JP3182461U - 扉構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】扉を扉枠の扉収納部に前後に移動させることにより、前方で通常の防水レベルの扉として使用する場合と後方の移動で高い防水レベルの扉として使用する2つの状態を備えた扉構造体を提供する。
【解決手段】扉6を扉枠8の扉収納部の内外方向に移動させるために、扉枠8に固着され扉6を開閉可能に支持する第1ヒンジ部材38と扉6に取付けられる第2ヒンジ部材44をそれぞれのヒンジ部材38、44の固定された回動部39で回動支持するとともに、第2ヒンジ部材44の摺動部43を扉6に水平に取付けられたヒンジホルダ部材40の内部で水平に移動するように取付ける構成にした。
【選択図】図6

Description

本考案は、建物等の室内の防水性を備える扉構造体に関し、特に通常の使用状態における防水レベルから必要に応じて更に防水レベルを高める防水機能を備えた扉構造体に関するものである。
従来より、ビルやマンション等においては、扉に対して通常の防水レベルから必要に応じて更に防水性を高める技術が要求されている。
そのための技術として、扉と扉枠との間に付設されて防水性を高めるシールパッキンを必要に応じて更に押圧する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、蝶番装置を、開口枠と防水扉の一方に装着されて上下方向のヒンジピンを保持するピン保持部材と、開口枠と防水扉の他方に装着されて防水扉の閉鎖状態において内外方向に長いヒンジピン嵌合用の長孔を有すると共に、ヒンジピンの先端部が当接可能な傾斜面を開口枠から遠いほど低くなるように設けた長孔形成部材と、長孔に嵌合するヒンジピンを防水扉の閉鎖状態において防水扉が開口枠から遠くなる長孔の一端側に位置決めすると共に、ヒンジピンを防水扉の自重によって傾斜面に当接させ、ヒンジピンを傾斜面で案内して長孔の一端側に位置決めする位置決め手段で構成し、防水扉の枢着側竪縁部と自由端側竪縁部に夫々開口枠に設けた係合部材と係合して防水扉の吊元側と先端側を開口枠側へ引寄せ可能な引寄せハンドル装置を装着して成る防水扉装置の技術が記載されている。
特許第4883397号公報
しかしながら、上記特許文献1の防水扉装置の構成によれば、ヒンジピンとヒンジピンを保持するピン保持部材の関係が軸と内外方向に長い長孔の関係になっていることにより、防水扉に物が当たったとき等に防水扉が長孔に沿って傾き、防水扉の開閉が平滑に行なわれなくなる虞がある。
又、長孔に嵌合するヒンジピンを防水扉の閉鎖状態において防水扉が開口枠から遠くなる長孔の一端側に位置決めすると共に、ヒンジピンを防水扉の自重によって傾斜面に当接させ、ヒンジピンを傾斜面で案内して長孔の一端側に位置決めするようにしていることにより、防水扉の自重によって長孔の一端側に位置決めするためには傾斜面の角度を急坂にする必要があり、逆に防水扉を開口枠に近づけるための動作を行なう場合、傾斜面の角度が大きいために引寄せハンドル装置を使用しても困難になるという問題がある一方で傾斜面の角度を緩くすると防水扉が自重で長孔の一端側に戻らないという問題もあり、調整が困難であるという問題がある。防水扉が自重で長孔の一端側に戻らないと開閉時に開口枠と当接し防水扉の開閉ができないという問題と、これを解決するために防水扉と開口枠の隙間を必要以上に広く取らなければならないという問題に繋がる。
更に、傾斜面をヒンジピンに当接させながら防水扉を開口枠に近づけることは、防水扉の下端が浮くことになり、開口枠の床側の枠と防水扉の下端のシールを上下に幅広くおこなわなければならにという問題や、そのために開口枠の床側の枠を高くしなければならないという問題とともに、開口枠の高くなった床側の枠に対して出入りの度に躓き易くなるという問題もある。
本考案は上述の問題点を解消するためになされたものであり、ヒンジピンとヒンジピンを保持するピン保持部材の関係が軸と内外方向に長い長孔の関係と傾斜面をヒンジピンに当接させながら防水扉を開口枠に近づける構成を使用することなしに防水扉を開口枠の内外方向に移動させるために、開口枠に固着され防水扉を開閉可能に支持する第1ヒンジ部材と防水扉に取付けられる第2ヒンジ部材をそれぞれのヒンジ部材の固定された回動部で回動支持するとともに、第2ヒンジ部材の端部を防水扉に水平に取付けられたヒンジホルダ部材の内部で水平に移動するように取付けることにより、防水扉が長孔に沿って傾き、防水扉の開閉が平滑に行なわれなくなる虞がある問題や、傾斜面の角度により防水扉を開口枠の内外方向に移動させるために余分な負荷が発生したり戻らなくなったりする問題、更に防水扉が斜め移動をすることにより防水扉の下端が浮くという問題を解消して防水扉を開口枠の内外方向に移動させることができ、必要に応じて防水性を高めることができる扉構造体の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に係る扉構造体は、扉収納部を有する扉枠と、前記扉枠に対して開閉可能に支持される扉と、前記扉枠の扉収納部の周囲に取付けられたシールパッキンと、前記扉に取付けられ、摺動終端部を備えた摺動開口部を有するヒンジホルダ部材と、前記扉枠に固着され、回動部を有する第1ヒンジ部材と、前記第1ヒンジ部材に前記回動部を介して回動可能に支持されるとともに、前記ヒンジホルダ部材の摺動開口部に摺動可能に取付けられる摺動部を有する第2ヒンジ部材と、前記扉に取付けられ、一端に第1作用部を設けたロックハンドルと、前記扉枠の側面において、前記扉が前記扉枠の扉収納部に収納された状態で前記ロックハンドルの第1作用部と対向する位置に、扉を扉収納部内に更に引き込む押圧ガイド傾斜部を設けたガイド溝とを備え、前記扉枠に対して扉を閉じる際、前記摺動終端部と前記摺動部が当接されている状態のときに、前記第2ヒンジ部材は前記第1ヒンジ部材に回動部を介して回動し、扉を閉じて扉が扉枠の扉収納部に収納された状態で扉の周囲が前記シールパッキンに押圧された第1押圧状態となり、前記第1押圧状態で、前記ロックハンドルを回転操作して前記第1作用部を前記ガイド溝に挿入するとともに第1作用部を前記押圧ガイド傾斜部と当接摺動させた際、前記摺動部は前記摺動開口部内を押圧ガイド傾斜部の高さ分の距離まで水平移動されるとともに前記扉は摺動開口部内における摺動部の移動距離に対応して第1押圧状態から更にシールパッキンに押圧された第2押圧状態となることを特徴とする。
又、請求項2に係る扉構造体は、請求項1に記載の扉構造体において、前記扉枠に取付けられ、一端に第2作用部が設けられたロック解除ハンドルと、前記扉に設けられ、前記第2作用部と対向する位置に扉を扉収納部内から押し出す距離を有するロック解除傾斜部を設けたロック解除傾斜部材とを備え、前記第2押圧状態で前記ロック解除ハンドルを回転操作して前記第2作用部を前記ロック解除傾斜部材のロック解除傾斜部に当接摺動させた際、前記摺動部は前記摺動開口部内をロック解除傾斜部の高さ分の距離まで水平移動されて前記第1押圧状態に戻ることを特徴とする。
又、請求項3に係る扉構造体は、請求項1又は請求項2に記載の扉構造体において、前記ヒンジホルダ部材と第2ヒンジ部材の間には、前記摺動部を前記摺動開口部の摺動終端部方向に押圧する第1弾性部材を備えたことを特徴とする。
又、請求項4に係る扉構造体は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の扉構造体において、前記第2ヒンジ部材の摺動部はボールキャスタを介して前記ヒンジホルダ部材の摺動開口部に取付けられていることを特徴とする。
又、請求項5に係る扉構造体は、請求項4に記載の扉構造体において、前記ヒンジホルダ部材の摺動開口部には前記ボールキャスタを案内するボールキャスタ案内溝が設けられていることを特徴とする。
又、請求項6に係る扉構造体は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の扉構造体において、前記扉枠は設置面に対応して開放部が形成され、前記扉が前記第1押圧状態又は第2押圧状態のとき、設置面の開放部を押圧する第2弾性部材と第2弾性部材に押圧力を付加して固定する押圧付加手段を備えたことを特徴とする。
又、請求項7に係る扉構造体は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の扉構造体において、前記扉枠の設置面には、前記開放部に対応して設置面と同一の高さとなる床面用枠部材が埋め込まれていることを特徴とする。
又、請求項8に係る扉構造体は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の扉構造体において、前記扉の背面には、ドアスコープを備えた脱出用扉が開閉可能に支持されていることを特徴とする。
又、請求項9に係る扉構造体は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の扉構造体において、前記扉の背面には、前記脱出用扉に隣接して折畳可能な避難梯子が設けられていることを特徴とする。
そして、請求項10に係る扉構造体は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の扉構造体において、前記扉の背面には、扉の正面側における水位を計測する水位計が取付けられていることを特徴とする。
請求項1に係る扉構造体によれば、扉収納部を有する扉枠と、扉枠に対して開閉可能に支持される扉と、扉枠の扉収納部の周囲に取付けられたシールパッキンと、扉に取付けられ、摺動終端部を備えた摺動開口部を有するヒンジホルダ部材と、扉枠に固着され、回動部を有する第1ヒンジ部材と、第1ヒンジ部材に回動部を介して回動可能に支持されるとともに、ヒンジホルダ部材の摺動開口部に摺動可能に取付けられる摺動部を有する第2ヒンジ部材と、扉に取付けられ、一端に第1作用部を設けたロックハンドルと、扉枠の側面において、扉が扉枠の扉収納部に収納された状態でロックハンドルの第1作用部と対向する位置に、扉を扉収納部内に更に引き込む押圧ガイド傾斜部を設けたガイド溝とを備え、扉枠に対して扉を閉じる際、摺動終端部と摺動部が当接されている状態のときに、第2ヒンジ部材は第1ヒンジ部材に回動部を介して回動し、扉を閉じて扉が扉枠の扉収納部に収納された状態で扉の周囲がシールパッキンに押圧された第1押圧状態となり、第1押圧状態で、ロックハンドルを回転操作して第1作用部をガイド溝に挿入するとともに第1作用部を押圧ガイド傾斜部と当接摺動させた際、摺動部は摺動開口部内を押圧ガイド傾斜部の高さ分の距離まで水平移動されるとともに扉は摺動開口部内における摺動部の移動距離に対応して第1押圧状態から更にシールパッキンに押圧された第2押圧状態となる構成になっている。
この構成によれば、扉枠に対して扉を閉じる際、摺動終端部と摺動部が当接されている状態のときに、第2ヒンジ部材は第1ヒンジ部材に回動部を介して回動し、扉を閉じて扉が扉枠の扉収納部に収納された状態で扉の周囲はシールパッキンに押圧された第1押圧状態と、第1押圧状態で、各ロックハンドルを回転操作して第1作用部をガイド溝に挿入するとともに第1作用部を押圧ガイド傾斜部と当接摺動させた際、摺動部は摺動開口部内を押圧ガイド傾斜部の高さ分の距離まで水平移動されるとともに扉は摺動開口部内における摺動部の移動距離に対応して第1押圧状態から更にシールパッキンに押圧されて第2押圧状態となる2つの状態を備えている。
これにより、扉構造体の第1押圧状態は通常の防水機能を備え、通常の扉開閉操作をおこなうことができる。
そして、通常よりも高い防水性を必要とするときは、各ロックハンドルによって第2押圧状態にすることによって高い防水性を得ることができる。
即ち、1つの扉で通常の防水性と高い防水性の使い分けができるのである。
更に、ヒンジピンとヒンジピンを保持するピン保持部材の関係が軸と内外方向に長い長孔の関係と傾斜面をヒンジピンに当接させながら防水扉を開口枠に近づける構成を使用することなしに扉を扉枠の扉収納部に対して内外方向に移動させるために、扉枠に固着され扉を開閉可能に支持する第1ヒンジ部材と扉に取付けられる第2ヒンジ部材をそれぞれのヒンジ部材の固定された回動部で回動支持するとともに、第2ヒンジ部材の摺動部を扉に水平に取付けられたヒンジホルダ部材の内部で水平に移動するように取付けることにより、扉が長孔に沿って傾き、扉の開閉が平滑に行なわれなくなる虞がある問題や、傾斜面の角度により扉を扉枠の扉収納部に対して内外方向に移動させるために余分な負荷が発生したり戻らなくなったりする問題、更に扉が斜め移動をすることにより扉の下端が浮くという問題を解消して扉を扉枠の扉収納部に対して内外方向に移動させることができる。
又、扉枠に固着され扉を開閉可能に支持する第1ヒンジ部材と扉に取付けられる第2ヒンジ部材をそれぞれのヒンジ部材の固定された回動部で回動支持するとともに、第2ヒンジ部材の摺動部を扉に水平に取付けられたヒンジホルダ部材の内部で水平に移動するように取付ける機構は、扉を扉枠の扉収納部に対して内外方向に移動させる際の余分な摩擦抵抗の発生を最小限に抑えることができ、更に摩擦抵抗の発生を抑える機構を備えることにより扉の位置決めを第1押圧状態の位置に確実に位置決めすることができる。
次に、請求項2に係る扉構造体によれば、扉枠に取付けられ、一端に第2作用部が設けられたロック解除ハンドルと、扉に設けられ、第2作用部と対向する位置に扉を扉収納部内から押し出す距離を有するロック解除傾斜部を設けたロック解除傾斜部材とを備えている。
そのため、第2押圧状態でロック解除ハンドルを回転操作して第2作用部をロック解除傾斜部材のロック解除傾斜部に当接摺動させることにより、摺動部は摺動開口部内をロック解除傾斜部の高さ分の距離まで水平移動されて第1押圧状態に戻すことができる。
即ち、扉自体には自動的に第1押圧状態に戻る機構を備えているが、途中で停止してしまう事態を機械的に第1押圧状態に確実に戻すことによって防止することができる。
次に、請求項3に係る扉構造体によれば、ヒンジホルダ部材と第2ヒンジ部材の間には、摺動部を摺動開口部の摺動終端部方向に押圧する第1弾性部材を備えている。
これにより、ロックハンドルによるロックが解除されたとき、第1弾性部材の反力によって扉を第2押圧状態から第1押圧状態に戻すことができる。
次に、請求項4に係る扉構造体によれば、第2ヒンジ部材の摺動部はボールキャスタを介してヒンジホルダ部材の摺動開口部に取付けられている。
これにより、扉を扉枠の扉収納部に対して内外方向に移動させる際の余分な摩擦抵抗の発生を最小限に抑えることができ、扉の位置決めを第1押圧状態の位置に確実に位置決めすることができる。
次に、請求項5に係る扉構造体によれば、ヒンジホルダ部材の摺動開口部にはボールキャスタを案内するボールキャスタ案内溝が設けられている。
これにより、扉を扉枠の扉収納部に対して内外方向に移動させる際の扉の横揺れの発生を抑えることができ、扉の位置決めを第1押圧状態の位置に確実に位置決めすることができる。
次に、請求項6に係る扉構造体によれば、扉枠は設置面に対応して開放部が形成され、扉が第1押圧状態又は第2押圧状態のとき、設置面の開放部を押圧する第2弾性部材と第2弾性部材に押圧力を付加して固定する押圧付加手段を備えている。
この構成によれば、防水のためのシールパッキンが取り付けられた扉枠を設置面から無くしても、人が操作できる押圧付加手段により扉の下部に取り付けられた第2弾性部材を扉枠の開放部を介して設置面に押圧することができるので、必要に応じて防水性を高めることができる。
換言すれば、この第2弾性部材と押圧付加手段により、防水のためのシールパッキンを取り付けた扉枠を設置面から無くすことができるので、人が室内に出入りする際に扉枠に躓くという問題を無くすことができる。
更に、台車や車椅子の室内への出入りには傾斜板等の踏み板をその都度設置しなければならないという問題も無くすことができる。
又、防水のためのシールパッキンを取り付けた扉枠が設置面にあるために、シールパッキンに塵が溜まり易くシールパッキンと扉の間の密閉度を悪くするという問題もあるが、シールパッキンを取り付けた扉枠を設置面から無くすことにより塵の溜まる場所を無くすことができ、代わりにシールパッキンを取り付けた扉枠の無い設置面を第2弾性部材で密閉するので塵による密閉度の悪化を無くすことができる。
更に、第2弾性部材を備える押圧付加手段が扉に取り付けられているので扉を開ける行程の何処でも第2弾性部材を扉枠の設置面に押圧して扉を止めることができる。
即ち、防水機能以外に扉のストッパとしての機能を持たせることができる。
次に、請求項7に係る扉構造体によれば、扉枠の設置面には、開放部に対応して設置面と同一の高さとなる床面用枠部材が埋め込まれている。
これにより、設置面にタイル等の外装部材が張られることによって、表面に凹凸や隙間が発生することを予め予測できる場合には、扉枠の設置面に設置面と同一の高さとなる床面用枠部材を埋め込んで設置面の代替をさせることにより、第2弾性部材と設置面の密着性を阻害する要因を取り除くことができる。
次に、請求項8に係る扉構造体によれば、扉の背面には、ドアスコープを備えた脱出用扉が開閉可能に支持されている。
これにより、扉の外側が浸水したり、土砂で埋まったりして扉が開かない状態のときに、ドアスコープで外側の状況を確認することができ、安全が確認できたら脱出用扉から外側に脱出することができる。
次に、請求項9に係る扉構造体によれば、扉の背面には、脱出用扉に隣接して折畳可能な避難梯子が設けられている。
脱出用扉は、扉の外側が浸水したり、土砂で埋まったりした場合を考慮して比較的扉の高い位に設けられている。
そのために、脱出用扉を使用する場合は踏台や梯子が必要になるが、そのときのために扉に避難梯子を備えておくことにより、緊急時に踏台や梯子を探す必要を無くし、問題なく脱出用扉から脱出することができる。
更に、避難梯子を折畳式にして梯子が占めるスペースを最小にすることにより、扉の開閉に支障をきたすことを無くすことができる。
又、避難梯子を開いたとき、避難梯子の側面の片側は扉に固定されており、もう片側は床に当接するようにしているので安定した使用状態にすることができる。
そして、請求項10に係る扉構造体によれば、扉の背面には、扉の正面側における水位を計測する水位計が取付けられている。
これにより、扉の外側が水没した場合、その水没の深さを知ることができるとともに前述の脱出扉からの脱出の目安にすることもできる。
本実施形態に係る防水扉を構成する扉構造体の構成を説明する正面図である。 防水扉を構成する扉構造体の構成を説明する裏面図である。 扉枠にシールパッキンが取り付けられた位置を示す正面図である。 上側ヒンジ部の組立分解図である。(図中の引出矢印の先はその部材の平面図を示す) 下側ヒンジ部の組立分解図である。(図中の引出矢印の先はその部材の平面図を示す) 通常使用状態における扉構造体の上側ヒンジ部を中心として構成を説明する上面から見た部分断面透視図である。 通常使用状態における扉構造体の下側ヒンジ部を中心として構成を説明する上面から見た部分断面透視図である。 通常使用状態における扉構造体の上側ヒンジ部を中心として扉が開いた状態の構成を説明する上面から見た部分断面透視図である。 通常使用状態における扉構造体の下側ヒンジ部を中心として扉が開いた状態の構成を説明する上面から見た部分断面透視図である。 上側ヒンジ部を中心として、通常使用状態の防水レベルからロックハンドルによって扉を扉収納部に引き込み、防水レベルをアップした状態を説明する上面から見た部分断面透視図である。 下側ヒンジ部を中心として、通常使用状態の防水レベルからロックハンドルによって扉を扉収納部に引き込み、防水レベルをアップした状態を説明する上面から見た部分断面透視図である。 通常使用状態で扉を開閉するときのロックハンドルと押圧付加手段の状態を説明する扉構造体の側面から見た部分断面透視図である。 防水レベルをアップしたときのロックハンドルと押圧付加手段の状態を説明する扉構造体の側面から見た部分断面透視図である。 通常使用状態で防水処理を施したときのロックハンドルと押圧付加手段の状態を説明する扉構造体の側面から見た部分断面透視図である。 上側ヒンジ部を中心として、防水レベルがアップされている状態のときのロックハンドルとロック解除ハンドルの状態を説明する上面から見た部分断面透視図である。 下側ヒンジ部を中心として、防水レベルがアップされている状態のときのロックハンドルとロック解除ハンドルの状態を説明する上面から見た部分断面透視図である。 防水レベルがアップされた状態からロック解除ハンドルによってロックを解除する寸前の状態を説明する扉構造体の側面から見た部分断面透視図である。 上側ヒンジ部を中心として、防水レベルがアップされた状態からロック解除ハンドルによってロックを解除した状態を説明する扉構造体の上面から見た部分断面透視図である。 下側ヒンジ部を中心として、防水レベルがアップされた状態からロック解除ハンドルによってロックを解除した状態を説明する扉構造体の上面から見た部分断面透視図である。 防水レベルがアップされた状態からロック解除ハンドルによってロックを解除した状態を説明する扉構造体の側面から見た部分断面透視図である。 扉に取り付けられた脱出用扉の構成を説明する上面から見た部分断面透視図である。 扉に取り付けられた避難梯子の構成を説明する側面から見た部分断面透視図である。
以下、本考案に係る通常の使用状態における防水レベルから、緊急的に防水性を高める必要性が発生したときに、防水性を更に高めるための機能を備えると共に扉枠の設置面を開放して台車等の出入りの支障を無くし、更に洪水等の緊急時の対応具を備えた扉構造体について、本考案を具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1乃至図3に基づいて、本実施形態に係る扉構造体1の概略の構成を説明する。
図1乃至図3に示すように、扉構造体1は、第1操作ハンドル2が取付けられた第1表面3及び第1操作ハンドル2と連動する第2操作ハンドル4が取付けられた第2表面5を有する扉6と、扉6を収納する扉収納部7を備えた扉枠8と、扉6と扉枠8を開閉可能に連結するヒンジ部9と、扉6を扉枠8の扉収納部7にヒンジ部9を介して第1表面3側から収納した状態において、扉6の第2表面5と対向する扉枠8の扉収納部7の位置に設けられた並行する2本の第1嵌合溝部10(図3のA−A断面図からC−C断面図参照)と、この2本の第1嵌合溝部10に取り付けられると共に扉6の第2表面5に当接する2本のシールパッキン11(図3のA−A断面図からC−C断面図参照)と、左右の扉枠8に埋め込んで取付けられたガイド溝部材12(図4、図5参照)と、扉6の第2表面5に取付けられると共に先端にガイド溝部材12に挿入される第1作用部13を設けて扉6を扉枠8の扉収納部7内に押圧して固定するロックハンドル14と、扉6のヒンジ部9側の第2表面5に取付けられたロック解除傾斜部15Aを備えたロック解除傾斜部材15Bと、ヒンジ部9側の扉枠8に取付けられると共に先端にロック解除傾斜部材15Bと当接して摺動する第2作用部16を設けて扉6を扉収納部7内から押出すロック解除ハンドル17と、床面18と当接する第2弾性部材19に押圧力を付加する押圧板20、押圧板取付部21、延伸押圧軸22、足踏式ロックバー23で構成される押圧付加手段24とによって構成されている。
更に、図1、図2に基づいて、扉構造体1に付随する洪水等の緊急時の対応具について説明する。
扉6には、扉中央より上部に脱出扉用ヒンジ部材25を介して脱出用扉26が取付けられている。
脱出用扉26には、脱出扉用ハンドル27が扉6の第2表面5側に取付けられ、脱出扉用ハンドル27によって脱出扉用ヒンジ部材25を介して扉6の第1表面3側に開くことができる。
脱出用扉26を閉じてロックするには、脱出扉用ハンドル27を扉6の第2表面5側に引き、脱出用扉26の表面を扉6に取付けられている脱出扉用シールパッキン28(図9参照)に当接させると共に、脱出扉用ハンドル27の先端に設けられた第3作用部29を扉6の第2表面5に取付けられたロック受け部材30に当接し、ロック受け部材30に設けられたロック受け傾斜部31に第3作用部29を摺動させることにより、脱出用扉26を完全に閉じてロックすることができる。
又、扉6の第1表面3側の様子を確認するために脱出用扉26にはドアスコープ32が取付けられている。
これにより、外部の様子を確認することができるので脱出用扉26の開扉操作を安全におこなうことができる。
又、脱出用扉26の近傍には、脱出用扉26を使用するときに使用する避難梯子33が扉6の第2表面5に取付けられている。
使用しないときは、折り畳まれている。
又、扉6の第1表面3側が浸水したときに、浸水の量を知るための水位計34が扉6の第2表面5に取付けられていると共に、扉6の第1表面3の下方に水位計取水口35、上方に水位計排気口36がパイプ形状で取付けられている。
クリーニングのために、取り外しはできるが扉6の第2表面5側の気密は保たれている。
次に、扉構造体1の通常の使用状態における防水レベルから、緊急的に防水性を高める必要性が発生したときに、防水性を更に高める機能を実現する機構を説明する。
本考案では、通常の使用状態における防水レベルから、緊急的に防水性を高める必要性が発生したときに防水性を更に高める手段を、扉6を扉枠8に設けられた扉収納部7の中でシールパッキン11に対向して移動させ、扉6の第2表面5とシールパッキン11の当接する量を通常の使用状態の当接から更に増加させることによって防水性を高める方法に拠っている。
そこで、扉6を扉枠8に設けられた扉収納部7の中で移動させる機構と機構を構成する部材を図1と図4、図5の組立分解図に基づいて説明する。
先ず、図1に示す扉枠8の天井に取付けられる上側のヒンジ部9について図4に基づいて説明する。
上側のヒンジ部9は、図4に示すように補強板Eを挟んで扉枠8に第1ネジ37によって固着されている第1ヒンジ部材38と回動部39で第1ヒンジ部材38に回動可能に支持されるとともに扉6に取付けられたヒンジホルダ部材40の摺動終端部41を有する摺動開口部42に摺動可能に取付けられる摺動部43を有する第2ヒンジ部材44で構成されている。
そして、回動部39は、回動軸45とボールベアリング46で構成され、回動軸45とボールベアリング46は第1ヒンジ部材38と第2ヒンジ部材44に取付けられるが設計の都合により、それぞれの部材を第1ヒンジ部材38と第2ヒンジ部材44のどちらにも取付けることができる。
本考案では、第1ヒンジ部材38にボールベアリング46が取付けられ、第2ヒンジ部材44に回動軸45が取付けられている。
更に、第2ヒンジ部材44は、第2ヒンジ部材本体47と、3個のボールキャスタ48が取付けられたキャスタホルダ上49と、同様に3個のボールキャスタ48が取付けられたキャスタホルダ下50とで構成され、第2ヒンジ部材本体47、キャスタホルダ上49、キャスタホルダ下50には、それぞれの同一箇所に並列に2つのコイルバネ第1受け部51が形成されている。
そして、キャスタホルダ上49は、2本の第2ネジ52によって上から第2ヒンジ部材本体47に固定され、同様に、キャスタホルダ下50は、2本の第2ネジ52によって下から第2ヒンジ部材本体47に固定され、第2ヒンジ部材44の摺動部43を形成する。
更に、ヒンジホルダ部材40は、ヒンジホルダベース53と、ボールキャスタ48を案内する3本のボールキャスタ案内溝54が付設されたヒンジホルダベース上蓋55と、同様にボールキャスタ48を案内する3本のボールキャスタ案内溝54が付設されるとともに2ヶ所にコイルバネ第2受け部56が並列して立設するヒンジホルダベース下蓋57とで構成されている。
そして、ヒンジホルダベース下蓋57は、4本の第3ネジ58によって下からヒンジホルダベース53に固定され、ヒンジホルダベース53の内側とコイルバネ第2受け部56で形成される摺動開口部42に、第2ヒンジ部材44の摺動部43を装着し、その後、押圧駒部材59が装着された2つの本実施形態ではコイルバネ形状をしている第1弾性部材60を第2ヒンジ部材44の摺動部43に形成されたコイルバネ第1受け部51とヒンジホルダベース下蓋57に設けられたコイルバネ第2受け部56の間に装着した後に、ヒンジホルダベース上蓋55を4本の第3ネジ58によって上からヒンジホルダベース53に固定し第1ヒンジカバー61を取付けてヒンジホルダ部材組62は完成する。
そして、ヒンジホルダ部材組62は、扉6にヒンジホルダ部材40が補強板Fを挟んで4本の第4ネジ63によってネジ締めされ水平に取付けられる。
このように扉6に取付けられたヒンジホルダ部材組62がどのような動作をするか以下に説明する。
扉6は、扉6に取付けられたヒンジホルダ部材組62の回動部39の回動軸45が、扉枠8に固着されている第1ヒンジ部材38の回動部39のボールベアリング46に回動支持されることにより、第1ヒンジ部材38に回動支持される。
通常、ヒンジホルダ部材40の内部では、第2ヒンジ部材44の摺動部43に形成されたコイルバネ第1受け部51とヒンジホルダベース下蓋57に設けられたコイルバネ第2受け部56の間に装着された第1弾性部材60がコイルバネ第2受け部56を矢印Dの方向に押圧することにより、ヒンジホルダ部材40のヒンジホルダベース53に設けられた摺動終端部41と第2ヒンジ部材44の摺動部43に設けられた摺動先端部64が当接した状態になっている。
ヒンジホルダ部材組62が取付けられた扉6の開閉は、この状態でおこなわれるとともに、扉6の第2表面は、シールパッキン11と通常の防水レベルで当接している。
そして、ヒンジホルダ部材組62が取付けられた扉6に対して図4の矢印Dとは反対方向の外圧が加えられるとヒンジホルダ部材40の内部では、ヒンジホルダベース下蓋57に設けられたコイルバネ第2受け部56が第1弾性部材60を圧縮しながら移動する。
この移動は、キャスタホルダ下50に取付けられたボールキャスタ48とヒンジホルダベース下蓋57に設けられたボールキャスタ案内溝54の組合せ、及び、キャスタホルダ上49に取付けられたボールキャスタ48とヒンジホルダベース上蓋55に設けられたボールキャスタ案内溝54の組合せによって蛇行することなく平滑におこなわれる。
そのため、扉6の左右のブレや、ヒンジホルダ部材40の摺動開口部42内における第2ヒンジ部材44の摺動部43に対して発生する摩擦等の余分な負荷の発生を防止することができる。
更に、扉6と扉枠8に対して第1ヒンジ部材38とヒンジホルダ部材組62が水平になるように取付けられているので扉6は水平に移動する。
そのため、扉6が斜面を登るように移動する等の余分な負荷の発生を防止することができる。
このとき、当接していたヒンジホルダ部材40のヒンジホルダベース53に設けられた摺動終端部41と第2ヒンジ部材44の摺動部43に設けられた摺動先端部64は離間する。
この離間した距離Lが扉6の移動距離となり、扉6の第2表面は、シールパッキン11を通常の防水レベルから更に扉6の移動距離分だけ押圧して防水レベルを高めている。
続いて、図1に示す扉枠8の縦枠に取付けられる下側のヒンジ部9について図5に基づいて説明する。
下側のヒンジ部9は、上側のヒンジ部9の第1ヒンジ部材38の扉枠8に対する取付部が回動部39に対して水平になっているのに対し、扉枠8の縦枠に取付けるために垂直になっている点と、第1ヒンジ部材38の回動部39が回動軸45、第2ヒンジ部材44の回動部39がボールベアリング46になっている点と、第1ヒンジカバー61の向きが上下逆になっている点と、下側の第1ヒンジ部材38に後述する第2ヒンジカバー65が取付けられていない点が異なるのみで機能、動作は同じであり、その他は上側のヒンジ部9の構成、形状及び動作と全く同じである。
そのため、図5の下側のヒンジ部9の説明は、図4の説明を参照することとしてここでは省略する。
尚、下側のヒンジ部9の第1ヒンジ部材38を扉枠8の縦枠の上下に固着して、扉構造体1を形成しても同一の機能を実現することができる。
次に、上述のように構成された第1ヒンジ部材38とヒンジホルダ部材組62が組込まれた扉構造体1の通常の防水性を保持する通常の使用状態と、緊急的に一段上の防水性を必要としたときに、防水性を更にアップする状態に切り替える機能及び扉構造体1に付随するその他の部材の機能について説明する。
先ず、図1乃至図7に基づいて、扉構造体1の構成を詳細に説明する。
図3に示すように、扉構造体1を構成する扉枠8は、天井枠と左右の縦枠によってコ字状に設けられており、下方は開放された床面18である。
これにより、人が室内に出入りする際に躓くという問題、又、台車や車椅子の室内への出入りには傾斜板等の踏み板をその都度設置しなければならないという問題を無くすことができる。
そして、この何も無い床面18に対する防水方法も後述する。
図1に示す扉枠8を構成する天井枠の左側の位置には、ヒンジ部9を構成する回動部39を備えた上側の第1ヒンジ部材38が図4に示すように補強板Eを挟んで4本の第1ネジ37によって固着されている。
そして、上側の第1ヒンジ部材38には第2ヒンジカバー65が取付けられる。
同様に、図1に示す扉枠8を構成する左側の縦枠の下端には、ヒンジ部9を構成する回動部39を備えた下側の第1ヒンジ部材38が図7に示すように補強板Gを挟んで4本の第1ネジ37によって固着されている。
しかし、下側の第1ヒンジ部材38には第2ヒンジカバー65は取付けられていない。 これは、上下の第1ヒンジ部材38の見え掛りによる。
この上側の第1ヒンジ部材38の回動部39にはボールベアリング46が取付けられ(図4参照)、下側の第1ヒンジ部材38の回動部39には回動軸45が取付けられている(図5参照)。
一方、図4に示すように、扉6の上端部には、扉枠8に取付けられた上側の第1ヒンジ部材38と対向する位置に、上側のヒンジホルダ部材組62がヒンジホルダ部材40を補強板Fとともに4本の第4ネジ63によってネジ締めされることにより扉6に水平に取付けられている。
この上側のヒンジホルダ部材組62を構成している上側の第2ヒンジ部材44の回動部39には回動軸45が取付けられている。(図4参照)
同様に、図7に示すように、扉6の下端部には、扉枠8に取付けられた下側の第1ヒンジ部材38と対向する位置に、下側のヒンジホルダ部材組62がヒンジホルダ部材40を補強板Fとともに4本の第4ネジ63によってネジ締めされることにより扉6に水平に取付けられている。
この下側のヒンジホルダ部材組62を構成している下側の第2ヒンジ部材44の回動部39にはボールベアリング46が取付けられている。(図5参照)
そして、扉6は、扉6に移動可能に装着された上側の第2ヒンジ部材44の回動部39に取付けられた回動軸45が、扉枠8に固着された上側の第1ヒンジ部材38の回動部39に取付けられたボールベアリング46に水平に装着され、更に、扉6に移動可能に装着された下側の第2ヒンジ部材44の回動部39に取付けられたボールベアリング46に、扉枠8に固着された上側の第1ヒンジ部材38の回動部39に取付けられた回動軸45が水平に装着されることにより、上下の第1ヒンジ部材38に支持され、この回動部39のボールベアリング46と回動軸45の組合せによって、支持された扉6の通常の開閉操作をスムース行うことができる。
このとき、図6、図7のヒンジホルダ部材40の内部では、第2ヒンジ部材44の摺動部43に形成されたコイルバネ第1受け部51とヒンジホルダベース下蓋57に設けられたコイルバネ第2受け部56の間に装着された第1弾性部材60がコイルバネ第2受け部56を矢印Dの方向に押圧することにより、ヒンジホルダ部材40のヒンジホルダベース53に設けられた摺動終端部41と第2ヒンジ部材44の摺動部43に設けられた摺動先端部64が当接した状態になっている。
そして、この当接は、キャスタホルダ下50に取付けられたボールキャスタ48とヒンジホルダベース下蓋57に設けられたボールキャスタ案内溝54の組合せ、及び、キャスタホルダ上49に取付けられたボールキャスタ48とヒンジホルダベース上蓋55に設けられたボールキャスタ案内溝54の組合せによって扉6の左右のブレや、ヒンジホルダ部材40の摺動開口部42内における第2ヒンジ部材44の摺動部43に対して発生する摩擦等の余分な負荷の発生を防止して、第1弾性部材60の反力により、平滑におこなわれる。
更に、扉6と扉枠8に対して第1ヒンジ部材38とヒンジホルダ部材組62を水平になるように取付けて扉6を水平に移動することにより、扉6が斜面を登るように移動する等の余分な負荷の発生を防止して第1弾性部材60の反力を阻害しないようにしている。
ヒンジホルダ部材組62が取付けられた扉6の開閉は、上述の状態でおこなわれ、図6、図7に示すように、扉6が閉じられた状態のとき、扉6の第2表面5は、シールパッキン11と通常の防水レベルで当接しているとともに、扉6は、ラッチ錠66のラッチ67がラッチ受け部68に挿入されて固定されている。
扉6が閉じられた状態から扉6を開く場合は、図8、図9に示すように、扉6の第1表面3に取り付けられた第1操作ハンドル2又は扉6の第2表面5に取り付けられた第2操作ハンドル4を回動操作することによって、ラッチ錠66のラッチ67をラッチ受け部68から外して開扉する。
又、扉6を閉じる場合は、図8、図9に示すように、扉6の第1表面3に取り付けられた第1操作ハンドル2又は扉6の第2表面5に取り付けられた第2操作ハンドル4を操作して扉枠8の扉収納部7に押し込むことにより、ラッチ錠66のラッチ67がラッチ受け部68に自動的に挿入されて固定されることにより閉扉し閉塞された状態になる。
そして、扉6の通常の開閉操作を行っている間は、図8、図9に示すように、ヒンジホルダ部材40の内部で第2ヒンジ部材44の摺動部43に形成されたコイルバネ第1受け部51と、ヒンジホルダベース下蓋57に設けられたコイルバネ第2受け部56との間に装着された第1弾性部材60が、コイルバネ第2受け部56を矢印Dの方向に押圧しているので、ヒンジホルダ部材40のヒンジホルダベース53に設けられた摺動終端部41と、第2ヒンジ部材44の摺動部43に設けられた摺動先端部64との当接は外れることはない。
続いて、図1乃至図3、図6、図7に戻り、扉構造体1の他の構成を詳細に説明する。
扉6の第2表面5側の左右の端部には、第1作用部13を備えるロックハンドル14がそれぞれ4個ずつ配置され、それぞれ3本の第5ネジ69によって固着されている。(図2参照)
更に、左右の扉枠8の側面には、それぞれのロックハンドル14が備える第1作用部13の対向する位置に第1作用部13をガイドするガイド溝70を備えたガイド溝部材12が、それぞれ4本の第6ネジ71によって固着されている。
そして、ガイド溝70には、ロックハンドル14の第1作用部13を摺動させて、扉6が扉枠8の扉収納部7の中を移動するための距離Lを得るのに必要な傾斜を備えた押圧ガイド傾斜部72が設けられている。
このように設けられたロックハンドル14とガイド溝70の押圧ガイド傾斜部72により、扉6が扉枠8の扉収納部7の中を移動する状態を図6、図7、図10、図11に基づいて説明する。
先ず、図6、図7に示すように、閉塞状態にある扉6に対し、扉6の第2表面5側に取り付けられているロックハンドル14の第1作用部13を、左右の扉枠8の側面に取り付けられたガイド溝部材12のガイド溝70に設けられた押圧ガイド傾斜部72にあわせ、図10、図11に示すように、押圧ガイド傾斜部72の傾斜部に摺動させて押圧ガイド傾斜部72の頂点に挿入する。
この操作を扉6の第2表面5側に取り付けられているロックハンドル14に対して全て行なう。
これにより、扉6は押圧ガイド傾斜部72の傾斜部の高さ方向の距離L分だけ扉枠8の扉収納部7の中に引き込まれ、図6、図7から図10、図11の状態になる。
即ち、図6、図7の状態で、扉6の左右端部と上端部の第2表面5で押圧されていた扉枠8の第1嵌合溝部10に取り付けられたシールパッキン11は、押圧ガイド傾斜部72の傾斜部の高さ方向の距離L分だけ更に押圧されて図10、図11の状態になり、扉6の第2表面5とシールパッキン11の密着性はさらにアップして防水性を高めている。
このとき、図10、図11の扉6に第4ネジ63によって固着されているヒンジホルダ部材40の内部では、第2ヒンジ部材44の摺動部43に形成されたコイルバネ第1受け部51と、ヒンジホルダベース下蓋57に設けられたコイルバネ第2受け部56との間に装着された第1弾性部材60が、扉6に固着されているコイルバネ第2受け部56に矢印Dの方向とは反対方向に圧縮されることにより、ヒンジホルダ部材40のヒンジホルダベース53に設けられた摺動終端部41と第2ヒンジ部材44の摺動部43に設けられた摺動先端部64が押圧ガイド傾斜部72の傾斜部の高さ方向の距離L分だけ離間した状態になっている。
上述の操作を行うことによって、扉6の第2表面5とシールパッキン11の防水性は高められたが扉6の下端と床面18の間の防水対策はまだ取られていない。
そこで、扉構造体1に付随する扉6の下端と床面18の間の防水性を高める部材の構成と機能を図12に基づいて詳細に説明する。
図12に示すように、扉6の第2表面5の下端には、床面18と当接する第2弾性部材19に押圧力を付加する押圧板20、押圧板取付部21、延伸押圧軸22、足踏式ロックバー23で構成される押圧付加手段24が装着されている。
第2弾性部材19は、扉6の下端に設けられ、床面18方向に開放部を備える第2弾性部材収納部73に収納されている。
第2弾性部材収納部73は、防水加工が施されているので扉6の本体内に漏水することはない。
第2弾性部材19は筒形状をしており、長さは扉6の幅と同じ寸法に設定されている。
これにより、押圧付加手段24によって第2弾性部材19が押圧されたとき、床面18との当接は当然であるが、床面18との当接によって第2弾性部材19が扉6の前後に膨らむので、扉6の第2弾性部材収納部73の周囲の壁面とも強固に当接して防水性を確実にする。
第2弾性部材19は、剛性を備える押圧板20に取り付けられ、床面18に対して均一に押圧されるようにしている。
押圧板20は、押圧板取付部21を介して床面18に対して水平になるように延伸押圧軸22に取り付けられる。
延伸押圧軸22は、足踏式ロックバー23を所定の位置から足踏みすると、足踏式ロックバー23が支点(図示せず)を中心に回動し、延伸押圧軸22の軸を押し出して第2弾性部材19を床面18と第2弾性部材収納部73の周囲の壁面に当接させる。
そして、足踏式ロックバー23は、床面18と第2弾性部材収納部73の周囲の壁面とに当接している第2弾性部材19に所定の負荷をかけた状態で固定する役割を有する。
この状態から足踏式ロックバー23を足踏みして足を外すと、床面18と第2弾性部材収納部73の周囲の壁面とに当接している第2弾性部材19に所定の負荷をかけていた状態での固定がはずれ、延伸押圧軸22の軸が元に戻り、足踏式ロックバー23が所定の位置に戻る。
上述した機能を使用して扉6に対して通常の防水レベルから必要に応じて防水性を更に高めるためには、図13に示すように、扉6の第2表面5側の左右の端部に取付けられた第1作用部13が備えられたロックハンドル14を操作して、第1作用部13がガイド溝70の押圧ガイド傾斜部72を摺動することにより、押圧ガイド傾斜部72の傾斜部の高さ方向の距離L分だけ扉6を扉枠8の扉収納部7の中で移動させ、扉6の第2表面5とシールパッキン11の密着性をさらにアップして防水性を高めた後に、押圧付加手段24を操作することにより、第2弾性部材19が押圧され、床面18との当接は当然であるが、床面18との当接によって第2弾性部材19が扉6の前後に膨らむので、扉6の第2弾性部材収納部73の周囲の壁面とも強固に当接して防水性をさらに高めることができる。
尚、床面にタイル等が貼られ、細かい凹凸や隙間が予め予測される場合は、図12、図13に示すようにステンレス板等の一枚板で加工された床面用枠部材74を扉枠8の下方に床面18と同一面になるように埋め込むようにする。
これにより、第2弾性部材19とステンレス板等の一枚板で加工された床面用枠部材74との密着性を確保することができる。
更に、押圧付加手段24は、第2弾性部材19を単独で押圧することができるので、第2弾性部材19の弾性力や断面形状を変更したり、延伸押圧軸22の延伸のストロークや位置を変更したりして、防水のための第2弾性部材19の押圧力を最適のものにすることができる。
また、機構として、押圧付加手段24の全体を扉6の上下方向に移動可能にすることにより、第2弾性部材19が床面18と当接したときの押圧力を調整した後に固定できるようにしてもよい。
一方、図12の扉6の状態は、図6、図7と同じ通常の防水レベルで扉6の開閉ができる状態と同じである。
この状態から、図14に示すように、足踏式ロックバー23を所定の位置から足踏みすると足踏式ロックバー23が支点(図示せず)を中心に回動し、延伸押圧軸22の軸を押し出して床面18と当接した第2弾性部材19に所定の負荷をかけた状態で第2弾性部材19を床面18に固定するとともに第2弾性部材19の側面を扉6の第2弾性部材収納部73の周囲の壁面に当接させることができる。
ただし、この時には、ロックハンドル14は操作しない。
この第2弾性部材19の床面18に対する固定と閉塞された扉6の第2表面5が左右及び天井の扉枠8の第1嵌合溝部10のシールパッキン11と当接してシールパッキン11に押圧されている状態とにより、扉6は、通常の使用状態における防水機能を備える。
又、附随する機能として防音対策にもなる。
次に、図15乃至図20に基づいて、一段上の防水機能に固定された扉構造体1の解除方法を説明する。
先ず、図15乃至図17に基づいて、ロックハンドル14によって一段上の防水機能に固定された扉構造体1のロックを解除する部材の構成を説明する。
一段上の防水機能に固定された扉構造体1のロックを解除する部材としては、扉6のヒンジ部9側の第2表面5にネジ(図示せず)で固着された二つのロック解除傾斜部15Aを備えるロック解除傾斜部材15Bと、ヒンジ部9側の扉枠8の側面に3本の第7ネジ75によって固着されるとともに先端にロック解除傾斜部15Aと当接して摺動する第2作用部16を設けて扉6を扉枠8の扉収納部7内から押出す二つのロック解除ハンドル17である。
続いて、ロックハンドル14によって一段上の防水機能に固定された扉構造体1のロックを解除する工程を説明する。
先ず、押圧付加手段24によって、床面18と扉6の第2弾性部材収納部73の周囲の壁面とに当接して固定されている第2弾性部材19の解除を行う。
そのために、押圧付加手段24の足踏式ロックバー23を足踏みして足を外すと、床面18と扉6の第2弾性部材収納部73の周囲の壁面とに当接している第2弾性部材19に所定の負荷をかけている状態の固定がはずれ、延伸押圧軸22の軸が元に戻り、足踏式ロックバー23が所定の位置に戻る。即ち、第2弾性部材19は、図17に示す位置に戻る。
その後、扉6の第2表面5に第1作用部13を有して固着されているロックハンドル14と扉枠8の側面に固着されているガイド溝部材12との組合せによる8カ所のロックをロックハンドル14を操作して解除する。
このとき、上側と下側のヒンジホルダ部材40の内部では、第2ヒンジ部材44の摺動部43に形成されたコイルバネ第1受け部51とヒンジホルダベース下蓋57に設けられたコイルバネ第2受け部56の間に装着され、圧縮されていたコイルバネ形状の第1弾性部材60の反力がコイルバネ第2受け部56を矢印Dの方向に押圧することにより、ヒンジホルダ部材40のヒンジホルダベース53に設けられた摺動終端部41と第2ヒンジ部材44の摺動部43に設けられた摺動先端部64が当接した状態になろうとする。
即ち、図6、図7の通常の扉6の使用状態になろうとする。
しかしながら、ヒンジホルダ部材40のヒンジホルダベース53に設けられた摺動終端部41と第2ヒンジ部材44の摺動部43に設けられた摺動先端部64を確実に当接させるために、前述の二つのロック解除ハンドル17を使用する。
先ず、図17乃至図20に示すように扉枠8の側面に第7ネジ75によって固着されたロック解除ハンドル17の第2作用部16を、扉6の第2表面5に固着されたロック解除傾斜部材15Bに合わせ、ロック解除傾斜部材15Bのロック解除傾斜部15Aに摺動させ、ロック解除傾斜部15Aの頂点まで摺動する。
これにより、扉6は、ロック解除傾斜部材15Bのロック解除傾斜部15Aの高さ方向の距離L分だけ扉枠8の外側に移動する。尚、押圧ガイド傾斜部72の傾斜部の高さ方向の距離Lとロック解除傾斜部材15Bのロック解除傾斜部15Aの高さ方向の距離Lは同一である。
このとき、上側と下側のヒンジホルダ部材40の内部では、扉6がロック解除ハンドル17による外力によってロック解除傾斜部材15Bのロック解除傾斜部15Aの高さ方向の距離L分だけ扉枠8の外側に移動することにより、ヒンジホルダ部材40のヒンジホルダベース53に設けられた摺動終端部41と第2ヒンジ部材44の摺動部43に設けられた摺動先端部64とが当接した状態に戻り、図6、図7に示す通常の扉6として使用できる状態に戻る。
このようにして、ロックハンドル14によって一段上の防水機能に固定された扉構造体1のロックは解除される。
次に、図1、図2、図21、図22に基づいて、扉構造体1に附随する緊急時に使用する脱出用扉26について説明する。
扉6には、扉中央より上部に、大人の人間が脱出できる開口部76が設けられており、開口部76には、二つの脱出扉用ヒンジ部材25を介して脱出用扉26が開閉可能に取付けられている。
又、扉6の開口部76の周囲には、第2表面5側に向けて一本の第2嵌合溝部77が形成され、一本の脱出扉用シールパッキン28が取り付けられている。
脱出用扉26には、脱出扉用ハンドル27が脱出扉用ヒンジ部材25と対向する扉6の第2表面5側の位置に取り付けられ、脱出扉用ハンドル27によって脱出扉用ヒンジ部材25を介して扉6の第1表面3側に開くことができる。
脱出用扉26を閉じてロックするには、脱出扉用ハンドル27を扉6の第2表面5側に引き、脱出用扉26の一段下がった表面を扉6の開口部76の周囲に設けられた第2嵌合溝部77に取付けられている脱出扉用シールパッキン28に当接させるとともに、脱出扉用ハンドル27の先端に設けられた第3作用部29を扉6の第2表面5に取付けられたロック受け部材30に当接し、ロック受け部材30に設けられたロック受け傾斜部31に第3作用部29を摺動させることにより、脱出用扉26を完全に閉じてロックすることができる。
そして、ロック受け傾斜部31の傾斜部の高さの距離Lは、脱出扉用シールパッキン28を押圧して撓ませ、密閉度を上げる距離になる。
又、扉6の開口部76に取り付けられた脱出用扉26にはドアスコープ32が取付けられている。
これにより、外部の様子を確認することができるので内部いる自分達がどのような状況おかれているかが分かる。
又、扉6が開けられない状況で、脱出用扉26の開扉操作を安全におこなうことができるかどうかを、脱出用扉26に設けられているドアスコープ32で外部を見れば確実に分かる。
又、脱出用扉26の近傍には、脱出用扉26を使用するときに使用する避難梯子33が扉6の第2表面5に取付けられている。
脱出用扉26は、扉6の外側が浸水したり、土砂で埋まった場合を考慮して比較的扉の高い位に設けられている。
そのために、脱出用扉26を使用する場合は踏台や梯子が必要になるが、そのときのために扉6に避難梯子33を備えておくことにより、緊急時に踏台や梯子を探す必要を無くし、問題なく脱出用扉26から脱出することができる。
更に、避難梯子33を折畳式にして使用しないときは折り畳んで掛け金78をかけておくことにより、避難梯子33がばらけることもなく占めるスペースを最小にして、扉の開閉に支障をきたすことが無いようにすることができる。
又、避難梯子33を開いたとき、避難梯子33の側面の片側は扉に固定されており、もう片側は床に当接するようにしているので安定した使用状態にすることができる。
又、扉6の第1表面3側が浸水したときに、浸水の量を知るための水位計34が扉6の第2表面5に取付けられていると共に、扉6の第1表面3の下方に水位計取水口35、上方に水位計排気口36がパイプ形状で取付けられている。
これにより、扉の外側が水没した場合、その水没の深さを知ることができるとともに前述の脱出扉からの脱出の目安にすることもできる。
クリーニングのために、取り外しはできるが扉6の第2表面5側の気密は保たれている。
以上説明したように、本考案の実施形態に係る扉構造体1によれば、扉収納部7を有する扉枠8と、扉枠8に対して開閉可能に支持される扉6と、扉枠8の扉収納部7の周囲に取付けられたシールパッキン11と、扉6に取付けられ、摺動終端部41を備えた摺動開口部42を有するヒンジホルダ部材40と、扉枠8に固着され、回動部39を有する第1ヒンジ部材38と、第1ヒンジ部材38に回動部39を介して回動可能に支持されるとともに、ヒンジホルダ部材40の摺動開口部42に摺動可能に取付けられる摺動部43を有する第2ヒンジ部材44と、扉6に取付けられ、一端に第1作用部13を設けたロックハンドル14と、扉枠8の側面において、扉6が扉枠8の扉収納部7に収納された状態でロックハンドル14の第1作用部13と対向する位置に、扉6を扉収納部7内に更に引き込む押圧ガイド傾斜部72を設けたガイド溝70とを備え、扉枠8に対して扉6を閉じる際、摺動終端部41と摺動部43が当接されている状態のときに、第2ヒンジ部材44は第1ヒンジ部材38に回動部39を介して回動し、扉6を閉じて扉6が扉枠8の扉収納部7に収納された状態で扉6の周囲がシールパッキン11に押圧された第1押圧状態となり、第1押圧状態で、ロックハンドル14を回転操作して第1作用部13をガイド溝70に挿入するとともに第1作用部13を押圧ガイド傾斜部72と当接摺動させた際、摺動部43は摺動開口部42内を押圧ガイド傾斜部72の高さ分の距離Lまで水平移動されるとともに扉6は摺動開口部42内における摺動部43の移動距離Lに対応して第1押圧状態から更にシールパッキン11に押圧された第2押圧状態となる構成になっている。
この構成によれば、扉枠8に対して扉6を閉じる際、摺動終端部41と摺動部43が当接されている状態のときに、第2ヒンジ部材44は第1ヒンジ部材38に回動部39を介して回動し、扉6を閉じて扉6が扉枠8の扉収納部7に収納された状態で扉6の周囲はシールパッキン11に押圧された第1押圧状態と、第1押圧状態で、各ロックハンドル14を回転操作して第1作用部13をガイド溝70に挿入するとともに第1作用部13を押圧ガイド傾斜部72と当接摺動させた際、摺動部43は摺動開口部42内を押圧ガイド傾斜部72の高さ分の距離Lまで水平移動されるとともに扉6は摺動開口部42内における摺動部43の移動距離Lに対応して第1押圧状態から更にシールパッキン11に押圧されて第2押圧状態となる2つの状態を備えている。
これにより、扉構造体1の第1押圧状態は通常の防水機能を備え、通常の扉開閉操作をおこなうことができる。
そして、通常よりも高い防水性を必要とするときは、各ロックハンドル14によって第2押圧状態にすることによって高い防水性を得ることができる。
即ち、1つの扉6で通常の防水性と高い防水性の使い分けができるのである。
更に、ヒンジピンとヒンジピンを保持するピン保持部材の関係が軸と内外方向に長い長孔の関係と傾斜面をヒンジピンに当接させながら防水扉を開口枠に近づける構成を使用することなしに扉6を扉枠8の扉収納部7に対して内外方向に移動させるために、扉枠8に固着され扉6を開閉可能に支持する第1ヒンジ部材38と扉6に取付けられる第2ヒンジ部材44をそれぞれのヒンジ部材38、44の固定された回動部39で回動支持するとともに、第2ヒンジ部材44の摺動部43を扉6に水平に取付けられたヒンジホルダ部材40の内部で水平に移動するように取付けることにより、扉6が長孔に沿って傾き、扉6の開閉が平滑に行なわれなくなる虞がある問題や、傾斜面の角度により扉6を扉枠8の扉収納部7に対して内外方向に移動させるために余分な負荷が発生したり戻らなくなったりする問題、更に扉6が斜め移動をすることにより扉6の下端が浮くという問題を解消して扉6を扉枠8の扉収納部7に対して内外方向に移動させることができる。
又、扉枠8に固着され扉6を開閉可能に支持する第1ヒンジ部材38と扉6に取付けられる第2ヒンジ部材44をそれぞれのヒンジ部材の固定された回動部39で回動支持するとともに、第2ヒンジ部材44の摺動部43を扉6に水平に取付けられたヒンジホルダ部材40の内部で水平に移動するように取付ける機構は、扉6を扉枠8の扉収納部7に対して内外方向に移動させる際の余分な摩擦抵抗の発生を最小限に抑えることができ、更に摩擦抵抗の発生を抑える機構を備えることにより扉6の位置決めを第1押圧状態の位置に確実に位置決めすることができる。
次に、扉構造体1によれば、扉枠8に取付けられ、一端に第2作用部16が設けられたロック解除ハンドル17と、扉6に設けられ、第2作用部16と対向する位置に扉6を扉収納部7内から押し出す距離Lを有するロック解除傾斜部15Aを設けたロック解除傾斜部材15Bとを備えている。
そのため、第2押圧状態でロック解除ハンドル17を回転操作して第2作用部16をロック解除傾斜部材15Bのロック解除傾斜部15Aに当接摺動させることにより、摺動部43は摺動開口部42内をロック解除傾斜部15Aの高さ分の距離Lまで水平移動されて第1押圧状態に戻すことができる。
即ち、扉6自体には自動的に第1押圧状態に戻る機構を備えているが、途中で停止してしまう事態を機械的に第1押圧状態に戻すことによって確実に防止することができる。
次に、扉構造体1によれば、ヒンジホルダ部材40と第2ヒンジ部材44の間には、摺動部43を摺動開口部42の摺動終端部41方向に押圧する第1弾性部材60を備えている。
これにより、ロックハンドル14によるロックが解除されたとき、第1弾性部材60の反力によって扉6を第2押圧状態から第1押圧状態に戻すことができる。
次に、扉構造体1によれば、第2ヒンジ部材44の摺動部43はボールキャスタ48を介してヒンジホルダ部材40の摺動開口部42に取付けられている。
これにより、扉6を扉枠8の扉収納部7に対して内外方向に移動させる際の余分な摩擦抵抗の発生を最小限に抑えることができ、扉6の位置決めを第1押圧状態の位置に確実に位置決めすることができる。
次に、扉構造体1によれば、ヒンジホルダ部材40の摺動開口部42にはボールキャスタ48を案内するボールキャスタ案内溝54が設けられている。
これにより、扉6を扉枠8の扉収納部7に対して内外方向に移動させる際の扉6の横揺れの発生を抑えることができ、扉6の位置決めを第1押圧状態の位置に確実に位置決めすることができる。
次に、扉構造体1によれば、扉枠8は設置面に対応して開放部が形成され、扉6が第1押圧状態又は第2押圧状態のとき、設置面の開放部を押圧する第2弾性部材19と第2弾性部材19に押圧力を付加して固定する押圧付加手段24を備えている。
この構成によれば、防水のためのシールパッキン11が取り付けられた扉枠8を設置面から無くしても、人が操作できる押圧付加手段24により扉6の下部に取り付けられた第2弾性部材19を扉枠8の開放部を介して設置面に押圧することができるので、必要に応じて防水性を高めることができる。
換言すれば、この第2弾性部材19と押圧付加手段24により、防水のためのシールパッキン11を取り付けた扉枠8を設置面から無くすことができるので、人が室内に出入りする際に扉枠8に躓くという問題を無くすことができる。
更に、台車や車椅子の室内への出入りには傾斜板等の踏み板をその都度設置しなければならないという問題も無くすことができる。
又、防水のためのシールパッキン11を取り付けた扉枠8が設置面にあるために、シールパッキン11に塵が溜まり易くシールパッキン11と扉6の間の密閉度を悪くするという問題もあるが、シールパッキン11を取り付けた扉枠8を設置面から無くすことにより塵の溜まる場所を無くすことができ、代わりにシールパッキン11を取り付けた扉枠8の無い設置面を第2弾性部材19で密閉するので塵による密閉度の悪化を無くすことができる。
更に、第2弾性部材19を備える押圧付加手段24が扉6に取り付けられているので扉6を開ける行程の何処でも第2弾性部材19を扉枠8の設置面に押圧して扉6を止めることができる。
即ち、防水機能以外に扉6のストッパとしての機能を持たせることができる。
次に、扉構造体1によれば、扉枠8の設置面には、開放部に対応して設置面と同一の高さとなる床面用枠部材74が埋め込まれている。
これにより、設置面にタイル等の外装部材が張られることによって、表面に凹凸や隙間が発生することを予め予測できる場合には、扉枠8の設置面に設置面と同一の高さとなる床面用枠部材74を埋め込んで設置面の代替をさせることにより、第2弾性部材19と設置面の密着性を阻害する要因を取り除くことができる。
次に、扉構造体1によれば、扉6の背面には、ドアスコープ32を備えた脱出用扉26が開閉可能に支持されている。
これにより、扉6の外側が浸水したり、土砂で埋まったりして扉6が開かない状態のときに、ドアスコープ32で外側の状況を確認することができ、安全が確認できたら脱出用扉26から外側に脱出することができる。
次に、扉構造体1によれば、扉6の背面には、脱出用扉26に隣接して折畳可能な避難梯子33が設けられている。
脱出用扉26は、扉6の外側が浸水したり、土砂で埋まったりした場合を考慮して比較的扉6の高い位に設けられている。
そのために、脱出用扉26を使用する場合は踏台や梯子が必要になるが、そのときのために扉6に避難梯子33を備えておくことにより、緊急時に踏台や梯子を探す必要を無くし、問題なく脱出用扉26から脱出することができる。
更に、避難梯子33を折畳式にして避難梯子33が占めるスペースを最小にすることにより、扉6の開閉に支障をきたすことを無くすことができる。
又、避難梯子33を開いたとき、避難梯子33の側面の片側は扉6に固定されており、もう片側は床に当接するようにしているので安定した使用状態にすることができる。
そして、構造体1によれば、扉6の背面には、扉6の正面側における水位を計測する水位計34が取付けられている。
これにより、扉6の外側が水没した場合、その水没の深さを知ることができるとともに前述の脱出用扉26からの脱出の目安にすることもできる。
尚、本考案は前記実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
1 扉構造体
6 扉
7 扉収納部
8 扉枠
11 シールパッキン
13 第1作用部
14 ロックハンドル
15A ロック解除傾斜部
15B ロック解除傾斜部材
16 第2作用部
17 ロック解除ハンドル
19 第2弾性部材
24 押圧付加手段
26 脱出用扉
32 ドアスコープ
33 避難梯子
34 水位計
38 第1ヒンジ部材
39 回動部
40 ヒンジホルダ部材
41 摺動終端部
42 摺動開口部
43 摺動部
44 第2ヒンジ部材
48 ボールキャスタ
54 ボールキャスタ案内溝
60 第1弾性部材
70 ガイド溝
72 押圧ガイド傾斜部
74 床面用枠部材

Claims (10)

  1. 扉収納部を有する扉枠と、
    前記扉枠に対して開閉可能に支持される扉と、
    前記扉枠の扉収納部の周囲に取付けられたシールパッキンと、
    前記扉に取付けられ、摺動終端部を備えた摺動開口部を有するヒンジホルダ部材と、
    前記扉枠に固着され、回動部を有する第1ヒンジ部材と、
    前記第1ヒンジ部材に前記回動部を介して回動可能に支持されるとともに、前記ヒンジホルダ部材の摺動開口部に摺動可能に取付けられる摺動部を有する第2ヒンジ部材と、
    前記扉に取付けられ、一端に第1作用部を設けたロックハンドルと、
    前記扉枠の側面において、前記扉が前記扉枠の扉収納部に収納された状態で前記ロックハンドルの第1作用部と対向する位置に、扉を扉収納部内に更に引き込む押圧ガイド傾斜部を設けたガイド溝とを備え、
    前記扉枠に対して扉を閉じる際、前記摺動終端部と前記摺動部が当接されている状態のときに、前記第2ヒンジ部材は前記第1ヒンジ部材に回動部を介して回動し、扉を閉じて扉が扉枠の扉収納部に収納された状態で扉の周囲が前記シールパッキンに押圧された第1押圧状態となり、
    前記第1押圧状態で、前記ロックハンドルを回転操作して前記第1作用部を前記ガイド溝に挿入するとともに第1作用部を前記押圧ガイド傾斜部と当接摺動させた際、前記摺動部は前記摺動開口部内を押圧ガイド傾斜部の高さ分の距離まで水平移動されるとともに前記扉は摺動開口部内における摺動部の移動距離に対応して第1押圧状態から更にシールパッキンに押圧された第2押圧状態となることを特徴とする扉構造体。
  2. 前記扉枠に取付けられ、一端に第2作用部が設けられたロック解除ハンドルと、
    前記扉に設けられ、前記第2作用部と対向する位置に扉を扉収納部内から押し出す距離を有するロック解除傾斜部を設けたロック解除傾斜部材とを備え、
    前記第2押圧状態で前記ロック解除ハンドルを回転操作して前記第2作用部を前記ロック解除傾斜部材のロック解除傾斜部に当接摺動させた際、前記摺動部は前記摺動開口部内をロック解除傾斜部の高さ分の距離まで水平移動されて前記第1押圧状態に戻ることを特徴とする請求項1に記載の扉構造体。
  3. 前記ヒンジホルダ部材と第2ヒンジ部材の間には、前記摺動部を前記摺動開口部の摺動終端部方向に押圧する第1弾性部材を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の扉構造体。
  4. 前記第2ヒンジ部材の摺動部はボールキャスタを介して前記ヒンジホルダ部材の摺動開口部に取付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の扉構造体。
  5. 前記ヒンジホルダ部材の摺動開口部には前記ボールキャスタを案内するボールキャスタ案内溝が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の扉構造体。
  6. 前記扉枠は設置面に対応して開放部が形成され、前記扉が前記第1押圧状態又は第2押圧状態のとき、設置面の開放部を押圧する第2弾性部材と第2弾性部材に押圧力を付加して固定する押圧付加手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の扉構造体。
  7. 前記扉枠の設置面には、前記開放部に対応して設置面と同一の高さとなる床面用枠部材が埋め込まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の扉構造体。
  8. 前記扉の背面には、ドアスコープを備えた脱出用扉が開閉可能に支持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の扉構造体。
  9. 前記扉の背面には、前記脱出用扉に隣接して折畳可能な避難梯子が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の扉構造体。
  10. 前記扉の背面には、扉の正面側における水位を計測する水位計が取付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の扉構造体。
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