JP3184805B2 - 給紙装置及び画像形成装置 - Google Patents

給紙装置及び画像形成装置

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JP3184805B2
JP3184805B2 JP35534598A JP35534598A JP3184805B2 JP 3184805 B2 JP3184805 B2 JP 3184805B2 JP 35534598 A JP35534598 A JP 35534598A JP 35534598 A JP35534598 A JP 35534598A JP 3184805 B2 JP3184805 B2 JP 3184805B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置等に
シート材を給送する給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来技術となる給紙装置100を
備えた画像形成装置の断面構成を概略的に示したもので
ある。図9において、101は、着脱可能な給紙トレイ
であり、102は、給紙トレイ101に軸支され、画像
形成装置が対応可能な紙サイズの全体を積載可能な中板
であり、103は中板102を上方に付勢する付勢手段
である。
【0003】104はシート材の重送を防止する分離パ
ッドであり、105は図示しない制御手段により適宜回
転されることにより、中板102上に積載されたシート
材束の最上面の一枚に摩擦力を加えて移動させる扇形状
をした給紙ローラである。
【0004】106は給紙ローラ106の扇形状の小径
部が分離パッド104に対向している際に、分離パッド
104と給紙ローラ106とを離間させ、かつ回動自由
に保持されていることにより、紙に追従して回転する給
紙コロであり、107はその回動により、給紙ローラ1
05により給紙されたシート材にさらに搬送力を加え、
給紙ローラが停止した際もシート材を搬送する搬送ロー
ラAである。
【0005】108は、搬送ローラA107に対し図示
しない付勢手段により付勢され、かつ所定の軸中心で回
動自在の搬送コロAであり、109は給紙搬送路であ
り、110は給紙ローラ105等を保持するフィーダー
フレームである。
【0006】111は中板102上のシート材の有無を
検出するための有無センサフラグであり、図示しない検
出手段の状態を切り替えることにより、画像形成装置で
紙の有無情報を取り込むことが可能となる。112,1
13は中板102上に積載されるシート材の積載位置を
定める後端規制板と側端規制板である。
【0007】120は概略の構成で示した画像形成装置
であり、121は紙を搬送する搬送ローラ対Bであり、
122は画像をシート材上に転写する、ドラム・転写ロ
ーラ対であり、123はドラム上に潜像画像を書き込む
レーザースキャナーユニットであり、124はシート材
上に転写されたシート材をシート材上に定着する定着ユ
ニットであり、125,126はそれぞれ、画像形成後
のシート材を画像形成装置外に排紙するための排紙ロー
ラ対A,Bである。
【0008】図10はシート材が許容量近くまで積載さ
れたときの給紙装置100を示しており、同図における
Pは積載されたシート材である。
【0009】以上の構成の下で、給紙動作および、画像
形成は以下のように行われる。シート材Pが中板102
上に積載されていることが有無センサフラグ111の姿
勢(回動位置)により検出されているとき、給紙動作と
その後行われる画像書き込みが開始可能となる。
【0010】まず、図示しない駆動手段、制御手段によ
り、給紙ローラ105が回転し始める。すると付勢手段
103により中板102とともに上方に付勢されたシー
ト材Pは給紙ローラ105に接触し、摩擦力をうける。
【0011】この摩擦力により、最上面に置かれていた
シート材Pt は図中右方向に移動し始め、分離パッド1
04と給紙ローラ105のニップに入り込む。分離パッ
ド104は図示しない付勢手段により給紙ローラ105
の方向に付勢されており、最上面の1枚以外のシート材
は分離パッド104の摩擦力、もしくは先端の当接力に
より進行を止められる。
【0012】最上面のシート材Pt は分離パッド104
より高い摩擦係数を持つ給紙ローラ105の摩擦力によ
り、さらに前進し、給紙搬送路109により先端をガイ
ドされ、搬送ローラA107,搬送コロA108のニッ
プに入り込み、さらに搬送力をうける。
【0013】この間に給紙ローラ105の扇型外周がシ
ート材Pt に接する期間が終了し、給紙コロ106と分
離パッド104のニップにシート材Pt が挟まれた状態
になるが、搬送ローラA107の搬送力が勝るように設
定しているため、シート材Pt の搬送は持続される。
【0014】搬送されるシート材は、次に搬送ローラ対
121のニップに入り、さらに搬送力を受け、レーザー
スキャナーユニット123によりドラム上に書き込まれ
た潜像は、図示されない現像手段により現像化された
後、ドラム・転写ローラ対122のニップに入り込んだ
シート材Pt に転写される。
【0015】画像は定着ユニット124で、シート材P
t に対して定着され、その後排紙ローラ対A125,B
126の回動により、画像形成装置外に排紙される。こ
うして、シート材への画像形成は行われる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では中板102が支軸により支持され、かつ回動可
能な一枚板構造であったため以下のような問題があっ
た。
【0017】(1)シート材のサイズにより、中板上に
積載されるシート材の重量が大きく変動するため、中板
を付勢する付勢手段により給紙ローラにシート材を押し
当てる力(=給紙圧)が変動し、シート材のサイズによ
り給紙圧が変わり、多様なサイズに対応して安定した給
紙を行うことが困難であった。
【0018】(2)また、同じサイズのシート材でもそ
の比重により給紙圧が変動し多様な比重に対応して安定
した給紙を行うことが困難であった。
【0019】(3)また、上記(1),(2)の問題
は、積載可能なシート材枚数の多い、大容量の給紙トレ
イにおいては更に顕著になり、必要となる給紙圧を得る
ためにユーザーによる給紙圧の調整、もしくは切り替え
が必要となることがある。
【0020】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、積載さ
れるシート材のサイズや比重による給紙圧の変動を抑
え、安定した給紙を可能とする装置を提供することにあ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために本発明にあっては、シート材積載部を給紙
手段に向けて付勢し、積載されているシート材を給紙手
段に押し当て、該給紙手段を作動させて最上位にあるシ
ート材に給送力を加えて送り出す給紙装置において、前
記シート材積載部は、シート材の給紙方向先端側より前
記給紙手段に押し当てられるシート材の部分を含む所定
の範囲を支持すると共に該給紙手段へのシート材の押し
当て動作がなされる第1の支持部材と、前記第1の支持
部材を前記給紙手段に向けて付勢するばねと、前記第1
の支持部材よりもシート材の給紙方向後端側の所定の範
囲を支持する第2の支持部材とを有し、前記シート材積
載部にシート材を積載したときに、前記第2の支持部材
に加わるシート材の荷重を、前記第1の支持部材に該第
1の支持部材を前記給紙手段に向けて付勢するための
勢力となるように伝達して、積載されているシート材と
前記給紙手段との間に前記第2の支持部材に加わるシー
ト材の荷重に応じた給紙圧補助力を発生させる荷重伝達
手段を備え、該荷重伝達手段による給紙圧補助力と前記
ばねの付勢力とでシート材を前記給紙手段に押し付け
ことを特徴とする。
【0022】前記荷重伝達手段は、積載されるシート材
の荷重に応じて前記第2の支持部材を移動させる移動手
段と、前記第1の支持部材と第2の支持部材とを係合さ
、前記移動手段により移動する第2の支持部材の変位
を第1の支持部材に伝達して、該第1の支持部材を前記
給紙手段に向けて付勢する付勢力とするための係合手段
と、を備えることも好適である。
【0023】前記第1の支持部材は、シート材の幅方向
に沿った回動軸により回動可能に支持され、前記ばねに
より前記給紙手段に向けて付勢されるように設けられて
おり、前記係合手段は、前記第1の支持部材と第2の支
持部材を回動自在に連結する連接ジョイントであり、前
記移動手段は、前記第2の支持部材を固定支持部に連接
するために給紙方向に離れた2つの回動支点でそれぞれ
結合するリンク手段であり、前記リンク手段により前記
第2の支持部材に積載されたシート材の荷重を前記連結
手段を介して前記第1の支持部材を前記給紙手段に向け
て付勢される方向に回動させる付勢力として伝達するこ
とも好適である。
【0024】前記第1の支持部材は、シート材の幅方向
に沿った回動軸により回動可能に設けられ、前記ばねに
より前記給紙手段に向けて付勢され、前記移動手段は、
前記第2の支持部材を固定支持部に連結するために給紙
方向に離れた2つの回動支点でそれぞれ結合して該第2
の支持部材を揺動可能に保持する給紙方向に沿って配置
された複数のリンク手段であり、前記複数のリンク手段
により前記第2の支持部材に積載されたシート材の荷重
を前記係合手段を介して前記第1の支持部材を前記給紙
手段に向けて付勢される方向に回動させる付勢力として
伝達することも好適である。
【0025】前記第1の支持部材は、シート材の幅方向
に沿った回動軸により回動可能に設けられ、前記ばねに
より前記給紙手段へ付勢され、前記荷重伝達手段は、前
記第1の支持部材と第2の支持部材を係合させる係合手
段と、移動手段としての前記第2の支持部材を給紙方向
に向かうに従い位置を低下させるように移動させるスラ
イド手段とを備え、前記スライド手段により前記第2の
支持部材に積載されたシート材の荷重を前記係合手段を
介して前記第1の支持部材を前記給紙手段に向けて付勢
される方向に回動させる付勢力として伝達することも好
適である。
【0026】画像形成装置にあっては、上記記載の給紙
装置と、この給紙装置から給紙されたシート材に画像を
形成する画像形成手段と、を備えることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1は本発
明を適用した給紙装置KS1の断面構成説明図である。
この給紙装置KS1は、図9で示されたものと同様の画
像形成装置の下部に配置され、画像形成手段へとシート
材の給紙を行うものである。
【0028】図1では、給紙装置KS1に、もっとも多
用されるシート材サイズ(日本、ヨーロッパではA4サ
イズ、USAではLetterサイズ)のシート材束P
L を積載した状態における断面構成説明図である。
【0029】図1において、1は給紙装置KS1より着
脱可能であり、かつ送り込むシート材の束を保持する給
紙トレイであり、2は、積載するシート材の一部を積載
し、かつ支持する第1の支持部材としての第1中板であ
る。3は第1中板2の回動支軸であり、給紙トレイ1の
一部である。
【0030】4は第1中板2で支えられない所定の範囲
のシート材を積載する、第2の支持部材としての第2中
板であり、5は、第1中板2と第2中板4とを回動自在
に連結する連接ジョイントである。
【0031】6は第2中板4の移動手段として機能する
リンク手段としてのリンクアームであり、一端側の丸穴
6aが固定支持部である給紙トレイ1と一体のリンク軸
7に、他端に設けられたボス部6bが第2中板4の一部
である回動穴8に、それぞれ回動自在に結合している
(リンク軸7(丸穴6a)及びボス部6b(回動穴8)
がリンクアーム6の回動支点となる)。
【0032】上記の構成で、第1中板2、第2中板4、
リンクアーム6により四節リンク機構が形成されてい
る。
【0033】リンクアーム6が垂直となる状態では、第
2中板4にかかるシート材の荷重を第1中板2へと伝達
することができなくなるので、この実施の形態では、少
なくともシート材が満載の時にはリンク軸7が回動穴8
よりも給紙方向下流側に配置される必要がある。
【0034】尚、リンクアーム6のリンク軸7が第2中
板4の下側に位置する場合には、リンク軸7を回動穴8
よりも給紙方向上流側に配置する必要がある。
【0035】9は第2中板4上に、位置決めされる後端
規制部材であり、ユーザーにより複数種の紙サイズに合
った位置に移動可能になっている。10は重送しようと
するシート材を分離する分離パッドであり、11は分離
パッドを付勢するパッドばねであり、12は最上位にあ
るシート材に摩擦力を加えて給送する扇型をした給紙ロ
ーラである。
【0036】13は給紙ローラ12の扇形状の小径部が
分離パッド10に対向しているときに給紙ローラ12と
分離パッドを離間し、かつ抵抗なく回動することにより
給送されていくシート材に最小限の抵抗しか与えない給
紙コロである。
【0037】14は給送されてきたシート材にさらに搬
送力を加える搬送ローラAであり、15は図示しない付
勢手段により搬送ローラAの方向に付勢され、かつ回動
自在に軸支された搬送コロAであり、16は、給紙され
てくるシート材が通過する給紙搬送路である。
【0038】17は給紙ローラ12以下を支持する給紙
フレームであり、18は第1中板2上のシート材の有無
を検出するための有無センサフラグであり、図示しない
検出手段の状態を切り替えることにより、画像形成装置
で紙の有無情報を取り込むことが可能となる。19は第
1中板を給紙ローラ12の方向に付勢する中板ばねであ
る。
【0039】第1中板2及び第2中板4は協動してシー
ト材積載部となり、第1中板2は、積載されたシート材
の給紙方向先端側より給紙ローラ12に押し当てられる
シート材の部分を含む所定の範囲を支持すると共に、回
動支軸3を軸心として回動し給紙ローラ12へのシート
材の押し当て動作がなされる。
【0040】また、第2中板4は、第1中板2よりもシ
ート材の給紙方向後端側の所定の範囲を支持するものと
されている。
【0041】図2は、図1における本発明の作用を説明
する図である。図中のM1とは、図1において第2中板
4上に乗っている部分のシート材束の質量であり、gは
重力加速度、θはリンクアーム6の主軸が水平面に対し
てなす角度、GP は第2中板4上に乗ったシート材の重
心である。
【0042】なお、本来連接ジョイント5の部分にも負
荷配分があり、厳密には計算すべきであるが、本図に示
した力の作用に対し微少であり、除外しても本発明の効
果に対して大きな影響は与えない。
【0043】図3は、図1に示したシート材サイズより
小さなサイズのシート材PS を積載したときの状況を示
しており、同図における符号は図1と同じである。
【0044】図4は、図3における本発明の作用を示し
た図であり、同図におけるM2は図3において第2中板
4上に乗っている部分のシート材束の質量であり、Ψ
は、第1中板2の回動支軸3の中心と、連接ジョイント
5の中心を結ぶ直線が水平面に対してなす角度を示す。
【0045】図5は、シート材が積載されていないとき
の本実施の形態の給紙装置を示す。符号は図1と同等で
ある。
【0046】以上の構成の下で、給紙動作は以下のよう
に行われる。
【0047】シート材Pが第1中板2上に積載されてい
ることが有無センサフラグ18の姿勢により検出されて
いるとき、シート材Pを給送して画像書き込みが開始可
能となる。
【0048】まず、図示されない駆動手段、制御手段に
より、給紙ローラ12が回転し始める。すると中板ばね
19等により第1中板2と共に上方に付勢されたシート
材P(PL またはPS )は給紙ローラ12に接触し、摩
擦による給送力をうける。
【0049】この給送力により、最上面(最上位)に置
かれていたシート材Pt は図中右方向に移動し始め、分
離パッド10と給紙ローラ12にニップに入り込む。
【0050】分離パッド10はパッドばね11により給
紙ローラ12の方向に付勢されており、最上面の1枚以
外のシート材は分離パッド10の摩擦力、もしくは先端
の当接力により進行を止められる。
【0051】最上面のシート材Pt は分離パッド10よ
り高い摩擦係数を持つ給紙ローラ12の摩擦力により、
さらに前進し、給紙搬送路16により先端をガイドさ
れ、搬送ローラA14、搬送コロA15のニップに入り
込みさらに搬送力をうける。
【0052】この間に給紙ローラ12の扇型外周がシー
ト材Pt に接する期間が終了し、給紙コロ13と分離パ
ッド10のニップにシート材Pt が挟まれた状態になる
が、搬送ローラA14の搬送力が勝るように設定してい
るため、シート材Pt の搬送は持続される。こうしてシ
ート材Pt は図示しない画像形成装置へ搬送されてい
く。
【0053】次に、前記の説明でシート材PL またはP
S を給紙ローラ12の方向に付勢する力として中板ばね
19をあげたが、図2および図4で示したように、第2
中板4上に積載されたシート材の自重によって、シート
材PL またはPS が給紙ローラ12の方向に押し上げら
れるように作用するのでこれを説明する。
【0054】まず、図1に示したような長いシート材P
L が積載されている場合は、第2中板4上に乗ったシー
ト材の重心GP はリンクアーム6付近に配置される。こ
の場合、力のモーメントの釣り合いから、そのシート材
L の第2中板4上にかかる荷重のほぼすべてがリンク
アーム6に加わることとなる。
【0055】しかしこの場合、リンクアーム6は角度θ
だけ傾いているため、図2上でM1*g/sinθの引
っ張り力がリンクアームに加わることとなる。
【0056】該荷重とこの引っ張り力の合力であるM1
*g/tanθという水平方向の力は、連接ジョイント
5を介し、第1中板2に加えられ、第2中板4の姿勢は
安定する。
【0057】この水平方向の力に対する反力は第1中板
2の回動支軸3を中心として反時計周りモーメントT1
となる。したがって、第1中板2を反時計周り、すなわ
ち、シート材Pの束を給紙ローラ12に押し付ける方向
に作用することになる。
【0058】最上面に配置されたシート材Pt が、給紙
ローラ12に接触する給紙圧は、中板バネ19の付勢力
と、上記モーメントT1 を相殺するための反力=給紙圧
補助力の和で決定される。
【0059】次に、図のような短いシート材PSが積
載された場合は、第2中板4上に乗ったシート材の重心
Pは連接ジョイント5付近に配置される。
【0060】しかしこの時の第2中板4上に積載された
シート材の荷重は図2の場合と比較してはるかに小さ
い。この場合も上記と同様、第1中板2の回動支軸3周
りの反時計方向のモーメントT2 が発生するが、この値
は、T1 と比較するとはるかに小さい。
【0061】したがってこの場合に、最上面に配置され
たシート材Pt が、給紙ローラ12に接触する圧は、ほ
ぼ中板バネ19の付勢力のみで決定されると考えてよ
い。
【0062】上記の説明では、シート材Pを満載した状
態の説明となったが、第2中板4上に積載されたシート
材Pの重心位置はシート材Pのサイズが同じである場
合、シート材Pの積載量によらないので、上記のような
作用は満載時以外でも作用する。
【0063】しかし、シート材Pの積載量が減少するに
従い、リンクアーム6の角度θが増大するため、1/t
anθの値が変動し、作用の効果は、満載から少載に移
行するのに伴い、徐々に減少してゆく。
【0064】以上説明してきたように、本発明を実施す
ることにより、以下のような効果が得られる。
【0065】(1)給紙方向の長さが長いシート材PL
には、第2中板上4に積載された部分のシート材束の自
重に応じた給紙圧補助力が加わり、給紙方向の長さが短
いシート材PS となるに従い給紙圧補助力は減少する。
【0066】これにより、シート材の長さに応じて、給
紙圧を自動的に補正する給紙圧自動調整機能を実現する
ことができ、種々のシート材サイズに対して安定した給
紙性能を実現できる。
【0067】(2)また、同じ長さのシート材でも、そ
の種類により比重の値は大きくばらついている。そのよ
うな、多様な種類のシート材束が使われても、給紙圧自
動調整機能がシート材の比重の差も反映した給紙圧補助
力を発生するため、安定した給紙性能を実現できる。
【0068】(3)また、デュプロ分離や爪分離のよう
に、重送や給紙不良等の給紙上の問題に対し、給紙圧の
影響が非常に大きい分離機構を採用した構成において
も、本発明による給紙圧自動調整機能を適用することが
可能であり、ユーザーによる給紙圧調整作業を伴わずに
安定した給紙性能を実現することができる。
【0069】(第2の実施の形態)図6は本発明の第2
の実施の形態の給紙装置KS2の断面構成説明図であ
り、本実施の形態は第1の実施の形態の変形例である。
【0070】図6において、符号9〜17の構成及びシ
ート材PL は図1の構成と同等である。
【0071】20は本実施の形態における給紙トレイで
あり、21は本実施の形態における第1中板であり給紙
トレイ20と一体の回動支軸3により回動自在に支持さ
れている。
【0072】22は本実施の形態における第2中板であ
り、23は第2中板22に結合された係合手段としての
突き当てブロックである。24はリンクアームFであ
り、一端側の穴が給紙トレイ20と一体の軸F25に、
他端側のボスが第2中板22の側壁穴F26にそれぞれ
回動自在に嵌合している。
【0073】27はリンクアームRであり、一端側の穴
が給紙トレイ20と一体の軸R28に、他端側のボスが
第2中板22の側壁穴R29にそれぞれ回動自在に嵌合
している。
【0074】従って、リンクアームF24及びリンクア
ームR27が第2中板22の移動手段として機能する。
【0075】第1の実施の形態との差異は以下の通りで
ある。
【0076】(1)第2中板22が、第1中板21とは
独立してリンク機構(四節平行リンク)に保持されてい
る。
【0077】(2)給紙圧補助力の伝達が、軸結合部で
はなく突き当てブロック23と第1中板21の突き当て
面21aとの接触によって行われる。
【0078】以上のことより、本実施の形態において
は、第1の実施の形態の効果に加えて以下の効果を得る
ことができる。
【0079】(1)給紙圧補助力の伝達が突き当てブロ
ック23と第1中板21の突き当て面21aとの接触に
よって行われるため、給紙圧補助力の力の方向が接触面
の鉛直方向を向くため、同じ力の大きさでも回動支軸3
を中心とするモーメントは大きくなる。
【0080】(2)第2中板22が四節平行リンクとな
れるので、PL ,PS の中間の長さであるシート材サイ
ズにおいても、第2中板上に置かれたシート材の荷重に
応じた給紙圧補助力を作用させることが可能となる。
【0081】(第3の実施の形態)図7は本発明の第3
の実施の形態を示す給紙装置KS3の断面構成説明図
で、本図は、給紙トレイ30における手前側側壁付近の
断面をとっている。シート材幅の中心付近の中板等の構
成は、図6と類似している。同図において、符号10〜
19の構成は第1の実施の形態の構成と同等である。
【0082】30は本実施の形態における給紙トレイで
あり、31は本実施の形態における第1中板であり、3
2は第1中板31を回動自在に保持する回動支軸であ
り、これは給紙トレイ30に一体で形成されている。
【0083】33は本実施の形態における第2中板であ
り、本図はこの第2中板33の図中手前側より曲げ起こ
された垂直面が現れている。尚、図示はしないが、この
面より図中奥手の対称の位置に同等の垂直面が形成され
ている。
【0084】34は第2中板33に回動自在に取り付け
られた突き当てコロであり、第1中板31より出された
突き当て面35に突き当てられている。36は第2中板
33より出された軸Fであり、37は位置出しコロFで
あり、38は第2中板33より出された軸Rであり、3
9は位置出しコロRである。
【0085】40は給紙トレイ30に一体的に構成、あ
るいは別体構成で位置決め固定された斜面Fであり、4
1は斜面F40と同様の斜面Rである(斜面F40,R
41はシート材の幅方向の両側に備えられている。)。
【0086】本実施の形態においては、斜面F40と斜
面R41の傾斜角は同等にとっているが、それぞれの傾
斜角が異なる場合においても特性は異なってくるが同様
の効果が得られることは自明である。
【0087】従って第2中板33は、以上のような構成
よりなる移動手段として機能するスライド手段によって
保持されている。
【0088】図8は本実施の形態の作用を示す図であ
り、同図において、M3は第2中板33上に積載された
シート材束の質量であり、M4は位置出しコロRに加わ
るシート材束の質量の成分であり、M5は位置出しコロ
Fに加わるシート材束の質量の成分である。
【0089】δは斜面F40、斜面R41の水平面に対
する傾斜角であり、εは突き当て面35の水平面に対す
る傾斜角であり、その他の符号は図2と同等である。
【0090】以上の構成の下での給紙動作は、第1の実
施の形態と同じである。本実施の形態における特徴は、
給紙補助圧の出し方にある。
【0091】図8に示されたように、位置出しコロF3
7と位置出しコロR39には、紙の重心GP に対する距
離により分配される負荷が発生するが、これは斜面F4
0,斜面R41にそれぞれ加わるため、図8に示した分
力から、第2中板33の姿勢を維持するには斜面方向の
(M4+M5)*g*sinδ=M3*g*sinδの
外力を受けることが必要となる。
【0092】この力は突き当てコロ34と突き当て面3
5の接触により伝達される。斜面F40および斜面R4
1の傾斜角δと突き当て面35の傾斜面の鉛直方向の仮
想線と水平面のなす角(π/2−ε)の差:δ−(π/
2−ε)=Δとすると、突き当てコロ34と突き当て面
35の接触点における接触力FC は、FC =M3・g・
sinδ/cosΔとなる。
【0093】これにより、回動支点32を中心とする反
時計回りのモーメントT3が発生し、第2中板上に積載
されたシート材束の荷重に応じた給紙圧補助力が発生す
ることとなる。
【0094】本実施の形態における特徴的な効果は以下
の通りである。
【0095】(1)第2中板33上に積載されたシート
材の量に関わらず、積載されたシート材の荷重と給紙圧
補助力とは1/cosΔの因子を除き比例関係にある。
【0096】また、前記1/cosΔも本実施の形態に
おいて計算すると、満載時1.03少載時1.41とな
り、実施の形態1,2における変動(変動因子:1/t
anθにおいて、実施の形態1の図1において満載時
1、少載時0)に比べ非常に小さい。したがって、積載
量によらず、より安定した給紙圧補助力を加えることが
できる。
【0097】(2)また、斜面F,斜面Rの形状は自由
に決められるため、傾斜角の選択、曲面斜面の採用など
も可能で、給紙圧補助力設計の自由度が高い。
【0098】(3)また、第2中板33は斜面F,斜面
Rに載置されるので、組み立て性が良好となる。
【0099】
【発明の効果】上記のように説明された本発明による
と、第2の支持部材にかかるシート材の荷重に応じた給
紙圧補助力を第1の支持部材の押し当て動作を行う付勢
力として伝達することができ、積載されるシート材のサ
イズや比重により変わろうとするシート材積載部の給紙
圧の変動を抑制し、安定した給紙が可能となる。
【0100】また、使用するシート材のサイズ、比重に
応じた給紙圧補助力を発生させることが可能となるた
め、ユーザーによる給紙圧の調整操作を不要または省略
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる給紙装置の
断面構成説明図。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる給紙装置の
作用説明図。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかる給紙装置の
断面構成説明図(小サイズのシート材積載時)。
【図4】本発明の第1の実施の形態にかかる給紙装置の
作用説明図(小サイズのシート材積載時)。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかる給紙装置の
断面構成説明図(シート材が積載されていない状態)。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかる給紙装置の
断面構成説明図。
【図7】本発明の第3の実施の形態にかかる給紙装置の
断面構成説明図。
【図8】本発明の第3の実施の形態にかかる給紙装置の
作用説明図。
【図9】給紙装置を備えた画像形成装置の断面構成説明
図。
【図10】従来の給紙装置にシート材が積載された状態
の断面構成説明図。
【符号の説明】
1,20,30 給紙トレイ 2,21,31 第1中板 3,32 回動支軸 4,22,33 第2中板 5 連接ジョイント 6 リンクアーム 6a 丸穴 6b ボス部(回動支点) 7 リンク軸(回動支点) 8 回動穴 9 後端規制部材 10 分離パッド 12 給紙ローラ 23 突き当てブロック 24 リンクアームF 27 リンクアームR 34 突き当てコロ 35 突き当て面 37 位置出しコロF 39 位置出しコロR 40 斜面F 41 斜面R GP 第2中板にかかるシート材の重心 g 重力加速度 KS1,KS2,KS3 給紙装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 1/00 - 3/68

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート材積載部を給紙手段に向けて付勢
    し、積載されているシート材を給紙手段に押し当て、該
    給紙手段を作動させて最上位にあるシート材に給送力を
    加えて送り出す給紙装置において、 前記シート材積載部は、 シート材の給紙方向先端側より前記給紙手段に押し当て
    られるシート材の部分を含む所定の範囲を支持すると共
    に該給紙手段へのシート材の押し当て動作がなされる第
    1の支持部材と、前記第1の支持部材を前記給紙手段に向けて付勢するば
    ねと、 前記第1の支持部材よりもシート材の給紙方向後端側の
    所定の範囲を支持する第2の支持部材とを有し、 前記シート材積載部にシート材を積載したときに、前記
    第2の支持部材に加わるシート材の荷重を、前記第1の
    支持部材に該第1の支持部材を前記給紙手段に向けて付
    勢するための付勢力となるように伝達して、積載されて
    いるシート材と前記給紙手段との間に前記第2の支持部
    材に加わるシート材の荷重に応じた給紙圧補助力を発生
    させる荷重伝達手段を備え、該荷重伝達手段による給紙
    圧補助力と前記ばねの付勢力とでシート材を前記給紙手
    段に押し付けることを特徴とする給紙装置。
  2. 【請求項2】 前記荷重伝達手段は、 積載されるシート材の荷重に応じて前記第2の支持部材
    を移動させる移動手段と、 前記第1の支持部材と第2の支持部材とを係合させ、前
    記移動手段により移動する第2の支持部材の変位を第1
    の支持部材に伝達して、該第1の支持部材を前記給紙手
    段に向けて付勢する付勢力とするための係合手段と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の支持部材は、シート材の幅方
    向に沿った回動軸により回動可能に支持され、前記ばね
    により前記給紙手段に向けて付勢されるように設けられ
    ており、 前記係合手段は、前記第1の支持部材と第2の支持部材
    を回動自在に連結する連接ジョイントであり、前記移動
    手段は、前記第2の支持部材を固定支持部に連接するた
    めに給紙方向に離れた2つの回動支点でそれぞれ結合す
    るリンク手段であり、 前記リンク手段により前記第2の支持部材に積載された
    シート材の荷重を前記連結手段を介して前記第1の支持
    部材を前記給紙手段に向けて付勢される方向に回動させ
    る付勢力として伝達することを特徴とする請求項2に記
    載の給紙装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の支持部材は、シート材の幅方
    向に沿った回動軸により回動可能に設けられ、前記ばね
    により前記給紙手段に向けて付勢され、前記移動手段
    は、前記第2の支持部材を固定支持部に連結するために
    給紙方向に離れた2つの回動支点でそれぞれ結合して該
    第2の支持部材を揺動可能に保持する給紙方向に沿って
    配置された複数のリンク手段であり、 前記複数のリンク手段により前記第2の支持部材に積載
    されたシート材の荷重を前記係合手段を介して前記第1
    の支持部材を前記給紙手段に向けて付勢される方向に回
    動させる付勢力として伝達することを特徴とする請求項
    2に記載の給紙装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の支持部材は、シート材の幅方
    向に沿った回動軸により回動可能に設けられ、前記ばね
    により前記給紙手段へ付勢され、 前記荷重伝達手段は、前記第1の支持部材と第2の支持
    部材を係合させる係合手段と、移動手段としての前記第
    2の支持部材を給紙方向に向かうに従い位置を低下させ
    るように移動させるスライド手段とを備え、 前記スライド手段により前記第2の支持部材に積載され
    たシート材の荷重を前記係合手段を介して前記第1の支
    持部材を前記給紙手段に向けて付勢される方向に回動さ
    せる付勢力として伝達することを特徴とする請求項2に
    記載の給紙装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    給紙装置と、この給紙装置から給紙されたシート材に画
    像を形成する画像形成手段と、を備えることを特徴とす
    る画像形成装置。
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