JP3173495B2 - 人工石材の製造方法および製造設備 - Google Patents

人工石材の製造方法および製造設備

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JP3173495B2
JP3173495B2 JP5145899A JP5145899A JP3173495B2 JP 3173495 B2 JP3173495 B2 JP 3173495B2 JP 5145899 A JP5145899 A JP 5145899A JP 5145899 A JP5145899 A JP 5145899A JP 3173495 B2 JP3173495 B2 JP 3173495B2
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B30/00Compositions for artificial stone, not containing binders
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、廃コンクリート材
などのようなCaO分含有廃材および/または鉄鋼製造
プロセスで発生したスラグを主原料とする人工石材、よ
り詳細には、主原料であるCaO分含有廃材および/ま
たはスラグを炭酸化反応により固結させて塊状化した人
工石材の製造法および製造設備に関するものである。本
発明により製造される人工石材は、路面敷設用石材、建
築用石材等のような土木・建築材料、藻礁用石材や魚礁
用石材等のような水中沈設用石材等、様々な用途に利用
でき、とりわけ藻礁用石材、河床用石材、水質浄化を主
目的として海、河川、湖沼、池等に沈設または敷設され
る石材等のような水中沈設用資材として好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄鋼製造プロセスで発生するスラ
グ(例えば、高炉スラグ、転炉スラグ等)の有効利用を
図る一環として、スラグを藻礁用石材や魚礁等の海中沈
設用資材として利用する試みがなされている。スラグを
これらの資材として利用する場合の主たる形態として
は、塊状のスラグをそのまま藻礁用等の石材として利用
する方法とスラグをコンクリート魚礁等の骨材として利
用する方法が考えられる。
【0003】しかし、これらの方法には以下のような問
題点がある。先ず前者の方法では、スラグ中に含まれる
Ca分が海中に溶け出し、周囲の海水のpHを上昇させ
るおそれがある。また、鉄鋼製造プロセスで得られたま
まの塊状のスラグは、その表面性状等からしてコンクリ
ート製品に比べれば藻礁用等の石材に適しているとは言
えるが、藻礁用等の石材としては天然石と同程度の機能
(海藻類の付着性、成育性)しかなく、海藻類の成育を
促進し得るような特別な機能を有する石材ではない。
【0004】また、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ
は地金(粒鉄等の鉄分)を多く含んでいるため、通常は
スラグをある程度の大きさまで粉砕し、スラグ中に含ま
れる鉄分を回収して鉄鋼製造プロセスにリサイクルして
いる。しかし、藻礁用等の石材として用いるスラグには
ある程度の大きさが必要であり、地金回収のために粉砕
処理したようなスラグはほとんど利用することができな
い。このため塊状スラグを藻礁用等の石材として用いる
場合には、鉄鋼資源として有用な地金の回収がほとんど
できない。
【0005】一方、後者の方法のようにスラグをコンク
リート製のプレキャスト体の骨材として用いた場合、そ
の基本はコンクリート製品であるため、藻礁用石材等と
してそれなりの機能が期待できると考えられるスラグの
性状(例えば、凹凸状の表面性状等)を生かすことがで
きない。また、コンクリートはpHが高いため(通常、
pH12〜12.5程度)、海水のpHを上昇させるお
それがある。
【0006】さらに、近年では環境保護の観点から海、
河川、湖沼、池などの水質浄化が大きな課題となってい
る。このような水質浄化のための一つの手法として、バ
クテリアを中心とした生物の生態系による自浄作用を利
用することを狙いとし、水中での生物間の活発な食物連
鎖の環境を人為的に提供する試みがなされており、その
環境を提供するために水中や水辺に沈設または敷設する
資材として、好気性生物や嫌気性生物等の多様な生物が
棲息できる多孔質のコンクリートブロック体が用いられ
ている。しかし、このような従来の水質浄化用の資材も
コンクリート製品であるため、上述したような本質的な
問題点を有している。
【0007】このような問題に鑑み、本発明者らがスラ
グを藻礁用石材等の水中沈設用資材として利材化するた
めの方法について検討を重ねた結果、粉状または粒状の
スラグを、これに含まれるCaOの炭酸化反応で生成さ
せたCaCOをバインダーとして固結させ、塊状化さ
せた人工石材を藻礁用等の水中沈設用石材として用いる
ことにより、海水のpH上昇を招くことなく、しかも海
藻類の育成面等で優れた効果を発揮することが判った。
【0008】すなわち、このような人工石材は、藻礁用
石材や魚礁等に用いた場合以下のような機能を発揮する
ことが判った。 スラグ中に含まれるCaO(またはCaOから生成
したCa(OH))の大部分がCaCOに変化する
ため、CaOによる海水のpH上昇を防止できる。一方
において、スラグに適量の鉄分が含まれることにより、
この鉄分が海水中に溶出することで海水中に栄養塩とし
て鉄分が補給され、これが海藻類の育成に有効に作用す
る。
【0009】 粉状または粒状のスラグを炭酸固化し
て得られた塊状物は全体(表面及び内部)がポーラスな
性状を有しており、このため石材表面に海藻類が付着し
易く、しかも石材内部もポーラス状であるため、石材中
に含まれている海藻類の成育促進に有効な成分(例え
ば、後述する可溶性シリカや鉄分)が海水中に溶出しや
すい。このため塊状スラグをそのまま海中沈設用石材と
して用いる場合やスラグを骨材とするコンクリート製魚
礁に較べて、海藻類の成育を効果的に促進することがで
きる。
【0010】特に、藻礁造成場所等において沈設される
石材への海藻類の増殖、生育を効果的に促進するために
は、石材表面での海藻類の幼体の生育を促進させる必要
がある。この点、上記人工石材から水中に溶出する有効
成分は、海藻類の個体が石材に近いほど効果的に作用す
るため、海藻類の幼体の生育に特に有効であり、このた
め海藻類の幼体の生育を効果的に促進させることができ
る。また、このような人工石材の主原料には、スラグ以
外に廃コンクリート材のような粉状または粒状のCaO
分含有廃材も利用可能であり、このCaO分含有廃材を
主原料とする人工石材も上記と同様の性能を有すること
が判った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来ではスラ
グの炭酸化反応を利用した硬化体の製造法自体は知られ
ているものの、例えば海中沈設材として適用できるよう
な大型でしかも優れた強度、均質性を有する人工石材を
効率的に製造する方法は全く知られていない。したがっ
て本発明の目的は、CaO分含有廃材および/または鉄
鋼製造プロセスで発生するスラグを主原料として炭酸化
反応により塊状の人工石材を製造するに際し、石材の大
きさに拘りなく優れた強度と均質性を有する人工石材を
効率的に製造することができる製造方法および製造設備
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本発明は以下のような特徴を有する。 [1] CaO分含有廃材および/または鉄鋼製造プロセス
で発生したスラグを主原料とする石材用原料を、炭酸化
反応で固結させることにより塊状石材とする方法であっ
て、容器内に水分が添加された石材用原料を装入して原
料充填層を形成し、該容器内を閉鎖空間とした状態で容
器の底部から炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスからなる
原料ガスを吹き込むことにより、主として主原料中に含
まれるCaOの炭酸化反応より生成させたCaCO
バインダーとして原料充填層を炭酸固化させ、原料充填
層が塊状化した石材を得ることを特徴とする人工石材の
製造方法。
【0013】[2] 上記[1]の製造方法において、原料充
填層の水分含有量(wt%)が、下記する下限水分含有
量及び上限水分含有量を満足することを特徴とする人工
石材の製造方法。 下限水分含有量(wt%):[原料粒子の表面乾燥飽水
量(wt%)]+[A×1.0×(1/10)×1×
10×100] 但し、A:原料粒子の外表面積(m/g) 上限水分含有量(wt%):原料充填層内での有効気孔
率が10%以上となる水分量 但し、有効気孔率={([乾燥時の原料充填層内の気孔
容積]−[原料充填層に含まれる水分の容積])/[原
料充填層の容積]}×100
【0014】[3] 上記[1]または[2]の製造方法におい
て、原料充填層の嵩密度を、嵩比重/真比重の比で0.
3〜0.9とすることを特徴とする人工石材の製造方
法。 [4] 上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、加圧
された原料ガスを原料充填層に供給することを特徴とす
る人工石材の製造方法。 [5] 上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法において、加湿
された原料ガスを原料充填層に供給することを特徴とす
る人工石材の製造方法。
【0015】[6] 上記[5]の製造方法において、原料ガ
スに対して、容器から排出されるガス中の水分量とほぼ
同量の水分量を加湿することを特徴とする人工石材の製
造方法。 [7] 上記[5]または[6]の製造方法において、容器から排
出されるガスの湿度を測定し、該測定値に基づいて原料
ガス加湿量を制御することを特徴とする人工石材の製造
方法。 [8] 上記[5]〜[7]のいずれかの製造方法において、原料
ガスを60℃以下であって、且つ原料充填層内の温度以
下のガス温度で加湿することを特徴とする人工石材の製
造方法。
【0016】[9] 上記[1]〜[8]のいずれかの製造方法に
おいて、容器内における原料充填層上方のガス温度を、
原料充填層に吹き込まれる原料ガス温度よりも低くする
ことを特徴とする人工石材の製造方法。 [10] 上記[1]〜[9]のいずれかの製造方法において、原
料充填層内平均温度を60℃以下にすることを特徴とす
る人工石材の製造方法。
【0017】[11] 上記[1]〜[10]のいずれかの製造方法
において、容器の側壁に温度センサーを設置し、該温度
センサーにより炭酸化反応時の原料充填層内の温度変化
を測定し、この温度変化に基づき炭酸化反応不良を検知
し、原料ガスの供給条件を制御することを特徴とする人
工石材の製造方法。 [12] CaO分含有廃材および/または鉄鋼製造プロセ
スで発生したスラグを主原料とする石材用原料を、炭酸
化反応により固結させることにより塊状石材とするため
の製造設備であって、石材原料を装入して原料充填層を
形成すべき容器と、長手方向で適宜間隔をおいてガス孔
が形成され、前記容器の底部に配置されるガス供給配管
とからなることを特徴とする人工石材の製造設備。
【0018】[13] 上記[12]の製造設備において、ガス
供給配管に供給される原料ガスを加湿するための加湿装
置を有することを特徴とする人工石材の製造設備。 [14] 上記[13]の製造設備において、容器内における原
料充填層の上方の空間をガス冷却部またはガス放冷部と
するとともに、容器の底部に原料充填層内の過剰水分を
容器外に排出するための排水孔を設けたことを特徴とす
る人工石材の製造設備。 [15] 上記[12]〜[14]のいずれかの製造設備において、
ガス供給配管の少なくとも外面が、ステンレス、アルミ
ニウム、ゴム、樹脂、防錆剤層のいずれかにより構成さ
れていることを特徴とする人工石材の製造設備。
【0019】[16] 上記[15]の製造設備において、ガス
供給配管が可撓性ホースからなることを特徴とする人工
石材の製造設備。 [17] 上記[12]〜[16]のいずれかの製造設備において、
原料ガスを原料充填層に吹き込むためのガス孔がガス供
給配管の側部に形成されていることを特徴とする人工石
材の製造設備。 [18] 上記[12]〜[17]のいずれかの製造設備において、
ガス供給配管が断面角型であることを特徴とする人工石
材の製造設備。
【0020】[19] CaO分含有廃材および/または鉄
鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする石材用
原料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石
材とするための製造設備であって、通気および通水可能
な底板を有し、石材原料を装入して原料充填層を形成す
べき容器本体と、該容器本体の底板の下部に設けられる
原料ガス吹込室と、該原料ガス吹込室に原料ガスを供給
するためのガス供給手段と、前記原料ガス吹込室内に溜
った水を排水するための排水手段と、前記原料ガス吹込
室に供給される原料ガスを加湿するための加湿装置とを
有し、前記容器本体内における原料充填層の上方の空間
をガス冷却部またはガス放冷部としたことを特徴とする
人工石材の製造設備。[20]CaO分含有廃材を主原料とする石材用原料を、
主原料中に含まれるCaOの炭酸化反応より生成させた
CaCO をバインダーとして固結させ、塊状化したこ
とを特徴とする水中沈設用の人工石材。 [21]上記[21]の人工石材において、CaO含有廃材
が、コンクリート、モルタル、耐火物の中から選ばれる
1種以上からなることを特徴とする水中沈設用の人工石
材。 [22]上記[20]または[21]の人工石材において、主
原料に対して添加材を添加した石材用原料を固結させ、
塊状化したことを特徴とする水中沈設用の人工石材。 [23]上記[20]〜[22]のいずれかの人工石材におい
て、添加材が可溶性シリカ源、鉄源、CaO源の中から
選ばれる1種以上であることを特徴とする水中沈設用の
人工石材。 [24]上記[23]の人工石材において、鉄源が金属鉄、
含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる1種
以上であることを特徴とする水中沈設用の人工石材。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は鉄鋼製造プロセスで発生
するスラグ等を主原料とする人工石材の製造方法であ
り、主原料となるスラグとしては、高炉徐冷スラグ、高
炉水砕スラグ等の高炉系スラグ、予備処理、転炉、鋳造
等の工程で発生する脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラ
グ、脱珪スラグ、鋳造スラグ等の製鋼系スラグ、鉱石還
元スラグ、電気炉スラグ等を挙げることができるが、こ
れらに限定されるものではなく、また、2種以上のスラ
グを混合して用いることもできる。
【0022】これらのスラグのうち、代表的なスラグの
組成の一例を以下に示す。 (1) 脱炭スラグ … T.Fe:17.5%,CaO:4
6.2%、SiO:11.7%、Al:1.4
%、MgO:8.3%、MnO:6.2%、P:0.7
6%、S:0.04% (2) 脱燐スラグ … T.Fe:5.8%,CaO:5
4.9%、SiO:18.4%、Al:2.8
%、MgO:2.3%、MnO:1.9%、P:2.8
%、S:0.03%
【0023】(3) 脱硫スラグ … T.Fe:10.5
%,CaO:50.3%、SiO:10.0%、Al
:5.4%、MgO:1.1%、MnO:0.4
%、P:0.13%、S:1.8% (4) 脱珪スラグ … T.Fe:10.5%,CaO:1
3.6%、SiO:43.7%、Al:3.8
%、MgO:0.4%、MnO:15.8%、P:0.
10%、S:0.19% (5) 高炉水砕スラグ … FeO:0.3%、CaO:4
2.0%、SiO:33.8%、MnO:0.3%、
MgO:6.7%、Al:14.4%
【0024】なお、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ
のうち、脱燐スラグはP含有量が高いために、また脱珪
スラグはMnOの含有量が高いために、それぞれセメン
ト原料として使用するには難があるが、本発明ではこれ
らのスラグについても問題なく石材の主原料として利用
することができる。
【0025】また、本発明で使用する石材の主原料とし
ては、上記スラグとともに或いはスラグに代えて廃コン
クリート材のようなCaO分含有廃材を用いてもよい。
このようなCaO分含有廃材としては、廃コンクリート
材のほかに、モルタルや耐火物の廃材があり、これらの
材料もスラグと同様に、含有されるCaOの炭酸化反応
でCaCOが生成し、このCaCOをバインダーと
して固結する。したがって、石材の主原料としては、粉
状および/または粒状のスラグおよびCaO含有廃材の
中から選ばれる1種または2種以上を用いることができ
る。
【0026】本発明法では、上記のようなCaO分含有
廃材および/または鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ
を主原料とした石材用原料(必要に応じて、主原料に添
加材を添加した石材原料)を、主として主原料中に含ま
れるCaOの炭酸化反応より生成させたCaCOをバ
インダーとして固結させるものである。なお、主原料中
に含まれるCaOとは、少なくとも原料粒子の組成の一
部として含まれるものであればよく、したがって鉱物と
してのCaOの他に2CaO・SiO、3CaO・S
iO、ガラス等のように組成の一部として原料粒子中
に存在するものも含まれる。また、スラグ中に含まれる
CaOは、スラグが精錬容器から排出された後、吸湿す
ることによってCa(OH)に変化することがあり、
また、CaO分含有廃材中のCaOについても、同様に
吸湿によってCa(OH)に変化することがあり、し
たがって、主原料中に含まれるCaOとは、このように
不可避的にCa(OH)に変化したものも含まれる。
また、大部分のスラグにはCaOとともにある程度の量
のMgOが含まれており、このMgO(但し、MgOの
一部または全部がMg(OH)に変化している場合
は、これを含む)も上記炭酸化反応によりMgCO
変化し、バインダーの一部となる。
【0027】以下、スラグを石材の主原料として用いる
場合を例に本発明の詳細を説明する。図1は本発明の一
実施形態を示している。本発明法では、粉状および/ま
たは粒状のスラグを主原料とした石材用原料に水分を添
加し、これを型枠等の容器1内に装入して原料充填層A
を形成する。容器1に蓋(例えば、専用の蓋体またはシ
ート等)を装着すること等により容器1内を閉鎖空間と
した状態で、容器1の底部から炭酸ガスまたは炭酸ガス
含有ガスからなる原料ガスを吹き込み、これによりスラ
グ中に含まれるCaO(但し、先に述べたようにCaO
の一部または全部がCa(OH)に変化している場合
は、これを含む。以下同様)と炭酸ガスとの炭酸化反応
よりCaCOが生成し、主としてこのCaCOをバ
インダーとして原料充填層A全体が炭酸固化し、原料充
填層Aが塊状化した石材が得られる。
【0028】型枠等の容器1の底部にはガス供給配管2
が配管され、このガス供給配管2に形成された複数のガ
ス孔から原料ガスが充填層内に供給される。この原料ガ
スは原料充填層Aを通過する過程でスラグ中のCaOと
反応してCaCOを生成させる。そして、原料充填層
Aを通過した原料ガス(未反応の炭酸ガスを含む原料ガ
ス)は容器上部の排気管12から排出される。原料充填
層Aが塊状化した石材は、容器1から取り出され、その
まま石材製品となるか若しくは破砕や切断等の加工を経
て石材製品となる。
【0029】本発明において主原料として使用するスラ
グは粉状および/または粒状であればよく、その粒径は
特に限定されない。また、主原料の一部または全部にC
aO分含有廃材を用いる場合も同様である。上記のよう
な鉄鋼製造プロセスで発生するスラグは、程度の差はあ
るものの比較的多量(通常、数重量%〜30重量%程
度)の地金(粒鉄等の鉄分)を含んでおり、一般には、
このような鉄分を鉄鋼製造プロセスにリサイクルするた
めに、スラグ中の地金回収が行われる。通常、この地金
回収を行うためにスラグは粉砕処理され、したがって、
元々粉化した状態にあるスラグを含め、地金回収工程を
経たスラグは必然的に粉状若しくは粒状通常、cmオー
ダーまたはそれ以下のものとなる。
【0030】本発明の石材の主原料とするスラグは、こ
のような地金回収工程を経たスラグをそのまま用いても
よいし、また必要に応じて、これをさらに粉砕処理した
ものを用いてもよい。また、地金回収工程を経ないスラ
グを必要に応じて粉砕処理したもの、或いは地金回収工
程よりもさらに鉄分を除去したものをそれぞれ主原料と
して用いてもよい。
【0031】また、この主原料となるスラグには必要に
応じて添加材を添加することができる。代表的な添加材
としては、可溶性シリカ源(フライアッシュ、クリンカ
ーアッシュ等)、鉄源(含鉄ダストやミルスケールのよ
うな金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材)、Ca
O源等を挙げることができるが、これに限定されるもの
ではない。石材に含まれる可溶性シリカや鉄分は、石材
が漁礁用や藻礁用石材として用いられた際に海水中に溶
出することにより海藻類の成育に有効に作用する。ま
た、石材に少量含まれるCaOは、海底に赤潮の原因と
なる燐や青潮の原因となる硫黄が多く含まれる場合にこ
れら燐や硫黄を吸着し、赤潮や青潮の発生を防止するの
に効果がある。
【0032】使用される原料ガスとしては、例えば一貫
製鉄所内で排出される石灰焼成工場排ガス(通常、CO
:25%前後)や加熱炉排ガス(通常、CO:6.
5%前後)等が好適であるが、これらに限定されるもの
ではない。また、原料ガス中の炭酸ガス濃度が低すぎる
と処理効率が低下するという問題を生じるが、それ以外
の問題は格別ない。したがって、炭酸ガス濃度は特に限
定しないが、効率的な処理を行うには3%以上の炭酸ガ
ス濃度を有する原料ガスを用いるのが好ましい。
【0033】スラグを主原料とする石材原料(以下、単
にスラグという)を、スラグ中に含まれるCaOと炭酸
ガスとの反応を利用して炭酸固化させ、所望の強度を有
する塊状石材を得るためには、炭酸化反応させる石材原
料の水分含有量を適正化することが重要である。すなわ
ち、スラグをCaOと炭酸ガスとの反応を利用して炭酸
固化させるには水分が必要である。これは水にCaOと
炭酸ガスが溶解することにより炭酸化反応が促進される
ためである。
【0034】原料充填層内のスラグ粒子を炭酸化反応に
より強固に結合させるには、原料スラグは、原料充填層
内でのスラグ粒子が表面乾燥飽水状態(粒子内部間隙が
全て水で満たされている状態)になる水分量(以下、表
面乾燥飽水量)を超える量の水分を含むような水分含有
量であることが好ましい。この水分含有量は、各スラグ
粒子の表面に薄い付着水膜が形成される状態であり、こ
の付着水膜の厚さは約1μm以上であることが好まし
い。
【0035】したがって、原料充填層内のスラグ粒子が
炭酸化反応により結合する際に、スラグ粒子接触部に生
成する炭酸化層が結合に寄与して炭酸固化体を形成する
のに必要となる原料充填層の水分含有量の下限は、下式
に示すように表面乾燥飽水量とスラグ粒子表面に約1μ
mの厚さで付着した付着水に相当する水分量(以下、表
面水分という)を加えた水分量となる。 下限水分含有量(wt%)=表面乾燥飽水量(wt%)
+表面水分(wt%)
【0036】ここで、上記表面水分は、下記に示すよう
に、原料充填層の乾燥状態での粒度分布とスラグ粒子の
嵩密度(絶乾比重(JIS A 109)または水銀ポロ
シメーター)から求めたスラグ粒子の外表面積A(m
/g)と、スラグ粒子の上記付着水膜の(=1.0×
(1/10)m)の積から求めることができる。 表面水分(wt%)=スラグ粒子外表面積A×1.0×
(1/10)×1×10×100 したがって、例えば、A=0.0122m/g(Aは
スラグの粒度分布と粒の嵩比重2.72とから求めた)
であると、表面水分の下限は1.2wt%となり、表面
乾燥飽水量が2.8wt%であるとすると、スラグ原料
の必要水分含有量の下限は4.0wt%となる。
【0037】一方、原料充填層中の水分含有量が過剰で
あると、原料充填層内でスラグ粒子間の間隙に水が充満
して原料ガスの通過する流路が確保されなくなり、原料
ガスが容器内壁に沿って流れたり、また、甚だしい場合
には原料ガスの吹き込みにより原料充填層が崩壊(流動
化)し、局所的なガス流路(孔)ができてしまう。この
ため原料スラグ中の水分含有量は、原料充填層としたと
きに原料ガスが流れる通路が確保され、且つ原料充填層
を崩壊(流動化)させることなく原料ガスを均一に吹込
める程度の水分含有量とすることが好ましい。
【0038】特に、スラグの水分含有量は、下式に示す
ように原料充填層内での原料ガス流路となり得る有効気
孔率(乾燥時の原料充填層内の気孔容積から原料充填層
に含まれる水分の容積を差し引いた空隙部(気孔部)の
原料充填層に対する容積比率)が10%以上となるよう
な水分含有量を上限とすることが好ましい。 上限水分含有量(wt%) =([乾燥時の原料充填層の気孔率]−[有効気孔率の下限値])/100×( 1/[原料充填層の乾燥嵩密度(ρ)]) =([乾燥時の原料充填層の気孔率]−10)/100×(1/[原料充填層の 乾燥嵩密度(ρ)])×100
【0039】以上のように原料スラグは、スラグの粒
度、原料充填層に応じて最適な水分量に調整されるのが
好ましい。表1は、スラグによる原料充填層を充填密度
(乾燥状態):2.2g/cm、見掛密度3.2g/
cm、充填後気孔率(乾燥状態):31.3%の条件
で形成し、その際に原料充填層中の水分含有量の水準を
変えて炭酸化処理した場合について、原料充填層の有効
気孔率と得られた炭酸固化体(石材)の強度との関係を
調べたもので、原料充填層の有効気孔率が10%未満で
は、原料充填層内での原料ガスの均一な通過が阻害され
るため均一炭酸化反応を生じさせることができず、不十
分な反応部が生じ、このため得られる炭酸固化体の強度
も極めて劣ったものとなる。
【0040】
【表1】 この表1の結果からして、確保されるべきより好ましい
有効気孔率は15%、特に好ましくは20%である。な
お、原料充填層の嵩密度は任意であり、必要とされる石
材の密度等に応じて適宜調整できるが、通常、嵩比重/
真比重が0.3〜0.9の範囲、すなわち原料充填層内
の空隙率が70〜10%となる程度に充填される。
【0041】次に、原料充填層に供給する原料ガスの好
ましい条件について説明する。原料ガスによる原料充填
層内の雰囲気は処理効率を上げるために適度な加圧状態
であることが好ましく、このため容器1に供給する原料
ガスは適当に加圧することが好ましい。また、原料充填
層A内に吹き込まれる原料ガスが原料充填層の水分を奪
い、これを乾燥させると、炭酸化反応に必要とされる原
料充填層内の水分が減少し、処理効率を低下させること
になる。このため原料ガスは、事前に水と接触させるこ
とにより加湿してから原料充填層Aに吹込むことが好ま
しい。
【0042】図2は、このような方法を採る場合の一実
施形態を示しており、加湿装置3を構成する加湿槽内に
入れられた水に原料ガスを吹き込んで加湿(好ましく
は、水蒸気の飽和状態まで加湿)した後、これを原料充
填層Aに供給するものである。また、加湿された原料ガ
スが原料充填層Aに吹き込まれた際に、原料ガス温度が
原料充填層内の温度よりも高いと、原料ガスの冷却によ
ってガス中の水蒸気が凝縮し、この結果、原料充填層A
が過剰水分となり、原料ガスの通気性が阻害されてしま
う。したがって、これを防止するためには、原料ガスを
原料充填層内の温度以下で加湿することが好ましい。さ
らに、この原料ガス加湿量は排出ガスによって原料充填
層から持ち去られる水分量とほぼ同等の水分量であるこ
とが好ましい。すなわち、原料ガスに過剰な加湿を行う
と、これが凝縮して充填層に過剰な水分を添加すること
なる。
【0043】このため、容器1から排出されるガスの湿
度を測定し、該測定値に基づいて加湿装置3(加湿槽)
での原料ガス加湿量を制御することが好ましい。図2
は、そのための制御系が示されており、容器1の上部に
接続された排出管12にガス流量計8と湿度計9が設け
られ、制御装置11ではこれらの測定値に基づいて排出
ガスにより持ち出される水分量を求め、これに基づき、
例えば加湿装置3に付設された温度調整装置13を制御
し、加湿装置3内の水温を調整することにより原料ガス
に対する加湿量をコントロールする。また、原料ガスに
加湿を行う方法としては、図2に示すようなガスバブリ
ング方式のほかに、水を超音波アトマイズして原料ガス
に添加する方法等がある。この場合についても、アトマ
イズする水の供給量を上記と同様の方法でコントロール
することができる。
【0044】また、上記の方法において、容器1内にお
ける原料充填層Aの上方のガス温度を、原料充填層Aに
吹き込まれるガス温度よりも低くすることにより、容器
外に排出される原料ガス中の水蒸気濃度を低下させ、原
料ガスに随伴して排出される水分の量を低減させること
ができる。このため図2の実施形態では、容器1の上部
に原料充填層Aの上方の領域(空間)のガスを冷却する
ための冷却機構4が設けられている。この冷却機構4は
水冷等でよい。この冷却機構4による原料ガスの冷却に
よって原料ガス中の水蒸気の一部が凝縮して水となり、
原料充填層Aに戻される。なお、原料ガスを冷却するに
は、図2に示すような冷却機構を設けることなく、原料
充填層Aの上方の領域(空間)で原料ガスを自然放冷さ
せてもよい。
【0045】原料スラグの粒度分布が広く、最大径もm
mオーダーのような場合、炭酸化処理の反応温度が高い
とスラグ粒内の炭酸固化しない部分や炭酸化が不十分な
部分が急激に水和膨張し、原料充填層内に亀裂が発生す
ることがある。このような問題を回避するためには原料
充填層内平均温度を60℃以下にすることが好ましい。
このため原料ガスの炭酸ガス濃度が比較的高く、原料充
填層内の反応温度が上昇するような場合には、原料ガス
として用いるガスに炭酸ガスを含まないガスを混合して
稀釈することにより原料ガスの炭酸ガス濃度を調節する
か、若しくはガス流量を減少させることが好ましい。
【0046】また、原料ガスが高温ガス(燃焼ガス等)
である場合、これに直接加湿を行うと水蒸気分圧が高す
ぎて、原料充填層内で水分が凝縮する可能性がある。こ
のため原料ガスを加湿する際には、ガス温度を60℃以
下であって、且つ原料充填層内温度以下にまで冷却して
から、水と接触させることにより加湿し、これを原料充
填層内に吹込むようにすることが好ましい。また、この
場合、上述したように排出ガスの水分量と加湿水分量が
同等となるようにすることが好ましい。
【0047】また、高強度で且つ均質な石材を得るため
には、原料充填層内での原料ガス流が偏流を生じること
なく、均一に流れることが必要である。このため型枠等
の容器の側壁に熱電対等の温度センサーを設置して炭酸
反応時の原料充填層内の温度変化を測定し、この昇温状
況から(末昇温部は炭酸ガスが流れていないため固化し
ない)、原料ガスの偏流とこれによる製造不良を検知す
ることができる。具体的には、炭酸化反応時に炭酸ガス
吹込み前の温度より高くなった部分と、炭酸ガス吹込み
口からガス流路に沿って昇温降温パターンが移動する現
象が確認される部分は、炭酸固化が生じていると判断さ
れ、したがって、上記のような温度センサーによる温度
測定の結果に基づき、製造不良(炭酸化反応不良)の有
無を判定し、必要に応じてガス供給量やガス圧力の調整
を行う。
【0048】原料ガスの供給量には特別な制限はなく、
原料充填層が流動しない程度にガス吹き込みを行えばよ
いが、一般的な目安としては0.004〜0.5m
min・t程度のガス吹き込み量が確保できればよい。
但し、原料スラグの炭酸固化を確実に行わせるため、原
料スラグ中のCaO分を炭酸化できる量以上の炭酸ガス
を総量として流すことが好ましい。
【0049】CaOの炭酸化反応は、CaO+CO
CaCOであるため、スラグ中のCaO全量を炭酸化
する場合のCOとCaOの重量比はCO/CaO=
0.786であり、したがって、原料スラグ量(k
g)、原料スラグ中のCaO含有量(wt%)に応じ
て、CO換算量で下式に示される最低流量(CO
Nm /スラグ−kg)を超える量の原料ガスを供給す
ることが好ましい。 最低流量={(原料スラグ量×原料スラグ中のCaO含
有量)/100}×(0.786/44)×22.4
【0050】原料充填層を形成する容器としては型枠
(充填枠)等を用いるのが好ましいが、この容器として
は、原料ガスを原料充填層全体に流せるようにするた
め、底部にガス吹き込み部を有するとともに、上部にガ
ス排気部を有し、且つガス吹き込み部から送り込まれた
原料ガスが実質上ガス排気口から出てくる程度の気密状
態にできる容器であることが好ましい。また、このよう
な気密状態とした容器では、原料ガスによって原料充填
層中の水分が奪われても、この原料ガス中の水分が容器
上部の低温域で凝縮し、原料充填層に落下して戻される
ため好ましい。
【0051】次に、本発明法の実施に供される設備の好
ましい実施形態について説明する。本発明法を実施する
製造設備の一形態としては、型枠等の容器の底部の全体
にガス供給管を配置し、このガス供給管に形成された多
数のガス孔から、原料ガスを供給するようにした設備が
挙げられる。
【0052】図4および図5は、容器として型枠10を
用いた場合において型枠底部におけるガス供給管5の一
実施形態を示している。ガス供給管5は型枠10の底部
全体に複数条配置され、これら各ガス供給管5は型枠外
の主配管6に接続されている。各ガス供給管5にはその
長手方向に沿って適宜間隔をおいてガス孔が設けられて
いる。また、図6及び図7は他の実施形態を示してお
り、ゴムホース等からなる1本の配管を型枠の底部に配
置することによりガス供給管5を構成したものである。
このガス供給管5にもその長手方向に沿って適宜間隔を
おいてガス孔が設けられている。
【0053】従来、スラグを路盤材等に使用する際に所
謂蒸気エージング処理が行われている。この蒸気エージ
ング処理においてもスラグが装入される処理層の底部に
ガス供給管が配置され、このガス供給管を通じて原料層
内にガスが供給されるが、ガスの均一拡散のためにガス
供給管の回りに粗粒砕石層を設けている。しかし、本発
明法で行うスラグの炭酸固化処理では、炭酸化固化体
(スラグが塊状化した石材)の強度を確保するため原料
層をある程度の充填度に締め固めする必要があり、この
ため本発明法における原料充填層は、従来の蒸気エージ
ング処理が行われる原料層に較べてガスが通りにくい。
このため従来の蒸気エージング処理のようにガス供給管
の周囲に粗粒砕石層を設けた場合、吹き込まれた原料ガ
スが上部の原料充填層よりも通気性の良い粗粒砕石層を
通って横へ拡散し、さらにガスの通りやすい容器の側壁
に沿って上方に抜けてしまい、このため、原料充填層全
体にガスが行き渡りにくい。このため本発明法ではガス
供給管5の周囲に粗粒砕石層は設けずに、ガス供給管の
上部に直接原料を装入し、原料充填層を形成することが
好ましい。
【0054】しかし、このようにガス供給管5の上部に
直接原料充填層を形成した場合、ガス供給管5の破損の
問題が生じる。この問題に対してはガス供給管5に鋼管
を用いればよいが、単なる鋼管では腐食しやすい上に、
スラグの蒸気エージング処理とは異なり炭酸固化処理で
は比較的粒度の小さいスラグを用いるため、腐食したガ
ス孔の周りにスラグ粉が固着、堆積してガス孔を閉塞さ
せるという問題があり、これを防止するためには毎回の
処理後に配管の手入れ作業を行うことが必要となる。
【0055】したがって、ガス供給配管5としては外面
が腐食しにくい材質のもの、すなわち、少なくとも外面
がステンレス、アルミ、ゴム、樹脂、防錆剤層のいずれ
かで構成されたものを用いることが好ましい。具体的に
は、ステンレス管、アルミ管、表面にゴムやプラスチッ
クのコーティング層を施した金属管、樹脂製のパイプ等
が挙げられる。また、ガス供給管5にゴムホースのよう
な可撓性のホースを用いることにより、重機作業での配
管の損傷を防止できる。
【0056】図8はガス供給管5の一実施形態を示す断
面図であり、このガス供給管5はステンレス管、アルミ
管、樹脂パイプ、ゴムホースのような可撓性パイプ等に
より構成される。また、スラグ粉によるガス孔の閉塞を
なるべく少なくするため、ガス孔7はガス供給管5の側
部に形成されている。
【0057】容器1の底部に配置されたガス供給管5
は、例えば、処理終了後に容器1内の炭酸固化体を重機
等で取り出し際に、重機自体の重量や石材を払い出す際
の重機との接触等により破損する恐れがある。このうち
重機の重量による破損は配管の強度を上げることや、配
管を容器の底面に接触させること等によりある程度回避
することができる。
【0058】一方、重機との接触等による破損に関して
は、ガス供給管5の断面形状を角型とすることが有効で
ある。すなわち、断面が円形のガス供給管を用いた場
合、スラグがガス供給管の下部に入り込んだ状態で固化
するため、固化したスラグを払出す際にガス供給管の下
側に入り込んだスラグを掻き出す必要があり、これによ
りガス供給管に重機の力が加わるため、破損し易い。こ
れに対し角型のガス供給管の場合は、重機によるガス供
給管への余分な力が加わらないため、破損がしにくい。
図9は断面を角型としたガス供給管5の一実施形態を示
す断面図である。なお、この実施形態では鋼管等の金属
管50の外側にゴムや樹脂等によるコーティング層51
が設けられている。また、この実施形態でもガス孔7は
ガス供給管5の側部に形成されている。
【0059】先に述べたように原料ガスによる原料充填
層内の湿分の消失を防止するためには、原料ガスを加湿
してから原料充填層に吹込むことが好ましいが、このよ
うに加湿された原料ガスを原料充填層内に吹き込んで
も、原料ガスの加湿量によっては原料充填層の乾燥を十
分に防止できなかったり、或いは逆に原料充填層に対し
て過剰な水分を添加したりする結果となる。このような
問題は、図2に示すような設備を用いることにより容器
外に排出される水分量に応じて原料ガスの加湿量を調整
すれば解決できるが、より簡便な機構により原料充填層
内の湿分量を適正な範囲に維持管理することができれば
好都合である。
【0060】図10はこれを可能とする製造設備の一実
施形態を示している。図10の製造設備は、石材原料を
装入して原料充填層を形成すべき容器1と、この容器1
内に原料ガスを吹き込むためのガス供給管5と、このガ
ス供給管5に供給される原料ガスを加湿するための加湿
装置(図示せず)等から構成されている。前記容器1は
型枠等により構成され、その上部に装着される蓋14
(例えば、専用の蓋体またはシート等)により内部が閉
鎖空間とされる。容器1の上部(本実施形態では蓋1
4)にはガスの排出管12が接続されている。
【0061】この容器1の底部には、例えば図4や図6
に示すような態様で前記ガス供給管5を配管してあり、
その側部に形成された複数のガス孔7から原料ガスが原
料充填層A内に供給される。さらに、容器1の底部15
(底板)には原料充填層A内の過剰水分を容器外に排出
するための複数の排水孔16が設けられるとともに、底
部15の下部には排出された水を貯めるための貯水室1
7が設けられている。この貯水室17には排水用の排水
管18が接続されている。また、前記排水孔16の直上
には、原料による詰りを防止するためのカバー19を設
けてある。なお、排水孔16の形状は任意であり、例え
ばスリット状の孔でもよい。
【0062】また、容器1内における原料充填層Aの上
方の空間Sは、ガス冷却部またはガス放冷部としてあ
る。この実施形態では上記空間Sをガス放冷部とし、原
料充填層Aから出たガスが自然放冷するのに十分なスペ
ースを確保している。また、自然放冷を促進するため、
断熱材20を原料充填層Aに相当する容器外側にのみ設
け、前記空間Sに相当する容器外側には断熱材は設けて
いない。なお、この空間Sをガスを強制冷却するガス冷
却部とする場合には、図2に示すような冷却機構4を設
けることができる。図示しない加湿装置は、例えば図2
に示すような加湿槽により構成され、原料ガスを加湿し
た後、これを前記ガス供給管5に供給する。
【0063】このような製造設備によれば、容器1内に
原料が充填された状態で、加湿装置により加湿された原
料ガスがガス供給管5を通じて原料充填層Aに吹き込ま
れる。原料ガスが原料充填層A内を通過することにより
上述した炭酸化反応を生じるとともに、原料充填層Aを
通過した原料ガスは空間Sにおいて放冷(または強制冷
却)され、これにより原料ガス中の水蒸気が凝縮して水
となり、原料充填層に滴下して原料充填層Aに湿分を補
充する。また、原料充填層内で過剰となった水は容器1
の底部15に形成された排水孔16を通じて貯水室17
に排出される。この水は原料充填層の炭酸化処理終了後
に排水管18により系外に排出される。したがって、こ
のような製造設備によれば、原料ガスの加湿量を特別に
調整することなく、原料充填層A内の湿分量を適正な範
囲に維持管理することができる。
【0064】また、図11は、簡便な機構により原料充
填層内の湿分量を適正な範囲に維持管理することができ
る製造設備の他の実施形態を示すものである。図11の
製造設備は、石材原料を装入して原料充填層を形成すべ
き容器本体1aと、この容器本体1aの底板15aの下
部に設けられる原料ガス吹込室21と、この原料ガス吹
込室21に原料ガスを供給するためのガス供給手段22
と、前記原料ガス吹込室21内に溜った水を排水するた
めの排水手段23と、原料ガス吹込室21に供給される
原料ガスを加湿するための加湿装置(図示せず)等から
構成されている。前記容器本体1aは型枠等により構成
され、その上部に装着される蓋14(例えば、専用の蓋
体またはシート等)により内部が閉鎖空間とされる。容
器本体1aの上部(本実施形態では蓋14)にはガスの
排出管12が接続されている。
【0065】前記容器本体1aは、通気および通水可能
な底板15aを有しており、この実施形態では、底板1
5aに通気および通水可能な複数の通孔24が形成され
ている。この通孔24の形状は任意であり、例えばスリ
ット状の孔でもよい。また、この底板15aは通気およ
び通水可能で且つ適度な剛性を有するものであればよ
く、したがって、図11に示すような通孔を形成したも
の以外に、例えば、多孔質材、金網、格子等からなる底
板であってもよい。また、底板15aの下部には、原料
充填の際に通孔24を通じて原料が落下するのを防止
し、且つ底板15aを補強するための板状体25が、原
料充填時にのみ配置される。この板状体25は鉄板等の
剛性のある板材により構成され、原料充填後は取り外さ
れる。また、他の実施形態としては、図11に示すよう
な底板15aを原料充填時の衝撃や加圧に耐えるような
剛性のあるものとし、さらにその下部に通気および通水
性があり、且つ原料粒子の落下を防止できる板状体25
(例えば、目の細かい金網、耐食性のある布、多孔質材
等により構成される板状体)を常時設けるようにしても
よい。
【0066】前記原料ガス吹込室は前記底板15a(容
器本体)の下部に設けられており、この原料ガス吹込室
21は底板15aの通孔24を介して容器本体1aの内
部と連通している。また、この原料ガス吹込室21に
は、原料ガスを供給するためのガス供給手段22(ガス
供給管)と、内部に溜った水を排水するための排水手段
23(排水管)とが接続されている。
【0067】また、図10の場合と同様、容器本体1a
内における原料充填層Aの上方の空間Sは、ガス冷却部
またはガス放冷部としてある。この実施形態でも上記空
間Sをガス放冷部とし、原料充填層Aから出たガスが自
然放冷するのに十分なスペースを確保している。また、
自然放冷を促進するため、断熱材20を原料充填層Aに
相当する容器本体外側にのみ設け、前記空間Sに相当す
る容器本体外側には断熱材は設けていない。なお、この
空間Sをガスを強制冷却するガス冷却部とする場合に
は、図2に示すような冷却機構4を設けることができ
る。図示しない加湿装置は、例えば図2に示すような加
湿槽により構成され、原料ガスを加湿した後、これを前
記ガス供給手段22を通じて原料ガス吹込室21に供給
する。
【0068】このような製造設備によれば、容器本体1
a内に原料が充填された状態で、加湿装置により加湿さ
れた原料ガスがガス供給手段22を通じて原料ガス吹込
室21に供給され、この原料ガス吹込室21から容器本
体1aの底板15aに形成された通孔24を通じて原料
充填層Aに吹き込まれる。原料ガスが原料充填層A内を
通過することにより上述した炭酸化反応を生じるととも
に、原料充填層Aを通過した原料ガスは空間Sにおいて
放冷(または強制冷却)され、これにより原料ガス中の
水蒸気が凝縮して水となり、原料充填層Aに滴下して原
料充填層Aに湿分を補充する。また、原料充填層A内で
過剰となった水は容器本体1aの底板15aに形成され
た通孔24を通じて原料ガス吹込室21に排出され、さ
らに炭酸化処理終了後に排水手段23により系外に排出
される。
【0069】したがって、このような製造設備によれ
ば、原料ガスの加湿量を特別に調整することなく、原料
充填層A内の湿分量を適正な範囲に維持管理することが
できる。以上、本発明の製造方法及び製造設備について
スラグを主原料とする場合を例に説明したが、CaO分
含有廃材を主原料の一部または全部とする場合も全く同
様である。
【0070】
【実施例】[実施例1]冷却過程で粉化したスラグ10
0tに7wt%の水分を加え、ショベルで均一に混合し
た後、幅6m×奥行8mの型枠設備内に1mの高さに充
填し、炭酸ガスの散逸を防止するためシートを被せた。
この原料の充填では、製造される石材の強度を確保する
ため重機により原料層を締め固めしながら行なった。ガ
ス供給管には、断面の外寸が80mm×80mmで肉厚
3.2mmの角型鋼管にゴムを焼き付けたものを使用
し、80cmの間隔で底面に設置した。ガス供給管の両
側に径4mmのガス孔を50cmのピッチで設けた。こ
のガス供給管を通して炭酸ガスを35Nm/hrの流
量で6日間流して固化処理を行なった。
【0071】炭酸化処理後、バックホーによる石材払出
し作業を行なった。払出し時の観察では原料充填層は全
体が均一に固化していた。また、払出し後のガス供給管
にはスラグの固着は観察されず、ガス供給管の手入れ無
しで引き続き次の処理作業を行うことができた。
【0072】[実施例2]冷却過程で粉化したスラグ約
150tに7wt%の水分を加え、ショベルで均一に混
合した後、幅7m×奥行10mの型枠設備内に1mの高
さに充填し、炭酸ガスの散逸を防止するためシートを被
せた。この原料の充填は、製造される石材の強度を確保
するため重機により原料層を締め固めしながら行なっ
た。ガス供給管には、内径31.8mm、外径、48.
0mmの蒸気用のゴムホースを使用し、100cmの間
隔で底面に設置した。このガス供給配管の両側に径4m
mのガス吹込み孔を60cmのピッチで設けた。このガ
ス供給管を通して炭酸ガスを40Nm/hrの流量で
8日間流して固化処理を行なった。
【0073】炭酸化処理後、バックホーによる石材払出
し作業を行なった。払出し時の観察では原料充填層は全
体が均一に固化していた。また、払出し後のガス供給管
にはスラグの固着は観察されず、重機の運転に特別な注
意を払わなかったが、ホースの損傷は無かった。
【0074】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、廃コンクリ
ート材などのようなCaO分含有廃材や鉄鋼製造プロセ
スで発生するスラグを主原料として炭酸化反応により人
工石材を製造するに際し、高強度で均質な石材を効率的
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す説明図
【図2】本発明の他の実施形態を示す説明図
【図3】原料充填層内の有効気孔率と得られる石材の圧
縮強度との関係を示すグラフ
【図4】本発明設備の一実施形態を示す平面図
【図5】図4の設備の断面図
【図6】本発明設備の他の実施形態を示す平面図
【図7】図6の設備の断面図
【図8】本発明の設備におけるガス供給配管の一例を示
す断面図
【図9】本発明設備におけるガス供給配管の他の例を示
す断面図
【図10】本発明の設備の他の実施形態を示す説明図
【図11】本発明設備の他の実施形態を示す説明図
【符号の説明】
1…容器、1a…容器本体、2…ガス供給配管、3…加
湿槽、4…冷却機構、5…ガス供給管、6…主配管、7
…ガス孔、8…ガス流量計、9…湿度計、10…型枠、
11…制御装置、12…排出管、13…温度調整装置、
14…蓋、15…底部、15a…底板、16…排水孔、
17…貯水室、18…排水管、19…カバー、20…断
熱材、21…原料ガス吹込室、22…ガス供給手段、2
3…排水手段、24…通孔、25…板状体、50…金属
管、51…コーティング層、A…原料充填層、S…空間
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 28/08 C04B 28/08 (72)発明者 磯尾 典男 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 山本 慎一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−59310(JP,A) 特開2000−86371(JP,A) 特開 昭54−162719(JP,A) 特開 平7−284628(JP,A) 特開 平7−25679(JP,A) 特公 昭56−38549(JP,B2) 特公 昭56−36147(JP,B2) 特公 昭55−43421(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 40/02 C04B 5/00 C04B 7/147 C04B 12/00 C04B 28/00 C04B 28/08

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CaO分含有廃材および/または鉄鋼製
    造プロセスで発生したスラグを主原料とする石材用原料
    を、炭酸化反応で固結させることにより塊状石材とする
    方法であって、 容器内に水分が添加された石材用原料を装入して原料充
    填層を形成し、該容器内を閉鎖空間とした状態で容器の
    底部から炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスからなる原料
    ガスを吹き込むことにより、主として主原料中に含まれ
    るCaOの炭酸化反応より生成させたCaCOをバイ
    ンダーとして原料充填層を炭酸固化させ、原料充填層が
    塊状化した石材を得ることを特徴とする人工石材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 原料充填層の水分含有量(wt%)が、
    下記する下限水分含有量及び上限水分含有量を満足する
    ことを特徴とする請求項1に記載の人工石材の製造方
    法。 下限水分含有量(wt%):[原料粒子の表面乾燥飽水
    量(wt%)]+[A×1.0×(1/10)×1×
    10×100] 但し、A:原料粒子の外表面積(m/g) 上限水分含有量(wt%):原料充填層内での有効気孔
    率が10%以上となる水分量 但し、有効気孔率={([乾燥時の原料充填層内の気孔
    容積]−[原料充填層に含まれる水分の容積])/[原
    料充填層の容積]}×100
  3. 【請求項3】 原料充填層の嵩密度を、嵩比重/真比重
    の比で0.3〜0.9とすることを特徴とする請求項1
    または2に記載の人工石材の製造方法。
  4. 【請求項4】 加圧された原料ガスを原料充填層に供給
    することを特徴とする請求項1、2または3に記載の人
    工石材の製造方法。
  5. 【請求項5】 加湿された原料ガスを原料充填層に供給
    することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載
    の人工石材の製造方法。
  6. 【請求項6】 原料ガスに対して、容器から排出される
    ガス中の水分量とほぼ同量の水分量を加湿することを特
    徴とする請求項5に記載の人工石材の製造方法。
  7. 【請求項7】 容器から排出されるガスの湿度を測定
    し、該測定値に基づいて原料ガス加湿量を制御すること
    を特徴とする請求項5または6に記載の人工石材の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 原料ガスを60℃以下であって、且つ原
    料充填層内の温度以下のガス温度で加湿することを特徴
    とする請求項5、6または7に記載の人工石材の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 容器内における原料充填層上方のガス温
    度を、原料充填層に吹き込まれる原料ガス温度よりも低
    くすることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、7または8に記載の人工石材の製造方法。
  10. 【請求項10】 原料充填層内平均温度を60℃以下に
    することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8または9に記載の人工石材の製造方法。
  11. 【請求項11】 容器の側壁に温度センサーを設置し、
    該温度センサーにより炭酸化反応時の原料充填層内の温
    度変化を測定し、この温度変化に基づき炭酸化反応不良
    を検知し、原料ガスの供給条件を制御することを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または
    10に記載の人工石材の製造方法。
  12. 【請求項12】 CaO分含有廃材および/または鉄鋼
    製造プロセスで発生したスラグを主原料とする石材用原
    料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石材
    とするための製造設備であって、石材原料を装入して原
    料充填層を形成すべき容器と、長手方向で適宜間隔をお
    いてガス孔が形成され、前記容器の底部に配置されるガ
    ス供給配管とからなることを特徴とする人工石材の製造
    設備。
  13. 【請求項13】 ガス供給配管に供給される原料ガスを
    加湿するための加湿装置を有することを特徴とする請求
    項12に記載の人工石材の製造設備。
  14. 【請求項14】 容器内における原料充填層の上方の空
    間をガス冷却部またはガス放冷部とするとともに、容器
    の底部に原料充填層内の過剰水分を容器外に排出するた
    めの排水孔を設けたことを特徴とする請求項13に記載
    の人工石材の製造設備。
  15. 【請求項15】 ガス供給配管の少なくとも外面が、ス
    テンレス、アルミニウム、ゴム、樹脂、防錆剤層のいず
    れかにより構成されていることを特徴とする請求項1
    2、13または14に記載の人工石材の製造設備。
  16. 【請求項16】 ガス供給配管が可撓性ホースからなる
    ことを特徴とする請求項15に記載の人工石材の製造設
    備。
  17. 【請求項17】 原料ガスを原料充填層内に吹き込むた
    めのガス孔がガス供給配管の側部に形成されていること
    を特徴とする請求項12、13、14、15または16
    に記載の人工石材の製造設備。
  18. 【請求項18】 ガス供給配管が断面角型であることを
    特徴とする請求項12、13、14、15、16または
    17に記載の人工石材の製造設備。
  19. 【請求項19】 CaO分含有廃材および/または鉄鋼
    製造プロセスで発生したスラグを主原料とする石材用原
    料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石材
    とするための製造設備であって、通気および通水可能な
    底板を有し、石材原料を装入して原料充填層を形成すべ
    き容器本体と、該容器本体の底板の下部に設けられる原
    料ガス吹込室と、該原料ガス吹込室に原料ガスを供給す
    るためのガス供給手段と、前記原料ガス吹込室内に溜っ
    た水を排水するための排水手段と、前記原料ガス吹込室
    に供給される原料ガスを加湿するための加湿装置とを有
    し、前記容器本体内における原料充填層の上方の空間を
    ガス冷却部またはガス放冷部としたことを特徴とする人
    工石材の製造設備。
  20. 【請求項20】 CaO分含有廃材を主原料とする石材
    用原料を、主原料中に含まれるCaOの炭酸化反応より
    生成させたCaCO をバインダーとして固結させ、塊
    状化したことを特徴とする水中沈設用の人工石材。
  21. 【請求項21】 CaO含有廃材が、コンクリート、モ
    ルタル、耐火物の中から選ばれる1種以上からなること
    を特徴とする請求項21に記載の水中沈設用の人工石
    材。
  22. 【請求項22】 主原料に対して添加材を添加した石材
    用原料を固結させ、塊状化したことを特徴とする請求項
    20または21に記載の水中沈設用の人工石材。
  23. 【請求項23】 添加材が可溶性シリカ源、鉄源、Ca
    O源の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする
    請求項20、21または22に記載の水中沈設用の人工
    石材。
  24. 【請求項24】 鉄源が金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、
    含酸化鉄材の中から選ばれる1種以上であることを特徴
    とする請求項23に記載の水中沈設用の人工石材。
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