JP3173494B2 - 集束電極を具備する電界放出型陰極の製造方法 - Google Patents

集束電極を具備する電界放出型陰極の製造方法

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JP3173494B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集束電極を具備す
る電界放出型陰極の製造方法に関し、特に、鋭利な先端
から電子を放出する集束電極を具備する電界放出型陰極
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電界放出型陰極から電子ビー
ムが発散角をもって放出されることは良く知られてい
る。しかしながら、電界放出型陰極を電子デバイスに適
用する場合、この電子ビームの発散が各種デバイスの特
性を劣化させることになる。例えば、FED(fiel
d emission display)やCRT(c
athode ray tube)等のディスプレイデ
バイスに適用する場合は、解像度の劣化や色純度の劣化
が懸念され、TWT(進行波管)等のマイクロ波デバイ
スに適用する場合は増幅率の低下などが懸念される。
【0003】このような電子ビームの発散を抑制する方
法として、エミッタの近傍に集束レンズを設ける構造が
提案されている。例えば、Nuclear Instr
uments and Methods in Phy
sics ResearchA298(1990)に
は、エミッタ近傍に設けた集束レンズにより電子ビーム
の発散が抑制されることが報告されている。
【0004】このような集束レンズを付加した電界放出
型陰極を作製するための方法は、特開平5−24279
4や特開平7−29484において開示されている。例
えば、特開平5−242794における製造方法は、図
8に示すように、次のような段階からなる。
【0005】即ち、基板1と、複数の絶縁層、即ち、第
1絶縁層2,第2絶縁層4及び第3絶縁層6と、複数の
導電層、即ち、ゲート電極3及び集束電極5と、選択的
にパターン化されたエッチングマスク7を含む複数の材
料層を準備する段階。上記選択的にパターン化されたエ
ッチングマスク7のパターンに実質的に対応する領域に
おいて、上記多層構造体の材料層の一部から材料を選択
的に取り除く第1の異方性エッチングを行う段階。上記
エッチングによって形成された構造上に実質的に等形な
第4絶縁層8を形成する段階。サイドウォール9を形成
するように上記等形の第4絶縁層8の一部を取り除くた
めに、第2の異方性エッチングを行う段階。上記基板1
の表面の少なくとも一部が露出するように上記多層構造
体の材料層の一部を取り除くために、第3の異方性エッ
チングを行う段階。上記サイドウォール9を形成してい
た等形に形成された第4絶縁層8の残りを実質的にすべ
て取り除く段階。上記基板1の表面の実質上露出部にエ
ミッタ10を形成する段階である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た製造方法によると、集束レンズを形成するための開口
部を形成した後、ゲート電極3が露出するまで異方性エ
ッチングを行うことになる。この場合、異方性エッチン
グにおけるマスク材とゲート電極3との選択比はある有
限の値であることと、基板1の全面でのばらつきを吸収
するために、オーバーエッチを行う必要があるために、
図9に示すように、ゲート電極3の上記開口部に相当す
る部分が変形してしまう不都合が生じる課題があった。
【0007】これにより、ゲート電極3の開口部に相当
する部分のみ薄くなり、集束電界分布に影響を与えて、
集束レンズにおける電子ビームの発散抑制の制御性を劣
化させることもある。また、ゲート電極3の機械的強度
も低下し、ゲート・エミッタ間の電位差による静電吸引
力により、垂れ下がってしまい、最悪の場合、エミッタ
・ゲート間で短絡不良が発生してしまう。
【0008】上述した問題に類似した問題の解決方法
が、特開平7−085779や特開平8−321255
において開示されている。例えば、特開平7−0857
79によると、図10に一部を抜粋して示したように、
ガラス基板11、カソード配線12、抵抗層13、第1
絶縁層2、ゲート電極(第1のゲート電極)3、第2絶
縁層4、集束電極(第2のゲート電極)5、エッチング
マスク7を順次積層し、第2のゲート電極(集束電極)
5をもつ構造において、第1のゲート電極(ゲート電
極)3の張り出しを少なくするために、ゲート開口部を
形成するための異方性エッチングを行い、この異方性エ
ッチングを第1絶縁層2を僅かに残す状態で停止させ、
その後、ウェットエッチングにより抵抗層13を露出さ
せると同時に、第1絶縁層2と第2絶縁層4をサイドエ
ッチングさせて、第2のゲート電極(集束電極)5及び
第1のゲート電極(ゲート電極)3を少し張り出させる
方法が開示されている。
【0009】しかしながら、上述した製造方法を集束電
極を具備した電界放出型陰極の集束レンズを形成するた
めの開口部の形成に適用した場合、ウェットエッチング
によるサイドエッチで集束電極が張り出してしまい、そ
の後にサイドウォールを形成するための絶縁層を形成す
ると、集束レンズを形成するための開口部に実質的に等
形の狭められた開口部を得ることができなくなり、所望
の集束電極を具備した電界放出型陰極を提供できなくな
る課題があった。
【0010】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、ゲート電極のオーバーエッチによる変形の
ない電界放出型陰極を製造することができるようにし、
それにより、高品位な集束電極を具備する電界放出型陰
極を提供することができるようにするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の集束電
極を具備する電界放出型陰極の製造方法は、少なくと
も、基板上に電子を放出するためのエミッタと、第1絶
縁層と、ゲート電極と、第2絶縁層と、集束電極とを有
する集束電極を具備する電界放出型陰極の製造方法であ
って、基板上に第1絶縁層、ゲート電極、第2絶縁層、
集束電極、第3絶縁層を順次形成する工程と、集束レン
ズを形成するための開口部に対応する第3絶縁層と、集
束電極と、第2絶縁層を異方性エッチングするものの、
ゲート電極が露出しないように第2絶縁層が薄く残る状
態でストップする工程と、開口部および第3絶縁層上に
第4絶縁層を形成する工程と、第4絶縁層により狭めら
れた開口部の底部において、ゲート電極が露出するま
で、第4絶縁層をエッチバックする工程とを備えること
を特徴とする。請求項2に記載の集束電極を具備する電
界放出型陰極の製造方法は、少なくとも、基板上に電子
を放出するためのエミッタと、第1絶縁層と、ゲート電
極と、第2絶縁層と、集束電極とを有する集束電極を具
備する電界放出型陰極の製造方法であって、基板上に第
1絶縁層、ゲート電極、第2絶縁層、集束電極、第3絶
縁層を順次形成する工程と、第3絶縁層上に集束レンズ
を形成するための開口部をパターニングしたレジストマ
スクを形成する工程と、レジストマスクのパターンに対
応する開口部の領域の第3絶縁層を異方性エッチングに
より選択的に取り除く工程と、レジストマスクのパター
ンに対応する開口部の領域の集束電極を異方性エッチン
グにより選択的に取り除く工程と、レジストマスクのパ
ターンに対応する開口部の領域の第2絶縁層を異方性エ
ッチングにより選択的に取り除くものの、ゲート電極が
露出しないように第2絶縁層が薄く残る状態でストップ
する工程と、レジストマスクを取り除く工程と、開口部
および第3絶縁層上に第4絶縁層を形成する工程と、第
4絶縁層により狭められた開口部の底部においてゲート
電極が露出するまで、第4絶縁層をエッチバックする工
程と、第4絶縁層により狭められた開口部に対応する領
域のゲート電極を異方性エッチングにより選択的に取り
除く工程と、第4絶縁層により狭められた開口部に対応
する領域の第1絶縁層を異方性エッチングにより選択的
に取り除くものの、基板が露出しないように第1絶縁層
が薄く残る状態でストップする工程と、第4絶縁層及び
第3絶縁層のすべてと、基板が露出するように第1絶縁
層の薄く残した開口部の底部をウェットエッチングによ
り取り除く工程と、基板の露出部分にエミッタを形成す
る工程とを備えることを特徴とする。また、第1絶縁層
および第2絶縁層は、それぞれ2層又は3層以上の絶縁
層構造とされているようにすることができる。また、集
束電極は、2層又は3層以上の多層集束構造とされてい
るようにすることができる。また、第1絶縁層および第
2絶縁層は、2層以上の絶縁層構造とされ、各層は2以
上の異なる材料からなるようにすることができる。ま
た、第1絶縁層および第2絶縁層は、第1の層と第2の
層からなり、第1の層は酸化シリコンで構成され、第2
の層は窒化シリコンにより構成されるようにすることが
できる。本発明に係る集束電極を具備する電界放出型陰
極の製造方法においては、基板上に第1絶縁層、ゲート
電極、第2絶縁層、集束電極、第3絶縁層を順次形成
し、集束レンズを形成するための開口部に対応する第3
絶縁層と、集束電極と、第2絶縁層を異方性エッチング
するものの、ゲート電極が露出しないように第2絶縁層
が薄く残る状態でストップし、開口部および第3絶縁層
上に第4絶縁層を形成し、第4絶縁層により狭められた
開口部の底部においてゲート電極が露出するまで、第4
絶縁層をエッチバックする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の集束電極を具備する電界
放出型陰極の製造方法においては、集束レンズを形成す
るための開口部に対応する第2絶縁層を異方性エッチン
グする際に、ゲート電極が露出しない状態でストップし
た後、第4絶縁層を形成し、狭められた開口底部におい
てゲート電極が露出するまで第4絶縁層をエッチバック
する。
【0013】より詳しくは、基板上に電子を放出するた
めのエミッタ、第1絶縁層、ゲート電極、第2絶縁層、
集束電極からなる電界放出型陰極を、1)基板上に第1
絶縁層、ゲート電極、第2絶縁層、集束電極、第3絶縁
層を順次形成する工程と、2)上記第3絶縁層上に集束
レンズを形成するための開口部をパターニングしたフォ
トレジストエッチングマスク(レジストマスク)を形成
する工程と、3)上記レジストマスクのパターンに対応
する開口部領域の第3絶縁層を異方性エッチングにより
選択的に取り除く工程と、4)上記レジストマスクのパ
ターンに対応する開口部領域の集束電極を異方性エッチ
ングにより選択的に取り除く工程と、5)上記レジスト
マスクのパターンに対応する開口部領域の第2絶縁層を
異方性エッチングにより選択的に取り除くものの、ゲー
ト電極が露出しないように薄く残る状態でストップする
工程と、6)上記レジストマスクを取り除く工程と、
7)上記開口部および第3絶縁層上に第4絶縁層を形成
する工程と、8)上記第4絶縁層により狭められた開口
底部においてゲート電極が露出するまで、第4絶縁層を
エッチバックする工程と、9)上記第4絶縁層により狭
められた開口部に対応する領域のゲート電極を異方性エ
ッチングにより選択的に取り除く工程と、10)上記第
4絶縁層により狭められた開口部に対応する領域の第1
絶縁層を異方性エッチングにより選択的に取り除くもの
の、シリコン基板が露出しないように薄く残る状態でス
トップする工程と、11)上記第4絶縁層と第3絶縁層
のすべてと、基板が露出するように上記第1絶縁層の薄
く残した開口底部をそれぞれウェットエッチングにより
取り除く工程と、12)上記基板の露出部分にエミッタ
を形成する工程とにより製造する。
【0014】以下、本発明の集束電極を具備する電界放
出型陰極の製造方法について、図面を参照して説明す
る。図1は、本発明の集束電極を具備する電界放出型陰
極の製造方法によって製造される集束電極を具備する電
界放出型陰極の構成例を示す図である。図2は、本発明
の集束電極を具備する電界放出型陰極の製造方法を概略
的に説明するための図であり、後述する各工程における
集束電極を具備する電界放出型陰極の断面図を表してい
る。
【0015】まず最初に、基板1上に、第1絶縁層2と
して酸化シリコンを約0.5マイクロメートル(μ
m)、ゲート電極3としてタングステンを約0.2μ
m、第2絶縁層4として酸化シリコンを約0.5μm、
集束電極5としてタングステンを約0.2μm、さら
に、第3絶縁層6として酸化シリコンを約0.5μm、
順次形成する。
【0016】続いて、上記集束電極5上に集束レンズを
形成するための直径およそ1μmの開口部をパターニン
グしたフォトレジストエッチングマスク(エッチングマ
スク)7を形成する。
【0017】続いて、上記フォトレジストエッチングマ
スク7のパターンに対応する開口部領域の第3絶縁層6
及び集束電極5を異方性エッチングにより選択的に取り
除く。続いて、上記フォトレジストエッチングマスク7
のパターンに対応する開口部領域の第2絶縁層4を異方
性エッチングにより選択的エッチングするものの、ゲー
ト電極3が露出しないように第2絶縁層4が薄く残る状
態でストップする。
【0018】続いて、上記フォトレジストエッチングマ
スク7を取り除く。続いて、上記開口部及び第3絶縁層
6上に第4絶縁層8として酸化シリコンを約0.5μm
形成する。ここで、第4絶縁層8である酸化シリコン
は、第3絶縁層6の上面に形成されるのと同時に、開口
部の底面部及び側壁にも形成され、直径およそ0.5μ
mに狭められた開口部が形成される。
【0019】続いて、上記第4絶縁層8により狭められ
た開口部の底部をゲート電極3が露出するまで、第4絶
縁層8をエッチバックする。続いて、第4絶縁層8によ
り狭められた開口部に対応する領域のゲート電極3を異
方性エッチングにより選択的に取り除いた後、第4絶縁
層8により狭められた開口部に対応する開口部領域の第
1絶縁層2を異方性エッチングにより選択的エッチング
するものの、基板1が露出しないように第1絶縁層2が
薄く残る状態でストップする。
【0020】続いて、第4絶縁層8及び第3絶縁層6の
すべてと、基板1が露出するように上記第1絶縁層2の
薄く残した開口底部を、それぞれウェットエッチングに
より取り除く。最後に、基板1の露出部分にエミッタ1
0を形成すると、図1に示したような集束電極を具備し
た電界放出型陰極が完成する。
【0021】本実施の形態では、図1に示すように、集
束電極が1層の構造に適用する場合の例について説明し
たが、図3に示すように、基板1、第1絶縁層2、ゲー
ト電極3、第2絶縁層4、第1集束電極5、第3絶縁層
21、第2集束電極22が順次積層され、集束電極が第
1集束電極5と第2集束電極22の2層からなる場合に
も適用することができる。また、集束電極が3層以上の
多層集束構造に対しても適応することができることは言
うまでもない。
【0022】図4は、本発明の集束電極を具備する電界
放出型陰極の製造方法によって製造された集束電極を具
備する電界放出型陰極の他の構成例を示す図である。図
5は、本発明の集束電極を具備する電界放出型陰極の製
造方法の他の例を概略的に説明するための図であり、後
述する各工程における集束電極を具備する電界放出型陰
極の断面図を表している。
【0023】まず最初に、基板1上に、第1絶縁層A2
として酸化シリコンを約0.3μm、第1絶縁層B14
として窒化シリコンを約0.2μm、ゲート電極3とし
てタングステンを約0.2μm、第2絶縁層A4として
酸化シリコンを約0.3μm、第2絶縁層B15として
窒化シリコンを約0.2μm、集束電極5としてタング
ステンを約0.2μm、さらに、第3絶縁層6として酸
化シリコンを約0.5μm、順次形成する。
【0024】ここでは、2層構造であることが容易に分
かるように、第1絶縁層2,14をそれぞれ第1絶縁層
A2、第1絶縁層B14と記載している。同様に、第2
絶縁層4,15をそれぞれ第2絶縁層A4、第2絶縁層
B15と記載している。
【0025】続いて、上記集束電極5上に集束レンズを
形成するための直径およそ1μmの開口部をパターニン
グしたフォトレジストエッチングマスク7を形成する。
続いて、上記フォトレジストエッチングマスク7のパタ
ーンに対応する開口部領域の第3絶縁層6、集束電極
5、及び第2絶縁層B15を異方性エッチングにより選
択的に取り除く。
【0026】続いて、上記フォトレジストエッチングマ
スク7のパターンに対応する開口部領域の第2絶縁層A
4を異方性エッチングにより選択的エッチングするもの
の、ゲート電極3が露出しないように第2絶縁層A4が
薄く残る状態でストップする。
【0027】続いて、上記フォトレジストエッチングマ
スク7を取り除く。続いて、上記開口部及び第3絶縁層
6上に第4絶縁層8として酸化シリコンを約0.5μm
形成する。ここで、第4絶縁層8である酸化シリコン
は、第3絶縁層6の上面に形成されるのと同時に、開口
部の底面部及び側壁にも形成され、直径およそ0.5μ
mに狭められた開口部が形成される。
【0028】続いて、上記第4絶縁層8により狭められ
た開口部の底部において、ゲート電極3が露出するま
で、第4絶縁層8をエッチバックする。続いて、第4絶
縁層8により狭められた開口部に対応する領域のゲート
電極3及び第1絶縁層B14を異方性エッチングにより
選択的に取り除いた後、第4絶縁層8により狭められた
開口部に対応する開口部領域の第1絶縁層A2を異方性
エッチングにより選択的エッチングするものの、基板1
が露出しないように第1絶縁層A2が薄く残る状態でス
トップする。
【0029】続いて、第4絶縁層8及び第3絶縁層6の
すべてと、基板1が露出するように、上記第1絶縁層A
2の薄く残した開口底部を、それぞれウェットエッチン
グにより取り除く。最後に、基板1の露出部分にエミッ
タ10を形成すると、図4に示すように、基板1、第1
絶縁層A2、第1絶縁層B14、ゲート電極3、第2絶
縁層A4、第2絶縁層B15、集束電極5が順次積層さ
れた、各絶縁層が2層構造となっている集束電極を具備
した電界放出型陰極が完成する。
【0030】以上説明したように、集束レンズを形成す
るための開口部に対応する第2絶縁層4を異方性エッチ
ングする際に、ゲート電極3が露出しない状態でストッ
プした後、第4絶縁層8を形成し、狭められた開口底部
においてゲート電極3が露出するまで第4絶縁層8をエ
ッチバックすることにより、集束レンズを形成するため
の開口部に対応するゲート上面に、異方性エッチング時
のオーバーエッチにより変形が生じることがないように
することができる。
【0031】また、上述したように、本発明は、絶縁層
が2種類以上の異なる材料からなる構造の場合において
も適用することができる。この構造においては、基板・
ゲート電極間、ゲート電極・集束電極間等の沿面距離を
長くして、かつエミッタ材料のスパッタによる絶縁層表
面への再付着を抑制することが可能となり、陰極の不良
の原因であるゲートリーク電流を小さくすることができ
る。
【0032】なお、上記実施の形態では、図4に示すよ
うに、第1絶縁層A2,B14、第2絶縁層A4,B1
5が、それぞれ酸化シリコンからなる層と窒化シリコン
からなる層の2層構造となっている場合、即ち、第1絶
縁層A2と第2絶縁層A4がそれぞれ酸化シリコンから
なり、第1絶縁層B14と第2絶縁層B15がそれぞれ
窒化シリコンからなる場合について説明したが、図6に
示すように、各絶縁層が3層構造とされている場合、即
ち、一方の絶縁層が第1絶縁層A2、第1絶縁層B1
4、及び第1絶縁層C31からなる3層構造とされ、他
方の絶縁層が第2絶縁層A4、第2絶縁層B15、及び
第2絶縁層C32からなる3層構造となっている場合に
も適用することができる。また、各絶縁層が4層以上の
絶縁層構造になっている場合においても本発明を適用す
ることができる。
【0033】また、上記実施の形態では、集束電極が1
層のみの構造の場合について説明したが、図7に示すよ
うに、基板1、第1絶縁層A2、第1絶縁層B14、ゲ
ート電極3、第2絶縁層A4、第2絶縁層B15、第1
集束電極5、第3絶縁層A21、第3絶縁層B41、第
2集束電極22が順次積層された、集束電極が第1集束
電極5と第2集束電極22の2層からなる場合にも本発
明を適用することができる。また、集束電極が3層以上
の多層構造の場合においても本発明を適用することがで
きる。これらの構造においては、複数の集束電極に印加
する電圧を適当に調整することにより、発散角のより少
ない電子ビームを得ることが可能となる。
【0034】また、上記各実施の形態において用いた具
体的な数値は例であって、これに限定されるものではな
い。
【0035】
【発明の効果】以上の如く、本発明に係る集束電極を具
備する電界放出型陰極の製造方法によれば、基板上に第
1絶縁層、ゲート電極、第2絶縁層、集束電極、第3絶
縁層を順次形成し、集束レンズを形成するための開口部
に対応する第3絶縁層と、集束電極と、第2絶縁層を異
方性エッチングするものの、ゲート電極が露出しないよ
うに第2絶縁層が薄く残る状態でストップし、開口部お
よび第3絶縁層上に第4絶縁層を形成し、第4絶縁層に
より狭められた開口部の底部において、ゲート電極が露
出するまで、第4絶縁層をエッチバックするようにした
ので、集束レンズを形成するための開口部に対応するゲ
ート上面に、異方性エッチング時のオーバーエッチによ
る変形が生じることがないようにすることができ、高品
位な集束電極を具備する電界放出型陰極を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の集束電極を具備する電界放出型陰極の
製造方法が適用される集束電極を具備する電界放出型陰
極の構成例を示す図である。
【図2】本発明の集束電極を具備する電界放出型陰極の
製造方法を説明するための図である。
【図3】本発明の集束電極を具備する電界放出型陰極の
製造方法が適用される2層以上の集束電極を具備する多
層集束構造の電界放出型陰極の構成例を示す図である。
【図4】絶縁層が2層構造となっている集束電極を具備
する電界放出型陰極の構成例を示す図である。
【図5】図4に示した絶縁層が2層構造となっている集
束電極を具備した電界放出型陰極の製造に適用される本
発明の集束電極を具備する電界放出型陰極の製造方法の
他の例を説明するための図である。
【図6】絶縁層が3層構造となっている集束電極を具備
する電界放出型陰極の構成例を示す図である。
【図7】集束電極が2層となっている多層集束構造の集
束電極を具備する電界放出型陰極の構成例を示す図であ
る。
【図8】従来の集束電極を具備する電界放出型陰極の製
造方法の一例を説明するための図である。
【図9】図8の製造方法によって製造された集束電極を
具備する電界放出型陰極の例を示す図である。
【図10】従来の集束電極を具備する電界放出型陰極の
製造方法の他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 基板 2 第1絶縁層(第1絶縁層A) 3 ゲート電極 4 第2絶縁層(第2絶縁層A) 5 集束電極(第1集束電極) 6 第3絶縁層 7 エッチングマスク 8 第4絶縁層 9 サイドウォール 10 エミッタ 11 ガラス基板 12 カソード配線 13 抵抗層 14 第1絶縁層B 15 第2絶縁層B 21 第3絶縁層A 22 第2集束電極 31 第1絶縁層C 32 第2絶縁層C 41 第3絶縁層B

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、基板上に電子を放出するた
    めのエミッタと、第1絶縁層と、ゲート電極と、第2絶
    縁層と、集束電極とを有する集束電極を具備する電界放
    出型陰極の製造方法であって、 前記基板上に前記第1絶縁層、前記ゲート電極、前記第
    2絶縁層、前記集束電極、第3絶縁層を順次形成する工
    程と、 集束レンズを形成するための開口部に対応する前記第3
    絶縁層と、前記集束電極と、前記第2絶縁層を異方性エ
    ッチングするものの、前記ゲート電極が露出しないよう
    に前記第2絶縁層が薄く残る状態でストップする工程
    と、 前記開口部および前記第3絶縁層上に第4絶縁層を形成
    する工程と、 前記第4絶縁層により狭められた前記開口部の底部にお
    いて、前記ゲート電極が露出するまで、前記第4絶縁層
    をエッチバックする工程とを備えることを特徴とする集
    束電極を具備する電界放出型陰極の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも、基板上に電子を放出するた
    めのエミッタと、第1絶縁層と、ゲート電極と、第2絶
    縁層と、集束電極とを有する集束電極を具備する電界放
    出型陰極の製造方法であって、 前記基板上に前記第1絶縁層、前記ゲート電極、前記第
    2絶縁層、前記集束電極、第3絶縁層を順次形成する工
    程と、 前記第3絶縁層上に集束レンズを形成するための開口部
    をパターニングしたレジストマスクを形成する工程と、 前記レジストマスクのパターンに対応する前記開口部の
    領域の前記第3絶縁層を異方性エッチングにより選択的
    に取り除く工程と、 前記レジストマスクのパターンに対応する前記開口部の
    領域の前記集束電極を異方性エッチングにより選択的に
    取り除く工程と、 前記レジストマスクのパターンに対応する前記開口部の
    領域の前記第2絶縁層を異方性エッチングにより選択的
    に取り除くものの、前記ゲート電極が露出しないように
    前記第2絶縁層が薄く残る状態でストップする工程と、 前記レジストマスクを取り除く工程と、 前記開口部および前記第3絶縁層上に第4絶縁層を形成
    する工程と、 前記第4絶縁層により狭められた前記開口部の底部にお
    いて前記ゲート電極が露出するまで、前記第4絶縁層を
    エッチバックする工程と、 前記第4絶縁層により狭められた前記開口部に対応する
    領域の前記ゲート電極を異方性エッチングにより選択的
    に取り除く工程と、 前記第4絶縁層により狭められた前記開口部に対応する
    領域の前記第1絶縁層を異方性エッチングにより選択的
    に取り除くものの、前記基板が露出しないように前記第
    1絶縁層が薄く残る状態でストップする工程と、 前記第4絶縁層及び前記第3絶縁層のすべてと、前記基
    板が露出するように前記第1絶縁層の薄く残した前記開
    口部の底部をウェットエッチングにより取り除く工程
    と、 前記基板の露出部分に前記エミッタを形成する工程と を備えることを特徴とする集束電極を具備する電界放出
    型陰極の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1絶縁層および前記第2絶縁層
    は、それぞれ2層又は3層以上の絶縁層構造とされてい
    ることを特徴とする請求項2に記載の集束電極を具備す
    る電界放出型陰極の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記集束電極は、2層又は3層以上の多
    層集束構造とされていることを特徴とする請求項2に記
    載の集束電極を具備する電界放出型陰極の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1絶縁層および前記第2絶縁層
    は、2層以上の絶縁層構造とされ、各層は2以上の異な
    る材料からなることを特徴とする請求項2に記載の集束
    電極を具備する電界放出型陰極の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1絶縁層および前記第2絶縁層
    は、第1の層と第2の層からなり、前記第1の層は酸化
    シリコンで構成され、前記第2の層は窒化シリコンによ
    り構成されることを特徴とする請求項2に記載の集束電
    極を具備する電界放出型陰極の製造方法。
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