JP3178220U - 放香性粘着テープ及びその巻回体 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着テープ巻回体を使用する際に巻き戻して操作を行うと、それに付随して放香効果を得ることができる粘着テープ巻回体を提供する。
【解決手段】粘着テープ巻回体6は、支持体と、その支持体の片面に設けた粘着剤層と、前記支持体の粘着剤を有する面と反対側の表面に、芳香剤封入マイクロカプセル及び接着剤を含有する放香層とを有する放香性粘着テープ1が、粘着剤層を内側層とし、放香層を外側層として巻芯7に巻き付けられて巻回層を形成し、しかも、隣接する巻回層において、外側に位置する巻回層の粘着剤層と、内側に位置する巻回層の放香層とが直接に接触した状態で巻芯7に巻き付けられたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本考案は、芳香剤を封入したマイクロカプセルを担持する放香性粘着テープ及びその巻回体に関する。本考案の放香性粘着テープ及び巻回体は、放香性粘着テープを巻回体から剥離して巻き戻す操作を実施するたびごとに、芳香を発散させることができる。
芳香剤として固形や液状のものが知られている。これらを直接多孔質シート等に含浸させて使用してもすぐに揮散するため、有効期間が短く不経済である。
そこで、芳香成分を封入したマイクロカプセルを利用する技術が種々提案されており、例えば、特許文献1のように、芳香成分封入マイクロカプセルを支持体の凹部に収納した香料シートが提案されている。特許文献1に記載の香料シートは、必要時に加圧してマイクロカプセルを破壊して放香させることができる。
また、特許文献2には、粘着テープの支持体の片面に芳香成分封入マイクロカプセルを塗布し、そのマイクロカプセルを塗布した面と反対側の表面に粘着剤を塗布した芳香テープが記載されている。この芳香テープを利用する場合は、その芳香テープを必要な長さに切断し、離形紙を剥して露出した粘着剤層によって被着体の所定位置に貼り付けておき、放香の必要なときに圧力を加えてマイクロカプセルを破壊することによって、放香させることができる。
また、特許文献3には、基材と基材との間に、マイクロカプセル化した香料を含有した香料含有層を設けた香り付きシートが記載されている。この香り付きシートは、例えば、基材と香料含有層とを剥離することによって、放香させることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の香料シート、特許文献2に記載の芳香テープ、又は特許文献3に記載の香り付きシートは、いずれも、放香それ自体を主要な目的とする技術であり、放香目的のためのみにマイクロカプセルを破壊する加圧操作や剥離操作などを実施するものである。すなわち、或る別の主要目的の操作を行った際に、主要目的とは異なる付随的で二次的な効果として、放香効果を得るものではない。また、特許文献1に記載の香料シートや特許文献3に記載の香り付きシートは、粘着テープではないので、そのまま接合用等のテープとして使用することができず、使い勝手も悪かった。
更に、特許文献4には、芳香剤を封入したマイクロカプセルを粘着剤中に含有させることで、剥離の際に放香させることを可能にしたシートが記載されている。しかし、このシートも、主には、放香目的のためのみにマイクロカプセルを破壊する剥離操作を実施するものである。更に、マイクロカプセルを粘着剤中に含有するので、マイクロカプセルと粘着剤の物性のバランスを考慮する必要があり、粘着テープを開発する上で大きな制約を受ける。例えば、粘着剤中にマイクロカプセルを配合することから、多量に配合し過ぎると粘着力の低下の要因になると共に、破壊したマイクロカプセル中の芳香剤が粘着剤の物性に悪影響をもたらす懸念もあり、芳香剤を封入したマイクロカプセルを十分に配合することができなかった。
実開昭48−6377号公報 実開昭62−137039号公報 特開2012−006265号公報 特開昭60−100969号公報
本考案の課題は、粘着テープ巻回体から粘着テープの一部を巻き戻して切断して使用する際に、その巻き戻し操作の際に、付随的に放香作用を得る技術を提供することにある。すなわち、粘着テープ巻回体を使用する際の主要操作である巻き戻し操作を行うと、その主要操作に必然的に付随して放香効果を得ることができる粘着テープ巻回体を提供することが本考案の課題である。
前記の課題は、以下の本考案により、解決することができる。
(1)支持体と、その支持体の片面に設けた粘着剤層と、前記支持体の粘着剤を有する面と反対側の表面に、芳香剤封入マイクロカプセル及び接着剤を含有する放香層とを有する放香性粘着テープが、前記粘着剤層を内側層とし、前記放香層を外側層として巻芯に巻き付けられて巻回層を形成し、しかも、隣接する巻回層において、外側に位置する巻回層の粘着剤層と、内側に位置する巻回層の放香層とが直接に接触した状態で巻芯に巻き付けられたことを特徴とする、放香性粘着テープの巻回体。
(2)支持体が、坪量15〜150g/mの多孔性材料であることを特徴とする、前項(1)の巻回体。
(3)放香層が、支持体の片面に、0.3〜20.0g/mの量で塗布されていることを特徴とする前項(1)又は(2)の巻回体。
(4)放香性粘着テープの高速巻戻し力が0.5〜15.0N/15mmの範囲にあることを特徴とする、前項(1)〜(3)のいずれか一項の巻回体。
(5)前記放香層に含有されているマイクロカプセルが、放香性粘着テープを巻き戻す際の前記粘着剤層の剥離力により破壊されて放香可能であることを特徴とする、前項(1)〜(4)のいずれか一項の巻回体。
(6)放香層が、芳香剤封入マイクロカプセルを、均一な分散状態で含有するか、又は前記カプセル含有領域と非含有領域との不均一なパターン状で含有する、前項(1)〜(5)のいずれか一項の巻回体。
(7)前項(1)〜(6)のいずれか一項の巻回体用の放香性粘着テープ。
(8)支持体と、その支持体の片面に設けた粘着剤層と、前記支持体の粘着剤を有する面と反対側の表面に設けられ、芳香剤封入マイクロカプセル及び接着剤を含有する放香層とを含む放香性粘着テープであって、前記粘着剤層を内側層とし、前記放香層を外側層として巻芯に巻き付けられて巻回層を形成し、しかも、隣接する巻回層において外側巻回層の粘着剤層と、内側巻回層の放香層とが接触した状態で巻芯に巻き付けられることを特徴とする、巻芯巻回用の放香性粘着テープ。
本明細書において、放香性粘着テープの層状構造における内側及び外側の位置関係(例えば、「内側層」又は「外側層」)は、前記放香性粘着テープを巻芯に巻き付けた際に、巻芯に近い側を内側として、巻芯から遠い側を外側として説明する。また、巻回体における各粘着テープの相互関係も、前記放香性粘着テープを巻芯に巻き付けた際に、巻芯に近い側を内側として、巻芯から遠い側を外側として説明する。従って、前記放香性粘着テープを巻芯に巻き付けていない状態での位置関係を限定するものではない。
本考案の放香性粘着テープ及びその巻回体は、放香のために擦るなどの物理操作を意識して別途に行うことなく、粘着テープ巻回体の通常の巻き戻し操作を行うことにより、それに付随して放香操作が実施されていることになり、巻回体の巻き戻し操作それ自体を快適化するものである。
また、種類の異なる芳香剤を封入したマイクロカプセルを含有する放香層を順次に粘着テープに塗布しておくと、巻回体の巻き戻し操作の際ごとに、異なる芳香を発生することになり、操作者に心地よい期待感を提供することができる。
更に、本考案の放香性粘着テープの巻回体は、放香性の置物としての機能も有する。
本考案に係る放香性粘着テープ巻回体の巻き戻し操作を説明する模式的斜視図である。 本考案に係る放香性粘着テープを巻芯に巻回する前の状態の幅方向(図1の矢印Bの方向)の断面構造を示す、模式的断面図である。 本考案に係る放香性粘着テープ巻回体において、巻き戻し端部を剥離した状態での巻回方向(図1の矢印Aの方向)の断面構造を、巻き戻し端部を含む最外巻回層と第1内側巻回層と第2内側巻回層とに関して説明する模式的部分拡大断面図である。
以下、本考案に係る放香性粘着テープ及びその巻回体の典型的な実施態様の構造を図1〜3に沿って説明する。なお、特に図2及び図3は、本考案に係る放香性粘着テープ及びその巻回体の層状構造を説明することが主な目的であるので、各層の厚さやマイクロカプセルの大きさを誇張して示すと共に、各層の厚さの相対比も正確なものではない。
図1に示すように、本考案に係る放香性粘着テープ巻回体6は、放香性粘着テープ1と巻芯7とを含み、1枚の放香性粘着テープ1がその長さ方向(図1の矢印Aの方向)に、巻芯7から巻き戻し端部10まで連続して複数の巻回層として巻き付けられている。前記巻回層の内、最外巻回層1aは、巻回体6の最も外側で露出している1周分の巻回層であり、その1周分の最外巻回層1aの内側に直接に接して1周分の第1内側巻回層1bが存在し、更にその第1内側巻回層1bの内側に直接に接して1周分の第2内側巻回層が存在し、以下、順に第3及び第4の内側巻回層が順次、1周分ずつ存在する。なお、放香性粘着テープ1の端部を巻き戻し端部10から剥離して切り離すと、最外巻回層1aの一部が取り除かれ、その内側に存在した第1内側巻回層1bの部分は、最外巻回層となる。
放香性粘着テープ1は、その幅方向(図1の矢印Bの方向)の断面図である図2に示すように、支持体4と、その支持体4の片面に設けた粘着剤層5と、前記支持体4の粘着剤層5を有する面と反対側の表面に、放香層8とを含む。放香層8は、芳香剤封入マイクロカプセル2(すなわち、芳香剤を封入したマイクロカプセル2)と接着剤3とを含み、前記マイクロカプセル2は、接着剤3の中に均一に分散された状態で含まれている。図2に示す態様の放香層8では、全てのマイクロカプセル2は、その一部分を接着剤3の表面から露出した状態で含有されているが、マイクロカプセル2の全てないし一部分を、接着剤3の中に完全に包埋された状態で分散させることもできる。また、図2では、前記マイクロカプセル2の露出面は、接着剤3による薄層で被覆されているが、マイクロカプセル2の露出面を接着剤3による薄層で被覆させないこともできる。
この放香性粘着テープ1を図1に示すように巻芯7に巻回した巻回体6においては、放香性粘着テープ1の粘着剤層5を内側層とし、前記放香層8を外側層として巻芯7に巻き付けられ、放香性粘着テープ1による巻回層が巻芯7の上に形成される。しかも、巻回体6においては、例えば、図3に示すように、外部に露出している最外巻回層1aの粘着剤層5は、前記最外巻回層1aのすぐ内側に隣接する第1内側巻回層1bの放香層8と直接に接触し、更に、前記第1内側巻回層1bの粘着剤層5は、前記第1内側巻回層1bのすぐ内側に隣接する第2内側巻回層1cの放香層8と直接に接触した状態で巻芯7に巻き付けられている。すなわち、本考案に係る巻回体では、隣接する巻回層において、外側に位置する巻回層の粘着剤層と、内側に位置する巻回層の放香層とが直接に接触した状態で巻芯に巻き付けられている。
支持体4と粘着剤層5と放香層8とを含む放香性粘着テープ1は、放香性粘着テープ1を1つの単位として巻回層として巻芯7に巻き付けられ、放香性粘着テープ1は、巻き付けられている位置によって、例えば、最外巻回層1aとなったり、第1内側巻回層1bとなったり、第2内側巻回層1cとなったりする。
図1に示すように、本考案に係る巻回体6は、一般に市販されている粘着テープ巻回体と同様に、巻芯7に巻き付けられている放香性粘着テープ1を、巻き戻し端部10から巻き戻し、剥離端部を切り離して被着体に貼着して使用することができる。こうした一連の操作(巻き戻し/剥離、切断、貼着)は、通常の粘着テープ巻回体の操作と全く異なることはない。
しかしながら、本考案に係る巻回体6においては、放香性粘着テープ1が、支持体4の外側表面に芳香剤封入マイクロカプセル2を含有する放香層8を担持している。この放香層8は、外側に隣接して位置する放香性粘着テープ1の内側に担持された粘着剤層5と直接に接触した状態で巻芯7に巻き付けられている。
従って、巻回体6の最外巻回層1aの巻き戻し端部10を、巻回層単位で、図1及び図3に破線で示す巻き戻し端部跡10’から巻き戻して、図1及び図3に示す状態まで剥離すると、図3に示すように、最外巻回層1aの内側粘着剤層5が、第1内側巻回層1bにおける外側放香層8中に存在するB領域のマイクロカプセル2を破壊して、巻回体6の放香性粘着テープ1を巻き戻す操作と同時に、放香を起こすことができる。こうして剥離した粘着テープ片10Aは、切断端部11で巻回体6から切り離され、被着体に貼着されるので、前記領域Bが露出し、露出した部分の粘着テープは、新たに最外巻回層の一部分を構成することになる。すなわち、図1及び図3において、B領域が露出する前は、巻き戻し端部10から巻き戻し端部跡10’(領域A)までが最外巻回層1aを構成していたが、粘着テープ片10Aの剥離後は、切断端部11から開始する1周分が新たに最外巻回層1aを構成することになる。なお、図1及び図3に示すように、最外巻回層1aの放香層8に含まれるマイクロカプセル2は破壊されている。
製造直後の巻回体6(すなわち、剥離処理を全く行なっていない状態の巻回体)においては、その最外巻回層1aが外側表面に放香層8を有していないこともできるが、放香層8を有していてもよい。製造直後の巻回体6の最外巻回層1aの外側表面に放香層8が担持されていても、粘着テープ1の剥離操作が実施されていないので、マイクロカプセル2は破壊されていないことになる。一方、巻回体6の巻芯7の外側表面に放香層を設けることもでき、この場合は、粘着テープ1の最後の巻回層の剥離処理においても、放香を行うことができる。
本考案における放香性粘着テープは、支持体の片面に粘着剤を塗布し、その片面と反対側の面に、芳香剤を封入したマイクロカプセルを接着剤で固着させた放香層を形成した後、巻芯に巻回して使用することができる。
本考案に用いる支持体は特に限定されず、例えば、クラフト紙、クレープ紙、和紙などの繊維状物質で形成された多孔性材料、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂等で形成したプラスチックフィルム、織布、不織布等の布、又はアルミ箔等の金属箔などを使用することができる。これらの中で、最も好ましいのは多孔質材料である。
前記多孔性材料を使用する場合には、強度、耐候性、及び/又は剛性等の特性を調整するために、含浸剤、及び/又は背面処理剤などによって適宜処理を施すことができる。この多孔性材料の坪量は特に限定されないが、通常15〜150g/mの範囲が好ましく、更に好ましくは25〜100g/mである。また、その厚みは強度、及び/又はコシ等のバランスから0.02〜0.4mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.04〜0.15mmの範囲である。この範囲の多孔質材料であれば、特にエンボス加工等物理的な表面処理を施さなくても、当該マイクロカプセルを含有する接着剤を塗布したときに、支持体が接着剤を吸収することができるため、支持体と接着剤の投錨性が向上することに伴い、マイクロカプセルの支持体への投錨がよくなるとともに、マイクロカプセルを支持体表面からより露出させることが可能になる。
前記プラスチックフィルムを使用する場合には、プラスチックフィルムと接着剤との投錨性を向上するため、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、紫外線処理、放射線処理、素綿花処理、化学薬品処理、及び/又は電子線処理等の物理的な表面処理を施すことが好ましい。プラスチックフィルムの厚みや坪量、物性等は、使用する状況に合わせて適宜、任意に選択するとよい。
放香層用の接着剤(以下、放香層用接着剤と称する)としては、支持体にマイクロカプセルを固着できるものであれば特に限定されないが、例えば、マイクロカプセルを分散させることが可能な、既知の液状の接着剤を使用することができる。工程上、着色した接着剤を使用すると、図柄の作成とマイクロカプセルの塗布を同時に行える点で有利である。
放香層用接着剤としては、有機溶剤に溶解または分散できる接着剤を使用できる。そのような樹脂としては、ウレタン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂など、既知のものを任意に使用することができる。
有機溶剤としては、熱可塑性樹脂を溶解または分散できるものであれば、特に限定なく使用することができる。例えば、ヘキサン、ペンタン等の炭化水素系溶剤、キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、プロパノール、エタノール、メタノール等のアルコール系溶剤、又はこれらの混合溶剤、などが挙げられる。一般にマイクロカプセルの殻が極性の高い有機溶剤への耐性が低い場合がある事から、極性の低い溶剤である炭化水素系溶剤や芳香族系溶剤、ケトン系溶剤を好ましく用いることができる。
また、前記放香層用接着剤として、水系樹脂を用いることができる。この水系樹脂は、水溶性樹脂、あるいは樹脂自体は水不溶性であるが、水性樹脂エマルジョンや水性樹脂サスペンションのような不溶性樹脂が水中に微分散された状態のものも含めたものである。前記の水溶性樹脂は常温で水、又は水とアルコールの混合溶媒に可溶な高分子を意味し、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルアクリレート、水溶性(または水分散)ポリエステル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ナイロン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの誘導体、例えば、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等を挙げることができる。
前記の水溶性ポリエステル樹脂としては、分子中に親水性官能基、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、カルボン酸塩、スルホン酸塩、第4級アンモニウム塩等の少なくとも1種以上が導入された水溶性を付与されたポリエステル共重合体である。なかでも代表的なポリエステル共重合体としては、芳香族ジカルボン酸及び/又は非芳香族ジカルボン酸と、エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物と、グリコールとの重縮合物が有用である。更に、前記放香層用接着剤として、UV硬化樹脂、又はEB硬化樹脂等の光硬化樹脂を用いることができる。この光硬化樹脂は、例えば、アクリル酸オリゴマー、アクリル酸モノマー、アクリル酸エステルオリゴマー、アクリル酸エステルモノマー、又はメタクリル酸エステルオリゴマー等で構成される。
本考案に用いるマイクロカプセルは、内部に芳香成分を含有する破壊可能な任意のカプセルである。当該マイクロカプセルの寸法は、2〜50μmの平均直径を有することが好ましいが、必ずしも均一である必要はない。また、カプセルの膜は天然、合成高分子、脂質、又は無機化合物等を利用することができ、マイクロカプセル化は、既知の界面重合法、不溶化反応法、相分離法、又は界面沈殿法等によって実施される。
マイクロカプセル化した香料において、その香料は、その種類は特に限定されるものではない。例えば、人に快感を与えるものを香料として用いることができる。この香料の場合は、動物性香料、あるいは植物性香料の天然香料や、合成香料が挙げられる。合成香料としては、例えば、アルコール類、フェノール類の水酸化化合物それらの誘導体アルデヒド類、ケトン類のカルボニル化合物などが上げられる。これらの香料を単独で用いる、あるいは複数を組み合わせて用いてもよい。
農作物を食い荒らすネズミ、ノウサギやイノシシなどの有害動物の忌避剤を、本考案の香料として使用することができる。有害動物の忌避剤としては、例えば、不飽和アルコール及びアルデヒド、グアサジン、カプサイシンなどがある。また、蚊などの忌避剤を香料として防虫剤として使用することもできる。
マイクロカプセル化用の香料として、揮散して臭気を発する化合物を、既知のマイクロカプセルの製造方法で適宜選択してマイクロカプセル化することもできる。なお、放香層8は、マイクロカプセル及び接着剤に加えて、任意の添加剤、例えば、顔料若しくは染料を含有することもできる。
前記マイクロカプセルを支持体に固着させる方法として、予め溶剤に溶解又は分散した放香層用接着剤にマイクロカプセルを均一に含有させておき、そのマイクロカプセルを含有させた放香層用接着剤を、任意の既知の方法で支持体に塗布した後溶剤を加熱などで除去することによって、前記マイクロカプセルを支持体に固着させることができる。前記マイクロカプセルを有する放香層用接着剤を支持体に塗布する方法としては、例えば、印刷する方法、グラビアコートする方法、リバースコートする方法、エアナイフコートする方法、ロールコートする方法、コンマコートする方法、ダイコートする方法、マイヤーバーコートする方法等が挙げられる。
前記マイクロカプセルを有する放香層用接着剤を支持体に塗布する方法として、印刷する方法を選択した場合、特に限定されることはないが、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、又はその他の印刷方式を使用することができる。
前記マイクロカプセルを有する放香層用接着剤を支持体に塗布する際に、マイクロカプセルを均一に分散して含有する放香層を形成させても、あるいは、前記カプセル含有領域と非含有領域との不均一なパターン状で放香層を形成させてもよい。また、種類の異なる芳香剤を封入したマイクロカプセルを含有する放香層を、巻き戻し端部から巻芯方向への下流に向かって順次に粘着テープに塗布しておくと、巻回体の巻き戻し操作の際ごとに、異なる芳香を発生させることができる。
前記放香層に含有されているマイクロカプセルは、本考案に係る放香性粘着テープを巻き戻す際の前記粘着剤層の剥離力により破壊可能で、その結果、内部に封入されていた芳香剤を放出可能であることが必要である。
塗布する放香層の量としては、乾燥固化又は硬化させたときの塗布量が0.3〜20.0g/mの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜8.0g/mの範囲である。放香層の量が0.3g/mより少ないと十分な放香性能が得られない他、マイクロカプセルの支持体への投錨性も悪くなり、また、20g/mより多いとテープを巻き戻した際に放香層が層間で剥れ粘着剤面に一部移行し、粘着テープとしての機能を果たさなくなるなどの不具合が発生するため好ましくない。
放香層中の芳香剤を封入したマイクロカプセルの重量%は、特に限定されないが、好ましくは、1〜75重量%以下、より好ましくは、5〜50重量%の範囲で使用される。1重量%より少ないと、十分な放香性能が得られず、また、50重量%より多いと放香層の接着力や内部強度を低下させる要因となり、支持体と放香層との投錨性が低下したり、マイクロカプセル塗布面がひび割れたりするなどの不具合が発生するおそれがあるため好ましくない。
本考案における放香性粘着テープにおいて、粘着剤層に使用される粘着剤は、一般的に知られる粘着剤を使用することができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はシリコーン系粘着剤が挙げられる。この中で、アクリル系粘着剤が安定性や経済性の観点から好ましく使用することができる。
放香性粘着テープは、高速巻戻し力が、0.5〜15.0N/15mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0〜10.0N/15mmの範囲である。高速巻戻し力が低すぎると、巻戻し時にマイクロカプセルを破壊できず、放香しない場合がある。また、高速巻戻し力が15.0N/15mm以上になると、巻戻しが重くなりすぎ、使用性の面から好ましくない。
本考案において、高速巻戻し力は、JISZ0237の高速巻戻し力の測定方法に準じ、幅を15mm、巻戻し速度を40±2m/secで測定した値である。
高速巻戻し力が重過ぎるときは、粘着剤を塗布した面と反対面に、前記高速巻戻し力を満たす範囲内で既知の剥離剤を使用することができる。剥離剤は、放香性粘着テープの性能を損なわない範囲内で、支持体の最外層に一面に設けてもよく、また、放香層内に配合してもよい。既知の剥離剤の例としては、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、オレフィン系などがある。
本考案に用いる巻芯としては、本考案の放香性粘着テープを巻き取れるものであれば、特に限定なく使用することができ、例えば、積層品、プラスチック積層品、又はプラスチック成形品等を使用することができる。
本考案の芳香性粘着テープは前記のような構成のため、巻回されたテープから巻戻したときにマイクロカプセルが破壊され、放香させることが可能である。
マイクロカプセルに封入する芳香剤として、アロマオイル等を使用すると、その香りで、作業中にリラックス効果が得られるテープとして使用できる。また、芳香剤を防虫剤にすることで、防虫粘着テープとして使用することも可能になる。
1・・・放香性粘着テープ;1a・・・巻回体の最外巻回層;
1b・・・第1内側巻回層;1c・・・第2内側巻回層;2・・・マイクロカプセル;
3・・・接着剤;4・・・支持体層;5・・・粘着剤層;6・・・巻回体;
7・・・巻芯;8・・・放香層;10・・・巻き戻し端部;
10’・・・巻き戻し端部跡;10A・・・粘着テープ片;11・・・切断端部。

Claims (8)

  1. 支持体と、その支持体の片面に設けた粘着剤層と、前記支持体の粘着剤を有する面と反対側の表面に、芳香剤封入マイクロカプセル及び接着剤を含有する放香層とを有する放香性粘着テープが、前記粘着剤層を内側層とし、前記放香層を外側層として巻芯に巻き付けられて巻回層を形成し、しかも、隣接する巻回層において、外側に位置する巻回層の粘着剤層と、内側に位置する巻回層の放香層とが直接に接触した状態で巻芯に巻き付けられたことを特徴とする、放香性粘着テープの巻回体。
  2. 支持体が、坪量15〜150g/mの多孔性材料であることを特徴とする、請求項1に記載の巻回体。
  3. 放香層が、支持体の片面に、0.3〜20.0g/mの量で塗布されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の巻回体。
  4. 放香性粘着テープの高速巻戻し力が0.5〜15.0N/15mmの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の巻回体。
  5. 前記放香層に含有されているマイクロカプセルが、放香性粘着テープを巻き戻す際の前記粘着剤層の剥離力により破壊されて放香可能であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の巻回体。
  6. 放香層が、芳香剤封入マイクロカプセルを、均一な分散状態で含有するか、又は前記カプセル含有領域と非含有領域との不均一なパターン状で含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の巻回体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の巻回体用の放香性粘着テープ。
  8. 支持体と、その支持体の片面に設けた粘着剤層と、前記支持体の粘着剤を有する面と反対側の表面に設けられ、芳香剤封入マイクロカプセル及び接着剤を含有する放香層とを含む放香性粘着テープであって、前記粘着剤層を内側層とし、前記放香層を外側層として巻芯に巻き付けられて巻回層を形成し、しかも、隣接する巻回層において外側巻回層の粘着剤層と、内側巻回層の放香層とが接触した状態で巻芯に巻き付けられることを特徴とする、巻芯巻回用の放香性粘着テープ。
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