JP6166649B2 - 防潮板の水密装置 - Google Patents
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Description
ところで、前述したように開閉体の下部に防潮板を設けた場合、豪雨洪水等の浸入の惧れがあるときには開閉体を降ろして防潮板で開口部の下部を塞ぐと共に、浸水を確実に防止するために防潮板と躯体とのあいだの水密性を確保することが要求される。そこで、特許文献1のものでは、防潮板に長さ調整可能な押圧具の基端部を螺着する一方、該押圧具の先端部を床面に着脱自在に固定支持する構成とし、押圧具の長さ調整で防潮板をガイドレール内壁面に水密的に押圧することで、防潮板の左右両端部と躯体に固定されるガイドレールとのあいだの水密性を確保するようにしている。また、このものでは、防潮板の下面に水密材を設け、該水密材を防潮板の自重で床面に当接させることで、防潮板と床面とのあいだの水密性を確保している。
一方、開閉体の下部に防潮板を設けるのではなく、豪雨洪水等の予想に際して、開口部の左右に配設された対向溝形立柱の溝内に防潮板を挿入するようにしたもの(例えば、特許文献2参照。)も知られているが、このような防潮板においても防潮板と躯体とのあいだの水密性確保が図られており、特許文献2のものでは、防潮板の底面および左右両端部正面に水密材(弾性止水ゴム)を設けると共に、クレセントの回動操作により上記水密材を床面および立柱の溝内面に圧接させるように構成されている。
一方、特許文献2のものは、防潮板と立柱とに掛渡したクレセントによって防潮板の浮上りは防止されるが、このものでは、クレセントの回動操作に基づいて防潮板を躯体側(床面および立柱の溝内面)に近接させることで水密材を圧縮して防潮板と躯体との水密を図るようになっていると共に、防潮板を最も躯体側に近接させたときに防潮板と躯体側とのあいだに所定間隔を存するように設定されており、該所定間隔が圧縮された水密材の介装スペースになっている。しかるに、防潮板は、暴雨洪水等の非常時に使用されるものであるため長期間使用されない場合がある一方、弾性ゴム等から形成される水密材は、長期のあいだには少しづつ劣化して弾性復元力が低下してしまう惧れがあるが、水密材の弾性復元力が低下してしまった場合には、防潮板を躯体側に近接させて水密材を圧縮させても、前記初期に設定された所定間隔までの圧縮では水密材としての機能を充分に発揮できない惧れがあり、ここに本発明が解決すべき課題がある。
請求項2の発明は、請求項1において、作動体を回転させるべく揺動操作される操作レバーを設けると共に、作動体を下動位置にロックするロック機構は、嵌入孔に設けられる係止受部と、作動体の下端部に設けられ、作動体が下動位置のときに嵌入孔に嵌入する係止片とを用いて構成され、該嵌入孔に嵌入した係止片を、操作レバーの揺動操作で作動体を回転させることに伴い係止受部に係止するロック位置と係止受部に係止しないロック解除位置とに変位させる構成にしたことを特徴とする防潮板の水密装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2において、操作部は作動体の上部に設けられると共に、該操作部を押し下げ操作することで作動体を下動させる構成であることを特徴とする防潮板の水密装置である。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか一項において、躯体側に固定されるガイド部材と、防潮板の左右両端部の屋内側面に対向する対向面部を有し、該対向面部が防潮板に対して離接自在となるように前記ガイド部材に支持される第二作動体と、該第二作動体の対向面部に設けられる第二水密材と、該第二水密材が防潮板に水密状に押圧される作動位置まで第二作動体を防潮板に近接させるべく操作される第二操作部とを備えた第二水密装置を設け、該第二水密装置により防潮板の左右両端部と躯体とのあいだを水密する構成にしたことを特徴とする防潮板の水密装置である。
請求項5の発明は、請求項4において、第二操作部は、第二作動体を防潮板に対して離接移動させるべく第二作動体に作用する回転自在なカムと、該カムを回転させるべく揺動操作される第二操作レバーとを用いて構成されることを特徴とする防潮板の水密装置である。
請求項2の発明とすることにより、作動体を下動位置にロックするためのロック機構を、操作レバーの揺動操作で簡単にロック、ロック解除することができる。
請求項3の発明とすることにより、作動体の下動が押圧バネの蓄勢を伴う操作であっても、押し下げ操作で容易に作動体を下動させることができる。
請求項4の発明とすることにより、第二水密装置によって防潮板の左右両端部と躯体とのあいだを水密できる。
請求項5の発明とすることにより、第二操作レバーの揺動操作で容易に第二作動体を作動位置に移動させることができる。
図面において、1は躯体開口部に建付けられる防潮機能付きのオーバーヘッド式ドアであって、該オーバーヘッド式ドア1を構成するドア体(本発明の開閉体に相当する)2は、複数枚のパネル体3を蝶番部材4を介して上下方向に一連状に連結して構成されていると共に、各パネル体3の左右両端部にはガイドローラ5が回転自在に軸支されている。一方、躯体開口部の左右には逆L字形状のガイドレール6が配設されており、該ガイドレール6に前記ガイドローラ5が移動自在にガイドされることで、ドア体2は、開口部を全閉する全閉姿勢と、屋内側天井部に収納されて開口部を開放する全開姿勢とのあいだを上下動して、開口部の開閉を行なうように構成されている。尚、ドア体2の下部には防潮板7が連結されているが、該防潮板7については後述する。
また、上記実施の形態では、防潮板と躯体床面とのあいだを水密するための水密材が、防潮板の下端部と床面との両方に設けられていてより確実な水密が図られているが、防潮板の下端部或いは床面の何れか一方だけに水密材を設けたものであっても良い。
さらに、上記実施の形態ではオーバーヘッド式ドアに本発明が実施されているが、パネルシャッター等、躯体開口部に建付けられる各種の建築用開閉装置に本発明を実施できることは勿論である。
7 防潮板
19 水密装置
20 防潮板側水密材
21 床面側水密材
23 作動体
23a 係止片
24 操作部
24a 操作レバー
25 押圧バネ
26 ロック機構
27 嵌入孔
27d 貫通孔外周部(係止受部)
30 第二水密装置
31 ガイド部材
32 第二作動体
32b 対向面部
33 第二水密材
34 カム
35 第二操作レバー
G 床面
Claims (5)
- 躯体開口部を上下開閉作動する開閉体の下部に防潮板を設けると共に、該防潮板と躯体床面とのあいだを水密するための水密装置を設けるにあたり、該水密装置は、防潮板の下端部または防潮板の下方の床面の少なくとも何れか一方に設けられる水密材と、防潮板に上下動自在に支持される作動体と、該作動体を下動せしめる操作部と、作動体の下動に伴い蓄勢されて防潮板を下方に押圧する押圧バネと、作動体の下端部が床面に形成された嵌入孔に嵌入する下動位置に作動体をロックするロック機構とを備え、作動体を下動位置にロックしたときの押圧バネの押圧力で防潮板の下端部を床面に水密状に押圧する構成にしたことを特徴とする防潮板の水密装置。
- 請求項1において、作動体を回転させるべく揺動操作される操作レバーを設けると共に、作動体を下動位置にロックするロック機構は、嵌入孔に設けられる係止受部と、作動体の下端部に設けられ、作動体が下動位置のときに嵌入孔に嵌入する係止片とを用いて構成され、該嵌入孔に嵌入した係止片を、操作レバーの揺動操作で作動体を回転させることに伴い係止受部に係止するロック位置と係止受部に係止しないロック解除位置とに変位させる構成にしたことを特徴とする防潮板の水密装置。
- 請求項1または2において、操作部は作動体の上部に設けられると共に、該操作部を押し下げ操作することで作動体を下動させる構成であることを特徴とする防潮板の水密装置。
- 請求項1乃至3の何れか一項において、躯体側に固定されるガイド部材と、防潮板の左右両端部の屋内側面に対向する対向面部を有し、該対向面部が防潮板に対して離接自在となるように前記ガイド部材に支持される第二作動体と、該第二作動体の対向面部に設けられる第二水密材と、該第二水密材が防潮板に水密状に押圧される作動位置まで第二作動体を防潮板に近接させるべく操作される第二操作部とを備えた第二水密装置を設け、該第二水密装置により防潮板の左右両端部と躯体とのあいだを水密する構成にしたことを特徴とする防潮板の水密装置。
- 請求項4において、第二操作部は、第二作動体を防潮板に対して離接移動させるべく第二作動体に作用する回転自在なカムと、該カムを回転させるべく揺動操作される第二操作レバーとを用いて構成されることを特徴とする防潮板の水密装置。
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