JP3183988U - 二部式着物 - Google Patents

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Abstract

【課題】装着の手間を低減し、衣紋抜きを設けた二部式の着物を提供する。
【解決手段】二部式着物を、衣紋抜き11を有する上衣と、衣紋抜きの下端が固定される下衣20とから構成する。詳細には、下衣は、ウエスト部分にベルトを通す穴が形成された長方形状の布地からなる下衣本体と、装着者のウエストに巻きつけた状態の下衣本体の穴21を通り、両端において下衣本体の両縁のそれぞれを挟む挟持固定具が設けられた伸縮性のある紐体からなるウエストベルト30とからなり、衣紋抜きの下端とウエストベルトとを連結する連結部材32により、衣紋抜きの下端と下衣とを固定する。
【選択図】図5

Description

本考案は二部式の着物に関し特に衣紋抜きを有するものに関する。
二部式の着物は、上衣と下衣とが分離しているので、装着が容易であるという利点を有する。この装着が容易であるという利点を生かすために多くの場合、上衣は面ファスナーなどで簡易に前身頃を留め、下衣は巻きスカートと同じ構造で紐により固定するような構造を有している。
ところで、二部式の着物においても衣紋抜きを設ける場合がある。衣紋抜きは、衣紋に上端が固定された帯状の布であり、下端側に通した紐を胴体に巻いて引っ張り結ぶこと衣紋を下方に引っ張るものである。
衣紋抜きは、簡易に衣紋が抜けるので便利である一方で、衣紋抜きのためだけに紐を前に回して結ぶことは、容易に装着できることが求められる二部式の着物においては装着に余計な手間がかかるため望ましくない。
本考案は、このような問題に鑑みて、衣紋抜きを設けた二部式の着物において、装着の手間を低減することを課題とする。
上記課題を解決するために、本考案は次のような構成を有する。
請求項1に記載の考案は、衣紋抜きを有する上衣と、前記衣紋抜きの下端が固定される下衣とを有する二部式着物である。
請求項2に記載の考案は、前記二部式着物において、前記下衣は、ウエスト部分にベルトを通す穴が形成された長方形状の布地からなる下衣本体と、装着者のウエストに巻きつけた状態の前記下衣本体の前記穴を通り、両端において前記下衣本体の両縁のそれぞれを挟む挟持固定具が設けられた伸縮性のある紐体からなるウエストベルトとからなり、前記衣紋抜きの下端と前記ウエストベルトとを連結する連結部材により、前記衣紋抜きの下端と前記下衣とが固定されるものである。
請求項3に記載の考案は、前記二部式着物において、前記衣紋抜きの上端と前記上衣との接合部、前記衣紋抜きの下端と前記下衣との接合部の少なくとも一箇所は着脱可能に形成されるものである。
請求項1に記載の考案は、衣紋抜きの長さを適切に設定することで下衣を装着することで衣紋が抜けるので別途衣紋を抜くために紐を前に回して結ぶ手間が不要となり、衣紋抜きを有しながら簡易に装着することができる。
請求項2に記載の考案は、下衣を構成する布地をウエストベルトで固定するとともにウエストベルトと衣紋抜きとを連結したので、下衣を構成する布地に連結のための加工を施す必要がなく、また、ウエストベルトの締め具合により衣紋抜きの量を適宜調節することができる。
請求項3に記載の考案は、前記衣紋抜きの上端と前記上衣との接合部、前記衣紋抜きの下端と前記下衣との接合部のうちの少なくとも一箇所を着脱可能とすることで、必要に応じて交換が可能であり、装着に際しても、いずれかの部分を分離しておき、装着しやすいタイミングで連結することで装着を容易にすることができる。

(a)は実施形態に係る二部式着物の上衣の平面図であり、(b)は実施形態に係る二部式着物の上衣の前身頃を開いた状態の平面図である。 衣紋抜きを示す分解斜視図である。 実施形態に係る二部式着物の下衣の平面図である。 実施形態に係る二部式着物のウエストベルトの平面図である。 実施形態に係る二部式着物の装着状態を示す部分分解図である。 第一の変形例に係る二部式着物の上衣の分解図である。 第ニの変形例に係る二部式着物の上衣の前身頃を開いた状態の平面図である。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)に本実施形態に係る二部式着物の上衣10の平面図を示し、(b)に当該上衣10の前身頃を開いた状態を示す平面図を示す。上衣10は基本的な構成は一般的な二部式着物の上衣と同じであり、前身頃が面ファスナー12、12で留められるように構成されている。なお、前身頃を留める方法は任意でありスナップボタン、かぎホック、紐等適宜変更が可能である。上衣10には衣紋抜き11が固定されている。図2に衣紋抜き11の分解斜視図を示す。衣紋抜き11は帯状の布を二つに折り返し、折り返した両端を互いに縫い合わせたものであり、縫い合わされた下端側は幅が狭く、上端側は幅が広くなるように形成されている。また、下端側は上下方向に4箇所一定間隔を置いて横に縫い合わせることで縦に並ぶ3つのループ11a、11a、11aが形成されている。さらに、衣紋抜き11にはS字フック11bが上方のフックをループ11aのいずれかに引っ掛けることで固定される。
図3に本実施形態に係る二部式着物の下衣20の平面図を示す。下衣20の本体は装着者のウエストから足首までの長さにほぼ等しい縦の長さを有し、装着者が前で合わせて巻ける程度の横の長さを有する長方形状の布により形成される。下衣20には上縁近傍に後述するウエストベルト30が通る穴21が、装着したときに腰の左横に位置する場所に形成されている。
図4に本実施形態に係る二部式着物のウエストベルト30の平面図を示す。ウエストベルト30は伸縮性のある織りゴムで形成されたベルトであり、長さ調節ができるように形成されている。ウエストベルト30の両端には狭持固定具となるサスペンダークリップ31、31が固定されている。また、ウエストベルト30にはカラビナカンからなる連結金具32が、ウエストベルト30に移動可能に通るリングに固定されている。
次に、以上のような構成を有する二部式着物の装着方法について説明する。なお、装着に際しては、装着者は予め肌襦袢等の下着類を装着しているものとする。また、ウエストベルト30は予め装着者のウエストに合わせて長さを調節しておき、さらに、衣紋抜き11のS字フック11bは、衣紋がうまく抜けるように、衣紋抜き11の3つのループ11aのいずれか適当なものに装着者の身長に合わせて予め固定しておくものとする。各部分の連結関係を図5の分解図に示す。装着者は、まず、下衣20の下前になる図2における右側の側縁上端にウエストベルト30の一方のサスペンダークリップ31を固定し、この状態で下衣20を図2の右側が下前、左側が上前になるように腰に巻く。そして、固定されていないサスペンダークリップ31を下衣20の穴21から通して、ウエストベルト30を腰の後ろから回し、当該サスペンダークリップ31を下衣20の装着者の右側で上前になった側縁上端に固定する。これにより下衣20の装着が完了する。次に、装着者は上衣10を羽織り、ウエストベルト30の連結金具32を背中の中心近傍に位置合わせし、当該連結金具32を上衣10の衣紋抜き11に固定されたS字フック11bに引っ掛ける。なお、その後、上衣10の前身頃を面ファスナーで固定し、必要に応じて帯を締めることで二部式着物の装着は完了する。
このように本実施形態に係る二部式着物は、ウエストベルト30によって衣紋を抜くことができ、別途衣紋を抜く紐を胴体に縛る必要が無いので、装着を簡易に行うことができる。
なお、上記実施形態では、ウエストベルト30と衣紋抜きの下端とを着脱可能としているが、着脱できる箇所は適宜変更が可能である。例えば、図6に衣紋抜き11Aを着脱可能に形成した上衣10Aの例を示す。図に示す衣紋抜き11Aには裏面上部に薄い板を曲げて形成したフック11Aaを固定する一方で、上衣10Aの衣紋に両端を留めたテープ13を固定しておき、このテープ13にフック11Aaを引っ掛けることで衣紋抜き11Aを上衣10Aに固定できるようになっている。なお、衣紋抜きと上衣の着脱方法は、これに限られるものではなく、安全ピン、面ファスナー、スナップボタン等適当な方法で着脱できるようにすることができる。また、図5に示す衣紋抜き11Aは、ウエストベルト30Aに連結金具を設けずに、衣紋抜き11Aの下端にサスペンダークリップ14を固定しており、このサスペンダークリップ14をウエストベルト30Aに挟むことで、衣紋抜き11Aとウエストベルト30Aとを連結固定するように形成している。このように衣紋抜きとウエストベルトとの着脱について、いずれか一方のみに連結具を設けても、双方に連結具を設けてもよく、連結方法もフック、クリップの他、スナップボタンや面ファスナー等適宜適用することができる。
さらに、図7に示す上衣10Bように衣紋抜き11Bの下端を延ばして衣紋抜き11Bの直接ウエストベルト30Aを通すといったように、衣紋抜きとウエストベルトとを一体に形成するようにしてもよい。この場合、装着に際しては、下衣20を装着する前に上衣を羽織っておくようにすればよい。
そして、上記実施形態では、ウエストベルトと衣紋抜きとを連結するようにしているが、衣紋抜きと下衣本体とを連結するようにしてもよい。この場合、下衣はウエストベルトで固定する必要はなく、従来の二部式着物の下衣のように紐により固定するようにしてもよい。
10、10A、10B 上衣
11、11A、11B 衣紋抜き
20 下衣
30 ウエストベルト
32 連結金具

Claims (3)

  1. 衣紋抜きを有する上衣と、
    前記衣紋抜きの下端が固定される下衣とを
    有する二部式着物。
  2. 前記下衣は、
    ウエスト部分にベルトを通す穴が形成された長方形状の布地からなる下衣本体と、
    装着者のウエストに巻きつけた状態の前記下衣本体の前記穴を通り、両端において前記下衣本体の両側縁のそれぞれを挟む挟持固定具が設けられた伸縮性のある紐体からなるウエストベルトとからなり、
    前記衣紋抜きの下端と前記ウエストベルトとを連結する連結部材により、前記衣紋抜きの下端と前記下衣とが固定されるものである
    請求項1に記載の二部式着物。
  3. 前記衣紋抜きの上端と前記上衣との接合部、前記衣紋抜きの下端と前記下衣との接合部の少なくとも一箇所は着脱可能に形成される請求項1又は2に記載の二部式着物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017183144A1 (ja) * 2016-04-20 2017-10-26 真奈企画株式会社 着物、着物の製造方法及び着物の着用方法
JP6412219B1 (ja) * 2017-07-23 2018-10-24 真奈企画株式会社 着物及び着物の着付け方法

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