JP3181102U - 扉構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】床面側のシールパッキンが取付けられた扉枠を無くして室内への出入りの際の障害を無くし、床面に当接して押圧する弾性部材と弾性部材に押圧力を付加して固定する押圧付加手段を扉に備えて防音・防水機能を保持する扉構造体を提供する。
【解決手段】床面17に対応して開放部が形成された扉枠7と、扉枠7に対して開閉可能に支持される第2扉102と、開放部以外の扉枠7の周囲に取り付けられたシールパッキン10と、第2扉102の下部に取り付けられた第1弾性部材18と、扉枠7に対して第2扉102を閉塞した状態で第1弾性部材18を扉枠7の開放部を介して床面17に押圧する押圧付加手段23とを備えた。
【選択図】図14

Description

本考案は、建物等の室内外の防音性や室内の防水性を備える扉構造体に関し、特に設置面の方向に開放部が形成された扉枠の設置面に対応する防音・防水機能を備えた扉構造体に関するものである。
従来より、ビルやマンション等においては、扉に対して防音・防水性を高める技術が要求されている。
そのための技術として、扉と扉枠との間に付設されて防音・防水性を高めるシールパッキンの様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、スチールドアに用いられるシールパッキンの技術が開示されており、この圧着部材は、ドア閉止時にドア外周部の四辺に沿ったシールを形成するように、ドア枠に取付けられるものであり、ドア枠に形成された凹部(溝)に嵌め込まれる基端側の基部(固着部)と、先端側に配置された当接部とを備えている。
ドア閉止時には、当接部がドア表面の外縁部に密着することによって、ドアとドア枠との間に密封シールを形成し、密閉・防音性を確保している。
又、特許文献2には、防水扉を出入口部を備えた開口枠の竪枠に蝶番装置により揺動可能に枢着し、蝶番装置を、開口枠に装着されて上下方向のヒンジピンを保持するピン保持部材と、防水扉に装着されて閉鎖状態において内外方向に長いヒンジピン嵌合用の長孔を有する長孔形成部材と、長孔に嵌合するヒンジピンを閉鎖状態において防水扉が開口枠から遠くなる長孔の一端側に位置決めする位置決め手段で構成し、防水扉の枢着側竪縁部と自由端側竪縁部に夫々開口枠に設けた係合部材と係合して防水扉を開口枠側へ引寄せる引寄せハンドル装置を装着して開口枠に取り付けられたシールパッキンを防水扉が押圧する技術が記載されている。
特開2002−357061号公報 特開2008−31710号公報
しかしながら、上記特許文献1又は特許文献2の防音・防水扉の構成によれば、出入口部を備えたドア枠又は開口枠が防音・防水扉の上下左右の四方向にあり、特に床面にあるために人が室内に出入りする際に躓くという問題がある。
更に、台車や車椅子の室内への出入りには傾斜板等の踏み板をその都度設置しなければならないという問題もある。
本考案は上述の問題点を解消するためになされたものであり、上下左右に設けられる扉枠の設置面側のシールパッキンが取付けられた扉枠(下端の扉枠)を撤去し、室内への出入りの際の障害を無くすとともに、設置面側のシールパッキンが取付けられた扉枠を撤去しても設置面に当接して押圧する可動式弾性部材と可動式弾性部材に押圧力を付加して固定する押圧付加手段を扉に備えることにより、必要に応じて防音・防水性を高めることができる扉構造体の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に係る扉構造体は、設置面に対応して開放部が形成された扉枠と、前記扉枠に対して開閉可能に支持される扉と、前記開放部以外の扉枠の周囲に取り付けられるとともに前記扉枠に対して前記扉を閉塞したときに扉の周囲を押圧するシールパッキンと、前記扉の下部に取り付けられた弾性部材と、前記弾性部材を扉枠の開放部を介して設置面に押圧する押圧手段とを備えたことを特徴とする。
又、請求項2に係る扉構造体は、請求項1に記載の扉構造体において、前記扉枠の設置面には、前記開放部に対応して設置面と同一の高さとなる扉枠部材が埋め込まれていることを特徴とする。
又、請求項3に係る扉構造体は、請求項1又は請求項2に記載の扉構造体において、前記弾性部材は、扉枠の開放部を介して設置面に押圧されるときに前記シールパッキン側に膨出することを特徴とする。
又、請求項4に係る扉構造体は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の扉構造体において、前記弾性部材は、前記扉の下部にて扉の幅方向に沿って空洞部を有する筒型形状に形成されていることを特徴とする。
そして、請求項5に係る扉構造体は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の扉構造体において、前記押圧手段は、水平状態を保持しつつ前記弾性部材を下方に向かって均一に押圧する押圧板を備えることを特徴とする。
請求項1に係る扉構造体によれば、設置面に対応して開放部が形成された扉枠と、扉枠に対して開閉可能に支持される扉と、開放部以外の扉枠の周囲に取り付けられるとともに扉枠に対して扉を閉塞したときに扉の周囲を押圧するシールパッキンと、扉の下部に取り付けられた弾性部材と、弾性部材を扉枠の開放部を介して設置面に押圧する押圧手段とを備えた構成になっている。
この構成によれば、防音・防水のためのシールパッキンが取り付けられた扉枠を設置面から無くしても、人が操作できる押圧手段により扉の下部に取り付けられた弾性部材を扉枠の開放部を介して設置面に押圧することができるので、必要に応じて防音・防水性を高めることができる。
換言すれば、この弾性部材と押圧手段により、防音・防水のためのシールパッキンを取り付けた扉枠を設置面から無くすことができるので、人が室内に出入りする際に扉枠に躓くという問題を無くすことができる。
更に、台車や車椅子の室内への出入りには傾斜板等の踏み板をその都度設置しなければならないという問題も無くすことができる。
又、防音・防水のためのシールパッキンを取り付けた扉枠が設置面にあるために、シールパッキンに塵が溜まり易くシールパッキンと扉の間の密閉度を悪くするという問題もあるが、シールパッキンを取り付けた扉枠を設置面から無くすことにより塵の溜まる場所を無くすことができ、代わりにシールパッキンを取り付けた扉枠の無い設置面を弾性部材で密閉するので塵による密閉度の悪化を無くすことができる。
更に、弾性部材を備える押圧手段が扉に取り付けられているので扉を開ける行程の何処でも弾性部材を扉枠の設置面に押圧して扉を止めることができる。
即ち、防音・防止機能以外に扉のストッパとしての機能を持たせることができる。
次に、請求項2に係る扉構造体によれば、扉枠の設置面には、開放部に対応して設置面と同一の高さとなる扉枠部材が埋め込まれている。
これにより、設置面にタイル等の外装部材が張られることによって、表面に凹凸や隙間が発生することを予め予測できる場合には、扉枠の設置面に設置面と同一の高さとなる扉枠部材を埋め込んで設置面の代替をさせることにより、弾性部材と設置面の密着性を阻害する要因を取り除くことができる。
次に、請求項3に係る扉構造体によれば、弾性部材は、扉枠の開放部を介して設置面に押圧されるときにシールパッキン側に膨出するようになっている。
これにより、弾性部材と扉枠に取り付けられているシールパッキンが当接して密着し、更に弾性部材と扉枠の設置面が当接して密着していることにより、扉の上下左右の四方を連続してシールすることができるので防音・防水性を高めることができる。
次に、請求項4に係る扉構造体によれば、弾性部材は、扉の下部にて扉の幅方向に沿って空洞部を有する筒型形状に形成されている。
弾性部材の断面形状が空洞部を有する筒型形状に形成にすることにより、設置面に対して当接面積を広くして当接させることができ、密閉度を高めることができる。
更に、筒型形状の剛性により、扉の幅方向に対する弾性部材の波打ち現象を無くすとともに、設置面に対して当接面積を広くして当接させることができ、密閉度を高めることができる。
又、弾性部材の断面形状が空洞部を有する筒型形状に形成にすることにより、弾性部材を設置面に当接させたとき、弾性部材の断面形状の左右方向に膨張させることができる。
これにより、扉の下部の裏面と、設置面と、扉枠のシールパッキンとの三方に弾性部材を密着させることができる。
そのため、扉の下部の幅方向に対する面積の広いシールが可能になり、扉に対して高い防音・防水性を得ることができる。
そして、請求項5に係る扉構造体によれば、押圧手段は、水平状態を保持しつつ弾性部材を下方に向かって均一に押圧する押圧板を備える。
この押圧板に弾性部材を取り付けることにより、弾性部材の撓みを無くすことができる。
更に、押圧手段は、水平状態を保持しつつ弾性部材を下方に向かって均一に押圧するので、弾性部材の設置面に対する斑の無い当接をおこなうことができることにより、扉に対して高い防音・防水性を得ることができる。
本第1実施形態に係る防音・防水扉を構成する扉構造体の構成を説明する正面図である。 防音・防水扉を構成する扉構造体の構成を説明する裏面図である。 シールパッキンが取り付けられた位置を示す正面図である。 扉を扉枠の中に引き込む行程を説明する扉構造体の上面から見た部分断面透視図である。 扉を扉枠の中に引き込み第1弾性部材を床面に当接する行程を説明する扉構造体の側面から見た部分断面透視図である。 扉を扉枠の中に引き込むこと無しに第1弾性部材を床面に当接する行程を説明する扉構造体の側面から見た部分断面透視図である。 扉を扉枠の中から押し出す行程を説明する扉構造体の上面から見た部分断面透視図である。 第1弾性部材を床面から離し、扉を扉枠の中から押し出す行程を説明する扉構造体の側面から見た部分断面透視図である。 扉に取り付けられた脱出用扉の構成を説明する上面から見た部分断面透視図である。 扉に取り付けられた避難梯子の構成を説明する側面から見た部分断面透視図である。 本第2実施形態に係る防音・防水扉を構成する扉構造体の構成を説明する正面図である。 防音・防水扉を構成する扉構造体の構成を説明する裏面図である。 扉の開閉動作を説明する扉構造体の上面から見た部分断面透視図である。 第1弾性部材を床面に当接する行程を説明する扉構造体の側面から見た部分断面透視図である。
本考案に係る扉枠の開放された設置面に対応する防音・防水機能を備えた第1扉構造体1について、本考案を具体化した第1実施形態に基づき図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1乃至図3に基づいて、第1実施形態に係る第1扉構造体1の構成を説明する。
図1乃至図3に示すように、第1扉構造体1は、第1操作ハンドル2が取付けられた第1表面3及び第1操作ハンドル2と連動する第2操作ハンドル4が取付けられた第2表面5を有する第1扉6と、第1扉6を収納する扉枠7と、第1扉6と扉枠7を開閉可能に連結するヒンジ部材8と、第1扉6を扉枠7にヒンジ部材8を介して第1表面3側から収納した状態において、第1扉6の第2表面5と対向する扉枠7の位置に設けられた並行する2本の第1嵌合溝部9(図3のA−A断面図からC−C断面図参照)と、この2本の第1嵌合溝部9に取り付けられると共に第1扉6の第2表面5に当接する2本のシールパッキン10(図3のA−A断面図からC−C断面図参照)と、左右の扉枠7に埋め込んで取付けられたガイド溝部材11(図3、図4、図5参照)と、第1扉6の第2表面5に取付けられると共に先端にガイド溝部材11に挿入される第1作用部12を設けて第1扉6を扉枠7内に押圧して固定するロックハンドル13と、第1扉6のヒンジ部材8側の第2表面5に取付けられたロック解除傾斜部材14と、ヒンジ部材8側の扉枠7に取付けられると共に先端にロック解除傾斜部材14と当接して摺動する第2作用部15を設けて第1扉6を扉枠7内から押出すロック解除ハンドル16と、設置面17(以下床面17)、第1扉6の下端及びシールパッキン10と当接する第1弾性部材18に押圧力を付加する押圧板19、押圧板取付部20、延伸押圧軸21、足踏式ロックバー22で構成される押圧付加手段23とによって構成されている。
尚、第1扉6と扉枠7自体には、内部に防音材を収納したり、隙間を封止したりすることによる防音・防水機能を備えている。
更に、図1、図2に基づいて、第1扉構造体1に附随する災害時の対応具について説明する。
第1扉6には、扉中央より上部に脱出扉用ヒンジ部材24を介して脱出用扉25が取付けられている。
脱出用扉25には、脱出扉用ハンドル26が第1扉6の第2表面5側に取付けられ、脱出扉用ハンドル26によって脱出扉用ヒンジ部材24を介して第1扉6の第1表面3側に開くことができる。
脱出用扉25を閉じてロックするには、脱出扉用ハンドル26を第1扉6の第2表面5側に引き、脱出用扉25の表面を第1扉6に取付けられている脱出扉用シールパッキン27(図9参照)に当接させると共に、脱出扉用ハンドル26の先端に設けられた第3作用部28を第1扉6の第2表面5に取付けられたロック受け部材29に当接し、ロック受け部材29に設けられたロック受け傾斜部30に第3作用部28を摺動させることにより、脱出用扉25を完全に閉じてロックすることができる。
又、第1扉6の第1表面3側の様子を確認するために脱出用扉25にはドアスコープ31が取付けられている。
これにより、外部の様子を確認することができるので脱出用扉25の開扉操作を安全におこなうことができる。
又、脱出用扉25の近傍には、脱出用扉25を使用するときに使用する避難梯子32が第1扉6の第2表面5に取付けられている。
使用しないときは、折り畳まれている。
又、第1扉6の第1表面3側が浸水したときに、浸水の量を知るための水位計33が第1扉6の第2表面5に取付けられていると共に、第1扉6の第1表面3の下方に水位計取水口34、上方に水位計排気口36がパイプ形状で取付けられている。
クリーニングのために、取り外しはできるが第1扉6の第2表面5側の気密は保たれている。
次に、図4乃至図6に基づいて、第1扉構造体1の通常の防音・防水性を保持する通常の使用状態と、一段上の防音・防水性を必要としたときに、防音・防水性を更にアップする状態に切り替える機能について説明する。
ここで、図4(A)は、通常の第1操作ハンドル2又は第2操作ハンドル4による第1扉6の開閉動作で第1扉6が閉じられた状態における第1扉構造体1を上方から見た部分断面透視図、図4(B)は、図4(A)の状態からロックハンドル13により第1扉6が扉枠7内に更に引き込まれた状態の第1扉構造体1を上方から見た部分断面透視図である。
又、図5(A)は、通常の第1操作ハンドル2又は第2操作ハンドル4による第1扉6の開閉動作で第1扉6が閉じられた状態における第1扉構造体1を側面から見た部分断面透視図、図5(B)は、図5(A)の状態からロックハンドル13により第1扉6が扉枠7内に更に引き込まれた状態に加え、押圧付加手段23が操作された状態の第1扉構造体1を側面から見た部分断面透視図である。
又、図6(A)は、通常の第1操作ハンドル2又は第2操作ハンドル4による第1扉6の開閉動作で第1扉6が閉じられた状態における第1扉構造体1を側面から見た部分断面透視図、図6(B)は、図6(A)の状態から押圧付加手段23が操作された状態の第1扉構造体1を側面から見た部分断面透視図である。
先ず、図4乃至図6に基づいて、第1扉構造体1の構成を詳細に説明する。
第1扉構造体1を構成する扉枠7は、上方と左右のコ字状に設けられており、下方は開放された床面17である。
これにより、人が室内に出入りする際に躓くという問題、又、台車や車椅子の室内への出入りには傾斜板等の踏み板をその都度設置しなければならないという問題を無くすことができる。
そして、この何も無い床面17に対する防音・防水方法を説明する。
図4乃至図6に示すように、左右の一方の扉枠7の上端及び下端の近傍には、2組のヒンジ部材8を構成する回動軸35を設けた二つの第1ヒンジ37がそれぞれ4本の第1ネジ38によって固着されている。
この回動軸35には、ボールベアリング39がそれぞれ装着されている。
更に、第1扉6には、扉枠7に固着された二つの第1ヒンジ37の回動軸35と対応する位置に長円状の支持孔40が設けられた二つの第2ヒンジ41がそれぞれ6本の第2ネジ42によって固着されている。
この長円状の支持孔40には、第1扉6が通常の開閉操作を行なうための第1支持端部43と、ロックハンドル13の押圧によって第1扉6が移動して支持される第2支持端部44が設けられている。
そして、第1扉6は、扉枠7に第1ネジ38で固着された二つの第1ヒンジ37の回動軸35に装着されたボールベアリング39に対し、第1扉6に第2ネジ42で固着された二つの第2ヒンジ41の長円状の支持孔40が装着されることによって支持される。
このボールベアリング39により、支持された第1扉6の通常の開閉操作をスムースに行うことができる。
又、二つの第1ヒンジ37の回動軸35に装着されたボールベアリング39に対し、二つの第2ヒンジ41の長円状の支持孔40が装着された状態のとき、第2ヒンジ41に設けられた弾性部材装着孔45に第2弾性部材46が装着されており、第2弾性部材46の一方の端部が押圧駒47を介してボールベアリング39を第1支持端部43に当接するように第1支持端部43方向に押圧し、他方の端部は第2ヒンジ41に固着される2本の係止ピン48によって係止されている。
又、第1扉6の第2表面5側の左右の端部には、第1作用部12を備えるロックハンドル13がそれぞれ4個ずつ配置され、それぞれ3本の第3ネジ49によって固着されている。(図2参照)
更に、左右の扉枠7の側面には、それぞれのロックハンドル13が備える第1作用部12の対向する位置に第1作用部12をガイドするガイド溝50を備えたガイド溝部材11が、それぞれ4本の第4ネジ51によって固着されている。
そして、ガイド溝50には、ロックハンドル13の第1作用部12を摺動させて、第1ヒンジ37の回動軸35に装着されたボールベアリング39が、第2ヒンジ41の長円状の支持孔40の第1支持端部43から第2支持端部44に移動させるために必要な傾斜を備えた押圧ガイド傾斜部52が設けられている。
一方、図5(A)、(B)に示すように、第1扉6の第2表面5の下端には、床面17と当接する第1弾性部材18に押圧力を付加する押圧板19、押圧板取付部20、延伸押圧軸21、足踏式ロックバー22で構成される押圧付加手段23が装着されている。
第1弾性部材18は、床面17、第1扉6の下端及び扉枠7の第1嵌合溝部9に取り付けられたシールパッキン10と当接して防音・防水パッキンの役目をする。
第1弾性部材18は筒形状をしており、長さは第1扉6の幅と同じ寸法に設定されている。
これにより、押圧付加手段23によって第1弾性部材18が押圧されたとき、床面17との当接は当然であるが、床面17との当接によって第1弾性部材18が横に膨らむので、第1扉6の下端及び扉枠7の第1嵌合溝部9に取り付けられたシールパッキン10とも強固に当接して防音・防水性を確実にする。
第1弾性部材18は、剛性を備える押圧板19に取り付けられ、床面17に対して均一に押圧されるようにしている。
押圧板19は、押圧板取付部20を介して延伸押圧軸21に取り付けられる。
延伸押圧軸21は、足踏式ロックバー22を所定の位置から足踏みすると、足踏式ロックバー22が支点(図示せず)を中心に回動し、延伸押圧軸21の軸を押し出して床面17、第1扉6の下端及び扉枠7の第1嵌合溝部9に取り付けられたシールパッキン10と当接した第1弾性部材18に所定の負荷をかけた状態で固定する役割を有する。
この状態から足踏式ロックバー22を足踏みして足を外すと、床面17と当接している第1弾性部材18に所定の負荷をかけた状態での固定がはずれ、延伸押圧軸21の軸が元に戻り、足踏式ロックバー22が所定の位置に戻る。
ここで、このように構成された第1扉構造体1の第1扉6を通常の第1扉6として操作したときの動作を説明する。
図4(A)、図5(A)に示すように、二つの第1ヒンジ37の回動軸35に装着されたボールベアリング39に対し、二つの第2ヒンジ41の長円状の支持孔40が装着された状態のとき、第2ヒンジ41に設けられた弾性部材装着孔45に第2弾性部材46が装着されており、第2弾性部材46の一方の端部が第2ヒンジ41に固着される2本の係止ピン48によって係止され、他方の端部が押圧駒47を介してボールベアリング39を第1支持端部43に当接させて押圧している。
この状態が第1支持端部43に当接されているボールベアリング39の中で回動軸35が回動して第1扉6の通常の開閉動作を行なうことができる状態である。
これにより、第1扉6を開く場合は、第1扉6の第1表面3に取り付けられた第1操作ハンドル2又は第1扉6の第2表面5に取り付けられた第2操作ハンドル4を回動操作することによって、ラッチ錠54のラッチ55をラッチ受け部56から外して開扉する。
又、第1扉6を閉じる場合は、第1扉6の第1表面3に取り付けられた第1操作ハンドル2又は第1扉6の第2表面5に取り付けられた第2操作ハンドル4を操作して扉枠7に押し込むことにより、ラッチ錠54のラッチ55がラッチ受け部56に自動的に挿入されて固定されることにより閉扉し閉塞された状態になる。
この状態から、押圧付加手段23によって、図6(B)に示すように、足踏式ロックバー22を所定の位置から足踏みすると足踏式ロックバー22が支点(図示せず)を中心に回動し、延伸押圧軸21の軸を押し出して床面17と当接した第1弾性部材18に所定の負荷をかけた状態で第1弾性部材18を床面17に固定するとともに第1弾性部材18の側面を扉枠7の第1嵌合溝部9のシールパッキン10と第1扉6の下端に当接させることができる。
ただし、この時には、ロックハンドル13は操作しない。
この第1弾性部材18の床面17に対する固定と第1弾性部材18の側面のシールパッキン10、第1扉6の下端との当接、及び、閉塞された第1扉6が左右及び上部の扉枠7の第1嵌合溝部9のシールパッキン10と当接してシールパッキン10に押圧されている状態とにより、第1扉6は、通常の使用状態における防音・防水機能を備える。
尚、床面にタイル等が貼られ、細かい凹凸や隙間が予め予測される場合は、図6に示すようにステンレス板等の一枚板で加工された床面用枠部材57を扉枠7の下方に床面17と同一面になるように埋め込むようにする。
これにより、第1弾性部材18とステンレス板等の一枚板で加工された床面用枠部材57との密着性を確保することができる。
更に、このように閉塞される通常使用の第1扉6を備えた第1扉構造体1は、一段上の防音・防水性を得る機能を備えている。その操作方法と機能を説明する。
先ず、図4(A)、図5(A)に示すように、閉塞状態にある第1扉6に対し、第1扉6の第2表面5側に取り付けられているロックハンドル13の第1作用部12を、左右の扉枠7の側面に取り付けられたガイド溝部材11のガイド溝50に設けられた押圧ガイド傾斜部52にあわせ、図4(B)、図5(B)(まだ押圧付加手段23は操作されていない)に示すように、押圧ガイド傾斜部52の傾斜部に摺動させて押圧ガイド傾斜部52の頂点に挿入する。
この操作を第1扉6の第2表面5側に取り付けられているロックハンドル13に対して全て行なう。
これにより、第1扉6は押圧ガイド傾斜部52の傾斜部の高さ方向の距離分だけ扉枠7の中に引き込まれ、図4(A)、図5(A)から図4(B)、図5(B)(まだ押圧付加手段23は操作されていない)の状態になる。
即ち、図4(A)、図5(A)の状態で、第1扉6の左右端部と上端部の第2表面5で押圧されていた扉枠7の第1嵌合溝部9に取り付けられたシールパッキン10は、押圧ガイド傾斜部52の傾斜部の高さ方向の距離分だけ更に押圧されて図4(B)、図5(B)(まだ押圧付加手段23は操作されていない)の状態になり、第1扉6の第2表面5とシールパッキン10の密着性はさらにアップする。
このとき、ヒンジ部材8の中では、ヒンジ部材8をそれぞれ構成する扉枠7に取り付けられた第1ヒンジ37の回動軸35に装着されたボールベアリング39が、第1扉6に取り付けられた第2ヒンジ41の長円状の支持孔40の第1支持端部43から第2支持端部44に押圧ガイド傾斜部52の傾斜部の高さ方向の距離分だけ移動する。
そして、図5(B)の押圧付加手段23がまだ操作されていない状態から、延伸押圧軸21は、足踏式ロックバー22を所定の位置から足踏みすると、足踏式ロックバー22が支点(図示せず)を中心に回動し、延伸押圧軸21の軸を押し出して床面17、第1扉6の下端及び扉枠7の第1嵌合溝部9に取り付けられたシールパッキン10と当接した第1弾性部材18に所定の負荷をかけた状態で固定する。
これにより、第1扉構造体1は、一段上の防音・防水性を得ることができる。
押圧付加手段23は、第1弾性部材18を単独で押圧することができるので、第1弾性部材18の弾性力を変更したり、延伸押圧軸21の延伸のストロークや位置を変更したりして、防音・防水のための第1弾性部材18の押圧力を最適のものにすることができる。
また、機構として、押圧付加手段23の全体を第1扉6の上下方向に移動可能にすることにより、第1弾性部材18が床面17と当接したときの押圧力を調整した後に固定できるようにしてもよい。
次に、図7、図8に基づいて、一段上の防音・防水状態に固定された第1扉構造体1の解除方法を説明する。
ここで、図7(A)は、ロックハンドル13により第1扉6が扉枠7内に更に引き込まれている状態の第1扉構造体1を上方から見た部分断面透視図、図7(B)は、図7(A)の状態からロック解除ハンドル16により、第1扉6が扉枠7内から押し出され、通常使用の位置に戻った状態の第1扉構造体1を上方から見た部分断面透視図である。
又、図8(A)は、ロックハンドル13により第1扉6が扉枠7内に更に引き込まれている状態に加え、押圧付加手段23が操作されている状態の第1扉構造体1を側面から見た部分断面透視図、図8(B)は、図8(A)の状態からロック解除ハンドル16により、第1扉6が扉枠7内から押し出され、通常使用の位置に戻った状態に加え、押圧付加手段23が解除された状態の第1扉構造体1を側面から見た部分断面透視図である。
先ず、図7、図8に基づいて、ロックハンドル13によって一段上の防音・防水状態に固定された第1扉構造体1のロックを解除する部材の構成を説明する。
一段上の防音・防水状態に固定された第1扉構造体1のロックを解除する部材としては、第1扉6のヒンジ部材8側の第2表面5にネジ(図示せず)で固着された二つのロック解除傾斜部材14と、ヒンジ部材8側の扉枠7の側面に3本の第5ネジ58によって固着されるとともに先端にロック解除傾斜部材14と当接して摺動する第2作用部15を設けて第1扉6を扉枠7内から押出す二つのロック解除ハンドル16である。
続いて、ロックハンドル13によって一段上の防音・防水状態に固定された第1扉構造体1のロックを解除する行程を説明する。
先ず、押圧付加手段23によって、床面17、第1扉6の下端及び扉枠7の第1嵌合溝部9に取り付けられたシールパッキン10と当接して固定されている第1弾性部材18の解除を行う。
そのために、押圧付加手段23の足踏式ロックバー22を足踏みして足を外すと、床面17、第1扉6の下端及び扉枠7の第1嵌合溝部9に取り付けられたシールパッキン10と当接している第1弾性部材18に所定の負荷をかけている状態の固定がはずれ、延伸押圧軸21の軸が元に戻り、足踏式ロックバー22が所定の位置に戻る。
その後、第1扉6の第2表面5に第1作用部12を有して固着されているロックハンドル13と扉枠7の側面に固着されているガイド溝部材11との組合せによる8カ所のロックをロックハンドル13を操作して解除する。
このとき、ヒンジ部材8の中では、第2ヒンジ41に設けられた弾性部材装着孔45に装着された第2弾性部材46の押圧力により、ヒンジ部材8をそれぞれ構成する扉枠7に取り付けられた第1ヒンジ37の回動軸35に装着されたボールベアリング39が、第1扉6に取り付けられた第2ヒンジ41の長円状の支持孔40の第2支持端部44から第1支持端部43側に戻ろうとする。
しかしながら、扉枠7に取り付けられた第1ヒンジ37の回動軸35に装着されたボールベアリング39を、第1扉6に取り付けられた第2ヒンジ41の長円状の支持孔40の第2支持端部44から第1支持端部43側へ確実に戻すために、前述の二つのロック解除ハンドル16を使用する。
先ず、扉枠7の側面に第5ネジ58によって固着されたロック解除ハンドル16の第2作用部15を、第1扉6の第2表面5に固着されたロック解除傾斜部材14に合わせ、ロック解除傾斜部材14の傾斜部に摺動させ、ロック解除傾斜部材14の頂点まで摺動する。
これにより、第1扉6は、ロック解除傾斜部材14の傾斜部の高さ方向の距離分だけ扉枠7の外側に移動する。尚、押圧ガイド傾斜部52の傾斜部の高さ方向の距離とロック解除傾斜部材14の傾斜部の高さ方向の距離は同一である。
このとき、ヒンジ部材8の中では、ロック解除ハンドル16の強制力と第2ヒンジ41に設けられた弾性部材装着孔45に装着された第2弾性部材46の押圧力とにより、ヒンジ部材8をそれぞれ構成する扉枠7に取り付けられた第1ヒンジ37の回動軸35に装着されたボールベアリング39が、第1扉6に取り付けられた第2ヒンジ41の長円状の支持孔40の第2支持端部44から第1支持端部43側に戻り、通常の第1扉6として使用できる状態に戻る。
このようにして、ロックハンドル13によって一段上の防音・防水状態に固定された第1扉構造体1のロックは解除される。
次に、図9に基づいて、第1扉構造体1に附随する災害時に使用する脱出用扉25について説明する。
第1扉6には、扉中央より上部に、大人の人間が脱出できる開口部59が設けられており、開口部59には、二つの脱出扉用ヒンジ部材24を介して脱出用扉25が開閉可能に取付けられている。
又、第1扉6の開口部59の周囲には、第2表面5側に向けて一本の第2嵌合溝部60が形成され、一本の脱出扉用シールパッキン27が取り付けられている。
脱出用扉25には、脱出扉用ハンドル26が脱出扉用ヒンジ部材24と対向する第1扉6の第2表面5側の位置に取り付けられ、脱出扉用ハンドル26によって脱出扉用ヒンジ部材24を介して第1扉6の第1表面3側に開くことができる。
脱出用扉25を閉じてロックするには、脱出扉用ハンドル26を第1扉6の第2表面5側に引き、脱出用扉25の一段下がった表面を第1扉6の開口部59の周囲に設けられた第2嵌合溝部60に取付けられている脱出扉用シールパッキン27に当接させるとともに、脱出扉用ハンドル26の先端に設けられた第3作用部28を第1扉6の第2表面5に取付けられたロック受け部材29に当接し、ロック受け部材29に設けられたロック受け傾斜部30に第3作用部28を摺動させることにより、脱出用扉25を完全に閉じてロックすることができる。
そして、ロック受け傾斜部30の傾斜部の高さの距離は、脱出扉用シールパッキン27を押圧して撓ませ、密閉度を上げる距離になる。
又、第1扉6の開口部59に取り付けられた脱出用扉25にはドアスコープ31が取付けられている。
これにより、外部の様子を確認することができるので内部いる自分達がどのような状況におかれているかが分かる。
又、第1扉6が開けられない状況で、脱出用扉25の開扉操作を安全におこなうことができるかどうかを、脱出用扉25に設けられているドアスコープ31で外部を見れば確実に分かる。
次に、図10に基づいて避難梯子32と水位計33について説明する。
図10に示すように、脱出用扉25の近傍には、脱出用扉25を使用するときに使用する避難梯子32が第1扉6の第2表面5に取付けられている。
脱出用扉25は、第1扉6の外側が浸水したり、土砂で埋まった場合を考慮して比較的扉の高い位に設けられている。
そのために、脱出用扉25を使用する場合は踏台や梯子が必要になるが、そのときのために第1扉6に避難梯子32を備えておくことにより、災害時に踏台や梯子を探す必要を無くし、問題なく脱出用扉25から脱出することができる。
更に、避難梯子32を折畳式にして使用しないときは折り畳んで掛け金61をかけておくことにより、避難梯子32がばらけることもなく占めるスペースを最小にして、扉の開閉に支障をきたすことが無いようにすることができる。
又、避難梯子32を開いたとき、避難梯子32の側面の片側は扉6に固定されており、もう片側は床に当接するようにしているので安定した使用状態にすることができる。
又、第1扉6の第1表面3側が浸水したときに、浸水の量を知るための水位計33が第1扉6の第2表面5に取付けられていると共に、第1扉6の第1表面3の下方に水位計取水口34、上方に水位計排気口36がパイプ形状で取付けられている。
これにより、扉の外側が水没した場合、その水没の深さを知ることができるとともに前述の脱出扉からの脱出の目安にすることもできる。
クリーニングのために、取り外しはできるが第1扉6の第2表面5側の気密は保たれている。
以上説明したように、本考案の第1実施形態に係る第1扉構造体1によれば、第1扉構造体1は、床面17に対応して開放部が形成された扉枠7と、扉枠7に対して開閉可能に支持される第1扉6と、開放部以外の扉枠7の周囲に取り付けられるとともに扉枠7に対して第1扉6を閉塞したときに扉の周囲を押圧するシールパッキン10と、第1扉6の下部に取り付けられた第1弾性部材18と、第1弾性部材18を扉枠7の開放部を介して床面17に押圧する押圧付加手段23とを備えた構成になっている。
この構成によれば、防音・防水のためのシールパッキンが取り付けられた扉枠を床面17から無くしても、人が操作できる押圧付加手段23により第1扉6の下部に取り付けられた第1弾性部材18を扉枠7の開放部を介して床面17に押圧することができるので、必要に応じて防音・防水性を高めることができる。
換言すれば、この第1弾性部材18と押圧付加手段23により、防音・防水のためのシールパッキンを取り付けた扉枠を床面17から無くすことができるので、人が室内に出入りする際に扉枠に躓くという問題を無くすことができる。
更に、台車や車椅子の室内への出入りには傾斜板等の踏み板をその都度設置しなければならないという問題も無くすことができる。
又、防音・防水のためのシールパッキンを取り付けた扉枠が床面17にあるために、シールパッキンに塵が溜まり易くシールパッキンと扉の間の密閉度を悪くするという問題もあるが、シールパッキンを取り付けた扉枠を床面17から無くすことにより塵の溜まる場所を無くすことができ、代わりにシールパッキンを取り付けた扉枠の無い床面17を第1弾性部材18で密閉するので塵による密閉度の悪化を無くすことができる。
更に、第1弾性部材18を備える押圧付加手段23が第1扉6に取り付けられているので第1扉6を開ける行程の何処でも第1弾性部材18を扉枠7の床面17に押圧して第1扉6を止めることができる。
即ち、防音・防止機能以外に第1扉6のストッパとしての機能を持たせることができる。
次に、第1扉構造体1によれば、扉枠7の床面17には、開放部に対応して床面17と同一の高さとなる床面用枠部材57が埋め込まれている。
これにより、床面17にタイル等の外装部材が張られることによって、表面に凹凸や隙間が発生することを予め予測できる場合には、扉枠7の床面17に床面17と同一の高さとなる床面用枠部材57を埋め込んで床面17の代替をさせることにより、第1弾性部材18と床面17の密着性を阻害する要因を取り除くことができる。
次に、第1扉構造体1によれば、第1弾性部材18は、扉枠7の開放部を介して床面17に押圧されるときにシールパッキン10側に膨出するようになっている。
これにより、第1弾性部材18と扉枠7に取り付けられているシールパッキン10が当接して密着し、更に第1弾性部材18と扉枠7の床面17が当接して密着していることにより、第1扉6の上下左右の四方を連続してシールすることができるので防音・防水性を高めることができる。
次に、第1扉構造体1によれば、第1弾性部材18は、第1扉6の下部にて第1扉6の幅方向に沿って空洞部を有する筒型形状に形成されている。
第1弾性部材18の断面形状が空洞部を有する筒型形状に形成にすることにより、床面17に対して当接面積を広くして当接させることができ、密閉度を高めることができる。
更に、筒型形状の剛性により、第1扉6の幅方向に対する第1弾性部材18の波打ち現象を無くすとともに、床面17に対して当接面積を広くして当接させることができ、密閉度を高めることができる。
又、第1弾性部材18の断面形状が空洞部を有する筒型形状に形成にすることにより、第1弾性部材18を床面17に当接させたとき第1弾性部材18の断面形状の左右方向にに膨張させることができる。
これにより、第1扉6の下部の裏面と、床面17と、扉枠7のシールパッキン10との三方に第1弾性部材18を密着させることができる。
そのため、第1扉6の下部の幅方向に対する面積の広いシールが可能になり、第1扉6に対して高い防音・防水性を得ることができる。
そして、第1扉構造体1によれば、押圧付加手段23は、水平状態を保持しつつ第1弾性部材18を下方に向かって均一に押圧する押圧板19を備える。
この押圧板19に第1弾性部材18を取り付けることにより、第1弾性部材18の撓みを無くすことができる。
更に、押圧付加手段23は、水平状態を保持しつつ第1弾性部材18を下方に向かって均一に押圧するので、第1弾性部材18の床面17に対する斑の無い当接をおこなうことができることにより、第1扉6に対して高い防音・防水性を得ることができる。
続いて、本考案に係る扉枠の開放された設置面に対応する防音・防水機能を備えた第2扉構造体101について、本考案を具体化した第2実施形態に基づき図面を参照しつつ説明する。
先ず、図11、図12、図3(第1実施形態の図面)、図13、図14に基づいて、第2実施形態に係る第2扉構造体101の構成を説明する。
ここで、図13(A)は、通常の第1操作ハンドル2又は第2操作ハンドル4による第2扉102の矢印C方向における開閉動作を第2扉構造体101の上方から見た部分断面透視図、図13(B)は、図13(A)の状態から第1操作ハンドル2又は第2操作ハンドル4により第2扉102が扉枠7内に閉塞した状態の第2扉構造体101を上方から見た部分断面透視図である。
又、図14(A)は、第1操作ハンドル2又は第2操作ハンドル4により第2扉102が扉枠7内に閉塞した状態における第2扉構造体101を側面から見た部分断面透視図、図14(B)は、図14(A)の状態から押圧付加手段23が操作された状態の第2扉構造体101を側面から見た部分断面透視図である。
尚、ここで使用する符号は、第1実施形態で使用した符号と同一のものはそのまま同一の符号を使用する。
図11、図12、図3、図13、図14に示すように、第2扉構造体101は、第1操作ハンドル2が取付けられた第1表面3及び第1操作ハンドル2と連動する第2操作ハンドル4が取付けられた第2表面5を有する第2扉102と、第2扉102を収納する扉枠7と、第2扉102と扉枠7を開閉可能に連結するピボットヒンジ部材103と、第2扉102を扉枠7にピボットヒンジ部材103を介して第1表面3側から収納した状態において、第2扉102の第2表面5と対向する扉枠7の位置に設けられた並行する2本の第1嵌合溝部9(図3のA−A断面図からC−C断面図参照)と、この2本の第1嵌合溝部9に取り付けられると共に第2扉102の第2表面5に当接する2本のシールパッキン10(図3のA−A断面図からC−C断面図参照)と、床面17、第2扉102の下端及びシールパッキン10と当接する第1弾性部材18に押圧力を付加する押圧板19、押圧板取付部20、延伸押圧軸21、足踏式ロックバー22で構成される押圧付加手段23とによって構成されている。
尚、第2扉102と扉枠7自体には、内部に防音材を収納したり、隙間を封止したりすることによる防音・防水機能を備えている。
次に、図13、図14に基づいて、第2扉102の扉枠7に対する取り付けや開閉動作について説明する。
図13、図14に示すように、左右の一方の扉枠7の上端及び下端の近傍には、2組のピボットヒンジ部材103を構成する回動軸35を設けた二つの第1ピボットヒンジ104がそれぞれ4本の第1ネジ38によって固着される。
又、第2扉102には、扉枠7に固着された二つの第1ピボットヒンジ104の回動軸35と対応する位置にボールベアリング39が固着された二つの第2ピボットヒンジ105がそれぞれ6本の第2ネジ42によって固着される。
そして、第2扉102は、扉枠7に第1ネジ38で固着される二つの第1ピボットヒンジ104の回動軸35に、第2扉102に第2ネジ42で固着される二つの第2ピボットヒンジ105のボールベアリング39が装着されることによって支持される。
このボールベアリング39により、支持される第1扉6の開閉操作が図13(A)に示す矢印Cの方向にスムースにおこなわれる。
これにより、第2扉102を開く場合は、第2扉102の第1表面3に取り付けられた第1操作ハンドル2又は第1扉6の第2表面5に取り付けられた第2操作ハンドル4を回動操作することによって、ラッチ錠54のラッチ55をラッチ受け部56から外して開扉する。(図13(B)から図13(A)の状態)
又、第2扉102を閉じる場合は、第2扉102の第1表面3に取り付けられた第1操作ハンドル2又は第2扉102の第2表面5に取り付けられた第2操作ハンドル4を操作して扉枠7に押し込むことにより、ラッチ錠54のラッチ55がラッチ受け部56に自動的に挿入されて固定されることにより閉扉し閉塞された状態になる。(図13(A)から図13(B)の状態)
次に、図11、図12、図3(第1実施形態の図面)、図13、図14に基づいて、第2扉構造体101を構成する部材の機能と役割を説明する。
先ず、第2扉構造体101を構成する扉枠7は、上方と左右のコ字状に設けられており、下方は開放された床面17である。
下方が開放された床面17であることにより、人が室内に出入りする際に躓くという問題、又、台車や車椅子の室内への出入りには傾斜板等の踏み板をその都度設置しなければならないという問題を無くすことができる。
又、防音・防水のためのシールパッキンを取り付けた扉枠が扉枠の設置面にあるために、シールパッキンに塵が溜まり易くシールパッキンと扉の間の密閉度を悪くするという問題もあるが、シールパッキンを取り付けた扉枠を設置面から無くすことにより塵の溜まる場所を無くすことができ、代わりにシールパッキンを取り付けた扉枠の無い床面17を第1弾性部材18で密閉するので塵による密閉度の悪化を無くすことができる。
上述したように、扉枠7は、上方と左右のコ字状に設けられており、下方は開放された床面17である。
扉枠7の上方と左右のコ字状部分は、第2扉102に対して扉枠7の2本の第1嵌合溝部9(図3のA−A断面図からC−C断面図参照)に取り付けられる2本のシールパッキン10(図3のA−A断面図からC−C断面図参照)によって防音・防水機能は保持されているが、下方は開放された床面17であるので防音・防水機能はない。
そこで、第2扉102に対して防音・防水機能を付加するために、図14(A)、図14(B)に示すように、第2扉102の第2表面5の下端には、床面17と当接する第1弾性部材18に押圧力を付加する押圧板19、押圧板取付部20、延伸押圧軸21、足踏式ロックバー22で構成される押圧付加手段23が装着されている。
この押圧付加手段23に取り付けられる第1弾性部材18は、扉枠7の開放部を介して床面17に押圧されるときにシールパッキン10側及び第2扉102の下方の裏面側に膨出するようになっている。
そのため、第1弾性部材18と扉枠7に取り付けられているシールパッキン10が当接して密着し、更に第1弾性部材18と扉枠7の開放された床面17が当接して密着していることにより、第1弾性部材18とシールパッキン10が第2扉102の上下左右の四方を連続してシールする防音・防水パッキンの役目をして防音・防水性を高めている。
又、第1弾性部材18は、第2扉102の下部にて第2扉102の幅方向に沿って空洞部を有する筒型形状に形成されている。
第1弾性部材18の長さを第2扉102の幅方向と同じにすることは、第2扉102の上下左右の四方を連続してシールするために必須である。
更に、第1弾性部材18の断面形状が空洞部を有する筒型形状に形成されることにより、第1弾性部材18が床面17に対して当接する際の当接面積に広がりを持たせた当接ができるので密閉度を高めることができる。
更に、筒型形状による剛性により、第2扉102の幅方向に対する第1弾性部材18の波打ち現象を無くすことができ、床面17に対して当接面積を大きくすることができるので、第1弾性部材18と床面17の密閉度を高めることができる。
又、第1弾性部材18の断面形状が空洞部を有する筒型形状に形成されることにより、第1弾性部材18を床面17に当接させたとき、第1弾性部材18の断面形状における左右方向に膨張させることができる。
これにより、第2扉102の下部の裏面と、床面17と、扉枠7のシールパッキン10との三方に第1弾性部材18を密着させることができる。
そのため、第2扉102の下部の幅方向に対する面積の広いシールが可能になり、第2扉102に対して高い防音・防水性を得ることができる。
又、押圧付加手段23を構成する押圧板19は、第1弾性部材18の反力に耐える剛性を備え、水平状態を保持しつつ第1弾性部材18を下方に向かって均一に押圧する機能を有する。
この押圧板19に第1弾性部材18を取り付けることにより、第1弾性部材18の撓みを無くすことができる。
このように、第1弾性部材18の床面17に対する斑の無い当接をおこなうことができることにより、第2扉102に対して高い防音・防水性を得ることができる。
この押圧板19は、押圧板取付部20を介して延伸押圧軸21に取り付けられる。
押圧付加手段23を構成する延伸押圧軸21は、押圧付加手段23を構成する足踏式ロックバー22を所定の位置から足踏みすると、足踏式ロックバー22が支点(図示せず)を中心に回動し、延伸押圧軸21の円筒形のクリアランスを最適にしてガタの無い軸を垂直に押し出す。
これにより、押圧板取付部20を介して取り付けられた押圧板19は、水平状態を保持しつつ第1弾性部材18を下方に向かって均一に押圧することができる。
そして、延伸押圧軸21と足踏式ロックバー22は、協働して床面17と、第2扉102の下端と、扉枠7の第1嵌合溝部9に取り付けられたシールパッキン10とに当接した第1弾性部材18に所定の負荷をかけた状態で固定する役割を有する。
この状態から足踏式ロックバー22を足踏みして足を外すと、床面17と当接している第1弾性部材18に所定の負荷をかけた状態での固定がはずれ、延伸押圧軸21の軸が元に戻り、足踏式ロックバー22が所定の位置に戻る。
ところで、床面にタイル等が貼られ、細かい凹凸や隙間が予め予測される場合は、図13、図14に示すようにステンレス板等の一枚板で加工された床面用枠部材57を扉枠7の下方に床面17と同一面になるように埋め込むようにする。
これにより、第1弾性部材18とステンレス板等の一枚板で加工された床面用枠部材57との密着性を確保することができる。
次に、このように構成された第2扉構造体101を使用する場合について説明する。
先ず、第2扉構造体101の第2扉102を閉める場合は、第2扉102の第2表面5に取り付けられた第2操作ハンドル4を操作して扉枠7に押し込むことにより、ラッチ錠54のラッチ55がラッチ受け部56に自動的に挿入されて固定されることにより閉扉し閉塞された状態になる。(図13(A)から図13(B)の状態)
このとき、扉枠7の上方と左右のコ字状部分は、第2扉102に対して扉枠7の2本の第1嵌合溝部9(図3のA−A断面図からC−C断面図参照)に取り付けられる2本のシールパッキン10(図3のA−A断面図からC−C断面図参照)によって防音・防水機能は保持されているが、下方は開放された床面17であるので防音・防水機能はない。
この状態から、押圧付加手段23によって、図14(B)に示すように、足踏式ロックバー22を所定の位置から足踏みすると足踏式ロックバー22が支点(図示せず)を中心に回動し、延伸押圧軸21の軸を押し出して床面17と当接した第1弾性部材18に所定の負荷をかけた状態で第1弾性部材18を床面17に固定する。
これにより、第2扉102の下部の裏面と、床面17と、扉枠7のシールパッキン10との三方に第1弾性部材18を密着させることができる。
そのため、第2扉102の下部の幅方向に対する面積の広いシールが可能になり、扉枠7の上方と左右のコ字状部分のシールパッキン10と第2扉102の当接による密着と合わせて第2扉102に対して高い防音・防水性を得ることができる。(図14(A)から図14(B)の状態)
次に、この状態から第2扉構造体101の第2扉102を開ける場合は、足踏式ロックバー22を足踏みして足を外すと、床面17と当接している第1弾性部材18に所定の負荷をかけた状態での固定がはずれ、延伸押圧軸21の軸が元に戻り、足踏式ロックバー22が所定の位置に戻る。(図14(B)から図14(A)の状態)
そして、第2扉102の第1扉6の第2表面5に取り付けられた第2操作ハンドル4を回動操作することによって、ラッチ錠54のラッチ55をラッチ受け部56から外して開扉する。(図13(B)から図13(A)の状態)
以上説明したように、本考案の第2実施形態に係る第2扉構造体101によれば、第2扉構造体101は、床面17に対応して開放部が形成された扉枠7と、扉枠7に対して開閉可能に支持される第2扉102と、開放部以外の扉枠7の周囲に取り付けられるとともに扉枠7に対して第2扉102を閉塞したときに扉の周囲を押圧するシールパッキン10と、第2扉102の下部に取り付けられた第1弾性部材18と、第1弾性部材18を扉枠7の開放部を介して床面17に押圧する押圧付加手段23とを備えた構成になっている。
この構成によれば、防音・防水のためのシールパッキンが取り付けられた扉枠を床面17から無くしても、人が操作できる押圧付加手段23により第2扉102の下部に取り付けられた第1弾性部材18を扉枠7の開放部を介して床面17に押圧することができるので、必要に応じて防音・防水性を高めることができる。
換言すれば、この第1弾性部材18と押圧付加手段23により、防音・防水のためのシールパッキンを取り付けた扉枠を床面17から無くすことができるので、人が室内に出入りする際に扉枠に躓くという問題を無くすことができる。
更に、台車や車椅子の室内への出入りには傾斜板等の踏み板をその都度設置しなければならないという問題も無くすことができる。
又、防音・防水のためのシールパッキンを取り付けた扉枠が床面17にあるために、シールパッキンに塵が溜まり易くシールパッキンと扉の間の密閉度を悪くするという問題もあるが、シールパッキンを取り付けた扉枠を床面17から無くすことにより塵の溜まる場所を無くすことができ、代わりにシールパッキンを取り付けた扉枠の無い床面17を第1弾性部材18で密閉するので塵による密閉度の悪化を無くすことができる。
更に、第1弾性部材18を備える押圧付加手段23が第2扉102に取り付けられているので第2扉102を開ける行程の何処でも第1弾性部材18を扉枠7の床面17に押圧して第2扉102を止めることができる。
即ち、防音・防止機能以外に第2扉102のストッパとしての機能を持たせることができる。
次に、第2扉構造体101によれば、扉枠7の床面17には、開放部に対応して床面17と同一の高さとなる床面用枠部材57が埋め込まれている。
これにより、床面17にタイル等の外装部材が張られることによって、表面に凹凸や隙間が発生することを予め予測できる場合には、扉枠7の床面17に床面17と同一の高さとなる床面用枠部材57を埋め込んで床面17の代替をさせることにより、第1弾性部材18と床面17の密着性を阻害する要因を取り除くことができる。
次に、第2扉構造体101によれば、第1弾性部材18は、扉枠7の開放部を介して床面17に押圧されるときにシールパッキン10側に膨出するようになっている。
これにより、第1弾性部材18と扉枠7に取り付けられているシールパッキン10が当接して密着し、更に第1弾性部材18と扉枠7の床面17が当接して密着していることにより、第2扉102の上下左右の四方を連続してシールすることができるので防音・防水性を高めることができる。
次に、第2扉構造体101によれば、第1弾性部材18は、第2扉102の下部にて第2扉102の幅方向に沿って空洞部を有する筒型形状に形成されている。
第1弾性部材18の断面形状が空洞部を有する筒型形状に形成にすることにより、床面17に対して当接面積を広くして当接させることができ、密閉度を高めることができる。
更に、筒型形状の剛性により、第2扉102の幅方向に対する第1弾性部材18の波打ち現象を無くすとともに、床面17に対して当接面積を広くして当接させることができ、密閉度を高めることができる。
又、第1弾性部材18の断面形状が空洞部を有する筒型形状に形成にすることにより、第1弾性部材18を床面17に当接させたとき第1弾性部材18の断面形状の左右方向にに膨張させることができる。
これにより、第2扉102の下部の裏面と、床面17と、扉枠7のシールパッキン10との三方に第1弾性部材18を密着させることができる。
そのため、第2扉102の下部の幅方向に対する面積の広いシールが可能になり、第2扉102に対して高い防音・防水性を得ることができる。
そして、第2扉構造体101によれば、押圧付加手段23は、水平状態を保持しつつ第1弾性部材18を下方に向かって均一に押圧する押圧板19を備える。
この押圧板19に第1弾性部材18を取り付けることにより、第1弾性部材18の撓みを無くすことができる。
更に、押圧付加手段23は、水平状態を保持しつつ第1弾性部材18を下方に向かって均一に押圧するので、第1弾性部材18の床面17に対する斑の無い当接をおこなうことができることにより、第2扉102に対して高い防音・防水性を得ることができる。
尚、本考案は前記実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
1 第1扉構造体
6 第1扉
7 扉枠
10 シールパッキン
17 床面
18 第1弾性部材
19 押圧板
20 押圧板取付部
21 延伸押圧軸
22 足踏式ロックバー
23 押圧付加手段
57 床面用枠部材
101 第2扉構造体
102 第2扉

Claims (5)

  1. 設置面に対応して開放部が形成された扉枠と、
    前記扉枠に対して開閉可能に支持される扉と、
    前記開放部以外の扉枠の周囲に取り付けられるとともに前記扉枠に対して前記扉を閉塞したときに扉の周囲を押圧するシールパッキンと、
    前記扉の下部に取り付けられた弾性部材と、
    前記弾性部材を扉枠の開放部を介して設置面に押圧する押圧手段とを備えたことを特徴とする扉構造体。
  2. 前記扉枠の設置面には、前記開放部に対応して設置面と同一の高さとなる扉枠部材が埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載の扉構造体。
  3. 前記弾性部材は、扉枠の開放部を介して設置面に押圧されるときに前記シールパッキン側に膨出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の扉構造体。
  4. 前記弾性部材は、前記扉の下部にて扉の幅方向に沿って空洞部を有する筒型形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の扉構造体。
  5. 前記押圧手段は、水平状態を保持しつつ前記弾性部材を下方に向かって均一に押圧する押圧板を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の扉構造体。
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