JP3179894B2 - 配線経路自動設計装置 - Google Patents

配線経路自動設計装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配線の経路設計を自動
的に行なう配線経路自動設計装置に関するものである。
配線が複雑なプリント基板や集積回路における配線経路
の設計はこの種の装置を用いて自動的に行なわれてい
る。
【0002】
【従来の技術】基板,集積回路の大規模化に伴ない、配
線経路の自動設計に膨大なメモリ量,処理時間が必要と
なる。
【0003】そこで、配線対象の領域を複数の矩形領域
に分割し、各分割領域毎に配線経路を決定する方式が特
開平1−137373号(発明の名称:自動配線方
式),特願平3−320598号(発明の名称:エリア
分割配線方式)などにおいて提案されている。
【0004】これらの方式では、結線すべきネット端子
が相異なる分割領域に存在する場合、分割領域の境界に
仮想的な中継端子が複数設定され、各分割領域において
ネット端子からいずれかの中継端子へ至る経路が独立し
て決定される(図11及び図12参照)。
【0005】通常はネット端子に最も近い中継端子が選
ばれている(図12参照)。ただし、その端子が他の経
路で既に使用されていたときには、次に近い中継端子が
選択される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】配線対象の領域が多数
に分割された場合で、経路始点と終点のネット端子が離
れているときには、経路の横断する他領域により配線処
理が失敗する。また、この失敗は前記中継端子の選び方
によっても発生する。
【0007】したがって従来においては配線率(経路決
定が成功した配線数を全配線数で除したもの)が80〜
90%にとどまる。このため、残りの全てを手作業で行
なうことが必要となり、その結果、大規模な回路では配
線経路を全て決定するまでに1週間〜2週間も要してい
た、
【0008】本発明は上記従来の事情に鑑みてなされた
ものである。そして、その目的は、配線率を大幅に高め
ることが可能となる装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1発明にかかる装置は図1のように構成されてお
り、同図の装置は、配線対象の領域を圧縮する配線領域
圧縮手段10と、圧縮された領域上で概略の配線経路を
決定する概略経路決定手段12と、概略の配線経路が決
定された領域を圧縮前の大きさに伸長する配線領域伸長
手段14と、伸長された領域を分割する配線領域分割手
段16と、分割された各部分領域上で概略の配線経路か
ら最終的な配線経路を決定する最終経路決定手段18
と、を有する。
【0010】また第2発明にかかる装置は図2のように
構成されており、同図の装置は、配線対象の領域におけ
る一部を所定の条件に従って指定する部分領域指定手段
20と、指定された部分領域を圧縮する部分領域圧縮手
段22と、圧縮された領域上で概略の配線経路を決定す
る概略経路決定手段24と、概略の配線経路が決定され
た部分領域を圧縮前の大きさに伸長する部分領域伸長手
段26と、伸長された部分領域について概略の配線経路
から最終的な配線経路を決定する部分経路決定手段28
と、指定された部分領域を除く配線対象の領域について
最終的な配線経路を決定する残存領域経路決定手段30
と、を有する。
【0011】
【作用】第1発明では、最初に配線対象領域が横方向と
縦方向のいずれか又は双方向に圧縮され、同領域上で概
略的な配線経路が決定される。そして、圧縮の領域が元
の大きさへ戻されてからこの領域が分割され、各分割領
域につき配線経路が概略の配線経路を用いて最終決定さ
れる。
【0012】なお、圧縮領域上の配線経路は特開平1−
137373号公報で示されるようにして決定でき、伸
長で復元された領域上の配線経路も同公報で示されるよ
うにして決定できる。第2発明では、配線対象とされた
領域の一部のみが圧縮される。
【0013】
【実施例】図3において、キーボード32,マウス34
がディスプレイ36に接続されており、このディスプレ
イ36はコンピュータ本体の処理装置38と接続されて
いる。
【0014】そして、処理装置38によりディスク装置
40,メモリ42がアクセスされており、配線経路を決
定すべき回路のデータはディスク装置40から読み出さ
れてメモリ42上に展開される。
【0015】図4では本実施例の作用がフローチャート
を用いて説明されており、最初にディスク装置40がア
クセスされ(ステップ400)、回路データをメモリ4
2に展開できるか否かが判断される(ステップ40
2)。
【0016】このときに展開できる旨の判断結果が得ら
れた場合(ステップ402でYES)には、メモリ42
へ回路データを全て展開して配線経路を一括して決定す
るより配線領域を分割して分割領域毎に配線経路を逐次
的に決定する方が処理を高速に行なえるか否かが判断さ
れる(ステップ404)。
【0017】その際に前者の処理の方が高速である旨の
判断が行なわれたとき(ステップ404でNO)には、
メモリ42へ全ての回路データが展開されて配線経路が
一括して決定され(ステップ406)、この結果がディ
スク装置40へ出力される(ステップ408)。
【0018】また、回路が大規模でそのデータをメモリ
42に展開できない場合(ステップ402でNO)、あ
るい領域分割した方が高速である場合(ステップ404
でYES)には、配線領域が分割され(ステップ42
0)、各分割領域毎に配線経路が決定される(ステップ
422)。
【0019】但し、回路データをメモリ42へ展開でき
ない場合(ステップ402でNO)には、メモリ不足分
が算出される(ステップ410)。この不足分が規定量
より多いときには配線領域の全体が圧縮され(ステップ
412)、また、少ないときには一部分(端子密度が低
い部分)のみが圧縮される(ステップ414)。さら
に、高速処理をすべき場合には、配線領域の全体が直ち
に圧縮される。
【0020】そして、圧縮された領域について概略的に
配線経路が決定され(ステップ416)、この後、同領
域が元の大きさへ伸長されて復元されてから(ステップ
418)、上述した領域分割(ステップ420)が開始
される。
【0021】図5では領域全体の圧縮と伸長の作用が説
明されており、図6のように領域圧縮が行なわれると
(メモリ42へ展開できるサイズに圧縮する)、端子及
び概略の配線パターン(経路)に重なりが図5のように
生ずる(図5においては2分の1に縦横方向へ圧縮して
おり、2n番目のトレースを2n−1番目のトレースに
マージしている)。
【0022】図7では伸長直後における配線経路が説明
されており、その後において領域分割(ステップ42
0)及び各分割領域の経路決定処理(ステップ422)
が行なわれると、重なった配線パターンが近接近傍の端
子へ振り分けられる(図8,図9参照)。
【0023】図10においては部分領域の圧縮作用が説
明されており(圧縮する領域サイズは残りの領域を一括
処理できるように考慮して定める)、圧縮された部分領
域と圧縮されなかった残り領域の配線経路は別個に決定
される(ステップ422)。
【0024】以上のように、回路データをメモリ42へ
展開できない場合、回路配線の領域が一旦圧縮され、そ
の領域上で配線経路が概略決定される。さらに、配線領
域が元の大きさへ伸長復元されてから領域分割が行なわ
れ、概略決定の経路に基づいて最終的配線経路が決定さ
れる。
【0025】すなわち、配線経路がグローバルに決定さ
れてから、その内容が分割領域毎にローカルに吟味され
る。したがって本実施例によれば、配線率が大幅に高め
られ(ほぼ100%)、回路配線の設計を短期間で完了
できる(従来は1週間〜2週間を要したものが半日に短
縮される)。
【0026】また、回路データのサイズがメモリ容量を
わずかに越えていた場合には、その超過部分のみが圧縮
されるので、処理量がわずかとなり、このため、より短
時間で処理を完了できる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、配
線率が大幅に高められることから、回路配線の設計を極
めて短時間で効率良く完了することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の原理説明図である。
【図2】第2発明の原理説明図である。
【図3】実施例の構成説明図である。
【図4】実施例の作用を説明するフローチャートであ
る。
【図5】領域圧縮と伸長の作用説明図である。
【図6】領域圧縮結果の作用説明図である。
【図7】伸長直後における配線経路の説明図である。
【図8】最終的な配線経路の決定作用説明図である。
【図9】最終的な配線経路の決定作用説明図である。
【図10】部分領域圧縮の作用説明図である。
【図11】従来技術を説明するフローチャートである。
【図12】配線経路決定の作用説明図である。
【符号の説明】
32 キーボード 34 マウス 36 ディスプレイ 38 処理装置 40 回路データ格納用ディスプレイ 42 回路データ展開用メモリ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線対象の領域を圧縮する配線領域圧縮
    手段(10)と、 圧縮された領域上で概略の配線経路を決定する概略経路
    決定手段(12)と、 概略の配線経路が決定された領域を圧縮前の大きさに伸
    長する配線領域伸長手段(14)と、 伸長された領域を分割する配線領域分割手段(16)
    と、 分割された各部分領域上で概略の配線経路から最終的な
    配線経路を決定する最終経路決定手段(18)と、 を有する、 ことを特徴とした配線経路自動設計装置。
  2. 【請求項2】 配線対象の領域における一部を所定の条
    件に従って指定する部分領域指定手段(20)と、 指定された部分領域を圧縮する部分領域圧縮手段(2
    2)と、 圧縮された領域上で概略の配線経路を決定する概略経路
    決定手段(24)と、 概略の配線経路が決定された部分領域を圧縮前の大きさ
    に伸長する部分領域伸長手段(26)と、 伸長された部分領域について概略の配線経路から最終的
    な配線経路を決定する部分経路決定手段(28)と、 指定された部分領域を除く配線対象の領域について最終
    的な配線経路を決定する残存領域経路決定手段(30)
    と、 を有する、 ことを特徴とした配線経路自動設計装置。
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