JP3184271B2 - 横置エンジンの排気装置 - Google Patents

横置エンジンの排気装置

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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2列の気筒列が車両幅
方向に指向されて前後に配置されるV型等の横置エンジ
ンの排気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からエンジンには直列気筒式,V型
気筒式および水平対向気筒式等各種存在するが、V型気
筒式とか水平対向気筒式等のように2列の気筒列を有す
るエンジンを横置きにして車両に搭載した場合(回転軸
が車幅方向を指向)、2列の気筒列は車両前後方向に対
向配置されることになる。従って、車両後方の気筒列に
対してその後側に接続される排気管はそのまま車両後方
へと案内すれば良いが、車両前方の気筒列に対してその
前側に接続される排気管はエンジンの車両前方側からエ
ンジンを跨いで車両後方へと案内することになり、その
排気管のレイアウトが困難となる。
【0003】このため、従来より、実開昭62−679
20号公報等に開示されているように、エンジンのオイ
ルパンの下部に凹部を形成し、この凹部内で車両前方の
気筒列からの排気管と車両後方の気筒列からの排気管と
を合流させ、この合流部に共通の排気管を接続して車両
後方へと案内するようにしたものがある。即ち、このよ
うにオイルパンの凹部で排気管を合流させることによ
り、排気管のレイアウトをコンパクトにしてロードクリ
アランスを高く設定できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、V型気筒式
とか水平対向式等のエンジンを横置きにする場合、車両
前方および車両後方の各気筒列に接続させる排気管の長
さは、気筒間の排気干渉を防止するために長い方が望ま
しく、さらにそれぞれの排気抵抗を等しくするために等
長にすることが望ましい。
【0005】しかしながら、かかる従来の排気装置にあ
っては、各排気管をエンジンの直下でオイルパンに形成
した凹部で合流させているため、それぞれの排気管の長
さ、つまり気筒の接続部分から合流部までの長さを十分
に取ることができず、気筒間の排気が互いに干渉して合
流部での排気抵抗が著しく大きくなってしまうという課
題があった。
【0006】本発明はかかる従来の課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、車両前方の気筒列と車両後
方の気筒列とにそれぞれ接続する各排気管の管長を等し
くしつつ、十分に長く設定し得る横置エンジンの排気装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、2列の気筒列が車幅方向に指向されて前
後に配置される横置エンジンの排気装置において、車両
前方の気筒列に対してその前側に接続される第1排気管
をエンジンのオイルパン下部に形成した凹部を通じて車
両後方に案内すると共に、車両後方の気筒列に対してそ
の後側に接続さ れる第2排気管を、一旦前記凹部内に導
いてから湾曲させて車両後方に案内し、これら第1排気
管と第2排気管とをエンジンの車両後方で合流させ、且
つ前記凹部内において互いに近接する該第1及び第2排
気管を連通管を介して連通させたことを特徴とする。
【0008】また、前記第2排気管の湾曲部分に連通管
を一体形成することが好ましい
【0009】
【作用】以上の構成による本発明のエンジンの排気装置
にあっては、車両前方の気筒列に対してその前側に接続
される第1排気管はエンジンのオイルパン下部に形成し
た凹部を通して車両後方に案内され、車両後方の気筒列
に対してその後側に接続される第2排気管は前記エンジ
ン下部のオイルパン凹部内に向けて一旦前方に導かれた
後、当該凹部内で湾曲されて車両後方にU字状に折り返
されて案内される。そして、これら第1,第2排気管は
エンジンの後方でそれぞれの長さを十分に確保されつ
つ、略等しい長さで合流される。このため、排気干渉が
著しく低減されると共に、排気抵抗がほぼ等しくなる。
【0010】また、前記第1排気管と第2排気管を、前
記凹部内で連通管を介して連通させれば、この連通管を
介して第1および第2排気管の排気音が相互に干渉して
低減される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1〜図3は本発明の一実施例を示すエン
ジンの排気装置10で、図1は平面図、図2は側面図、
図3は正面図、図4はエンジンの概念的平面図を示す。
ここで、この実施例にあってはエンジン12にはV型6
気筒式のものが採用されている。このエンジン12は図4
に示すように、3つの気筒a1,a2,a3からなる気
筒列Aと、同じく3つの気筒b1,b2,b3からなる
気筒列Bとを有し、これらの気筒列A,Bは車両幅方向
(図中上下方向)に指向されて車両前後方向(図中左右
方向)に対向配置されて車両に搭載されるようになって
いる。
【0012】車両前方の気筒列Aの各気筒a1,a2,
a3に対してはその前側にフランジ14を介して第1エ
キゾーストマニホルド16が接続され、車両後方の気筒
列Bの各気筒b1,b2,b3に対してはその後側にフ
ランジ18を介して第2エキゾーストマニホルド20が
接続されている。尚、第1,第2エキゾーストマニホル
ド16,20はそれぞれ等長として形成してある。
【0013】前記第1エキゾーストマニホルド16には
フランジ22を介して第1排気管24が接続されると共
に、前記第2エキゾーストマニホルド20にはフランジ
26を介して第2排気管28が接続されていて、第1エ
キゾーストマニホルド16で集められた排気ガスは第1
排気管24に流下され、また、第2エキゾーストマニホ
ルド20で集められた排気ガスは第2排気管28に流下
される。
【0014】ところで、前記エンジン12の下端部に取
り付けたオイルパン30には、その下面を上方に凹設し
て凹部32が形成されており、前記第1排気管24は下
方に導かれた後、この凹部32を通じて車両後方に案内
される。また、前記第2排気管28は同じく下方に導か
れた後、一旦車両前方に向けて湾曲されて前記凹部32
内に導かれ、当該凹部32内で再び湾曲されて折り返さ
れて車両後方に案内される。即ち、この第2排気管28
の湾曲部分34は、フランジ26の下方部分において、
一旦オイルパン30の凹部32に向けて車両前方に湾曲
された後、前記第1排気管24と離反する側に再度U字
状に折り返されて湾曲形成されている。
【0015】そして、前記凹部32を通過した第1排気
管24の後流側と、前記Uの字状に湾曲形成された第2
排気管28の後流側とは、エンジン12の車両後方側で
合流され、この合流部36から下流は一本の共通の排気
管38が接続されている。この共通の排気管38には触
媒コンバータ40が設けられている。尚、第1,第2排
気管24,28は鋭角をもって滑らかに合流されて、共
通の排気管38に接続される。
【0016】また、第1排気管24と第2排気管28と
は、前記凹部32内に配置した部分が相互に連通管42
を介して連通されている。
【0017】以上の構成により本実施例の排気装置10
にあっては、車両前方の気筒列Aの各気筒a1,a2,
a3から排出された排気ガスは第1エキゾーストマニホ
ルド16を介して第1排気管24に流下され、また、車
両後方の気筒列Bの各気筒b1,b2,b3から排出さ
れた排気ガスは第2エキゾーストマニホルド20を介し
て第2排気管28に流下される。そして、これら第1排
気管24および第2排気管28に流下された排気ガス
は、合流部36で合流した後、共通の排気管38、触媒
コンバータ40および図外の消音器等を通過して大気中
に排出される。
【0018】ここで、前記第1排気管24はエンジン1
2下方のオイルパン30の凹部32を通じて車両後方に
案内してあるが、前記第2排気管28は湾曲部34でU
ターンさせた後に車両後方へと案内してある。従って、
第2排気管28は湾曲部34によりその長さを稼ぐこと
ができ、この第2排気管28が車両後方側に配置される
にも拘らず、第1排気管24と第2排気管28とを略等
長に設定できる。このように、第1,第2排気管24,
28を等長とすることにより、それぞれの排気抵抗を等
しくすることができる。
【0019】また、第1,第2排気管24,28を等長
とした上で、これら両者の合流部34をエンジンの車両
後方に配置したので、それぞれの排気管24,28自体
をより長くすることができ、各気筒列A,Bから排出す
る排気干渉を著しく低減して排気ガスをスムーズに流す
ことができるようになる。
【0020】更に、このように第1,第2排気管24,
28を等長かつ長く設定できるにも拘らず、第1排気管
24をオイルパン30の凹部32に通し、かつ、第2排
気管28の湾曲部34をこの凹部32に配置したことに
より、排気管のレイアウトをコンパクトにし、かつ、ロ
ードクリアランスを高く設定できる。
【0021】更にまた、高温となる前記第1排気管24
および前記湾曲部34を前記凹部34内に配置したこと
により、これら高温部分を、オイルパン30の潤滑油が
溜まった底部から離すことができ、この潤滑油の温度上
昇による劣化を防止できる。
【0022】ところで、第1排気管24と第2排気管2
8とは、前記凹部32内に配置した部分を連通管42を
介して連通してあるため、この連通管42を介して第1
排気管24と第2排気管28の排気音を互いに干渉させ
て、消音効果を著しく高めることができる。
【0023】尚、本実施例ではV型気筒式のエンジン1
2を例にとって説明したが、これに限ることなく、水平
対向気筒式のエンジンにあっても本発明を適用できるこ
とはいうまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上実施例で詳細に説明したように、本
発明の請求項1に示す横置エンジンの排気装置にあって
は、車両幅方向に指向されて車両前後方向に対向配置さ
れる2列の気筒列に対して、車両前方の気筒列にその前
側から接続される第1排気管をオイルパン下部に形成し
た凹部に通して車両後方に案内すると共に、車両後方の
気筒列にその後側から接続される第2排気管を、一旦前
記凹部内に導いて当該凹部内で湾曲させて車両後方に案
内し、これら第1排気管と第2排気管とをエンジンの車
両後方で合流したので、第1排気管と第2排気管とを等
長としつつそれぞれを長く設定できる。従って、第1排
気管と第2排気管との排気抵抗を等しくしつつ、車両前
後で対向した気筒間の排気が干渉するのを防止して、排
気をスムーズに行うことができる。
【0025】また、前記第1排気管および第2排気管の
湾曲部をオイルパンの凹部に配置したことにより、これ
ら排気管をコンパクトにレイアウトできると共に、オイ
ルパンの底部に溜めた潤滑油に排気熱が作用するのを減
少し、この潤滑油の劣化を抑制できる。
【0026】更に、第1排気管と第2排気管とを前記凹
部内で連通管を介して連通することにより、この連通管
を介して第1,第2排気管の排気音を互いに干渉させて
消音効果を著しく向上できるという各種優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部を示す平面図
【図2】本発明の一実施例の要部を示す側面図
【図3】本発明の一実施例の要部を示す正面図
【図4】本発明に適用されるエンジンの一実施例を示す
概念的平面図
【符号の説明】
10 排気装置 12 エンジン 24 第1排気管 28 第2排気管 30 オイルパン 32 オイルパンの凹部 34 湾曲部 36 合流部 40 触媒コンバータ 42 連通管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横川 福一 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 杉山 雅男 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 財城 靖 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−100330(JP,A) 特開 昭57−46011(JP,A) 特開 昭52−13018(JP,A) 実開 昭62−67921(JP,U) 実開 平3−114522(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 7/08 B60K 5/04 F01N 7/10 F02B 27/04 F02B 75/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2列の気筒列が車幅方向に指向されて前
    後に配置される横置エンジンの排気装置において、 車両前方の気筒列に対してその前側に接続される第1排
    気管を、エンジンのオイルパン下部に形成した凹部に通
    じて車両後方に案内すると共に、 車両後方の気筒列に対してその後側に接続される第2排
    気管を、一旦前記凹部内に導いてから湾曲させて車両後
    方に案内し、 これら第1排気管と第2排気管とをエンジンの車両後方
    で合流させ、且つ前記凹部内において互いに近接する該
    第1及び第2排気管を連通管を介して連通させたことを
    特徴とする横置エンジンの排気装置。
  2. 【請求項2】 第2排気管の湾曲部分に連通管を一体形
    成したことを特徴とする請求項1記載の横置エンジンの
    排気装置。
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