JP3184621B2 - ボンディング装置 - Google Patents

ボンディング装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子の組立工程
に利用するボンディング装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】集積度が向上するにつれて出現したいわ
ゆる多ピンの半導体素子の組立には、従来のリードフレ
ーム方式に加えてタブ方式も多用されているが、依然と
して前者により半導体素子を組立る機種も多い。
【0003】このリードフレーム方式による組立工程で
は、リードフレームのベッド部にマウントする半導体素
子の電極即ちパッド部と、リードフレームに形成するリ
−ド部間に熱圧着法(以下TC法と記載する)または超
音波併用熱圧着法(以下TS法と記載する)で金属細線
を架橋して、両者間の電気的導通を図っている。両方法
ともいわゆるボ−ルボンディング法を行い、後者は、キ
ャピラリィから導出する金属細線端部に形成する真球状
ボ−ルをツ−ル(キャピラリィを内装する筒体)により
圧着する際に超音波を放射して強度を増す方法である。
しかもこのような接続工程を終えてから、外部雰囲気か
ら半導体素子を防御するためにいわゆるトランスファモ
−ルド法による樹脂封止工程を行う方式が採られてい
る。
【0004】リードフレームに半導体素子をマウントす
るには、オ−トまたはセミオ−トマウンタを、半導体素
子に形成するパッド部とリ−ド部間に金属細線を架橋す
るのにオ−トまたはセミオ−トボンダ−を利用する。
【0005】TC法によるボ−ルボンディングでは、特
定の雰囲気中における熱負荷または電気ト−チなどによ
り金属細線端部を真球状に整形した金属細線端部を押圧
するのに対して、TS法ではこのボ−ルボンディングを
基にしかつ、超音波により圧着強度を増す方法であり、
いずれも金属製ボンディングホーンから一定量の流体を
吹付ける方式が採られている。
【0006】これは、ボンディング装置に設置するパタ
ーン認識用モニタ−テレビに生ずるいわゆるかげろうを
防止するもので、TS装置ならびにTC装置に取付け
る。
【0007】このようなボンディング装置では、保有す
る固有の原点と、被ボンディング材料の位置を、画像処
理を基にする演算処理により合わせることにより、後工
程を正確に行う。即ち、半導体素子に形成する電極パッ
ドに対する1′stボンディング後、これを起点として
リードフレームに形成するリードまでをキャピラリィか
ら導出する金属細線により2′ndボンディング間を架
橋する。この金属細線は、一定形状のル−プを、被ボン
ディング材料毎に正確に形成する。従って、ボンディン
グ装置では、前記原点と被ボンディング材料を位置合わ
せする機構が不可欠となる。
【0008】ところで、半導体素子の集積度の向上によ
りいわゆる多ピン素子が一般化しており、ピン数200
以上の半導体素子も市販されているのが現状であるの
で、半導体素子に設置する配線層間の距離も益々縮小の
方向にある。このためにリードフレームに形成するリー
ド間の寸法及び幅も小さくなる傾向にある。一方、利用
頻度が比較的大きいTS法ボンディング装置を、図1に
より説明する。図には、本発明に必要な部分だけを記載
しており、これ以外の位置合わせ機構やXYテーブルに
設置するボンディングヘッド更に、金属細線を保持かつ
引出すキャピラリィ機構更にまた、モニタ−テレビを備
えるパターン認識装置などを省略した。
【0009】図示しない超音波発信子2に接続した金属
製ボンディングホ−ン1を設けると共に、これを覆っ
体ブロ−配管3を設置する。これには、流体例えばエ
ア−を供給する高圧流体動力源4を接続するが、その中
間に流量計5を配置してエア−流量を制御する。金属
ボンディングホ−ン1には、複数個の噴出孔6を形成し
て、被ボンディング材料とボンディング装置の原点の位
置合わせに使用するパタ−ン認識用モニタ−テレビにか
げろうが生ずるのを防止する。このエア−ブロ−配管3
は、前記のようにTC法ボンディング装置にも設置し、
特殊な材料例えば銅や銅合金細線のボンディングにおい
ては、酸化防止に一役買うことになる。このように金
製ボンディングホ−ン1と体ブロ−配管3は、別に設
けている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ボンディング装置で
は、金属製ボンディングホ−ン外部から一定量の流体を
吹付ける構造になっているが、金属製ボンディングホ−
ンの近くに設置するヒ−タの発熱量、外部温度の変化な
どにより吹付ける流体温度にも変化をもたらして、ボン
ディングホ−ン自体の熱膨張と収縮が発生することによ
りボンディング位置が変化する難点がある。
【0011】本発明は、このような事情により成された
もので特に、金属製ボンディングホ−ンの膨脹収縮によ
り被ボンディング材の位置が変化することを防止するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るボンディン
グ装置は『金属製ボンディングホ−ン内に取付ける冷
却機構と前記冷却機構に流入する流体温度を検知し
金属製ボンディングホ−ンに配置する温度センサ−と
前記温度センサ−により検知する温度変化に対応するべ
く設置する流体流量制御機構』とに特徴がある
【0013】
【作用】本発明に係るボンディング装置は、金属製ボン
ディングホ−ンと被ボンディング材料間の距離の変動に
よる金属製ボンディングホ−ン夫々温度にも違いが生
ずるとの知見を基に完成した。連続的なボンディング工
程おける金属製ボンディングホ−ンの移動距離は、約8
mm〜10mmであり、製品の搬送、位置補正検出動
作、エラ−(Error)等によるボンディング装置の
停止、装置のエラ−、材料(金属細線)交換等における
金属製ボンディングホ−ンの移動は退避位置からほ
20mmである。即ち、ボンディング領域におけるヒ−
タ温度が250℃の時、金属製ボンディングホ−ンの温
度に約10℃(室温25℃)の差が発生するとの事実に
より、金属製ボンディングホ−ンの温度管理を徹底する
手法を採用した。実際のボンディング工程は、金属製ボ
ンディングホ−ンの退避位置から始まり、最初のボンデ
ィング位置から連続ボンディング動作中のボンディング
位置には、金属製ボンディングホ−ンの膨脹方向に明ら
かに位置ずれが発生し、実測値として20μmが得られ
た。なお、ボンディング領域におけるヒ−タ温度は、T
C法で300℃〜350℃、TS法で150℃〜250
℃である。
【0014】ここで実測値と理論値を対比すると、例え
ばステンレス(Sus:303)で構成する金属製ボン
ディングホ−ンの熱膨張係数は、Δl(cm)=[17
×10- 6 ](熱膨張係数)×14(ホ−ン長)×10
(温度長)…1 で示すことができ、140mmの金属
製ボンディングホ−ンに10℃の温度差が発生した際
の、理論上の熱膨脹による長さの変化量は、1式により
23.8×10- 3 =23.8μmとなり実測値20μ
mとほぼ一致する。
【0015】その背景となるボールボンディングに対応
する半導体素子に形成する電極パッド(ボンディングパ
ッド)の寸法とピッチは、現在100/120μm前後
が最小値である。しかも市販のオ−トボンダ−またはセ
ミオ−トボンダ−のXYテ−ブル動作及び検出を含めた
総合精度は、σ±5μmである(金属製ボンディングホ
−ンの膨脹は考慮されていない)。また、ボールボンデ
ィングにおけるボール圧着径も最大100μmである。
【0016】ここで、ボンダ−の総合精度を3σまで許
容した場合、隣接するボンディングパッドまでは(12
0−100−3)×5=5μmの余裕がある。しかし、
金属製ボンディングホ−ンの熱膨張が付加されると隣接
するボンディングパッドに確実に接触し、電気的に短絡
する。従って熱膨張による金属製ボンディングホ−ンの
長さの変動は、5μm以下に抑制することが必要とな
り、温度変化量としては、2℃以内とすることが必要と
なる。
【0017】
【実施例】本発明に係わる実施例を図2乃至図4を参照
して説明する。本発明に係わるボンディング装置におけ
る金属製ボンディングホ−ン10は、TS法ならびにT
C法に共通して利用でき、金属細線を導出するキャピラ
リイを取外し可能の状態で一体に取付ける。TCボンデ
ィングでは、鉛直方向に金属製ボンディングホ−ン10
が移動して先端に設置するツ−ルによりボンディングが
行われるのに対して、TSボンディングでは、水平方向
に金属製ボンディングホ−ン10を設置し、その先端に
鉛直方向に形成するツ−ルによりボンディングを行う。
従って、キャピラリイ内の金属細線は、TCボンディン
グ装置で鉛直方向に、TSボンディング装置では、水平
方向から鉛直方向に移動する。
【0018】図2に示すように第1の実施例の特徴は、
ボンディング装置に設置する金属製ボンディングホ−ン
10に、センサ−11を取付ける点にある。即ち金属製
ボンディングホ−ン10は、図に明らかなように先端部
が根元より細くなっており、センサ−11を両端ならび
に中間の合計3か所に設置する。図には示さないが、図
1と同様に金属製ボンディングホ−ン10の上部には、
従来の技術と同様に複数個の噴出孔を設置したエア−ブ
ロ−配管や、流量計を配置してボンディング工程を行う
領域の雰囲気を調整する。金属製ボンディングホ−ン1
に取付けるセンサ−11としては、温度センサ−か変位
センサ−であり、金属製ボンディングホ−ン10の熱変
化量を感知する。具体的には、熱膨脹率を予め測定して
おき、実際のボンディング工程における熱変化量から金
属製ボンディングホ−ン10の長さの変化を計算する。
【0019】金属製ボンディングホ−ン10が例えばス
テンレスで構成する際、その熱膨脹率は、16×10
- 6 ℃・cmで与えられ、実際のボンディング工程中の
熱変化量は10℃であった。金属製ホ−ン1の長さを1
5cmとすると、熱膨脹率α=1/l0 ×(Δl)/
(Δt)…1で与えられる。ここで、α:熱膨脹率、l
0:金属製ボンディングホ−ンの長さ、Δt:温度差、
Δl:変化量で、αとΔtならびにl0 に数値を代入す
ると16×10- 6 =(1/15)×{(Δl)/10
となりΔl=24×10- 4 cm即ち24μmとなる。
【0020】即ち、ボンディングパッド間の距離が30
μmの場合、金属製ボンディングホ−ン10の熱膨張に
よる変化によりボンディングした金属細線の短絡不良が
発生する恐れがあるが、本発明のようにセンサ−の稼働
により金属製ボンディングホ−ンの温度変化量を2℃以
内とすることができるので、未然に金属細線の短絡不良
を防止できる。
【0021】金属製ボンディングホ−ン10には、XY
サ−ボ基板12、ボンディング補正機構13及び検知装
置14を接続する。センサ−11の信号を検知装置14
で検知後、ボンディング補正機構13に入力して具体的
な方向と移動量を算出してXYサ−ボ基板12に伝達し
て金属製ボンディングホ−ン10の位置を調整する。第
2実施例を図3により説明する。本実施例では、金属製
ボンディングホ−ン10の内に冷却用配管17を設置
し、ここに流入する流体の温度を温度センサ−により検
知して、温度変化に対応して流入する流体量を自動的に
調整することにより温度を一定に維持する。
【0022】即ち、金属製ボンディングホ−ン10内に
配置する冷却用配管17は、流体流量コントローラ18
ならびに高圧流体動力源19に接続し、流体流入口20
と流体流出口21を設置する。また流体流出口21付近
には、温度センサ−22取付けると共に、流体流量コン
トローラ制御部23に電気的に接続し、これは流体流量
コントローラ18にも電気的に接続する。
【0023】従って、流体流量コントローラ制御部23
からの電気信号により流体流量を制御する流体流量コン
トローラ18から供給する流体は、金属製ボンディング
ホ−ン10内に配置する冷却用配管16に流入する。金
属製ボンディングホ−ン10から流出する流体の流体流
出口20付近に設置する温度センサ−22は、流出する
流体温度を検知して、流体流量コントローラ制御部23
に温度信号を送る。
【0024】一方、流体流量コントローラ制御部23で
は、温度センサ−22からの信号により検知した流体流
出口21の流体温度が、予め外部入力した設定温度範囲
値より高温度の際においては流体流量を増加し、逆の際
は流体流量を絞るような信号を流体流量コントローラ1
8に送る。なお、流体流量コントローラ18は、高圧流
体動力源19に接続する。
【0025】この結果、金属製ボンディングホ−ン10
の温度変化量としては、2℃以内に保持することができ
るので、熱膨張に伴う位置ずれを防止できる。
【0026】次に第3の実施例を図4により説明する。
即ち金属製ボンディングホ−ン10の例えば中間部にセ
ンサ−24を取付け、これを検知装置25を介して恒温
装置26に接続する。センサ−21により測定した信号
を検知装置25に入力後、リアルタイムで恒温装置26
にフィ−ドバックする。検知装置25には、予め予定の
温度を入力しておきかつ、センサ−24よる測定温度と
の差を調整可能とするものである。従って恒温装置26
により金属製ボンディングホ−ン10の温度を2℃以内
に維持することが可能になり、その熱膨張収縮に伴う位
置ずれを防止することができる。
【0027】即ち、本実施例では、Au線によるボンデ
ィング工程では、製品を加熱する結果、金属製ボンディ
ングホ−ン10も暖められて伸びしかもこの位置を変え
ることにより逆に縮んで、ボンディングの位置ずれが生
ずる。この対策としては、金属製ボンディングホ−ン1
0を一定温度にすることが良く、そのために製品加熱時
には、その温度またはそれ以上に維持するのが必要と判
断して恒温装置26による方法を採用する。恒温装置2
6としては、暖風により一定温度を維持することにし
た。
【0028】
【発明の効果】本発明に係わるボンディング装置におい
ては、金属製ボンディングホ−ンの熱膨張による変化量
をセンサ−により検知して位置補正を行う手法を採用す
る。従って、金属製ボンディングホ−ンに近い場所に設
置するヒータからの発熱量の変化、ボンディング装置事
態の発熱の変化、外部温度の変化に対応して金属製ホ−
ンを一定値に維持することができる。これによりボンデ
ィング精度の向上により半導体素子の信頼性も増対する
ことが可能になり、量産上の効果が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の超音波ボンディング装置の一部を示す断
面図である。
【図2】本発明の1実施例の概略を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例の概略を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の更に他の実施例の概略を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1:金属製ボンディングホ−ン、 2,19:高圧流体動力源、 3:エア−ブロ−配管、 4:流量計、 5:噴出孔、 12:XYサーボ基板、 13:ボンディング補正機構、 14、25:検知装置、 9、11、22、24:センサ−、 17:冷却用配管、 20:流体流入口、 21:流体流出口、 18:流体流量コントローラ、 23:流体流量コントローラ制御部、 26:恒温装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 一 岩手県北上市北工業団地6番6号 岩手 東芝エレクトロニクス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−81639(JP,A) 特開 昭62−173729(JP,A) 特開 平4−61249(JP,A) 特開 昭62−162338(JP,A) 特開 平2−276258(JP,A) 特開 昭57−154850(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/60 301 H01L 21/607

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製ボンディングホ−ン内に取付ける
    冷却機構と前記冷却機構に流入する流体温度を検知
    金属製ボンディングホ−ンに配置する温度センサ−
    前記温度センサ−により検知する温度変化に対応す
    るべく設置する流体流量制御機構とを具備することを特
    徴とするボンディング装置
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