JP3184119U - 掛け針および掛け針素体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】掛け針素体1は、ハリスに結合される軸2と、その軸2から針先4にかけてフック状に曲がったふところ3とを有している。軸2の上部は、針先4から遠い側にある背側平坦面2aと、背側平坦面2aの両側に続く側部曲面2bと、両側の側部曲面2b間をつなぐとともに、その側部曲面2bよりも小さい曲率で針先4の側に膨出する腹側曲面2cとを有し、横断面が蒲鉾形状のものとして形成されている。
【選択図】図1
Description
1) 図のように各軸の間にハリスをはさみ込むとともに針先やふところを等角度間隔に配置するとき、軸同士を接触させることが難しい(図6の例でも各軸22の間に隙間がある)ため、軸の位置が不安定な状態で糸を巻くことになり、形の整った錨状の掛け針に形成することが難しい。
2) 刺さりやすさを改善等する目的で掛け針素体にコーティングを施す場合、図7のように糸を巻いて掛け針を形成することがきわめて困難になる。上記1)に記した事情があるだけでなく、コーティングによって各素体の軸の表面が、ハリスに対しても巻糸に対しても滑りやすくなるからである。
3) 掛け針素体のいずれかに横向きの力が作用したとき、図示のように軸を中心に簡単に回転して針先が傾き、等角度間隔の配置が崩れてしまいやすい。そして、そのように配置が崩れたとき、自然に元の等角度間隔の状態に戻ることはあり得ない。なお、等角度間隔の配置が崩れないように素体間を接着剤等で強く固めると、横向きの力を受けたときその素体が折れることが多くなる。
a) 針先から遠い側である背側の平坦面(横断面において直線または曲率の小さい曲線となる面)と、
b) 上記背側の平坦面の両側に続く側部曲面と、
c) 上記両側の側部曲面間をつなぐとともに、その側部曲面よりも小さい曲率(大きな曲率半径。一部に平面を含んでいてもよい)で針先の側に膨出する腹側の曲面と――を有する、横断面が蒲鉾形状のものとして形成されていることを特徴とする。
蒲鉾形状とは、蒲鉾の横断面のように、平坦な底辺の両側から上方(前方)に外向きに凸の曲線が連続しているものをいい、たとえば図1(b)に示す形状をいう。横断面が図1(b)のようになる軸2の上部周面においては、背側平坦面2aから両側に側部曲面2bが続き、それら側部曲面2b間をつなぐように小曲率の腹側曲面2cがある。
また、巻糸として伸縮性のある糸を使用するなら、横向きの力を受けていずれかの素体の針先(ないしふところ)が傾く場合にも復元力を持たせることができるため、針先の配置が自然に等角度間隔に戻るという特徴のある掛け針を構成することができる。軸2が蒲鉾形状であれば、図3〜図5のように巻糸5の張力が軸2の傾きを戻す向き(図4の矢印Aを参照)に作用するからである。図6(a)・(b)のように丸軸の場合には、伸縮性の巻糸を使用していても、針先が傾いたときその巻糸の張力が軸の傾きを戻すようには作用しないので、上記は、素体の軸の形状による特別な利点であるといえる。
そのコーティングによって表面に低摩擦抵抗の被膜が形成されていると、針先等が滑らかで滑りがよく、したがって獲物の野鮎等に刺さりやすいからである。ただし、全表面にコーティングされていて軸の表面までもが滑りやすいとしても、考案の掛け針素体を使用する場合には、上記のとおり、軸に糸を巻いて掛け針を形成することが困難ではない。
上記のように凹凸が形成されていると、その掛け針素体の3本または4本を組み付けて掛け針にするのがとくに容易になる。すなわち、腹側の曲面に上記の凹凸があると、それを利用して軸に巻糸を巻き付けやすく、巻いた後もその巻糸が安定して位置ずれ等を起こしにくい。また、そのように巻糸を施したとき、各軸の背側の平坦面がハリスに密着してハリスをはさみ付けることになるが、背側の平坦面にも上記のとおり凹凸が形成されていると、ハリスが強く拘束され、掛け針から抜け出ることがなくなる。
1) 素体の針先が等角度間隔に配置された、形の整った錨状の掛け針として容易に形成される。軸の間にハリスをはさみ付けるとともに各素体の軸同士を密に接触させることができ、その状態で巻糸を施すことにより軸同士を安定的に固定できるからである。
2) コーティングされた滑りやすい素体が使用される場合にも、上記1)の点から、その軸に糸を巻いて掛け針を形成することが容易である。また、そのため、表面が滑らかな刺さりやすい掛け針を構成するうえで有利である。
軸の横断面が蒲鉾形状の上記素体を使用するとともに、巻糸として伸縮性の高い糸を使用する場合、上記1)・2)に加えてつぎのような利点もある。
3) 横向きの力を受けていずれかの素体の針先が傾く(等角度間隔でなくなる)とき、巻糸の張力がその傾きを戻すように軸に作用することから、傾きを戻そうとする復元力が自然発生して、針先の配置が等角度間隔に戻る。
4) 各素体の軸同士の位置や角度を接着剤等によって完全に固定するのではなく、復元力がはたらくことを前提にして柔軟に維持することから、針先やふところの折損が発生しがたい。
また、考案の掛け針によれば、形の整った錨状の掛け針として容易に形成されるほか、表面が滑らかな刺さりやすい掛け針とすることができ、横向きの力を受けて針先が等角度間隔でなくなったときもそれを復元する機能のある掛け針とすることができ、針先やふところの折れにくい掛け針とすることもできる――といった効果がある。
蒲鉾形状の横断面を有する部分が軸2の上部において長さ方向に連続することから、軸2の上部周面には、背側平坦面2aと、その両側それぞれに続く側部曲面2bと、それら側部曲面2b間をつなぐ腹側曲面2cとがあることになる。図の例では、背側平坦面2aはほぼ平面であり、腹側曲面2cは、針先の側に膨出する、曲率の小さい(つまり曲率半径が大きい)平面に近い曲面である。そして側部曲面2bは、上記各面2a・2cよりはかなり曲率の大きい曲面である。
このような凹凸2e・2fは、上記したプレス加工用の各金型に転写用の凹凸を設けておき、元の丸軸を蒲鉾形状横断面のものに変形させる際に同時に形成している。
なお、各軸2の外側にしっかりと巻糸5を巻くうえで最も好ましいのは、各軸2の横断面(蒲鉾形状)における底辺(背側平坦面2a)の幅が、当該横断面における高さ(蒲鉾の厚さ)とハリス6の直径との合計に近いことである。
・ 横向きの力を受けていずれかの素体1の針先4が図4(a)のように傾く(等角度間隔でなくなる)とき、その傾きを戻そうとする復元力が自然発生して素体1の配置が等角度間隔に戻る。素体1のいずれかが傾くとき、図3の矢印のようにその軸2が回転して図4(b)のように外向きに変位するが、そのとき巻糸5の張力が増し、当該軸2の回転を矢印Aのように戻すからである。
・ 各素体1の軸2を、上記のとおり変位可能な状態で柔軟に保持することから、針先4やふところ3が折れにくい。巻糸5に伸縮性のないものを用いるなどして軸2を強固に固定した場合には、野鮎等が掛け針10に掛かって激しく動くとき、いずれかの素体1がふところ3等において折損しやすいのと対照的である。
掛け針素体1の軸2同士を接触させるとともに3本の軸2でハリス6をはさみ付けることは、やはりハリス6の太さによらず確実かつ安定的に実現される。そのため、この掛け針11も、各素体1が等角度間隔に配置された、形の整った錨状のものとすることが容易である。
2 軸
2a 背側平坦面
2b 側部曲面
2c 腹側曲面
2e・2f 凹凸
3 ふところ
4 針先
5 巻糸
6 ハリス
10・11 掛け針
Claims (5)
- ハリスに結合される軸と、その軸から針先にかけてフック状に曲がったふところとを有する掛け針素体であって、
上記軸の上部が、針先から遠い側である背側の平坦面と、その両側に続く側部曲面と、側部曲面の間をつなぐとともに側部曲面よりも小さい曲率で針先の側に膨出する腹側の曲面とを有する、横断面が蒲鉾形状のものとして形成されていることを特徴とする掛け針素体。 - 表面に低摩擦抵抗のコーティングが施されていることを特徴とする請求項1に記載の掛け針素体。
- 上記軸における背側の平坦面と腹側の曲面とに、軸の長手方向とは交差する方向に延びた凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の掛け針素体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の掛け針素体の3本または4本が、軸がハリスを囲むとともに針先が等角度間隔になるように配置され、それらの軸の外側に糸が巻かれることによりハリスに取り付けられた掛け針であって、
掛け針素体のそれぞれが、上記背側の平坦面に、隣接する掛け針素体の側部曲面と上記ハリスとを接触させて配置されていることを特徴とする掛け針。 - 上記のとおり掛け針素体の軸の外側に巻かれた糸が、伸縮糸であることを特徴とする請求項4に記載の掛け針。
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JP2013001850U JP3184119U (ja) | 2013-04-02 | 2013-04-02 | 掛け針および掛け針素体 |
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Family Applications (1)
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2013
- 2013-04-02 JP JP2013001850U patent/JP3184119U/ja not_active Expired - Lifetime
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