JP5232100B2 - 開き戸機構付き引き戸装置 - Google Patents
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Description
このようなものとしては、引き戸体を開口部上方に設けた走行レールに左右方向移動自在に吊持される上部バーと、開口部を開閉する本体部とにより構成し、上部バーと本体部とを、戸尻側において開閉揺動自在に枢支連結するとともに、戸先側において係止手段を介して係脱自在に連結して、戸袋体と引き戸体とが開閉揺動する場合では、上部バーと本体部との係止手段の係止解除がなされ、本体部のみが戸袋体とともに開閉揺動するようにしたものが提唱されている(特許文献1)。しかるに、前記特許文献1のものは、上部バーと本体部との間に設けられる係脱自在の係止手段に対し、本体部の荷重が全て作用するため、係止手段の係脱操作に大きな力が必要となり、戸袋体と引き戸体とを一体に開閉揺動するときの操作が重くなるという問題がある。
そこで、本発明者等は、戸袋体と本体部との間に、引き戸体のスライド全開姿勢において、本体部の戸先側端部が戸尻側端部よりも高位となるよう支持する支持手段を設けて、上部バーと本体部との係止手段の係脱操作が軽くなるようにしたものを提唱した(特許文献2)。
請求項2の発明において、支持ローラは、支持受けレールを相対移動自在に転動する転動面部と、該転動面部の両側に転動面部より大径のフランジ部が形成されるものとし、ブロック体は、支持ローラのフランジ部に対向する部位に位置して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の開き戸機構付き引き戸装置である。
請求項3の発明は、開口部の左右方向一半部に設けられ、開閉揺動可能に構成された戸袋体と、該戸袋体の戸袋姿勢において、戸袋体に沿ってスライド移動して開口部の他半部を開閉する引き戸体とを備え、前記引き戸体が開口部他半部を開放するスライド全開姿勢で引き戸体と戸袋体とが一体に開閉揺動して開口部を揺動全開姿勢とする開き戸機構付き引き戸装置において、前記引き戸体を、開口部上方に設けた走行レールに左右方向移動自在に吊持される上部バーと、戸先側端部が係止手段を介して上部バーに係脱自在に支持される本体部とにより構成するとともに、前記本体部と戸袋体との間に、本体部の戸尻側端部に設けられる支持受けローラと該支持受けローラを移動自在に支持するべく戸袋体に左右方向長尺状に設けられる支持レールとにより構成した第一支持手段と、本体部に左右方向長尺状に設けられる支持受けレールと該支持受けレールを相対移動自在に支持するべく戸袋体の戸先側端部に設けられる支持ローラとにより構成した第二支持手段とを設け、前記第一支持手段の支持レールの戸尻側部位に、戸尻側ほど低位となる傾斜状のガイド面を設けて、引き戸体のスライド全開姿勢で本体部の戸先側端部を高位に強制変位させる構成としたことを特徴とする開き戸機構付き引き戸装置である。
請求項2の発明とすることにより、ブロック体の支持レールへの組込み作業が容易で、しかも、強固に組込むことができる。
図中、1は例えば病院の集中治療室等の室内への出入り口部となる開口部の一半部を閉鎖する戸袋体であって、該戸袋体1は、表裏一対(室外側、室内側)のパネル体2、3を用いて構成されている。前記表裏パネル体2、3同士は、上下端面同士に一体化片1a、1bが設けられており、これによって、パネル体2、3同士が個別に動くことがなく、かつ、互いの対向間に所定間隙Hが形成される状態で連結されている。さらに、表裏パネル体2、3の戸尻側同士は、金属製材で構成される上下方向長尺状の連結金具1cを用いて一体的に連結されており、該連結金具1cの外周を断面半円形状のゴム質弾性材からなる緩衝体SAにより覆蓋される構成となっている。一方、開口部上部を構成する上側枠体4と床面Fとには、戸袋体1の戸尻側に対向する箇所にそれぞれピボットヒンジ4a、4bが設けられており、これらピボットヒンジ4a、4bは、前記上下の一体化片1a、1bの戸尻側端部(一端部)に設けた軸受け部1d、1eに軸承されている。これによって、戸袋体1は開口部に枢支され、上下のピボットヒンジ4a、4bを枢軸として、図1(A)の図面手前側(表側)に向けて開閉揺動が可能となるように構成されている。
尚、13は、戸袋体1を戸袋姿勢に位置決めする位置決め部材、13aは、戸袋体1の揺動全開姿勢を越える開放揺動を規制する位置決め部材である。また、4fは、上側枠体4の表側に設けられ、上側枠体4に設けられる走行レール8や前記各主部材を覆蓋するカバー体である。
前記第一支持手段は、前記本体部7表面と戸袋体1(表パネル体2)との間に設けられており、本体部7表面の上部戸尻側端部から表パネル体2側に向けて突出状に設けられる支持受けローラ14と、表パネル体2の裏面上部に左右幅一体に設けられる長尺状の支持レール15とにより構成されている。前記支持レール15は、表パネル体2に固定される固定片15aと、該固定片15aの上端部から裏方、および、上方に向けて突出し、表パネル体2の裏面から離間するレール片15bを備えて構成されている。また、支持受けローラ14は、支持レール15のレール片15bを転動する転動面部14aと、該転動面部14aの回転軸芯方向両側部から外径側に突出して転動面部14aより大径となり、転動面部14aがレール片15bを移動するとき、レール片15bの表裏面に表裏方向から対向するフランジ部14bとを備えて構成されている。そして、支持受けローラ14の転動面部14aを支持レール15のレール片15bに対して上側から載置するように組込むことにより、支持受けローラ14が支持レール15の支持を受け、フランジ部14bによりレール片15bに対して表裏方向の抜止めがなされた状態で転動面部14aがレール片15b上を移動自在に転動(走行)するように構成されている。
尚、本実施の形態において、第一、第二支持手段とは、引き戸体5の全閉姿勢からスライド全開姿勢になる少し前の段階までの間、本体部7を水平姿勢に保持するように設定されている。
前記ブロック体18の組込み状態において、ブロック体18のガイド部18bは、支持受けレール16の固定片16aの下端部から突出してレール片16bに隣接して設けられており、ブロック体18が支持ローラ17に対向したとき、ガイド部18bの下端面が表側(本体部7側)のフランジ部17bに対向するように設定されている。さらに、前記ガイド部18bの下端面は、戸尻側部位に戸先側ほど下方に突出する傾斜状の傾斜ガイド面18eが形成され、戸先側部位には前記傾斜ガイド面18eの突出端に続く水平ガイド面18fが形成されており、引き戸体5をスライド全開姿勢としたとき、前記戸先側の水平ガイド面18fが、裏パネル体3に設けた支持ローラ17のフランジ部17bに対向して支持を受けるように設定されている。ここで、フランジ部17bが水平ガイド面18fを支持することによる本体部7の支持高さは、支持ローラ17の転動面部17aがレール片16bを支持することによる本体部7の支持高さよりも高くなるように設定されている。これによって、図6(C)、図7(A)の実線で示すように、フランジ部17bが水平ガイド面18fを支持する状態になると、レール片16bが転動面部17aから離間し、支持受けレール16の戸先側部位が、躯体に固定される部材であって、戸袋体1(支持ローラ17)や上部バー6等の部材に対して変位量Hを存して高位に変位するように設定されている。
このとき、支持受けレール16と支持ローラ17とは、レール片16bと転動面部17aとの当接、ブロック体18のガイド部(傾斜ガイド面18e、水平ガイド面18f)とフランジ部17bとの何れかの当接支持がなされており、支持受けレール16の戸先側部位を強制上動させる場合に当接音(異音)を発生することがなく、引き戸体5の静粛な開閉作動ができるように構成されている。
また、ブロック体18は、支持ローラ17の転動面部17aに対向するレール片16bではなく、フランジ部17bに対向する固定片16aに位置して設ける構成としたので、ブロック体18を支持受けレール16に組込む作業が容易になり、しかも、ブロック体18の連結部18aが嵌入する取付け凹溝16cの溝幅(前後方向長さ)を広く確保することができて、ブロック体18の支持受けレール16への組込み強度を高めることができるように構成されている。
また、ブロック体18のガイド部18bは、引き戸体5のスライド全開姿勢では水平ガイド面18fが支持ローラ17のフランジ部17bからの支持を受けており、これによって、スライド全開姿勢の引き戸体5(本体部7)が不安定になって閉鎖側に動いてしまうような不具合がなく、スライド全開姿勢が安定して保持されるように構成されている。
さらに、支持受けレール16が強制的に上動する変位量Hは、フック体6bの貫通孔6aにおける係止片7aの上下方向の遊びよりも短く設定されており、支持受けレール16が強制上動した場合に、係止片7aが貫通孔6aの上側の孔縁に押し付けられて挿抜操作ができ難くなるような不具合がないように配慮されている。
しかも、本体部7は、戸袋体1に対して第一、第二支持手段を介して支持されているので、本体部7をスライド開閉させる場合に、何れの開放位置においてもバランスよく支持することができるという利点がある。
前記第二の実施の形態において、戸袋体21は一枚状のパネル体で構成されており、引き戸体22は、戸袋姿勢の戸袋体21の表面に沿ってスライド開閉移動する構成となっている。そして、引き戸体22は、上部バー22aと本体部22bとにより構成されること、上部バー22aと本体部22bとが、戸先側端部において図示しない係止手段を介して係脱自在に係止する構成であること、上部バー22aが走行レール8を走行する構成であること等、基本的な構成は前記第一の実施の形態と同様となっている。また、戸袋体21と本体部22bとの間に設けられる支持手段は、本体部22b戸尻側端部の裏面に設けた支持受けローラ23、および、戸袋体21の表側面(本体部22b側面)に左右方向長尺状に設けられ、前記支持受けローラ23を表裏方向抜止め状に、かつ、左右方向移動自在に支持する支持レール24により構成される第一支持手段と、本体部22bの裏面に左右方向長尺状に設けられる支持受けレール25、および、戸袋体21表面の戸先側端部に設けられ、前記支持受けレール25が表裏方向抜止め状に、かつ、左右方向移動自在に支持される支持ローラ26により構成される第二支持手段とで構成されている。そして、第二支持手段の支持受けレール25の戸先側部位に、前記第一の実施の形態と同様のブロック体18が設けられる構成となっている。
そして、前記第一の実施の形態と同様に、引き戸体22のスライド開閉移動の際に、引き戸体22がスライド全開位置に近付くに従い、支持受けレール25に設けたブロック体18が支持ローラ26のフランジ部26aに干渉することで、本体部22bが次第に高位に変位し、引き戸体22のスライド全開姿勢への変姿に伴い、本体部22bの戸先側端部が高位に持ち上げられる(上動する)構成となっている。そして、この場合でも、上部バー22aとの係止手段の係脱操作が軽快になって操作性に優れ、しかも、スライド開閉作動において静粛な操作が可能な開き戸機構付き引き戸装置することができる。
前記第三の実施の形態において、戸袋体27は表裏一対のパネル体27a、28bで構成されており、引き戸体28は、戸袋姿勢の戸袋体27の表裏一対のパネル体27a、27bの対向間に沿ってスライド開閉移動する構成となっている。そして、引き戸体28は、上部バー28aと本体部28bとにより構成され、上部バー28aと本体部28bとは、戸先側端部においてフック体28cと係止片28dとによる一ヶ所の係止手段を介して係脱自在に係止する構成となっており、上部バー28aが図示しない走行レールを走行する構成となっている。さらに、戸袋体27と本体部28bとの間には、本体部28b戸尻側端部の表面に設けられる支持受けローラ29、および、戸袋体27の表パネル体27aの裏面に左右方向長尺状に設けられ、前記支持受けローラ29を表裏方向抜止め状に、かつ、左右方向移動自在に支持する支持レール30により構成される第一支持手段と、本体部28bの裏面に左右方向長尺状に設けられる支持受けレール31、および、戸袋体27の裏パネル体27b表面の戸先側端部に設けられ、前記支持受けレール31が表裏方向抜止め状に、かつ、左右方向移動自在に支持される支持ローラ32により構成される第二支持手段とが設けられており、これらの各構成は前記第一の実施の形態と同様となっている。
そして、第三の実施の形態において、第一支持手段の支持レール30の戸尻側部位には、戸尻側ほど低位となる傾斜状のガイド面30aと、該ガイド面30aの最低位部に続く水平面30bとが形成されている。そして、引き戸体28をスライド全開姿勢に変姿させた場合に、上部バー28aと本体部28bとの係止部は、第二支持手段による支持部より戸先側に位置している一方、本体部28bの戸尻側部位の支持受けローラ29が前記ガイド面30aを経由して水平面30bに位置するように設定されている。これによって、本体部は、第二支持手段による支持部を支点として戸尻側が低位に、戸先側が高位になるよう強制変位せしめられ、上部バー28aと本体部28bとの係止手段である係止片28dがフック体28cに対して浮いた状態となるように構成されている。
そして、この構成においても、本体部28bが上部バー28aに対して上動し、本体部28bと上部バー28aとの間に設けられるフック体28cに対する係止片28dの係脱操作が軽快、かつ、円滑になるように構成されている。しかも、この場合に、支持受けローラ29が支持レール30から離間することがなく、本体部28aの戸先側端部を高位に変位させるときに異音が発生するような不具合がないようにできる。
2 表パネル体
3 裏パネル体
4 上側枠体
5 引き戸体
6 上部バー
6b フック体
7 本体部
7a 係止片
9 ローラブラケット
14 支持受けローラ
15 支持レール
16 支持受けレール
16a 固定片
16b レール片
16c 取付け凹溝
17 支持ローラ
17a 転動面部
17b フランジ部
18 ブロック体
18a 連結部
18b ガイド部
18e 傾斜ガイド面
18f 水平ガイド面
Claims (3)
- 開口部の左右方向一半部に設けられ、開閉揺動可能に構成された戸袋体と、該戸袋体の戸袋姿勢において、戸袋体に沿ってスライド移動して開口部の他半部を開閉する引き戸体とを備え、前記引き戸体が開口部他半部を開放するスライド全開姿勢で引き戸体と戸袋体とが一体に開閉揺動して開口部を揺動全開姿勢とする開き戸機構付き引き戸装置において、前記引き戸体を、開口部上方に設けた走行レールに左右方向移動自在に吊持される上部バーと、戸先側端部が係止手段を介して上部バーに係脱自在に支持される本体部とにより構成するとともに、前記本体部と戸袋体との間に、本体部の戸尻側端部に設けられる支持受けローラと該支持受けローラを移動自在に支持するべく戸袋体に左右方向長尺状に設けられる支持レールとにより構成した第一支持手段と、本体部に左右方向長尺状に設けられる支持受けレールと該支持受けレールを相対移動自在に支持するべく戸袋体の戸先側端部に設けられる支持ローラとにより構成した第二支持手段とを設け、前記第二支持手段の支持受けレールの戸先側部位に、戸先側ほど下方に突出する傾斜状のガイド面を有したブロック体を設けて、引き戸体のスライド全開姿勢で本体部の戸先側端部を高位に強制変位させる構成としたことを特徴とする開き戸機構付き引き戸装置。
- 支持ローラは、支持受けレールを相対移動自在に転動する転動面部と、該転動面部の両側に転動面部より大径のフランジ部が形成されるものとし、ブロック体は、支持ローラのフランジ部に対向する部位に位置して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の開き戸機構付き引き戸装置。
- 開口部の左右方向一半部に設けられ、開閉揺動可能に構成された戸袋体と、該戸袋体の戸袋姿勢において、戸袋体に沿ってスライド移動して開口部の他半部を開閉する引き戸体とを備え、前記引き戸体が開口部他半部を開放するスライド全開姿勢で引き戸体と戸袋体とが一体に開閉揺動して開口部を揺動全開姿勢とする開き戸機構付き引き戸装置において、前記引き戸体を、開口部上方に設けた走行レールに左右方向移動自在に吊持される上部バーと、戸先側端部が係止手段を介して上部バーに係脱自在に支持される本体部とにより構成するとともに、前記本体部と戸袋体との間に、本体部の戸尻側端部に設けられる支持受けローラと該支持受けローラを移動自在に支持するべく戸袋体に左右方向長尺状に設けられる支持レールとにより構成した第一支持手段と、本体部に左右方向長尺状に設けられる支持受けレールと該支持受けレールを相対移動自在に支持するべく戸袋体の戸先側端部に設けられる支持ローラとにより構成した第二支持手段とを設け、前記第一支持手段の支持レールの戸尻側部位に、戸尻側ほど低位となる傾斜状のガイド面を設けて、引き戸体のスライド全開姿勢で本体部の戸先側端部を高位に強制変位させる構成としたことを特徴とする開き戸機構付き引き戸装置。
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