JP3183449B2 - 野球用スパイクシューズの靴底 - Google Patents
野球用スパイクシューズの靴底Info
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- A43B7/144—Footwear with health or hygienic arrangements with foot-supporting parts with pads or holes on one or more locations, or having an anatomical or curved form characterised by the location under the foot situated under the heel, i.e. the calcaneus bone
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- A43B7/145—Footwear with health or hygienic arrangements with foot-supporting parts with pads or holes on one or more locations, or having an anatomical or curved form characterised by the location under the foot situated under the toes, i.e. the phalanges
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Landscapes
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- Epidemiology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、野球用スパイクシ
ューズに用いられるの靴底に関する技術分野に属するも
のであり、野球競技におけるバッティング、スローイン
グ、ランニング等のあらゆる動作中においても優れた防
滑性を発揮すると共に、運動時の足の屈曲性を飛躍的に
向上せしめる野球用スパイクシューズの靴底を提供する
ものである。
ューズに用いられるの靴底に関する技術分野に属するも
のであり、野球競技におけるバッティング、スローイン
グ、ランニング等のあらゆる動作中においても優れた防
滑性を発揮すると共に、運動時の足の屈曲性を飛躍的に
向上せしめる野球用スパイクシューズの靴底を提供する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】従来より、野球用スパイクシューズ、特
に金属製のスパイクを用いたものの靴底は、所謂三角金
具と言われるものであって、図１３（ａ）に示すように
前足部と踵部にそれぞれ三枚の突片を、ほぼ三角形の頂
点に配するように連結座金で連結し、連結座金に穿設さ
れた穴に固定用ピンなどで係止したものが主流であっ
た。また、靴底の前足部の屈曲性を向上させるために、
図１３（ｂ）に示すように前記前足部の三角金具を爪先
部スパイクと踏み付け部スパイクとに分断したものも用
いられていた。更に防滑性を向上させる目的で、図１４
に示すように従来の三角金具に補助突片を設けた野球靴
用スパイクが実開平６−２１４０８号にも開示されてい
る。
に金属製のスパイクを用いたものの靴底は、所謂三角金
具と言われるものであって、図１３（ａ）に示すように
前足部と踵部にそれぞれ三枚の突片を、ほぼ三角形の頂
点に配するように連結座金で連結し、連結座金に穿設さ
れた穴に固定用ピンなどで係止したものが主流であっ
た。また、靴底の前足部の屈曲性を向上させるために、
図１３（ｂ）に示すように前記前足部の三角金具を爪先
部スパイクと踏み付け部スパイクとに分断したものも用
いられていた。更に防滑性を向上させる目的で、図１４
に示すように従来の三角金具に補助突片を設けた野球靴
用スパイクが実開平６−２１４０８号にも開示されてい
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記三角金
具を用いた場合、前足部の爪先部から踏み付け部に至る
広い部分にきわめて剛性の高い連結座金が固着されてい
るため、前足部の屈曲性はほとんどない状態であった。
つまり、ランニング時に前方に体重をかけて蹴り出そう
とする時に、背屈した足部に靴底が追随できないため、
足部が靴内で動いてしまい蹴り出す力を地面に確実に伝
えることができない。同様に、側方へ移動しようとする
時も、外反若しくは内反する足部の形状に靴底が追随で
きないため、足部が靴内で動いてしまい蹴り出す力を地
面に確実に伝えることができないといった問題があっ
た。これら欠点は、前記実公平６−２１４０８号に開示
された野球用スパイク金具においても解決されるもので
はなかった。
具を用いた場合、前足部の爪先部から踏み付け部に至る
広い部分にきわめて剛性の高い連結座金が固着されてい
るため、前足部の屈曲性はほとんどない状態であった。
つまり、ランニング時に前方に体重をかけて蹴り出そう
とする時に、背屈した足部に靴底が追随できないため、
足部が靴内で動いてしまい蹴り出す力を地面に確実に伝
えることができない。同様に、側方へ移動しようとする
時も、外反若しくは内反する足部の形状に靴底が追随で
きないため、足部が靴内で動いてしまい蹴り出す力を地
面に確実に伝えることができないといった問題があっ
た。これら欠点は、前記実公平６−２１４０８号に開示
された野球用スパイク金具においても解決されるもので
はなかった。
【０００４】更に、野球競技中の代表的な動作は、バッ
ティング（打撃）、スローイング（投球）フィールディ
ング（守備）及びランニング（走塁）の四動作である
が、従来から用いられてきたスパイクシューズでは、そ
れぞれの動作において競技者の脚力を十分に伝えること
ができなかった。即ち、バッティング時において右打ち
のバッターの場合、右足が軸足となりボールインパクト
の瞬間に母趾球部前方を中心として大きなキック力を発
揮するが、従来のスパイクでは母趾球部前方部には突片
がなく、母趾球部近傍に設けられた突片もキック力の向
きと平行の向きに設けられているため大きな力を支える
ことができず、滑ってしまいキック力のロスを生じてい
た。
ティング（打撃）、スローイング（投球）フィールディ
ング（守備）及びランニング（走塁）の四動作である
が、従来から用いられてきたスパイクシューズでは、そ
れぞれの動作において競技者の脚力を十分に伝えること
ができなかった。即ち、バッティング時において右打ち
のバッターの場合、右足が軸足となりボールインパクト
の瞬間に母趾球部前方を中心として大きなキック力を発
揮するが、従来のスパイクでは母趾球部前方部には突片
がなく、母趾球部近傍に設けられた突片もキック力の向
きと平行の向きに設けられているため大きな力を支える
ことができず、滑ってしまいキック力のロスを生じてい
た。
【０００５】スローイング時においては、右投げの競技
者の場合、テイクバックから腕を振り下ろすまでは右足
の踏み付け部から爪先部に大きなキック力がかかり、ボ
ールを放す瞬間においては左足の踵部から踏み付け部に
かけて大きなブレーキ力がかかる。しかし、従来のスパ
イクシューズは爪先部に一枚の突片がある設けられただ
けであり、足長線に対して直角に設けられていたため、
右足の爪先のキック力を十分に地面に伝えることができ
なかった。また、左足の踵部には足長線に対して直角に
設けられら突片が一枚しかなく、十分なブレーキ力を発
揮することができなかった。
者の場合、テイクバックから腕を振り下ろすまでは右足
の踏み付け部から爪先部に大きなキック力がかかり、ボ
ールを放す瞬間においては左足の踵部から踏み付け部に
かけて大きなブレーキ力がかかる。しかし、従来のスパ
イクシューズは爪先部に一枚の突片がある設けられただ
けであり、足長線に対して直角に設けられていたため、
右足の爪先のキック力を十分に地面に伝えることができ
なかった。また、左足の踵部には足長線に対して直角に
設けられら突片が一枚しかなく、十分なブレーキ力を発
揮することができなかった。
【０００６】更に、フィールディング時とランニング時
の動作について観察してみれば、野球競技中にはまっす
ぐ前方にダッシュする場合と、前側方へ若しくは側方へ
素早く体を反転させて反転した方向へダッシュする場合
とに大別できる。まっすぐ前方へダッシュする場合、ス
パイクシューズの靴底上の体重移動経路は、踵から接地
して土踏まず部の外甲側を経て踏み付け部外甲側から踏
み付け部内甲側へ移動し、爪先部へ抜けるように移動す
る。ところが、従来のスパイクシューズは、母趾球部に
突片が設けられているものの、突片の向きが体重の移動
方向と平行であるため十分なキック力を発揮できず、力
のロスを生じていた。右側方へダッシュする場合、左足
の爪先部から踏み付け部の内側で強くキックすると共
に、右足の爪先で進行方向に向かって蹴り出して移動す
るが、従来のスパイクシューズの母趾球部と爪先に設け
られた突片は、キックする方向にほぼ平行であるため、
やはり力のロスが生じていた。
の動作について観察してみれば、野球競技中にはまっす
ぐ前方にダッシュする場合と、前側方へ若しくは側方へ
素早く体を反転させて反転した方向へダッシュする場合
とに大別できる。まっすぐ前方へダッシュする場合、ス
パイクシューズの靴底上の体重移動経路は、踵から接地
して土踏まず部の外甲側を経て踏み付け部外甲側から踏
み付け部内甲側へ移動し、爪先部へ抜けるように移動す
る。ところが、従来のスパイクシューズは、母趾球部に
突片が設けられているものの、突片の向きが体重の移動
方向と平行であるため十分なキック力を発揮できず、力
のロスを生じていた。右側方へダッシュする場合、左足
の爪先部から踏み付け部の内側で強くキックすると共
に、右足の爪先で進行方向に向かって蹴り出して移動す
るが、従来のスパイクシューズの母趾球部と爪先に設け
られた突片は、キックする方向にほぼ平行であるため、
やはり力のロスが生じていた。
【０００７】また、上述したようにスパイクシューズに
は、様々な運動に対応した屈曲性が要求されるにも拘ら
ず、従来のスパイクシューズのソールには、有効な位置
に屈曲溝が設けられていなかったのが実情である。
は、様々な運動に対応した屈曲性が要求されるにも拘ら
ず、従来のスパイクシューズのソールには、有効な位置
に屈曲溝が設けられていなかったのが実情である。
【０００８】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するために、野球競技におけるスパイクシューズの様々
な動作を解析し、突片の必要とされる位置及び該突片の
向きを決定した。即ち、バッティング、スローイング、
フィールディング及びランニングといった主な運動形態
における、靴底に作用する剪断応力の方向と作用領域
を、足圧分布履歴計測手段と荷重ベクトル履歴計測手段
で得られたデータを元に剪断応力分布図決定手段によっ
て剪断応力分布図を決定する。得られた剪断応力分布図
には、各運動形態において最も中心的な動作を行う際に
靴底が路面との関係で、滑りを生じないために必要とさ
れる剪断応力が作用する領域と、滑りを生じようとする
剪断応力の向きとが表される。上記方法によって得られ
た剪断応力分布図に合致させて靴底に突片を設け、該突
片の向きを決定することにより、最も効果的に脚力を地
面に伝えることができ、各運動形態に最も適した野球用
スパイクシューズを提供することが可能となる。更に、
上記方法により設けられた各突片との関係で、靴底の屈
曲性を向上させるための屈曲溝を形成し、前記各突片が
地面を有効に握持し、足部の自由な変形を阻害すること
なく、高い運動能力を発揮し得る野球用スパイクシュー
ズの靴底を提供することが可能となる。
するために、野球競技におけるスパイクシューズの様々
な動作を解析し、突片の必要とされる位置及び該突片の
向きを決定した。即ち、バッティング、スローイング、
フィールディング及びランニングといった主な運動形態
における、靴底に作用する剪断応力の方向と作用領域
を、足圧分布履歴計測手段と荷重ベクトル履歴計測手段
で得られたデータを元に剪断応力分布図決定手段によっ
て剪断応力分布図を決定する。得られた剪断応力分布図
には、各運動形態において最も中心的な動作を行う際に
靴底が路面との関係で、滑りを生じないために必要とさ
れる剪断応力が作用する領域と、滑りを生じようとする
剪断応力の向きとが表される。上記方法によって得られ
た剪断応力分布図に合致させて靴底に突片を設け、該突
片の向きを決定することにより、最も効果的に脚力を地
面に伝えることができ、各運動形態に最も適した野球用
スパイクシューズを提供することが可能となる。更に、
上記方法により設けられた各突片との関係で、靴底の屈
曲性を向上させるための屈曲溝を形成し、前記各突片が
地面を有効に握持し、足部の自由な変形を阻害すること
なく、高い運動能力を発揮し得る野球用スパイクシュー
ズの靴底を提供することが可能となる。
【０００９】
【発明の実施の形態】ここで、足圧分布履歴計測手段と
は、プレート型センサー上にて比較的平坦な靴底意匠を
有する靴を履いた被験者を動作させて、靴底が接してい
る前記プレート型圧力センサーの領域に於ける、垂直方
向の圧縮応力の分布を足圧分布データとして微小単位時
間ごとに測定し、プロセッサーを介して所定の記憶媒体
に保存する手段を言う。また、荷重ベクトル計測手段と
は、上記足圧分布履歴計測手段の前記垂直方向のプレー
ト型センサーの下面に重ねられた別体の水平方向のプレ
ート型センサーを設置し、該プレート型センサー内に内
装された３軸応力計により足圧分布履歴計測と同時刻の
水平方向の応力を測定し、垂直方向と水平方向の応力の
合力ベクトルを３軸各成分として分解し、微小単位時間
ごとに測定し所定の記憶媒体に保存する手段をいう。
は、プレート型センサー上にて比較的平坦な靴底意匠を
有する靴を履いた被験者を動作させて、靴底が接してい
る前記プレート型圧力センサーの領域に於ける、垂直方
向の圧縮応力の分布を足圧分布データとして微小単位時
間ごとに測定し、プロセッサーを介して所定の記憶媒体
に保存する手段を言う。また、荷重ベクトル計測手段と
は、上記足圧分布履歴計測手段の前記垂直方向のプレー
ト型センサーの下面に重ねられた別体の水平方向のプレ
ート型センサーを設置し、該プレート型センサー内に内
装された３軸応力計により足圧分布履歴計測と同時刻の
水平方向の応力を測定し、垂直方向と水平方向の応力の
合力ベクトルを３軸各成分として分解し、微小単位時間
ごとに測定し所定の記憶媒体に保存する手段をいう。
【００１０】プレート型センサー上を被験者が歩行等す
ると、靴底の接地領域の足圧分布と接地領域の全圧力の
３軸成分のベクトルが同時に１／１０秒または１／１０
０秒ごとに計測され、これを足圧分布データおよび荷重
ベクトルデータとして記録される。このようにして得ら
れた足圧分布データと荷重ベクトルデータを荷重ベクト
ル分布決定手段に入力し荷重ベクトル分布を決定した
後、該荷重ベクトル分布データを剪断応力分布決定手段
に入力し剪断応力分布図を決定する。ここで、剪断応力
分布図とは、各運動形態において最も中心的な動作を行
う際に靴底が路面との関係で、滑りを生じないために必
要とされる剪断応力の作用する領域と、剪断応力の向き
とを表した図面を言う。
ると、靴底の接地領域の足圧分布と接地領域の全圧力の
３軸成分のベクトルが同時に１／１０秒または１／１０
０秒ごとに計測され、これを足圧分布データおよび荷重
ベクトルデータとして記録される。このようにして得ら
れた足圧分布データと荷重ベクトルデータを荷重ベクト
ル分布決定手段に入力し荷重ベクトル分布を決定した
後、該荷重ベクトル分布データを剪断応力分布決定手段
に入力し剪断応力分布図を決定する。ここで、剪断応力
分布図とは、各運動形態において最も中心的な動作を行
う際に靴底が路面との関係で、滑りを生じないために必
要とされる剪断応力の作用する領域と、剪断応力の向き
とを表した図面を言う。
【００１１】該剪断応力分布図を等高線等により表示し
たものをスキャナー等の画像入力手段を介してＣＡＤ
（コンピューター援用設計：Computer Aided Design の
略）システムに取り込む。剪断応力分布図のＣＡＤシス
テムへの取り込み方法としてはこの他にデータをフロッ
ピーディスク等を介して直接ＣＡＤシステム内に取り込
みＣＡＤ内のプログラムによって描画する方法も取り得
る。該ＣＡＤシステム上で、足部解剖学データベースか
らの足長、足幅、母趾球位置等のデータを加味し剪断応
力分布図に従って突片の位置及び向きを決定する。その
結果、爪先部、母趾球部、踏み付け部、子趾球部及び母
趾球部の後方、踵内甲側、踵前方部、踵後端部及び踵外
甲側にそれぞれ突片を設置することが最も有効であるこ
とが判明した。 すなわち、爪先部突片Ｔ１、Ｔ２は，
第一趾末節骨先端ａと第二趾末節骨先端ｂとの間、及び
第二趾末節骨先端ｂと第三趾末節骨先端ｃとの間に対応
する部位に設けられる。母趾球部突片Ｔ３は、母趾球部
ｄのやや前方に対応する部位に設けられる。また、踏み
付け部突片Ｍ１は、第三趾基節骨近節ｅに対応する部位
に、子趾球部突片Ｍ２は、第四趾基節骨近位部ｆと第五
趾基節骨近位部ｇとの間に対応する位置に設けられる。
更に、それらの各突片はそれぞれ足長線に対して所望の
角度をもって設けられるが、該角度は前記剪断応力分布
図に示される剪断応力の作用する向きを示す矢印の向き
にもとづいて決定される。
たものをスキャナー等の画像入力手段を介してＣＡＤ
（コンピューター援用設計：Computer Aided Design の
略）システムに取り込む。剪断応力分布図のＣＡＤシス
テムへの取り込み方法としてはこの他にデータをフロッ
ピーディスク等を介して直接ＣＡＤシステム内に取り込
みＣＡＤ内のプログラムによって描画する方法も取り得
る。該ＣＡＤシステム上で、足部解剖学データベースか
らの足長、足幅、母趾球位置等のデータを加味し剪断応
力分布図に従って突片の位置及び向きを決定する。その
結果、爪先部、母趾球部、踏み付け部、子趾球部及び母
趾球部の後方、踵内甲側、踵前方部、踵後端部及び踵外
甲側にそれぞれ突片を設置することが最も有効であるこ
とが判明した。 すなわち、爪先部突片Ｔ１、Ｔ２は，
第一趾末節骨先端ａと第二趾末節骨先端ｂとの間、及び
第二趾末節骨先端ｂと第三趾末節骨先端ｃとの間に対応
する部位に設けられる。母趾球部突片Ｔ３は、母趾球部
ｄのやや前方に対応する部位に設けられる。また、踏み
付け部突片Ｍ１は、第三趾基節骨近節ｅに対応する部位
に、子趾球部突片Ｍ２は、第四趾基節骨近位部ｆと第五
趾基節骨近位部ｇとの間に対応する位置に設けられる。
更に、それらの各突片はそれぞれ足長線に対して所望の
角度をもって設けられるが、該角度は前記剪断応力分布
図に示される剪断応力の作用する向きを示す矢印の向き
にもとづいて決定される。
【００１２】野球用スパイクシューズの靴底に設けられ
る突片の位置や向きを決定する際に留意しなければなら
ない点は、該突片の幅が比較的広くまた高さも高いた
め、一つの動作に適する位置に設けた突片が、他の動作
においてはその動作を阻害しかねない点である。本発明
に係る野球用スパイクシューズは前記主要な動作のそれ
ぞれにおいて前記剪断応力分布図を決定し、それらを前
記ＣＡＤシステム上で適宜合成することにより、野球競
技の各動作に最も適した突片の位置及び向きを有する野
球用スパイクシューズを提供することができる。本発明
は野球用スパイクシューズの靴底に関するものである
が、上記剪断応力分布図によるスパイクシューズの靴底
の設計は、野球用スパイクシューズに限られるものでは
なく、ゴルフシューズ、サッカーシューズ、陸上競技用
スパイクシューズ等の靴底の設計にも応用できるもので
ある。
る突片の位置や向きを決定する際に留意しなければなら
ない点は、該突片の幅が比較的広くまた高さも高いた
め、一つの動作に適する位置に設けた突片が、他の動作
においてはその動作を阻害しかねない点である。本発明
に係る野球用スパイクシューズは前記主要な動作のそれ
ぞれにおいて前記剪断応力分布図を決定し、それらを前
記ＣＡＤシステム上で適宜合成することにより、野球競
技の各動作に最も適した突片の位置及び向きを有する野
球用スパイクシューズを提供することができる。本発明
は野球用スパイクシューズの靴底に関するものである
が、上記剪断応力分布図によるスパイクシューズの靴底
の設計は、野球用スパイクシューズに限られるものでは
なく、ゴルフシューズ、サッカーシューズ、陸上競技用
スパイクシューズ等の靴底の設計にも応用できるもので
ある。
【００１３】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づき説明する。図
１は本発明の一実施例の靴底の平面図である。図２は他
の実施例の靴底の平面図である。図３は本発明に係る各
突片の位置と、人体の足部の骨格との対応を示す該略図
である。図４は本発明に係る各突片の角度を示す該略図
である。図５は右打者のバッティング動作中の足圧分布
と加重ベクトルから得られた剪断応力分布図である。図
６は右投げ選手のスローイング動作中の足圧分布と加重
ベクトルから得られた剪断応力分布図である。図７は右
方向へダッシュする場合の足圧分布と加重ベクトルから
得られた剪断応力分布図である。図８は左前方へダッシ
ュする場合の足圧分布と加重ベクトルから得られた剪断
応力分布図である。図９は右前方へダッシュする場合の
足圧分布と加重ベクトルから得られた剪断応力分布図で
ある。図１０は本発明に係る靴底の斜視図である。図１
１は更に他の実施例の靴底の平面図である。図１２は本
発明に係る各突片の位置と、人体の足部の骨格との対応
を示す該略図である。図１３及び図１４は従来の野球用
スパイクシューズの靴底の底面である。
１は本発明の一実施例の靴底の平面図である。図２は他
の実施例の靴底の平面図である。図３は本発明に係る各
突片の位置と、人体の足部の骨格との対応を示す該略図
である。図４は本発明に係る各突片の角度を示す該略図
である。図５は右打者のバッティング動作中の足圧分布
と加重ベクトルから得られた剪断応力分布図である。図
６は右投げ選手のスローイング動作中の足圧分布と加重
ベクトルから得られた剪断応力分布図である。図７は右
方向へダッシュする場合の足圧分布と加重ベクトルから
得られた剪断応力分布図である。図８は左前方へダッシ
ュする場合の足圧分布と加重ベクトルから得られた剪断
応力分布図である。図９は右前方へダッシュする場合の
足圧分布と加重ベクトルから得られた剪断応力分布図で
ある。図１０は本発明に係る靴底の斜視図である。図１
１は更に他の実施例の靴底の平面図である。図１２は本
発明に係る各突片の位置と、人体の足部の骨格との対応
を示す該略図である。図１３及び図１４は従来の野球用
スパイクシューズの靴底の底面である。
【００１４】図１は、本発明に係る野球用スパイクシュ
ーズの一実施例の靴底の平面図であるが、該靴底本体１
の底面には爪先部突片Ｔ１、Ｔ２、母趾球部突片Ｔ３、
踏み付け部突片Ｍ１、子趾球部突片Ｍ２、踵内甲側突片
Ｈ１、踵前方部突片Ｈ２、踵後端部突片Ｈ３及び踵外甲
側突片Ｈ４の９枚の突片が設けられている。本実施例で
は前記各突片のうち、爪先部突片Ｔ１、Ｔ２と母趾球部
突片Ｔ３とを組み合わせ、踏み付け部突片Ｍ１と子趾球
部突片Ｍ２とを組み合わせ、踵内甲側突片Ｈ１と踵前方
部突片Ｈ２と踵後端部突片Ｈ３及び踵外甲側突片Ｈ４と
を組み合わせて、各組み合わせの突片を連結座金２で一
体に形成されている。
ーズの一実施例の靴底の平面図であるが、該靴底本体１
の底面には爪先部突片Ｔ１、Ｔ２、母趾球部突片Ｔ３、
踏み付け部突片Ｍ１、子趾球部突片Ｍ２、踵内甲側突片
Ｈ１、踵前方部突片Ｈ２、踵後端部突片Ｈ３及び踵外甲
側突片Ｈ４の９枚の突片が設けられている。本実施例で
は前記各突片のうち、爪先部突片Ｔ１、Ｔ２と母趾球部
突片Ｔ３とを組み合わせ、踏み付け部突片Ｍ１と子趾球
部突片Ｍ２とを組み合わせ、踵内甲側突片Ｈ１と踵前方
部突片Ｈ２と踵後端部突片Ｈ３及び踵外甲側突片Ｈ４と
を組み合わせて、各組み合わせの突片を連結座金２で一
体に形成されている。
【００１５】各突片の設けられる位置は、図３に示すよ
うに足部の骨格に対応する位置に設けられている。すな
わち、爪先部突片Ｔ１、Ｔ２は，第一趾末節骨先端ａと
第二趾末節骨先端ｂとの間、及び第二趾末節骨先端ｂと
第三趾末節骨先端ｃとの間に対応する部位に設けられ
る。母趾球部突片Ｔ３は、母趾球部ｄのやや前方に対応
する部位に設けられる。また、踏み付け部突片Ｍ１は、
第三趾基節骨近節ｅに対応する部位に、子趾球部突片Ｍ
２は、第四趾基節骨近位部ｆと第五趾基節骨近位部ｇと
の間に対応する位置に設けられる。更に、踵内甲側突片
Ｈ１は、踵中心部ｈの内甲側であって踵骨ｉの内甲側に
対応する部位に、踵前方部突片Ｈ２は、踵中心部ｈの前
方であって踵骨ｉのほぼ中応に対応する部位に、踵後端
部突片Ｈ３は踵中心部ｈの後方であって踵骨ｉの後端部
に対応する位置に、踵外甲側突片Ｈ４は、踵中心部ｈの
外甲側であって踵骨ｉの外甲側に対応する部位にそれぞ
れ設けられている。
うに足部の骨格に対応する位置に設けられている。すな
わち、爪先部突片Ｔ１、Ｔ２は，第一趾末節骨先端ａと
第二趾末節骨先端ｂとの間、及び第二趾末節骨先端ｂと
第三趾末節骨先端ｃとの間に対応する部位に設けられ
る。母趾球部突片Ｔ３は、母趾球部ｄのやや前方に対応
する部位に設けられる。また、踏み付け部突片Ｍ１は、
第三趾基節骨近節ｅに対応する部位に、子趾球部突片Ｍ
２は、第四趾基節骨近位部ｆと第五趾基節骨近位部ｇと
の間に対応する位置に設けられる。更に、踵内甲側突片
Ｈ１は、踵中心部ｈの内甲側であって踵骨ｉの内甲側に
対応する部位に、踵前方部突片Ｈ２は、踵中心部ｈの前
方であって踵骨ｉのほぼ中応に対応する部位に、踵後端
部突片Ｈ３は踵中心部ｈの後方であって踵骨ｉの後端部
に対応する位置に、踵外甲側突片Ｈ４は、踵中心部ｈの
外甲側であって踵骨ｉの外甲側に対応する部位にそれぞ
れ設けられている。
【００１６】次に、各突片の角度については、図４に示
すように各突片の延長線が足長線Ｌとの間になす角度θ
を各突片の角度として規定する。ここで、足長線Ｌとは
靴底の爪先の最先端部Ｍと踵の最後端部Ｎを結んだ直線
をいうものであって、靴底の形状が決定すれば一通りに
決まる基準線である。本発明に係る野球用スパイクシュ
ーズにおいて、爪先部突片Ｔ１の角度θT1は７５°〜９
０°、爪先部突片Ｔ２の角度θT2は６０°〜９０°、母
趾球部突片の角度θT3は４５°〜９０°である。また、
踏み付け部突片Ｍ１の角度θM1は３０°〜６０°、子趾
球部突片Ｍ２の角度θM2は５０°〜８０°である。さら
に、踵内甲側突片Ｈ１は前記足長線にほぼ平行に、踵前
方部突片Ｈ２と踵後端部突片Ｈ３は前記足長線に対して
ほぼ垂直に設けられている。踵外甲側突片Ｈ４の角度θ
H4は２０°〜４５°である。
すように各突片の延長線が足長線Ｌとの間になす角度θ
を各突片の角度として規定する。ここで、足長線Ｌとは
靴底の爪先の最先端部Ｍと踵の最後端部Ｎを結んだ直線
をいうものであって、靴底の形状が決定すれば一通りに
決まる基準線である。本発明に係る野球用スパイクシュ
ーズにおいて、爪先部突片Ｔ１の角度θT1は７５°〜９
０°、爪先部突片Ｔ２の角度θT2は６０°〜９０°、母
趾球部突片の角度θT3は４５°〜９０°である。また、
踏み付け部突片Ｍ１の角度θM1は３０°〜６０°、子趾
球部突片Ｍ２の角度θM2は５０°〜８０°である。さら
に、踵内甲側突片Ｈ１は前記足長線にほぼ平行に、踵前
方部突片Ｈ２と踵後端部突片Ｈ３は前記足長線に対して
ほぼ垂直に設けられている。踵外甲側突片Ｈ４の角度θ
H4は２０°〜４５°である。
【００１７】これら各突片の位置と角度は、図５乃至図
９に示す剪断応力分布図に基づいて決定されたものであ
る。それぞれ図中の等高線は靴底の各部位に作用する剪
断応力の大きさを示しており、矢印は剪断応力の向きを
示している。図５は右打者のバッティング動作中の剪断
応力分布図である。バッティング動作は、フォワードス
イング、インパクト及びフォロースルーの３つの動作に
分けることができる。フォワードスイングにおいて、右
足では体重が踵内側へ移動しフォワードスイングの始動
を踵部で支えるため右後方へ剪断応力が働くが、踵内甲
側突片Ｈ１と踵前方部突片Ｈ２により右後方へのグリッ
プを確保することができる。一方、左足では爪先内側か
らやや外向きに接地してインパクトに備えるため左前方
へ剪断応力が働くが、前記角度で設けられた爪先部突片
Ｔ１と母趾球部突片Ｔ３が左前方へのグリップを確保す
ることができる。インパクトの前後においては、右足で
は体重が踏み付け部に徐々に移動し、インパクトの瞬間
で踏み付け部から爪先部にかけての部位に、足長線に対
し約４５°右後方への剪断応力が最大に働くが、前記角
度で設けられた母趾球部突片Ｔ３、踏み付け部突片Ｍ１
及び爪先部突片Ｔ１によって右後方へのグリップを確保
することができる。一方、左足では体重がつま先から踵
の外側へ一気に移動すると共に、爪先が外側へ回転する
して踵が左方向への力を受けるが、前記角度で設けられ
た踵外甲側突片Ｈ４により左方向へのグリップを確保す
ることができる。フォロースルーにおいては、右足では
体重が爪先に移動し、爪先部突片Ｔ１、Ｔ２が前方への
グリップを確保する。一方、左足では体重が踵の外側か
ら内側へ徐々に移動し、踵内甲側突起Ｈ１が左後方への
グリップを確保する。
９に示す剪断応力分布図に基づいて決定されたものであ
る。それぞれ図中の等高線は靴底の各部位に作用する剪
断応力の大きさを示しており、矢印は剪断応力の向きを
示している。図５は右打者のバッティング動作中の剪断
応力分布図である。バッティング動作は、フォワードス
イング、インパクト及びフォロースルーの３つの動作に
分けることができる。フォワードスイングにおいて、右
足では体重が踵内側へ移動しフォワードスイングの始動
を踵部で支えるため右後方へ剪断応力が働くが、踵内甲
側突片Ｈ１と踵前方部突片Ｈ２により右後方へのグリッ
プを確保することができる。一方、左足では爪先内側か
らやや外向きに接地してインパクトに備えるため左前方
へ剪断応力が働くが、前記角度で設けられた爪先部突片
Ｔ１と母趾球部突片Ｔ３が左前方へのグリップを確保す
ることができる。インパクトの前後においては、右足で
は体重が踏み付け部に徐々に移動し、インパクトの瞬間
で踏み付け部から爪先部にかけての部位に、足長線に対
し約４５°右後方への剪断応力が最大に働くが、前記角
度で設けられた母趾球部突片Ｔ３、踏み付け部突片Ｍ１
及び爪先部突片Ｔ１によって右後方へのグリップを確保
することができる。一方、左足では体重がつま先から踵
の外側へ一気に移動すると共に、爪先が外側へ回転する
して踵が左方向への力を受けるが、前記角度で設けられ
た踵外甲側突片Ｈ４により左方向へのグリップを確保す
ることができる。フォロースルーにおいては、右足では
体重が爪先に移動し、爪先部突片Ｔ１、Ｔ２が前方への
グリップを確保する。一方、左足では体重が踵の外側か
ら内側へ徐々に移動し、踵内甲側突起Ｈ１が左後方への
グリップを確保する。
【００１８】図６は右投げ選手のスローイング動作中の
剪断応力分布図である。スローイング動作は、腕の振り
上げ、腕の振り下ろし及びフォロースルーの３つの動作
に分けることができる。腕の振り上げ動作において、右
足は投球方向に対して直交しており、体重が踵内側へ移
動すると共に振り上げが開始されるが、前記角度で設け
られた踵内甲側突片Ｈ１により右方向へのグリップを確
保することができる。腕の振り下ろし動作に入ると、体
重が踵内側から爪先内側へと移動し投球の直前に右後方
へ強いキック力がかかるが、前記角度で設けられた爪先
部突片Ｔ１と母趾球部突片Ｔ３により右後方へのグリッ
プを確保することができる。一方、左足は振り下ろし加
速段階において、爪先が投球方向を向いて踵から接地
し、投球の瞬間まで振り下ろされる上体を支えるため、
前半は踵甲端部突片Ｈ３から踵前方部突片Ｈ２及び子趾
球部突片Ｍ２が前方へのグリップを確保し、後半は踏み
付け部突片Ｍ１、母趾球部突片Ｔ３及び爪先部突片Ｔ
１、Ｔ２によりグリップを確保することができる。フォ
ロースルーにおいては、左足で体重が踵の内側へ徐々に
移動し、踵内甲側突起Ｈ１が左方向へのグリップを確保
する。
剪断応力分布図である。スローイング動作は、腕の振り
上げ、腕の振り下ろし及びフォロースルーの３つの動作
に分けることができる。腕の振り上げ動作において、右
足は投球方向に対して直交しており、体重が踵内側へ移
動すると共に振り上げが開始されるが、前記角度で設け
られた踵内甲側突片Ｈ１により右方向へのグリップを確
保することができる。腕の振り下ろし動作に入ると、体
重が踵内側から爪先内側へと移動し投球の直前に右後方
へ強いキック力がかかるが、前記角度で設けられた爪先
部突片Ｔ１と母趾球部突片Ｔ３により右後方へのグリッ
プを確保することができる。一方、左足は振り下ろし加
速段階において、爪先が投球方向を向いて踵から接地
し、投球の瞬間まで振り下ろされる上体を支えるため、
前半は踵甲端部突片Ｈ３から踵前方部突片Ｈ２及び子趾
球部突片Ｍ２が前方へのグリップを確保し、後半は踏み
付け部突片Ｍ１、母趾球部突片Ｔ３及び爪先部突片Ｔ
１、Ｔ２によりグリップを確保することができる。フォ
ロースルーにおいては、左足で体重が踵の内側へ徐々に
移動し、踵内甲側突起Ｈ１が左方向へのグリップを確保
する。
【００１９】図７は右方向へダッシュする場合の剪断応
力分布図である。右方向へダッシュする動作は、両足が
進行方向に対してほぼ直行した状態の静止立位から体の
向きを右方向にほぼ９０°回転させ、加速を始める。加
速準備期では、この回転運動を始動するため体重は一旦
左足の内側にかかり右足は爪先を進行方向に向けるよう
に回転した後再び踏み付け部より接地する。加速前期か
ら中期にかけて、右足では踏み付け部外側から踏み付け
部内側前方に体重が移動し、前記角度で設けられた子趾
球部突片Ｍ２、踏み付け部突片Ｍ１及び母趾球部突片Ｔ
３がグリップを確保する。左足は進行方向に直行した状
態を保持したまま踏み付け部内側へ体重移動し左方向へ
蹴り出す力を受けるが、前記角度で設けられた母趾球部
突片Ｔ３、爪先部突片Ｔ１及び踵内甲側突片Ｈ１により
左方向へのグリップを確保することができる。加速後期
では、右足の爪先部に体重が移動し、爪先部突片Ｔ１、
Ｔ２によりグリップを確保して後方へ蹴り出す。左足に
おいても体重が爪先内側へ移動し、爪先部突片Ｔ１と母
趾球部突片Ｔ３によりグリップを確保して後方へ蹴り出
す。
力分布図である。右方向へダッシュする動作は、両足が
進行方向に対してほぼ直行した状態の静止立位から体の
向きを右方向にほぼ９０°回転させ、加速を始める。加
速準備期では、この回転運動を始動するため体重は一旦
左足の内側にかかり右足は爪先を進行方向に向けるよう
に回転した後再び踏み付け部より接地する。加速前期か
ら中期にかけて、右足では踏み付け部外側から踏み付け
部内側前方に体重が移動し、前記角度で設けられた子趾
球部突片Ｍ２、踏み付け部突片Ｍ１及び母趾球部突片Ｔ
３がグリップを確保する。左足は進行方向に直行した状
態を保持したまま踏み付け部内側へ体重移動し左方向へ
蹴り出す力を受けるが、前記角度で設けられた母趾球部
突片Ｔ３、爪先部突片Ｔ１及び踵内甲側突片Ｈ１により
左方向へのグリップを確保することができる。加速後期
では、右足の爪先部に体重が移動し、爪先部突片Ｔ１、
Ｔ２によりグリップを確保して後方へ蹴り出す。左足に
おいても体重が爪先内側へ移動し、爪先部突片Ｔ１と母
趾球部突片Ｔ３によりグリップを確保して後方へ蹴り出
す。
【００２０】図８は左前方へダッシュする場合の剪断応
力分布図である。左前方へダッシュする動作は、両足が
進行方向からやや外側を向いた状態の静止立位から体の
向きを左前方の進行方向に回転させ、加速を始める。加
速準備期では、この回転運動を始動するため体重は一旦
右足の内側にかかり左足は爪先を進行方向に向けるよう
に回転した後再び踏み付け部より接地する。加速前期か
ら中期にかけて、左足では踏み付け部内側から踏み付け
部全体に体重が移動してゆき、前記角度で設けられた母
趾球部突片Ｔ３、及び子趾球部突片Ｍ２がグリップを確
保する。右足は踏み付け部の接地領域が外甲側へ拡大し
てゆき、更に踵内側まで接地領域が拡大して右後方向へ
蹴り出す力を受けるが、前記角度で設けられた母趾球部
突片Ｔ３、踏み付け部突片Ｍ１、踵内甲側突片Ｈ１、及
び踵前方部突片突片Ｈ２により右後方向へのグリップを
確保することができる。加速後期では、左足の爪先部に
体重が移動し、爪先部突片Ｔ１、Ｔ２によりグリップを
確保して後方へ蹴り出す。右足においても体重が爪先内
側へ移動し、爪先部突片Ｔ１によりグリップを確保して
後方へ蹴り出す。
力分布図である。左前方へダッシュする動作は、両足が
進行方向からやや外側を向いた状態の静止立位から体の
向きを左前方の進行方向に回転させ、加速を始める。加
速準備期では、この回転運動を始動するため体重は一旦
右足の内側にかかり左足は爪先を進行方向に向けるよう
に回転した後再び踏み付け部より接地する。加速前期か
ら中期にかけて、左足では踏み付け部内側から踏み付け
部全体に体重が移動してゆき、前記角度で設けられた母
趾球部突片Ｔ３、及び子趾球部突片Ｍ２がグリップを確
保する。右足は踏み付け部の接地領域が外甲側へ拡大し
てゆき、更に踵内側まで接地領域が拡大して右後方向へ
蹴り出す力を受けるが、前記角度で設けられた母趾球部
突片Ｔ３、踏み付け部突片Ｍ１、踵内甲側突片Ｈ１、及
び踵前方部突片突片Ｈ２により右後方向へのグリップを
確保することができる。加速後期では、左足の爪先部に
体重が移動し、爪先部突片Ｔ１、Ｔ２によりグリップを
確保して後方へ蹴り出す。右足においても体重が爪先内
側へ移動し、爪先部突片Ｔ１によりグリップを確保して
後方へ蹴り出す。
【００２１】図９は右前方へダッシュする場合の剪断応
力分布図である。右前方へダッシュする動作は、両足が
進行方向からやや外側を向いた状態の静止立位から体の
向きを右前方の進行方向に回転させ、加速を始める。加
速準備期では、この回転運動を始動するため体重は一旦
左足の内側にかかり右足は爪先を進行方向に向けるよう
に回転した後再び踏み付け部内側より接地する。加速前
期から中期にかけて、右足では踏み付け部内側から踏み
付け部全体に体重が移動してゆき、前記角度で設けられ
た母趾球部突片Ｔ３、及び子趾球部突片Ｍ２がグリップ
を確保する。左足は踏み付け部の接地領域が外甲側へ拡
大してゆき、更に踵内側まで接地領域が拡大して左後方
向へ蹴り出す力を受けるが、前記角度で設けられた母趾
球部突片Ｔ３、踏み付け部突片Ｍ１、踵内甲側突片Ｈ
１、及び踵前方部突片Ｈ２により左後方向へのグリップ
を確保することができる。加速後期では、右足の爪先部
に体重が移動し、爪先部突片Ｔ１、Ｔ２によりグリップ
を確保して後方へ蹴り出す。左足においても体重が爪先
内側へ移動し、爪先部突片Ｔ１によりグリップを確保し
て後方へ蹴り出す。
力分布図である。右前方へダッシュする動作は、両足が
進行方向からやや外側を向いた状態の静止立位から体の
向きを右前方の進行方向に回転させ、加速を始める。加
速準備期では、この回転運動を始動するため体重は一旦
左足の内側にかかり右足は爪先を進行方向に向けるよう
に回転した後再び踏み付け部内側より接地する。加速前
期から中期にかけて、右足では踏み付け部内側から踏み
付け部全体に体重が移動してゆき、前記角度で設けられ
た母趾球部突片Ｔ３、及び子趾球部突片Ｍ２がグリップ
を確保する。左足は踏み付け部の接地領域が外甲側へ拡
大してゆき、更に踵内側まで接地領域が拡大して左後方
向へ蹴り出す力を受けるが、前記角度で設けられた母趾
球部突片Ｔ３、踏み付け部突片Ｍ１、踵内甲側突片Ｈ
１、及び踵前方部突片Ｈ２により左後方向へのグリップ
を確保することができる。加速後期では、右足の爪先部
に体重が移動し、爪先部突片Ｔ１、Ｔ２によりグリップ
を確保して後方へ蹴り出す。左足においても体重が爪先
内側へ移動し、爪先部突片Ｔ１によりグリップを確保し
て後方へ蹴り出す。
【００２２】以上、本発明に係る各突片の機能について
説明したが、これら突片を更に有効に機能させるために
は、靴底自体が適当な領域で屈曲することが必要であ
る。そのため、本発明に係る野球用スパイクシューズの
他の実施例として、図１及び図２に示すように、靴底本
体に第一趾から第五趾までの中足骨骨頭部を結んだ線に
沿って踏み付け部屈曲溝５を設けたり、あるいは靴底本
体に爪先部突片の後方から踏み付け部突片の前方を経
て、母趾球部突片の後方部に至る前足部屈曲溝４を設け
ることも可能である。特に、踏み付け部屈曲溝５は前方
部へのランニング時に有効に働き、前足部屈曲溝４は側
方部へのダッシュやバッティング、スローイング時など
前足部内甲側から爪先部のグリップを必要とする動作に
おいて、前足部に設けられた爪先部突片Ｔ１、Ｔ２及び
母趾球部突片Ｔ３を有効に機能させる作用がある。更
に、他の実施例として、図２に示すように靴底表面に補
助突起６や、補助突片７を設けることができる。これら
の補助突起６や補助突片７は前記各突片のグリップ力を
補助し、機能の向上に寄与するものである。
説明したが、これら突片を更に有効に機能させるために
は、靴底自体が適当な領域で屈曲することが必要であ
る。そのため、本発明に係る野球用スパイクシューズの
他の実施例として、図１及び図２に示すように、靴底本
体に第一趾から第五趾までの中足骨骨頭部を結んだ線に
沿って踏み付け部屈曲溝５を設けたり、あるいは靴底本
体に爪先部突片の後方から踏み付け部突片の前方を経
て、母趾球部突片の後方部に至る前足部屈曲溝４を設け
ることも可能である。特に、踏み付け部屈曲溝５は前方
部へのランニング時に有効に働き、前足部屈曲溝４は側
方部へのダッシュやバッティング、スローイング時など
前足部内甲側から爪先部のグリップを必要とする動作に
おいて、前足部に設けられた爪先部突片Ｔ１、Ｔ２及び
母趾球部突片Ｔ３を有効に機能させる作用がある。更
に、他の実施例として、図２に示すように靴底表面に補
助突起６や、補助突片７を設けることができる。これら
の補助突起６や補助突片７は前記各突片のグリップ力を
補助し、機能の向上に寄与するものである。
【００２３】本発明に係る各スパイク金具は、所定形状
に形成された金属板をプレス加工により突片部を立ち上
げて形成することができるし、鋳造法によって形成する
こともできる。また、各スパイク金具は、ナイロンやポ
リウレタン等の合成樹脂で形成することも可能であり、
これら合成樹脂と金属とを組み合わせて形成することも
可能である。例えば、前記連結座金２を合成樹脂で形成
し、該連結座金２の先端部付近に金属で成形した突片を
固着する方法などが可能である。本発明に係る各突片の
靴底への係止方法は、特に限定されるものではないが、
係止孔３に係止ピンやボルト・ナットで係止することが
可能である。更に図示はしないが、インジェクション製
法等により各突片の連結座金２を靴底本体内に埋設し、
各突片部分を靴底表面から突設することも可能である。
この場合、各突片はそれぞれ独立したものであってもよ
い。
に形成された金属板をプレス加工により突片部を立ち上
げて形成することができるし、鋳造法によって形成する
こともできる。また、各スパイク金具は、ナイロンやポ
リウレタン等の合成樹脂で形成することも可能であり、
これら合成樹脂と金属とを組み合わせて形成することも
可能である。例えば、前記連結座金２を合成樹脂で形成
し、該連結座金２の先端部付近に金属で成形した突片を
固着する方法などが可能である。本発明に係る各突片の
靴底への係止方法は、特に限定されるものではないが、
係止孔３に係止ピンやボルト・ナットで係止することが
可能である。更に図示はしないが、インジェクション製
法等により各突片の連結座金２を靴底本体内に埋設し、
各突片部分を靴底表面から突設することも可能である。
この場合、各突片はそれぞれ独立したものであってもよ
い。
【００２４】他の実施例として図１１及び図１２に示す
ように、靴底底面に爪先部突片Ｔ１、Ｔ２、母趾球部突
片Ｔ３、踏み付け部突片Ｍ１、子趾球部突片Ｍ２を備え
た野球用スパイクシューズの靴底であって、更に、母趾
球部のやや後方に前記足長線にほぼ平行に母趾球部後方
突片Ｍ３を設けることも可能である。該突片Ｍ３は、特
にバッティング時に横方向に働く剪断応力に対し有効な
グリップ力を発揮し、前記母趾球部突片Ｔ３のグリップ
力を補助することができる。
ように、靴底底面に爪先部突片Ｔ１、Ｔ２、母趾球部突
片Ｔ３、踏み付け部突片Ｍ１、子趾球部突片Ｍ２を備え
た野球用スパイクシューズの靴底であって、更に、母趾
球部のやや後方に前記足長線にほぼ平行に母趾球部後方
突片Ｍ３を設けることも可能である。該突片Ｍ３は、特
にバッティング時に横方向に働く剪断応力に対し有効な
グリップ力を発揮し、前記母趾球部突片Ｔ３のグリップ
力を補助することができる。
【００２５】更に他の実施例として、靴底底面の踵部に
設けられた前記各突片のうち、踵前方部突片Ｈ３を除く
踵内甲側突片Ｈ１、踵後端部突片Ｈ３及び踵外甲側突片
Ｈ４、を備えたことを特徴とする野球用スパイクシュー
ズの靴底とすることも可能である。ランニング動作を主
とする選手においては、前記踵前方部突片Ｈ３を除いた
方が運動能力が向上する場合もある。即ち、全速力でダ
ッシュする場合は、主に前足部の各突片がグリップ力を
発揮し、踵前方部突起が有効に作用しないからである。
設けられた前記各突片のうち、踵前方部突片Ｈ３を除く
踵内甲側突片Ｈ１、踵後端部突片Ｈ３及び踵外甲側突片
Ｈ４、を備えたことを特徴とする野球用スパイクシュー
ズの靴底とすることも可能である。ランニング動作を主
とする選手においては、前記踵前方部突片Ｈ３を除いた
方が運動能力が向上する場合もある。即ち、全速力でダ
ッシュする場合は、主に前足部の各突片がグリップ力を
発揮し、踵前方部突起が有効に作用しないからである。
【００２６】
【発明の効果】本発明は、次のような効果を奏する。本
発明による野球用スパイクシューズは、各運動動作を解
析することにより最も効果的な部位に各突片が設けられ
ているため、運動中のキック力等を確実に路面に伝達す
ることを可能にし運動の効率を向上させる。また、運動
時の前足部の自然な屈曲が可能となり、各突片の機能が
十分に発揮されると共に、競技者の足へのストレスを減
少し、疲労を軽減することも可能となる。
発明による野球用スパイクシューズは、各運動動作を解
析することにより最も効果的な部位に各突片が設けられ
ているため、運動中のキック力等を確実に路面に伝達す
ることを可能にし運動の効率を向上させる。また、運動
時の前足部の自然な屈曲が可能となり、各突片の機能が
十分に発揮されると共に、競技者の足へのストレスを減
少し、疲労を軽減することも可能となる。
【図１】図１は本発明の一実施例の靴底の平面図であ
る。
る。
【図２】図２は他の実施例の靴底の平面図である。
【図３】図３は本発明に係る各突片の位置と、人体の足
部の骨格との対応を示す該略図である。
部の骨格との対応を示す該略図である。
【図４】図４は本発明に係る各突片の角度を示す該略図
である。
である。
【図５】図５は右打者のバッティング動作中の足圧分布
と加重ベクトルから得られた剪断応力分布図である。
と加重ベクトルから得られた剪断応力分布図である。
【図６】図６は右投げ選手のスローイング動作中の足圧
分布と加重ベクトルから得られた剪断応力分布図であ
る。
分布と加重ベクトルから得られた剪断応力分布図であ
る。
【図７】図７は右方向へダッシュする場合の足圧分布と
加重ベクトルから得られた剪断応力分布図である。
加重ベクトルから得られた剪断応力分布図である。
【図８】図８は左前方へダッシュする場合の足圧分布と
加重ベクトルから得られた剪断応力分布図である。
加重ベクトルから得られた剪断応力分布図である。
【図９】図９は右前方へダッシュする場合の足圧分布と
加重ベクトルから得られた剪断応力分布図である。
加重ベクトルから得られた剪断応力分布図である。
【図１０】図１０は本発明に係る靴底の斜視図である。
【図１１】図１１は本発明に係る靴底の平面図である。
【図１２】図１２は本発明に係る各突片の位置と、人体
の足部の骨格との対応を示す該略図である。
の足部の骨格との対応を示す該略図である。
【図１３】図１３は従来の野球用スパイクシューズの靴
底の平面図である。
底の平面図である。
【図１４】図１４は従来の野球用スパイクシューズの靴
底の平面図である。
底の平面図である。
１ 靴底本体 ２ 連結座金 ３ 係止項 ４ 前足部屈曲溝 ５ 踏み付け部屈曲溝 ６ 補助突起 ７ 補助突片 Ｔ１ 爪先部突片 Ｔ２ 爪先部突片 Ｔ３ 母趾球部突片 Ｍ１ 踏み付け部突片 Ｍ２ 子趾球部突片 Ｍ３ 母趾球部後方突片 Ｈ１ 踵内甲側突片 Ｈ２ 踵前方部突片 Ｈ３ 踵後端部突片 Ｈ４ 踵外甲側突片 θT1 爪先部突片Ｔ１が足長線となす角度 θT2 爪先部突片Ｔ２が足長線となす角度 θT3 母趾球部突片Ｔ３が足長線となす角度 θM1 踏み付け部突片Ｍ１が足長線となす角度 θM2 子趾球部突片Ｍ２が足長線となす角度 θH4 踵外甲側突片Ｈ４が足長線となす角度 Ｘ 最先端部 Ｙ 最後端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭53−10632（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭52−132223（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−13007（ＪＰ，Ｕ) 実開 平６−21408（ＪＰ，Ｕ) 日本国意匠公報758666（ＪＰ，Ｓ) 日本国意匠公報313860（ＪＰ，Ｓ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A43B 13/26
Claims (19)
- 【請求項１】 靴底底面の第一趾末節骨先端と第二趾末
節骨先端との間に、足長線に対して内足側に、７５°〜
９０°の踵側角度を有して配置された第一爪先部突片
（Ｔ１）、 前記第二趾末節骨先端と第三趾末節骨先端との間に、前
記足長線に対して外足側に、６０°〜９０°の踵側角度
を有して配置された第二爪先部突片（Ｔ２）、 前記靴底底面の母趾球部のやや前方に対応する部位に、
前記足長線に対して内足側に、４５°〜９０°の踵側角
度を有して配置された母趾球部突片（Ｔ３）、 前記靴底底面の第三趾基節骨近節に対応する部位に、前
記足長線に対して外足側に、３０°〜６０°のつま先側
角度を有して配置された踏み付け部突片（Ｍ１）、およ
び前記靴底底面の第四趾基節骨近位部と第五趾基節骨近
位部との間に対応する位置に、前記足長線に対して外足
側に、５０°〜８０°の踵側角度を有して配置された子
趾球部突片（Ｍ２）を備えたことを特徴とする、野球用
スパイクシューズの靴底。 - 【請求項２】 さらに、前記靴底底面の踵部に踵内甲側
突片（Ｈ１）、踵前方部突片（Ｈ２）、踵後端部突片
（Ｈ３）および踵外甲側突片（Ｈ４）を備えたことを特
徴とする、請求項１に記載の野球用スパイクシューズの
靴底。 - 【請求項３】 さらに、前記靴底底面の踵部に踵内甲側
突片（Ｈ１）、踵後端部突片（Ｈ３）および踵外甲側突
片（Ｈ４）を備えたことを特徴とする、請求項１に記載
の野球用スパイクシューズの靴底。 - 【請求項４】 さらに、前記母趾球部のやや後方に母趾
球部後方突片（Ｍ３）を備えたことを特徴とする、請求
項１から３のいずれかに記載の野球用スパイクシューズ
の靴底。 - 【請求項５】 さらに、前記第一および第二爪先部突片
（Ｔ１，Ｔ２）と前記母趾球部突片（Ｔ３）とが連結座
金（２）で一体に形成されたことを特徴とする、請求項
１に記載の野球用スパイクシューズの靴底。 - 【請求項６】 さらに、前記踏み付け部突片（Ｍ１）と
前記子趾球部突片（Ｍ２）とが連結座金（２）で一体に
形成されたことを特徴とする、請求項１に記載の野球用
スパイクシューズの靴底。 - 【請求項７】 さらに、前記踏み付け部突片（Ｍ１）と
前記子趾球部突片（Ｍ２）と前記母趾球部後方突片（Ｍ
３）とが連結座金で一体に形成されたことを特徴とす
る、請求項４に記載の野球用スパイクシューズの靴底。 - 【請求項８】 さらに、前記踵内甲側突片（Ｈ１）、前
記踵前方部突片（Ｈ２）、前記踵後端部突片（Ｈ３）お
よび前記踵外甲側突片（Ｈ４）とが連結座金（２）で一
体に形成されたことを特徴とする、請求項２に記載の野
球用スパイクシューズの靴底。 - 【請求項９】 前記各突片をそれぞれ別体に形成して前
記靴底底面に固着したことを特徴とする、請求項１から
８のいずれかに記載の野球用スパイクシューズの靴底。 - 【請求項１０】 前記踵内甲側突片（Ｈ１）が前記足長
線に対してほぼ平行に設置されたことを特徴とする、請
求項２，３および８のいずれかに記載の野球用スパイク
シューズの靴底。 - 【請求項１１】 前記踵前方部突片（Ｈ２）が前記足長
線に対してほぼ直角に設置されたことを特徴とする、請
求項２または８に記載の野球用スパイクシューズの靴
底。 - 【請求項１２】 前記踵後端部突片（Ｈ３）が前記足長
線に対してほぼ直角に設置されたことを特徴とする、請
求項２，３および８のいずれかに記載の野球用スパイク
シューズの靴底。 - 【請求項１３】 前記母趾球部の後方突片（Ｍ３）が前
記足長線に対してほぼ平行に設置されたことを特徴とす
る、請求項４または７に記載の野球用スパイクシューズ
の靴底。 - 【請求項１４】 前記各突片を金属で形成したことを特
徴とする、請求項１から１３のいずれかに記載の野球用
スパイクシューズの靴底。 - 【請求項１５】 前記各突片を合成樹脂で形成したこと
を特徴とする、請求項１から１３のいずれかに記載の野
球用スパイクシューズの靴底。 - 【請求項１６】 前記連結座金を合成樹脂で形成したこ
とを特徴とする、請求項５から８のいずれかに記載の野
球用スパイクシューズの靴底。 - 【請求項１７】 前記各突片を合成樹脂で前記靴底本体
と一体に形成したことを特徴とする、請求項１から１３
のいずれかに記載の野球用スパイクシューズの靴底。 - 【請求項１８】 前記野球用スパイクシューズの靴底に
おいて、前記靴底本体に第一趾と第五趾までの中足骨骨
頭部を結ぶ踵方向に凸となる湾曲線に沿って踏み付け部
屈曲溝（５）を設けたことを特徴とする、請求項１から
１７のいずれかに記載の野球用スパイクシューズの靴
底。 - 【請求項１９】 前記野球用スパイクシューズの靴底に
おいて、ソール本体に爪先部突片の後方から踏み付け部
突片の前方を経て母趾球部突片の後方部に至る前足部屈
曲溝（４）を設けたことを特徴とする、請求項１から１
８のいずれかに記載の野球用スパイクシューズの靴底。
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