっかり固定することにより、穿刺部位を圧迫するバルーンの圧力を維持するが、周囲の神経や尺骨動脈へ過大な負荷が発生しないようにするため、バルーンが拡張していない状態で帯体を巻きつける段階で、帯体を15mm程度ゆるめに巻くことが推奨されている。
ここで15mm程度のゆるみとは、帯体の全周が腕又は脚に接するように巻き付けた状態と比べて、帯体の周方向の長さが15mm程度長くなるように帯体を巻き付けた状態を言う。
しかし、ゆるめ具合に目安がないため、強めに巻くと巻きつけた部位に痛みやしびれを発生させたり、ゆるすぎるとバルーンによる圧迫が不十分になって止血されなくなるという問題があった。
本考案は、止血器具に予め間隙確保部材を設けて肢体に帯体を巻きつけることにより、バルーンの拡張による穿刺部位への止血のための圧迫力を、簡便に再現性よく適度な強さに設定できる止血器具を提供することを目的とする。
このような目的は、下記(1)〜(9)の本考案により達成される。
(1)肢体の止血すべき部位に巻き付ける可撓性を有する帯体と、その帯体を肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、前記帯体より硬質な材料で構成され、その少なくとも一部が内周側に向かって湾曲した湾曲板と、湾曲板の内側に設置され、流体を注入することにより拡張するバルーンとを備え、前記バルーンは、帯体に保持されている湾曲板の長手方向の一端側に片寄って位置していて前記バルーンの拡張による圧迫力を設定する間隙保持部材を着脱可能に設けたことを特徴とする止血器具。
(2)間隙保持部材は、帯体と肢体との間に挟むことを特徴とする(1)に記載の止血器具。これにより、間隙保持部材は、帯体と肢体の間に位置する。
(3)間隙保持部材は、棒であることを特徴とする(2)に記載の止血器具。特に、間隙保持部材は、直径φ10〜15mmの断面の丸棒であることを特徴とする(2)に記載の間隙保持部材を備えた止血器具。
(4)間隙保持部材は、クリップであることを特徴とする(1)に記載の止血器具。
(5)クリップは、帯体を挟むことを特徴とする(4)に記載の止血器具。
(6)クリップは、クリップ長さ設定手段を備えていることを特徴とする(4)又は(5)に記載の止血器具。
(7)間隙保持部材は、帯体に連結されていることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の止血器具。
(8)間隙保持部材の着脱により、帯体の止血すべき部位への巻きつけ具合が設定可能であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の止血器具。
(9)間隙保持部材の着脱により、拡張するバルーンの止血すべき部位への圧迫具合が設定可能であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の止血器具。
本考案によれば、止血器具に予め間隙確保部材を設けて肢体に帯体を巻きつけることにより、バルーンの拡張による穿刺部位への止血のための圧迫力を、簡便に再現性よく適度な強さに設定できる止血器具を提供することができる。
本考案の間隙保持部材を備えた止血器具の実施形態を示す底面図(手首に装着したときの内面側が見える状態)である。 図1に示す間隙保持部材を備えた止血器具の止血時の使用状態を示す模式的断面図である。 本考案の間隙保持部材を備えた止血器具の実施例1を示す模式的断面図である。 本考案の間隙保持部材を備えた止血器具の実施例2を示す模式的断面図である。 本考案の間隙保持部材を備えた止血器具の実施例3を示す模式的断面図である。 本考案の間隙保持部材を備えた止血器具の実施例4を示す模式的断面図である。
以下、本考案の間隙保持部材を備えた止血器具を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)に基づいて図面を参照して詳細に説明する。以下に示す実施形態は、本考案の技術的思想を具体化するための物や方法を例示するものであって、本考案の技術的思想は、止血器具に限定せず、医用器具一般に適用可能であり、また、構成材料の種類、構成条件等を下記のものに特定するものでない。本考案の技術的思想は、実用新案登録請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本考案の間隙確保部材を備えた止血器具の実施形態を示す底面図(手首に装着したときの内面側が見える状態)であり、図2は、図1に示す本考案の間隙確保部材を備えた止血器具の実施形態の止血時の使用状態を示す模式的断面図である。
図1に示す間隙確保部材を備えた止血器具は、治療・検査などを行うカテーテル等を血管内に挿入する目的で手首500(肢体)に形成された穿刺部位510(止血すべき部位)に留置していたイントロデューサーシースを抜去した後、その穿刺部位510を止血するのに使用するものであり、手首500に巻き付けるための巾約40mmの帯体2と、帯体2を手首500に巻き付けた状態で固定する固定手段としての通気性材料からなる面ファスナー3と、湾曲板4と、バルーン5と、補助バルーン6と、マーカ7と、間隙確保部材9とを備えている。
帯体2は、可撓性を有する帯状の部材である。図2に示すように、帯体2は、手首500の外周を一周するように巻き付けられ、その両端付近の部分を互いに重ね合わせるようにして、手首500に装着される。そして、帯体2は、この重ね合わせ部分が一般にマジックテープ(登録商標)などと呼ばれる面ファスナー3によって固定(接合)される。
帯体2の構成材料は、穿刺部位510を視認できる材料であれば特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。
なお、帯体2は実質的に透明(可視光透過性)であることが好ましい。これにより、穿刺部位510を外側から確実に視認することができ、後述するマ−カ7を穿刺部位510に容易に位置合わせすることができる。
帯体2の中央部には、後述する湾曲板4を保持する湾曲板保持部21が形成されている。湾曲板保持部21は、外面側(または内面側)に別個の帯体の部材が融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)または接着(接着剤や溶媒による接着)等の方法により接合されることにより、二重になっており、それらの隙間に挿入された湾曲板4を保持する。
帯体2を手首500に巻き付けた状態で固定する固定手段としては、面ファスナー3に限らず、例えば、スナップ、ボタン、クリップ、帯体2の端部を通す枠部材であっても良い。
湾曲板4は、帯体2の二重に形成された湾曲板保持部21の間に挿入されることにより帯体2に保持されている。
湾曲板4は、その少なくとも一部が内周側に向かって湾曲した形状をなしている。この湾曲板4は、帯体2よりも硬質な材料で構成されており、ほぼ一定の形状を保つようになっている。
湾曲板4の、後述するバルーン5と重ならない部分には、帯体2の通気孔22と貫通するように配置した通気孔(図示していない)を設けることが好ましい。
実施形態では、湾曲板4は、帯体2の長手方向に長い形状をなしている。図2に示すように、この湾曲板4の長手方向の中央部41は、ほとんど湾曲せずに平板状になっており、この中央部41の両側には、それぞれ、内周側に向かって、かつ、帯体2の長手方向(手首500の周方向)に沿って湾曲した湾曲板42が形成されている。すなわち、湾曲板42の曲率半径R2は、中央部41の曲率半径R1(図示の構成では、R1は、ほぼ180°)より小さい。
湾曲板4の構成材料としては、穿刺部位510を視認できる材料であれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
なお、湾曲板4は実質的に透明(可視光透過性)であることが好ましい。これにより、穿刺部位510を外側から確実に視認することができ、後述するマ−カ7を穿刺部位510に容易に位置合わせすることができる。
なお、湾曲板4は、中央部41のような湾曲していない部分を有さないもの、すなわち、その全長に渡り湾曲しているものであっても良い。
帯体2には、可撓性を有する材料で構成されたバルーン5が連結されている。バルーン5は、流体(空気等の気体もしくは液体)を注入することにより拡張し、手首500の穿刺部位510を圧迫する。
バルーン5は、帯体2に保持されている湾曲板4の長手方向の一端側に片寄って位置している。すなわち、図示の構成では、バルーン5は、湾曲板4の図1中のほぼ右半分側と重なるように位置している。
バルーン5の構成材料は、穿刺部位510を視認できる材料であれば特に限定されず、例えば、前述した帯体2の構成材料と同様のものを用いることができる。また、バルーン5は、帯体2と同質または同種の材料で構成されるのが好ましい。これにより、融着による帯体2との接合を容易に行うことができ、容易に製造することができる。
なお、バルーン5は実質的に透明(可視光透過性)であることが好ましい。これにより、穿刺部位510を外側から確実に視認することができ、後述するマ−カ7を穿刺部位510に容易に位置合わせすることができる。
バルーン5の構造は、例えば、前述したような材料からなるシート材の縁部を融着または接着等の方法によりシールして袋状に形成したものとすることができる。図示の構成では、バルーン5は、拡張していない状態では、四角形をなしている。
このようなバルーン5は、可撓性を有する連結部11を介して、帯体2に連結されている。実施形態では、バルーン5は、湾曲板4に対し片寄った側、すなわち、図1中の右側のみが連結部11を介して帯体2に連結されている。この連結部11は、その実質的な長さが比較的短くされ、これにより、バルーン5が湾曲板に対し片寄った位置に繁留される。なお、連結部11は、バルーン5と同材質で構成されているのが好ましい。
バルーン5の内面側、すなわち穿刺部位510と接触する面側にはマーカ7が設けられている。バルーン5にこのようなマーカ7を設けることによって、バルーン5を穿刺部位510に容易に位置合わせすることができる。そして、バルーン5の位置ズレによる血液の漏れや血腫の発生が抑制される。
図1に示すように、マーカ7はバルーン5の中心部に設けることが好ましい。これにより、バルーン5の中心部を穿刺部510に位置合わせすることが可能であるため、バルーン5を拡張させた際に、バルーン5の押圧(圧迫)力が穿刺部位510に対して確実に作用する。
マーカ7の形状は、特に限定されず、例えば、円形、三角形、四角形等が挙げられ、図1では中抜きの円形をなしている。
なお、マーカ7はバルーン5の外面側、すなわちバルーン5の穿刺部位510と接触する面と反対側(図1の紙面の裏側)に設けても良い。
また、マーカ7をバルーン5に設けるのではなく、帯体2もしくは湾曲板4あるいは後述する補助バルーン6に設けても良い。この場合も、マーカ7がバルーン5の中心部に重なるように設けることが好ましい。
図1に示すように、バルーン5には、バルーン5内に流体を注入するための注入部8が接続されている。注入部8は、その基端部がバルーン5に接続され、その内腔がバルーン5の内部に連通する可撓性を有するチューブ81と、チューブ81の先端部に設置された袋体82と、袋体82に接続された管状のコネクタ83とで構成されている。
バルーン5を拡張(膨張)させる際には、コネクタ83にシリンジ(図示していない)の先端突出部を挿入し、このシリンジの押し子を押して、シリンジ内の流体を注入部8を介してバルーン5内に注入する。バルーン5内に流体を注入した後、コネクタ83からシリンジの先端突出部を抜去すると、コネクタ83に内蔵された逆止弁が閉じて流体の露出が防止され、バルーン5が膨張した状態が維持される。
図2に示すように、湾曲板4とバルーン5との間には、可撓性を有する材料で構成された補助バルーン6が、バルーン5と重なるようにして設けられている。この補助バルーン6は、バルーン5を押圧する押圧部材として機能するものである。
補助バルーン6は、内部に充填された流体の圧力により、図2中の矢印fで示すように、バルーン5をほぼ手首500の中心部520に向かう方向に押圧する。このような補助バルーン6からの押圧力を受けることにより、バルーン5は、図2中の矢印Fで示すように、穿刺部位510を上から下へ垂直な方向(手首500の表面に対して垂直な方向)ではなく、傾斜した方向(手首500の中心部520に向かうような方向)に押圧(圧迫)する。これにより、本考案は、穿刺部位510を上から下へ垂直な方向に押圧(圧迫)する場合と比べ、より優れた止血効果が得られる。
補助バルーン6の構成材料としては、穿刺部位510を視認できる材料であれば特に限定されず、例えば、前述した帯体2の構成材料と同様のものを用いることができる。そして、補助バルーン6は実質的に透明(可視光透過性)であることが好ましい。これにより、穿刺部位510を外側から確実に視認することができ、マ−カ7を穿刺部位510に容易に位置合わせすることができる。
また、実施形態では、補助バルーン6は、帯体2の長手方向についての幅がバルーン5よりも小さくされていることにより、その大きさがバルーン5よりも小さくなっており、バルーン5を局所的に押圧する。これにより、バルーン5から穿刺部位510への押圧力Fの方向をより確実に傾斜させることができる。
さらに、実施形態では、前述したように、湾曲板4は、バルーン5が片寄った側(図2中の右側)に、その中央部41よりも曲率半径が小さい湾曲部42を有している。そして、補助バルーン6は、湾曲板4の湾曲部42またはそれより図2中の右側の部分に(帯体2を介して)接触する。これにより、補助バルーン6が湾曲板4から受ける力の方向、換言すれば、補助バルーン6が(帯体2を介して)接触する部分の湾曲板4の法線方向は、手首500の中心部520に向かうような方向に傾斜することになる。その結果、押圧力fや押圧力Fの方向をより確実に傾斜させることができる。
また、実施形態では、バルーン5の一部と補助バルーン6の一部とは、互いに融着または接着等の方法により接合されている。そして、その接合部には、バルーン5の内部と補助バルーン6の内部とを連通する連通部(開口部)12が形成されている。これにより、前述したようにしてバルーン5に液体を注入すると、注入された流体の一部が連通部12を介して補助バルーン6内に流入し、バルーン5の拡張に伴って補助バルーン6が拡張する。これにより、1回の操作で両者を拡張させることができ、操作性に優れる。
このような補助バルーン6は、固着部13を介して、バルーン5の連結部11と同じ側(図2中の右側)で帯体2に連結されている。これにより、補助バルーン6がより容易かつ確実に傾斜した姿勢になるため、バルーン5に対する押圧力fが傾斜した方向(バルーン5をほぼ手首500の中心部520に向かわせるような方向)により作用し易くなり、より優れた止血効果が得られる。
なお、本考案ではバルーン5を押圧する押圧部材は、補助バルーン6に限らず、例えば、スポンジ状の物質、弾性材料、綿(わた)のような繊維の集合体、またはこれらの組み合わせなどによって形成されたパッドのような部材であっても良い。
図1に示したように、帯体2には可撓性の連結部91を介して間隙確保部材9が連結されている。間隙確保部材9は連結部91を用いて帯体2に連結する代わりに、帯体2の間隙確保部材9取り付け位置近傍にクリップ等で固定しておいても良い。
次に、間隙確保部材を備えた止血器具1の使用方法について説明する。
[1] 間隙確保部材を備えた止血器具1を手首500に装着する前は、バルーン5および補助バルーン6は、拡張していない状態とされている。手首500の場合、通常、動脈への穿刺部位510は、手首500の内側(腱がある側)の親指側へ片寄った位置にある。通常、穿刺部位510にはイントロデューサーシースが留置されている。このイントロデューサーシースが留置されたままの状態の手首500に帯体2を間隙確保部材9を用いて引張力を加えずに手首500に添うように巻き付け、バルーン5に設けられたマーカ7が穿刺部位510上に重なるようにバルーン5(帯体2)を位置合わせして、帯体2の両端部付近を雄側面ファスナー31と雌側面ファスナー32を重ねて固定(接合)する。
[2] 間隙確保部材を備えた止血器具1を手首500に装着した後、間隙確保部材9を取り外し、注入部8のコネクタ83にシリンジ(図示していない)を接続し、前述したようにして流体をバルーン5および補助バルーン6内に症例に応じて所定量注入し、バルーン5および補助バルーン6を拡張させる。
実施形態では、バルーン5を拡張させる前に、手首500に帯体2を間隙確保部材9を用いて巻き付けてあるので、間隙確保部材9を取り外した時の帯体2のゆるみの程度は毎回一定になる。従って、流体を所定量注入した時のバルーン5の拡張による穿刺部位510への圧迫力は、毎回ほぼ一定に保たれる。
間隙確保部材9を取り外した時の帯体2のゆるみは10〜25mmが好ましい。
10mm未満であると、バルーン5の拡張による穿刺部位510への圧迫力が強くなりすぎる。また25mmを超えるとバルーン5の拡張による穿刺部位510への圧迫力が不十分となるとともに穿刺部位510がバルーン5からはずれる、帯体2が手首500からはずれるといった問題を生じる。
[3] バルーン5および補助バルーン6を拡張させたら、コネクタ83からシリンジを離脱させる。そして穿刺部位510からイントロデューサーシースを抜去する。これにより、バルーン5および補助バルーン6は、拡張状態を維持し、穿刺部位510への所定の圧迫力による圧迫状態が維持される(図2参照)。この状態では、バルーン5が穿刺部位510(およびその周辺)を局所的に押圧するとともに、バルーン5および補助バルーン6の拡張により、湾曲板4は、手首500の表面から離間して、手首500に接触し難くなる。これにより、穿刺部位510(およびその周辺)が集中して圧迫力を受ける。間隙確保部材9を取り外してからバルーン5を拡張させる前には、帯体2は所定の長さのゆるみで手首500に巻きつけられ、固定されているので、この圧迫力は所定の適度な強さになるように設定されている。従って、バルーン5による穿刺部位510への圧迫力が、周囲の神経や尺骨動脈に過大な負荷を与えることはない。
[4] 穿刺部位510からイントロデューサーシースを抜去した後、出血が止まったら、再びコネクタ83にシリンジを接続しバルーン5内の流体を排出し、次いで間隙確保部材を備えた止血器具を手首500から取り外して止血を完了する。
止血の開始から完了までの止血時間は、用いるカテーテルのサイズにより、少ない場合でも2〜3時間、多い場合には10時間を超えるが、本考案に係る間隙確保部材を備えた帯体2を使用すると、穿刺部位510への過度な圧迫及び圧迫不足が防止できる。
(実施例1)
図3は、本考案の間隙確保部材を備えた止血器具の実施例1を示す模式的断面図である。
実施例1においては、間隙確保部材9としてプラスチック製の直径φ10mmの丸棒10を用いて、上記[1]〜[4]の間隙確保部材を備えた止血器具1の使用方法を実施した。
直径φ10mmの丸棒10を取り付けて、帯体2を手首500のまわりに添うように引張力を加えずに巻きつけてから丸棒10を取り外すと、帯体2には長さ約15mm程度のゆるみが生じる。
間隙確保部材9は円柱状の丸棒に限られず、直方体、立方体等の四角棒、球体、なだらかな傾斜の円錐台の三角棒等、手首500と止血器具1の間に挟むことが出来る形状であれば良い。
(実施例2)
図4は、本考案の間隙確保部材を備えた止血器具の実施例2を示す模式的断面図である。
実施例2においては、間隙確保部材9としてクリップ長さが8mmとなるようにストッパ(図示していない)を設けたクリップ20を用いて、上記[1]〜[4]の間隙確保部材を備えた止血器具1の使用方法を実施した。ストッパはクリップの長さが段階的に調節可能な構造であっても良い。
クリップ20を用いて、8mmの長さに帯体2を重ねてクリップした状態で、手首500のまわりに添うように引張力を加えずに巻きつけ、次いでクリップ20を取り外すと、帯体には長さ約16mmのゆるみが生じる。
本考案の間隙確保部材を備えた止血器具1による止血時間が10時間を超える場合でも、実施例1の間隙確保部材10、又は実施例2の間隙確保部材11のいずれを用いても、穿刺部位510への過度な圧迫による痛み、しびれ、圧迫不足による止血時間の延長が生じることはなかった。
また、本実施例では間隙確保部材を1つ設けた止血器具を説明したが、複数の間隙確保部材を設けることもできる。これにより、圧迫度合いを段階的に調整することができる。
(実施例3)
図5は、本考案の間隙確保部材を備えた止血器具の実施例3を示す模式的断面図である。
実施例3においては、間隙確保部材9として3本のプラスチック製の直径φ8mmの円柱状の丸棒10a、10b、10cを用いて、上記[1]〜[4]の間隙確保部材を備えた止血器具1の使用方法を実施した。
直径φ8mmの丸棒10a、10b、10cを図示のように等間隔に取り付けて、帯体2を手首500のまわりに引張力を加えずに巻きつけてから丸棒10a、10b、10cを取り外すと、10a、10b、10cの間隔が8mmの場合、丸棒帯体2には長さ約15mm程度のゆるみが生じる。
上記[2]の間隙確保部材を備えた止血器具1の使用方法において、3本の丸棒10a、10b、10cを同時にすべて取り外すのではなく、例えば丸棒10aを取り外してバルーン5を拡張させ、次いで止血開始から一定時間経過後に丸棒10bを取り外し、また一定時間経過後に丸棒10cを取り外しという手順を実行すると、圧迫度合いを段階的に調整することができる。
間隙確保部材9としての丸棒の直径、数、配置は特に限定しない。丸棒10a、10b、10cの直径はそれぞれ異なっても良い。
間隙確保部材9は円柱状の丸棒に限られず、直方体、立方体等の四角棒、球体、なだらかな傾斜の円錐台の三角棒等、手首500と止血器具1の間に挟むことが出来る形状であれば良い。
(実施例4)
図6は、本考案の間隙確保部材を備えた止血器具の実施例4を示す模式的断面図である。
実施例4においては、間隙確保部材9としてクリップ長さが2.5mmとなるようにストッパ(図示していない)を設けた3個のクリップ20a、20b、20cを用いて、上記[1]〜[4]の間隙確保部材を備えた止血器具1の使用方法を実施した。ストッパはクリップの長さが段階的に調節可能な構造であっても良い。
クリップ20a、20b、20cを用いて、それぞれ2.5mmの長さに帯体2を重ねてクリップした状態で、手首500のまわりに添うように引張力を加えずに巻きつけ、次いでクリップ20a、20b、20cを取り外すと、帯体には長さ約15〜16mmのゆるみが生じる。
上記[2]の間隙確保部材を備えた止血器具1の使用方法において、3個のクリップ20a、20b、20cを同時にすべて取り外すのではなく、例えばクリップ20aを取り外してバルーン5を拡張させ、次いで止血開始から一定時間経過後にクリップ20bを取り外し、また一定時間経過後にクリップ20cを取り外しという手順を実行すると、圧迫度合いを段階的に調整することができる。
間隙確保部材9としてのクリップのクリップ長さ、数、配置は特に限定しない。クリップ20a、20b、20cのクリップ長さはそれぞれ異なっても良い。
以上、本考案の間隙確保部材を備えた止血器具を図示の実施形態に基づいて説明したが、本考案は、これに限定されるものではなく、間隙確保部材を備えた止血器具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていても良い。
また、本考案の間隙確保部材を備えた止血器具は、手首に装着して使用するものに限らず、腕または脚(本明細書では、これらを総称して「肢体」という)のいかなる部分に装着して使用する間隙確保部材を備えた止血器具にも適用することができる。
以上、本考案の好ましい実施形態について詳述したが、本考案は上述した実施形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載された本考案の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
本考案に係る間隙確保部材を備えた止血器具は、予め間隙確保部材を設けて肢体に帯体を巻きつけてから、間隙確保部材を取り外して帯体に所定長さのゆるみを持たせることにより、バルーンの拡張による穿刺部位への止血のための圧迫力を、簡便に再現性よく適度な強さに設定することを可能にするので、産業上の利用可能性は極めて大きい。
1 間隙確保部材を備えた止血器具
11 連結部
12 連通部
13 固着部
2 帯体
21 湾曲板保持部
3 面ファスナー
31 雄側面ファスナー
32 雌側面ファスナー
4 湾曲板
41 中央部
42 湾曲部
5 バルーン
6 補助バルーン
7 マーカ
8 注入部
81 チューブ
82 袋体
83 コネクタ
500 手首
510 穿刺部位
520 中心部
9 間隙確保部材
91 連結部
10 丸棒
10a、10b、10c 丸棒
20 クリップ
20a、20b、20c クリップ

Claims (9)

  1. 肢体の止血すべき部位に巻き付ける可撓性を有する帯体と、
    前記帯体を前記肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、
    前記帯体より硬質な材料で構成され、その少なくとも一部が内周側に向かって湾曲した湾曲板と、
    前記湾曲板の内側に設置され、流体を注入することにより拡張するバルーンとを備え、
    前記バルーンは、前記帯体に保持されている前記湾曲板の長手方向の一端側に片寄って位置していて、
    前記バルーンの拡張による圧迫力を設定する間隙保持部材を着脱可能に設けたことを特徴とする止血器具。
  2. 前記間隙保持部材は、前記帯体と前記肢体との間に挟むことを特徴とする請求項1に記載の止血器具。
  3. 前記間隙保持部材は、棒であることを特徴とする請求項2に記載の止血器具。
  4. 前記間隙保持部材は、クリップであることを特徴とする請求項1に記載の止血器具。
  5. 前記クリップは、前記帯体を挟むことを特徴とする請求項4に記載の止血器具。
  6. 前記クリップは、クリップ長さ設定手段を備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載の止血器具。
  7. 前記間隙保持部材は、前記帯体に連結されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の止血器具。
  8. 前記間隙保持部材の着脱により、前記帯体の前記止血すべき部位への巻きつけ具合が設定可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の止血器具。
  9. 前記間隙保持部材の着脱により、前記拡張するバルーンの前記止血すべき部位への圧迫具合が設定可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の止血器具。
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