JP2003093868A - 芳香性微粒子 - Google Patents

芳香性微粒子

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JP2003093868A
JP2003093868A JP2002056643A JP2002056643A JP2003093868A JP 2003093868 A JP2003093868 A JP 2003093868A JP 2002056643 A JP2002056643 A JP 2002056643A JP 2002056643 A JP2002056643 A JP 2002056643A JP 2003093868 A JP2003093868 A JP 2003093868A
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aromatic
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shell
monomer
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JP2002056643A
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Masayoshi Okubo
政芳 大久保
Hideto Minami
秀人 南
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New Industry Research Organization NIRO
Original Assignee
New Industry Research Organization NIRO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】芳香成分の徐放期間が長い芳香性微粒子、およ
び、任意の時期に芳香を放つようにさせることができる
芳香性微粒子を提供する。 【解決手段】シェル及び中空部分からなる中空微粒子の
中空部分に芳香成分が内包された芳香性微粒子であっ
て、シェルが、少なくとも1種の架橋性モノマーを100
〜0重量%および少なくとも1種の単官能性モノマーを0
〜100重量%含むモノマー成分を重合または共重合させ
ることにより得られる重合体または共重合体で構成され
ている芳香性微粒子など。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子シェルおよ
び中空部分からなり、中空部分に芳香成分を内包する芳
香性微粒子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、微粒子に芳香成分を内包させる目
的の1つに、該成分の徐放持続性を確保することがあ
る。この目的を達成するために、マイクロカプセル内に
芳香成分を充填することが行われている。マイクロカプ
セルとしては、無定型シリカ、ゼラチン、ポリウレタ
ン、メラミン樹脂、尿素樹脂などからなるものが用いら
れている。
【0003】しかし、これらのカプセルは一般に強度が
低い。このため、このマイクロカプセルを含む塗布剤な
どの製造時、使用時などに、加圧により破壊されてしま
い、長期にわたる芳香成分の徐放性を確保し難いという
難点がある。
【0004】また、特公平5−34985号公報による
と、芳香成分などの薬効成分を含む多層構造の重合体粒
子が水中に分散した薬効成分徐放性のエマルジョンが開
示されている。この重合体粒子は、揮発性の薬効成分を
含有する重合体粒子を内部層とし、内部層の外側に薬効
成分を含有しない重合体層が形成された二重構造の粒子
である。
【0005】この薬効成分を保持した粒子は、第一の不
飽和単量体を水中で乳化重合して得た重合体粒子に薬効
成分を含浸させた後、この粒子表面で第二の不飽和単量
体を重合させることにより得られる。あるいは、第一の
不飽和単量体に薬効成分を添加し、水中で乳化重合して
重合体粒子を得た後、この重合体粒子の表面で第二の不
飽和単量体を重合させることによっても得られる。
【0006】この重合体粒子は、製造時、使用時の圧力
で破壊されるという問題点を解消したものであるが、内
部重合体に薬効成分を含浸させるものであるため、1微
粒子当たりの薬効成分の保持量が少なく、その結果、薬
効成分の徐放期間が短い。
【0007】また、微粒子に芳香成分を内包させる他の
目的として、任意の時期に芳香を放つようにさせること
がある。このような目的のためには、芳香成分を内包
し、特に加圧しない状態では破壊されないとともに、所
望の時期に破壊し易い微粒子であることが求められる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、芳香成分の
徐放期間が長い芳香性微粒子を提供することを第1の目
的とする。
【0009】また、本発明は、任意の時期に芳香を放つ
ようにさせることができる芳香性微粒子を提供すること
を第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく研究を重ねた結果、以下の知見を見出し
た。 (1) (a)少なくとも1種の架橋性モノマー、(b)少なく
とも1種の架橋性モノマーと少なくとも1種の単官能性
モノマーとの混合物、又は、(c)少なくとも1種の単官能
性モノマーに、芳香成分、重合開始剤および必要に応じ
て補助ポリマーを溶解させて均一な溶液としたものを
得、この溶液を、分散安定剤を含む水に加え、撹拌下に
加熱することにより、シェル及び中空部からなる中空微
粒子の中空部に芳香成分が内包された複合粒子を簡単に
得ることができる。 (2) 高分子シェルおよび中空部分からなる中空微粒子
の中空部分に芳香成分を内包し、シェルが、少なくとも
1種の架橋性モノマー、または、少なくとも1種の架橋
性モノマーと少なくとも1種の単官能性モノマーとの混
合物を重合または共重合させることにより得られる重合
体または共重合体で構成されている芳香成分内包微粒子
は、非常に強固な微粒子シェルを有する。このことか
ら、シェルが破壊され難く、芳香成分を長期にわたり徐
放することができる。 (3) また、内部重合体に芳香成分を含む従来の微粒子
に比べて、この微粒子は、シェルで囲まれた中空部分に
芳香成分を内包するために芳香成分の保持量が多い。こ
のことからも、芳香成分を長期にわたり徐放できる微粒
子となる。すなわち、中空部分に芳香成分を内包するも
のでありながら、強固な微粒子であるために、芳香成分
の徐放持続性がよい。 (4) 一方、前記の(2)の微粒子において、シェルを、少
なくとも1種の単官能性モノマーを重合または共重合さ
せることにより得られる重合体または共重合体で構成す
ることにより、微粒子シェルの強度が低くなる。また、
この微粒子はシェル内に芳香成分を内包しているため
に、一定以下の外圧に耐え、大きな圧力で加圧しない限
り破壊され難い。これらのことから、任意の時期にシェ
ルを容易に破壊して内包された芳香成分を放出させるこ
とができる。 (5) モノマー成分及び開始剤に代えてエポキシ樹脂及
び硬化剤を用いて、エポキシ樹脂を架橋させることによ
っても(1)〜(3)と同様の効果が得られる。これにより得
られる微粒子は、シェルが架橋エポキシ樹脂からなるた
め、シェルが高強度のものとなる。また、得られた微粒
子は、空隙率が大きい。 (6) モノマー成分及び開始剤に代えて多価イソシアネ
ート及び多価アルコールを用いることによっても(1)〜
(3)と同様の効果が得られる。これにより得られる微粒
子は、シェルが架橋構造を有するポリウレタンからなる
ため、シェルが高強度のものとなる。また、得られた微
粒子は、空隙率が大きい。
【0011】本発明は、これらの知見に基づき、更に検
討を加えて完成されたものであって、次の各項の芳香性
微粒子を提供するものである。
【0012】項1. シェル及び中空部分からなる中空
微粒子の中空部分に芳香成分が内包された芳香性微粒子
であって、シェルが、少なくとも1種の架橋性モノマー
を100〜0重量%および少なくとも1種の単官能性モノマ
ーを0〜100重量%含むモノマー成分を重合または共重合
させることにより得られる重合体または共重合体で構成
されている芳香性微粒子。
【0013】項2. シェルが、少なくとも1種の架橋
性モノマー、または、少なくとも1種の架橋性モノマー
と少なくとも1種の単官能性モノマーとの混合物を重合
または共重合させることにより得られる重合体または共
重合体で構成されている項1に記載の芳香性微粒子。
【0014】項3. シェルが、少なくとも1種の架橋
性モノマーを100〜10重量%および少なくとも1種の単
官能性モノマーを0〜90重量%含むモノマー成分を重合
または共重合させることにより得られる重合体または共
重合体で構成されている項2に記載の芳香性微粒子。
【0015】項4. 架橋性モノマーが、重合性C=C
二重結合を2個以上有する多官能性モノマーである項
1、2又は3に記載の芳香性微粒子。
【0016】項5. シェルが、少なくとも1種の単官
能性モノマーの重合体もしくは共重合体で構成されてい
る項1に記載の芳香性微粒子。
【0017】項6. 下記の式に従い算出される、中空
部分の容積比率Rが10〜80%である項1から5のいずれ
かに記載の芳香性微粒子。
【0018】R(%)=(rh/rp)3×100 (式中、rhは芳香性微粒子の中空部分の半径であり、
rpは芳香性微粒子の半径である。) 項7. 圧裂限界荷重が1〜200mNである項2に記載の
芳香性微粒子。
【0019】項8. 芳香成分の内包量が、シェルに対
して10〜80重量%である項1から7のいずれかに記載の
芳香性微粒子。
【0020】項9. 芳香成分がヒノキチオールである
項1から8のいずれかに記載の芳香性微粒子。
【0021】項10. シェル及び中空部分からなる中
空微粒子の中空部分に芳香成分が内包された芳香性微粒
子であって、シェルが、エポキシ樹脂を硬化剤を用いて
硬化させることにより得られる架橋エポキシ樹脂で構成
されている芳香性微粒子。
【0022】項11. 下記の式に従い算出される、中
空部分の容積比率Rが10〜80%である項10に記載の芳
香性微粒子。
【0023】R(%)=(rh/rp)3×100 (式中、rhは芳香性微粒子の中空部分の半径であり、
rpは芳香性微粒子の半径である。) 項12. 芳香成分の内包量が、シェルに対して10〜80
重量%である項10又は11に記載の芳香性微粒子。
【0024】項13. 芳香成分がヒノキチオールであ
る項10、11又は12に記載の芳香性微粒子。
【0025】項14. シェル及び中空部分からなる中
空微粒子の中空部分に芳香成分が内包された芳香性微粒
子であって、シェルが、多価イソシアネートと多価アル
コールとの重付加反応により得られるポリウレタンで構
成されている芳香性微粒子。
【0026】項15. 下記の式に従い算出される、中
空部分の容積比率Rが10〜80%である項14に記載の芳
香性微粒子。
【0027】R(%)=(rh/rp)3×100 (式中、rhは芳香性微粒子の中空部分の半径であり、
rpは芳香性微粒子の半径である。) 項16. 芳香成分の内包量が、シェルに対して10〜80
重量%である項14又は15に記載の芳香性微粒子。
【0028】項17. 芳香成分がヒノキチオールであ
る項14、15又は16に記載の芳香性微粒子。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0030】本発明の第1の芳香性微粒子 本発明の第1の芳香性微粒子は、シェル及び中空部分か
らなる中空微粒子の中空部に芳香成分が内包された芳香
性微粒子であって、シェルが、少なくとも1種の架橋性
モノマーを100〜0重量%および少なくとも1種の単官能
性モノマーを0〜100重量%含むモノマー成分を重合また
は共重合させることにより得られる重合体または共重合
体で構成されている。
【0031】すなわち、本発明の芳香性微粒子は、シェ
ル及び中空部分からなる中空微粒子の中空部分に芳香成
分が内包された芳香性微粒子であって、シェルが、(a)
少なくとも1種の架橋性モノマー、(b)少なくとも1種
の架橋性モノマーと少なくとも1種の単官能性モノマー
との混合物、または、(c)少なくとも1種の単官能性モ
ノマーを重合または共重合させることにより得られる重
合体または共重合体で構成されている。また、そのシェ
ルは、実質的に単層構造である。
【0032】高強度の微粒子とする場合には、シェル
が、少なくとも1種の架橋性モノマーを重合または共重
合させることにより得られる重合体または共重合体、ま
たは、少なくとも1種の架橋性モノマーと少なくとも1
種の単官能性モノマーとを共重合させることにより得ら
れる共重合体で構成されたものとする。好ましくは、シ
ェルが、少なくとも1種の架橋性モノマーを100〜10重
量%程度、特に100〜30重量%程度、および、少なくと
も1種の単官能性モノマーを0〜90重量%程度、特に0〜
70重量%程度含むモノマー成分を重合または共重合させ
ることにより得られる重合体または共重合体で構成され
たものとする。モノマー成分中に含まれる架橋性モノマ
ーの比率が高くなるほど、高強度のシェルとなる。
【0033】この場合の芳香性微粒子の強度は、モノマ
ーの種類、シェル厚さおよび芳香成分の内包量等によっ
ても異なるが、微小圧縮試験器(島津製作所社製)を用
いて測定した場合の圧裂限界荷重が1〜200mN程度、特
に4〜150mN程度である。
【0034】この微粒子の強度は、例えば本発明の前記
の芳香性微粒子を接着剤などに練り込む際に微粒子にか
けられる程度の力や、その接着剤などの使用時に微粒子
にかけられる程度の力によっては破壊されない程度の、
実用上十分な強度である。
【0035】一方、低強度の微粒子とする場合には、シ
ェルが、少なくとも1種の単官能性モノマーを重合また
は共重合させることにより得られる重合体または共重合
体で構成されたものとする。
【0036】この場合の芳香性微粒子の強度は、モノマ
ーの種類、シェル厚さおよび芳香成分の内包量等によっ
ても異なるが、微小圧縮試験器(島津製作所社製)を用
いて測定した場合の圧裂限界荷重が0.01〜0.5mN程
度、特に0.1〜0.4mN程度である。この微粒子の強度
は、特に加圧しない状態では破壊され難いが、ヒトの指
で押さえる程度の力で容易に破壊できる程度の強度であ
る。
【0037】また、典型的には、本発明の芳香性微粒子
のシェルの厚さは、0.01〜5μm程度、特に0.1〜3μ
m程度である。
【0038】また、本発明の芳香性微粒子における中空
部分の容積比率は、10〜80%程度、特に10〜50%程度で
ある。
【0039】ここで、本明細書において、「中空部分の
容積比率」Rは、下記の式に従い算出されるものであ
る。
【0040】R(%)=(rh/rp)3×100 (式中、rhは、芳香性微粒子の中空部分の半径(シェル
の内径の1/2)であり、rpは、芳香性微粒子の半径(シ
ェルの外径の1/2)である。) 中空部分の容積比率を算出するための前記半径は電子顕
微鏡あるいは光学顕微鏡により測定した値である。
【0041】また、本発明の芳香性微粒子の粒子径は、
0.05〜50μm程度、特に0.1〜20μm程度である。この
粒子径は、電子顕微鏡あるいは光学顕微鏡により測定し
た場合の粒子径である。
【0042】また、本発明の芳香性微粒子における、1
微粒子あたりの芳香成分の内包量は、シェルに対して10
〜80重量%程度、特に30〜70重量%程度である。本明細
書において、1微粒子あたりの芳香成分の内包量は、熱
重量分析により求めた値である。
【0043】芳香成分 芳香成分の種類は特に制限されないが、例えば、芳香性
物質であるヒノキチオール(β−ツヤプリシン)、ヒノ
キ精油、シトロネラール、リモネン、L−メントール、
ヘキサノール、シス−3−ヘキセノール、リナロール、
ゲラニオール、シトロネロール、α−ターピネオール、
ボルネオール、ベンジルアルコール、β−フェニルエチ
ルアルコール、ユーカリ油、シトラール、アレスリン、
リナロール、リガストラール、ベンジルアセテート、エ
チルイソブチレート、β−ヨノンなどを例示できる。な
お、前記例示した化合物のうち、ヒノキチオール(β−
ツヤプリシン)、ヒノキ精油、シトロネラール、リモネ
ン、L−メントールなどは芳香剤としてのみならず、抗
菌剤、防虫剤、防カビ剤等としても有用な化合物である
ため、芳香用途に加えて抗菌、防虫、防カビなどの用途
にも用いることができる。これらの化合物は、高強度の
微粒子シェルに内包させ、該微粒子から徐放させること
により、該成分の芳香、抗菌などの効力を持続させるこ
とができる。
【0044】これらの化合物を高強度シェルに内包した
芳香性微粒子は、建材へのコーティング剤、建材に用い
る接着剤、壁用クロス、エアコンや換気扇等のフィルタ
ー、カーペット用洗浄剤などに適用することができる。
この場合には、本発明の芳香性微粒子は、壁、エアコン
フィルターなどの被塗布面に付着した状態で、長期にわ
たり芳香を放つ。ヒノキチオールなどの抗菌、防虫、防
カビなどの効果を有する芳香成分を内包させた本発明の
微粒子の場合は、芳香作用のみならず抗菌、防虫、防カ
ビなどの効果も長期にわたり発揮される。
【0045】また、これらの化合物を低強度シェル内に
内包した微粒子は、例えば手で圧力をかけて破砕するこ
とにより芳香を放つ芳香剤などとして利用することがで
きる。
【0046】架橋性モノマー及び単官能性モノマー 本発明の芳香性微粒子のシェルを構成する架橋性モノマ
ー及び単官能性モノマーは、疎水性であることが好まし
いが、通常この要件は満たされる。<架橋性モノマー> 本発明の芳香性微粒子のシェルを構
成する架橋性モノマーとしては、重合性反応基、特に重
合性2重結合を2個以上(特に、2〜4個)有する多官
能性モノマーが例示できる。特に、重合性C=C二重結
合を2個以上(特に、2〜4個)有する多官能性モノマ
ーが好ましい。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルビ
フェニル、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレート、
トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタク
リレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート
などが挙げられる。特に、ジビニルベンゼンおよびエチ
レングリコールジメタクリレートなどが好ましく、最も
好ましいのはエチレングリコールジメタクリレートであ
る。これらは単独であるいは2種以上を混合して使用で
きる。
【0047】また、単官能性モノマーとしては、例え
ば、モノビニル芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニ
ルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオ
レフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体、ジ
オレフィン等が挙げられる。これらは単独であるいは2
種以上を混合して使用できる。
【0048】上記モノビニル芳香族単量体としては、下
記一般式(1)で表されるモノビニル芳香族炭化水素、
低級(炭素数1〜4)アルキル基で置換されていてもよ
いビニルビフェニル、低級(炭素数1〜4)アルキル基
で置換されていてもよいビニルナフタレン等が挙げられ
る。
【0049】
【化1】
【0050】[式中、R1は、水素原子、低級(炭素数
1〜4)アルキル基又はハロゲン原子であり、R2は、
水素原子、低級(炭素数1〜4)アルキル基、ハロゲン
原子、−SO3Na基、低級(炭素数1〜4)アルコキ
シ基、アミノ基又はカルボキシル基を示す。] 上記一般式(1)において、R1は、水素原子、メチル
基又は塩素原子が好ましく、R2は、水素原子、塩素原
子、メチル基又は−SO3Na基であるのが好ましい。
【0051】上記一般式(1)で示されるモノビニル芳
香族炭化水素の具体例としては、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−
クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチ
レン、スチレンスルホン酸ナトリウム等があげられる。
【0052】更に、低級アルキル基で置換されていても
よいビニルビフェニル、低級アルキル基で置換されてい
てもよいビニルナフタレンとしては、ビニルビフェニ
ル、メチル基、エチル基等の低級(炭素数1〜4)アル
キル基で置換されているビニルビフェニル、ビニルナフ
タレン、メチル基、エチル基等の低級(炭素数1〜4)
アルキル基で置換されているビニルナフタレン等を例示
できる。これらモノビニル芳香族単量体は、単独である
いは2種類以上併用することができる。
【0053】また、上記アクリル系単量体としては、下
記の一般式(2)で表されるアクリル系単量体が挙げら
れる。
【0054】
【化2】
【0055】[式中、R3は、水素原子又は低級(炭素
数1〜4)アルキル基を示し、R4は、水素原子、炭素
数1〜12のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜6の
ヒドロキシアルキル基、低級(炭素数1〜4)アミノア
ルキル基又はジ(C1-C4アルキル)アミノ−(C1-C4)ア
ルキル基を示す。] 一般式(2)において、R3は、水素原子又はメチル基
であるのが好ましく、R4は、水素原子、炭素数1〜8
のアルキル基、フェニル基、低級(炭素数1〜4)ヒド
ロキシアルキル基、低級(炭素数1〜4)ミノアルキル
基が好ましい。
【0056】上記アクリル系単量体の具体例としては、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
エキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸β−ヒドロ
キシエチル、アクリル酸γ−ヒドロキシブチル、アクリ
ル酸δ−ヒドロキシブチル、メタクリル酸β−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸γ−アミノプロピル、アクリル酸
γ−N,N−ジエチルアミノプロピル等が挙げられる。
【0057】上記ビニルエステル系単量体としては、下
記の一般式(3)で表されるものが挙げられる。
【0058】
【化3】
【0059】[式中、R5は水素原子又は低級(炭素数
1〜4)アルキル基を示す。] 上記ビニルエステル系単量体の具体例としては、ギ酸ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられ
る。
【0060】上記ビニルエーテル系単量体としては、下
記の一般式(4)で表されるビニルエーテル系単量体が
挙げられる。
【0061】
【化4】
【0062】[R6は、炭素数1〜12のアルキル基、
フェニル基又はシクロヘキシル基を示す。] 上記ビニルエーテル系単量体の具体例としては、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルn−ブ
チルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロ
ヘキシルエーテル等が挙げられる。
【0063】上記モノオレフィン系単量体としては、下
記の一般式(5)で表されるものが挙げられる。
【0064】
【化5】
【0065】[式中、R7及びR8は、水素原子又は低級
(炭素数1〜4)アルキル基であり、それぞれ異なって
いても同一でもよい。] 上記モノオレフィン系単量体の具体例としては、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1等が挙げられる。
【0066】上記ハロゲン化オレフィン系単量体として
は、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンをあげること
ができる。
【0067】さらに、ジオレフィン類である、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等も単官能性単量体に含
めることができる。これらは単独でまたは2種以上を混
合して用いることができる。
【0068】架橋性モノマーと共重合させる単官能性モ
ノマーとしては、モノビニル芳香族単量体、アクリル系
単量体、ビニルエステル系単量体およびビニルエーテル
系単量体などが好ましい。特に好ましいのは、スチレ
ン、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸ブチルなど
である。
【0069】架橋性モノマーと単官能性モノマーとを併
用する場合の、両者の好適な組合わせとしては、架橋性
モノマーであるエチレングリコールジメタクリレート
と、単官能性モノマーであるスチレン単独、アクリル酸
エステル単独、メタクリル酸エステル単独、スチレンお
よびアクリル酸エステル、スチレンおよびメタクリル酸
エステル、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エス
テル、スチレンおよびアクリル酸エステルおよびメタク
リル酸エステルとの組合わせなどが挙げられる。
【0070】また、単官能性モノマーの重合体または共
重合体からなるシェルとする場合の単官能性モノマーと
しては、モノビニル芳香族単量体、アクリル系単量体、
ビニルエステル系単量体およびビニルエーテル系単量体
などが好ましい。特に好ましいのは、スチレン、メタク
リル酸メチルおよびメタクリル酸ブチルなどである。
【0071】本発明の第1の芳香性微粒子の製造方法 本発明の第1の芳香性微粒子は、種々の方法により製造
することができるが、例えば以下の方法により製造する
ことができる。
【0072】すなわち、分散安定剤の水溶液中に、(i)
芳香成分、(ii) 少なくとも1種の架橋性モノマーを
100〜0重量%、少なくとも1種の単官能性モノマーを0
〜100重量%含むモノマー成分、(iii) モノマー成分を
重合又は共重合することにより得られるポリマー(P
A)に対して相溶性が低く、かつ、補助ポリマー(SP
A)と水との間の界面張力(γx)(mN/m)とポリマー
(PA)と水との間の界面張力(γy)(mN/m)との関
係において、γx≧γyの条件を満たす補助ポリマー(S
PA)(iv)開始剤からなる均一溶液を分散させ、懸濁
重合反応を行う方法である。
【0073】分散安定剤 分散安定剤としては、芳香成分、モノマー成分、補助ポ
リマー(SPA)および開始剤からなる均一溶液を、水
中に分散して形成した液滴が、合一しないようにする作
用を有するものを広い範囲から使用できる。
【0074】例えば、ポリビニルアルコール、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリア
クリルイミド、ポリエチレンオキシド、ポリ(ハイドロ
オキシステアリン酸−g−メタクリル酸メチル−co−
メタクリル酸)共重合体等の高分子分散安定剤、ノニオ
ン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性
剤等が挙げられる。このなかでも、ポリビニルアルコー
ル等の高分子分散安定剤が好ましい。
【0075】これら分散安定剤の使用量は、広い範囲か
ら選択できるが、一般には、芳香成分、モノマー成分、
補助ポリマー(SPA)および開始剤からなる均一溶液
の1重量部に対して、0.005〜1重量部程度、特に0.01
〜0.1重量部程度とするのが好ましい。
【0076】また、分散安定剤の水溶液において、分散
安定剤の濃度は上記液滴が合一しないような濃度となる
ように適宜選択すればよい。一般には、分散安定剤水溶
液の濃度は、0.05〜5重量%程度、特に0.1〜1重量%
程度の範囲に調整するのが好ましい。芳香成分 本発明方法により芳香性微粒子を製造する場合には、芳
香成分は、モノマー成分に対して高い相溶性を有し、す
なわち水に溶解しない疎水性物質、特に水に溶解しない
疎水性有機化合物であればよく、特に制限されない。ま
た、芳香成分は、常温で固体又は液体のいずれであって
も用いることができる。
【0077】芳香成分の使用量は、モノマー成分の1重
量部に対して、0.01〜2重量部程度、特に0.1〜1重量
部程度とするのが好ましい。
【0078】また、芳香成分として、次の1)〜3)の
要件を満たす成分を用いることが好ましい。すなわち、 1)モノマー成分に対して高い相溶性を有する。 2)モノマー成分を重合又は共重合することにより得ら
れるポリマー(PA)に対して低い相溶性を有する。 3)芳香成分と水との間の界面張力(γz)(mN/m)
と、ポリマー(PA)と水との間の界面張力(γy)(m
N/m)との関係において、γz≧γyの条件を満たす。
【0079】1)〜3)の要件を満たす芳香成分を用い
る場合には、補助ポリマー(SPA)を用いてもよい
が、用いなくてもよい。
【0080】1)〜3)の要件を満たすポリマー(P
A)と芳香成分との組み合わせは、後述する方法により
容易に選択することができるが、例えばポリエチレング
リコールジメタクリレートとヒノキチオールとの組み合
わせなどが挙げられる。
【0081】本明細書において、芳香成分とポリマー
(PA)との相溶性は、次の方法で測定したものであ
る。すなわち、ポリマー(PA)の原料であるモノマー
成分と芳香成分と必要であればトルエンとを適当な重量
比率で含むモノマー成分溶液に、開始剤(モノマー成分
に対して2重量%)を添加し、30℃、窒素ガス雰囲気中
で、モノマー成分の重合反応を起こさせる。この反応を
光路長1cmの石英ガラスセル内で行い、波長550nmの光を
照射した場合の光透過率を経時的に測定する。芳香成分
の濃度を増加させていくと、当初約100%であった透過
率が、ポリマー(PA)が相分離することによって重合
時間経過時に急激に0%近くまで低下する。この場合
に、芳香成分とポリマー(PA)との相溶性が低いと0
%近くまで低下するが、芳香成分とポリマー(PA)と
の相溶性が高いと透過率はほとんど低下しない。また、
芳香成分とポリマー(PA)との相溶性が低いほど、重
合開始から透過率の低下が起こるまでの時間が短くな
る。
【0082】ポリマー(PA)に対して低い相溶性を有
する芳香成分としては、前記方法で透過率を測定した場
合に、モノマー成分の重合率が1〜10%程度、好ましく
は1〜5%程度で透過率の低下が起こる芳香成分が挙げら
れる。
【0083】また、本明細書において、界面張力は、AS
TM−971−50において規定されるデュヌイの白金リング
法で測定した値である。
【0084】1)〜3)の要件を満たす芳香成分を用い
る場合には、補助ポリマー(SPA)を使用しなくて
も、芳香成分がモノマー成分とそれが重合または共重合
することにより得られるポリマー(PA)との相分離を
促進する。
【0085】また、補助ポリマーを使用しなくても、芳
香成分、モノマー成分および開始剤の均一溶液中で、モ
ノマー成分が重合または共重合してポリマー(PA)と
なり、ポリマーが水との界面に吸着される際に、芳香成
分よりもポリマー(PA)の方が水との界面に吸着され
易くなり、その結果、ポリマー(PA)からなるシェル
内部に芳香成分が内包された微粒子が得られる。モノマー成分 モノマー成分として使用できる架橋性モノマーおよび単
官能性モノマーの種類、架橋性モノマーと単官能性モノ
マーとの混合比率は、前述したとおりである。
【0086】モノマー成分の使用量は、芳香性微粒子の
粒子径、シェルの厚さ、内径等に応じて適宜選択できる
が、一般には、芳香成分1重量部に対して0.5〜100重量
部程度、特に1〜10重量部程度とするのが好ましい。
助ポリマー(SPA) 補助ポリマー(SPA)としては、次の4)および5)
の要件を満たすポリマーを広く用いることができる。す
なわち、 4)モノマー成分を重合又は共重合することにより得ら
れるポリマー(PA)に対して低い相溶性を有する。 5)補助ポリマー(SPA)と水との間の界面張力(γ
x)(mN/m)とポリマー(PA)と水との間の界面張力
(γy)(mN/m)との関係において、γx≧γyの条件を
満たす。
【0087】具体的には、補助ポリマーとしては、架橋
性モノマー成分が重合又は共重合することにより得られ
るポリマー(PA)より、極性が低いものを用いること
ができる。
【0088】本明細書において、補助ポリマー(SP
A)とポリマー(PA)との相溶性は、芳香成分とポリ
マー(PA)との相溶性について説明した方法におい
て、芳香成分に加えて補助ポリマー(SPA)を用いて
測定したものである。ポリマー(PA)に対して低い相
溶性を有する補助ポリマー(SPA)としては、モノマ
ー成分の重合率が0.01〜4%程度で透過率の低下が起こ
る補助ポリマーを例示できる。
【0089】また、界面張力については、前述したとお
りASTM−971−50において規定されるデュヌイの白金リ
ング法で測定した値である。なお、補助ポリマー(SP
A)は、モノマー成分に溶解するものであることが望ま
しいが、通常この条件は満たされる。
【0090】4)および5)の要件を満たす補助ポリマ
ー(SPA)は、モノマー成分とそれが重合または共重
合することにより得られるポリマー(PA)との相分離
を促進する。さらに、芳香成分、モノマー成分、補助ポ
リマー(SPA)および開始剤の均一溶液中で、モノマ
ー成分が重合または共重合してポリマー(PA)とな
り、ポリマー(PA)が水との界面に吸着される際に、
ポリマー(PA)の方が補助ポリマー(SPA)よりも
水との界面に吸着され易くなり、その結果、ポリマー
(PA)からなるシェル内部に芳香成分が内包された微
粒子が得られる。このような補助ポリマーとしては、例
えばポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタ
クリル酸ブチルなどを用いることができる。
【0091】4)および5)の要件を満たすような、架
橋性モノマー成分と補助ポリマーとの組み合わせは、前
述した方法により容易に選択することができるが、例え
ば次表の組み合わせを例示できる。 モノマー成分 補助ポリマー(SPA) エチレングリコールジメタクリレート ポリスチレン エチレングリコールジメタクリレート ポリメタクリル酸メチル または ポリメタクリル酸ブチル ジビニルベンゼン ポリスチレン ジビニルベンゼン ポリメタクリル酸ブチル 上記補助ポリマー(SPA)の使用量は、広い範囲から
適宜選択できるが、一般には、モノマー成分1重量部に
対して、0.05〜0.4重量部程度、特に0.1〜0.2重量部程
度とするのが好ましい。
【0092】補助ポリマーの分子量は、通常数十万程度
のものを用いることができる。補助ポリマーは、溶液重
合、塊状重合などの公知の方法で製造することができ
る。例えば、単量体としてスチレン18g、溶媒としてト
ルエン12g、開始剤としてAIBN54mgを用いて、60
℃で、24時間反応させる溶液重合により、分子量数十万
程度のポリスチレンを得ることができる。開始剤 本発明方法で使用する開始剤は、上記液滴中で、モノマ
ー成分の重合を開始させるものであり、油溶性の重合開
始剤が広く使用できる。例えば、ラジカル重合開始剤で
あるアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物や、ク
メンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ
ド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物
等の単量体に可溶なものが挙げられる。また、紫外線等
の光により重合開始する光重合開始剤を用いてもよい。
このような光重合開始剤としては、油溶性であれば、特
に制限されるものではなく、従来から使用されているも
のが挙げられる。
【0093】上記開始剤の使用量は、モノマー成分の1
重量部に対して、0.005〜0.1重量部程度、特に0.01〜0.
06重量部程度とするのが好ましい。
【0094】分散工程 本方法では、上記分散安定剤の水溶液中に、芳香成分、
モノマー成分、開始剤、および必要に応じて補助ポリマ
ー(SPA)を前記使用割合で含有する混合物を分散さ
せ、懸濁重合を行う。
【0095】芳香成分、必要に応じて添加される補助ポ
リマー(SPA)および開始剤は、モノマー成分に溶解
して、均一溶液となっているのが好ましい。混合時の温
度としては特に限定はなく、例えば、0〜30℃程度で混
合すればよい。
【0096】こうして得られた芳香成分、モノマー成
分、開始剤および必要に応じて添加される補助ポリマー
(SPA)の均一溶液を、次いで、上記分散安定剤の水
溶液中で分散させる。
【0097】この均一溶液は、分散安定剤の水溶液100
重量部当たり、1〜200重量部程度、特に10〜100重量部
程度となるような量で使用するのが好ましいが、特にこ
の範囲に限定されるものではない。
【0098】分散方法としては、ホモジナイザーや膜乳
化法など機械的せん断力による分散方法等の公知の方法
を種々採用できる。分散の際の温度条件は、使用する芳
香成分および開始剤の分解に影響する温度以下であれば
限定されるものではないが、0〜30℃程度であるのが好
ましい。
【0099】上記分散方法では、芳香成分、モノマー成
分、開始剤および場合により補助ポリマー(SPA)の
均一混合物が分散されて形成される液滴の大きさは単分
散ではなく、一般に種々の異なる粒子径の液滴が混在し
たものとなる。従って、最終的に得られる芳香性微粒子
も異なる粒子径を有する。
【0100】一方、分散方法を選択することにより、液
滴の大きさを均一にして、単分散の液滴を得ることもで
きる。そのような単分散液滴を得る方法としては、例え
ば、多孔質ガラス(SPG)を利用した膜乳化法による
単分散液滴を作製する方法やシード膨潤法(特開平8-20
604号公報に記載の方法)などを挙げることができる。
【0101】このような粒子径が均一に揃った単分散の
液滴を調製した場合は、最終的に得られる芳香性微粒子
も粒子径が均一に揃った単分散となる。
【0102】いずれの場合も、上記液滴の平均粒子径
は、所望する方向性微粒子の平均粒子径に応じて適宜決
定すればよいが、一般には0.05〜50μm程度、特に0.1
〜20μm程度とするのが好ましい。芳香成分、架橋性モ
ノマー成分、開始剤および必要に応じて添加される補助
ポリマー(SPA)からなる均一溶液の粘度、分散安定
剤の使用量、分散安定剤水溶液の粘度、分散方法・分散
条件を前記範囲で適宜設定することにより、前記範囲の
液滴平均粒子径が得られる。懸濁重合 こうして得られた芳香成分、モノマー成分、開始剤およ
び必要に応じて添加される補助ポリマー(SPA)の均
一混合物が分散された分散安定剤の水溶液を、懸濁重合
に供するには、この水溶液を撹拌しながら加熱すればよ
い。
【0103】加熱温度としては、芳香成分、モノマー成
分、開始剤および必要に応じて添加される補助ポリマー
(SPA)の均一混合物の液滴中で、モノマー成分が開
始剤により重合開始されるに足りる温度であれば特に限
定されないが、一般には、30〜90℃程度、特に40〜70℃
程度が好ましい。
【0104】懸濁重合は、所望の芳香性微粒子が得られ
るまで行う。懸濁重合に要する時間は、使用する芳香成
分、モノマー成分および開始剤の種類等により変動する
が、一般には3〜48時間程度である。
【0105】また、懸濁重合に際しては、窒素ガス、ア
ルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好まし
い。
【0106】こうして懸濁重合を行うことにより、芳香
成分、モノマー成分、開始剤(E)および必要に応じて添
加される補助ポリマー(SPA)の均一溶液の液滴中
で、モノマー成分が重合する。
【0107】得られたモノマー成分の重合体又は共重合
体(PA)は、芳香成分または/および補助ポリマー
(SPA)の存在により、相分離が促進され、その結
果、単層構造のシェル、即ち、ポリマー(PA)からな
るシェルが形成される。一方、中空部分には、芳香成分
および場合により補助ポリマー(SPA)が内包された
状態となる。
【0108】室温で固体の芳香成分は、反応初期の液滴
中ではモノマー成分に溶解しているが、モノマー成分の
重合又は共重合が進行するにつれて析出する傾向があ
る。
【0109】このようにして得られた芳香性微粒子は、
分散液(サスペンジョン)のままで使用してもよく、ま
た、濾過し必要に応じて水洗した後、粉体の形態で、各
種用途に供することができる。サスペンジョンを乾燥し
て粉体の形態の芳香性微粒子を得る場合には、芳香成分
が昇華または蒸発しない温度・圧力条件下で、例えば温
度0〜50℃程度、圧力103〜105Pa程度の条件下
で乾燥することができる。また、自然蒸発、減圧処理、
シリカゲルなどの乾燥剤の使用によっても微粒子を乾燥
することができる。
【0110】これにより、本発明の芳香性微粒子が得ら
れる。本発明の第2の芳香性微粒子 本発明の第2の芳香性微粒子は、シェル及び中空部分か
らなる中空微粒子の中空部分に芳香成分が内包されてお
り、シェルが、エポキシ樹脂を硬化剤を用いて硬化させ
ることにより得られる架橋エポキシ樹脂で構成されてい
る。また、そのシェルは、実質的に単層構造である。
【0111】エポキシ樹脂及び硬化剤を、多官能のもの
にすることにより、より高強度のシェルとなる。
【0112】この微粒子の強度は、例えば本発明の前記
の芳香性微粒子を接着剤などに練り込む際に微粒子にか
けられる程度の力や、その接着剤などの使用時に微粒子
にかけられる程度の力によっては破壊されない程度の、
実用上十分な強度である。
【0113】また、典型的には、本発明の第2の芳香性
微粒子のシェルの厚さは、0.01〜5μm程度、特に0.1
〜3μm程度である。
【0114】また、本発明の芳香性微粒子における中空
部分の容積比率は、10〜80%程度、特に10〜50%程度で
ある。
【0115】また、本発明の第2の芳香性微粒子の粒子
径は、0.05〜50μm程度、特に0.1〜20μm程度であ
る。この粒子径は、電子顕微鏡あるいは光学顕微鏡によ
り測定した場合の粒子径である。芳香成分 芳香成分は、本発明の第1の芳香性微粒子の場合と同様
である。架橋エポキシ樹脂 シェルを構成する架橋エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂を
硬化剤を用いて架橋させることにより得られる樹脂であ
る。<エポキシ樹脂> エポキシ樹脂は、水難溶性であること
が好ましいが、通常はこの要件は満たされる。
【0116】エポキシ樹脂は、特に制限されず、1分子
中に2個以上のエポキシ基を有する公知の化合物を使用
できる。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、臭素化ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、
ビスフェノールS、ビスフェノールAF、レゾシノー
ル、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど
のフェノール類をエピクロロヒドリンを用いてエポキシ
化したフェノール系グリシジルエーテル、ブタンジオー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のアルコール類をエピクロロヒドリンを用いてエポ
キシ化したアルコール系グリシジルエーテル;フタル
酸、合成脂肪酸(ダイマー酸など)等をエピクロロヒド
リンを用いてエポキシ化したグリシジルエステル;アミ
ノフェノール、アミノクレゾールなどをエピクロロヒド
リンを用いてエポキシ化したグリシジルアミン等が挙げ
られる。これらのエポキシ樹脂は単独で又は2種以上組
み合わせて使用できる。
【0117】特に、室温で液体状のものが好ましく、こ
のようなエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型ジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジルエ
ーテル等が挙げられる。ビスフェノールA型ジグリシジ
ルエーテルがより好ましい。
【0118】また、エポキシ樹脂のエポキシ基の数は、
2個以上であればいずれのものも用いることができる
が、2官能のものより、3官能、4官能のものの方が少
量で強固なシェルが得られる傾向にある。硬化剤 硬化剤は、エポキシ樹脂を架橋させることにより硬化さ
せるものであり、エポキシ樹脂の硬化剤として公知の、
油溶性の多官能硬化剤を広く使用できる。
【0119】具体的には、ポリメチレンジアミン、ポリ
エーテルジアミン、分岐ポリメチレンジアミン、メタン
ジアミン、アミノエチルピペラジン、ジアミノシクロヘ
キサン、イソホロンジアミンなどの脂肪族アミン;キシ
リレンジアミン、テトラクロル-p-キシリレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノ
ジフェニルメタン、ジアミノフェニルスルホン、ベンジ
ジン、4,4'−ビス(トルイジン)、4,4'−ジチオ
アニリン、ジアニジン、メチレンビス(クロロアニリ
ン)、トルエンジアミンなどの芳香族アミン;無水フタ
ル酸誘導体、無水アルケニル酸、無水ドデセニルコハク
酸、無水マレイン酸-ビニルエーテル共重合物、無水マ
レイン酸-スチレン共重合物、無水クロレンディック
酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸、エチレングリコールビストリメリテイト、グ
リセリントリストリメリテイトなどの酸無水物;ポリフ
ェノール;ポリメルカプタン;ベンジルジメチルアミ
ン、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノールな
どの3級アミン;2−メチルイミダゾール、2−エチル−
4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール;芳香族ス
ルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩などの酸;フェノ
ール樹脂;尿素樹脂;メラミン樹脂等が挙げられる。こ
れらは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0120】特に、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノ
ール、ポリメルカプタンのような重付加型の硬化剤が好
ましく、中でもポリアミン、ポリフェーノール等が好ま
しく、ポリアミン(特に芳香族ジアミン)がより好まし
い。
【0121】エポキシ樹脂と硬化剤との好ましい組み合
わせとしては、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテ
ルと4,4'−ジアミノジフェニルメタンとの組み合わ
せが挙げられる。本発明の第2の芳香性微粒子の製造方法 本発明の第2の芳香性微粒子は、種々の方法により製造
することができるが、例えば以下の方法により製造する
ことができる。
【0122】すなわち、分散安定剤の水溶液中に、(i)
芳香成分、(ii) エポキシ樹脂、(iii) 硬化剤(iv)
エポキシ樹脂を硬化剤を用いて架橋させることにより得
られる架橋エポキシ樹脂に対して相溶性が低く、かつ、
補助ポリマー(SPB)と水との間の界面張力(γp
(mN/m)と架橋エポキシ樹脂と水との間の界面張力(γ
q)(mN/m)との関係において、γp≧γqの条件を満た
す補助ポリマー(SPB)からなる均一溶液を分散さ
せ、懸濁架橋反応を行う方法である。分散安定剤 分散安定剤については、本発明の第1の芳香性微粒子の
製造方法の場合と同様である。
【0123】分散安定剤の使用量は、広い範囲から選択
できるが、一般には、芳香成分、エポキシ樹脂、硬化剤
及び補助ポリマー(SPB)からなる均一溶液の1重量
部に対して、0.005〜1重量部程度、特に0.01〜0.1重量
部程度とするのが好ましい。
【0124】また、分散安定剤の水溶液中の分散安定剤
の濃度は本発明の第1の芳香性微粒子の製造方法の場合
と同様である。芳香成分 芳香成分としては、エポキシ樹脂及び硬化剤に対して高
い相溶性を有し、すなわち水に溶解しない疎水性物質、
特に水に溶解しない疎水性有機化合物であればよく、特
に制限されない。また、芳香成分は、常温で固体又は液
体のいずれであっても用いることができる。
【0125】芳香成分としては、例えば、本発明の第1
の芳香性微粒子の製造方法において例示した芳香性物
質、抗菌剤、防虫剤、防カビ剤及び溶媒を挙げることが
できる。
【0126】芳香成分の使用量は、エポキシ樹脂及び硬
化剤の合計量の1重量部に対して、0.01〜2重量部程
度、特に0.1〜1重量部程度とするのが好ましい。
【0127】また、芳香成分として、次の6)〜8)の
要件を満たす成分を用いることが好ましい。すなわち、 6)エポキシ樹脂及び硬化剤に対して高い相溶性を有す
る。
【0128】7)エポキシ樹脂を硬化剤を用いて架橋す
ることにより得られる架橋エポキシ樹脂に対して低い相
溶性を有する。
【0129】8)芳香成分と水との間の界面張力
(γr)(mN/m)と架橋エポキシ樹脂と水との間の界面
張力(γq)(mN/m)との関係において、γr≧γqの条
件を満たす。
【0130】本明細書において、芳香成分と架橋エポキ
シ樹脂との相溶性は、次の方法で測定したものである。
すなわち、架橋エポキシ樹脂の原料であるエポキシ樹脂
と芳香成分と必要であればトルエンとを適当な重量比率
で含むモノマー成分溶液に、硬化剤(エポキシ樹脂に対
して等モル当量)を添加し、70℃、窒素ガス雰囲気中
で、エポキシ樹脂の架橋反応を起こさせる。この反応を
光路長1cmの石英ガラスセル内で行い、波長550nmの光を
照射した場合の光透過率を経時的に測定する。芳香成分
の濃度を増加させていくと、当初約100%であった透過
率が、架橋エポキシ樹脂が相分離することによって重合
時間経過時に急激に0%近くまで低下する。この場合
に、芳香成分と架橋エポキシ樹脂との相溶性が低いと0
%近くまで低下するが、芳香成分と架橋エポキシ樹脂と
の相溶性が高いと透過率はほとんど低下しない。また、
芳香成分と架橋エポキシ樹脂との相溶性が低いほど、架
橋開始から透過率の低下が起こるまでの時間が短くな
る。架橋エポキシ樹脂に対して低い相溶性を有する芳香
成分としては、前記方法で透過率を測定した場合に、エ
ポキシ樹脂の架橋率が1〜10%程度、好ましくは1〜5%
程度で透過率の低下が起こる芳香成分が挙げられる。
【0131】6)〜8)の要件を満たす芳香成分を用い
る場合には、補助ポリマー(SPB)を用いてもよい
が、用いなくてもよい。
【0132】6)〜8)の要件を満たす架橋エポキシ樹
脂と芳香成分との組み合わせは、後述する方法により容
易に選択することができるが、例えば、ビスフェノール
A型ジグリシジルエーテル(例えば、ストルアス社製、
エポフィクス)を硬化剤の4,4'−ジアミノジフェニ
ルメタンを用いて架橋させた架橋エポキシ樹脂とヒノキ
チオールとの組み合わせ等の組み合わせが挙げられる。
【0133】6)〜8)の要件を満たす芳香成分を用い
る場合には、補助ポリマー(SPB)を使用しなくて
も、芳香成分がエポキシ樹脂及び硬化剤と架橋エポキシ
樹脂との相分離を促進する。
【0134】また、補助ポリマーを使用しなくても、芳
香成分、エポキシ樹脂および硬化剤の均一溶液中で、エ
ポキシ樹脂が架橋して架橋エポキシ樹脂となり、架橋エ
ポキシ樹脂が水との界面に吸着される際に、芳香成分よ
りも架橋エポキシ樹脂の方が水との界面に吸着され易く
なり、その結果、架橋エポキシ樹脂からなるシェル内部
に芳香成分が内包された微粒子が得られる。エポキシ樹脂 使用可能なエポキシ樹脂の種類は、前述した通りであ
る。エポキシ樹脂の使用量は、芳香性微粒子の粒子径、
シェルの厚さ、内径に応じて適宜選択できるが、一般に
は、芳香成分1重量部に対して0.5〜100重量部程度、特
に1〜10重量部程度とするのが好ましい。補助ポリマー(SPB) 補助ポリマー(SPB)としては、次の9)〜10)の要件
を満たすポリマーを広く用いることができる。すなわ
ち、 9) エポキシ樹脂を硬化剤を用いて架橋させることに
より得られる架橋エポキシ樹脂に対して低い相溶性を有
する。 10) 補助ポリマー(SPB)と水との間の界面張力
(γp)(mN/m)と架橋エポキシ樹脂と水との間の界面
張力(γq)(mN/m)との関係において、γp≧γqの条
件を満たす。
【0135】具体的には、補助ポリマーとしては、エポ
キシ樹脂を硬化剤を用いて架橋させることにより得られ
る架橋エポキシ樹脂より、極性が低いものを用いること
ができる。
【0136】本明細書において、補助ポリマー(SP
B)と架橋エポキシ樹脂との相溶性は、芳香成分と架橋
エポキシ樹脂との相溶性について説明した方法におい
て、芳香成分に代えて補助ポリマー(SPB)を用いて
測定したものである。架橋エポキシ樹脂に対して低い相
溶性を有する補助ポリマー(SPB)としては、エポキ
シ樹脂の架橋率が0.01〜4%程度で透過率の低下が起こ
る補助ポリマーを例示できる。なお、補助ポリマー(S
PB)は、エポキシ樹脂に溶解するものであることが望
ましいが、通常この要件は満たされる。
【0137】9)〜10)の要件を満たす補助ポリマー(S
PB)は、エポキシ樹脂及び硬化剤とそれが架橋するこ
とにより得られる架橋エポキシ樹脂との相分離を促進す
る。さらに、芳香成分、エポキシ樹脂、補助ポリマー
(SPB)および硬化剤の均一溶液中で、エポキシ樹脂
が架橋して架橋エポキシ樹脂となり、架橋エポキシ樹脂
が水との界面に吸着される際に、架橋エポキシ樹脂の方
が補助ポリマー(SPB)よりも水との界面に吸着され
易くなり、その結果、架橋エポキシ樹脂からなるシェル
内部に芳香成分が内包された微粒子が得られる。このよ
うな補助ポリマーとしては、例えばポリスチレン、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチルなどを用
いることができる。
【0138】9)〜10)の要件を満たすような、エポキシ
樹脂と硬化剤と補助ポリマー(SPB)との組み合わせ
は、前述した方法により容易に選択することができる
が、例えば、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル
とポリスチレン等の組み合わせを例示できる。
【0139】補助ポリマー(SPB)の使用量は、広い
範囲から適宜選択できるが、一般には、エポキシ樹脂及
び硬化剤1重量部に対して、0.05〜0.4重量部程度、特に
0.1〜0.2重量部程度とするのが好ましい。
【0140】補助ポリマー(SPB)の分子量は、通常
数十万程度のものを用いることができる。硬化剤 硬化剤については前述の通りである。硬化剤の使用量
は、エポキシ樹脂のエポキシ基数と硬化剤の反応性官能
基数とが同程度になる量を使用するのが一般的である
が、エポキシ基の1に対して硬化剤の反応性官能基数が
0.7〜1.5程度、特に0.9〜1.2程度となる量を使用するこ
とができる。分散工程 本発明では、分散安定剤の水溶液中に、芳香成分、エポ
キシ樹脂、硬化剤、および必要に応じて補助ポリマー
(SPB)を前記使用割合で含有する混合物を分散させ、
懸濁架橋反応を行う。
【0141】芳香成分、必要に応じて添加される補助ポ
リマー(SPB)および硬化剤は、エポキシ樹脂に溶解
して、均一溶液となっているのが好ましい。混合時の温
度としては特に限定はなく、例えば、0〜30℃程度で混
合すればよい。
【0142】こうして得られた芳香成分、エポキシ樹
脂、硬化剤および必要に応じて添加される補助ポリマー
(SPB)の均一溶液を、次いで、分散安定剤の水溶液
中で分散させる。
【0143】この均一溶液は、分散安定剤の水溶液100
重量部当たり、1〜200重量部程度、特に10〜100重量部
程度となるような量で使用するのが好ましいが、特にこ
の範囲に限定されるものではない。
【0144】分散方法及び温度は、本発明の第1の芳香
性微粒子の製造方法の場合と同様である。芳香成分、エ
ポキシ樹脂、硬化剤及び場合により補助ポリマー(SP
B)の均一混合物が分散されて形成される液滴の平均粒
子径は、所望する芳香性微粒子の平均粒子径に応じて適
宜決定すればよいが、一般には0.05〜50μm程度、特に
0.1〜20μm程度とするのが好ましい。単分散の液滴
は、多孔質ガラス(SPG)を利用した膜乳化法やシー
ド膨潤法(特開平8-20604号公報に記載の方法)に準じ
て作製することができる。懸濁架橋反応 こうして得られた芳香成分、エポキシ樹脂、硬化剤およ
び必要に応じて添加される補助ポリマー(SPB)の均
一混合物が分散された分散安定剤の水溶液を、懸濁重合
に供するには、この水溶液を撹拌しながら加熱すればよ
い。
【0145】加熱温度としては、芳香成分、エポキシ樹
脂(SPB)、硬化剤および必要に応じて添加される補
助ポリマー(SPB)の均一混合物の液滴中で、エポキ
シ樹脂が硬化剤により架橋されるに足りる温度であれば
特に限定されないが、一般には、30〜150℃程度、特に4
0〜120℃程度が好ましい。
【0146】架橋反応は、所望の芳香性微粒子が得られ
るまで行う。懸濁架橋反応に要する時間は、使用する芳
香成分、エポキシ樹脂および硬化剤の種類等により変動
するが、一般には3〜48時間程度である。
【0147】また、懸濁架橋反応に際しては、窒素ガ
ス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好
ましい。
【0148】こうして懸濁架橋反応を行うことにより、
芳香成分、エポキシ樹脂、硬化剤および必要に応じて添
加される補助ポリマー(SPB)の均一溶液の液滴中
で、エポキシ樹脂が架橋により硬化する。
【0149】得られた架橋エポキシ樹脂は、芳香成分ま
たは/および補助ポリマー(SPB)の存在により、相
分離が促進され、その結果、単層構造のシェル、即ち、
架橋エポキシ樹脂からなるシェルが形成される。一方、
コア部には、芳香成分および場合により補助ポリマー
(SPB)が内包された状態となる。
【0150】室温で固体の芳香成分は、反応初期の液滴
中ではエポキシ樹脂に溶解しているが、エポキシ樹脂の
架橋が進行するにつれて析出する傾向がある。
【0151】このようにして本発明の第2の芳香性微粒
子が得られる。得られた芳香性微粒子は、分散液(サス
ペンジョン)のままで使用してもよく、また、濾過し必
要に応じて水洗した後、粉体の形態で、各種用途に供す
ることができる。微粒子の乾燥方法は、本発明の第1の
芳香性微粒子の製造方法の場合と同様である。本発明の第3の芳香性微粒子 本発明の第3の芳香性微粒子は、シェル及び中空部分か
らなる中空微粒子の中空部分に芳香成分が内包されてお
り、シェルが、多価イソシアネートと多価アルコールと
の重付加反応により得られるポリウレタンで構成されて
いる。また、そのシェルは、実質的に単層構造である。
多価イソシアネート及び多価アルコールを、多官能のも
のにすることにより、より高強度のシェルとなる。
【0152】この微粒子の強度は、例えば本発明の前記
の芳香性微粒子を接着剤などに練り込む際に微粒子にか
けられる程度の力や、その接着剤などの使用時に微粒子
にかけられる程度の力によっては破壊されない程度の、
実用上十分な強度である。
【0153】また、典型的には、本発明の第3の芳香性
微粒子のシェルの厚さは、0.01〜5μm程度、特に0.1
〜3μm程度である。
【0154】また、本発明の芳香性微粒子における中空
部分の容積比率は、10〜80%程度、特に10〜50%程度で
ある。
【0155】また、本発明の第3の芳香性微粒子の粒子
径は、0.05〜50μm程度、特に0.1〜20μm程度であ
る。この粒子径は、電子顕微鏡あるいは光学顕微鏡によ
り測定した場合の粒子径である。芳香成分 芳香成分は、本発明の第1の芳香性微粒子の場合と同様
である。多価イソシアネート 多価イソシアネートは、水難溶性であることが好ましい
が、通常はこの要件は満たされる。
【0156】多価イソシアネートは、特に制限されず、
1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する公知の
化合物を使用できる。例えば、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)、水添加MDI、4,
4’−ビフェニルジイソシアネートトリデンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−キシリ
レンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネ
ート、p−テトラメチルキシレンジイソシアネート、m
−テトラメチルキシレンジイソシアネート、2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フ
ェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシア
ネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、4,
4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,
4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサ
メチレンジイソシアネート、1,8−オクタメチレンジ
イソシアネート、L−リジンジイソシアネート、1,
6,11−ウンデカントリイソシアネート、4,4',4''−
トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4,4'-ビフ
ェニルトリイソシアネート、2,4,4'-ジフェニルメタン
トリイソシアネート、ポリメチレンフェニルイソシアネ
ートなどが挙げられる。これらの多価イソシアネートは
単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0157】特に、室温で液体状のものが好ましく、こ
のような多価イソシアネートとしてジフェニルメタンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙
げられる。イソホロンジイソシアネートがより好まし
い。多価アルコール 多価アルコールは、多価イソシアネートとの重付加反応
を起こすものであり、ポリウレタンの製造原料として公
知の、油溶性の多価アルコールを広く使用できる。
【0158】具体的には、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレン
グリコール(1,3−または1,4−ブチレングリコー
ル)、テトラメチレンエーテルグリコール、ネオペンチ
ルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、デ
カメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
等が挙げられる。
【0159】また、これらの低分子多価アルコールの重
合体または共重合体、またはこれらの低分子アルコール
の1種又は2種以上にエチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチ
レンオキシドなどの1種又は2種以上を付加することに
より得られるポリエーテル多価アルコールも挙げられ
る。さらに、これらの低分子多価アルコール又はこれら
のアルキレンオキシド付加物等の1種又は2種以上と、
マロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタ
ル酸、ピメリン酸、セバシン酸、シュウ酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸な
どの1種又は2種以上を反応させることにより得られる
ポリエステル多価アルコール;プロピオラクトン、ブチ
ロラクトン、カプロラクトンなどの環状エステルを開環
重合させることにより得られるポリエステル多価アルコ
ール;多価アルコールと環状エステルとから得られるポ
リエステル多価アルコールなども例示できる。ポリエス
テル多価アルコール又はポリエーテル多価アルコール
は、分子量80〜200程度、特に100〜150程度のものを使
用できる。
【0160】これらは単独で又は2種以上組み合わせて
使用できる。特にトリアルコールが好ましい。
【0161】多価イソシアネートと多価アルコールとの
好ましい組み合わせとしては、イソフォロンジイソシア
ネートとノナンジオールとの組み合わせ等が挙げられ
る。本発明の第3の芳香成分内包微粒子の製造方法 本発明の第3の芳香成分内包微粒子は、種々の方法によ
り製造することができるが、例えば以下の方法により製
造することができる。
【0162】すなわち、分散安定剤の水溶液中に、(i)
芳香成分、(ii) 多価イソシアネート、(iii) 多価ア
ルコール(iv) 多価イソシアネートと多価アルコールと
の重付加反応により得られるポリウレタンに対して相溶
性が低く、かつ、補助ポリマー(SPC)と水との間の
界面張力(γt)(mN/m)とポリウレタンと水との間の
界面張力(γu)(mN/m)との関係において、γt≧γu
の条件を満たす補助ポリマー(SPC)からなる均一溶
液を分散させ、懸濁重付加反応を行う方法である。分散安定剤 分散安定剤については、本発明の第1の芳香性微粒子の
製造方法の場合と同様である。
【0163】分散安定剤の使用量は、広い範囲から選択
できるが、一般には、芳香成分、多価イソシアネート、
多価アルコール及び補助ポリマー(SPC)からなる均
一溶液の1重量部に対して、0.005〜1重量部程度、特
に0.01〜0.1重量部程度とするのが好ましい。
【0164】また、分散安定剤の水溶液中の分散安定剤
の濃度は本発明の第1の芳香性微粒子の製造方法の場合
と同様である。芳香成分 芳香成分は、多価イソシアネートに対して高い相溶性を
有し、すなわち水に溶解しない疎水性物質、特に水に溶
解しない疎水性有機化合物であればよく、特に制限され
ない。また、芳香成分は、常温で固体又は液体のいずれ
であっても用いることができる。
【0165】芳香成分としては、例えば、本発明の第1
の芳香性微粒子の製造方法において例示した芳香性物質
を挙げることができる。
【0166】芳香成分の使用量は、多価イソシアネート
と多価アルコールとの合計量の1重量部に対して、0.01
〜2重量部程度、特に0.1〜1重量部程度とするのが好
ましい。
【0167】また、芳香成分として、次の11)〜13)の
要件を満たす成分を用いることが好ましい。すなわち、 11)多価イソシアネート及び多価アルコールに対して高
い相溶性を有する。
【0168】12)多価イソシアネートと多価アルコール
との重付加反応により得られるポリウレタンに対して低
い相溶性を有する。
【0169】13)芳香成分と水との間の界面張力(γv
(mN/m)とポリウレタンと水との間の界面張力(γu
(mN/m)との関係において、γv≧γuの条件を満たす。
【0170】本明細書において、芳香成分とポリウレタ
ンとの相溶性は、次の方法で測定したものである。すな
わち、ポリウレタンの原料である多価イソシアネートと
芳香成分と必要であればトルエンとを適当な重量比率で
含むモノマー成分溶液に、多価アルコール(多価イソシ
アネートに対して等モル当量)を添加し、70℃、窒素ガ
ス雰囲気中で、多価イソシアネートと多価アルコールと
の重付加反応を起こさせる。この反応を光路長1cmの石
英ガラスセル内で行い、波長550nmの光を照射した場合
の光透過率を経時的に測定する。芳香成分の濃度を増加
させていくと、当初約100%であった透過率が、ポリウ
レタンが相分離することによって重合時間経過時に急激
に0%近くまで低下する。この場合に、芳香成分とポリ
ウレタンとの相溶性が低いと0%近くまで低下するが、
芳香成分とポリウレタンとの相溶性が高いと透過率はほ
とんど低下しない。また、芳香成分とポリウレタンとの
相溶性が低いほど、架橋開始から透過率の低下が起こる
までの時間が短くなる。ポリウレタンに対して低い相溶
性を有する芳香成分としては、前記方法で透過率を測定
した場合に、多価イソシアネートの架橋率が1〜10%程
度、好ましくは1〜5%程度で透過率の低下が起こる芳香
成分が挙げられる。
【0171】11)〜13)の要件を満たす芳香成分を用い
る場合には、補助ポリマー(SPC)を用いてもよい
が、用いなくてもよい。
【0172】11)〜13)の要件を満たすポリウレタンと
芳香成分との組み合わせは、後述する方法により容易に
選択することができるが、例えば、イソフォロンジイソ
シアネートとノナンジオール及び5,5',6,6'−テ
トラヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダンとの重付加反応により得ら
れるポリウレタンとオクタン又はキシレンとの組み合わ
せ等が挙げられる。
【0173】i)〜iii)の要件を満たす芳香成分を用い
る場合には、補助ポリマー(SPC)を使用しなくて
も、芳香成分が多価イソシアネート及び多価アルコール
とポリウレタンとの相分離を促進する。
【0174】また、補助ポリマーを使用しなくても、芳
香成分、多価イソシアネートおよび多価アルコールの均
一溶液中で、多価イソシアネートと多価アルコールとが
重付加反応によりポリウレタンとなり、ポリウレタンが
水との界面に吸着される際に、芳香成分よりもポリウレ
タンの方が水との界面に吸着され易くなり、その結果、
ポリウレタンからなるシェル内部に芳香成分が内包され
た微粒子が得られる。 多価イソシアネート 使用可能な多価イソシアネートの種類は前述した通りで
ある。多価イソシアネートの使用量は、芳香性微粒子の
粒子径、シェルの厚さ、内径等に応じて適宜選択できる
が、一般には、芳香成分1重量部に対して0.01〜2重量
部程度、特に0.1〜1重量部程度とするのが好ましい。補助ポリマー(SPC) 補助ポリマー(SPC)としては、次の14)〜15)の要件
を満たすポリマーを広く用いることができる。すなわ
ち、 14) 多価イソシアネートと多価アルコールとの重付加
反応により得られるポリウレタンに対して低い相溶性を
有する。 15) 補助ポリマー(SPC)と水との間の界面張力
(γt)(mN/m)とポリウレタンと水との間の界面張力
(γu)(mN/m)との関係において、γt≧γuの条件を
満たす。
【0175】具体的には、補助ポリマーとしては、多価
イソシアネートと多価アルコールとの重付加反応により
得られるポリウレタンより、極性が低いものを用いるこ
とができる。本明細書において、補助ポリマー(SP
C)とポリウレタンとの相溶性は、芳香成分とポリウレ
タンとの相溶性について説明した方法において、芳香成
分に代えて補助ポリマー(SPC)を用いて測定したも
のである。ポリウレタンに対して低い相溶性を有する補
助ポリマー(SPC)としては、多価イソシアネートの
架橋率が0.01〜10%程度で透過率の低下が起こる補助ポ
リマーを例示できる。なお、補助ポリマー(SPC)
は、多価イソシアネートに溶解するものであることが望
ましいが、通常この要件は満たされる。
【0176】14)〜15)の要件を満たす補助ポリマー(S
PC)は、多価イソシアネートとそれが重付加すること
により得られるポリウレタンとの相分離を促進する。さ
らに、芳香成分、多価イソシアネート、補助ポリマー
(SPC)および多価アルコールの均一溶液中で、多価
イソシアネートが重付加してポリウレタンとなり、ポリ
ウレタンが水との界面に吸着される際に、ポリウレタン
の方が補助ポリマー(SPC)よりも水との界面に吸着
され易くなり、その結果、ポリウレタンからなるシェル
内部に芳香成分が内包された微粒子が得られる。このよ
うな補助ポリマーとしては、例えばポリスチレン、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチルなどを用
いることができる。
【0177】14)〜15)の要件を満たすような、多価イソ
シアネートと多価アルコールと補助ポリマー(SPC)
との組み合わせは、前述した方法により容易に選択する
ことができるが、例えば、(イソフォロンジイソシアネ
ートとノナンジオール)等の組み合わせを例示できる。
【0178】補助ポリマー(SPC)の使用量は、広い
範囲から適宜選択できるが、一般には、多価イソシアネ
ート及び多価アルコールの合計量1重量部に対して、0.0
5〜0.4重量部程度、特に0.1〜0.2重量部程度とするのが
好ましい。
【0179】補助ポリマーの分子量は、通常数十万程度
のものを用いることができる。多価アルコール 使用可能な多価アルコールの種類は、前述した通りであ
る。多価イソシアネートと多価アルコールとの好ましい
組み合わせとしては、イソフォロンジイソシアネートと
ノナンジオールとの組み合わせが挙げられる。
【0180】多価アルコールの使用量は、多価イソシア
ネートとの間で、OH/NCOの値が1程度になる量を
使用するのが一般的であるが、OH/NCO=0.7〜1.5
程度、特に0.9〜1.2程度の範囲で使用できる。分散工程 本発明では、分散安定剤の水溶液中に、芳香成分、多価
イソシアネート、多価アルコール、および必要に応じて
補助ポリマー(SPC)を前記使用割合で含有する混合物
を分散させ、懸濁架橋反応を行う。
【0181】芳香成分、必要に応じて添加される補助ポ
リマー(SPC)および多価アルコールは、多価イソシ
アネートに溶解して、均一溶液となっているのが好まし
い。混合時の温度としては特に限定はなく、例えば、0
〜10℃程度で混合すればよい。
【0182】こうして得られた芳香成分、多価イソシア
ネート、多価アルコールおよび必要に応じて添加される
補助ポリマー(SPC)の均一溶液を、次いで、分散安
定剤の水溶液中で分散させる。
【0183】この均一溶液は、分散安定剤の水溶液100
重量部当たり、1〜200重量部程度、特に10〜100重量部
程度となるような量で使用するのが好ましいが、特にこ
の範囲に限定されるものではない。
【0184】分散方法及び温度は、本発明の第1の芳香
性微粒子の製造方法の場合と同様である。芳香成分、多
価イソシアネート、多価アルコール及び場合により補助
ポリマー(SPC)の均一混合物が分散されて形成され
る液滴の平均粒子径は、所望する芳香性微粒子の平均粒
子径に応じて適宜決定すればよいが、一般には0.05〜50
μm程度、特に0.1〜20μm程度とするのが好ましい。
単分散の液滴は、多孔質ガラス(SPG)を利用した膜
乳化法やシード膨潤法(特開平8-20604号公報に記載の
方法)に準じて作製することができる。芳香成分、多価
イソシアネート、多価アルコールおよび必要に応じて添
加される補助ポリマー(SPC)からなる均一溶液の粘
度、分散安定剤の使用量、分散安定剤水溶液の粘度、分
散方法・分散条件を前記範囲で適宜設定することによ
り、前記範囲の液滴平均粒子径が得られる。懸濁重付加反応 こうして得られた芳香成分、多価イソシアネート、多価
アルコールおよび必要に応じて添加される補助ポリマー
(SPC)の均一混合物が分散された分散安定剤の水溶
液を、懸濁重付加反応に供するには、この水溶液を撹拌
しながら加熱すればよい。
【0185】加熱温度としては、芳香成分、多価イソシ
アネート、多価アルコールおよび必要に応じて添加され
る補助ポリマー(SPC)の均一混合物の液滴中で、多
価イソシアネートと多価アルコールとの重付加反応が進
行するに足りる温度であれば特に限定されないが、一般
には、30〜90℃程度、特に40〜70℃程度が好ましい。
【0186】重付加反応は、所望の芳香性微粒子が得ら
れるまで行う。懸濁重付加反応に要する時間は、使用す
る芳香成分、多価イソシアネートおよび多価アルコール
の種類等により変動するが、一般には3〜48時間程度で
ある。
【0187】また、懸濁重付加反応に際しては、窒素ガ
ス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好
ましい。
【0188】こうして懸濁重付加反応を行うことによ
り、芳香成分、多価イソシアネート、多価アルコールお
よび必要に応じて添加される補助ポリマー(SPC)の
均一溶液の液滴中で、多価イソシアネートと多価アルコ
ールとの重付加反応が生じる。
【0189】得られたポリウレタンは、芳香成分または
/および補助ポリマー(SPC)の存在により、相分離
が促進され、その結果、単層構造のシェル、即ち、ポリ
ウレタンからなるシェルが形成される。一方、コア部に
は、芳香成分および場合により補助ポリマー(SPC)
が内包された状態となる。
【0190】室温で固体の芳香成分は、反応初期の液滴
中では多価イソシアネートに溶解しているが、重付加反
応が進行するにつれて析出する傾向がある。
【0191】このようにして得られた芳香性微粒子は、
分散液(サスペンジョン)のままで使用してもよく、ま
た、濾過し必要に応じて水洗した後、粉体の形態で、各
種用途に供することができる。微粒子の乾燥方法は、本
発明の第1の芳香性微粒子の製造方法の場合と同様であ
る。
【0192】
【発明の効果】本発明の第1の芳香性微粒子は、シェル
を、架橋性モノマーと単官能性モノマーとの共重合体、
より好ましくは架橋性モノマーの重合体もしくは共重合
体で構成されたものとする場合には、非常に高強度のシ
ェルを有する微粒子となる。
【0193】これにより、この微粒子を用いた製品の製
造時、使用時等に該微粒子にかけられる力によっても破
壊されず、内包された芳香成分による芳香の持続期間が
長い。
【0194】また、本発明の第1の芳香性微粒子は、芳
香成分を内包するために芳香成分の保持量が多い。この
ことからも、芳香成分を長期にわたり徐放できる微粒子
となる。すなわち、中空部分に芳香成分を内包するもの
でありながら、強固な微粒子であるために、芳香成分の
徐放持続性がよい。
【0195】一方、本発明の第1の芳香性微粒子は、シ
ェルを単官能性モノマーの重合体または共重合体で構成
されたものとする場合には、低強度のシェルを有する微
粒子となる。また、この微粒子はシェル内に芳香成分を
内包しているために、特に加圧しない状態では破壊され
難い。これらのことから、任意の時期にシェルを容易に
破壊して内包された芳香成分を放出させてることができ
る。すなわち、任意の時期に芳香を放つようにさせるこ
とができる。
【0196】本発明の第2の芳香性微粒子は、架橋され
たエポキシ樹脂からなる非常に高強度のシェルを有す
る。これにより、内包された芳香成分による芳香の持続
期間が長い。
【0197】本発明の第3の芳香性微粒子は、架橋構造
を有するポリウレタンからなる非常に高強度のシェルを
有する。これにより、内包された芳香成分による芳香の
持続期間が長い。
【0198】
【実施例】つぎに、実施例及び比較例を掲げて本発明を
より詳しく説明する。これら実施例は本発明の理解を容
易にするためのものであって、本発明を限定するもので
はなく、種々の変更が可能である。
【0199】実施例1 (a)分散安定剤(A)としてポリビニルアルコール(重
合度1700,ケン化度88%)24mgを水7.48
gに溶解させて得た水溶液に、薬効成分(B)としてヒ
ノキチオール(純度99.9%、大阪有機化学工業社製HT-S
F)25mg、架橋性モノマー(C)としてエチレングリ
コールジメタクリレート250mg、補助ポリマー
(D)としてポリスチレン(重量平均分子量16万)5
0mg、開始剤(E)として2,2'-アゾビス(4−メトキ
シ−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製、V−7
0)の15mgを均一混合してなる溶液を懸濁させた。
【0200】懸濁の方法は、装置としてホモジナイザー
を用い、攪拌速度1500rpmで2分間、室温の条件下で行
った。得られた懸濁液の液滴は、平均粒子径が10μm
程度のものであった。
【0201】(b)次いで、懸濁液を窒素ガス雰囲気下
で、撹拌しながら40℃で加熱し、48時間懸濁重合さ
せた。
【0202】得られた分散液を顕微鏡観察したところ、
平均粒子径約10μmの略真球状の中空微粒子のコア部
に、固体状態のヒノキチオールが内包されていた。シェ
ルの厚さは約3μmであり、中空部分の容積比率は約1
0%であった。
【0203】また、重量測定による反応率は100%で
あった。
【0204】なお、重量測定による反応率(%)は、下
記の式に従い算出されるものである。
【0205】反応率=(Wpc/Wmo)×100 Wpc:生成ポリマー重量 Wmo:仕込みモノマー重量実施例2 実施例1において、ヒノキチオールの使用量を100mg
にした他は、実施例1と同様にして、ヒノキチオールを
内包する微粒子を得た。
【0206】得られた分散液を顕微鏡観察したところ、
平均粒子径約10μmの略真球状の中空微粒子のコア部
に、固体状態のヒノキチオールが内包されていた。シェ
ルの厚さは約1.5μmであり、中空部分の容積比率は
約30%であった。微小圧縮試験器を用いて測定した微
粒子の強度(圧裂限界荷重)は7〜9mNであった。
【0207】また、重量測定による反応率は100%で
あった。
【0208】実施例3 実施例1において、ヒノキチオールの使用量を250mg
にした他は、実施例1と同様にして、ヒノキチオールを
内包する微粒子を得た。
【0209】得られた分散液を顕微鏡観察したところ、
平均粒子径約10μmの略真球状の中空微粒子のコア部
に、固体状態のヒノキチオールが内包されていた。シェ
ルの厚さは約1μmであり、中空部分の容積比率は約5
0%であった。微小圧縮試験器を用いて測定した微粒子
の強度(圧裂限界荷重)は約4mNであった。
【0210】また、重量測定による反応率は94%であ
った。
【0211】比較例1 実施例3において、補助ポリマーとしてのポリスチレン
を使用しなかった他は、実施例3と同様にして、微粒子
を得た。
【0212】得られた分散液を顕微鏡観察したところ、
平均粒子径約10μmの略真球状の中空微粒子が得られ
ていた。また、後述するように、微粒子シェルは、モノ
マー成分が重合したポリエチレングリコールジメタクリ
レートとヒノキチオールとが均一に混合されたものであ
った。
【0213】微小圧縮試験器を用いて測定した微粒子の
強度(圧裂限界荷重)は1mN未満であった。
【0214】また、重量測定による反応率は93%であ
った。
【0215】結果を次表1にまとめて示す。
【0216】
【表1】
【0217】表1の結果から明らかなように、上記の実
施例1〜3により、高い反応率で、簡単に、ヒノキチオ
ールを内包する微粒子が得られ、しかも各微粒子の強度
は極めて高いことが分かる。
【0218】試験例1 実施例2及び比較例1により得られた各微粒子を光学顕
微鏡写真で観察した。その写真を、それぞれ図1の(a)
及び(b)に示す。図1の(a)に示すように、実施例2に
よる微粒子は、比較的厚いシェルが形成され、中空部に
固体のヒノキチオールが内包されていることが分かる。
一方、図1の(b)に示すように、比較例1の微粒子で
は、ポリエチレングリコールジメタクリレートとヒノキ
チオールとが混合した状態のシェルが形成されているこ
とが分かる。
【0219】次に、実施例2で得られた分散液を濾紙を
用いて濾過することによりヒノキチオール内包微粒子を
単離し、温度約100℃、圧力約100000Pa(大気圧
下)の条件下で、6日間乾燥した。結果を図2に示す。
図2の(a)は、実施例2により得られた分散液中に含ま
れるヒノキチオール内包微粒子の顕微鏡写真であり、図
2の(b)は、乾燥後の微粒子の顕微鏡写真である。図2
の(b)に示すように、本発明の微粒子を乾燥することに
より、中空部のヒノキチオールが蒸発ないしは昇華した
微粒子が得られたことが分かる。
【0220】試験例2 次に、ヒノキチオール自体と実施例3により得られたヒ
ノキチオールを内包する微粒子との双方について、1H N
MR分析(250MHz)を行った。得られた1H NMRスペクトラ
ムを図3に示す。図3の (a)はヒノキチオール自体の結
果であり、図3の(b)は実施例3により得られたヒノキ
チオール内包微粒子の結果である。
【0221】図3に示すように、(a)と(b)とでは、検出
されるピークに殆ど差はなかった。このことから、ヒノ
キチオールは、懸濁重合工程で変性していないことが分
かる。
【0222】なお、図3の(b)における5ppm付近のブロ
ードなピークおよび1〜2ppmの微小なピークは、分散
安定剤であるポリビニルアルコールおよび補助ポリマー
であるポリスチレンに由来するものと考えられる。
【0223】試験例3 次に、実施例2及び比較例1により得られた各微粒子、
並びにヒノキチオール自体について、窒素ガスを流しな
がら150℃で加熱処理した場合の重量の減少率を測定
することにより、ヒノキチオールの徐放持続性を調べ
た。結果を図4に示す。図4のグラフにおいて、実線は
実施例2の微粒子、破線は比較例1の微粒子、1点鎖線
はヒノキチオール自体の結果である。
【0224】図4に示すように、実施例2の微粒子は、
ヒノキチオール自体および比較例1の微粒子に比べて重
量減少が緩やかであった。このことから、実施例2の微
粒子では、ヒノキチオールの放出が非常に遅く、その徐
放期間が非常に長いことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、実施例2により得られた本発明の芳香
性微粒子の粒子構造を示す図面代用写真(顕微鏡写真)
であり、(b)は、比較例1により得られた微粒子の粒子
構造を示す図面代用写真(顕微鏡写真)である。
【図2】(a)は、実施例2により得られた本発明の芳香
性微粒子の粒子構造を示す図面代用写真(顕微鏡写真)
であり、(b)は、これを加熱により乾燥した後の芳香性
微粒子の粒子構造を示す図面代用写真(顕微鏡写真)で
ある。
【図3】(a)は、ヒノキチオール自体の1H NMRスペクト
ラムであり、(b)は、実施例3により得られたヒノキチ
オール内包微粒子の1H NMRスペクトラムである。
【図4】実施例2および比較例1により得られた各微粒
子について、ヒノキチオールの徐放持続性を調べたグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G005 AA01 AB14 AB25 BA02 BA03 DB30X DC03Y DC18Y DC29Y DC34Y DC35Y DC36Y DC42Y DC46Y DD04Z DD05Z DD24Y DD25Y DD25Z DD38Z EA05

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル及び中空部分からなる中空微粒子
    の中空部分に芳香成分が内包された芳香性微粒子であっ
    て、シェルが、少なくとも1種の架橋性モノマーを100
    〜0重量%および少なくとも1種の単官能性モノマーを0
    〜100重量%含むモノマー成分を重合または共重合させ
    ることにより得られる重合体または共重合体で構成され
    ていることを特徴とする芳香性微粒子。
  2. 【請求項2】 シェルが、少なくとも1種の架橋性モノ
    マー、または、少なくとも1種の架橋性モノマーと少な
    くとも1種の単官能性モノマーとの混合物を重合または
    共重合させることにより得られる重合体または共重合体
    で構成されている請求項1に記載の芳香性微粒子。
  3. 【請求項3】 シェルが、少なくとも1種の架橋性モノ
    マーを100〜10重量%および少なくとも1種の単官能性
    モノマーを0〜90重量%含むモノマー成分を重合または
    共重合させることにより得られる重合体または共重合体
    で構成されている請求項2に記載の芳香性微粒子。
  4. 【請求項4】 架橋性モノマーが、重合性C=C二重結
    合を2個以上有する多官能性モノマーである請求項1、
    2又は3に記載の芳香性微粒子。
  5. 【請求項5】 シェルが、少なくとも1種の単官能性モ
    ノマーの重合体もしくは共重合体で構成されている請求
    項1に記載の芳香性微粒子。
  6. 【請求項6】 下記の式に従い算出される、中空部分の
    容積比率Rが10〜80%である請求項1から5のいずれか
    に記載の芳香性微粒子。 R(%)=(rh/rp)3×100 (式中、rhは芳香性微粒子の中空部分の半径であり、
    rpは芳香性微粒子の半径である。)
  7. 【請求項7】 圧裂限界荷重が1〜200mNである請求項
    2に記載の芳香性微粒子。
  8. 【請求項8】 芳香成分の内包量が、シェルに対して10
    〜80重量%である請求項1から7のいずれかに記載の芳
    香性微粒子。
  9. 【請求項9】 芳香成分がヒノキチオールである請求項
    1から8のいずれかに記載の芳香性微粒子。
  10. 【請求項10】 シェル及び中空部分からなる中空微粒
    子の中空部分に芳香成分が内包された芳香性微粒子であ
    って、シェルが、エポキシ樹脂を硬化剤を用いて硬化さ
    せることにより得られる架橋エポキシ樹脂で構成されて
    いることを特徴とする芳香性微粒子。
  11. 【請求項11】 下記の式に従い算出される、中空部分
    の容積比率Rが10〜80%である請求項10に記載の芳香
    性微粒子。 R(%)=(rh/rp)3×100 (式中、rhは芳香性微粒子の中空部分の半径であり、
    rpは芳香性微粒子の半径である。)
  12. 【請求項12】 芳香成分の内包量が、シェルに対して
    10〜80重量%である請求項10又は11に記載の芳香性
    微粒子。
  13. 【請求項13】 芳香成分がヒノキチオールである請求
    項10、11又は12に記載の芳香性微粒子。
  14. 【請求項14】 シェル及び中空部分からなる中空微粒
    子の中空部分に芳香成分が内包された芳香性微粒子であ
    って、シェルが、多価イソシアネートと多価アルコール
    との重付加反応により得られるポリウレタンで構成され
    ていることを特徴とする芳香性微粒子。
  15. 【請求項15】 下記の式に従い算出される、中空部分
    の容積比率Rが10〜80%である請求項14に記載の芳香
    性微粒子。 R(%)=(rh/rp)3×100 (式中、rhは芳香性微粒子の中空部分の半径であり、
    rpは芳香性微粒子の半径である。)
  16. 【請求項16】 芳香成分の内包量が、シェルに対して
    10〜80重量%である請求項14又は15に記載の芳香性
    微粒子。
  17. 【請求項17】 芳香成分がヒノキチオールである請求
    項14、15又は16に記載の芳香性微粒子。
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