JPH11149172A - 香料入り転写シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複写装置で作成した画像を再転写、定着して
使用する工程のうち、貼り付け及び定着の際の不快臭を
なくす香り、徐放性を備えた芳香性転写シートを提供す
ること。 【解決手段】 支持体の少なくとも片面に熱接着層を有
する画像転写用シートにおいて、支持体及び／又は熱接
着層中に香料成分を含有したことを特徴とする画像転写
用シート。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カラー画像若しく
は模様を電子写真法、静電記録法によるカラー複写機に
より一旦複写後に衣料用生地等のプリント及びキャンバ
ス地等の紙、繊維等に熱でプリント装飾することを可能
にする熱転写型の転写シート及び画像形成方法、転写方
法、画像形成体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、感熱記録プロセスで発生する不快
臭を取り除くあるいは軽減する試みは提案されている
が、これに対して、電子写真法、静電記録法による複写
装置を使用し、一旦複写後に衣料用生地等のプリント及
びキャンバス地の紙、繊維等に熱でプリントする画像転
写用シートの新しい用途の一つとして、複写装置で作成
した画像を布や皮革、キャンバス、プラスチック材料、
ガラス陶器、金属等の他の基材に再転写、定着して使用
する例があり、この場合、貼り付け及び定着の際に不快
臭が発生するが、この不快臭を取り除くあるいは軽減す
る試みは従来提言されてなかった。

【０００３】また、感熱記録プロセスで発生する不快臭
を取り除くあるいは軽減する試みとしては、カプセルに
よる芳香発生シートがほとんどであった。しかし従来の
のカプセルによるものには、芳香発放後芳香を持続でき
ない（カプセル内香料がなくなれば芳香発放は終わ
る。）、カプセル層が最表面であり非破壊時の芳香漏れ
を完全になくすことができない、という不具合な点があ
る上に、感熱記録プロセスにおけるカプセル破壊のため
に必要又は望ましい操作は、必ずしも、電子写真法、静
電記録法による複写機で画像形成、再転写及び／又は定
着のために必要又は望ましい操作と同一のものではな
く、したがって、複写機で一旦作成した画像を布や皮
革、キャンバス、プラスチック材料、ガラス陶器、金属
等の他の基材に再転写、定着して使用する、貼り付け及
び定着の際に不快臭を取り除くためこの技術をそのまま
適用することは困難であった。

【０００４】特開昭４８−６５００６号公報には、香料
をゼラチンで包むマイクロカプセルとゼラチンを膨潤さ
せる界面活性剤を混入したインキによる付香性印刷物
が、特開昭４８−６５００７号公報には、強い極性基を
持つ有機溶剤と香料を内包装したマイクロカプセルを混
入したインキによる付香性印刷物が、特開昭５９−１１
５８４２には、香料を吸着しているシートの片面に香料
を適度に透過する低バリア性フィルムを、もう片面に高
度に香料不透過性のあるフィルムを貼り付ける芳香性シ
ートがそれぞれ開示されている。これらはいずれも初め
から香料を徐々に放出して芳香を持続的に発するもので
ある。

【０００５】これに対して、特開昭５３−１４７５４５
号公報には、香料を原紙中に存在させた電子記録謄写原
紙が、特開昭６３−２７２８８号公報には、香料を封入
したマイクロカプセルを分散したバインダー層を設けた
インクシートが、特開昭６４−７５２８４号公報には、
発色剤と呈色剤を含有する記録層を有する感熱記録体中
に香料を内包するマイクロカプセルを含有せしめた感熱
記録体が、特開平２−１１７８７９号公報には、シート
状基材にバインダーを塗工した上から香料を封入したマ
イクロカプセルを固着させた芳香性シート状部材が、特
開平３−２７５３７９号公報には、香料を内包したマイ
クロカプセルを含有する印刷用材料が、特開平４−２３
８１２８号公報には、刺激感応芳香部材を有する情報記
録媒体が、特開平６−１６５７１１号公報には、香料を
芯材とするマイクロカプセルとパラフィンを主体とする
パウダータイプ香料層が支持体シートに積層されたパウ
ダータイプ香料シートが、特開平６−３２８８８０号公
報には、芳香成分を封入したマイクロカプセルを剥離可
能に接着した芳香部を有する香り入り印刷物が、実開平
４−１１５３６９号公報には、使用度合いに応じてカー
ド本体を破壊することで使用度合いを記録する記録部に
香料層を設けた芳香性カードが、実開昭６１−１０２５
９８号公報には、サイクロデキストリンで香料を被覆し
たマイクロカプセルを混入した印刷インキで印刷した芳
香熱転写印刷物がそれぞれ開示されている。これらはい
ずれもマイクロカプセル中に香料を入れておくことで、
加熱あるいは加圧により芳香を発生させる芳香性の各種
媒体である。

【０００６】また、特開平１−１０３４９１号公報に
は、熱溶融性インク層に香料を含有する感熱記録媒体
が、特開平１−２５７０８８号公報には、発色剤と呈色
剤を含有する記録層と香料含有層との間に中間層を設け
た感熱記録体が、特開平１−２６７０８７号公報には、
発色剤と呈色剤を含有する感熱記録体に香料と有機染料
あるいは有機顔料を含有させた感熱記録体がそれぞれ開
示されている。これらはマイクロカプセル中に香料を入
れておく、あるいは最表層に香料を溶解あるいは分散す
ることで、加熱あるいは加圧により芳香を発生させる芳
香性の各種媒体である。

【０００７】しかし、上記公報で開示された芳香発生シ
ートは、加熱あるいは加圧前の芳香の遮断性、及び加熱
あるいは加圧後の芳香持続性が満足できるものではな
く、特に後者の芳香持続性の点で問題がある上に、電子
写真法、静電記録法に特有の転写及び再転写等の諸操作
を考慮したものでないので、複写機で一旦作成した画像
を布や皮革、キャンバス、プラスチック材料、ガラス陶
器、金属等の他の基材に再転写、定着して使用する、貼
り付け及び定着の際に不快臭を取り除くためこれら技術
をそのまま適用することはできない。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、上記従来技術に鑑み、臭気問題の解決手段を提供す
ること、特に電子写真法、静電記録法に適した臭気問題
の解決手段を提供すること、より特に、そのための手段
として優れた、香り、徐放性を備えた芳香性転写シート
を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の
（１）「支持体の少なくとも片面に熱接着層を有する画
像転写用シートであって、支持体及び／又は熱接着層中
に香料成分を含有したことを特徴とする画像転写用シー
ト」、（２）「支持体の少なくとも片面に剥離層及び熱
接着層を有する画像転写用シートであって、支持体及び
／又は剥離層及び／又は熱接着層中に香料成分を含有し
たことを特徴とする画像転写用シート」、（３）「該香
料成分が常温で固体状であることを特徴とする前記第
（１）項又は第（２）項に記載の画像転写用シート」、
（４）「該香料成分が常温で液体状であることを特徴と
する前記第（１）項又は第（２）項に記載の画像転写用
シート」、（５）「支持体の少なくとも片面に熱接着層
を有する画像転写用シートであって、熱接着層中に香料
入りマイクロカプセルを含有することを特徴とする画像
転写用シート」、（６）「支持体の少なくとも片面に剥
離層及び熱接着層を有する画像転写用シートであって、
剥離層及び／又は熱接着層中に香料入りマイクロカプセ
ルを含有することを特徴とする画像転写用シート」、
（７）「該マイクロカプセル芯材が常温で固体状である
ことを特徴とする前記第（５）項又は第（６）項に記載
の画像転写用シート」、（８）「該マイクロカプセル芯
材が常温で液体状であることを特徴とする前記第（５）
項又は第（６）項に記載の画像転写用シート」、（９）
「トナー像が形成され、他の基材に該トナー像を転写又
は再転写、定着するため使用される、前記第（１）項乃
至第（８）項のいずれか１に記載の画像転写用シー
ト」、（１０）「電子写真法又は静電記録法により形成
されたトナー像が、他の基材に該トナー像を転写又は再
転写、定着するため使用される、前記第（１）項乃至第
（９）項のいずれか１に記載の画像転写用シート」によ
り解決される。

【００１０】以下、詳細に本発明を説明する。本発明の
これらの芳香性転写シートにおいては、使用する香料の
タイプは例えば液体、固体、マイクロカプセル等があ
り、それぞれに芳香持続性が違うため、長期芳香持続タ
イプとしてはマイクロカプセルを含有させたシート、す
ぐに芳香を行なうタイプとしては液体状香料を含有した
シート、液体状香料含有タイプよりも長い芳香持続性タ
イプとしては固体状香料含有シート、というように性
質、用途にあった各種のシートが提供される。

【００１１】本発明で用いる香料としては従来公知のも
のが適用されるが、具体例として例えば、脂肪族、芳香
族、脂環式又はテルペン系の各種ケトン類；大環状ケト
ン類；脂肪族、芳香族又はテルペン系の各種アルデヒド
類；脂肪族酸又は芳香族酸のエステル類；テルペン系炭
化水素類；アルコール；フェノール及びその誘導体；環
状エーテル類；合成ムスク類等が挙げられ、具体的には
例えば下記のものが例示される。

【００１２】（１）脂肪族ケトン類：２−ヘプタノン、
３−オクタノン、２−ウンデカノン等。 （２）芳香族ケトン類：ｐ−メチルアセトフェノン、ア
ニシルアセトン、ベンジリデンアセトン、ｐ−メトキシ
アセトフェノン類等。 （３）脂環式ケトン類：α−イロン、β−イロン、γ−
イロン、α−ダマセノン、β−ダマセノン、α−ダマス
コン、β−ダマスコン、γ−ダマスコン、テアスピロン
等。 （４）テルペン系ケトン類：メントン、カルボン、プレ
ゴン等。 （５）大環状ケトン類：ムスコン、アンブレットリド、
シクロヘキサデカリド等。 （６）脂肪族アルデヒド類：２，６−ノナジエナール、
テトラデカナール、メリデカナール、ノナナール等。 （７）芳香族アルデヒド類：シンナムアルデヒド、α−
アミルシンナムアルデヒド、α−ヘキシルシンナムアル
デヒド、シクラメンアルデヒド等。 （８）テルペン系アルデヒド類：シラトール、シトロネ
ラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド等。 （９）脂肪族酸エステル類：ギ酸ゲラニル、ギ酸フェニ
ルエチル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸Ｌ−メン
チン、酢酸シンナミル、酢酸ボルニル、酢酸テルビニル
等。 （１０）芳香族酸エステル類：安息香酸メチル、安息香
酸エチル、安息香酸イソアミル、ケイ皮酸エチル等。 （１１）テルペン系炭化水素類：α−ピネン、β−ピネ
ン、カンフェン、リモネン等。 （１２）アルコール類：リナロール、ゲラニオール、シ
トロネロール、ベンジルアルコール、γ−フェニルプロ
ピルアルコール等。 （１３）フェノール及びその誘導体：ｐ−メチルアニソ
ール、アネトール、サフロール、エチル−β−ナフチル
エーテル類等。 （１４）環状エーテル類：ローズオキサイド、オキサイ
ドケトン、１，８−ジネオール等。 （１５）合成ムスク：ムスクキシレン、ムスクケトン、
ムスクアンブレット、モスケン等。 もちろん、これらの香料は２種類以上を混合して使用す
ることもできる。

【００１３】本発明は、転写シートを構成する少なくと
も１層に香料を含有せしめたことを特徴とする転写シー
トであり、支持体上に設けた剥離層又は熱接着層の中に
固体状及び／又は液体状の香料成分を含有し、放香の持
続性をもたせたことを特徴とするシートである。また、
香料が固体状又は液体状であると、成分が揮発性のた
め、放香に持続性が弱い。この欠点を克服するため、マ
イクロカプセル芯材に液体状又は固体状の香料成分を含
有させたものを剥離層又は熱接着層に含有させ、他の基
材に再転写及び定着させる際の圧力によってマイクロカ
プセルが破れ芳香性を放つことを特徴とするシートであ
る。このシートは、好ましくは、トナー像を形成し、他
の基材に該トナー像を転写又は再転写、定着するため使
用され、特に好ましくは、電子写真法又は静電記録法に
より形成されたトナー像が、他の基材に該トナー像を転
写又は再転写、定着するため使用される。

【００１４】本発明で用いる液体状香料としては、例え
ば酢酸リナリル（ペルガモットに似た香り）、サリチル
酸イソアミル（蘭のような香気）、サリチル酸ベンジル
（ごくわずかな甘い香り）、酢酸テルピニル（ラベンダ
ーに似た香り）、酢酸トリシクロデセニル、酢酸ブチル
シクロヘキシル、酢酸ベンジル（ジャスミンの香気）、
酢酸オイゲノール（丁香のような香気）、酢酸ゲラニル
（バラの花の香り）酢酸シトロネリル（ローズ調の果実
のような香り）酢酸シンナミル（おだやかな甘い花
香）、酢酸ジヒドロテルピニル（フレッシュなパインシ
トラスのような香気）、酢酸ジメチルベンジルカルビニ
ル（ライラック）、ゲラニオール（バラに似た弱い花
香）、酢酸イソアミル（洋梨に似た芳香）、酢酸イソオ
イゲノール、酢酸イソブチル（甘い果実のようなフレー
バ）、

【００１５】ケイ皮酸エチル、クミンアルデヒド（カレ
ーの香気）、ケイ皮アルデヒド、ｌ−カルボン（スペア
ミント油のような匂い）、ギ酸エチル、ギ酸ゲラニル、
ギ酸シトロネリル、カプリル酸エチル（パイナップルに
似た香気）、カプロン酸アリル（パイナップルに似た香
気）、カプロン酸エチル（リンゴ、梨に似た香気）、ガ
ラクソリド、エチル−３，５，５−トリメチルヘキサノ
エート（甘いグリーンノート） エチレンドデカンジオエート（ムスク香）、エチレンブ
ラシレート（ジャ香）、オイゲノール（丁子に似た香
気）、１０−オキサヘキサデカノリド（ジャ香）、

【００１６】イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリ
ル（特異な強い刺激臭）、イロン（バイオレット香）、
γ−ウンデカラクトン（油気くさい香気）、ウンデシレ
ンアルデヒド（ローズシトラスのような香気）、安息香
酸メチル、イソオイゲノール（カーネーションに似た香
気）、イソカンフィルシクロヘキサノール（ムスクのよ
うなサンダルウッド香）、イソ吉草酸イソアミル（リン
ゴ、バナナに似た香気）、アセト酢酸エチル、アセトフ
ェノン、アニスアルデヒド（さんざしのような匂い）、
リモネン及びペンテン、ロジノール（ローズ、ゼラニウ
ムのような香気）、酪酸イソプロピル（強い果実のよう
な香気）、酪酸エチル（果実のような香気）、酪酸ブチ
ル（果実のような香気）、リナロール（スズランの香
気）、α−ヨノン、酪酸イソアミル（西洋ナシ、バナナ
の芳香）、エチルフェニルグリシッド酸エチル（イチゴ
の芳香）、ｐ−メチルアセトフェノン（さんざしの花に
似た芳香）、プロピオン酸ベンジル（バナナ、ストロベ
リーの果実香）、ヘキシルシンナミックアルデヒド（甘
い香気）、ベンジルアルコール（クリーム香料）、フェ
ニル酢酸エチル（蜂蜜のような香気）、ｐ−ｔ−ブチル
−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド（ユリの香
気）、

【００１７】プロピオン酸イソアミル（パイナップル、
梨に似た香気）、プロピオン酸エチル（パイナップルの
芳香）、ヒドロキシトロネテール（ユリの花）、４
（３）−（４−ヒドロキシ−４−メチルペンチル）−３
−シクロヘキセン−１−カルボキシアルデヒド（スズラ
ンのような香気）、フェニルアルデヒド（ヒヤシンスの
優れた花香）、β−フェニルエチルアルコール、β−ナ
フチルメチルアルコール（ココナットの香気）、ジメチ
ルベンジルカルビノール（ライラック、ナルシス）、ジ
ャスミンラクトン、デシルアルデヒド（花のような芳
香）、テトラヒドロリナロール（ローズ、リリーのよう
な芳香）、テルピネオール（ライラックの香気）、１，
８−シネオール（ショウノウのような香気）、ジヒドロ
ジャスミン酸メチル（ジャスミンのような香気）、ジヒ
ドロジャスミン（強い花香）、シトラール（レモンの強
い香気）、シトロネラール（サンショウの香り）、シト
ロネロール（バラのような香り）、シクロヘキシルプロ
ピオン酸アリル（パイナップルの香気）、酢酸リナリル
（ベルガモットに似た香り）、サリチル酸イソアミル
（蘭のような香気）、サリチル酸ベンジル、サリチル酸
メチル（ウインターグリーンに似た強い香り）

【００１８】本発明で用いる固体香料としては、例え
ば、酢酸イソオイゲノール、テトラヒドロナフタレン、
エチルバンリン、ケイ皮酸、酢酸セドリル、β−ナフチ
ルメチルエーテル、バニリン、ローズフェノン等が挙げ
られる。

【００１９】マイクロカプセルについては、各種の壁膜
を有するものが知られており、本発明においても公知の
マイクロカプセルのうちから適宜選択して使用すること
ができる。具体的には、ポリウレタン、ポリウレア、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホ
ルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデド樹脂、
塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン
−（メタ）アクリレート共重合体、ポリスチレン、ゼラ
チン、ポリビニルアルコール等の壁膜を有するマイクロ
カプセルが挙げられるが、中でもポリウレタン、ポリウ
レア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、
ゼラチンを壁膜とするマイクロカプセルが好ましく、と
りわけポリウレタン、ポリウレアを壁膜とするマイクロ
カプセルはプレスの熱により内包する香料を容易に放出
するため、より好ましく使用される。

【００２０】また、マイクロカプセルの粒子径について
は特に限定されるものではないが、通常転写シートはス
ーパーカレンダー等の平滑化処理を施して製品化される
ので、圧によってマイクロカプセルが破壊され難いこと
が望ましく、一般には１０μｍ以下、好ましくは５μｍ
以下、より好ましくは３μｍ以下の平均粒子径が望まし
い。

【００２１】本発明で使用する熱可塑性樹脂としては、
例えば、ポリアリルスルホン系樹脂及びその共重合体、
ポリスルホン系樹脂及びその共重合体、フェノキシ系樹
脂及びその共重合体、エチレン酢酸ビニル系樹脂及びそ
の共重合体、酢酸ビニル系樹脂及びその共重合体、ポリ
ビニルブチラール系樹脂及びその共重合体、ポリエチレ
ン系樹脂及びその共重合体、ポリアミド系樹脂及びその
共重合体、メチルセルロース系樹脂及びその共重合体、
ポリアクリル系樹脂及びその共重合体、ポリメタアクリ
ル系樹脂及びその共重合体、ポリスチレン系樹脂及びそ
の共重合体、酢酸ビニル系樹脂及びその共重合体、ポリ
塩化ビニル系樹脂及びその共重合体等が挙げられる。

【００２２】本発明に使用する支持体としては、紙、合
成紙、布、不織布、皮革、またポリエチレンフタレー
ト、ジアセテートセルロース、トリアセテートセルロー
ス、アクリル系ポリマー、セロハン、セルロイド、ポリ
塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエー
テルスルホン、ポリエーテル、エーテルケトン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等の樹脂シート、金属板、金属
箔等が挙げられる。また、これらの材料は適宜組み合わ
せて製造した複写シートや、これらに塗工やラミネート
によって耐水性や、導電性を付与したもの等の使用が可
能であり、特に限定されない。好ましくは２０〜２００
ｇ／ｍ²の紙が経済性及び複写装置内搬送安定性の面で
用いられる。

【００２３】剥離層及び転写層及びバック層を形成する
には、各層を形成する材料を水又は適当な溶剤中に溶解
若しくは分散若しくはエマルジョン化させて、調整した
塗工液を、ロールコーター、ブレードコーター、ワイヤ
ーバーコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター
等のコーターを適宜使用して支持体上に塗布して形成す
る。その他、ホットメルトコーター、ラミネートコータ
ー等を使用して支持体上に積層して形成してもよい。

【００２４】本発明では香料成分として液体状のもの、
固体状のもの、又はマイクロカプセルに香料内包したも
のを使用している。それぞれの性状についてのメリット
を記載する。 （１）液体状のもの 揮発性に優れている。 放香が早い。 取り扱いが安易である。 （２）固体状のもの 放香持続性に優れる。 （３）マイクロカプセルに香料内包したもの 一定の温度以上が加わったときにカプセルの膜が破
れ、香料がにじみ出てくる。

【００２５】本発明の画像転写シートを使用しての画像
作成は、例えば以下の方法にて行なわれる。まず、転写
シートは支持体の少なくとも片面に香料を含有する剥離
層を設け、この剥離層上に熱可塑性樹脂を含有する熱転
写層を設ける。この転写シートを使用し複写機にて鏡面
コピー像を作成する。次に、被転写体に目止めシートを
使用し、目止めシートは支持体に剥離装置を設けた後、
香料を含有する熱接着層を積層してなるシート、このシ
ートを例えばキャンバス面と向かい合わせ、熱プレスし
て樹脂を被転写体の粗い目のところにうめた被転写体の
キャンバスと鏡面画像のコピーを重ね合わせプレス加熱
する。これを十分に冷却して剥離層と熱接着層の界面よ
り剥がす。

【００２６】香料入り転写シートはカラー複写機（ＰＲ
ＥＴＥＲ−５５０）を使用し、鏡面画像を作成する。目
止め層（香料を含有する）はプレス圧６０〜２５０ｇ／
ｍ²でキャンバス粗面の凹部に樹脂を押し込む。（８０
〜２００℃）樹脂を押し込ませた目止めシートと鏡面画
像で 取したもの同士を重ね合わせ、プレス圧１００〜
２００ｇ／ｍ²で処理した後、剥離層を剥がすことによ
って反転画像を得るに至った。

【００２７】

【実施例】香料を内包したマイクロカプセルの製造 調製例１ メントン１００部にキシリレンジイソシアネートとトリ
メチロールプロパンの付加物（商品名：タケネートＤ１
１０Ｎ、武田薬品工業社製）６０部を溶解して内相液
（芯物質）を調製した。部分ケン化ポリビニルアルコー
ル（商品名：ＰＶＡ−２１７ＥＥ、クラレ社製）の１０
％水溶液１８０部に水２２０部を加え、これに上記内相
液を添加し、２０℃で乳化し、平均粒子径２μｍの乳化
液を得た。この乳化液を撹拌しながら６０℃に昇温し、
そのまま３時間反応させてメントンを内包するマイクロ
カプセル分散液を得た。

【００２８】調製例２ メントン１００部の代わりに酢酸ｐ−ｔｅｒｔ−ブチル
シクロヘキシル１００部を使用し、キシリレンジイソシ
アネートとトリメチロールプロパンの付加物の使用量を
４０部とした以外は、調製例１と同様にして、平均粒子
径２．５μｍの酢酸ｐ−ｔｅｒｔ−ブチルシクロヘキシ
ルを内包したマイクロカプセル分散液を得た。

【００２９】調製例３ メントン１００部の代わりにラベンダー油１００部を、
キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパン
の付加物６０部の代わりにポリメチレンポリフェニルポ
リイソシアネート（商品名：ＰＡＰＩ−２０、Ｍ．Ｄ化
成社製）６０部をそれぞれ使用した以外は、調製例１と
同様にして、平均粒子径３μｍのラベンダー油を内包し
たマイクロカプセル分散液を得た。

【００３０】調製例４ メントン１００部の代わりに酪酸ゲラニル１００部を、
キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパン
の付加物６０部の代わりにヘキサメチレンジイソシアと
トリメチロールプロパンの付加物（商品名：タケネート
Ｄ１６０Ｎ、武田薬品工業社製）８０部をそれぞれ使用
した以外は、調製例１と同様にして、酪酸ゲラニルを内
包したマイクロカプセル分散液を得た。

【００３１】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。なお、実施例中の「部」は重量部である。本実施
例により、本発明の技術的範囲は限定されない。

【００３２】実施例１ 支持体として坪量１０４．７ｇ／ｍ²の上質紙を用い、
下記組成よりなる剥離層用塗料（Ａ）を支持体の片面に
ワイヤーバーで塗布乾燥して剥離層を設けた。（乾燥付
着量１．９ｇ／ｍ²） 剥離用塗料（Ａ） 常温硬化型シリコンゴムエマルジョン １０部 （ＳＦ１９８０、東レダウコーニングシリコン社製、固形分４５％） 水 ４０部 香料（固体状） ０．１７部 （β−ナフチルメチルエーテル、５〜１０μｍに粉砕したもの） 上記を混合、塗布乾燥し、剥離用塗料（Ａ）を支持体上
に設け、その上に自己架橋型エチレン−酢ビ−共重合樹
脂エマルジョンを積層し転写シート（ａ）を得た。本転
写シート（ａ）を用いて複写機より得たコピー画像を被
転写体に定着させたところ、不快臭は全く感じられなか
った。

【００３３】実施例２ 支持体として坪量１０４．７ｇ／ｍ²の上質紙を用い、
下記組成よりなる剥離層用塗料（Ｂ）を支持体の片面に
ワイヤーバーで塗布乾燥して剥離層を設けた。（乾燥付
着量１．９ｇ／ｍ²） 剥離用塗料（Ｂ） ７９１０（東レダウコーニングシリコン社製） ２５部 水 ７４．７部 リナロール（香料） ０．３部 上記を混合し、塗布乾燥し、剥離層塗料（Ｂ）を支持体
上に設け、その上にエチレン−酢ビ−共重合樹脂エマル
ジョン等の熱接着層を積層し、転写シート（ｂ）を得
た。本転写シート（ｂ）を用いて複写機より得たコピー
画像を被転写体に定着させたところ、不快臭は感じられ
なかった。

【００３４】実施例３ 支持体として坪量１０４．７ｇ／ｍ²の上質紙を用い、
下記組成よりなる剥離層用塗料（Ｃ）を支持体の片面に
ワイヤーバーで塗布乾燥して剥離層を設けた。（乾燥付
着量１．９ｇ／ｍ²） 剥離用塗料（Ｃ） ７９１０（東レダウコーニングシリコン社製） ２３部 ７９２２（東レダウコーニングシリコン社製） ２部 ｐ−メチルアニソール ０．２部 水 ７４．８部 上記を混合し、塗布乾燥し、剥離層塗料（Ｃ）を支持体
上に設け、その上にエチレン−酢ビ−共重合樹脂エマル
ジョン等の熱接着層を積層し、転写シート（ｃ）を得
た。本転写シート（ｃ）を用いて複写機より得たコピー
画像を被転写体に定着させたところ、不快臭は感じられ
なかった。

【００３５】実施例４ 支持体として坪量１０４．７ｇ／ｍ²の上質紙を用い、
下記組成よりなる剥離層用塗料（Ｄ）を支持体の片面に
ワイヤーバーで塗布乾燥して剥離層を設けた。（乾燥付
着量１．９ｇ／ｍ²） 剥離用塗料（Ｄ） ７９１０（東レダウコーニングシリコン社製） １２．５部 ７９２２（東レダウコーニングシリコン社製） １０部 α−イロン（香料） １８部 水 ９．５部 上記を混合し、塗布乾燥し、剥離層塗料（Ｄ）を支持体
上に設け、その上にエチレン−酢ビ−共重合樹脂エマル
ジョン等の熱接着層を積層し、転写シート（ｄ）を得
た。本転写シート（ｄ）を用いて複写機より得たコピー
画像を被転写体に定着させたところ、不快臭は感じられ
なかった。

【００３６】実施例５ 支持体として坪量１０４．７ｇ／ｍ²の上質紙を用い、
下記組成よりなる剥離層用塗料（Ｅ）を支持体の片面に
ワイヤーバーで塗布乾燥して剥離層を設けた。（乾燥付
着量１．９ｇ／ｍ²） 剥離用塗料（Ｅ） ７９００（東レダウコーニングシリコン社製） ２２．５部 水 ２７．５部 上記で得られた剥離層上に下記組成からなる熱接着層用
塗料をワイヤーバーにて塗布し、本発明の転写シート
（ｅ）を得た。 スチレンアクリル酸アンモニウム共重合体水溶液 ２０部 塩ビアクリル酸共重合体 ２０部 水 １５部 調製例１で得た香料を内包したマイクロカプセル分散液 ５部 得られた本転写シート（ｅ）を用いて複写機より得たコ
ピー画像を被転写体に定着させたところ、不快臭は感じ
られなかった。

【００３７】実施例６ 支持体に実施例５と同様に剥離層を設け、下記組成から
なる熱接着層用塗料をワイヤーバーにて塗布し、本発明
の転写シート（ｆ）を得た。 ポリゾールＥＦ−４２１ ２０部 （昭和高分子社製、Ｔｇ：−２１℃、分子量：１０万〜２０万、 架橋温度：１２０℃以上） 非反応型カーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン ２０部 水 ８部 調製例２で得た香料を内包したマイクロカプセル分散液 ２部 得られた本転写シート（ｆ）を用いて複写機より得たコ
ピー画像を被転写体に定着させたところ、不快臭は感じ
られなかった。

【００３８】実施例７ 支持体として坪量１０４．７ｇ／ｍ²の上質紙を用い、
下記組成よりなる剥離層用塗料（Ｆ）を支持体の片面に
ワイヤーバーで塗布乾燥して剥離層を設けた。（乾燥付
着量１．９ｇ／ｍ²） 剥離用塗料（Ｆ） ７９００（東レダウコーニングシリコン社製） ２４部 ７９２２（触媒、東レダウコーニングシリコン社製） １部 水 部 上記で得られた剥離層上に下記組成からなる熱接着層用
塗料をワイヤーバーにて塗布し、本発明の転写シート
（ｇ）を得た。 スチレンアクリル酸アンモニウム共重合体水溶液 ２０部 （ジョンソンポリマー社製、Ｊ−７１１、Ｔｇ：０℃） 塩ビアクリル酸オクチル共重合体 ２０部 水 ８部 調製例３で得た香料を内包したマイクロカプセル分散液 ２部 得られた本転写シート（ｇ）を用いて複写機より得たコ
ピー画像を被転写体に定着させたところ、不快臭は感じ
られなかった。

【００３９】実施例８ 支持体として坪量１０４．７ｇ／ｍ²の上質紙に、脂肪
酸アルデヒド類の２，６−ノナジエーテル（液体）をワ
イヤーバーにて０．１３ｇ／ｍ²付着させ、乾燥後、そ
の上に剥離層（Ａ）をワイヤーバーで塗布乾燥付着さ
せ、剥離層を設けた。（乾燥付着量１．９ｇ／ｍ²） 剥離用塗料 Ｘ−５２−１９５（信越シリコン（株）社製） ２４部 ＣＡＴ−ＰＭ−１０（触媒） ２部 水 ７４部 上記で得られた剥離用塗料層を香料を塗布乾燥した支持
体上に設け、下記組成からなる熱接着層用塗料を剥離層
の上に積層し、本発明の転写シート（ｈ）を得た。 ポリゾールＳＵＭ−４００２ ２２．５部 （昭和高分子社製、Ｔｇ：−２０℃） ポリゾールＥＦ−２５０ ２２．５部 （昭和高分子社製、Ｔｇ：２０℃） ＰＵＡ−２０５（クラレ社製） ５部 得られた本転写シート（ｈ）を用いて複写機より得たコ
ピー画像を被転写体に定着させたところ、不快臭は感じ
られなかった。

【００４０】比較例１ 実施例５の剥離用塗料（Ｅ）をワイヤーバーにて塗布乾
燥し、下記組成の熱接着層をワイヤーバーにて塗布乾燥
し、積層してなる転写シート（ｉ）を得た。 メチロール成分含有自己架橋型エチレン−酢ビ− １０部 アクリル系共重合樹脂エマルジョン （ポリゾールＥＦ−４２１、Ｔｇ：−２１℃、昭和高分子社製、固形分４５ ％、分子量１０万〜２０万、架橋温度１２０℃以上） エチロール成分含有自己架橋型エチレン−酢ビ− １０部 アクリル系共重合樹脂エマルジョン （ポリゾールＥＦ−２５０Ｎ、Ｔｇ：２０℃、昭和高分子社製、固形分５０ ％、分子量１０万〜２０万） 得られた本転写シート（ｉ）を用いて、実施例１と同様
にフルカラー画像を転写作成したところ、被転写体に定
着させた際、不快臭が確認された。

【００４１】比較例２ 実施例５の剥離用塗料（Ｅ）をワイヤーバーにて塗布乾
燥し、下記組成の熱接着層をワイヤーバーにて塗布乾燥
し、積層してなる転写シート（ｊ）を得た。実施例８に
て用いた熱接着層と同組成で香料成分を除いたもの得ら
れた本転写シート（ｊ）を用いて、実施例１と同様にフ
ルカラー画像を転写作成したところ、被転写体に定着さ
せた際、不快臭が確認された。以上実施例１〜８及び比
較例１、２の結果を表１に示す。

【００４２】評価基準 ○：不快臭なし △：不快臭ややあり ×：不快臭多くあり

【００４３】

【表１】

【００４４】

【発明の効果】以上、詳細かつ具体的説明から明らかな
ように、画像用目止めシートにおいては、化粧ケースの
ふたを取り内袋より出した目止めシートは臭く不快臭を
感じる。この不快臭を克服するために、本発明は、剥離
層に香料を含有させ、支持体の上に剥離層として設け、
その上に熱接着層を積層し、香料の気発を防ぐように
し、不快臭を克服した。また、被転写体例えばキャンバ
スに複写機で作成したサンプルを貼り付ける際の、熱プ
レス時に不快臭を放っていた。この不快臭を克服するた
めに、熱接着層に香料入りカプセルを含有させ、貼り付
けの時の熱プレス時にカプセルが破れ、不快臭をなくし
てくれることを特徴とする画像転写シートを得ることが
できた。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｄ０６Ｍ 23/12 Ｄ０６Ｍ 23/12

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持体の少なくとも片面に熱接着層を有
   する画像転写用シートであって、支持体及び／又は熱接
   着層中に香料成分を含有したことを特徴とする画像転写
   用シート。
2. 【請求項２】 支持体の少なくとも片面に剥離層及び熱
   接着層を有する画像転写用シートであって、支持体及び
   ／又は剥離層及び／又は熱接着層中に香料成分を含有し
   たことを特徴とする画像転写用シート。
3. 【請求項３】 該香料成分が常温で固体状であることを
   特徴とする請求項１又は２に記載の画像転写用シート。
4. 【請求項４】 該香料成分が常温で液体状であることを
   特徴とする請求項１又は２に記載の画像転写用シート。
5. 【請求項５】 支持体の少なくとも片面に熱接着層を有
   する画像転写用シートであって、熱接着層中に香料入り
   マイクロカプセルを含有することを特徴とする画像転写
   用シート。
6. 【請求項６】 支持体の少なくとも片面に剥離層及び熱
   接着層を有する画像転写用シートであって、剥離層及び
   ／又は熱接着層中に香料入りマイクロカプセルを含有す
   ることを特徴とする画像転写用シート。
7. 【請求項７】 該マイクロカプセル芯材が常温で固体状
   であることを特徴とする請求項５又は６に記載の画像転
   写用シート。
8. 【請求項８】 該マイクロカプセル芯材が常温で液体状
   であることを特徴とする請求項５又は６に記載の画像転
   写用シート。